JP2002324736A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ

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JP2002324736A
JP2002324736A JP2002048399A JP2002048399A JP2002324736A JP 2002324736 A JP2002324736 A JP 2002324736A JP 2002048399 A JP2002048399 A JP 2002048399A JP 2002048399 A JP2002048399 A JP 2002048399A JP 2002324736 A JP2002324736 A JP 2002324736A
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electric double
double layer
layer capacitor
case
solid
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JP2002048399A
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Susumu Nomoto
進 野本
Masakazu Tanahashi
正和 棚橋
Mikiya Shimada
幹也 嶋田
Emiko Igaki
恵美子 井垣
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腐食が起きにくい安定な雰囲気を作ることに
よって、耐電圧が高い電気二重層キャパシタを提供す
る。 【解決手段】 封口体11により封口されたケース12
内に封入されたコンデンサ素子13および電解液(図示
せず)を備え、ケース12内に、電解液のpHの変動を
抑制する固体バッファ16をさらに備えた電気二重層キ
ャパシタとする。固体バッファ16としては、酸化物お
よび水酸化物から選ばれる少なくとも一方の化合物を使
用できる。この化合物に含まれる元素は、例えば、B
e、Al、Si、Sc、V、Cr、Fe、Ni、Cu、
Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Mo、Ag、Cd、I
n、Te、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Gd、D
y、Ho、Er、Tm、Lu、WおよびPbから選ばれ
る少なくとも1つである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐電圧が高い電気
二重層キャパシタ(コンデンサ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは、電気エネルギ
ーを貯蔵可能なデバイスであるが、二次電池に比べて寿
命が長く、高信頼性が要求されるバックアップ電源など
に使用されている。将来は、より大型の電気二重層キャ
パシタを電力平準化などに応用することが考案され、期
待が高まっている。電気二重層キャパシタは、一般に二
次電池に比べてエネルギー密度が小さいため、高エネル
ギー密度化を図るための開発が行われている。
【0003】電気二重層キャパシタのエネルギー密度
は、静電容量に比例し、耐電圧の二乗に比例する。電気
二重層キャパシタの耐電圧は、使用される電解液の耐電
圧、すなわち電気分解が起こる直前の電圧で決定される
が、さまざまな理由により、市販されている電気二重層
キャパシタの耐電圧は、電解分解が起こるよりもかなり
低い電圧に設定されている。その理由の一つが、電解液
中に含まれる微量水分の電気分解である。微量水分が電
気分解されると、陰極近傍ではアルカリが発生し、この
アルカリにより封止部材が侵され、製品の封止性能が損
なわれるという問題が生ずる。特開平11−26329
号公報には、製品の封止性能の低下を防止するために、
陰極側リード線に接触する封口体の表面に、絶縁性のゴ
ム変性炭化水素樹脂の塗膜層を形成することが提案され
ているが、この塗膜層だけでは高電圧時に発生するアル
カリによる封止性能の低下を抑制することは困難であ
る。従って、この場合もやはり製品の信頼性を確保する
ためには低電圧に設定しなければならず、耐電圧を上げ
ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電力平準化などエネル
ギー用途での電気二重層キャパシタの使用においては、
バックアップ電源より遙かに大きい容量が要求される。
また、負荷の作動電圧も高いことから、複数の電気二重
層キャパシタを直列に接続する必要が生じる。直列接続
された電気二重層キャパシタの一つにでも問題が発生す
ると、同列全てが使用不能となるから、特に直列接続を
前提する用途では、各キャパシタの耐電圧を上げること
は必須の課題である。そこで、本発明は、耐電圧が高い
電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電気二重層キャパシタは、封止部材と、
前記封止部材内に封入された電解液および電気二重層キ
ャパシタ素子とを備えた電気二重層キャパシタであっ
て、前記封止部材内に、前記電解液のpHの変動を抑制
する固体バッファを有することを特徴とする。本発明の
電気二重層キャパシタによれば、固体バッファによって
電解液のpHが安定化するため、腐食が抑制され、結果
として耐電圧が向上する。また、電解液に溶存すること
なく存在する固体バッファを用いることにより、固体バ
ッファが電気二重層キャパシタの耐電圧以外の特性に影
響を与えることを回避できる。
【0006】固体バッファは、電解液に触れても安定し
て存在できれば特に制限されないが、酸化物および水酸
化物から選ばれる少なくとも一方の化合物が好適であ
る。さらに、固体バッファは、Be、Al、Si、S
c、V、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、
Y、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Te、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Gd、Dy、Ho、Er、T
m、Lu、WおよびPbから選ばれる少なくとも1つの
元素の化合物(酸化物および/または水酸化物)である
ことが好ましい。
【0007】固体バッファは、封止部材に付着している
ことが好ましい。封止部材が、ケースと、このケースの
開口を封口する封口体とを含む場合は、固体バッファ
を、ケースおよび封口体から選ばれる少なくとも一方に
付着させるとよい。また、ケースの内部から外部へと引
き出されたリードをさらに備えた電気二重層キャパシタ
では、固体バッファがケース内のリードに付着していて
もよい。これらの好ましい例によれば、電解液中に浮遊
した固体バッファが電気二重層キャパシタ素子を構成す
る電極体表面やセパレータに付着し、自己放電特性を低
下させることを回避できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態を説明する。
【0009】電気二重層キャパシタは、その構造から、
円筒型とコイン型とに大別できる。円筒型電気二重層キ
ャパシタは、一般に、コイン型電気二重層キャパシタと
比べれば高容量・低抵抗という長所があるが、サイズが
大きいという短所がある。
【0010】円筒型電気二重層キャパシタ10は、図1
に示すように、円筒形のケース(筐体)12と、このケ
ース12内に封入されたコンデンサ素子(キャパシタ素
子)13および電解液(図示せず)と、ケース12の開
口を封口する封口体11とを備えている。コンデンサ素
子13の陰極箔および陽極箔には、陰極リード14およ
び陽極リード15がそれぞれ接続され、両リード14,
15は封口体11を貫通してケース12外へと引き出さ
れる。
【0011】コイン型電気二重層キャパシタ20は、図
2に示すように、陰極ケース24および陽極ケース25
から構成されたケース22と、陰極ケース24と陽極ケ
ース25の間に嵌合してケース22の開口を封口する封
口体21と、ケース22内(陰極ケース24、陽極ケー
ス25、および封口体21にて囲まれた空間内)に封入
されたコンデンサ素子23および電解液(図示せず)と
を備えている。コンデンサ素子23の陰極および陽極
は、陰極ケース24および陽極ケース25にそれぞれ接
続されている。
【0012】なお、円筒型電気二重層キャパシタ10で
は、コンデンサ素子13の電極体として設けられる電極
箔(陰極箔および陽極箔)には、例えば集電体箔(例え
ばAl箔)と分極性電極箔(例えば活性炭層)との積層
