JP2010040554A - コイン型セルとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブチルゴムからなるガスケットを使用する場合において、電解液の漏出を防止することにより高い封止信頼性を確保し、優れた製品品質が期待できるコイン型セルとその製造方法を提供する。
【解決手段】コイン型セル1において、環状ガスケット15をブチルゴムを主体とする素材で作製し、ガスケット15の内径(D1)を、負極キャップ10の外径(L1)よりも若干小さく設定する。製造工程ではガスケット15を拡径し、負極キャップ10に圧入することにより、圧入後において負極キャップ10とガスケット15とを強く密着させ、両者の接触面Xにおける電解液40の浸入、滞留並びに外部への漏出を防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、コイン型セルとその製造方法に関し、特にガスケットによる封止信頼性のための改良技術に関する。
電気二重層キャパシタに代表される電気化学素子として、コイン型セルが知られている。
コイン型セルを製造する場合は、まず第一極性電極を外装蓋(負極キャップ)側に電気的に接続し、第一極性電極上にセパレータを配置する。一方、負極キャップの周囲にガスケットを配置する。その後、負極キャップの内部に電解液を注液し、減圧処理を行って、第一極性電極やセパレータに電解液を十分しみ込ませる。次に、第ニ極性電極をセパレータ上に配置し、外装缶を被せ、第ニ極性電極と外装缶を電気的に接続する。そして、外装缶開口部周辺の部材をカシメ処理して内部封止する。
コイン型セルで使用する電解液量は、サイクル特性や保存特性等を良くするため、できるだけ多い方がよいので、負極キャップ上において、当該負極キャップ周囲のガスケットに接触するレベルまで、十分に注液する必要がある。
ガスケットには、外装缶の外部に電解液が漏出しないように高い封止信頼性が要求される。そのためガスケットの素材として、一般にはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の硬い樹脂が使用されている、現在では、材料コスト等を考慮して、これらの樹脂に代わって比較的安価なブチルゴム材料の使用が検討されている(一例として特許文献1〜3に記載)。
特開2007−207942号公報 特開2008−66407号公報 特開2007−324531号公報 特開2005−353290号公報 特開2000−173565号公報
しかしながら、ブチルゴムは上記した各種樹脂に比べて柔らかい材料であるため、前記した従来技術において、ブチルゴムからなるガスケットを用いて負極キャップを外装缶に装着した際の封止信頼性が若干低い。特に、カシメ処理を行う前の工程において、ガスケット自体を負極キャップと高度に密着させることは困難な問題がある。
また、柔軟性に富むブチルゴムを用いると、封口時の弾性変形によって、ガスケットと負極キャップ間の間隙はほぼ無くなるが、それでも完全な封止は困難である。
このようにガスケット自体が負極キャップに対して有する密着性が優れないと、負極キャップの外径面とガスケットの内径面の間に電解液が浸入して滞留し、セル完成後に外部に漏れ出すことがある。コイン型セルの完成後に電解液が外部に漏出すると、製品の品質を著しく低下させるほか、当該コイン型セルがマウントされた電子機器基板に付着し、ショート等の不具合を発生させる原因にもなりうる。
ここで、特許文献4には、負極キャップの側壁部の上下中途部に、ガスケットのシール圧を局部的に増強する増圧突起を、外方向に全周にわたって張り出し形成し、この突起をガスケットに食い込ませることにより、封止信頼性の向上をねらった技術が記載されている。しかし、このような方法は、PEEKやPPS等の硬い樹脂材料でガスケットを構成する場合は負極キャップ側に強固に装着されるため、或程度有効であるが、ブチルゴムを用いる場合にも同様に有効であるとは言えない。すなわち、カシメ処理による内部封止を行う前では、負極キャップ表面に突起を設けたことにより、突起先端を基点としてガスケット本体が負極キャップ側から離れてしまい、これにより生じた間隙に電解液が多く浸入して滞留する。その結果、セル完成後に液漏れを起こす確率が高くなってしまう。
以上のようにコイン型セルの分野においては、未だ解決すべき課題が存在する。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであって、ブチルゴムからなるガスケットを使用する場合において、電解液の漏出を防止することにより高い封止信頼性を確保し、優れた製品品質が期待できるコイン型セルとその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、円形主面と、当該主面の周囲に配設された側壁部を有する外装蓋に対し、第一極性電極を前記外装蓋に電気的に接続し、当該第一極性電極上にセパレータを配置するとともに、前記側壁部にガスケットを圧入する第一ステップと、 第一ステップ後に、前記外装蓋に電解液を注液して、前記第一極性電極及び前記セパレータに電解液をしみ込ませるとともに、前記セパレータ上に第二極性電極を配設し、当該第二極性電極上に外装缶を被せ、当該第二極性電極と当該外装缶とを電気的に接続する第二ステップと、前記外装缶の開口部周囲をカシメ処理して内部封止する第三ステップを経るコイン型セルの製造方法であって、前記ガスケットは、ブチルゴムを主体とする材料からなり、前記側壁部への前記ガスケット圧入後に少なくとも前記側壁部の先端部外径面と接触する円筒状のリブを備え、当該リブの前記接触する予定部分の内径が、前記ガスケット圧入前の自然状態において、前記先端部外径面の径よりも小さく設計されているものとした。
