JP2010040787A - プリント配線基板及び該プリント配線基板を有する装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価な構成で、信号制御系の回路部における電源・GNDパターンを介した高周波ノイズの相互干渉を抑制し、且つ高周波信号の波形品位を保持しながらパワー系回路からの大電流ノイズが信号制御系へ与えるノイズ干渉を抑制し、且つ断線等によるグランド浮きにより電気的なストレスが回路に印加されることを防止する。
【解決手段】 信号制御系の電源配線及びGND配線との対と、パワー系回路の電源配線及びGND配線との対とを有し、信号制御系のGND配線とパワー系回路のGND配線とは、プリント配線基板内で互いに接続されずに独立した配線パターンまたは配線プレーンで構成されており、信号制御系のGND配線とパワー系回路のGND配線との間は、低周波の大電流を阻止すると共に両端の電位差を所定値以下に制限する制限素子である抵抗器、インダクタンス素子、ダイオード、及び前記制限素子に並列に接続された少なくとも1つの容量性素子であるコンデンサを介して接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明はプリント配線基板及び該プリント配線基板を有する装置に関する。特に、電源パターンや接地(以下、GNDまたはグランド)パターンに伝導するノイズ干渉が招く回路誤動作等を抑制するためのプリント配線基板及び該プリント配線基板を有する装置に関するものである。
近年の半導体集積回路(以下、ICと称す)は、プロセス技術の微細化等が進み、動作スピードは年々高速化し続けている。動作スピードがより高速化されたICを使用することにより、様々な装置の小型化や高機能化等が図られている。一方、ICの動作スピードが高速化される中で、ICに接続される電源端子、GND端子及び信号端子部の高周波ノイズレベルは増大している。ICの信号端子、電源端子及びGND端子に伝播した高周波の電位変動は、ICを搭載するプリント配線基板、ケーブル、及び金属筐体に伝播し、最終的に機器からの輻射ノイズレベルを増大させている。機器からの輻射ノイズを抑制するためには、IC内部での対策、プリント配線基板での対策、機器でのケーブル這いまわし方法や板金構成を工夫する対策等が施される。
しかし、ケーブル這いまわし方法や板金構成に対策を施すためには、多大な検討時間や機器の大幅なコストアップを招く場合が多いため、一般的には、IC内部での対策やプリント配線基板での対策を施す方が良い。また、IC起因で発生した高周波の電位変動がICを搭載するプリント配線基板に伝播した場合には、プリント配線基板に配置される信号制御回路の誤動作を発生させてしまうという課題もあった。このような信号制御回路での誤動作を防止するためには、IC内部での対策に加えて、プリント配線基板での対策が施されている。
さらに、近年では、ICの動作スピードの高速化が進むに従い、IC動作時に発生するGNDおよび電源電圧の変動による雑音電圧がICの外部端子部において大きくなっている。その一方、ICの使用動作電圧は益々低下する傾向にあるため、ノイズマージンは減少している傾向となる。つまり、ノイズによる装置の誤動作も大きな問題となってきている。
これらの問題を解決するため、従来、半導体集積回路の内部配線やプリント配線基板における放射ノイズ対策やノイズ耐性等の課題に対しては、配線パターンを一点アースにしたり島状に分岐配線する対策手法が用いられてきた。この分岐配線は、KHz以下の低周波帯域ではほぼ0Ωで接続されているが、MHz以上の高周波帯域では配線パターンに寄生するインダクタンス成分および直流抵抗成分により分離されているというものである。
例えば、特許文献1では、外部端子用の電源ライン及びGNDラインと、内部回路に電源電圧を供給する内部回路用電源ライン及びGNDラインとをIC内部のパターン上で分割している。これにより、前者で発生したノイズが後者に接続されている内部回路に影響を及ぼさない。
また、特許文献2では、IC内部の比較的静かな電源レールと比較的雑音の多い電源レールを分離し、且つ低い抵抗値の結合抵抗で部分的に並列結合し寄生インダクタンスを減少させることで部分的に分離している。また、IC内部の比較的静かな接地レールと比較的雑音の多い接地レールを分離し、且つ低い抵抗値の結合抵抗で部分的に並列結合し寄生インダクタンスを減少させることで部分的に分離している。これにより、比較的静かな電源レールまたは接地レールに接続される出力バッファ回路の出力が許容範囲内に維持される。
このように、ICの内部回路で発生したノイズが他のブロック回路に伝播しないようにするために、特許文献1及び2に示されるようなIC内部で各電源配線間と各GND配線間を分岐配線する技術が提案されている。
しかし、その一方、近年では、ICの規模の増大、高速化等により、特許文献1及び2で提案されたようなIC内部で各電源配線間と各GND配線間を分岐配線するような対策だけでは不十分になってきている。そこで、ICの内部対策とプリント板のパターン配線方法との両側面から対策を施す必要性が高まっている。そこで、次にプリント配線基板のパターン配線方法によるノイズ対策を示す。
特許文献3〜6に例示する技術は、高周波ノイズによる干渉を低減するために、プリント板のパターン配線に対策を施したものである。プリント板の電源パターンやGNDパターンを島状にパターン分離したり、1点アース接続構成でパターン分離したり、分岐したパターン間をインダクタンス素子で接続する等の技術が提案されている。尚、島状のパターン分離や1点アース接続構成の分離は、配線上の高周波分離であるので、正確には分岐という表現となる。これらの構成によれば、プリント配線基板上に搭載されている各ICの電源端子やGND端子に発生する高周波の電位変動が他のICの電源端子やGND端子へ伝播することが抑制可能となる。
しかしながら、逆に、ICの出力信号の電流リターン経路は、最短のパターン経路が分断されることになるため、高周波成分においては配線インピーダンスが高くなってしまう。高周波成分のインピーダンスが高くなると、高速出力信号の波形品位の低下を招くことがある。つまり、ICの電源端子、GND端子に含まれる高周波ノイズの伝播が抑制されるものの、その代わりに、高速動作する出力信号は、出力信号の高周波成分(MHz帯域以上)に関して波形品位が低下してしまうという課題があった。その結果、出力信号部においてディファレンシャルモードによる高周波ノイズが放射されやすくなるという課題も生じていた。
そこで、分岐されたパターン間をバイパスコンデンサで接続する技術が開示されている。近年においては、同じプリント配線基板で+5Vと+3.3V電源とが混在していたり、同じ+3.3V電源であっても、パワーマネージメントの省エネ要求から電源が数系統に分離されたりするために、電源パターンに不連続な経路が構成されている場合がある。
特許文献7には、このような場合において、高周波電流の帰路を確保するために、分離された電源又は分岐されたGNDパターン間をバイパスコンデンサで接続し、高周波電流のリターン経路を短く確保する技術が開示されている。従来、電源パターンが不連続であるために、高周波信号が浮遊容量等の経路を経由し、帰路電流のループ面積が大きくなっていたことに対し、その帰路電流ループを小さくする経路を確保できるため、不要放射ノイズが低減される。
しかしながら、ICの電源端子、GND端子に含まれる高周波ノイズの伝播を抑制するために、そもそも電源またはGNDパターンの分岐を行っていた箇所に、高周波成分の帰還電流経路を確保できるようにバイパスコンデンサを接続する構成としている。つまり、島状に分離していた電源又はGNDパターンについて、高周波成分に関しては、分離を弱めるように機能するバイパスコンデンサを部分的に追加したこととなる。その結果、もともと課題とされていたICの電源端子、GND端子に含まれる数十MHz以上の高周波ノイズの伝播は、追加したバイパスコンデンサに応じて、逆に悪化する方向に戻ってしまう。つまり、トレードオフ関係となる。従って、高周波ノイズの伝播を問題にならないレベルに抑制しつつ、且つ高速信号の波形品位も要求レベルに保持するためには、高周波電流のリターン帰路を確保するコンデンサをバランスの良い数量で且つ適所に配置しなければならないという困難さを伴っていた。
特開平5−291511号公報 特開平5−283597号公報 特開平5−13909号公報 特開平10−41629号公報 特開平11−340630号公報 特開2001−274558号公報 特開平11−261238号公報
上記説明した従来例は、配線パターンを一点アースや島状に分岐する等して配線したことにより、配線パターンの高周波インピーダンスを利用して高周波帯域で分離する。そして、主にMHz帯域以上の周波数帯域で生じたノイズ電圧の伝播によるノイズ干渉を抑制可能としていた。しかしながら、KHz帯域以下の周波数帯域で且つ大電流が流れた場合に生じたノイズ電圧の伝播は抑制困難であり、回路誤動作等の課題が発生する。
一方、低周波帯域での干渉を抑制するためには、ノイズ干渉が懸念される配線パターンを互いに接続せず分離し、各パターンを独立に構成する。この場合には、どちらかのGNDが検査工程、製造上のトラブルや断線等によって、装置のGNDから非接続状態となった場合に課題が生じる。GNDの片浮き状態が発生した場合には、通常時には発生しない経路に電流が流れたり、通常時に存在しない電位が回路に印加されることとなり、電気的なストレスを与えてしまう。
以下、この課題に対して、更に詳細に説明する。尚、上述の従来例は、その説明の中で「分離」という言葉を用いて説明している場合が多いけれども、実際にはプリント配線基板の配線パターンは接続されているので、正確に表現すると「分岐」や「高周波分離」等であって、低周波帯域では分離されていない。
上述の従来例は、一般的に+5Vや+3.3V、昨今ではより低電圧の+2.5V、+1.8V電源等を用いた信号制御系の電子回路において、各電子回路がプリント配線基板を介してさまざまなノイズ干渉を引き起こしてしまう課題と対策等を示した。