体が使用される。これに対し、コイン型電気二重層キャ
パシタ20では、陰極ケース24および陽極ケース25
が集電体箔の役割を兼ね備えることができる。従って、
この場合は、コンデンサ素子23の電極箔として、分極
性電極箔のみが配置される。コンデンサ素子13,23
に設けられるセパレータ(図示せず)としては、ビスコ
ースレーヨンなどを用いることができる。
【0013】電気二重層キャパシタ10,20のケース
12,22の内部には、それぞれ、電解液のpHを保持
するための固体バッファ16,26がさらに封入され
る。ここで、固体バッファとは、電解液のpHの変化を
緩和するように作用するものをいう。固体バッファの具
体例としては、例えば、酸化アルミニウムが挙げられ
る。酸化アルミニウムは、電解液がアルカリ性側にシフ
トしようとすると、それ自身は二酸化アルミニウムイオ
ンになって電解液中に溶解し、pHを一定に保持しよう
とする(Al23+2OH-→2AlO2 -+H2O)。水
酸化アルミニウムも同様の作用を有する(Al(OH)
3+OH-→AlO2 -+2H2O)。
【0014】このようにOH-の生成によるpHの上昇
を抑制できる固体バッファとしては、アルミニウム(A
l)の酸化物および水酸化物に加え、例えば、Be、S
i、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Z
r、Mo、In、Te、WおよびPbから選ばれる少な
くとも1つの元素の酸化物および水酸化物が挙げられ
る。これらの化合物は、pHが高いアルカリ性領域にお
いて、pHが高くなるほど溶解度が高くなるという特性
を有している。さらに好適には、アルカリ性領域におい
て高い溶解度を有するBe、Al、Si、Cr、Zn、
Ga、Ge、Mo、In、Te、WおよびPbから選ば
れる少なくとも一つの元素の酸化物および水酸化物が好
ましい。
【0015】但し、前述の酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウムの例のように、一般に水酸化物よりも酸化物
のほうが化合物当量あたりのOH-の消費量は大きく、
その際に発生する水の量が少ないので、水酸化物より酸
化物のほうが望ましいが、固体バッファの量に制限がな
く、また、副次的に発生する水の影響がほとんどない場
合においては、両者の優位性の差は見られない。
【0016】電解液の酸性化を防ぐために、H+を中和
する固体バッファを用いてもよい。このような作用を有
する固体バッファとしては、酸化イットリウムが挙げら
れる(Y23+6H+→2Y3++3H2O)。また、水酸
化イットリウムについても同様の働きをする(Y(O
H)3+3H+→Y3++3H2O)。pHの低下を緩和で
きる固体バッファとしては、イットリウム(Y)の酸化
物および水酸化物に加え、例えば、Be、Al、Sc、
V、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、A
g、Cd、In、Te、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、LuおよびPbか
ら選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物および水酸化
物が挙げられる。これらの化合物は、pHが低い酸性領
域において、pHが低くなるほど溶解度が高くなるとい
う特性を有している。電解液が酸性に偏りすぎても、金
属材料などが腐食を起こすことによって耐電圧が低下す
るため、これらの化合物も耐電圧の向上に有効である。
【0017】なお、ここに列挙していない材料であって
も、上記と同様の作用を奏する化合物であって本発明の
目的を達成できる限り、固体バッファ16,26として
使用できる。
【0018】図1においては、固体バッファ16が、リ
ード14,15、封口体11およびケース12に付着し
て配置されており、図2においては、固体バッファ26
が、封口体21、陰極ケース24、および陽極ケース2
5に付着して配置されているが、その配置方法に制限は
ない。固体バッファ16,26は、ケース12,22内
で電解液と接触可能な部位に配置すればよく、具体的に
は、円筒型電気二重層キャパシタ10ではリード14,
15、封口体11、およびケース12から選ばれる少な
くとも1つの部材の表面に付着させるとよく、コイン型
電気二重層キャパシタ20では陰極ケース24、陽極ケ