ここで、前記側壁部の先端領域は、前記主面に対して垂直方向に伸びるストレート形状であり、前記ガスケットは、ブチルゴムを主体とする材料からなり、前記側壁部への前記ガスケット圧入後に前記先端領域の外径面と面接触する円筒状のリブを備え、当該リブの内径が前記ガスケット圧入前の自然状態において、前記面接触する予定領域全体に亘って、前記先端領域の外径よりも小さく設計されているようにすることもできる。
また、第一ステップで使用するガスケットは、ガスケット圧入時において、側壁部の先端領域の圧入方向上流側に位置するリブの内径部分が、当該上流方向に沿って拡径されたテーパー形状の構成を利用することもできる。
また、本発明は、セパレータを介して対向配置された一対の電極を有する電極体が、電解液とともに外装缶に収納され、円形主面を持つ外装蓋に対し、当該主面を取り囲む側壁部において環状のガスケットが配設され、当該ガスケットが外装蓋とともに外装缶に装着されて内部封止されたコイン型セルであって、前記ガスケットは、ブチルゴムを主体とする材料からなり、前記側壁部への前記ガスケット圧入後に少なくとも前記側壁部の先端部外径面と接触する円筒状のリブを備え、当該リブの前記接触する予定部分の内径が前記ガスケット圧入前の自然状態において、前記先端部外径面の径よりも小さく設計されているものとした。
ここで前記側壁部の先端領域は、前記主面に対して垂直方向に伸びるストレート形状であり、前記ガスケットは、ブチルゴムを主体とする材料からなり、前記側壁部への前記ガスケット圧入後に前記側壁部の先端領域の外径面と面接触する円筒状のリブを備え、当該リブの内径が前記ガスケット圧入前の自然状態において、前記面接触する予定領域全体に亘って、前記先端領域の外径よりも小さく設計されているようにすることもできる。
また、側壁部の先端領域の圧入方向上流側に位置するガスケットのリブの内径部分が、当該上流方向に沿って拡径されたテーパー形状である構成を採ることもできる。
さらに、前記ガスケットは円筒形であり、前記接触予定領域が平坦な円筒内面である構成とすることもできる。
また、前記側壁部の先端部外径面の径と、自然状態における前記ガスケットの前記先端部外径面と接触する予定部分の径との差が、0.05mm以上0.2mm以下に設定されていることが望ましい。
前記ガスケットは、さらにスチレン系樹脂又はフェノール系樹脂の少なくともいずれかを配合した材料で構成されていることが好適である。
また、本発明は、1又は複数の電子回路基板を有する電子機器であって、
電子回路基板のうちの少なくとも1つにおいて、上記したいずれかの本発明のコイン型セルが搭載されている構成とした。
以上の構成を有する本発明のコイン型セルによれば、負荷が掛かっていない自然状態(すなわち、外装蓋への装着前)のガスケットの内径が、外装蓋(負極キャップ)の外径よりも小さく設計されているため、製造工程ではガスケットの内径が外装蓋の外径以上になるように引っ張りながら、無理ばめによりガスケットを外装蓋に圧入する。このとき、ガスケットの内径面と外装蓋の側壁部外径面は、互いの接触面において、ガスケットの復元力(収縮力)により強固に圧着されることとなる。
従って、その後カシメ処理による外装缶の内部封止がなされるまでの間において、ガスケットと外装蓋が電解液と接触しても、主面部の全周にわたる接触面で電解液が浸出したり、漏出することはない。また、ブチルゴムは弾性変形性に富むことから、外装蓋に圧入しても容易に復元し、外装蓋側と密着させることができる。これにより、外装蓋の側壁部外径面とガスケットの内径面の間に電解液が浸入する経路を確実に遮断できる。
このように本発明では、外装蓋と外装缶のカシメ処理を行う以前において、外装蓋の側壁部外径面とガスケットの内径面の間に電解液が付着するのを良好に防止でき、セル完成後の電解液の漏出による不具合を排した高品質な製品特性が得られる。
このようなガスケットによる効果は、PEEKやPPSに比べて安価なブチルゴムで実現できるため、製造コストの低減の効果と相まって、本発明の有効なメリットとなる。
以下に、本発明の実施の形態及び実施例を説明するが、当然ながら本発明はこれらの形式に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
<実施の形態1>
図1は、本発明の一適用例である電気二重層キャパシタとして、コイン型セル(414タイプ)の構成を示す断面図である。図2は、コイン型セル1の構成を示す断面組図である。
図1に示すように、コイン型セル1は、電極体3を電解液40とともに外装缶(正極缶)20に収納し、その開口部を、ガスケット15を介した外装蓋(負極キャップ)10により内部封止した構成を有する。
電極体3は、セパレータ30を介して対向配置された一対の電極(ここでは第一分極性電極32、第二分極性電極34)で構成されている。