この類の信号制御系のノイズ問題は、主にノイズ成分がMHz帯域以上の高周波であることにより、プリント配線基板パターンの配線インダクタンスが無視できない状態となる。その結果、雑音電圧が生じて様々な箇所へ伝播し、複雑化している課題である。従って、同じプリント配線基板上では、ノイズ干渉を回避したい箇所でプリント配線基板のGNDパターンを一点アースや島状に分岐し、配線パターンの高周波インピーダンスを利用して高周波帯域で分離配線するというものであった。逆に、高周波の電流経路を低インピーダンスで確保したい場合には、バイパスコンデンサを配置するというものである。信号やノイズの高周波成分に関してのみパターン配線やインダクタンス素子等で分離し、一方の低周波帯域では配線パターンで接続することにより、プリント配線基板上のGND電位全体を均一に安定保持させるものである。
上述の信号制御系においては、仮に低周波帯域のノイズが生じていた場合でも、配線パターンのインピーダンスは非常に小さいためパターン配線起因で問題が生じるものではなかった。しかしながら、数Aレベルの大電流が流れるパワー系の低周波ノイズが混在してしまった場合には、このノイズ成分の電流値が大きいという別の要因により、プリント配線基板パターンの配線インダクタンスが無視できない状態となる。その結果、雑音電圧が生じてしまうという課題があった。
例えば、レーザビームプリンタ等に搭載されているプリント配線基板では、+3.3V信号制御系と+24Vパワー系の回路が一般的に同じプリント配線基板に搭載されている。+24V系には、モータを駆動する数十KHz帯域での駆動電流が供給されており、数Aレベルの大電流が流れることでKHz帯域での雑音電圧が発生する場合がある。つまり、周波数が低くても、大電流であるがために、KHz帯域の配線インピーダンスを無視できず雑音電圧が発生してしまう。特に、モータの起動時にはさらに大きな起動電流が+24V系の配線に流れるので、より大きなノイズがGNDパターンにも発生してしまう。
従って、+3.3V系のGNDと+24V系のGNDを分岐せずに同じプリント配線基板上でベタパターンを形成した場合には、この+24V系に流れる大電流によって+3.3V系回路のGND電位も大きく揺らされることになる。また、一点アース構成で+3.3V系のGNDパターンと+24V系のGNDパターンを分岐してパターン配線していた場合においても、KHz帯域では0Ωに近い低インピーダンスで接続されている。そのため、配線パターン経由で伝播するKHz帯域でのノイズ干渉は抑制できず、+3.3V系回路のGND電位が+24V系の大電流ノイズで大きく揺らされることになる。このように+3.3V系GNDの電位がノイズで揺らされると、信号制御回路に誤動作が生じる原因となる。例えば、電源電圧とGND間の電位差をモニタしているリセット回路が誤動作してしまったり、CPUのA/D入力電位等が正しい値を検知できなくなる。
そこで、従来は、数百μF程度の大容量電解コンデンサを+3.3V電源と+3.3V系GND間に追加で搭載する等の対策を実施していた。しかしながら、部品サイズが大きい上に配置スペースも必要とされ、且つコストアップが生じる。さらに、その効果はノイズ干渉のレベルを低減する程度でしかなかった。また、抑制効果を大きくするためにはさらに大容量の電解コンデンサを要するため、更なるプリント配線基板上の配置スペースの確保を必要とするとともに、更なるコストアップが生じる。
また、レーザビームプリンタには、他にも大電流であるがゆえに生じる同様のノイズ干渉問題がある。レーザビームプリンタは、ユーザがプリンタのドア開閉を行った際に、安全性の観点からインタロックスイッチを介して+24Vの供給を遮断する回路が構成されているものがある。このインタロックスイッチのオフ/オン動作時には、スイッチの上流から下流の回路に構成された電解コンデンサ等に50A〜100A程度の大きな突入電流が流れる。そして、非常に大きな突入電流が流れるため、GNDパターンの電位が大きく浮き上がってしまうという現象が生じる。この突入電流の大きさは、インタロックスイッチの下流に設けられた電解コンデンサの容量に応じて増減される。
近年、このインタロックスイッチの下流に設けられた回路規模の増大、例えば、モータ数の増加、モータ負荷容量の増加、高圧電源基板の高圧回路数の増加等に伴い、+24V系回路に搭載される電解コンデンサの容量が増加している。つまり、電解コンデンサの容量が増加するとともに、突入電流起因によって発生するノイズレベルも増大する。例えば、インタロックスイッチの突入電流で+3.3Vと+3.3VGND間の電位変動による誤動作が生じないように抑制するためには、100KHzで0.01〜0.02Ω程度の低インピーダンスとなるような電解コンデンサが必要とされる。
そこで、上述した+24V系の大電流に起因するノイズ問題を回避するためには、+3.3Vの信号制御系と+24Vのパワー系のGND配線をプリント配線基板上で互いに独立して配線する構成が考えられる。しかし、この場合には、次の問題が生じる。+24V系のパワー回路は、+3.3V系の制御回路により動作を制御されているため、+3.3V系回路と+24V系回路は相互に接続されるインタフェースを有している。従って、どちらかのGNDが検査工程や製造上のトラブルや断線等によって、装置のGNDから非接続状態となった場合には、GNDの片浮き状態が発生する。そのため、通常時には発生しない経路に電流が流れたり、通常時に存在しない電位が回路に印加されることとなり、電気的なストレスを与えてしまう。その結果、電気的なストレスを受けた回路部が損傷してしまうという懸念があった。また、一部の回路部が損傷してしまった場合には、非接続状態となっていたGND接続部を正常に接続して復帰させた場合においても、プリンタ装置が修復しないという課題もあった。
本発明は、上記従来例に鑑みてなされたもので、安価な構成で、信号制御系の回路部における電源パターンやGNDパターンを介した高周波ノイズの相互干渉を抑制するプリント配線基板を提供する。且つ、高周波信号の波形品位を保持しながら、モータ等のパワー系回路からの大電流ノイズが信号制御系へ与えるノイズ干渉を抑制するプリント配線基板を提供する。且つ、プリント配線基板の検査工程や製造上のトラブルや断線等によってどちらかのGNDがオープン状態になった場合にも、信号制御系回路とパワー系回路の相互インタフェース部での電気的なストレスの印加を防止するプリント配線基板を提供する。本発明は、特に、単層、2層の種類のプリント配線基板に対して効果的に適応可能である。
また、分離された島状GNDの間をバイパスするコンデンサについて、複数のパワー系負荷の帰還電流が特定のコンデンサに集中すると特定経路の高周波での電位差が増加してしまう問題がある。それを解決するため複数のコンデンサの分散配置を提案する。
更に、上記プリント配線基板を備える装置を提供する。
上記目的を達成するために、本発明のプリント配線基板は以下の構成からなる。
第1系統及び第2系統を含む少なくとも2系統の直流電源を供給する電源供給装置から前記少なくとも2系統の直流電源が供給され、作動電流が流れて機械的に作動する手段または機械的な作動によって作動電流が流れる手段を有する作動装置に、前記第1系統の直流電源により発生する制御信号と前記第2系統の直流電源により発生する作動電流とを供給するように構成されたプリント配線基板であって、前記第1系統の電源配線と前記第1系統のGND配線との対と、前記第2系統の電源配線と前記第2系統のGND配線との対とを有し、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線とは、前記プリント配線基板内で互いに接続されずに独立した配線パターンまたは配線プレーンで構成されており、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線との間は、低周波の大電流を阻止すると共に両端の電位差を所定値以下に制限する制限素子及び前記制限素子に並列に接続された少なくとも1つの容量性素子を介して接続されていることを特徴とする。
また、本発明の装置は以下の構成からなる。
電源配線が配線パターンまたは配線プレーンで少なくとも2系統に独立または分岐され、GND配線が配線パターンまたは配線プレーンで接続された、第1系統及び第2系統を含む少なくとも2系統の直流電源を供給する電源供給部と、前記少なくとも2系統の直流電源が供給されるプリント配線基板と、前記電源供給装置と前記プリント配線基板とを接続する線材と、作動電流が流れて機械的に作動される手段または機械的な作動によって作動電流が流れる手段を有する作動部とを備えた装置において、前記プリント配線基板が、前記第1系統の電源配線と前記第1系統のGND配線との対と、前記第2系統の電源配線と前記第2系統のGND配線との対とを有し、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線とは、前記プリント配線基板内で互いに接続されずに独立した配線パターンまたは配線プレーンで構成されており、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線との間は、低周波の大電流を阻止すると共に両端の電位差を所定値以下に制限する制限素子及び前記制限素子に並列に接続された少なくとも1つの容量性素子を介して接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、パワー系回路で発生したGNDの電位変動がプリント配線基板上のパターンを介して信号制御系回路に伝播するのを安価な構成で抑制可能となる。且つ、信号制御系回路とパワー系回路で相互に接続されるインタフェース部は、波形品位を損なうことなく高速な信号の送受信を行うことも同時に可能となる。且つ、プリント配線基板の検査工程、製造上のトラブルや断線等によってどちらかのGNDがオープン接続状態になった場合にも、信号制御系回路とパワー系回路の相互インタフェース部での電気的なストレスの印加を防止することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適ないくつかの実施形態について、さらに具体的かつ詳細に説明する。以下に説明するプリント配線基板の例は、ASICやCPU等を搭載した信号制御系回路部とモータ等の数A程度以上の電流が流れるパワー系回路とが混在されたものである。また、かかるプリント配線基板を有する装置としてレーザビームプリンタを代表させて説明する。しかしながら、本発明は、数MHz以上の高周波帯域で動作する信号制御系回路と数A以上の電流が流れるパワー系回路が混在するプリント配線基板という条件下のあらゆるプリント配線基板、またそれを有する装置に適用可能である。これらも本発明の範囲に含まれる。
