JP2009065081A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ酸による分極性電極と集電極の界面などの腐食を抑制して長寿命化を図ることができる電気二重層キャパシタを提供することにある。
【解決手段】セパレータ2と、セパレータ2の両側にそれぞれ配設された一対の分極性電極3A,3Bと、これら一対の分極性電極3A,3Bの外側にそれぞれ配設され、分極性電極3A,3B側に導電性材料5A,5Bが塗布された一対の集電極4A,4Bとを有してなるセル6を有し、且つ、このセル6の内部を、フッ素を含む電解液7で満たした構成の電気二重層キャパシタ1であって、分極性電極3A,3B、電解液7、および導電性材料5A,5Bのうちの少なくとも一つは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および二酸化ケイ素のうちの少なくとも一種の無機酸化物を配合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関し、詳細には無機酸化物を含有した電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、セパレータと、このセパレートの両側にそれぞれ配設された一対の分極性電極(活性炭電極)と、これら一対の分極性電極の外側にそれぞれ配設された一対の集電極(アルミニウム箔)とを有してなるセルを備える。前記一対の集電極には電気を取り出すための一対の導線(出力端子)がそれぞれ接続されている。
前記セパレータとしては、一般にセルロース繊維などからなる不織布が使われている。前記一対の分極性電極(活性炭電極)は活性炭と導電性助剤とバインダとを混合してなるものであり、前記集電極上に塗布されたものと、シート状に成形されたものとがある。前記セルの内部は電解液で満たされており、この電解液は前記分極性電極や前記セパレータに浸透している。
従来の技術では、例えば、特許文献1に示すように、キャパシタの長寿命化を狙って、電極の表面官能基量を調整するなどして、電極と電解液間の電気化学反応を抑制する方法の提案があった
その他の技術としては、特許文献2,3に開示される技術があった。
特開2004−47522号公報 特開2001−266945号公報 特開2006−261516号公報
電気二重層キャパシタの寿命を延ばすには、キャパシタ内部の電気化学反応を制御する必要がある。この電気化学反応としては次の(1)〜(3)などが挙げられる。
(1)電解液の分解。
(2)分極性電極に含有されている炭素材料の表面官能基の酸化。
(3)キャパシタ内部に残存する水分が原因となって発生するフッ酸による電気二重層キャパシタの構成材料の腐食。
これらのうち、(1)の電気化学反応については、電気二重層キャパシタの使用電圧を適切に保つことで制御可能である。(2)の電気化学反応を制御するには、分極性電極の表面官能基量を調整する必要があるが、この表面官能基量の調整には工数がかかり、その処理に要する費用が分極性電極のコストに加算されて電気二重層キャパシタのコストアップを招くため、現状レベルの維持が限界である。また、製作後の分極性電極に対して適切なpH管理を行う必要もある。更には、セパレータがセルロース系の場合には、セパレータにも酸素を含んだ表面官能基があるため、電極の表面官能基を調整しても効果が得られにくいなどの問題もある。
そして、(3)の電気化学反応の制御については、電気二重層キャパシタの製造工程における部材の乾燥工程において、真空乾燥などにより徹底的に分極性電極などから水分除去が行われている。しかし、このような乾燥処理を行っても、ppmオーダ以下の極微量な水分は電気二重層キャパシタ内部(分極性電極など)に残留してしまい、この残留水分が、フッ素を含む電解液と反応してフッ酸が発生する。そして、このフッ酸が分極性電極と集電極との界面などを腐食することによって電気二重層キャパシタの内部抵抗の増加を引き起こし、この内部抵抗の増加が電気二重層キャパシタの性能を劣化させて、電気二重層キャパシタの寿命を短くしている。したがって、このフッ酸による分極性電極と集電極との界面などの腐食を制御することができれば、電気二重層キャパシタの長寿命化が可能となる。すなわち、フッ酸の制御が電気二重層キャパシタの長寿命化を図る上でキーポイントとなっている。
フッ酸が原因となる寿命低下の機構を以下に示す。
先ず、キャパシタ内部に残存する水分が電解液と反応してフッ酸となる。このフッ酸がアルミ箔の界面を腐食して、内部抵抗の増加を引き起こす。
この内部抵抗の増加がキャパシタ性能を引き下げ、寿命を短くしている。
したがって、フッ酸による電極−アルミ箔及びその上の導電性塗膜の腐食を制御すれば、キャパシタの長寿命化が可能となる。
本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、フッ酸による分極性電極と集電極の界面などの腐食を抑制して長寿命化を図ることができる電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