正極缶20の内方主面と負極キャップ10の内方主面には、それぞれ集電体33、31がが電気的に接続されている。第一分極性電極32は、負極キャップの集電体31に、第二分極性電極34は正極缶20の集電体33に、それぞれ電気的に接続されている。
正極缶20はステンレス材で構成され、円形の底面21と、これを取り囲む側部22、及び側部22の頂部における湾曲部23とで構成されている。正極缶20は、もとは図2に示すように有底筒体20Xからなり、その開口部周囲の側面の先端部23Xを開口部側に向かって内向きに折り曲げてカシメ処理することで構成される。
負極キャップ10は、正極缶20と同じステンレス材で構成され、円形の主面部11と、主面部11を取り囲む周縁部材が一方の主面に折り曲げられてなる側壁部10aを有する。図1に示す負極キャップ10の側壁部10aは、主面部11に連続して設けられた側壁基部102と、1段のステップをなすように拡径された拡径部101と、当該拡径部101に連続して設けられたストレート部(先端領域100)からなる。これにより、負極キャップ10は皿状の形状をなしている。
なお本発明の負極キャップとしては、側壁基部102を設けず、拡径部101を主面部11に直接形成することもできる。
側壁部10aは、その先端領域100の外径面において、後述するガスケット15のリブ150と気密且つ液密に面接触するために、凹凸のない平坦な表面を有し、主面部11に対して垂直方向に伸びるストレート形状に形成されている。先端領域100は円筒状であり、先端領域100の外径(L1)は、φ4.02mmである。ここで言う「平坦」とは、表面に局部的な突起が存在しない平坦性を示す。その平坦性としては、Raが25μm以下になるように調節する。さらに、Raが10μm以下であることが好ましく、Raが1.6μm以下であると、一層好ましい。先端領域100の端部には、先端部103が存在している。
正極缶20及び負極キャップ10の素材は、電気伝導性に優れる金属材料であればよい。例えば上記ステンレスの他、鉄、アルミニウム、チタン、ニッケルの一種以上、或いは積層構造体、もしくは表面をメッキ処理した部材を用いることができる。
第一及び第二分極性電極32、34は、いずれも活物質を結着剤でシート状に固めて、最終厚み0.5mm、直径2.4mmのサイズとなるように構成されている。
この場合、活物質としては、おが屑、椰子殻、ピッチ等を賦活処理を施して得られる粉末状活性炭が挙げられる。その他、フェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系等の繊維に不融化及び炭化賦活処理を施した活性炭、又は活性炭素繊維を得、これをフェルト状、繊維状、紙状のいずれかに加工し、又は焼結したものが挙げられる。その他にも、CNF、CNT等の炭素材料や金属化合物が例示できる。
結着剤としては、電気二重層キャパシタにおいて一般的な公知材料であればよい。例示するとポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルクロリド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレンプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンタポリマー、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、フッ素ゴム等が挙げられる。
また、活物質に対しては導電剤を添加し、導電性を確保するようにしてもよい。この導電剤も公知材料でよく、炭素材料、例えば、鱗片状黒鉛や土状黒鉛等の天然黒鉛、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維等が挙げられる。
集電体31、33は、黒鉛粉末及び樹脂を混合してなる導電塗料を、負極キャップ10及び正極缶20の内面に塗布することにより形成された膜である。
セパレータ30は、良好なイオン流通性を有し、適度な機械的強度を持つ絶縁性の透過膜(微多孔膜)であって、ガラス繊維、PPS、PET、PA、PI等の材料を用いて、厚み10〜250μm程度で構成される。孔径は、0.01〜5μm程度に設定できる。
電解液40は、有機溶媒に支持塩を溶解させた組成が例示できる。
有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等が用いられ、具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシエタン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル、テトラヒドロフラン(THF)、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、無水マレイン酸、スルホラン、3−メチルスルホラン等を単独又は二種類以上を混合したものが例示できる。ここでプロピレンカーボネート又はスルホランを混合したものを用いると、耐熱性に優れるため好適である。支持塩としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEA−BF4)又は、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボーレイトを用いることが好ましいが、その他、(CPBF、(CPBF、SBP−BF、(CPPF、(CPCFSO、(CNPF、LiClO、LiPF、LiBF、LiN(CFSO等を少なくとも一種類以上用いることも可能である。