ース25、および封口体21から選ばれる少なくとも一
つの部材の表面に付着させるとよい。コンデンサ素子1
3,23の内部に配置すると、固体バッファ16,26
が電気二重層キャパシタの耐電圧以外の特性に影響を与
えるおそれがあるからであり、単に電解液に分散させた
のでは、電解液中に浮遊した固体バッファ16,26が
電極体表面やセパレータに付着し、自己放電特性を低下
させる場合があるからである。なお、固体バッファ1
6,26は、例えば封口体11,21を構成するゴムに
予め添加する等により、表面とともに上記各部材(リー
ド14,15、封口体11,21、ケース12,22)
の内部に添加しても構わない。
【0019】固体バッファ16,26の配置方法は特に
制限はなく、予め作製された固体バッファを固体バッフ
ァ16,26として用いてもよいが、後述する実施例の
ように、固体バッファ16,26を構成する元素の化合
物を溶質として含む溶液を用いてもよい。この方法で
は、まず、この溶液を上記部材の少なくとも1つの表面
に接触させる。次いで、表面に溶液を接触させた部材を
乾燥(場合によっては加熱)させることにより、上記元
素の酸化物および/または水酸化物を上記部材の表面に
析出させる。この場合、溶質としては、固体バッファ1
6,26とする化合物自体を用いてもよい。しかし、通
常用いられる溶媒には直接溶解しにくい化合物の場合
は、比較的溶媒に溶けやすい前駆体(例えば硝酸塩)を
溶質として用い、空気中など含酸素雰囲気における加熱
によって部材の表面で前駆体を酸化物に変化させるとよ
い。これらの方法により固体バッファ16,26を上記
部材の少なくとも1つの表面に付着させておけば、以
降、従来と同様の組み立て工程により、固体バッファ1
6,26を有する電気二重層キャパシタ10,20を得
ることができる。また、上記のように、溶液と接触させ
た部材を乾燥および/または加熱することによって固体
バッファ16,26を配置すれば、固体バッファ16,
26を部材表面に均一に配置できるので好ましい。
【0020】固体バッファ16,26の配置方法は、予
め作製された固体バッファを用いる方法またはその前駆
体を含む溶液を用いる方法に限られるわけではない。例
えば、ケース12,22、リード14,15を構成する
アルミニウムなどの金属上に固体バッファ16,26を
置き、これに圧力をかけて固体バッファ16,26の一
部または全部を埋め込むことにより、固体バッファ1
6,26を上記金属に固定してもよい。この場合、予め
金属表面を化学的に処理して粗面化しておけば、固体バ
ッファ16,26を強固に固定できる。特に円筒型電気
二重層キャパシタ10の封口体11に多用されるゴム系
材料については、上記と同様、表面から固体バッファ1
6を埋め込む方法を適用してもよいが、ゴム系材料は弾
力性が高いため、固体バッファ16の埋め込みは金属ほ
ど容易ではない。また、ゴム系材料は、金属よりも耐熱
性が低いため、加熱すると変質または劣化することがあ
る。したがって、ゴム系材料には、予めその原料に固体
バッファ16を混合しておくことが好ましい。コイン型
電気二重層キャパシタ20の封口体21に多用される樹
脂材料については、固体バッファ26を表面から埋め込
む方法の適用は困難ではない。樹脂材料の硬化の際に、
固体バッファ26を表面近傍に固定する方法を採用して
もよい。
【0021】固体バッファ16,26の量としては、電
解液中に先天的、あるいは後天的に混入される水分量に
対して十分に多いことが望ましく、少なくとも、電界液
中に先天的に混入される水分が全て水酸化物イオンや水
素イオンに変換された場合に、これらのイオンを中和で
きる程度の量であることが望ましい。通常、電気二重層
キャパシタに使用される電解液中の先天的な水分量含有
量は数十ppm程度であり、例えば温度60℃湿度95
%の環境下で長時間放置すると数百ppm程度まで上昇
する。仮に存在する水分が全て水酸化物イオンや水素イ
オンに変換されるとすると、先天的水分量が20ppm
であれば、それを中和するのに最低必要な固体バッファ
の当量数は、電解液1gあたり約1×10-6である。従
って、酸化アルミニウム(102g(1mol)の当量
数2)では約0.05mgである。また、後天的に混入
される水分量が500ppmであれば、それを中和する
のに最低必要な固体バッファの当量数は、電解液1gあ
たり約3×10-5である。従って、酸化アルミニウム
(102g(1mol)の当量数2)では約1.5mg
