以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1から図10を参照して、実施の形態1のプリント回路基板1を説明する。プリント回路基板1は、例えば、電子機器2に適用される。電子機器2は、特に限定されないが、例えば、ファクトリーオートメーション(FA)機器の操作装置、スマートフォンのようなタッチパネルを有する電子機器、発電所もしくは工場のような電磁ノイズが発生する環境に設置される電子機器、自動車、航空機もしくは人工衛星に設置される電子機器、または、空調機のような民生機器であってもよい。電子機器2は、例えば、プリント回路基板1と、筐体60とを含む。プリント回路基板1は、例えば、筐体60上に固定されている。
プリント回路基板1は、プリント基板9と、コネクタ20と、第1集積回路チップ40と、コンデンサ50とを主に備える。
プリント基板9は、絶縁基材10と、第1グランドパターン11と、第2グランドパターン15と、少なくとも一つの第1信号ラインパターンとを含む。
絶縁基材10は、例えば、FR-4基材のようなガラスエポキシ基材、CEM-3基材のようなガラスコンポジット基材、FR-1基材のような紙フェノール基材、または、紙エポキシ基材である。絶縁基材10は、例えば、3.0以上5.0以下の比誘電率を有している。
絶縁基材10は、第1主面10aと、第1主面10aとは反対側の第2主面10bとを含む。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、絶縁基材10(プリント基板9)は、例えば、矩形形状を有している。第1主面10a及び第2主面10bは、各々、第1方向(x方向)と、第1方向(x方向)に交差する第2方向(y方向)とに沿って延在している。特定的には、第2方向(y方向)は、第1方向(x方向)に垂直である。絶縁基材10の厚さ方向は、第1方向(x方向)と第2方向(y方向)とに垂直な第3方向(z方向)である。絶縁基材10は、コネクタ20が配置される外縁部分10cを含む。
絶縁基材10の第1主面10aの平面視における絶縁基材10(プリント基板9)の各辺のサイズは、例えば、5cm以上である。絶縁基材10の第1主面10aの平面視における絶縁基材10(プリント基板9)の各辺のサイズは、例えば、30cm以下である。絶縁基材10の第1主面10aの平面視における絶縁基材10(プリント基板9)の各辺のサイズは、15cm以下であってもよい。
第1グランドパターン11は、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。第1グランドパターン11は、第1集積回路チップ40の第1グランド端子42cに導通しており、第1集積回路チップ40に基準電位を提供する。導体(例えば、導電ワイヤ55)の残留インダクタンスのため、交流電圧に対して、第1グランドパターン11が第1集積回路チップ40に提供する基準電位は、後述する基準電位59と異なっている。第1グランドパターン11は、例えば、第1主面10a上に設けられている。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11は、第2グランドパターン15に対して、絶縁基材10の中央に配置されている。
絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11は、第2グランドパターン15より広い面積を有している。すなわち、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11は、第2グランドパターン15より広い幅を有している。第1グランドパターン11は、第2グランドパターン15より広い断面積を有している。そのため、第1グランドパターン11は、第2グランドパターン15より小さな残留インダクタンスを有している。なお、第1グランドパターン11の断面積は、例えば、絶縁基材10の第1主面10aと第1グランドパターン11の長手方向とに垂直な断面における、第1グランドパターン11の面積を意味する。第2グランドパターン15の断面積は、例えば、絶縁基材10の第1主面10aと第2グランドパターン15の長手方向とに垂直な断面における、第2グランドパターン15の面積を意味する。
絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11は、外縁部分11aと、外縁部分11aとは反対側の外縁部分11bと、外縁部分11cとを含む。外縁部分11aは、絶縁基材10の外縁部分10cに対向している。外縁部分11aは、例えば、第1グランドパターン11の外縁のうち、絶縁基材10の外縁部分10cに最も近い部分である。外縁部分11bは、例えば、第1グランドパターン11の外縁のうち、絶縁基材10の外縁部分10cから最も遠い部分である。外縁部分11aと外縁部分11bとは、例えば、第1方向(x方向)に沿って延在している。外縁部分11cは、外縁部分11aと外縁部分11bとに接続されている。外縁部分11cは、外縁部分11a及び外縁部分11bとは異なる方向に延在している。外縁部分11cは、例えば、第2方向(y方向)に沿って延在している。
第2グランドパターン15は、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。第2グランドパターン15は、例えば、第1主面10a上に設けられている。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2グランドパターン15は、第1グランドパターン11に対して、絶縁基材10の外周領域に配置されている。第2グランドパターン15は、例えば、第1グランドパターン11の外縁部分11cに沿って延在している。第2グランドパターン15は、例えば、第2方向(y方向)に沿って延在している。第2グランドパターン15は、例えば、ストライプ形状を有してもよい。第2グランドパターン15の長手方向は、例えば、第2方向(y方向)である。第2グランドパターン15の短手方向は、例えば、第1方向(x方向)である。
第2グランドパターン15は、例えば第1方向(x方向)において、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から離間されている。第2グランドパターン15は、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11(外縁部分11c)に直接対向している。すなわち、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、プリント基板9は、第1グランドパターン11(外縁部分11c)と第2グランドパターン15との間に、導電パターンを含んでいない。第2グランドパターン15上、または、絶縁基材10の第1主面10aの平面視における第2グランドパターン15の上方には、いかなる電子部品(コンデンサ50を除く)も配置されていない。
第2グランドパターン15は、接地電位のような基準電位59に電気的に接続されている。具体的には、第2グランドパターン15は、接地導体のような導体を介して、接地電位に接続されている。接地電位は、大地の電位である。導体は、例えば、導電ワイヤ55である。導体(例えば、導電ワイヤ55)の残留インダクタンスのため、交流電圧に対して、第2グランドパターン15の電位は、基準電位59と異なっている。
具体的には、導体(例えば、導電ワイヤ55)は、ねじのような固定部材56を用いて、第2グランドパターン15に固定されている。一例として、絶縁基材10に設けられたねじ穴に、ねじが螺合する。導電ワイヤ55は、ねじの頭部と第2グランドパターン15との間に挟まれている。導体(例えば、導電ワイヤ55)は、例えば、第1グランドパターン11の外縁部分11a(絶縁基材10の外縁部分10c)に対する第2グランドパターン15の遠位端(第1グランドパターン11の外縁部分11bに対する第2グランドパターン15の近位端)に固定されている。導体(例えば、導電ワイヤ55)は、電子機器2の筐体60にも接触している。
第2グランドパターン15は、コネクタ20のシャーシ21またはコネクタグランド配線25cに導通している。そのため、電気ケーブル30がコネクタ20に接続されるとき、第2グランドパターン15は、端子24cとシャーシ21と電気ケーブル30のコネクタ本体31とを介して、電気ケーブル30のシース32に導通する。または、電気ケーブル30がコネクタ20に接続されるとき、第2グランドパターン15は、端子24cとコネクタグランド配線25cと端子23cと端子33cとを介して電気ケーブル30のケーブルグランド配線35cに導通する。
少なくとも一つの第1信号ラインパターン(例えば、第1信号ラインパターン13a,13b)は、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。少なくとも一つの第1信号ラインパターンは、例えば、第1主面10a上に設けられている。少なくとも一つの第1信号ラインパターンは、第1グランドパターン11及び第2グランドパターン15から離間されており、第1グランドパターン11及び第2グランドパターン15から絶縁されている。少なくとも一つの第1信号ラインパターンは、少なくとも一つの第1ケーブル信号配線に対応している。プリント基板9は、例えば、二本の第1信号ラインパターン13a,13bを含む。
コネクタ20は、プリント基板9上に搭載されている。コネクタ20は、電気ケーブル30に接続され得る。例えば、コネクタ20は、電気ケーブル30のコネクタ本体31を受容し得るレセプタクルであってもよい。コネクタ20は、第1グランドパターン11から電気的に絶縁されている。コネクタ20は、例えば、シャーシ21と、少なくとも一つの第1コネクタ信号配線(例えば、第1コネクタ信号配線25a,25b)と、端子23a,23b,24a,24bとを含む。コネクタ20は、コネクタグランド配線25cと、端子23c,24cとをさらに含んでもよい。
シャーシ21は、金属シャーシのような導電性シャーシであってもよいし、絶縁樹脂のような絶縁体で形成されている絶縁シャーシであってもよい。コネクタ20がレセプタクルである場合、シャーシ21には、電気ケーブル30のプラグを受容し得る受容部22が設けられている。
少なくとも一つの第1コネクタ信号配線(例えば、第1コネクタ信号配線25a,25b)は、シャーシ21内に設けられている。少なくとも一つの第1コネクタ信号配線は、少なくとも一つの第1ケーブル信号配線に対応している。コネクタ20は、例えば、二本の第1コネクタ信号配線25a,25bを含む。第1コネクタ信号配線25aは、端子23aと端子24aとに接続されている。第1コネクタ信号配線25bは、端子23bと端子24bとに接続されている。端子24aは、第1信号ラインパターン13aに接触しており、第1信号ラインパターン13aに導通している。端子24bは、第1信号ラインパターン13bに接触しており、第1信号ラインパターン13bに導通している。
コネクタグランド配線25cは、シャーシ21内に設けられている。コネクタグランド配線25cは、端子23cと端子24cとに接続されている。端子24cは、第2グランドパターン15に接触しており、第2グランドパターン15に導通している。
電気ケーブル30は、例えば、コネクタ本体31と、シース32と、少なくとも一つの第1ケーブル信号配線(例えば、第1ケーブル信号配線35a,35b)と、端子33a,33bとを含む。電気ケーブル30は、ケーブルグランド配線35cと、端子33cとをさらに含んでもよい。
コネクタ本体31は、例えば、シャーシ21の受容部22に挿入されるプラグであってもよい。シース32は、コネクタ本体31に接続されているとともに、少なくとも一つの第1ケーブル信号配線(例えば、第1ケーブル信号配線35a,35b)を収容している。シース32は、ケーブルグランド配線35cをさらに収容してもよい。シース32は、金属のような導電材料で形成されてもよく、導電性シースであってもよい。シース32は、絶縁樹脂のような絶縁材料で形成されてもよく、絶縁性シースであってもよい。
電気ケーブル30は、例えば、二本の第1ケーブル信号配線35a,35bを含む。第1ケーブル信号配線35a,35bは、例えば、一対の差動信号配線である。第1ケーブル信号配線35aは、端子33aに接続されている。第1ケーブル信号配線35bは、端子33bに接続されている。電気ケーブル30がコネクタ20に接続されるとき、端子33aは端子23aに接触するとともに、端子33bは端子23bに接触する。こうして、第1ケーブル信号配線35aは、端子33a及び端子23aを介して、第1コネクタ信号配線25aに導通する。第1ケーブル信号配線35bは、端子33b及び端子23bを介して、第1コネクタ信号配線25bに導通する。