ガスケット15は、ブチルゴムを主体とする厚み0.2mm程度の材料を熱成型してなり、環状(ここでは外見上、高さの低い円筒形)のリブ150を持つように成型された絶縁性の弾性体である。
ガスケット15の素材としては、ブチルゴム単体、或いはスチレン系樹脂又はフェノール系樹脂の少なくともいずれかを、ブチルゴムに配合した材料が挙げられる。その他、ポリマー、補強材、充填材、加硫材(架橋材)、副資材等の種々の材料が混合されたブチルゴムが例示できる。前記ポリマーとしては、その主成分がイソブチレンとイソプレンからなるものが例示できる。補強材としてはカーボンブラックを、充填材としてはシリカ系、マイカ系、クレー系を、加硫材としては樹脂、硫黄等を、老化防止剤としてはフェノール系、アミン系を、副資材としては、酸化亜鉛とステアリン酸の混合物等が、それぞれ挙げられる。
ここで、コイン型セル1の封止性を良くするための材料選択の基準として、JIS−A硬度75以上110以下の範囲にある材料を選択することが望ましい。
ガスケット15のリブ150は、円筒状であり、ここでは、リブ150の内径は3.92mmである。
リブ150の内径面15aは、平坦な表面に処理されており、負極キャップ10の側壁部10aの外径面と密に面接触して、高度な密着性が図られるように調整されている。その平坦性としては、Raが25μm以下になるように調整する。ここで、Raが10μm以下であると好ましく、さらにRaが1.6μm以下であると、一層好適である。ガスケット圧入後、内径面15aにおいて先端領域100の外径面と接触する部分が、接触する予定領域となっている。
ガスケット15の構造としては図2に示すように、リブ150の内径面15a側に向かって、溝部15b、折り返し部15cが折り返された変形コの字形の断面形状を有するように構成されている。これにより、溝部15bに対して負極キャップ10の側壁部10aの先端が嵌合し、側壁部10aの両面を折り返し部15cの片面と内径面15aで挟設できるようになっている。コイン型セル1の内部では、図1に示すように、ガスケット15は負極キャップ10と正極缶20の間で圧縮されて弾性変形しており、その復元力によって、両者の内部封止(負極キャップ10とガスケット15の間、及び、ガスケット15と正極缶20の間の封止性担保)が十分に図られている。
なお、ガスケット15の部材厚みは適宜調整可能であるが、あまり薄くすると前述の内部封止性が十分得られなくなるので、部材の弾性等を考慮した最適化が必要である。
ここで図2に示すように、ガスケット15は自然状態において、内径面15aにおける負極キャップ10の側壁部10aの先端領域100と接触する予定領域の径(D1))が、負極キャップ10の側壁部10aの先端領域100の外径(L1)よりも若干小さくなるように設計されている。
この径の差(L1−D1、実施の形態1では0.1mm)としては0.05mm以上0.2mm以下の範囲で設定することが好適である。
なお、ここでいう「自然状態」とは、負極キャップ10へガスケット15を圧入する前において、ガスケット15に押圧力や弾性変形力等の負荷が掛かっていない自由長にある状態を指す。
以上の構成を有するコイン型セル1では、自然状態におけるガスケット15の内径(D1)が負極キャップ10の外径(L1)よりも小さくなるように工夫されているので、後述するように製造工程において、ガスケット15が負極キャップ10に無理ばめ(圧入)されることとなる。そして圧入後は、ガスケット15の復元力(収縮力)により内径面15aが負極キャップ10の側壁部10aと強く密着する。
従って、カシメ処理を行う前の状態においても、ガスケット15と側壁部10aとの間の接触面Xにおいては、その間に電解液40が浸入・滞留したり、また外部に漏出することがない。このため、封止信頼性が高く、高品質なコイン型セルを実現することができる。また、電解液40が電子機器等の外部機器に付着することによって発生するショートや動作不良等の諸問題を回避して、安定性の高い駆動性能を発揮できるようになっている。
また、このような本発明のコイン型セルは、比較的安価なブチルゴムをガスケット素材に用いることで実現できるため、上記効果とともに製造コストを低減するといったメリットも奏され、極めて良好な実用性を有するものである。
なお、特許文献5(特開2000−173565号公報)には、PPを用いたガスケットを使用し、当該ガスケットの内径を小さくして、負極キャップに圧入した密閉電池の構成が開示されているが、このような硬い材料からなるガスケットを負極キャップに圧入すると割れや塑性変形を起こすだけでなく、ガスケットに挿入されるキャップのエッジ部分によってガスケットに傷を付けてしまい、リークの原因となる。また、実際の負極キャップやガスケットは、真円形状に設計しても、製造誤差により若干の歪み等が発生することから、このような硬い材料ではガスケットと負極キャップとの密着が負極キャップの全周で得られることは難しい。さらに、このような硬い材料を用いることで、圧入不良を生じたり、圧入した後もガスケットが負極キャップから浮き上がり、外れるおそれがある。一方、ブチルゴムを利用する本発明においては、このようなガスケットの不具合を生じることはほぼ皆無である。