[実施形態1]
実施形態1に従うプリント配線基板は、ASICやCPU等を搭載した信号制御系回路部とモータ等の数A程度以上の電流が流れるパワー系回路部とが混在したプリント配線基板である。すなわち、プリント配線基板には、第1系統及び第2系統を含む少なくとも2系統の直流電源を供給する電源供給装置から前記少なくとも2系統の直流電源が供給される。そして、プリント配線基板からは、作動電流が流れて機械的に作動する手段または機械的な作動によって作動電流が流れる手段を有する作動装置に、前記第1系統の直流電源により発生する制御信号と前記第2系統の直流電源により発生する作動電流とを供給される。
そして、信号制御回路部用のGND配線パターンとパワー系回路部用のGND配線パターンとを、プリント配線基板内の配線パターンまたは配線プレーンでは互いに独立して構成することを特徴とする。且つ、抵抗器及び抵抗器と並列に接続されたバイパスコンデンサを用いて各GNDパターン間を接続することを特徴とする。
ここで、バイパスコンデンサは、高周波の制御信号の帰還ルートを短縮して波形品位を維持するための容量性素子として機能する。また、抵抗器は、パワー系回路部用GNDに発生する低周波大電流の信号制御系回路部用GNDへの影響を阻止すると共に、パワー系回路部用GNDと信号制御系回路部用GNDとの電位差となる両端の電位差を所定値以下に制限する制限素子として機能する。
<実施形態1のプリント配線基板を含む装置の回路構成例>
図1は、実施形態1のプリント配線基板を含む装置の構成の一例としての、画像形成装置の一種であるレーザビームプリンタのユニット構成及びGND接続構成を部分的に示したものである。
図1の装置は、装置を動作させるための電源電圧を電源インレットから生成する電源ユニット10と、プリンタエンジンの制御中枢となるエンジンコントローラ11と、モータユニット12とで構成される。
ここで、電源ユニット10が電源供給装置あるいは電源供給部に対応する。また、エンジンコントローラ11がプリント配線基板に対応する。また、モータユニット12が作動装置あるいは作動部に対応する。
説明の便宜上、パワー系回路としてモータユニット12を1つ接続した構成を例示し、その他のパワー系回路の構成等は省略している。なお、制御信号を生成して伝達する信号制御系回路としては、MHz帯域以上の基本波成分を備えた信号回路、A/Dコンバータ回路、D/Aコンバータ回路、マイクロコントローラ、ASIC等を含み、その電源供給を行う。なお、信号制御系回路としては、信号回路、A/Dコンバータ回路、D/Aコンバータ回路、マイクロコントローラ、ASICのいずれかを含む回路であってもよい。また、パワー系回路である大電流回路は、KHz帯域の基本波成分を備えた回路であって、モータ、アクチュエータ、開閉動作するスイッチの下流に容量性素子が構成される回路を含み、その電力供給を行う。
また、電源ユニット10とエンジンコントローラ11とは、それぞれの電源及びGNDが線材で互いに接続されており、この線材に寄生するインダクタンス成分および直流抵抗成分をL12、L22、L32、L42として簡易的に示している。L51、L37、L47は、同様に、エンジンコントローラ11とモータユニット12との間を接続する線材に寄生するインダクタンス成分および直流抵抗成分を簡易的に示したものである。なお、以下の図面において説明される制御信号あるいはGNDを接続する線材31,32,35,36が示されている。
電源ユニット10では、信号制御系回路の電源電圧としての+3.3Vと、パワー系回路の駆動用としての+24Vとが生成される。尚、+3.3Vと+24Vでなくとも、信号制御系回路用とパワー系回路部用の電源電圧が異なる経路でエンジン内部に供給される電気システムの構成であれば、電圧値は他のものであっても良い。但し、一般的にはCPU等を構成する信号制御系は+5V以下で動作させるものが多く、モータ等の駆動源としては+12V以上で動作させるものが多い。また、図1には2系統の電源が示されるのみであるが、信号制御系回路用とパワー系回路部用の電源を含むものであれば、3系統以上の電源であってもよい。
なお、説明の便宜上、電源ユニット10では、コンバータ回路のブロック図等を省略する。図1では、+3.3V出力部の電解コンデンサC1と、電源電圧+3.3Vと、+3.3V系のGNDとしてのSGND1と、+24V出力部の電解コンデンサC2と、電源電圧+24Vと、+24V系のGNDとしてのPGND1のみを示す。L11、L20、L21、L31、L40、L41は、電源ユニット10における配線パターンの寄生インダクタンス及び直流抵抗成分を簡易的に示したものである。また、SGND1とPGND1は、本実施形態の装置の基準接地点としてフレームGND(FG)に接続されている。
エンジンコントローラ11は、+3.3V系の電源電圧が接続される回路20と、+24V系の電源電圧が接続される回路21とで構成される。
回路20は、エンジン各部の動作制御を行うCPU等から構成されており、モータを制御する入出力信号のポートを備えている。また、回路20はSGND2に接続され、SGND2はGND電位として電源ユニット10のSGND1と線材35で接続されている。回路21は、PGND2に接続され、PGND2はGND電位として電源ユニット10のPGND1と線材36で接続されている。
SGND2とPGND2とは、エンジンコントローラ11上のパターン配線では接続されず、並列に接続された抵抗器R10及びコンデンサC10を介して互いに接続されている。L13、L25、L26、L33、L34、L45、L46は、プリント配線基板における配線パターンの寄生インダクタンス及び直流抵抗成分を簡易的に示したものである。また、コンデンサC20、C21は、それぞれエンジンコントローラ11において+3.3Vの電源電圧、+24Vの電源電圧を維持する働きをする。
モータユニット12は、モータ22と、モータの駆動及び制御を行うモータ駆動制御回路23とから構成され、インタロックスイッチSW1を介して+24Vの電源電圧が供給される。また、モータユニット12は、PGND3に接続され、PGND3はGND電位としてエンジンコントローラ11のPGND2と線材32で接続される。+24Vの電源ラインとPGND3間には、電解コンデンサC3が構成されている。モータ制御駆動回路23は、エンジンコントローラ11の+3.3V系で動作する回路20の制御信号によって線材31を介して制御される。
<実施形態1のプリント配線基板を含む装置の回路パターンの構成例>
図2Aは、図1で示した装置の回路構成を実現する、プリント配線基板のGNDパターン配線例を模式的に示したものである。なお、図1と同様の要素には同じ参照番号が付されている。
回路20に含まれる代表的な半導体素子の例として、CPU20aを示している。線材35と線材36とは、電源ユニット10とエンジンコントローラ11とを接続するGND線である。線材32は、エンジンコントローラ11とモータユニット12とを接続するGND線である。線材31は、エンジンコントローラ11とモータユニット12とを接続する制御信号線である。
また、本実施形態における、SGND2とPGND2とを接続する、並列に接続された抵抗器R10及びコンデンサC10は、抵抗器R10が抵抗器81で示され、コンデンサC10がコンデンサ61〜69で示されている。
抵抗器81のエンジンコントローラ11のプリント配線基板での配置において、抵抗器81は線材35及び36のプリント配線基板への接続点の近傍に配置される。これは、線材35または36の断線や接触不良によっても、SGND2及びPGND2を接地電圧に維持するためである。プリント配線基板の検査工程、製造上のトラブルや断線等によってどちらかのGNDがオープン接続状態になった場合に、抵抗器81に電流が流れる。抵抗器81を流れる電流に高周波成分が含まれている場合には、抵抗器を線材35及び36の近傍に配置し、配線パターンによるインピーダンスの影響を低く抑制すれば、高周波電流が配線パターンに流れることによって発生する電位差を低減することができる。また、抵抗器81を線材35及び36近傍に配置することにより、回路20と物理的に離した配置となる。その結果、回路20に印加される高周波成分の電気的ストレスも低減される。
また、抵抗器R10の抵抗値は、抵抗器R10で生じる電圧降下が前記プリント配線基板に搭載される回路の誤動作を防止する第1抵抗値以上に選定される。且つ、第1系統または第2系統のGND配線のいずれか一方が電源供給装置のGND配線と非接続となる状態において、抵抗器R10の両端に生じる電位差が第1系統と第2系統の電源電圧の低い方の電圧以下となる第2抵抗値以下に選定される。この場合に、図2Aの抵抗器81の抵抗値は、SGND2とPGND2との電位差が所定値以上に大きくならないように制限する値に、SGND2をPGND2の低周波の大電流の影響から遮断する値に選定されることが望ましい。また、抵抗器は1ケである必要はなく、複数個配置しても良い。但し、抵抗器の数の拡張時には、全抵抗器の並列接続のトータル抵抗値が、抵抗器R10の上記抵抗値の条件を満たすことは必須である。
一方、コンデンサ61〜69のエンジンコントローラ11のプリント配線基板での配置において、コンデンサ68及び69は線材32のプリント配線基板への接続点の近傍に配置される。特に、コンデンサ68は線材32を介した制御信号のモータユニット12からの帰還ルートが短くなる位置に配置されて、制御信号の波形品位を維持する。なお、図2Aには、9つのコンデンサ61〜69が示されているが、コンデンサの数と配置はエンジンコントローラ11のプリント配線基板の面積やSGND2とPGND2のプリントパターンのデザインによって、適切な数と配置が決定される。
また、コンデンサC10の容量値は、そのインピーダンスが、数MHz〜100MHz帯域で0.01〜0.5Ω程度となるものの、KHz帯域では10Ω程度以上のインピーダンスとなるように選定される。例えば、チップ型のセラミックコンデンサ1000pF〜0.1μFが選定されている。この場合に、図2Aのコンデンサ68の容量値は、特に、数MHz〜100MHz帯域での制御信号の帰還ルートでの遅延を無くす値に選定されることが望ましい。また、他のコンデンサ61〜67,69、あるいは上述のようなコンデンサの数の拡張時には、それぞれの配置に対応して容量値が選定される。なお、全コンデンサの並列接続のトータル容量値が、コンデンサC10の上記容量値の条件を満たすことは必須である。