ケーブルグランド配線35cは、端子33cに接続されている。電気ケーブル30がコネクタ20に接続されるとき、端子33cは端子23cに接触する。こうして、ケーブルグランド配線35cは、端子33c及び端子23cを介して、コネクタグランド配線25cに導通する。
第1集積回路チップ40は、特に限定されないが、例えば、通信回路を含む特定用途向け集積回路(ASIC)チップである。第1集積回路チップ40は、プリント基板9上に搭載されている。第1集積回路チップ40は、第1グランドパターン11上に配置されている。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1集積回路チップ40は、第1グランドパターン11の外縁内に配置されている。第1集積回路チップ40は、少なくとも一つの第1信号端子(例えば、第1信号端子42a,42b)と、第1グランド端子42cとを含む。
少なくとも一つの第1信号端子(例えば、第1信号端子42a,42b)は、少なくとも一つの第1信号ラインパターン(例えば、第1信号ラインパターン13a,13b)に対応している。少なくとも一つの第1信号端子は、少なくとも一つの第1信号ラインパターンを介して、少なくとも一つの第1コネクタ信号配線(例えば、第1コネクタ信号配線25a,25b)に導通している。
例えば、第1集積回路チップ40は、二つの第1信号端子42a,42bを含む。第1信号端子42aは、第1信号ラインパターン13aに接触しており、第1信号ラインパターン13aに導通している。第1信号端子42aは、第1信号ラインパターン13aと端子24aとを介して、第1コネクタ信号配線25aに導通している。第1信号端子42bは、第1信号ラインパターン13bに接触しており、第1信号ラインパターン13bに導通している。第1信号端子42bは、第1信号ラインパターン13bと端子24bとを介して、第1コネクタ信号配線25bに導通している。
第1グランド端子42cは、第1グランドパターン11に接触しており、第1グランドパターン11に導通している。第1グランド端子42cは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2グランドパターン15に対向している。例えば、第1グランド端子42cは、第1方向(x方向)において、第2グランドパターンに対向している。
通常の電子機器などに起因する高周波電磁ノイズ(例えば、1MHz以上の周波数を有するコモンモードの電磁ノイズ)が、コネクタ20からプリント基板9に流れ込む。第1グランド端子42cと第2グランドパターン15との間の最短距離は、例えば、この電磁ノイズのプリント基板9内における電気長の十分の一以下である。第1グランド端子42cと第2グランドパターン15との間の最短距離は、当該電気長の二十分の一以下であってもよく、当該電気長の五十分の一以下であってもよく、当該電気長の百分の一以下であってもよい。例えば、プリント基板9の比誘電率が4であり、かつ、電磁ノイズの周波数が100MHzである場合、プリント基板9内における電気長は、約1.5mである。
コンデンサ50は、例えば、積層セラミックコンデンサまたはアルミ電解コンデンサである。コンデンサ50は、プリント基板9上に搭載されている。コンデンサ50は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15とに接続されている。コンデンサ50は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15とに接続されている唯一のコンデンサであってもよい。
コンデンサ50の容量は、例えば、0.5μF以上である。特定的には、コンデンサ50の容量は、例えば、0.9μF以上であってもよい。
一般に、コンデンサを通る交流電圧の周波数が増加するにつれて、コンデンサのインピーダンスは減少する。通常の電子機器などに起因する電磁ノイズは、相対的に高い周波数(例えば、1MHz以上の周波数)を有している。電気ケーブル30のシース32を伝搬してきたこの高周波電磁ノイズは、電気ケーブル30内の寄生容量のために、第1ケーブル信号配線35a,35bに結合する、または、コネクタ20内の寄生容量のために、第1コネクタ信号配線25a,25bに結合する。こうして、高周波電磁ノイズは、電気ケーブル30から、第1信号ラインパターン13a,13b及び第1グランドパターン11に流れ込む。
一般に、コンデンサの容量が減少するにつれて、コンデンサのインピーダンスは増加する。コンデンサ50の容量が0.5μF以上であるため、この高周波電磁ノイズに対するコンデンサ50のインピーダンスが過度に高くなることが防止される。高周波電磁ノイズは、コンデンサ50を通って、第1グランドパターン11から第2グランドパターン15に流れやすくなる。0.5μF以上の容量を有するコンデンサ50は、第1グランドパターン11に流れ込んだ高周波電磁ノイズが第1グランドパターン11の全体に広がることを防止して、高周波電磁ノイズを、コンデンサ50及び第2グランドパターン15を経由して、プリント回路基板1の外部(例えば、基準電位59)に逃がすことを可能にする。高周波電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している第1集積回路チップ40の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
コンデンサ50の容量は、例えば、5.0μF以下である。特定的には、コンデンサ50の容量は、例えば、2.0μF以下であってもよく、1.1μF以下であってもよい。
一般に、コンデンサを通る交流電圧の周波数が減少するにつれて、コンデンサのインピーダンスは増加する。雷などに起因する電磁ノイズは、相対的に低い周波数(例えば、100kHz以下の周波数)を有している。電気ケーブル30のシース32を伝搬してきたこの低周波電磁ノイズは、電気ケーブル30内の寄生容量またはコネクタ20内の寄生容量によって第1コネクタ信号配線25a,25b及び第1信号ラインパターン13a,13bに流れ込むことなく、シャーシ21を通って、第2グランドパターン15に流れ込む。
一般に、コンデンサの容量が増加するにつれて、コンデンサのインピーダンスは減少する。コンデンサ50の容量が5.0μF以下であるため、低周波電磁ノイズに対するコンデンサ50のインピーダンスが過度に低くなることが防止される。5.0μF以下の容量を有するコンデンサ50は、低周波電磁ノイズがコンデンサ50を通って第2グランドパターン15から第1グランドパターン11に流れ込むことを防止して、低周波電磁ノイズをプリント回路基板1の外部(例えば、基準電位59)に逃がすことを可能にする。低周波電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している電子部品(例えば、第1集積回路チップ40)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
また、コンデンサ50の容量が5.0μF以下であるため、コンデンサ50として、高い耐圧(例えば、500V以上の耐圧)を有するコンデンサが利用可能となる。第1グランドパターン11から第2グランドパターン15に逃がすことができる電磁ノイズが増加し得る。
絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、コンデンサ50は、第1グランド端子42cと第2グランドパターン15との間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。直線50aは、例えば、第1方向(x方向)に沿って延在している。
図3から図8を参照して、比較例のプリント回路基板1aと対照しながら、本実施の形態のプリント回路基板1の作用を説明する。
図3及び図4を参照して、電気ケーブル30がコネクタ20に接続されると、第2グランドパターン15は、端子24cとシャーシ21とコネクタ本体31とを介して電気ケーブル30のシース32に導通する、または、端子24cとコネクタグランド配線25cと端子23cと端子33cとを介して電気ケーブル30のケーブルグランド配線35cに導通する。例えば1MHz以上の周波数を有する電磁ノイズが、プリント回路基板1の外部のノイズ源から、電気ケーブル30を伝搬して、プリント回路基板1に流れ込むことがある。電磁ノイズの多くは、シャーシ21またはコネクタグランド配線25cと端子24cとを通って、第1グランドパターン11に流れ込むことなく、第2グランドパターン15に流れ込む(図3のノイズ経路61を参照)。こうして、電磁ノイズの多くを、第2グランドパターン15から接地電位に逃がすことができる。
しかし、電気ケーブル30は、残留インダクタンスを有している。そのため、電気ケーブル30内の電気クロストークに起因して、電磁ノイズの一部は、少なくとも一つの第1ケーブル信号配線(例えば、第1ケーブル信号配線35a,35b)を伝搬する。電磁ノイズは、少なくとも一つの第1ケーブル信号配線と少なくとも一つの第1コネクタ信号配線(例えば、第1コネクタ信号配線25a,25b)と少なくとも一つの第1信号ラインパターン(例えば、第1信号ラインパターン13a,13b)とを通って、少なくとも一つの第1信号端子(例えば、第1信号端子42a,42b)から、第1集積回路チップ40に流れ込む。電磁ノイズは、第1集積回路チップ40の第1グランド端子42cから、第1グランドパターン11に流れ込む(図3及び図4のノイズ経路64を参照)。
本実施の形態では、第2グランドパターン15は、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11に直接対向している。第1グランド端子42cは、第1グランドパターン11に導通しており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において第2グランドパターン15に対向している。コンデンサ50は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15とに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第2グランドパターン15との間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。そのため、第1集積回路チップ40に流れ込んだ電磁ノイズは、第1グランドパターン11の全体に広がることなく、コンデンサ50を通って、第2グランドパターン15に流れ込む(図3及び図4のノイズ経路64を参照)。第1グランドパターン11に導通している第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
これに対し、図5から図7を参照して、比較例のプリント回路基板1aでは、コンデンサ51は、本実施の形態のプリント回路基板1のコンデンサ50と同様に、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15とに接続されている。なお、コンデンサ51は、コンデンサ50と同様に構成されている。しかし、比較例のプリント回路基板1aでは、第1グランド端子42cは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において第2グランドパターン15に対向していない。加えて、コンデンサ51は、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第2グランドパターン15との間の最短距離を規定する直線50aから離れた場所に配置されている。しかも、既に記載したとおり、第1グランドパターン11は、第2グランドパターン15より小さな残留インダクタンスを有しており、電磁ノイズは、第2グランドパターン15より第1グランドパターン11に流れやすい。