従って、本発明はブチルゴムを用いたガスケットにおいて特有の効果を奏するものであり、この点において、従来技術とは明確に異なるものである。
実施の形態1におけるコイン型セル1は、携帯通信機器のRTCや、小型PC、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラのメモリ等のバックアップ用電源として用いられる。このような各種電子機器に搭載する場合には、これをマウントする1以上の電子回路基板の所定の位置にクリームはんだを塗布する。そして、正極缶20及び負極キャップ10の各主面部11、21(外面)をそれぞれ前記クリームはんだに接触させた状態でリフロー炉に投入し、約250℃程度の高温で短時間熱処理することにより、コイン型セル1を電子回路基板側と電気的に接続することができる(公知のリフローはんだ付け法)。
<コイン型セルの製造工程>
コイン型セルの製造工程について、図3、4を用いて例示する。
まず、図3(a)に示すように、負極キャップ10の主面部11(内面)に、集電体31および第一分極性電極32、セパレータ30を順次載置する。このとき、負極キャップ10と第一分極性電極32とを電気的に接続する。また、ガスケット15を負極キャップ10の上方へ用意する。
次にガスケット15の装着作業を行う。すなわち、ガスケット15のリブ150の内径(D1)を負極キャップの外径(L1)以上になるように引っ張りながら、溝部15bが負極キャップ10の側壁部10aの頂部に嵌合するように押下する。そして無理ばめにより圧入し、側壁部10aをガスケット15の内径面15a及び折り返し部15cの片面で挟設する(図3(b)、(c))。これにより、ガスケット15の内径面15aと負極キャップ10の側壁部10aは、互いの接触面Xにおいて、ガスケット15の復元力(収縮力)により強固に密着される。ここで、ガスケット15の素材には優れた弾性を有するブチルゴムを採用したことにより、装着作業による押圧力でガスケット15の溝部15b周辺が弾性変形しながら側壁部10aと密に接するので、主面部11の全周にわたる接触面Xにおいて隙間が生じることはない。
なお、ガスケット15のリブ150の内径(D1)を広げる操作は、オペレータが手で行うことも可能であるが、機械的な操作でも可能である。
例えば、拡径可能な公知のコレットチャック(不図示)をガスケット15の内部に挿通させ、コレットチャックを拡径させ、その状態でコレットチャックを負極キャップ10側に移動させることで、拡径させたガスケット15を負極キャップ10に圧入することができる。
または、テーパー状のチャック(不図示)にガスケット15を挿通させ、当該チャックの径の大きな部分においてガスケット15を拡径した状態とし、その状態でガスケット15を負極キャップ10に対して圧入することも可能である。
以上で第一のステップが終了する。
この後、第二のステップとして、電解液40の注液作業を行う。ここでは、コイン型セル1のサイクル特性や保存特性等を確保するため、負極キャップ10の内部に出来るだけ多くの電解液40を注液する。周囲の雰囲気を減圧下に調整し、注液した電解液40を第一極性電極32とセパレータ30にしみ込ませる。このとき本発明では、ガスケット15に触れるレベルまで電解液40を入れても、前記のようにガスケット15と負極キャップ10が強固に密着しているので、前記D1とL1の各径が同一値に設定された場合に比べて、接触面Xに電解液40が浸入することがない。また、ガスケット15の内径面15aが平坦な円筒内面として形成されているので、当該表面に凹凸が存在する場合に比べて側壁部10aと密に接触することができる。
このようなことから、本発明では、後のカシメ処理を行う以前においても、接触面Xに電解液40が浸入するのを良好に防止でき、セル完成後も電解液の漏出による不具合を排した高品質な製品特性を得ることができる。また、このようなガスケット15による効果は、PEEKやPPSに比べて安価なブチルゴムで実現できるので、製造コストの低減と相まって有効なメリットとなる。
なお、ガスケット15においては、その外径面部分にも電解液40が付着することがある。これは電解液40の注液作業や、さらに第一及び第二分極性電極32、34へ電解液40を含浸させるための真空(もしくは加圧)含浸工程を別途行う際に発生しうる。しかしながら、この問題は注液条件や含浸時の気圧条件を最適化することで防止可能であるため、内径面15aに不要な電解液40が付着する問題に比べてそれほど大きな影響はない。
次に、セパレータ30の上に第二分極性電極34を配置した後、主面部21に集電体33を配置した有底筒体20Xを被せるように配置する。このとき、第二分極性電極34を有底筒体20Xと電気的に接続する。
以上で第二ステップが終了する。
次に、封口用の金型を用いてセルをカシメ処理により内部封止する第三ステップを行う。図4は、この封止工程を説明する模式的な断面図である。
図4(a)に示すように、封口用の金型1000の下面には、傾斜した押圧面1030が形成されている。また、金型1000にはノック1010がスライド可能に装着され、当該ノック1010はバネ1020で下方に付勢されている。