<実施形態1のプリント配線基板を含む装置の回路パターンの拡張例>
上記図1及び図2Aでは、パワー系回路としてモータユニット12のみをエンジンコントローラ11に接続した例を示した。しかし、その他にもパワー系回路を搭載した複数のパワー系ユニットがエンジンコントローラ11に接続された場合の一例を、図2Bに示す。図2Bにおいて、図2Aと同様の機能を果たす要素には同じ参照番号が付されている。
図2Bでは、モータユニット12と同様に、パワー系ユニット13〜15がエンジンコントローラ11と線材53〜58でそれぞれ接続されている。線材54、56、58は、モータユニット12の線材32と同様にエンジンコントローラ11のPGND2に接続される。線材53、55、57は、モータユニット12の線材31と同様に、エンジンコントローラ11の制御系回路に接続される信号線である。
各パワー系ユニット13、14、15の線材が接続されるエンジンコントローラ11上では、線材の接続個所の近傍にコンデンサ74,75、コンデンサ72,73、コンデンサ70,71がそれぞれ接続されている。
エンジンコントローラ11に複数のパワー系ユニットが接続された場合であっても、各パワー系ユニット毎に、より短い経路のパターン配線を介して高周波成分の帰還電流が流れるように、SGND2とPGND2をコンデンサで接続している。そのため、帰還電流が流れる経路で生じる雑音電圧が小さく抑制されて、高速信号の波形品位を良好に保持することが可能となる。
なお、エンジンコントローラ11に複数のパワー系ユニットが接続された場合の各抵抗器の配置と抵抗値や各コンデンサの配置と容量値も、上記1つのパワー系ユニットが接続された場合と同様の選定が可能である。
<実施形態1のプリント配線基板を含む装置の動作例及びその作用効果>
以下に、実施形態1のプリント配線基板を含む装置の動作例及びその作用効果を詳細に説明する。なお、エンジンコントローラ11に1つのモータユニット12のみを接続した図2Aの例も、複数のパワー系ユニット12〜15を接続した図2Bの例も、素子の数や配置及び各素子の特性値の選定に差異があるが、その動作原理や作用効果は同様である。
<実施形態1でノイズ干渉を抑制する例>
まず、本実施形態のエンジンコントローラ11がノイズ干渉を抑制する効果について説明する。尚、説明の便宜上、図1及び図2に示した本実施形態のエンジンコントローラ11を、従来のエンジンコントローラと対比させながら説明する。
(従来の高速信号の波形品位及び放射ノイズ)
図9及び図10に、従来のエンジンコントローラ111の具体的な接続回路例を示す。図9及び図10においては、既に図1及び図2において説明した内容と同じ構成要素や信号には同じ参照番号や参照記号を付し、その説明は省略する。
図9に示すように、従来のエンジンコントローラ111は、+3.3V信号制御系のSGND2と+24Vパワー系のPGND2とが一点アース構成等によるパターンの分岐配線で接続されていた。回路20から出力された制御信号は、モータ制御駆動回路23に入力され、PGND3を介した経路で帰還電流が戻っていく。この帰還電流は、線材32の寄生インダクタンスL47、エンジンコントローラ111の寄生インダクタンスL46、L44、L24を介して回路20に戻る。
図10の模式図を用いて説明すると、CPU20aから出力された制御信号は、線材31を介してモータユニット12に搭載されるモータ制御駆動回路23に入力される。そして、図10に破線で示すように、モータユニット12のPGND3から線材32を介してエンジンコントローラ111のPGND2に帰還電流が流れていく。PGND2に流れてきた帰還電流は、PGND2とSGND2が接続される一点アース部を介してSGND2に流れ、このSGND2のパターン配線を介した経路でCPU20aへと電流が戻っていく。
つまり、従来のエンジンコントローラ111では、高速信号の帰還電流がプリント配線基板上で分岐配線されたGNDパターンのそれぞれを経由して戻るため、帰還電流の流れる経路が長くなる。そのため、配線パターンに寄生されるインダクタンスの影響が増大してしまっていた。その結果、数MHz程度以上の高速信号の場合には、波形品位が乱れてしまい、ディファレンシャルモードでの高周波ノイズの放射が生じる等の問題があった。
(本実施形態における高速信号の波形品位及び放射ノイズ)
本実施形態のエンジンコントローラ11は、図1及び図2Aに示すように、SGND2とPGND2とがエンジンコントローラ11内のパターン配線では非接続状態であり、且つ並列接続された抵抗器R10及びコンデンサC10を介して接続されている。回路20から出力された制御信号は、モータ制御駆動回路23に入力され、PGND3を介した経路で帰還電流が戻っていく。
図3Aに、この帰還電流の経路を太線で示す。帰還電流は、PGND3から線材32の寄生インダクタンスL47、エンジンコントローラ11の寄生インダクタンスL46を介してコンデンサC10へと流れていく。コンデンサC10は、数MHz〜100MHz程度の周波数帯域で低インピーダンス(0.01〜0.5Ω程度)となるように選定されている。そのため、帰還電流の高周波成分は、コンデンサC10を介してSGND2へと高周波電流として流れ、寄生インダクタンスL26を介して回路20に戻る。
図2Aの模式図を用いて説明すると、CPU20aから出力された制御信号は、線材31を介してモータユニット12に搭載されるモータ制御駆動回路23に入力される。そして、モータユニット12のPGND3から線材32を介してエンジンコントローラ11のPGND2に帰還電流が戻っていく。PGND2に流れてきた帰還電流は、PGND2とSGND2間に接続されるコンデンサ68を介することによって、短いパターン経路でSGND2及びCPU20aに戻っていく。
つまり、本実施形態のエンジンコントローラ11では、より短い経路のパターン配線を介して高周波成分の帰還電流が流れるように、+3.3V信号制御系のSGND2と+24Vパワー系のPGND2をコンデンサで接続している。そのため、帰還電流が流れる経路で生じる雑音電圧が小さく抑制されて、高速信号の波形品位を良好に保持することが可能となる。その結果、高速の信号線からディファレンシャルモードで放射されていた高周波ノイズを抑制することが可能となる。
<実施形態1で大電流の流れを阻止する例>
次に、モータの起動電流やインタロックスイッチSW1のオフ/オン動作時等において、KHz帯域の大電流が流れた場合について説明する。以下では、インタロックスイッチのオフ/オンによる大電流が流れる場合の例を用いて説明する。
(従来のKHz帯域の大電流)
図9に示す従来のエンジンコントローラ111で、インタロックスイッチSW1がオフ状態からオンする。そうすると、電源ユニット10の電解コンデンサC2からエンジンコントローラ111を介して、モータユニット12の電解コンデンサC3に急速に電荷がチャージアップされる。このチャージ電流は、モータユニット12のPGND3から寄生インダクタンスL47、L46、L44、L43、L42、L41を介して、電源ユニット10の電解コンデンサC2に戻っていく。寄生インダクタンスL41〜L47は、パターン配線長やパターン幅、線径や線長にも依るが、KHz帯域でそれぞれ数mΩ〜数十mΩ程度のインピーダンスとなる。従って、インタロックスイッチSW1のオンによるラッシュ電流(100μs程度に)が100A流れた場合には、1V〜数V程度の電位がエンジンコントローラ111のPGND2に発生する。
一方、このPGND2は、一点アース構成等でSGND2にパターン接続されているため、+3.3V系回路のGND電位と数mΩ〜数十mΩ程度のインピーダンスで接続されていることとなる。つまり、インタロックスイッチSW1のオンによるラッシュ電流は、一点アース部を介して、寄生インダクタンスL23、L22、L21、L20、L40を介した経路でも電源ユニット10の電解コンデンサC2に流れていくこととなる。従って、インタロックスイッチSW1のラッシュ電流によって、+3.3V系のSGND2のGND電位も上昇させてしまうこととなる。
この時、+3.3V系の電源電圧部は+3.3V電位を保持しているため、+3.3V電源とSGND2との間の電位差が減少し、その結果、+3.3V系回路部の信号制御において、回路誤動作等を招いてしまうこととなる。例えば、+3.3V電源電圧とGND間の電位差をモニタしているリセット回路が誤動作してしまったり、CPU20aのA/D入力電位等が正しい値を検知できなくなる。この誤動作を防止するために、従来は、+3.3V電源とSGND2間に大容量の電解コンデンサを搭載する等の対策が行われていた。しかし、基板の実装スペース、コストアップを生じてしまう等の問題がある。
(本実施形態におけるKHz帯域の大電流)
図1に示す本実施形態のエンジンコントローラ11で、インタロックスイッチSW1がオフ状態からオンされる。すると、電源ユニット10の電解コンデンサC2からエンジンコントローラ11を介して、モータユニット12の電解コンデンサC3に急速に電荷がチャージアップされる。このチャージ電流は、モータユニット12のPGND3から寄生インダクタンスL47、L46、L45、L42、L41を介して、電源ユニットの電解コンデンサC2に戻っていく。寄生インダクタンスL41、L42、L45、L46、L47は、パターン配線長やパターン幅、線径や線長にも依るが、KHz帯域でそれぞれ数mΩ〜数十mΩ程度のインピーダンスとなる。従って、インタロックスイッチSW1のオンによるラッシュ電流(100μs程度の)が100A流れた場合には、1V〜数V程度の電位がエンジンコントローラ11のPGND2に発生する。
一方、このPGND2と+3.3V系のSGND2は、プリント配線基板の配線パターンでは接続されず、コンデンサC10と抵抗器R10を介して接続されている。コンデンサC10のインピーダンスは、数MHz〜100MHz帯域で0.01〜0.5Ω程度となるものの、KHz帯域では10Ω程度以上のインピーダンスとなるようなコンデンサである。例えば、チップ型のセラミックコンデンサ1000pF〜0.1μFが選定されている。また、抵抗器R10も数Ω程度以上となる抵抗器が選定されている。つまり、KHz帯域では、SGND2を介して電解コンデンサC2に戻る電流経路のインピーダンスの方がPGND2から直接電解コンデンサC2に戻る電流経路のインピーダンスより高くなっている。従って、インタロックスイッチSW1のラッシュ電流は、エンジンコントローラ11のSGND2を介した経路、つまり寄生インダクタンスL26,L25、L22、L21、L20、L40の経路で電解コンデンサC2へ流れて戻っていく方の比率が低く抑制される。