前述した課題を解決する本発明に係る電気二重層キャパシタは、セパレータと、前記セパレータの両側にそれぞれ配設された一対の分極性電極と、これら一対の分極性電極の外側にそれぞれ配設され、当該分極性電極側に導電性材料が塗布された一対の集電極とを有してなるセルを有し、且つ、このセルの内部を、フッ素を含む電解液で満たした構成の電気二重層キャパシタであって、前記分極性電極、前記電解液、および前記導電性材料のうちの少なくとも一つが、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および二酸化ケイ素のうちの少なくとも一種の無機酸化物を含有することを特徴とする。
本発明に係る電気二重層キャパシタは、上述した電気二重層キャパシタであって、前記無機酸化物の含有量が、1wt%以上30wt%以下であることを特徴とする。
前述した課題を解決する本発明に係る電気二重層キャパシタは、セパレータと、前記セパレータの両側にそれぞれ配設された一対の分極性電極と、これら一対の分極性電極の外側にそれぞれ配設され、当該分極性電極側に導電性材料が塗布された一対の集電極とを有してなるセルを有し、且つ、このセルの内部を、フッ素を含む電解液で満たした構成の電気二重層キャパシタであって、前記導電性材料が、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、および二酸化ケイ素のうちの少なくとも一種の無機酸化物を含有することを特徴とする。
本発明に係る電気二重層キャパシタは、上述した電気二重層キャパシタであって、前記無機酸化物の含有量が、0.01wt%以上50wt%以下であることを特徴とする。
本発明に係る電気二重層キャパシタによれば、分極性電極、電解液および導電性材料のうちの少なくとも一つに、中和剤として酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および二酸化ケイ素のうちの少なくとも一種の無機酸化物を配合することにより、キャパシタ内部に存在するフッ酸が中和剤と反応するので、キャパシタの内部抵抗増加により特性低下を抑制して、長寿命化が可能となった。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づき詳細に説明する。
<実施の形態例1>
図1は本発明の実施の形態例1に係る電気二重層キャパシタの構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態例1に係る電気二重層キャパシタ1はセル6を有する。セル6はセパレータ2と、このセパレータ2の両側にそれぞれ配設された一対の分極性電極3A,3Bと、これら一対の分極性電極3A,3Bの両側にそれぞれ配設された一対の集電極4A,4Bとを有してなるものである。ただし、集電極4A,4Bにおける分極性電極3A,3B側には、導電性材料5A,5Bがそれぞれ塗布される。また、セル6の内部は電解液7で満たされており、この電解液7は分極性電極3A,3Bやセパレータ2に浸透する。
集電極4A,4Bの両側にはそれぞれ、一対の押え板8A,8Bが配設される。また、これら押え板8A,8Bの周縁部の間には、電解液7のシール材としてのパッキン9が介設される。パッキン9は分極性電極3A,3Bおよびセパレータ2の外周を囲んでいる。
パッキン9が介設された状態で押え板8A,8Bの周縁部はネジ(図示せず)によって締め付けられる。このため、電解液7がセル内に密封され、且つ、セル6を構成するセパレータ2、分極性電極3A,3Bおよび集電極4A,4Bが押え板8A,8Bによって両側から押え付けられる。また、かかるキャパシタ本体10はアルミラミネートフィルム11によって包まれることにより、外気から遮断される。集電極4A,4Bにはそれぞれ一対の導線(出力端子)12A,12Bの基端側が接続されており、これらの導線12A,12Bの先端側はアルミラミネートフィルム11の外に出ている。
なお、上述したネジと集電極4A,4Bの間や、出力端子12A,12Bとアルミラミネートフィルム11との間は図示しない絶縁材によって電気的に絶縁される。また、セパレータ2、分極性電極3A,3B、集電極4A,4Bおよび押え板8A,8Bは矩形状のものであり、パッキン9はエチレンブタジエンゴムの薄膜シートを額縁状に切り抜いたものを使用している。
セパレータ2としてはセルロースセパレータなど適宜のものが用いられ、例えばセルロース繊維などからなる不織布などが用いられる。集電極4A,4Bとしては、例えばアルミニウム箔が用いられる。
そして、本実施の形態例1に係る電気二重層キャパタ1では、分極性電極3A,3B、電解液7、および導電性材料5A,5Bのうちの少なくとも一つに中和剤が配合される。
すなわち、分極性電極3A,3Bに中和剤が配合される場合には、分極性電極3A,3Bは、例えば従来と同様の活性炭粉末(ヤシ殻系、ピッチ系もしくはこれらの混合物など)と導電性助剤(例えばアセチレンブラックなどのカーボンブラック)とバインダ(例えばPTFE(四フッ化エチレン樹脂))とを混合したものに更に中和剤を配合してなるものであり、シート状に成形されたものである。