そのため、第1集積回路チップ40に流れ込んだ電磁ノイズは、第1グランドパターン11の全体に広がる(図6及び図7のノイズ経路64a,64bを参照)。例えば、図6に示されるように、第1集積回路チップ40の第1グランド端子42cから、コンデンサ50に向けて伝搬する電磁ノイズは、少なくとも一つの第1信号ラインパターン(例えば、第1信号ラインパターン13a,13b)のような配線を横切る(図6のノイズ経路64aを参照)。電磁ノイズの一部は、この配線に接続されている電子部品(例えば、第1集積回路チップ40)に流れ込む。図7に示されるように、第1集積回路チップ40の第1グランド端子42cから、コンデンサ51に向けて伝搬する電磁ノイズは、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)を伝搬する(図7のノイズ経路64bを参照)。こうして、第1グランドパターン11に接続されている電子部品(第1集積回路チップ40及び第1集積回路チップ40以外の電子部品)の基準電位を変動させる。電磁ノイズに起因して、第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40及び第1集積回路チップ40以外の電子部品)は、誤動作するまたは電気的に破壊される。
図8に、電気ケーブル30に電磁ノイズを印加したときの、本実施の形態及び比較例における、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4、図6及び図7を参照))への電磁ノイズの結合量を示す。集積回路チップ40bへの電磁ノイズの結合量は、集積回路チップ40bの信号端子とグランド端子とに電磁ノイズ検出用プローブを接触させることによって測定される。本実施の形態における集積回路チップ40b(図4を参照)への電磁ノイズの結合量は、比較例における集積回路チップ40b(図6及び図7を参照)への電磁ノイズの結合量より少ないことが分かる。
図9を参照して、本実施の形態のプリント回路基板1において、コンデンサ50の容量を0.1μFから1.0μFまで増加させると、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照))への電磁ノイズの結合量が減少することが分かる。その理由は、コンデンサ50の容量が増加することによって、コンデンサ50のインピーダンスが減少して、電磁ノイズが、コンデンサ50を通って、第1グランドパターン11から第2グランドパターン15に流れやすくなるからである。しかし、コンデンサ50の容量を1.0μFから10μFまで増加させても、集積回路チップ40bへの電磁ノイズの結合量はほとんど変化しない。コンデンサ50として、小さな容量(例えば、2.0μF以下の容量)を有するコンデンサ50を採用することによって、コンデンサ50として、高い耐圧(例えば、500V以上の耐圧)を有するコンデンサが利用可能となる。第1グランドパターン11から第2グランドパターン15に逃がすことができる電磁ノイズを増加させることができる。
(変形例)
図10を参照して、本実施の形態の第1変形例の電子機器2では、プリント回路基板1は、例えば、筐体60から離間されている。導電ワイヤ55は、筐体60の表面において、金属棒のような導電棒57に接続されている。導電棒57の第1端は、筐体60に固定されている。導電棒57の第1端とは反対側の導電棒57の第2端は、絶縁基材10に設けられた孔に嵌合されている。導電棒57は、ねじのような固定部材56を用いて、第2グランドパターン15に固定されている。例えば、導電棒57の第2端に設けられているねじ穴に、ねじが螺合する。
図1及び図2に示される本実施の形態では、プリント基板9は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15と第1信号ラインパターンとが絶縁基材10の第1主面10a上に形成されている片面プリント基板である。本実施の形態の第2変形例では、プリント基板9は、両面プリント基板であってもよいし、多層プリント基板であってもよい。
両面プリント基板では、第1グランドパターン11、第2グランドパターン15及び少なくとも一つの第1信号ラインパターン(例えば、第1信号ラインパターン13a,13b)を含む導電パターンが、絶縁基材10の第1主面10a及び第2主面10bの両方に形成されている。
多層プリント基板では、第1グランドパターン11、第2グランドパターン15及び少なくとも一つの第1信号ラインパターン(例えば、第1信号ラインパターン13a,13b)を含む導電パターンが、絶縁基材10の第1主面10a及び第2主面10b上と、絶縁基材10の内部とに形成されている。絶縁基材10の内部に形成されている導電パターンは、絶縁基材10の厚さ方向(第3方向(z方向))に延在する導電ビア(図示せず)を用いて、第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)に電気的に接続されている。第1グランドパターン11が絶縁基材10の内部に形成されている場合には、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1集積回路チップ40及び第1集積回路チップ40以外の電子部品は、第1グランドパターン11の上方に配置されている。
本実施の形態の第3変形例では、第1集積回路チップ40は電源ICチップであってもよく、かつ、少なくとも一つの第1信号ラインパターン(例えば、第1信号ラインパターン13a,13b)は、電源配線であってもよい。
本実施の形態の第4変形例では、基準電位59は、大地の電位に代えて、電子機器2の基準電位となる導体の電位(例えば、自動車、航空機または人工衛星のように筐体60が大地の電位から浮いている場合には、電池の負極の電位)であってもよい。
本実施の形態のプリント回路基板1の効果を説明する。
本実施の形態のプリント回路基板1は、プリント基板9と、第1集積回路チップ40と、コネクタ20と、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)とを備える。プリント基板9は、第1主面10aを含む絶縁基材10と、第1グランドパターン11と、第2グランドパターン15と、第1信号ラインパターン(例えば、第1信号ラインパターン13a,13b)とを含む。第1集積回路チップ40は、プリント基板9上に搭載されている。コネクタ20は、プリント基板9上に搭載されており、かつ、電気ケーブル30に接続され得る。第1コンデンサは、プリント基板9上に搭載されている。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11は、第2グランドパターン15より広い面積を有している。第2グランドパターン15は、第1グランドパターン11から離間されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において第1グランドパターン11に直接対向している。第1信号ラインパターンは、第1グランドパターン11及び第2グランドパターン15から絶縁されている。コネクタ20は、シャーシ21と、シャーシ21内に設けられているコネクタグランド配線25cと、シャーシ21内に設けられている第1コネクタ信号配線(例えば、第1コネクタ信号配線25a,25b)とを含む。第1集積回路チップ40は、第1グランド端子42cと、第1信号端子(例えば、第1信号端子42a,42b)とを含む。第1グランド端子42cは、第1グランドパターン11に導通しており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において第2グランドパターン15に対向している。第1信号端子は、第1信号ラインパターンを介して、第1コネクタ信号配線に導通している。第2グランドパターン15は、シャーシ21またはコネクタグランド配線25cに導通している。第1コンデンサは、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15とに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第2グランドパターン15との間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。
そのため、電気ケーブル30から第1集積回路チップ40に流れ込んだ電磁ノイズは、第1グランドパターン11の全体に広がることなく、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)を通って、第2グランドパターン15に流れ込む。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1では、第1グランド端子42cと第2グランドパターン15との間の最短距離は、コネクタ20から流れ込む電磁ノイズのプリント基板9内における電気長の十分の一以下である。
そのため、電気ケーブル30から第1集積回路チップ40に流れ込んだ電磁ノイズは、第1グランドパターン11の全体に広がることなく、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)を通って、第2グランドパターン15に流れ込む。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1では、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15とに接続されている唯一のコンデンサである。
そのため、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)を通って第2グランドパターン15に流れ込んだ電磁ノイズが、別のコンデンサを通って、第1グランドパターン11に戻ることが防止され得る。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1では、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、プリント基板9は矩形形状を有している。絶縁基材10の第1主面10aの平面視におけるプリント基板9の各辺のサイズは、5cm以上15cm以下である。第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)の容量は、0.5μF以上5.0μF以下である。
第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)の容量が、0.5μF以上である。そのため、通常の電子機器などに起因する高周波電磁ノイズ(例えば、1MHz以上の周波数を有する電磁ノイズ)に対する第1コンデンサのインピーダンスが過度に高くなることが防止される。電気ケーブル30から第1グランドパターン11に流れ込んだ高周波電磁ノイズは、第1コンデンサを通って、第1グランドパターン11から第2グランドパターン15に流れやすくなる。0.5μF以上の容量を有する第1コンデンサは、第1グランドパターン11に流れ込んだ高周波電磁ノイズが第1グランドパターン11の全体に広がることを防止して、高周波電磁ノイズを、第1コンデンサ及び第2グランドパターン15を経由して、プリント回路基板1の外部(例えば、基準電位59)に逃がすことを可能にする。高周波電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)の容量が、5.0μF以下である。そのため、雷などに起因する低周波電磁ノイズ(例えば、100kHz以下の周波数を有する電磁ノイズ)に対する第1コンデンサのインピーダンスが過度に低くなることが防止される。5.0μF以下の容量を有するコンデンサ50は、電気ケーブル30を伝搬してきた低周波電磁ノイズが第1コンデンサを通って第2グランドパターン15から第1グランドパターン11に流れ込むことを防止して、低周波電磁ノイズをプリント回路基板1の外部(例えば、基準電位59)に逃がすことを可能にする。低周波電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
また、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)の容量が5.0μF以下であるため、第1コンデンサとして、高い耐圧(例えば、500V以上の耐圧)を有するコンデンサが利用可能となる。第1グランドパターン11から第2グランドパターン15に逃がすことができる電磁ノイズが増加し得る。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40bまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
実施の形態2.