当該ステップでは、まず図4(a)に示すように、製作中セル1aを図3とは天地逆に載置する。金型1000を押し下げると、肩高を下げる処理がなされる。すなわち、押圧面1030が側壁部22の先端部23Xを下向き内方に押圧するので、その結果、有底筒体20Xの開口部周囲に位置する側部22の先端部23Xが開口部側に湾曲されて湾曲部23が形成される。そして、内部封止がなされることでコイン型セル1が完成する((図4(b))。なお、このとき、ノック1010は、負極キャップ10に突き当たるので、金型1000が下降するのに伴って金型1000に対して相対的に押し上げられる。
当図に示すように、コイン型セル1の外装缶20が金型1000にかじりついているが、金型1000を上に上げると、バネ1020の付勢力でノック1010がコイン型セル1を下方に押し出すので、コイン型セル1は金型1000から離される(図4(c))。
なお、このカシメ処理により集電体31、33がそれぞれ負極キャップ10、正極缶20と十分密着して、電気的に接続されるように留意する。これにより第三ステップが終了する。
以上の各ステップを経ることでコイン型セル1が完成する。
なお、本発明では、上記製造工程の他、外装缶20の内部に電極体3及び電解液40を収納するとともに、他方で負極キャップ10にガスケット15を圧入し、これを用いて外装缶20を封止する工程も採ることができる。この場合も、接触面Xにおける電解液40の浸入や、外部への漏出の問題を効果的に抑制できる。しかしながら本発明は、ガスケット15を負極キャップ10に圧入した後、カシメ処理前に、負極キャップ10中に電解液40を注液するステップのように、負極キャップ10がカシメ処理前に電解液40と比較的長く接触する場合に最も有効な効果が発揮されるものである。
<性能確認実験>
以下、本発明の効果を実際に確認するために行った性能確認実験について述べる。
(実験1)
ガスケットの内径(D1)を負極キャップの外径(L1)よりも小さく設定したことによる効果を調べるため、以下のサンプルを作製した。実施例1と比較例1はいずれもガスケット素材としてブチルゴムを使用し、ガスケットの内径(D1)と負極キャップの外径(L1)の差のみ異ならせたコイン型セルとした。また比較例2として、ガスケット素材のみをPEEKで置き換え、これ以外を比較例1と同一にしたコイン型セルを用意した。
実施例1の作製;
ガスケット素材としてブチルゴムを使用した。電解液は、PC(プロピレンカーボネート)にTEA−BF4(ホウフッ化テトラエチルアンモニウム)を1mol/l溶解させたものを使用した。セルは414サイズの部材を使用した。
ガスケットの内径(D1)をφ3.92mm、負極キャップの外径をφ4.02mmとした。これにより、ガスケットの内径(D1)が負極キャップの外径(L1)より0.1mmだけ小さい部材を利用した。
比較例1の作製;
ガスケットの内径(D1)及び負極キャップの外径(L1)を、いずれも同一寸法のφ4.00mmとした。これ以外は実施例1と同様の構成に設定した。
比較例2の作製;ガスケットの材質をPEEKにした以外は、比較例1と同様の構成に設定した。
これらの実施例1及び比較例1、2の各セルについて、60℃環境中に48時間投入し、電解液の漏出(リーク)の有無を確認する実験を行った。
この実験結果を表1に示す。
Figure 2010040554
表1に示すように、ブチルゴムのガスケットでガスケットの内径(D1)と負極キャップの外径(L1)との差を無くしたにもかかわらず、比較例1ではリークが発生することが確認された。
一方、ガスケットの内径(D1)を負極キャップの外径(L1)よりも0.1mm小さくした実施例1では、電解液のリークの発生は皆無であった。実施例1と比較例1とを比較結果から、ガスケットの内径(D1)を小さくして負極キャップとの密着性を向上させれば、リーク発生の問題は効果的に抑制できることが分かる。
また、実施例1と同様の効果は比較例2でも得られている。実施例1と比較例2とを比較すると、上記した実施例1の優れた封止性能は、比較的高価な素材であるPEEKをガスケットに使用した比較例2と同等の効果として得られており、比較的安価な素材であるブチルゴムを用いても、ガスケットの内径(D1)を負極キャップの外径(L1)に対して適切に設定することにより、比較例2と同等の優れた性能が得られることが分かった。
(実験2)
次に、ガスケットの内径(D1)と負極キャップの外径(L1)との差がリーク発生数に及ぼす影響を調べた。本実験は、ガスケットをブチルゴムで作製し、ガスケットの内径(D1)と負極キャップの外径の差(L1−D1)の値を−0.1mm以上0.3mm以下の範囲で段階的に変化させたサンプルを用意した。
なお、コイン型セル全体の構成は、上記実施例1と同様に作製した。
このときの実験結果を表2に示す。
Figure 2010040554
表2に示されるように、ガスケットの内径(D1)が負極キャップの外径(L1)と同一またはL1よりも大きい場合には、いずれもリーク発生が確認された。特に、D1がL1よりも大きくなるに従ってリーク発生数が増大することが確認される(比較例3〜5)が、これは、(L1−D1)の値の大きさに比例したものと考えられる。一方、ガスケットの内径(D1)が負極キャップの外径(L1)よりも小さい場合(実施例1、2)には、いずれもリークは発生しなかった。このような良好な結果を得るための好適な(L1−D1)の範囲は、本発明者らの別の実験結果をも併せて考慮すると、0.05mm以上0.2mm以下の範囲が好適であると考えられる。
以上の各実験から、本発明の優位性が確認された。