また、導電性材料5A,5Bに中和剤が配合される場合には、導電性材料5A,5Bは、従来と同様、例えば日本黒鉛社製バニーハイトなどの黒鉛、銅、銀を混合したものに更に中和剤を配合してなるものであり、これを集電極4A,4Bに塗布したものである。
さらに、電解液7に中和剤が配合される場合には、電解液7は、例えば従来と同様のフッ素を含む電解液であり、電解質(例えば4級アンモニウム塩(スピロビピロリジニウム・テトラフルオロボレートなど)と分極性有機溶剤(例えばエチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、エチルメチルカーボネイトなど、若しくはこれらの混合物)とを混合したものに更に中和剤を配合してなるものである。
上述した中和剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および二酸化ケイ素のうちの一種の無機酸化物または二種以上の無機酸化物を混合してなるものが挙げられる。
本実施の形態例1に係る電気二重層キャパシタ1によれば、分極性電極3A,3Bやその近傍にて、キャパシタ内部(分極性電極3A,3Bや集電極4A,4B)に残存する水分と電解液とが反応してフッ酸が発生しても、このフッ酸は、分極性電極3A,3Bと集電極4A,4Bの界面などを腐食する前に、分極性電極3A,3B、導電性材料5A,5B、および電解液7のうちの少なくとも一つに配合された中和剤と速やかに反応する。このため、フッ酸の濃度が抑制されてフッ酸による分極性電極3A,3Bと集電極4A,4Bの界面などの腐食が抑制されて電気二重層キャパシタ1の長寿命化が可能となる。そして、面倒な分極性電極3A,3Bの内部抵抗の増加が抑制されて電気二重層キャパシタの長寿命化が可能となる。そして、面倒な分極性電極3A,3Bの表面官能基やpHなどの管理を行うことなく、電気二重層キャパシタ1の長寿命化を図ることができるため、電気二重層キャパシタ1の低コスト化が可能となる。
ここで、中和剤の配合比(重量比)については、その配合比が多すぎても、初期の内部抵抗を増大させてキャパシタ性能を低下させてしまうし、逆に、その混合比が少なすぎると、フッ酸濃度の制御ができず、寿命が低下してしまう。
そこで、中和剤の配合比(中和剤の総和重量/分極性電極および電解液ならびに導電性材料の総和重量)は、分極性電極、電解液、および導電性材料のうちの少なくとも一種に配合された中和剤の総和量が1wt%以上30wt%以下とする。
分極性電極に含有させる場合、中和剤の配合比(分極性電極における中和剤の重量/分極性電極の重量)は0.1〜70wt%が好ましく、1〜30wt%が特に好ましい。0.1〜70wt%でもキャパシタとして機能し、中和剤を添加した効果も見られるが、実用的な範囲は1〜30wt%である。
また、電解液に含有させる場合、中和剤の配合比(電解液における中和剤の重量/電解液の重量)は0.01〜40wt%が好ましく、0.1〜10wt%が特に好ましい。0.01〜40wt%でもキャパシタとして機能し、中和剤を添加した効果も見られるが、実用的な範囲は0.1〜10wt%である。
また、導電性材料に含有させる場合、中和剤の配合比(導電性材料における中和剤の重量/導電性材料の重量)は0.01〜50wt%が好ましく、1〜10wt%が特に好ましい。0.01〜50wt%でもキャパシタとして機能し、中和剤を添加した効果も見られるが、実用的な範囲は1〜10wt%である。
ここで、まず、上記の実施の形態例1に関する試験体1〜27と、その比較試験体1について説明する。
<比較試験体1の作製>
現行部材を用いて、図1に示すような構造の電気二重層キャパシタ(比較試験体1)を作製した。電解液における電解質としてはSBPBF4(スピロビピロリジニウム・テトラフルオロボレート 1.4mol/L)を使用した。分極性電極としては、活性炭粉末(ヤシ殻系、ピッチ系もしくはこれらの混合物など)と導電性助剤(例えばアセチレンブラックなどのカーボンブラック)とバインダ(例えばPTFE(四フッ化エチレン樹脂))とを混合したものを用いた。導電性材料としては、黒鉛、銅、銀を混合したものを用いた。
そして、この電気二重層キャパシタの熱加速課電試験を行い、その特性低下から電気二重層キャパシタの特性(寿命)を評価した。この特性評価結果を表1、図2〜図7に示した。これらに示す静電容量保持率および内部抵抗増加率は初期値に対する百分率で表している。
Figure 2009065081
<試験体1の作製>
現行の分極性電極を構成する材料に、中和剤である酸化マグネシウムを配合比が1wt%となるように添加して作製した分極性電極を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタ(試験体1)を作製した。なお、分極性電極3A,3B以外の部材(例えば、導電性材料5A,5Bや電解液7など)は現行と同様の材料とした。