図11を参照して、実施の形態2のプリント回路基板1bを説明する。本実施の形態のプリント回路基板1bは、実施の形態1のプリント回路基板1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の第1グランドパターン11に、第2グランドパターンを受け入れる凹部12が設けられている。具体的には、第1グランドパターン11の外縁部分11cに、凹部12が設けられている。
本実施の形態では、第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。
第1グランドパターン部分16aは、第1グランドパターン11の外縁部分11cに沿って延在している。第1グランドパターン部分16aは、例えば、第2方向(y方向)に沿って延在している。第1グランドパターン部分16aは、例えば、ストライプ形状を有してもよい。第1グランドパターン部分16aの長手方向は、例えば、第2方向(y方向)である。第1グランドパターン部分16aの短手方向は、例えば、第1方向(x方向)である。
第1グランドパターン部分16aは、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から離間されている。具体的には、第1グランドパターン部分16aは、第1方向(x方向)において、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から離間されている。第1グランドパターン部分16aは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11(外縁部分11c)に直接対向している。すなわち、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、プリント基板9は、第1グランドパターン11(外縁部分11c)と第1グランドパターン部分16aとの間に、導電パターン(第2グランドパターン部分16bを除く)を含んでいない。
導体(例えば、導電ワイヤ55)は、第1グランドパターン11の外縁部分11a(絶縁基材10の外縁部分10c)に対する第1グランドパターン部分16aの遠位端(第1グランドパターン11の外縁部分11bに対する第1グランドパターン部分16aの近位端)において、ねじのような固定部材56を用いて、第1グランドパターン部分16aに固定されている。
第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン部分16aの長手方向における第1グランドパターン部分16aの両端部を除く第1グランドパターン部分16aの中間領域において、第1グランドパターン部分16aに接続されている。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン部分16aから第1グランドパターン11に向けて突出している。第1グランドパターン部分16aからの第2グランドパターン部分16bの突出方向は、例えば、第1方向(x方向)である。
第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11から離間されている。第2グランドパターン部分16bは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11に直接対向している。すなわち、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、プリント基板9は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン部分16bとの間に、導電パターンを含んでいない。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11の凹部12内に延在している。
本実施の形態の第1集積回路チップ40は、実施の形態1の第1集積回路チップ40と同様であるが、以下の点で実施の形態1の第1集積回路チップ40と異なっている。本実施の形態では、第1グランド端子42cは、第2方向(y方向)において、第2グランドパターン部分16bに対向している。
コンデンサ50は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン部分16bとに接続されている。コンデンサ50は、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第2グランドパターン部分16bとの間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。直線50aは、第1グランドパターン部分16aからの第2グランドパターン部分16bの突出方向(例えば、第1方向(x方向))とは異なる方向に延在してもよい。例えば、直線50aは、第2方向(y方向)に沿って延在してもよい。
本実施の形態のプリント回路基板1bは、実施の形態1のプリント回路基板1の効果と同様の以下の効果を奏する。
本実施の形態のプリント回路基板1bでは、第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン部分16aから第1グランドパターン11に向けて突出している。第2グランドパターン部分16bを受け入れる凹部12が、第1グランドパターン11に設けられている。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cは、第2グランドパターン部分16bに対向している。第1コンデンサ(コンデンサ50)は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン部分16bとに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第2グランドパターン部分16bとの間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。
そのため、第1集積回路チップ40の向きを変更しなくても、電気ケーブル30から第1集積回路チップ40に流れ込んだ電磁ノイズは、第1グランドパターン11の全体に広がることなく、第1コンデンサ(コンデンサ50)を通って、第2グランドパターン15に流れ込む。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
実施の形態3.
図12を参照して、実施の形態3のプリント回路基板1cを説明する。本実施の形態のプリント回路基板1cは、実施の形態1のプリント回路基板1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態では、第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。
本実施の形態の第1グランドパターン部分16aは、実施の形態2の第1グランドパターン部分16aと同様である。
本実施の形態の第2グランドパターン部分16bは、実施の形態2の第2グランドパターン部分16bと同様であるが、以下の点で実施の形態2の第2グランドパターン部分16bと異なっている。
第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11の外縁部分11aに沿って延在している。第2グランドパターン部分16bは、例えば、第1方向(x方向)に沿って延在している。第2グランドパターン部分16bは、例えば、ストライプ形状を有してもよい。第2グランドパターン部分16bの長手方向は、例えば、第1方向(x方向)である。第2グランドパターン部分16bの短手方向は、例えば、第2方向(y方向)である。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11の外縁部分11a(絶縁基材10の外縁部分10c)に対する第1グランドパターン部分16aの近位端において、第1グランドパターン部分16aに接続されている。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2グランドパターン15は、例えば、L字の形状を有している。
第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11(外縁部分11a)から離間されている。具体的には、第2グランドパターン部分16bは、第2方向(y方向)において、第1グランドパターン11(外縁部分11a)から離間されている。第2グランドパターン部分16bは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11(外縁部分11a)に直接対向している。すなわち、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、プリント基板9は、第1グランドパターン11(外縁部分11a)と第2グランドパターン部分16bとの間に、導電パターンを含んでいない。
プリント基板9は、第2信号ラインパターン13dをさらに含む。第2信号ラインパターン13dは、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。第2信号ラインパターン13dは、例えば、第1主面10a上に設けられている。第2信号ラインパターン13dは、絶縁基材10の内部に形成されてもよい。第2信号ラインパターン13dは、第1グランドパターン11及び第2グランドパターン15から離間されており、第1グランドパターン11及び第2グランドパターン15から絶縁されている。第2信号ラインパターン13dは、第2ケーブル信号配線35dに対応している。
コネクタ20は、第2コネクタ信号配線25dと、端子23d,24dとをさらに含む。第2コネクタ信号配線25dは、シャーシ21内に設けられている。第2コネクタ信号配線25dは、第2ケーブル信号配線35dに対応している。第2コネクタ信号配線25dは、端子23dと端子24dとに接続されている。端子24dは、第2信号ラインパターン13dに接触しており、第2信号ラインパターン13dに導通している。
電気ケーブル30は、第2ケーブル信号配線35dと、端子33dとをさらに含む。シース32は、第2ケーブル信号配線35dをさらに収容している。第2ケーブル信号配線35dは、端子33dに接続されている。電気ケーブル30がコネクタ20に接続されるとき、端子33dは端子23dに接触する。こうして、第2ケーブル信号配線35dは、端子33d及び端子23dを介して、第2コネクタ信号配線25dに導通する。
第1集積回路チップ40の第1グランド端子42cは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン部分16aに対向している。
コンデンサ50は、第1グランドパターン11と第1グランドパターン部分16aとに接続されている。コンデンサ50は、第1グランドパターン11と第1グランドパターン部分16aとに接続されている唯一のコンデンサであってもよい。コンデンサ50は、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第1グランドパターン部分16aとの間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。直線50aは、例えば、第1方向(x方向)に沿って延在している。
プリント回路基板1cは、第2集積回路チップ45と、コンデンサ52とをさらに備える。
第2集積回路チップ45は、特に限定されないが、例えば、通信回路を含む特定用途向け集積回路(ASIC)チップ、または、電源ICチップである。第2集積回路チップ45は、プリント基板9上に搭載されている。第2集積回路チップ45は、第1グランドパターン11上に配置されている。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1集積回路チップ40は、第1グランドパターン11の外縁内に配置されている。第2集積回路チップ45は、第2グランド端子46cと、第2信号端子46aとを含む。
第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dに対応している。第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dに接触しており、第2信号ラインパターン13dに導通している。第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dを介して、第2コネクタ信号配線25dに導通している。具体的には、第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dと端子24dとを介して、第2コネクタ信号配線25dに導通している。
第2グランド端子46cは、第1グランドパターン11に接触しており、第1グランドパターン11に導通している。第2グランド端子46cは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2グランドパターン15に対向している。特定的には、第2グランド端子46cは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2グランドパターン部分16bに対向している。第2グランド端子46cと第2グランドパターン15(第2グランドパターン部分16b)との間の最短距離は、例えば、コネクタ20から流れ込む電磁ノイズ(例えば、コモンモードノイズ)のプリント基板9内における電気長の十分の一以下である。第2グランド端子46cと第2グランドパターン15(第2グランドパターン部分16b)との間の最短距離は、当該電気長の二十分の一以下であってもよく、当該電気長の五十分の一以下であってもよく、当該電気長の百分の一以下であってもよい。
コンデンサ52は、例えば、積層セラミックコンデンサまたはアルミ電解コンデンサである。コンデンサ52は、プリント基板9上に搭載されている。コンデンサ52は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15(第2グランドパターン部分16b)とに接続されている。コンデンサ52は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン部分16bとに接続されている唯一のコンデンサであってもよい。
コンデンサ52の容量は、例えば、0.5μF以上である。コンデンサ52の容量は、例えば、0.9μF以上であってもよい。
そのため、通常の電子機器などに起因する高周波電磁ノイズ(例えば、1MHz以上の周波数を有する電磁ノイズ)に対するコンデンサ52のインピーダンスが過度に高くなることが防止される。電気ケーブル30から第1グランドパターン11に流れ込んだ高周波電磁ノイズは、コンデンサ52を通って、第1グランドパターン11から第2グランドパターン15(第2グランドパターン部分16b)に流れやすくなる。高周波電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
コンデンサ52の容量は、例えば、5.0μF以下である。コンデンサ52の容量は、例えば、2.0μF以下であってもよく、1.1μF以下であってもよい。
そのため、雷などに起因する低周波電磁ノイズ(例えば、100kHz以下の周波数を有する電磁ノイズ)に対するコンデンサ52のインピーダンスが過度に低くなることが防止される。5.0μF以下の容量を有するコンデンサ52は、電気ケーブル30を伝搬してきた低周波電磁ノイズがコンデンサ52を通って第2グランドパターン15(第2グランドパターン部分16b)から第1グランドパターン11に流れ込むことを防止して、低周波電磁ノイズをプリント回路基板1の外部(例えば、基準電位59)に逃がすことを可能にする。低周波電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
また、コンデンサ52の容量が5.0μF以下であるため、コンデンサ52として、高い耐圧(例えば、500V以上の耐圧)を有するコンデンサが利用可能となる。第1グランドパターン11から第2グランドパターン15(第2グランドパターン部分16b)に流すことができる電磁ノイズが増加し得る。
絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、コンデンサ52は、第2グランド端子46cと第2グランドパターン15(第2グランドパターン部分16b)との間の最短距離を規定する直線52a上に配置されている。直線52aは、直線50aと異なる方向に延在してもよい。直線52aは、例えば、第2方向(y方向)に沿って延在している。
本実施の形態のプリント回路基板1cは、実施の形態1のプリント回路基板1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態のプリント回路基板1cは、第2集積回路チップ45と、第2コンデンサ(例えば、コンデンサ52)とをさらに備える。プリント基板9は、第2信号ラインパターン13dをさらに含む。コネクタ20は、シャーシ21内に設けられている第2コネクタ信号配線25dをさらに含む。第2集積回路チップ45は、プリント基板9に載置されている。第2集積回路チップ45は、第2グランド端子46cと、第2信号端子46aとを含む。第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dを介して、第2コネクタ信号配線25dに導通している。第2グランド端子46cは、第1グランドパターン11に導通しており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において第2グランドパターン15に対向している。第2コンデンサは、プリント基板9上に搭載されている。第2コンデンサは、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15とに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2グランド端子46cと第2グランドパターン15との間の最短距離を規定する直線52a上に配置されている。
そのため、電気ケーブル30から第2集積回路チップ45に流れ込んだ電磁ノイズは、第1グランドパターン11の全体に広がることなく、第2コンデンサ(例えば、コンデンサ52)を通って、第2グランドパターン15に流れ込む。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、第2集積回路チップ45、並びに、第1集積回路チップ40及び第2集積回路チップ45以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1cでは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11は、第1外縁部分(外縁部分11a)と、第2外縁部分(外縁部分11c)とを含む。第2外縁部分は、第1外縁部分に接続されており、かつ、第1外縁部分とは異なる方向に延在している。第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。第1グランドパターン部分16aは、第2外縁部分に沿って延在している。第2グランドパターン部分16bは、第1外縁部分に沿って延在しており、かつ、第1グランドパターン部分16aに接続されている。第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)は、第1グランドパターン11と第1グランドパターン部分16aとに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第1グランドパターン部分16aとの間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。第2コンデンサ(例えば、コンデンサ52)は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン部分16bとに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2グランド端子46cと第2グランドパターン部分16bとの間の最短距離を規定する直線52a上に配置されている。
そのため、電気ケーブル30から第1集積回路チップ40及び第2集積回路チップ45に流れ込んだ電磁ノイズは、第1グランドパターン11の全体に広がることなく、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)及び第2コンデンサ(例えば、コンデンサ52)を通って、第2グランドパターン15に流れ込む。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、第2集積回路チップ45、並びに、第1集積回路チップ40及び第2集積回路チップ45以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
実施の形態4.