である。以上のように、先天的に存在する水分量の大
小、および後天的に混入される水分量の増加割合によっ
て必要量は異なる。上記の例によれば、本実施の形態の
電気二重層キャパシタ10,20においては、バッファ
として機能するために必要な固体バッファ16,26の
最低量は電解液1gあたり0.05〜1.5mgである
が、これは存在する全ての固体バッファが機能した場合
であり、仮にその1/10しか有効でない場合には、
0.5〜15mg程度必要であると考えられる。但し、
多すぎると固体バッファ16,26の存在がデバイスに
悪影響を与える場合もあるので、必要量以上には添加し
ないことが望ましい。
【0022】なお、電気二重層キャパシタ10,20の
リード14,15、またはケース12,22にはアルミ
ニウムが使用されているのでこれらの部材14,15,
12,22の表面には自然酸化皮膜が形成されるが、こ
の自然酸化皮膜だけではバッファとして機能しない。例
えば前述したコイン型電気二重層キャパシタ20の場合
を例に挙げると、電解液中の水分が20ppm、電解液
量10μl、また自然酸化皮膜が形成されるケース22
の面積を1cm2とした場合、水分の分解により発生す
るOH-イオンの当量数は1×10-8程度であるが、自
然酸化皮膜としての酸化アルミニウムが吸収できるOH
-イオンの当量数はその1/10以下であるからであ
る。
【0023】電気二重層キャパシタ10,20に用いる
封止部材(ケース12,22、封口体11,21)、リ
ード14,15、電解液、コンデンサ素子13,23と
しては、従来から用いられてきたものを使用すればよ
く、特に制限はない。ケース12,22、リード14,
15の材料としてはAlなどが、封口体11,21の材
料としてはブチルゴム、ポリフェニレンサルファイドな
どが、それぞれ用いられる。また、電解液としては、一
般に有機電解液、例えばプロピレンカーボネート、ガン
マブチルラクトンなどを溶媒とし、テトラエチルアンモ
ニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアン
モニウムテトラフルオロボレートなどを溶質とした有機
電離液が用いられる。コンデンサ素子13,23の構
成、材料については、上記に例示したとおりである。
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるもので
はない。
【0025】まず、図1に示した円筒型電気二重層キャ
パシタ10についての実施例を示す。
【0026】(実施例1)実施例1では、リード14,
15の表面に固体バッファ16を付着させた電気二重層
キャパシタを作製した。まず、濃度が10質量%の硝酸
アルミニウム水溶液と、アルミニウム製のリード14,
15とを用意した。次に、リード14,15を硝酸アル
ミニウム水溶液に数秒間浸漬してから引き上げ、80℃
で15分保持して乾燥させた。このような浸漬と乾燥と
を、硝酸アルミニウムの重量がほぼ1mgとなるまで繰
り返し、最後に300℃で10分間保持して、酸化アル
ミニウムをリード14,15の表面に付着させた。
【0027】一方、活性炭10g、アセチレンブラック
4gをよくかき混ぜ、さらにメチルアルコール40cm
3、水100cm3を入れてさらにかき混ぜた。これをホ
モジナイザーで攪拌しながらカルボキシメチルセルロー
ス1.2gを徐々に加え、活性炭スラリーを作製した。
次に、アルミ箔を、活性炭スラリーに浸し、引き上げた
後、常温で30分、105℃で1時間乾燥させた。引き
続き、このアルミ箔の一部を剥ぎ取って、ここにリード
14,15(固体バッファ16付きのリード14,1
5)をカシメにより接続した。なお、アルミ箔のサイ
ズ、および分極性電極箔として形成した活性炭層の厚さ
は、組みあがった電気二重層キャパシタの容量がおよそ
1Fになるように設計した。こうして得たリード付き活
性炭電極2本を、その間にビスコースレーヨン製セパレ
ータを介して円筒型に巻き付け、さらに150℃で約2
4時間乾燥させた後、電気二重層キャパシタ用電解液
(1mol/lのテトラエチルアンモニウムテトラフル
オロボレートのプロピレンカーボネート溶液)に浸漬
し、減圧下で含浸して、コンデンサ素子13を作製し
た。最後に、このコンデンサ素子13を予めリード1
4,15用の穴を開けたブチルゴム製の封口体11に取
り付け、アルミニウム製の円筒形のケース12に封入