<試験体2,3の作製>
試験体2,3は、上述した試験体1における酸化マグネシウムの配合比を変えたものであり、現行の分極性電極の材料に対する酸化マグネシウムの配合比をそれぞれ10wt%,30wt%とした分極性電極を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
<試験体4の作製>
試験体4は、上述した試験体1にて配合された酸化マグネシウムの代わりに配合比が1wt%となるように酸化カルシウムを配合して作製した分極性電極を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。なお、分極性電極3A,3B以外の部材(例えば、導電性材料5A,5Bや電解液7など)は現行と同様の材料とした。
<試験体5,6の作製>
試験体5,6は、上述した試験体4における酸化カルシウムの配合比を変えたものであり、現行の分極性電極の材料に対する酸化カルシウムの配合比をそれぞれ10wt%,30wt%とした分極性電極を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
<試験体7の作製>
試験体7は、上述した試験体1にて配合された酸化マグネシウムの代わりに配合比が1wt%となるように二酸化ケイ素を配合して作製した分極性電極を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。なお、分極性電極3A,3B以外の部材(例えば、導電性材料5A,5Bや電解液7など)は現行と同様の材料とした。
<試験体8,9の作製>
試験体5,6は、上述した試験体7における二酸化ケイ素の配合比を変えたものであり、現行の分極性電極の材料に対する二酸化ケイ素の配合比をそれぞれ10wt%,30wt%とした分極性電極を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
<試験体10の作製>
現行の電解液を構成する材料に、中和剤である酸化マグネシウムを配合比が0.1wt%となるように添加して作製した電解液を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタ(試験体10)を作製した。なお、電解液7以外の部材(例えば、分極性電極3A,3Bや導電性材料5A,5Bなど)は現行と同様の材料とした。
<試験体11,12の作製>
試験体11,12は、上述した試験体10における酸化マグネシウムの配合比を変えたものであり、現行の電解液の材料に対する酸化マグネシウムの配合比をそれぞれ1wt%,10wt%とした電解液を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
<試験体13の作製>
試験体13は、上述した試験体10にて配合された酸化マグネシウムの代わりに配合比が0.1wt%となるように酸化カルシウムを配合して作製した電解液を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。なお、電解液7以外の部材(例えば、分極性電極3A,3Bや導電性材料5A,5Bなど)は現行と同様の材料とした。
<試験体14,15の作製>
試験体14,15は、上述した試験体13における酸化カルシウムの配合比を変えたものであり、現行の電解液の材料に対する酸化カルシウムの配合比をそれぞれ1wt%,10wt%とした電解液を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
<試験体16の作製>
試験体16は、上述した試験体10にて配合された酸化マグネシウムの代わりに配合比が0.1wt%となるように二酸化ケイ素を配合して作製した電解液を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。なお、電解液7以外の部材(例えば、分極性電極3A,3Bや導電性材料5A,5Bなど)は現行と同様の材料とした。
<試験体17,18の作製>
試験体17,18は、上述した試験体16における二酸化ケイ素の配合比を変えたものであり、現行の電解液の材料に対する二酸化ケイ素の配合比をそれぞれ1wt%,10wt%とした電解液を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
<試験体19の作製>
現行の導電性材料を構成する材料に、中和剤である酸化マグネシウムを配合比が1wt%となるように添加して作製した導電性材料を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタ(試験体1)を作製した。なお、導電性材料5A,5B以外の部材(例えば、分極性電極3A,3Bや電解液7など)は現行と同様の材料とした。
<試験体20,21の作製>
試験体20,21は、上述した試験体19における酸化マグネシウムの配合比を変えたものであり、現行の導電性材料の材料に対する酸化マグネシウムの配合比をそれぞれ3wt%,10wt%とした分極性電極を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