その結果、+24V系にラッシュ電流が流れることによってPGND2の電位が上昇した場合においても、+3.3V系のSGND2の電位を安定に保持することが可能となる。つまり、従来のように+3.3V電源とSGND2間に大容量の電解コンデンサを搭載することなく、+24V系で発生するラッシュ電流に対しも誤動作の生じないエンジンコントローラ11を、安価に構成することが可能となる。
図3Bに、このラッシュ電流の経路を太線で示す。寄生インダクタンスL47〜L45、L42、L41を介したラッシュ電流の帰還経路のインピーダンスと、抵抗器R10及びコンデンサC10と寄生インダクタンスL26、L25、L22〜L20、L40を介した帰還経路のインピーダンスとを比較する。そして、抵抗器R10及びコンデンサC10と寄生インダクタンスL26、L25、L22〜L20、L40を介した帰還経路のインピーダンスがラッシュ電流の周波数帯域でより高くなるように、抵抗器R10及びコンデンサC10の定数が設定される。例えば、1V〜数V程度の電位がエンジンコントローラ11のPGND2に発生していた上記従来例の場合には、SGND2の電位上昇が0.3V程度以下に抑制されるように、抵抗器R10およびコンデンサC10の定数が決定される。具体的には、寄生インダクタンスL47〜L45、L42、L41は、それぞれ数mΩ〜数十mΩ程度であるので、数Ω程度以上の抵抗器、例えば2.2Ωとされることで、0.3V以下に抑制することが可能となる。
<実施形態1でGNDの片浮きを防止する例>
また、SGND2とPGND2との間が数Ω程度の直流抵抗で接続されている。そのために、どちらかのGNDが検査工程や製造上のトラブルや断線等によって、装置のGNDから非接続状態となった場合においても、GNDの片浮きを防止することができる。その結果、+3.3V系と+24V系のインタフェース部等に電気的なストレスを与えることから回避することが可能となる。
例えば、エンジンコントローラ11のPGND2と電源ユニット10のPGND1とを接続する線材36が断線した場合やコネクタの接触不良などが発生した場合を想定する。この場合に、+24V系のPGND2が電源ユニット10のPGND1とオープン接続状態となる場合がある。このような状態におけるPGND2は、装置の基準電位となる電源ユニット10のPGND1とオープン接続状態であるため、電位は不定な状態となる。つまり、PGND2の電位が+24Vとなる可能性もある。PGND2が+24Vの電位になってしまった場合には、正常時には0Vの電位であるパターン配線部が+24Vとなるため、通常時には+3.3V以下の電圧しか印加されない回路上の様々な箇所に過剰な電圧が印加されてしまう恐れがある。
しかしながら、本実施形態では、+3.3V系のSGND2と+24V系のPGND2との間が抵抗器、例えば2.2Ωの抵抗器で接続される。従って、仮に抵抗器に1.5Aの電流が流れた場合においても、抵抗の両端に生じる電位降下は3.3Vであるので、PGND2の電位は+3.3V以下となる。つまり、+3.3V系と+24V系のインタフェース部等に電気的なストレスを与えることから回避することが可能となる。
<実施形態1の変形例>
尚、上述の説明では、抵抗器R10を用いた構成について説明を行った。
しかしながら、KHz帯域で寄生インダクタンスL47〜L45、L42、L41よりも十分インピーダンスが大きく、直流抵抗分にラッシュ電流が流れた時に発生する電位差が各電源電圧以下となるようなインダクタンス素子を用いることが出来る。この場合でも、上記実施形態と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
この場合のインダクタンス素子のインピーダンス値は、上記抵抗器の抵抗値と同様の条件で選定される。すなわち、インダクタンス素子で生じる電圧降下がプリント配線基板に搭載される回路の誤動作を防止する第1インピーダンス値以上に選定されている。同時に、第1系統のGND配線または第2系統のGND配線のいずれか一方が電源供給装置のGND配線と非接続となる状態となる場合がある。この場合に、インダクタンス素子に電流が流れることによって前記インダクタンス素子の両端に生じる電位差が前記第1系統の電源電圧と前記第2系統の電源電圧との低い方の電圧以下となる第2インピーダンス値以下の範囲に選定されている。
さらに、インダクタンス素子は、直流成分の抵抗値が非常に小さいため、PGND2またはSGND2のいずれかのGNDが片浮き状態となった場合においても、インダクタンス素子を流れる電流によって発生する電位降下が抵抗器の場合よりも小さくなる。従って、+3.3V系と+24V系のインタフェース部等に電気的なストレスを与える影響具合をより低減することが可能となる。
また、SGND2とPGND2の電位差、本実施形態では抵抗器R10の両端の電位差を検出する検出回路を設けることも可能である。この場合には、上述したエンジンコントローラ11のPGND2と電源ユニット10のPGND1とを接続する線材35や36が断線した場合やコネクタの接触不良が発生したことを検出することが可能となる。この検出回路を装置外部の検査部品側に設ければ、製品装置のコストアップを回避することも可能となる。
<実施形態1の効果>
以上述べたように、本実施形態では、MHz以上の高周波帯域で動作する+3.3Vの信号制御系回路と数A以上の電流が流れる+24Vのパワー系回路が混在するエンジンコントローラ基板において、両GNDを互いに独立した配線パターンで構成する。そして、+3.3V系回路のGNDと+24V系回路のGNDとの間には、数MHz以上の高周波帯域でインピーダンスが数Ω以下になるコンデンサおよびこのコンデンサに並列に接続された数Ω程度の抵抗器とが接続される。
その結果、+24V系回路で発生したGNDの電位変動がエンジンコントローラ基板上のパターンを介して+3.3V系回路に伝播してしまうことを安価な構成で抑制可能となる。また、+3.3V系回路と+24V系回路で相互に接続されるインタフェース部においては、波形品位を損なうことなく高速な信号の送受信を行うことも同時に可能となる。更に、エンジンコントローラ基板の検査工程や製造上のトラブルや断線等によって、どちらかのGNDがオープン接続状態になった場合においても、インタフェース部での電気的なストレスの印加を防止することが同時に可能となる。
[実施形態2]
実施形態2に従うプリント配線基板は、ASICやCPU等を搭載した信号制御系回路部とモータ等の数A程度以上の電流が流れるパワー系回路とが混在したプリント配線基板である。そして、信号制御回路部用のGND配線パターンとパワー系回路部用のGNDパターンとを、プリント配線基板内の配線パターンまたは配線プレーンでは互いに独立して構成することを特徴とする。且つ、並列に接続されたバイパスコンデンサ及びダイオードを用いて各GNDパターン間を接続することを特徴とする。
<実施形態2のプリント配線基板を含む装置の回路構成例>
図4は、実施形態2のプリント配線基板を含む装置の回路構成の一例としてのレーザビームプリンタのユニット構成及びGND接続構成を部分的に示したものである。
図4の装置は、装置を動作させるための電源電圧を電源インレットから生成する電源ユニット10と、プリンタエンジンの制御中枢となるエンジンコントローラ16と、モータユニット12とで構成される。
実施形態2のエンジンコントローラ16は、実施形態1で説明を行ったエンジンコントローラ11の抵抗器R10の代わりに、双方向に並列に接続されたダイオードD10及びD11を接続したものである。なお、その他の構成は実施形態1で説明を行ったエンジンコントローラ11と同様である。ダイオードに関する構成以外の内容に関しては、実施形態1と同様であるため、基本的に説明を省略する。
(実施形態2における高速信号の波形品位及び放射ノイズ)
本実施形態のエンジンコントローラ16は、図4に示すように、+3.3V信号制御系のSGND2と+24Vパワー系のPGND2とがパターン配線では非接続状態である。且つ、SGND2とPGND2とがダイオードD10、D11及びコンデンサC10を用いて接続されている。
回路20から出力された制御信号は、モータ制御駆動回路23に入力され、PGND3を介した経路で帰還電流が戻っていく。この帰還電流の経路は、前出の図3Aに示した太線と同様である。帰還電流は、PGND3から線材32の寄生インダクタンスL47、エンジンコントローラ16の寄生インダクタンスL46を介してコンデンサC10へと流れていく。コンデンサC10は、数MHz〜100MHz程度の周波数帯域で低インピーダンス(0.01〜0.5Ω程度)となるよう選定されている。そのため、帰還電流の高周波成分は、コンデンサC10と寄生インダクタンスL26を介してSGND2へと高周波電流が流れて回路20に戻る。
つまり、本実施形態のエンジンコントローラ16では、より短い経路のパターン配線を介して高周波成分の帰還電流が流れるように、+3.3V信号制御系のSGND2と+24Vパワー系のPGND2をコンデンサC10で接続した。このため、帰還電流が流れる経路で生じる雑音電圧が小さく抑制されて、高速信号の波形品位を良好に保持することが可能となる。その結果、高速の信号線からディファレンシャルモードで放射されていた高周波ノイズを抑制することが可能となる。
(実施形態2におけるKHz帯域の大電流)
次に、モータの起動電流やインタロックスイッチSW1のオフ/オン動作時等において、KHz帯域の大電流が流れた場合について説明する。以下では、インタロックスイッチSW1のオフ/オンによる大電流が流れる場合の例を用いて説明する。
本実施形態のエンジンコントローラ16で、インタロックスイッチSW1がオフ状態からオンされる。すると、電源ユニット10の電解コンデンサC2からエンジンコントローラ16を介して、モータユニット12の電解コンデンサC3に急速に電荷がチャージアップされる。このチャージ電流は、モータユニット12のPGND3から寄生インダクタンスL47〜L45、L42、L41を介して、電源ユニットの電解コンデンサC2に戻っていく。寄生インダクタンスL41、L42、L45〜L47は、パターン配線長やパターン幅、線径や線長にも依るが、KHz帯域でそれぞれ数mΩ〜数十mΩ程度のインピーダンスとなる。従って、インタロックスイッチSW1のオンによるラッシュ電流(100μs程度の)が流れた場合には、ラッシュ電流×(L41、L42、L45〜L47の直流抵抗成分+寄生インダクタンス)の電位がエンジンコントローラ16のPGND2に発生する。