し、実施例1の電気二重層キャパシタを得た。
【0028】(実施例2)実施例2では、ケース12の
内側表面に固体バッファ16を付着させた電気二重層キ
ャパシタを作製した。まず、実施例1で用いた硝酸アル
ミニウム水溶液とともに、ケース12(アルミニウム製
円筒形ケース)を用意した。次に、ケース12を硝酸ア
ルミニウム水溶液に数秒間浸漬してから引き上げて余分
な液を除去した。さらに、ケース12を80℃度雰囲気
で15分保持して乾燥させた後、ケース12の外側表面
を水洗いして内部表面のみに硝酸アルミニウムが残存す
るようにした。このような浸漬と乾燥とを、硝酸アルミ
ニウムの重量がほぼ1mgとなるまで繰り返し、最後
に、ケース12を300℃で10分間保持して、固体バ
ッファ16として酸化アルミニウムをケース内側表面1
2に付着させた。また、別途、固体バッファ16を付着
させていない一対のリード14,15(アルミニウム製
リード)を用意した。このリード14,15と、上記の
方法で作製した固体バッファ付きケース12とを用い、
実施例1と同様にして、実施例2の電気二重層キャパシ
タを作製した。
【0029】(比較例1)比較例1では、酸化アルミニ
ウムを付着させていないケース12と一対のリード1
4,15とを用意した。このリード14,15およびケ
ース12を用い、実施例1と同様にして、比較例1の電
気二重層キャパシタを作製した。
【0030】実施例1、2および比較例1から得た電気
二重層キャパシタについて、2.3V、2.5V、2.
7Vの各電圧を印加し、85℃、相対湿度85%の雰囲
気に3000時間放置する耐湿負荷試験を行った。試験
後、各電気二重層キャパシタについて、目視で液漏れの
有無を確認し、さらに分解して陰極リードの腐食の様子
(外観変化)を調査した。評価結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】なお、表1の外観変化の欄における「表面
粗面化」とは、腐食の初期段階のことである。
【0033】次に、図2に示したコイン型電気二重層キ
ャパシタ20についての実施例を示す。
【0034】(実施例3)実施例3では、陰極ケース2
4の内面に固体バッファ26を付着させた電気二重層キ
ャパシタを作製した。まず、濃度が10質量%の硝酸ア
ルミニウム水溶液とともに、陰極ケース24(ステンレ
ス製)を用意した。次に、この陰極ケース24の中央
(電極体が接続される部分)を除く周囲の部分に対し、
硝酸アルミニウム水溶液を筆を用いて塗りつけ、80℃
で15分保持して乾燥させた。このような浸漬と乾燥と
を、硝酸アルミニウムの重量がほぼ0.1mgとなるま
で繰り返し、最後に300℃で10分間保持して酸化ア
ルミニウムを陰極ケース24の内面に付着させた。
【0035】また、電極体については、まず、活性炭、
カーボンブラック、ポリテトラフルオロエチレンを重量
比で8:1:1の比率でミキサーを使って十分に混合し
た。次に、これをめのう乳鉢で引き延ばしながら若干量
の純水を加えてさらに混合した。さらに、これを半径1
6mmの錠剤成形金型に入れて約1.5×104Nの圧
力を加えて成形し、水分を除去するために、真空中にお
いて150℃で24時間の高温真空乾燥を行った。さら
に、これを3mmφの円筒形に打ち抜き、電極体を作製
した。なお、このときの電極体厚みはおよそ600μm
であった。
【0036】次いで、陽極ケース25の周縁部の内側に
ポリフェニレンサルファイド製の封口体21を配置し、
同じく陽極ケース25の内側中央に導電性カーボンペー
ストを塗布し、その上に上記電極体を置いて、この上に
ビスコースレーヨン製セパレータを配置した。一方、固
体バッファ付き陰極ケース24にも、同様にして、ケー
ス内側中央に導電性カーボンペーストを塗布し、その上
に上記電極体を配置した。これらを150℃で24時間
乾燥させた後、電極体をケースごと電解液(1mol/
l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレー
トのプロピレンカーボネート溶液)に浸漬し、減圧して
含浸させて、コンデンサ素子23を作製した。最後に、
封口体21、陰極ケース24、および陽極ケース25に
付着した余剰の電解液を払拭し、両ケース24,25を
組み合わせてカシメ治具を用いて封止して、実施例3の
電極二重層キャパシタを作製した。
【0037】(比較例2)比較例2では、酸化アルミニ
ウムを付着させていない陰極ケース24を用意した。こ