<実施の形態2>
実施の形態1では、負極キャップ10の側壁部10aを一枚の部材厚みで構成した例を示したが、本発明はこれに限定されない。
図5は、実施の形態2に係るコイン型セル2の構成を示す断面図である。当図に示されるコイン型セル2は、実施の形態1のコイン型セル1とほぼ同様の構成であるが、負極キャップ10の周縁部(先端部103から主面部11方向へ向かう一定の長さの先端領域100)を、その中途で二重に折り曲げて形成された側壁部11aを備える点が異なる。
このような構成の負極キャップ10を用いると、側壁部11aの剛性が比較的増すので、ガスケット15を側壁部11aに圧入した後にガスケット15の強い復元力(収縮力)が及んでも、負極キャップ10が撓んだり変形するのが防止される。そのほか、このようにガスケット15と強固に密着させることにより、接触面Xへの電解液40の浸入や外部への漏出を、より確実に回避する効果が期待できる。
この場合、二重に折り曲げて形成された側壁部11aの外側の側壁部の外側の面が、側壁部10aの外径面に対応する。
<その他の事項>
上記各実施の形態では、電気化学素子であるコイン型セルとして電気二重層キャパシタの構成を例示したが、本発明はこれに限定するものではなく、コイン型電池として構成することも可能である。
この場合、電極体は公知のコイン型電池のように、セパレータを介して負極及び正極を積層した発電要素で構成することができる。リチウム電池とする場合には、正極剤として二酸化マンガン、負極剤として金属リチウム、セパレータとしてポリプロピレン製不織布、PPS、ガラス繊維等をそれぞれ用いて構成することができる。
尚、本発明では、負極キャップの外径(L1)とガスケットの内径(D1)の差が大きすぎると、ガスケットに負極キャップを圧入した後のガスケット外径が大きくなりすぎ、正極缶への挿入不良が発生するおそれがある。このため、(L1−D1)の差としては0.2mm以下が望ましい。ガスケット側面の材厚は、通常、約0.2mmに設定されるので、負極キャップの外径とガスケットの内径の差を0.2mmとすると、もとのガスケット材厚の半分の厚さまで負極キャップを圧入することになり、負極キャップ圧入後のガスケット外径への影響も大きくなるからである。
また、本発明のコイン型セルは、当然ながら外装蓋と外装缶の極性をそれぞれ負極、正極に限定するものではなく、これと逆の極性になるように設定することも可能である。
また、コイン型セルの外装缶の高さは、図1や図5に示されるサイズに限定するものではなく、或程度の高さを有する外装缶を利用することも可能である。
なお、本発明のガスケットの形状としては次の変形例が例示できる。図6の製造工程図に示すように、負極キャップ10の側壁部10aが圧入されるガスケット15Aにおいて、当該圧入方向上流側に位置するリブ150の先端領域の内径面を、前記圧入方向上流側に沿って拡径されたテーパー状をなすように形成することもできる。このような構成のガスケット15Aを用いれば、ガスケット圧入時にはテーパー面15dが側壁部10aの先端領域100に最初に接触する。そして、圧入の経過に従ってガスケット15Aは自然に拡径されるので、スムーズな圧入作業が行える。このため、図3(b)のように圧入に際してオペレータがガスケット15の内径を広げなくても良く、コレットチャックも不要であり、製造効率の向上を期待することができる。テーパー面15dは、ガスケット圧入後、リブ150における側壁部10aの先端領域100と接触しない位置に設けることが望ましい。
また、上記各実施例においては、ガスケット15のリブ150及び側壁部10aの先端領域100は、それぞれ円筒状であり、ガスケット15のリブ150の内径D1は、自然状態において、側壁部10aの先端領域100の外径L1よりも小さく設定する構成を示したが(図2)、本発明はこれに限定しない。
少なくともガスケット15のリブ150は、自然状態において、側壁部10aの先端部103の外径面と接触する予定部分の内径が、側壁部10aの先端部103の外径面の径よりも小さければ、カシメ処理前の状態においてもリブ150の内径面と側壁部10aの間に電解液が侵入することを抑制する効果は得られる。
この場合、側壁部10aの先端部103の外径面の径と、自然状態のガスケット15における側壁部10aの先端部103の外径面と接触する予定部分の径との差が、0.05mm以上0.2mm以下に設定されていることが好ましい。
しかしながら、より高度な密着性を得るためには、ガスケット圧入後ガスケット15のリブ150の内径面が、側壁部10aの先端領域100の外径面と面接触し、図2に示すように、ガスケット15のリブ150の内径がガスケット圧入前の自然状態において、側壁部10aの先端領域100と面接触する予定領域全体に亘って、側壁部10aの先端領域100の外径よりも小さく設計することが好適である
本発明のコイン型セルは、小型の携帯通信機器のRTCや、パーソナルコンピュータのメモリバックパップ電源等として、電子回路基板上に実装して利用することが可能であり、特に、電解液の漏出を極力回避することが要求される用途において、有効に利用することが可能である。
本発明の実施の形態1に係るコイン型セルの構造を示す断面図である。 実施の形態1のコイン型セルの構造を示す一部断面組図である。 コイン型セルの製造工程を示す図である。 コイン型セルの製造工程を示す図である。 実施の形態2に係るコイン型セルの構造を示す断面図である。 ガスケットの変形例を示すコイン型セルの製造工程図である。