一方、このPGND2と+3.3V系のSGND2は、プリント配線基板の配線パターンでは接続されず、コンデンサC10とダイオードD10、D11を介して接続されている。コンデンサC10のインピーダンスは、数MHz〜100MHz帯域で0.01〜0.5Ω程度となるものの、KHz帯域では、10Ω程度以上のインピーダンスとなるようなコンデンサに選定されている。例えば、チップ型のセラミックコンデンサ1000pF〜0.1μFが選定される。
(カソード端子とアノード端子の電位差がVf未満の場合)
この時に、カソード端子とアノード端子の電位差がVf以上とならなければ、ダイオードD10、D11は断の状態である。従って、モータユニット12の電解コンデンサC3からエンジンコントローラ16のSGND2を介して電源ユニット10の電解コンデンサC2に戻る電流経路のインピーダンスは非常に高くなり、ほとんど電流が流れない。つまり、ラッシュ電流により、エンジンコントローラ16のPGND2にラッシュ電流×(L41、L42、L45〜L47の直流抵抗成分+寄生インダクタンス)の電位が生じる。しかし、SGND2とPGND2間の電位差がダイオードD10又はD11のVf電圧以下である場合には、KHz帯域ではほとんど電流は流れず、ノイズ干渉を大きく抑制することが可能となる。その結果、+24V系にラッシュ電流が流れることによってPGND2の電位が上昇した場合においても、+3.3V系のSGND2の電位は安定に保持されることが可能となる。
<実施形態2の変形例(カソード端子とアノード端子の電位差がVf以上となる場合)>
次に、PGND2に流れるラッシュ電流が非常に大きいために、SGND2に対するPGND2の電位上昇がダイオードD10のVf電圧以上となる場合の例について説明する。
PGND2に流れ込んできたラッシュ電流は、ダイオードを介してSGND2にも電流が流れ込んでいくため、SGND2の電位も上昇してしまう。SGND2に対するPGND2の電位上昇がダイオードD10のVf電圧を超えることが想定される場合には、ダイオードに直列に数Ω程度以上の抵抗器を挿入したり、ツェナーダイオードを用いても良い。これにより、必要に応じてSGND2の電位上昇を抑制することが可能となる。
図5A〜図5Cは、図4のSGND2とPGND2間に接続する部分を変更するための回路例を示した図である。図5Aは双方向のダイオードに直列に抵抗器を追加した例を、図5Bはツェナーダイオードを構成した例を、図5Cはツェナーダイオードに直列に抵抗器を追加した例を示す。
まず、図5Aに示す双方向のダイオードに追加して直列に抵抗器を挿入した例について説明する。
SGND2に対するPGND2の電位上昇がダイオードD10のVf電圧を超えた場合においても、抵抗器R11がダイオードD10に直列に接続されている。そのため、モータユニット12の電解コンデンサC3からエンジンコントローラ16のSGND2を介して電源ユニット10の電解コンデンサC2に戻る電流経路のインピーダンスの方がより高くなる。
従って、インタロックスイッチSW1のラッシュ電流は、エンジンコントローラ16のSGND2を介した経路、つまり寄生インダクタンスL26,L25、L22〜L20、L40の経路で電解コンデンサC2へ流れて戻っていく方の比率が低く抑制される。
その結果、+24V系にラッシュ電流が流れることによってPGND2の電位が大きく上昇し、ダイオードD10を導通した電流が流れた場合においても、+3.3V系のSGND2の電位は安定に保持されることが可能となる。
次に、図5Bに示すツェナーダイオードを構成した例について説明する。
図5Bの構成では、ダイオードD10に替えてツェナーダイオードZD10を構成している。そのため、所望のツェナー電圧を選択することにより、SGND2に対するPGND2の電位上昇でツェナーダイオードZD10が導通するラッシュ電流の閾値を自在に設定することが可能となる。つまり、ラッシュ電流が流れることによって発生するPGND2の電位上昇が生じても、ツェナーダイオードZD10が導通しないツェナー電圧品を選択することにより、ラッシュ電流のSGND2への流れ込みを抑制することが可能となる。
さらに、モータユニット12の電解コンデンサC3からエンジンコントローラ15のSGND2を介して電源ユニット10の電解コンデンサC2に戻る電流経路のインピーダンスは非常に高くなっている。従って、KHz帯域ではほとんど電流は流れず、ノイズ干渉を大きく抑制することが可能となる。
次に、図5Cに示すツェナーダイオードに追加して直列に抵抗器を挿入した例について説明する。
SGND2に対するPGND2の電位上昇がツェナーダイオードZD10のツェナー電圧を超えた場合においても、抵抗器R11がツェナーダイオードZD10に直列に接続されている。そのため、モータユニット12の電解コンデンサC3からエンジンコントローラ15のSGND2を介して電源ユニット10の電解コンデンサC2に戻る電流経路のインピーダンスの方がより高くなる。従って、インタロックスイッチSW1のラッシュ電流は、エンジンコントローラ15のSGND2を介した経路、つまり寄生インダクタンスL26、L25、L22〜L20、L40の経路で電解コンデンサC2へ流れて戻っていく方の比率が低く抑制される。
その結果、+24V系にラッシュ電流が流れることによってPGND2の電位が大きく上昇し、ツェナーダイオードZD10を導通した電流が流れた場合においても、+3.3V系のSGND2の電位は安定に保持されることが可能となる。また、ツェナーダイオード構成に抵抗器R11を追加することにより、ツェナー電圧値を自在に選択することが可能になるとともに、電位上昇がツェナー電圧値を超えた場合のSGND2の電位上昇を抑制する機能も兼ね備える。そのため、設計の自由度が増してさまざまな条件化において適用可能とすることができる。
以上述べたように、実施形態2では、図4、図5A〜図5Cに示したSGND2とPGND2間を接続する構成とする。これにより、+24V系にラッシュ電流が流れることによってPGND2の電位が上昇した場合においても、+3.3V系のSGND2の電位は安定に保持されることが可能となる。つまり、従来のような大容量の電解コンデンサを搭載することなく、+24V系で発生するラッシュ電流に対し、誤動作の生じないエンジンコントローラを安価に構成することが可能となる。
(実施形態2におけるGNDの片浮き防止)
実施形態2のエンジンコントローラ16は、+3.3V系のSGND2と+24V系のPGND2間で双方向に電流が流れるようにダイオードが接続されている。そのために、どちらかのGNDが検査工程や製造上のトラブルや断線等によって、装置のGNDである電源ユニット10から非接続状態となった場合においても、このダイオードを介して接地されているため、GNDの片浮きを防止することができる。
例えば、エンジンコントローラ15のPGND2と電源ユニット10のPGND1とを接続する線材36が断線した場合やコネクタの接触不良などが発生した場合を想定する。これにより、+24V系のPGND2が電源ユニット10のPGND1とオープン接続状態となる場合がある。このような状態におけるPGND2は、装置の基準電位となる電源ユニット10のPGND1とオープン接続状態であるため、電位は不定な状態となる。つまり、PGND2の電位は+24Vとなる可能性もある。PGND2が+24Vの電位になってしまった場合には、正常時には0Vの電位であるパターン配線部が+24Vとなる。そのため、通常時には+3.3V以下の電圧しか印加されない回路上の様々な箇所に過剰な電圧が印加されてしまう恐れがある。
しかしながら、本実施形態では、+3.3V系のSGND2と+24V系のPGND2間をダイオードで接続する。従って、仮にダイオードに10Aの電流が流れた場合においても、ダイオードの両端に生じる電位降下は約0.6Vであるので、PGND2の電位上昇は+0.6V以下となる。つまり、+3.3V系と+24V系のインタフェース部等に電気的なストレスを与えることから回避することが可能となる。
また、ダイオードのVf電圧は、流れる電流値の大きさによる電圧変動量が非常に小さい。従って、ダイオードに流れる電流が定格以内であれば、GNDが片浮きとなり、ダイオードに仮に10Aの電流が流れるような場合においても、SGND2とPGND2間の電位差はVf電圧以下に抑制することが可能となる。尚、Vf電圧は、一般的に0.6〜0.7V程度である。
つまり、SGND2とPGND2のどちらかのGNDが断線等によって非接続状態となった場合においても、流れる電流値にほとんど依存せずに、SGND2とPGND2の電位差をダイオードのVf以下に抑制してGNDの片浮きを防止することができる。従って、+3.3V系と+24V系のインタフェース部等に電気的なストレスを与えることから回避することが可能となる。
また、図5Bに示したツェナーダイオードZD10を用いた場合においても、同様の効果を得ることが可能となる。ツェナーダイオードの両端に生じる電位降下はツェナー電圧となるので、PGND2が電源ユニット10のPGND1とオープン状態となった場合においても、PGND2の電位上昇はツェナー電圧以下となる。このツェナー電圧を電源電圧や構成回路に応じて選択して設けることにより、3.3V系と+24V系のインタフェース部等に電気的なストレスを与えることから回避することが可能となる。
また、SGND2とPGND2の電位差を検出する回路を設ければ、上述したエンジンコントローラ15のPGND2と電源ユニット10のPGND1とを接続する線材が断線した場合やコネクタの接触不良が発生したことを検出することが可能となる。この検出回路を装置外部の検査部品側に設ければ、製品装置のコストアップを回避することも可能となる。
<実施形態2の効果>
以上述べたように、本実施形態に従えば、MHz以上の高周波帯域で動作する+3.3Vの信号制御系回路と数A以上の電流が流れる+24Vのパワー系回路が混在するエンジンコントローラ基板で、両GNDが互いに独立した配線パターンで構成する。且つ、+3.3V系回路のGNDと+24V系回路のGND間は、数MHz以上の高周波帯域でインピーダンスが数Ω以下になるコンデンサおよびこのコンデンサに並列に接続されたダイオードとが接続される。