の陰極ケース24を用い、実施例3と同様にして、比較
例2の電気二重層キャパシタを作製した。
【0038】実施例3および比較例2から得た電気二重
層キャパシタについて、2.3V、2.5V、2.7V
の各電圧を印加し、75℃、相対湿度85%の雰囲気に
3000時間放置する耐湿負荷試験を行った。試験後、
各電気二重層キャパシタについて、目視で液漏れの有無
を確認し、さらに分解して陰極ケース内側の腐食の様子
(外観変化)を調査した。評価結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の電気二重層キャ
パシタによれば、固体バッファにより、高い電圧が印加
された状態でも液漏れおよび腐食が抑制された、耐電圧
の高い電気二重層キャパシタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気二重層キャパシタの一形態(円
筒型電気二重層キャパシタ)を示す断面図である。
【図2】 本発明の電気二重層キャパシタの一形態(コ
イン型電気二重層キャパシタ)を示す断面図である。
【符号の説明】
10,20 電気二重層キャパシタ 11,21 封口体 12,22 ケース 13,23 コンデンサ素子 14 陰極リード 15 陽極リード 16,26 固体バッファ 24 陰極ケース 25 陽極ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 幹也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 井垣 恵美子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 封止部材と、前記封止部材内に封入され
    た電解液および電気二重層キャパシタ素子とを備えた電
    気二重層キャパシタであって、前記封止部材内に、前記
    電解液のpHの変動を抑制する固体バッファをさらに備
    えたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 【請求項2】 固体バッファが、酸化物および水酸化物
    から選ばれる少なくとも一方の化合物である請求項1に
    記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 【請求項3】 固体バッファが、Be、Al、Si、S
    c、V、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、
    Y、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Te、La、C
    e、Pr、Nd、Pm、Gd、Dy、Ho、Er、T
    m、Lu、WおよびPbから選ばれる少なくとも1つの
    元素の化合物である請求項1または2に記載の電気二重
    層キャパシタ。
  4. 【請求項4】 元素が、Be、Al、Si、Cr、Z
    n、Ga、Ge、Mo、In、Te、WおよびPbから
    選ばれる少なくとも1つである請求項3に記載の電気二
    重層キャパシタ。
  5. 【請求項5】 元素が、Be、Al、Sc、V、Cr、
    Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Ag、C
    d、In、Te、La、Ce、Pr、Nd、Pm、G
    d、Dy、Ho、Er、Tm、LuおよびPbから選ば
    れる少なくとも1つである請求項3に記載の電気二重層
    キャパシタ。
  6. 【請求項6】 前記封止部材がケースおよび前記ケース
    の開口を封口する封口体を含み、前記固体バッファが、
    前記ケースおよび前記封口体から選ばれる少なくとも一
    方に付着している請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    電気二重層キャパシタ。
  7. 【請求項7】 前記封止部材の内部から外部へと引き出
    されたリードをさらに備え、前記固体バッファが前記封
    止部材内の前記リードに付着している請求項1〜6のい
    ずれか一項に記載の電気二重層キャパシタ。
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