符号の説明
1、2 コイン型セル
3 電極体
10 外装蓋(負極キャップ)
10a 側壁部
11 主面部(負極端子部)
15、15A ガスケット
15a 内径面
20 外装缶(正極缶)
20X 有底筒体
21 主面部(正極端子部)
22 側部
23 湾曲部
23X 先端部
30 セパレータ
31、33 集電体
32 第一分極性電極
34 第二分極性電極
40 電解液
100 先端領域
101 拡径部
102 側壁基部
103 先端部
150 リブ

Claims (10)

  1. 円形主面と、当該主面の周囲に配設された側壁部を有する外装蓋に対し、第一極性電極を前記外装蓋に電気的に接続し、当該第一極性電極上にセパレータを配置するとともに、前記側壁部にガスケットを圧入する第一ステップと、
    第一ステップ後に、前記外装蓋に電解液を注液して、前記第一極性電極及び前記セパレータに電解液をしみ込ませるとともに、前記セパレータ上に第二極性電極を配設し、当該第二極性電極上に外装缶を被せ、当該第二極性電極と当該外装缶とを電気的に接続する第二ステップと、
    前記外装缶の開口部周囲をカシメ処理して内部封止する第三ステップを経るコイン型セルの製造方法であって、
    前記ガスケットは、ブチルゴムを主体とする材料からなり、前記側壁部への前記ガスケット圧入後に少なくとも前記側壁部の先端部外径面と接触する円筒状のリブを備え、
    当該リブの前記接触する予定部分の内径が、前記ガスケット圧入前の自然状態において、前記先端部外径面の径よりも小さく設計されている
    ことを特徴とするコイン型セルの製造方法。
  2. 前記側壁部の先端領域は、前記主面に対して垂直方向に伸びるストレート形状であり、前記ガスケットは、ブチルゴムを主体とする材料からなり、
    前記側壁部への前記ガスケット圧入後に前記先端領域の外径面と面接触する円筒状のリブを備え、
    当該リブの内径が、前記ガスケット圧入前の自然状態において、前記面接触する予定領域全体に亘って、前記先端領域の外径よりも小さく設計されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のコイン型セルの製造方法。
  3. 第一ステップで使用するガスケットは、ガスケット圧入時において、側壁部の先端領域の圧入方向上流側に位置するリブの内径部分が、当該上流方向に沿って拡径されたテーパー形状である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコイン型セルの製造方法。
  4. セパレータを介して対向配置された一対の電極を有する電極体が、電解液とともに外装缶に収納され、円形主面を持つ外装蓋に対し、当該主面を取り囲む側壁部において環状のガスケットが配設され、当該ガスケットが外装蓋とともに外装缶に装着されて内部封止されたコイン型セルであって、
    前記ガスケットは、ブチルゴムを主体とする材料からなり、前記側壁部への前記ガスケット圧入後に少なくとも前記側壁部の先端部外径面と接触する円筒状のリブを備え、当該リブの前記接触する予定部分の内径が前記ガスケット圧入前の自然状態において、前記先端部外径面の径よりも小さく設計されている
    ことを特徴とするコイン型セル。
  5. 前記側壁部の先端領域は、前記主面に対して垂直方向に伸びるストレート形状であり、前記ガスケットは、ブチルゴムを主体とする材料からなり、前記側壁部への前記ガスケット圧入後に前記側壁部の先端領域の外径面と面接触する円筒状のリブを備え、当該リブの内径が前記ガスケット圧入前の自然状態において、前記面接触する予定領域全体に亘って、前記先端領域の外径よりも小さく設計されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のコイン型セル。
  6. 側壁部の先端領域の圧入方向上流側に位置するガスケットのリブの内径部分が、当該上流方向に沿って拡径されたテーパー形状である
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のコイン型セル。
  7. 前記ガスケットは円筒形であり、
    前記接触予定領域が平坦な円筒内面である
    ことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のコイン型セル。
  8. 前記側壁部の先端部外径面の径と、自然状態における前記ガスケットの前記先端部外径面と接触する予定部分の径との差が、0.05mm以上0.2mm以下に設定されている請求項4〜7のいずれかに記載のコイン型セル。
  9. ガスケットは、さらにスチレン系樹脂又はフェノール系樹脂の少なくともいずれかを配合した材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のコイン型セル。
  10. 1又は複数の電子回路基板を有する電子機器であって、
    電子回路基板のうちの少なくとも1つにおいて、請求項4〜9のいずれかに記載のコイン型セルが搭載されていることを特徴とする電子機器。





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