その結果、+24V系回路で発生したGNDの電位変動がエンジンコントローラ基板上のパターンを介して+3.3V系回路に伝播してしまうことを安価な構成で抑制可能となる。且つ、+3.3V系回路と+24V系回路で相互に接続されるインタフェース部は、波形品位を損なうことなく高速な信号の送受信を行うことも同時に可能となる。且つ、エンジンコントローラ基板の検査工程や製造上のトラブルや断線等によって、どちらかのGNDがオープン接続状態になった場合においても、インタフェース部での電気的なストレスの印加を防止することが同時に可能となる。
[実施形態3]
実施形態3に従うプリント配線基板は、ASICやCPU等を搭載した信号制御系回路部とモータ等の数A程度以上の電流が流れるパワー系回路部とが混在したプリント配線基板である。そして、信号制御回路部用のGND配線パターンとパワー系回路部用のGNDパターンとを、プリント配線基板内の配線パターンまたは配線プレーンでは互いに独立して構成することを特徴とする。且つ、各GNDパターン間を抵抗器を用いて接続するとともに、信号制御系回路及びパワー系回路の異なる系統の電源とGND間あるいは電源と電源間をバイパスコンデンサで接続することを特徴とする。
なお、以下の説明では、各系統間を接続するコンデンサの接続構成以外の内容に関しては、実施形態1と同様であるため説明を省略する。
<実施形態3のプリント配線基板を含む装置の回路構成例>
図6、図7、図8は、プリント配線基板を含む装置の回路構成の一例としてのレーザビームプリンタのユニット構成及びGND接続構成を部分的に示したものである。なお、図1において説明した内容と同じ構成要素や信号には同じ参照番号や参照記号を付し、その説明は省略する。
(実施形態3における高速信号の波形品位及び放射ノイズ)
(+24V系の電源とSGND2とをコンデンサで接続した例)
図6のエンジンコントローラ17は、+24V系の電源配線パターンと+3.3V系のGND配線パターンSGND2間をコンデンサC16を用いて接続したものである。
エンジンコントローラ17の回路20から出力された制御信号は、モータ制御駆動回路23に入力され、+24V電源およびPGND3を介した経路で帰還電流が戻っていく(図6の太線参照)。
まず、+24V電源を介した帰還電流について説明する。+24V電源を介した帰還電流は、+24V電源から線材の寄生インダクタンスL37、エンジンコントローラ16の寄生インダクタンスL34を介してコンデンサC16へと流れていく。コンデンサC16は、数MHz〜100MHz程度の帯域で低インピーダンス(0.01〜0.5Ω程度)となるよう選定されている。そのため、帰還電流の高周波成分は、コンデンサC16と寄生インダクタンスL26を介してSGND2へと高周波電流として流れ、回路20に戻る。
次に、PGND3を介した帰還電流について説明する。PGND3を介した帰還電流は、PGND3から線材32の寄生インダクタンスL47、エンジンコントローラ16の寄生インダクタンスL46、コンデンサC21を介して、コンデンサC16へと流れていく。コンデンサC21およびコンデンサC11は数MHz〜100MHz程度の帯域で低インピーダンス(0.01〜0.5Ω程度)となるよう選定されている。そのため、帰還電流の高周波成分は、コンデンサC21およびコンデンサC16と寄生インダクタンスL26を介してSGND2へと高周波電流として流れ、回路20に戻る。
(PGND2と+3.3V系の電源とをコンデンサで接続した例)
図7のエンジンコントローラ18は、+24V系のGND配線パターンPGND2と+3.3V系の電源配線パターン間を、コンデンサC17を用いて接続されたものである。
エンジンコントローラ18の回路20から出力された制御信号は、モータ制御駆動回路23に入力され、PGND3を介した経路で帰還電流が戻っていく(図7の太線参照)。
PGND3を介した帰還電流は、PGND3から線材32の寄生インダクタンスL47、エンジンコントローラ17の寄生インダクタンスL46を介して、コンデンサC17へと流れていく。コンデンサC17は、数MHz〜100MHz程度の帯域で低インピーダンス(0.01〜0.5Ω程度)となるよう選定されている。そのため、帰還電流の高周波成分は、コンデンサC17を介して+3.3V電源へと高周波電流として流れ、+3.3V電源に接続されたコンデンサC20を介して、回路20に戻る。
(+24V系の電源と+3.3V系の電源とをコンデンサで接続した例)
図8のエンジンコントローラ19は、+24V系の電源配線パターンと+3.3V系の電源配線パターン間をコンデンサC18を用いて接続したものである。
エンジンコントローラ19の回路20から出力された制御信号は、モータ制御駆動回路23に入力され、+24V電源およびPGND3を介した経路で帰還電流が戻っていく(図8の太線参照)。
まず、+24V電源を介した帰還電流について説明する。+24V電源を介した帰還電流は、+24V電源から線材の寄生インダクタンスL37、エンジンコントローラ16の寄生インダクタンスL34を介して、コンデンサC18へと流れていく。コンデンサC18は、数MHz〜100MHz程度の帯域で低インピーダンス(0.01〜0.5Ω程度)となるよう選定されている。そのため、帰還電流の高周波成分は、コンデンサC18と寄生インダクタンスL14を介して+3.3V系の電源配線へと高周波電流として流れ、回路20に戻る。
次に、PGND3を介した帰還電流について説明する。PGND3を介した帰還電流は、PGND3から線材32の寄生インダクタンスL47、エンジンコントローラ18の寄生インダクタンスL46、コンデンサC21を介して、コンデンサC18へと流れていく。コンデンサC21およびコンデンサC18は、数MHz〜100MHz程度の帯域で低インピーダンス(0.01〜0.5Ω程度)となるよう選定されている。そのため、帰還電流の高周波成分は、コンデンサC21およびコンデンサC18と寄生インダクタンスL14を介して+3.3V系の電源配線へと高周波電流として流れ、+3.3V電源に接続されたコンデンサC20を介して、回路20に戻る。
つまり、本実施形態のエンジンコントローラ17〜19はいずれも、より短い経路のパターン配線を介して高周波成分の帰還電流が流れるように構成されている。すなわち、+3.3V信号制御系の電源配線およびSGND2と+24Vパワー系の電源配線およびPGND2に対して、少なくともいずれかの経路でコンデンサを用いて接続する構成とした。そのため、帰還電流が流れる経路で生じる雑音電圧が小さく抑制されて、高速信号の波形品位を良好に保持することが可能となる。その結果、高速の信号線からディファレンシャルモードで放射されていた高周波ノイズを抑制することが可能となる。
(実施形態3におけるKHz帯域の大電流)
また、実施形態3の構成では、実施形態1と同様に、抵抗器R10がPGND2とSGND2の間に接続されている。そのため、モータユニット12のPGND3に発生したラッシュ電流は、エンジンコントローラのSGND2を介した経路、つまり寄生インダクタンスL26,L25、L22〜L20、L40の経路で電解コンデンサC2へ戻っていく方の比率が低く抑制される。すなわち、ラッシュ電流は、寄生インダクタンスL47〜L45、L42、L41の経路で電解コンデンサC2へ戻っていく。
その結果、+24V系にラッシュ電流が流れることによってPGND2の電位が上昇した場合においても、+3.3V系のSGND2の電位は安定に保持されることが可能となる。つまり、従来のような大容量の電解コンデンサを搭載することなく、+24V系で発生するラッシュ電流に対し、誤動作の生じないエンジンコントローラを安価に構成することが可能となる。
(実施形態3におけるGNDの片浮き防止)
また、実施形態3の構成では、実施形態1と同様に、+3.3V系のSGND2と+24V系のPGND2間が数Ω程度の直流抵抗で接続されている。そのために、どちらかのGNDが検査工程や製造上のトラブルや断線等によって、装置のGNDから非接続状態となった場合においても、GNDの片浮きを防止することができる。従って、+3.3V系と+24V系のインタフェース部等に電気的なストレスを与えることから回避することが可能となる。
<実施形態3の効果>
以上述べたように、本実施形態に従えば、MHz以上の高周波帯域で動作する+3.3Vの信号制御系回路と数A以上の電流が流れる+24Vのパワー系回路が混在するエンジンコントローラ基板において、両GNDが互いに独立した配線パターンで構成される。且つ、+3.3V系回路のGNDと+24V系回路のGND間は、数MHz以上の高周波帯域でインピーダンスが数Ω以下になるコンデンサおよびこのコンデンサに並列に接続された数Ω程度の抵抗器とが接続される。
その結果、+24V系回路で発生したGNDの電位変動がエンジンコントローラ基板上のパターンを介して+3.3V系回路に伝播してしまうことを安価な構成で抑制可能となる。且つ、+3.3V系回路と+24V系回路で相互に接続されるインタフェース部は、波形品位を損なうことなく高速な信号の送受信を行うことも同時に可能となる。且つ、エンジンコントローラ基板の検査工程や製造上のトラブルや断線等によって、どちらかのGNDがオープン接続状態になった場合においても、インタフェース部での電気的なストレスの印加を防止することが同時に可能となる。
なお、上記実施形態では、プリント配線基板を有する装置としてレーザビームプリンタを代表させて説明した。しかしながら、本発明は、数MHz以上の高周波帯域で動作する信号制御系回路と数A以上の電流が流れるパワー系回路が混在するプリント配線基板という条件下のあらゆるプリント配線基板、またそれを有する装置に適用可能である。そして、これらも本発明の範囲に含まれるものである。
実施形態1に従うプリント配線基板を有する装置の構成例を簡易的に示す回路図である。 実施形態1に従うプリント配線基板のパターン配線例を模式的に示す図である。 実施形態1に従うプリント配線基板のパターン配線の拡張例を模式的に示す図である。 実施形態1に従う高周波電流の還流経路を簡易的に示す図である。 実施形態1に従う大電流の還流経路を簡易的に示す図である。 実施形態2に従うプリント配線基板を有する装置の構成例を簡易的に示す回路図である。 実施形態2に従うプリント配線基板のGND間接続の変形例を簡易的に示す図である。 実施形態2に従うプリント配線基板のGND間接続の他の変形例を簡易的に示す図である。 実施形態2に従うプリント配線基板のGND間接続のさらに他の変形例を簡易的に示す図である。 実施形態3に従うプリント配線基板におけるコンデンサの接続例を簡易的に示す図である。 実施形態3に従うプリント配線基板におけるコンデンサの他の接続例を簡易的に示す図である。 実施形態3に従うプリント配線基板におけるコンデンサのさらに他の接続例を簡易的に示す図である。 従来のプリント配線基板を有する装置の構成例を簡易的に示す回路図である。 従来のプリント配線基板のパターン配線例を模式的に示す図である。