図13及び図14を参照して、実施の形態4のプリント回路基板1dを説明する。本実施の形態のプリント回路基板1dは、実施の形態1のプリント回路基板1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態では、プリント基板9は、例えば、両面プリント基板である。具体的には、プリント基板9は、第3グランドパターン71と、第4グランドパターン75と、第2信号ラインパターン13dと、少なくとも一つの第1導電ビア73と、第2導電ビア77とをさらに含む。
第3グランドパターン71は、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。第3グランドパターン71は、第2集積回路チップ45の第2グランド端子46cに導通しており、第2集積回路チップ45に基準電位を提供する。第3グランドパターン71は、例えば、第2主面10b上に設けられている。絶縁基材10の第1主面10a(第2主面10b)の平面視において、第3グランドパターン71は、第1グランドパターン11に重なっている。特定的には、絶縁基材10の第1主面10a(第2主面10b)の平面視において、第3グランドパターン71は、第1グランドパターン11に完全に重なってもよい。絶縁基材10の第2主面10bの平面視において、第3グランドパターン71は、第4グランドパターン75に対して、絶縁基材10の中央に配置されている。
絶縁基材10の第2主面10bの平面視において、第3グランドパターン71は、第4グランドパターン75より広い面積を有している。すなわち、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第3グランドパターン71は、第4グランドパターン75より広い幅を有している。第3グランドパターン71は、第4グランドパターン75より広い断面積を有している。そのため、第3グランドパターン71は、第4グランドパターン75より小さな残留インダクタンスを有している。なお、第3グランドパターン71の断面積は、例えば、絶縁基材10の第1主面10aと第3グランドパターン71の長手方向とに垂直な断面における、第3グランドパターン71の面積を意味する。第4グランドパターン75の断面積は、例えば、絶縁基材10の第1主面10aと第4グランドパターン75の長手方向とに垂直な断面における、第4グランドパターン75の面積を意味する。
絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第3グランドパターン71は、外縁部分71aと、外縁部分71aとは反対側の外縁部分71bと、外縁部分71cとを含む。外縁部分71aは、絶縁基材10の外縁部分10cに対向している。外縁部分71aは、例えば、第3グランドパターン71の外縁のうち、絶縁基材10の外縁部分10cに最も近い部分である。外縁部分71bは、例えば、第3グランドパターン71の外縁のうち、絶縁基材10の外縁部分10cから最も遠い部分である。外縁部分71aと外縁部分71bとは、例えば、第1方向(x方向)に沿って延在している。外縁部分71cは、外縁部分71aと外縁部分71bとに接続されている。外縁部分71cは、外縁部分71a及び外縁部分71bとは異なる方向に延在している。外縁部分71cは、例えば、第2方向(y方向)に沿って延在している。
少なくとも一つの第1導電ビア73は、第1主面10aと第2主面10bとが離間されている方向、すなわち絶縁基材10の厚さ方向(第3方向(z方向))に沿って延在している。少なくとも一つの第1導電ビア73は、第1グランドパターン11と第3グランドパターン71とに接続されている。少なくとも一つの第1導電ビア73は、複数の第1導電ビア73であってもよい。すなわち、第3グランドパターン71は、複数の第1導電ビア73を通して、第1グランドパターン11に導通してもよい。
絶縁基材10の第1主面10a(第2主面10b)の平面視において、少なくとも一つの第1導電ビア73は、第1集積回路チップ40の第1グランド端子42c及び第2集積回路チップ45の第2グランド端子46cの近くに配置されてもよい。
絶縁基材10の第1主面10a(第2主面10b)の平面視において、少なくとも一つの第1導電ビア73と第1グランド端子42cとの間の距離は、例えば、コネクタ20から流れ込む電磁ノイズのプリント基板9内における電気長の百分の一以下である。そのため、電磁ノイズに起因する少なくとも一つの第1導電ビア73と第1グランド端子42cとの間の電位差が小さくなり、第1グランドパターン11に電磁ノイズの定在波が立つことが防止され得る。電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
絶縁基材10の第1主面10a(第2主面10b)の平面視において、少なくとも一つの第1導電ビア73と第2グランド端子46cとの間の距離は、例えば、コネクタ20から流れ込む電磁ノイズのプリント基板9内における電気長の百分の一以下である。そのため、電磁ノイズに起因する少なくとも一つの第1導電ビア73と第2グランド端子46cとの間の電位差が小さくなり、第3グランドパターン71に電磁ノイズの定在波が立つことが防止され得る。電磁ノイズに起因する第3グランドパターン71の電位の変動が抑制されて、第3グランドパターン71に導通している電子部品(第2集積回路チップ45、及び、第2集積回路チップ45以外の電子部品(例えば、集積回路チップまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
第4グランドパターン75は、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。第4グランドパターン75は、例えば、第2主面10b上に設けられている。絶縁基材10の第1主面10a(第2主面10b)の平面視において、第4グランドパターン75は、第2グランドパターン15に重なっている。特定的には、絶縁基材10の第1主面10a(第2主面10b)の平面視において、第4グランドパターン75は、第2グランドパターン15に完全に重なってもよい。
絶縁基材10の第2主面10bの平面視において、第4グランドパターン75は、第3グランドパターン71に対して、絶縁基材10の外周領域に配置されている。第4グランドパターン75は、第3グランドパターン71の外縁部分71cに沿って延在している。第4グランドパターン75は、例えば、第2方向(y方向)に沿って延在している。第4グランドパターン75は、例えば、ストライプ形状を有してもよい。第4グランドパターン75の長手方向は、例えば、第2方向(y方向)である。第4グランドパターン75の短手方向は、例えば、第1方向(x方向)である。
第4グランドパターン75は、第3グランドパターン71から離間されている。具体的には、第4グランドパターン75は、第1方向(x方向)において、第3グランドパターン71から離間されている。第4グランドパターン75は、絶縁基材10の第2主面10bの平面視において、第3グランドパターン71(外縁部分71c)に直接対向している。すなわち、絶縁基材10の第2主面10bの平面視において、プリント基板9は、第3グランドパターン71(外縁部分71c)と第4グランドパターン75との間に、導電パターンを含んでいない。第4グランドパターン75上、または、絶縁基材10の第2主面10bの平面視(絶縁基材10の第1主面10aの平面視)における第4グランドパターン75の上方には、いかなる電子部品(図16に示されるコンデンサ52を除く)も配置されていない。
第4グランドパターン75は、接地電位のような基準電位59に電気的に接続されている。具体的には、第2導電ビア77は、第1主面10aと第2主面10bとが離間されている方向、すなわち、絶縁基材10の厚さ方向(第3方向(z方向))に沿って延在している。第2導電ビア77は、第2グランドパターン15と第4グランドパターン75とに接続されている。第4グランドパターン75は、第2導電ビア77を介して、第2グランドパターン15に導通している。第4グランドパターン75は、導電ワイヤ55のような導体と、第2グランドパターン15と、第2導電ビア77とを介して、基準電位59に接続されている。例えば、第2導電ビア77は中空導電部材であり、第2導電ビア77の孔内にねじの胴部のような固定部材56の一部が嵌合または螺合されてもよい。
電気ケーブル30がコネクタ20に接続されるとき、第4グランドパターン75は、端子24cとシャーシ21とコネクタ本体31と第2グランドパターン15とを介して電気ケーブル30のシース32に導通する。または、電気ケーブル30がコネクタ20に接続されるとき、第4グランドパターン75は、端子24cとコネクタグランド配線25cと端子23cと端子33cと第2グランドパターン15とを介して電気ケーブル30のケーブルグランド配線35cに導通する。
第2信号ラインパターン13dは、例えば、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。第2信号ラインパターン13dは、例えば、第2主面10b上に設けられている。第2信号ラインパターン13dは、第3グランドパターン71及び第4グランドパターン75から離間されており、第3グランドパターン71及び第4グランドパターン75から絶縁されている。第2信号ラインパターン13dは、第2ケーブル信号配線35dに対応している。
コネクタ20は、第2コネクタ信号配線25dと、端子23d,24dとをさらに含む。本実施の形態のコネクタ20は、実施の形態3のコネクタ20と同様であるが、以下の点で実施の形態3のコネクタ20と異なっている。端子24dは、第2信号ラインパターン13dに接触しており、第2信号ラインパターン13dに導通している。端子24dは、例えば、絶縁基材10に設けられた孔(図示せず)に挿入されている。端子24dは、絶縁基材10を貫通してもよい。
プリント回路基板1dは、第2集積回路チップ45をさらに備える。本実施の形態の第2集積回路チップ45は、実施の形態3の第2集積回路チップ45と同様であるが、以下の点で実施の形態3の第2集積回路チップ45と異なっている。第2集積回路チップ45は、第3グランドパターン71上に配置されている。絶縁基材10の第2主面10bの平面視(絶縁基材10の第1主面10aの平面視)において、第2集積回路チップ45は、第3グランドパターン71の外縁内に配置されている。絶縁基材10の第2主面10bの平面視(絶縁基材10の第1主面10aの平面視)において、第2集積回路チップ45は、第1集積回路チップ40と同じ位置に配置されてもよい。
第2集積回路チップ45の第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dに対応している。第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dに接触しており、第2信号ラインパターン13dに導通している。第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dを介して、第2コネクタ信号配線25dに導通している。具体的には、第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dと端子24dとを介して、第2コネクタ信号配線25dに導通している。
第2集積回路チップ45の第2グランド端子46cは、第3グランドパターン71に接触しており、第3グランドパターン71に導通している。第2グランド端子46cは、絶縁基材10の第2主面10bの平面視(絶縁基材10の第1主面10aの平面視)の平面視において、第4グランドパターン75に対向している。第2グランド端子46cと第4グランドパターン75との間の最短距離は、例えば、コネクタ20から流れ込む電磁ノイズのプリント基板9内における電気長の十分の一以下である。第2グランド端子46cと第4グランドパターン75との間の最短距離は、当該電気長の二十分の一以下であってもよく、当該電気長の五十分の一以下であってもよく、当該電気長の百分の一以下であってもよい。
図15及び図16を参照して、本実施の形態の変形例のプリント回路基板1eを説明する。プリント回路基板1eは、プリント回路基板1dと同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
プリント回路基板1eは、コンデンサ52をさらに備える。本実施の形態の変形例のコンデンサ52は、実施の形態3のコンデンサ52と同様であるが、以下の点で実施の形態3のコンデンサ52と異なっている。
コンデンサ52は、第3グランドパターン71と第4グランドパターン75とに接続されている。コンデンサ52は、第3グランドパターン71と第4グランドパターン75とに接続されている唯一のコンデンサであってもよい。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、コンデンサ52は、第2グランド端子46cと第4グランドパターン75との間の最短距離を規定する直線52a上に配置されている。直線52aは、例えば、第1方向(x方向)に沿って延在している。第1主面10a(第2主面10b)の平面視において、コンデンサ52は、コンデンサ50と同じ位置に配置されてもよい。
本実施の形態のプリント回路基板1d,1eは、実施の形態3のプリント回路基板1cの効果と同様の以下の効果を奏する。
本実施の形態のプリント回路基板1d,1eは、第2集積回路チップ45をさらに備える。絶縁基材10は、第1主面10aとは反対側の第2主面10bを含む。プリント基板9は、第3グランドパターン71と、第4グランドパターン75と、第2信号ラインパターン13dと、少なくとも一つの第1導電ビア73と、第2導電ビア77とをさらに含む。第4グランドパターン75は、第3グランドパターン71から離間されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において第3グランドパターン71に直接対向している。第2信号ラインパターン13dは、第3グランドパターン71及び第4グランドパターン75から絶縁されている。少なくとも一つの第1導電ビア73は、第1グランドパターン11と第3グランドパターン71とに接続されており、かつ、第1主面10aと第2主面10bとが離間されている方向に沿って延在している。第2導電ビア77は、第2グランドパターン15と第4グランドパターン75とに接続されており、かつ、第1主面10aと第2主面10bとが離間されている方向に沿って延在している。コネクタ20は、シャーシ21内に設けられている第2コネクタ信号配線25dをさらに含む。第2集積回路チップ45は、第2グランド端子46cと、第2信号端子46aとを含む。第2グランド端子46cは、第3グランドパターン71に導通しており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において第4グランドパターン75に対向している。第2信号端子46aは、第2信号ラインパターン13dを介して、第2コネクタ信号配線25dに導通している。
そのため、電気ケーブル30から第2集積回路チップ45に流れ込んだ電磁ノイズは、第3グランドパターン71の全体に広がることなく、第1コンデンサ(コンデンサ50)を通って、第2グランドパターン15に流れ込む。第3グランドパターン71に導通している電子部品(第2集積回路チップ45、及び、第2集積回路チップ45以外の電子部品(例えば、集積回路チップまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1d,1eでは、少なくとも一つの第1導電ビア73は、複数の第1導電ビア73である。
そのため、第1グランドパターン11と第3グランドパターン71とを互いに接続する導体(複数の第1導電ビア73)のインダクタンスが減少する。電気ケーブル30から第2集積回路チップ45に流れ込んだ電磁ノイズは、第3グランドパターン71の全体に広がることなく、複数の第1導電ビア73と第1グランドパターン11と第1コンデンサ(コンデンサ50)とを通って、第2グランドパターン15に流れ込む。第3グランドパターン71に導通している電子部品(第2集積回路チップ45、及び、第2集積回路チップ45以外の電子部品(例えば、集積回路チップまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1eは、プリント基板9上に搭載されている第2コンデンサ(例えば、コンデンサ52)をさらに備える。第2コンデンサは、第3グランドパターン71と第4グランドパターン75とに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2グランド端子46cと第4グランドパターン75との間の最短距離を規定する直線52a上に配置されている。
そのため、電気ケーブル30から第2集積回路チップ45に流れ込んだ電磁ノイズは、第3グランドパターン71の全体に広がることなく、第2コンデンサ(例えば、コンデンサ52)を通って、第4グランドパターン75にも流れ込む。第3グランドパターン71に導通している電子部品(第2集積回路チップ45、及び、第2集積回路チップ45以外の電子部品(例えば、集積回路チップまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1eでは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第2コンデンサ(例えば、コンデンサ52)は、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)と同じ位置に配置されている。
そのため、電気ケーブル30から第1集積回路チップ40及び第2集積回路チップ45に流れ込んだ電磁ノイズは、第1グランドパターン11の全体と第3グランドパターン71の全体とに広がることなく、第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)及び第2コンデンサ(例えば、コンデンサ52)を通って、第2グランドパターン15及び第4グランドパターン75に流れ込む。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)と第3グランドパターン71に導通している電子部品(第2集積回路チップ45、及び、第2集積回路チップ45以外の電子部品(例えば、集積回路チップまたは発光ダイオードのような能動電子部品など)との誤動作または電気的破壊が防止され得る。
実施の形態5.