符号の説明
10 電源ユニット
11 エンジンコントローラ
12 モータユニット
16 エンジンコントローラ
17 エンジンコントローラ
18 エンジンコントローラ
19 エンジンコントローラ
20 信号制御系回路
21 パワー系回路
22 モータ
23 モータ制御駆動回路
31 線材
32 線材
35 線材
36 線材
111 エンジンコントローラ

Claims (19)

  1. 第1系統及び第2系統を含む少なくとも2系統の直流電源を供給する電源供給装置から前記少なくとも2系統の直流電源が供給され、作動電流が流れて機械的に作動する手段または機械的な作動によって作動電流が流れる手段を有する作動装置に、前記第1系統の直流電源により発生する制御信号と前記第2系統の直流電源により発生する作動電流とを供給するように構成されたプリント配線基板であって、
    前記第1系統の電源配線と前記第1系統のGND配線との対と、前記第2系統の電源配線と前記第2系統のGND配線との対とを有し、
    前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線とは、前記プリント配線基板内で互いに接続されずに独立した配線パターンまたは配線プレーンで構成されており、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線との間は、低周波の大電流を阻止すると共に両端の電位差を所定値以下に制限する制限素子及び前記制限素子に並列に接続された少なくとも1つの容量性素子を介して接続されていることを特徴とするプリント配線基板。
  2. 前記少なくとも1つの容量性素子は、前記制御信号に対応する帰還ルートの長さを短くするように前記プリント配線基板に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板。
  3. 前記少なくとも1つの容量性素子は、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線との間に直列に接続された複数の容量性素子からなり、前記制御信号に対応する帰還ルートの長さを短くするように前記プリント配線基板に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のプリント配線基板。
  4. 前記制限素子は、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線とが前記電源供給装置の対応するGND配線と接続する前記プリント配線基板の位置の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線基板。
  5. 前記制限素子は抵抗器であり、
    前記抵抗器の抵抗値は、前記抵抗器で生じる電圧降下が前記プリント配線基板に搭載される回路の誤動作を防止する第1抵抗値以上であって、前記第1系統のGND配線または前記第2系統のGND配線のいずれか一方が前記電源供給装置のGND配線と非接続となる状態において、前記抵抗器に電流が流れることによって前記抵抗器の両端に生じる電位差が前記第1系統の電源電圧と前記第2系統の電源電圧との低い方の電圧以下となる第2抵抗値以下の範囲に選定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント配線基板。
  6. 前記制限素子はインダクタンス素子であり、
    前記インダクタンス素子のインピーダンス値は、前記インダクタンス素子で生じる電圧降下が前記プリント配線基板に搭載される回路の誤動作を防止する第1インピーダンス値以上であって、前記第1系統のGND配線または前記第2系統のGND配線のいずれか一方が前記電源供給装置のGND配線と非接続となる状態において、前記インダクタンス素子に電流が流れることによって前記インダクタンス素子の両端に生じる電位差が前記第1系統の電源電圧と前記第2系統の電源電圧との低い方の電圧以下となる第2インピーダンス値以下の範囲に選定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント配線基板。
  7. 前記制限素子は双方向に並列に接続されたダイオードであり、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線間をいずれの方向からも電流が流れるように接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント配線基板。
  8. 前記制限素子は前記第2系統のGND配線から前記第1系統のGND配線に電流が流れる方向に接続されたツェナーダイオードであり、
    前記ツェナーダイオードは、前記第1系統のGND配線または前記第2系統のGND配線のいずれか一方が前記電源供給装置のGND配線と非接続となる状態において、前記ツェナーダイオードに電流が流れることによって前記ツェナーダイオードの両端に生じる電位差が前記第1系統の電源電圧と前記第2系統の電源電圧とのいずれか低い方の電圧以下の範囲となるように選定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント配線基板。
  9. 前記第1系統のGND配線または前記第2系統のGND配線の間に前記制限素子と直列に接続された抵抗器を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のプリント配線基板。
  10. 電源配線が配線パターンまたは配線プレーンで少なくとも2系統に独立または分岐され、GND配線が配線パターンまたは配線プレーンで接続された、第1系統及び第2系統を含む少なくとも2系統の直流電源を供給する電源供給部と、前記少なくとも2系統の直流電源が供給されるプリント配線基板と、前記電源供給装置と前記プリント配線基板とを接続する線材と、作動電流が流れて機械的に作動される手段または機械的な作動によって作動電流が流れる手段を有する作動部とを備えた装置において、
    前記プリント配線基板が、
    前記第1系統の電源配線と前記第1系統のGND配線との対と、前記第2系統の電源配線と前記第2系統のGND配線との対とを有し、
    前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線とは、前記プリント配線基板内で互いに接続されずに独立した配線パターンまたは配線プレーンで構成されており、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線との間は、低周波の大電流を阻止すると共に両端の電位差を所定値以下に制限する制限素子及び前記制限素子に並列に接続された少なくとも1つの容量性素子を介して接続されていることを特徴とする装置。
  11. 前記少なくとも1つの容量性素子は、前記制御信号に対応する帰還ルートの長さを短くするように前記プリント配線基板に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 前記少なくとも1つの容量性素子は、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線との間に直列に接続された複数の容量性素子からなり、前記制御信号に対応する帰還ルートの長さを短くするように前記プリント配線基板に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 前記制限素子は、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線とが前記電源供給部の対応するGND配線と接続する前記プリント配線基板の位置の近傍に配置されていることを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  14. 前記制限素子は、抵抗器、インダクタンス素子、双方向に並列に接続されたダイオード、前記第2系統のGND配線から前記第1系統のGND配線に電流が流れる方向に接続されたツェナーダイオードのいずれかであることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 前記第1系統の電源配線および前記第1系統のGND配線は制御信号を生成して伝達する信号制御系回路へ電源供給として接続され、前記第2系統の電源配線および前記第2系統のGND配線はパワー系回路である大電流回路への電力供給として接続されることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 前記信号制御系回路は、MHz帯域以上の基本波成分を備えた信号回路、A/Dコンバータ回路、D/Aコンバータ回路、マイクロコントローラ、ASICのいずれかを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 前記大電流回路は、KHz帯域の基本波成分を備えた回路であって、モータ、アクチュエータ、開閉動作するスイッチの下流に容量性素子が構成される回路を含むことを特徴とする請求項15または16に記載の装置。
  18. 前記プリント配線基板が少なくとも2つの前記作動部と各線材で接続された装置であって、
    前記各線材が接続された前記プリント配線基板の各線材の接続個所の近傍に、前記第1系統のGND配線と前記第2系統のGND配線を接続する容量性素子をそれぞれ設けていることを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 前記装置はレーザビームプリンタを含む画像形成装置であることを特徴とする請求項10乃至18のいずれか1項に記載の装置。
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