図17を参照して、実施の形態5のプリント回路基板1fを説明する。本実施の形態のプリント回路基板1fは、実施の形態1のプリント回路基板1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態では、第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。
本実施の形態の第1グランドパターン部分16aは、実施の形態3の第1グランドパターン部分16aと同様である。第1グランドパターン部分16aは、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から間隔d1を空けて配置されている。
本実施の形態の第2グランドパターン部分16bは、実施の形態3の第2グランドパターン部分16bと同様であるが、以下の点で異なっている。
第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11の外縁部分11a(絶縁基材10の外縁部分10c)に対する第1グランドパターン部分16aの遠位端において、第1グランドパターン部分16aに接続されている。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11(外縁部分11b)から離間されている。具体的には、第2グランドパターン部分16bは、第2方向(y方向)において、第1グランドパターン11(外縁部分11b)から離間されている。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11(外縁部分11b)から間隔d2を空けて配置されている。
第2グランドパターン部分16bは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11(外縁部分11b)に直接対向している。すなわち、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、プリント基板9は、第1グランドパターン11(外縁部分11b)と第2グランドパターン部分16bとの間に、導電パターンを含んでいない。第2グランドパターン部分16b上、または、絶縁基材10の第2主面10bの平面視(絶縁基材10の第1主面10aの平面視)における第2グランドパターン部分16bの上方には、いかなる電子部品も配置されていなくてもよい。
第1グランドパターン部分16aと第1グランドパターン11との間の間隔d1は、第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11との間の間隔d2より狭い。
導体(例えば、導電ワイヤ55)は、第1グランドパターン部分16aに対する第2グランドパターン部分16bの遠位端において、ねじのような固定部材56を用いて、第2グランドパターン部分16bに固定されている。
本実施の形態のコンデンサ50は、実施の形態3のコンデンサ50と同様に、第1グランドパターン11と第1グランドパターン部分16aとに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第1グランドパターン部分16aとの間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。
図18を参照して、本実施の形態のプリント回路基板1fの作用を説明する。
本実施の形態では、第1グランドパターン部分16aと第1グランドパターン11との間の間隔d1は、第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11との間の間隔d2より狭い。そのため、電気ケーブル30から第1集積回路チップ40に流れ込む電磁ノイズは、第1グランドパターン11から第2グランドパターン部分16bに直接流れ込むことなく、コンデンサ50を通って、第1グランドパターン部分16aに流れ込む(図18のノイズ経路64を参照)。電磁ノイズが、第1グランドパターン11の全体に広がることが防止され得る。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
また、たとえ、第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11との間に、第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11とに導通するコンデンサ51が配置されていても、第1グランドパターン11の全体に広がりかつコンデンサ51を通って第1グランドパターン11から第2グランドパターン部分16bに流れ込む電磁ノイズ(図18のノイズ経路65を参照)を、減少させることができる。
以下の理由により、第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11との間に、第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11とに導通するコンデンサ51が配置されていないことが好ましい。電気ケーブル30から第1集積回路チップ40に流れ込む電磁ノイズの一部が、コンデンサ51を通って第1グランドパターン11から第2グランドパターン部分16bに流れ込むことがある(図18のノイズ経路65を参照)。電磁ノイズの一部が、第1グランドパターン11の全体に広がる。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)が、誤動作するまたは電気的に破壊される可能性がある。
本実施の形態のプリント回路基板1fは、実施の形態1のプリント回路基板1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態のプリント回路基板1fでは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11は、第1外縁部分(例えば、外縁部分11b)と、第2外縁部分(例えば、外縁部分11c)とを含む。第2外縁部分は、第1外縁部分に接続されており、かつ、第1外縁部分とは異なる方向に延在している。第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。第1グランドパターン部分16aは、第2外縁部分に沿って延在している。第2グランドパターン部分16bは、第1外縁部分に沿って延在しており、かつ、第1グランドパターン部分16aに接続されている。第1コンデンサ(コンデンサ50)は、第1グランドパターン11と第1グランドパターン部分16aとに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第1グランドパターン部分16aとの間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。第1グランドパターン部分16aと第1グランドパターン11との間の間隔d1は、第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11との間の間隔d2より狭い。
そのため、電気ケーブル30から第1集積回路チップ40に流れ込む電磁ノイズは、第1グランドパターン11から第2グランドパターン部分16bに直接流れ込むことなく、コンデンサ50を通って、第1グランドパターン部分16aに流れ込む。電磁ノイズが、第1グランドパターン11の全体に広がることが防止され得る。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
実施の形態6.
図19を参照して、実施の形態6のプリント回路基板1gを説明する。本実施の形態のプリント回路基板1gは、実施の形態2のプリント回路基板1bと同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の第1グランドパターン11は、実施の形態2の第1グランドパターン11と同様であるが、以下の点で実施の形態2の第1グランドパターン11と異なっている。本実施の形態の第1グランドパターン11には、実施の形態2の凹部12(図11を参照)が設けられていない。すなわち、本実施の形態の第1グランドパターン11は、実施の形態1の第1グランドパターン11と同様である。
本実施の形態では、第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。本実施の形態の第1グランドパターン部分16aは、実施の形態2の第1グランドパターン部分16aと同様である。第1グランドパターン部分16aは、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から間隔d3を空けて配置されている。
本実施の形態の第2グランドパターン部分16bは、実施の形態2の第2グランドパターン部分16bと同様であるが、以下の点で実施の形態2の第2グランドパターン部分16bと異なっている。第2グランドパターン部分16bは、第1方向(x方向)において、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から離間されている。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から間隔d4を空けて配置されている。第1グランドパターン部分16aからの第2グランドパターン部分16bの突出方向(例えば、第1方向(x方向))における第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11との間の間隔d4は、当該突出方向における第1グランドパターン部分16aと第1グランドパターン11との間の間隔d3より狭い。
本実施の形態の第1集積回路チップ40は、実施の形態2の第1集積回路チップ40と同様であるが、以下の点で実施の形態2の第1集積回路チップ40と異なっている。本実施の形態の第1グランド端子42cは、第1方向(x方向)において、第2グランドパターン部分16bに対向している。
本実施の形態のコンデンサ50は、実施の形態2のコンデンサ50と同様であるが、以下の点で実施の形態2のコンデンサ50と異なっている。第1グランド端子42cと第2グランドパターン部分16bとの間の最短距離を規定する直線50aは、第1グランドパターン部分16aからの第2グランドパターン部分16bの突出方向(例えば、第1方向(x方向))に沿って延在している。コンデンサ50は、この直線50a上に配置されている。すなわち、コンデンサ50は、第2グランドパターン15のうち、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15との間の間隔が相対的に狭い部分において、第1グランドパターン11と第2グランドパターン15(第2グランドパターン部分16b)とに接続されている。
本実施の形態のプリント回路基板1gは、実施の形態1のプリント回路基板1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態のプリント回路基板1gでは、第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン部分16aから第1グランドパターン11に向けて突出している。第1グランドパターン部分16aからの第2グランドパターン部分16bの突出方向における第2グランドパターン部分16bと第1グランドパターン11との間の間隔d4は、突出方向における第1グランドパターン部分16aと第1グランドパターン11との間の間隔d3より狭い。絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cは第2グランドパターン部分16bに対向している。第1コンデンサ(コンデンサ50)は、第1グランドパターン11と第2グランドパターン部分16bとに接続されており、かつ、第1グランド端子42cと第2グランドパターン部分16bとの間の最短距離を規定するとともに第2グランドパターン部分16bの突出方向に沿って延在している直線50a上に配置されている。
そのため、電気ケーブル30から第1集積回路チップ40に流れ込んだ電磁ノイズが、第1グランドパターン11の全体に広がることがさらに抑制され得る。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
実施の形態7.
図20を参照して、実施の形態7のプリント回路基板1hを説明する。本実施の形態のプリント回路基板1hは、実施の形態3のプリント回路基板1cと同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態では、シャーシ21は、導電性シャーシである。電磁ノイズは、シャーシ21を通って、プリント基板9に流れ込む。
第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第2グランドパターン部分16bとを含む。
本実施の形態の第1グランドパターン部分16aは、実施の形態3の第1グランドパターン部分16aと同様であるが、以下の点で実施の形態3の第1グランドパターン部分16aと異なっている。第1グランドパターン部分16aの長手方向(第2方向(y方向))における本実施の形態の第1グランドパターン部分16aの長さは、第1グランドパターン部分16aの長手方向における実施の形態3の第1グランドパターン部分16aの長さより短い。第1グランドパターン部分16aは、シャーシ21及び端子24cに接触しておらず、シャーシ21及び端子24cから離れている。
本実施の形態の第2グランドパターン部分16bは、実施の形態3の第2グランドパターン部分16bと同様であるが、以下の点で実施の形態3の第2グランドパターン部分16bと異なっている。
第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン部分16aから離間されている。例えば、第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン部分16aの長手方向(第2方向(y方向))において、第1グランドパターン部分16aから離間されている。第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11の外縁部分11cに沿って延在している。第2グランドパターン部分16bは、例えば、第2方向(y方向)に沿って延在している。第2グランドパターン部分16bは、例えば、ストライプ形状を有してもよい。第2グランドパターン部分16bの長手方向は、例えば、第2方向(y方向)である。第2グランドパターン部分16bの短手方向は、例えば、第1方向(x方向)である。
第2グランドパターン部分16bは、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から離間されている。具体的には、第2グランドパターン部分16bは、第1方向(x方向)において、第1グランドパターン11(外縁部分11c)から離間されている。第2グランドパターン部分16bは、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランドパターン11(外縁部分11c)に直接対向している。すなわち、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、プリント基板9は、第1グランドパターン11(外縁部分11c)と第2グランドパターン部分16bとの間に、導電パターンを含んでいない。
第2グランドパターン部分16bは、導電性シャーシ(シャーシ21)に導通している。第2グランドパターン部分16bは、導電性シャーシに接触してもよいし、第2グランドパターン部分16bに接触する端子24cを介して、導電性シャーシに導通してもよい。
プリント回路基板1hは、コンデンサ53をさらに備える。コンデンサ53は、例えば、積層セラミックコンデンサまたはアルミ電解コンデンサである。コンデンサ53は、プリント基板9上に搭載されている。コンデンサ53は、第1グランドパターン部分16aと第2グランドパターン部分16bとに接続されている。コンデンサ53は、導電性シャーシ(シャーシ21)から第2グランドパターン部分16bに流れ込んだ電磁ノイズを反射して、第2グランドパターン部分16bから第1グランドパターン部分16aに流れ込む電磁ノイズを減少させるまたは無くすことができる。コンデンサ53は、コンデンサ50を介して第1グランドパターン部分16aから第1グランドパターン11に流れ込む電磁ノイズを、減少させるまたは無くすことができる。
図21を参照して、コンデンサ53を備える本実施の形態のプリント回路基板1hの作用を説明する。図21に、電気ケーブル30に電磁ノイズを印加したときの、本実施の形態及び実施の形態1における、第1集積回路チップ40への電磁ノイズの結合量を示す。第1集積回路チップ40への電磁ノイズの結合量は、第1集積回路チップ40の第1信号端子42a,42bに電磁ノイズ検出用プローブを接触させることによって測定される。本実施の形態における第1集積回路チップ40への電磁ノイズの結合量は、実施の形態1における第1集積回路チップ40への電磁ノイズの結合量より少ないことが分かる。
コンデンサ53の容量は、例えば、5.0μF以下である。コンデンサ53の容量は、例えば、2.0μF以下であってもよく、1.0μF以下であってもよい。そのため、雷などに起因する低周波電磁ノイズ(例えば、100kHz以下の周波数を有する電磁ノイズ)に対するコンデンサ53のインピーダンスが過度に低くなることが防止される。コンデンサ53は、より多くの低周波電磁ノイズを反射して、第1グランドパターン部分16a及びコンデンサ50から第1グランドパターン11に流れ込む低周波電磁ノイズをさらに減少させるまたは無くすことができる。低周波電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
コンデンサ53の容量は、例えば、0.01μF以上である。そのため、通常の電子機器などに起因する高周波電磁ノイズ(例えば、1MHz以上の周波数を有する電磁ノイズ)に対するコンデンサ53のインピーダンスが過度に高くなることが防止される。電気ケーブル30から第2グランドパターン部分16bに流れ込んだ高周波電磁ノイズは、コンデンサ53で反射されて、電気ケーブル30内の寄生容量またはコネクタ20内の寄生容量のために第1信号ラインパターン13a,13b及び第1グランドパターン11に流れ込むことが防止され得る。高周波電磁ノイズに起因する第1グランドパターン11の電位の変動が抑制されて、第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
図22を参照して、本実施の形態の変形例のプリント回路基板1iを説明する。
プリント回路基板1iは、抵抗器54をさらに備える。抵抗器54は、プリント基板9上に搭載されている。具体的には、抵抗器54は、第1グランドパターン部分16aと第2グランドパターン部分16bとに接続されている。第2コンデンサ(例えば、コンデンサ53)と抵抗器54とは、第1グランドパターン部分16aと第2グランドパターン部分16bとの間に、互いに並列に配置されている。抵抗器54は、プリント基板9が帯電することを防止することができる。
抵抗器54のインピーダンスは、例えば、10kΩ以上である。抵抗器54のインピーダンスが過度に低いと、雷などに起因する低周波電磁ノイズ(例えば、100kHz以下の周波数を有する電磁ノイズ)は抵抗器54を通り、低周波電磁ノイズを遮断するというコンデンサ53の効果を十分に得ることができなくなるためである。抵抗器54のインピーダンスは、例えば、10MΩ以下である。抵抗器54のインピーダンスは、例えば、1MΩ以下であってもよい。そのため、抵抗器54のインピーダンスが過度に高くなることが防止される。抵抗器54は、プリント基板9が帯電することを効果的に防止することができる。
本実施の形態のプリント回路基板1h,1iは、実施の形態1のプリント回路基板1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態のプリント回路基板1h,1iは、プリント基板9上に搭載されている第2コンデンサ(コンデンサ53)をさらに備える。シャーシ21は、導電性シャーシである。第2グランドパターン15は、第1グランドパターン部分16aと、第1グランドパターン部分16aから離間されている第2グランドパターン部分16bとを含む。第2グランドパターン部分16bは、導電性シャーシに導通している。第1コンデンサ(例えば、コンデンサ50)は、第1グランドパターン11と第1グランドパターン部分16aとに接続されており、かつ、絶縁基材10の第1主面10aの平面視において、第1グランド端子42cと第1グランドパターン部分16aとの間の最短距離を規定する直線50a上に配置されている。第2コンデンサは、第1グランドパターン部分16aと第2グランドパターン部分16bとに接続されている。
第2コンデンサ(コンデンサ53)は、導電性シャーシ(シャーシ21)から第2グランドパターン部分16bに流れ込んだ電磁ノイズを反射して、第2グランドパターン部分16bから第1グランドパターン部分16aに流れ込む電磁ノイズを減少させるまたは無くすことができる。第2コンデンサは、第1コンデンサ(コンデンサ50)を介して第1グランドパターン部分16aから第1グランドパターン11に流れ込む電磁ノイズを、減少させるまたは無くすことができる。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1iは、プリント基板9上に搭載されている抵抗器54をさらに備える。抵抗器54は、第1グランドパターン部分16aと第2グランドパターン部分16bとに接続されている。第2コンデンサ(コンデンサ53)と抵抗器54とは、第1グランドパターン部分16aと第2グランドパターン部分16bとの間に、互いに並列に配置されている。
抵抗器54は、プリント回路基板1iが帯電することを防止することができる。プリント回路基板1iに搭載されている電子部品(第1集積回路チップ40、及び、第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
実施の形態8.
図23を参照して、実施の形態8の電子機器2j及びプリント回路基板1jを説明する。本実施の形態の電子機器2j及びプリント回路基板1jは、実施の形態1の電子機器2及びプリント回路基板1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の電子機器2jは、実施の形態1のプリント回路基板1に代えて、本実施の形態のプリント回路基板1jを備える。本実施の形態のプリント回路基板1jは、実施の形態1のプリント基板9に加えて、ヒートシンク80と、伝熱部材83,84とをさらに備える。本明細書において、伝熱部材は、0.1W/(m/K)以上の熱伝導率を有する材料で形成されている部材を意味する。
ヒートシンク80は、例えば、放熱板81と、放熱フィン82とを含む。ヒートシンク80(放熱板81)は、絶縁基材10の第1主面10aに対向している。ヒートシンク80(放熱板81)は、絶縁基材10の第1主面10aから離間されて配置されている。放熱フィン82は、放熱板81に接続されている。具体的には、放熱フィン82は、絶縁基材10の第1主面10aに対向する放熱フィン82の背面とは反対側の放熱フィン82のおもて面に形成されている。
伝熱部材83は、第1集積回路チップ40とヒートシンク80(例えば、放熱板81)とに接続されている。伝熱部材83は、絶縁スペーサであってもよいし、導電スペーサであってもよい。伝熱部材83は、例えば、放熱グリスまたは放熱シートである。放熱グリスは、例えば、磁性フィラーのようなフィラーが分散されたシリコーン樹脂で形成されてもよい。伝熱部材84は、第2グランドパターン15とヒートシンク80(例えば、放熱板81)とに接続されている。伝熱部材84は、導電スペーサである。伝熱部材84は、例えば、金属で形成されている。伝熱部材84は、例えば、ヒートシンク80を絶縁基材10に固定するねじであってもよい。
ヒートシンク80は、コネクタ20から離間されている。そのため、電気ケーブル30のシース32(図2を参照)に流れ込んだ電磁ノイズが、コネクタ20のシャーシ21(図2を参照)、ヒートシンク80及び伝熱部材83を通って、第1集積回路チップ40、及び、第1グランドパターン11に導通している第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)に伝搬することを防止することができる。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40及び第1集積回路チップ40以外の電子部品の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態の変形例では、ヒートシンク80は、コネクタ20(シャーシ21)に接触してもよい。例えば、コネクタ20のシャーシ21内に電気フィルタが設けられている場合には、電子機器2jの動作時に、コネクタ20の温度が高くなることがある。ヒートシンク80をコネクタ20に接触させることにより、ヒートシンク80はコネクタ20を冷却することができる。
ヒートシンク80がコネクタ20(シャーシ21)に接触していると、コネクタ20からヒートシンク80に流れ込んだ電磁ノイズが、伝熱部材83における寄生容量のために第1集積回路チップ40に結合して、第1集積回路チップ40、及び、第1グランドパターン11に導通している第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)が誤動作するまたは電気的に破壊されたりするおそれがある。伝熱部材83の高さを1mm以上に設定することにより、伝熱部材83における寄生容量が低減して、第1集積回路チップ40及び第1グランドパターン11に導通している第1集積回路チップ40以外の電子部品に結合する電磁ノイズが低減する。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40及び第1集積回路チップ40以外の電子部品の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
導電スペーサである伝熱部材84は、コネクタ20(シャーシ21)からヒートシンク80に流れ込んだ電磁ノイズを、第2グランドパターン15を経由して、基準電位59に逃がすことを可能にする。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40及び第1集積回路チップ40以外の電子部品)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1jは、実施の形態1のプリント回路基板1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態のプリント回路基板1jは、ヒートシンク80と、伝熱部材83とをさらに備える。ヒートシンク80は、第1主面10aに対向しており、かつ、第1主面10aから離間されて配置されている。伝熱部材83は、第1集積回路チップ40とヒートシンク80とに接続されている。ヒートシンク80は、コネクタ20から離間されている。
そのため、第1集積回路チップ40は、ヒートシンク80によって冷却される。第1集積回路チップ40の誤動作または熱的破壊が防止され得る。また、電磁ノイズが、コネクタ20からヒートシンク80に流れ込むことが防止される。電磁ノイズが、ヒートシンク80及び伝熱部材83を通って、第1集積回路チップ40、及び、第1グランドパターン11に導通している第1集積回路チップ40以外の電子部品(例えば、集積回路チップ40b(図4を参照)または発光ダイオードのような能動電子部品など)に流れ込むことが防止され得る。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40及び第1集積回路チップ40以外の電子部品)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
本実施の形態のプリント回路基板1jは、ヒートシンク80と、第1伝熱部材(伝熱部材83)と、第2伝熱部材(伝熱部材84)とをさらに備える。ヒートシンク80は、第1主面10aに対向しており、かつ、第1主面10aから離間されて配置されている。ヒートシンク80は、コネクタ20に接触している。第1伝熱部材は、第1集積回路チップ40とヒートシンク80とに接続されている。第1伝熱部材の高さは、1mm以上である。第2伝熱部材は、導電性を有しており、かつ、第2グランドパターン15とヒートシンク80とに接続されている。
そのため、ヒートシンク80は、コネクタ20を冷却することができる。第1伝熱部材(伝熱部材83)における寄生容量が低減して、第1集積回路チップ40に結合する電磁ノイズが低減する。第2伝熱部材(伝熱部材84)は、コネクタ20(シャーシ21)からヒートシンク80に流れ込んだ電磁ノイズを、第2グランドパターン15を経由して、基準電位59に逃がすことを可能にする。第1グランドパターン11に導通している電子部品(第1集積回路チップ40及び第1集積回路チップ40以外の電子部品)の誤動作または電気的破壊が防止され得る。
今回開示された実施の形態1-8及びそれらの変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態1-8及びそれらの変形例の少なくとも二つを組み合わせてもよい。本開示の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。