<試験体22の作製>
試験体22は、上述した試験体19にて配合された酸化マグネシウムの代わりに配合比が1wt%となるように酸化カルシウムを配合して作製した導電性材料を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。なお、導電性材料5A,5B以外の部材(例えば、分極性電極3A,3Bや電解液7など)は現行と同様の材料とした。
<試験体23,24の作製>
試験体23,24は、上述した試験体22における酸化カルシウムの配合比を変えたものであり、現行の導電性材料の材料に対する酸化カルシウムの配合比をそれぞれ3wt%,10wt%とした導電性材料を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
<試験体25の作製>
試験体25は、上述した試験体19にて配合された酸化マグネシウムの代わりに配合比が1wt%となるように二酸化ケイ素を配合して作製した導電性材料を用いて、図1と同様の構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。なお、導電性材料5A,5B以外の部材(例えば、分極性電極3A,3Bや電解液7など)は現行と同様の材料とした。
<試験体26,27の作製>
試験体26,27は、上述した試験体25における二酸化ケイ素の配合比を変えたものであり、現行の導電性材料の材料に対する二酸化ケイ素の配合比をそれぞれ3wt%,10wt%とした導電性材料を用いて、図1と同様な構成の電気二重層キャパシタを作製したものである。
[試験および評価]
上述した試験体1〜27および比較試験体1に対して電気二重層キャパシタの熱加速課電試験を行い、その特性低下から電気二重層キャパシタの特性(寿命)を評価した。この特性評価結果を表1、図2〜図7に示した。
試験体1〜27および比較試験体1に関して、表1、図2〜図7に示される静電容量および内部抵抗に関する熱加速課電試験結果を対比すると、以下の通りである。
先ず、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、二酸化ケイ素のうちの少なくとも一種の無機酸化物を、分極性電極、電解液、および導電性材料に含まない比較試験体1は、従来技術として前述した通り、キャパシタ内部に残存する水分が電解液と反応してフッ酸となり、このフッ酸が分極性電極とアルミニウム箔の界面を腐食して、2000時間経過後においては、図2,図4,図6に示すように、静電容量が82.8%に低下し、また、図3,図5,図7に示すように、内部抵抗が110.3%に増加することが判る。
これに対して、中和剤として酸化マグネシウム、酸化カルシウム、または二酸化ケイ素を分極性電極に含む試験体1〜9は、キャパシタ内部で発生したフッ酸が分極性電極とアルミニウム箔の界面を腐食する前に中和剤と速やかに反応するため、2000時間経過後においては、図2に示すように、静電容量の低下が比較試験体1と比較して少なくなり、また、図3に示すように、内部抵抗の増加が比較試験体1と比較して少なくなっていることが判る。つまり、試験体1〜9では、分極性電極に中和剤を添加することにより、フッ酸による分極性電極−アルミニウム箔界面の腐食が抑制され、キャパシタの長寿命化が可能となることが判る。
また、中和剤として酸化マグネシウム、酸化カルシウム、または二酸化ケイ素を電解液に含む試験体10〜18は、キャパシタ内部で発生したフッ酸が分極性電極とアルミニウム箔の界面を腐食する前に中和剤と速やかに反応するため、2000時間経過後においては、図4に示すように、静電容量の低下が比較試験体1と比較して少なくなり、また、図5に示すように、内部抵抗の増加が比較試験体1と比較して少なくなっていることが判る。つまり、試験体10〜18では、電解液に中和剤を添加することにより、フッ酸による分極性電極−アルミニウム箔界面の腐食が抑制され、キャパシタの長寿命化が可能となることが判る。
さらに、中和剤として酸化マグネシウム、酸化カルシウム、または二酸化ケイ素を導電性材料に含む試験体19〜27は、キャパシタ内部で発生したフッ酸が分極性電極とアルミニウム箔の界面を腐食する前に中和剤と速やかに反応するため、2000時間経過後においては、図6に示すように、静電容量の低下が比較試験体1と比較して少なくなり、また、図7に示すように、内部抵抗の増加が比較試験体1と比較して少なくなっていることが判る。つまり、試験体19〜27では、導電性材料に中和剤を添加することにより、フッ酸による分極性電極−アルミニウム箔界面の腐食が抑制され、キャパシタの長寿命化が可能となることが判る。
特に、試験体19〜27においては、中和剤の配合比を増やすに従い、図6に示すように、静電容量の低下がより少なくなり、また、図7に示すように、内部抵抗の増加がより少なくなっていることが判る。
つまり、試験体19〜27では、中和剤の比率を増やすことでさらに特性低下を抑制できることが判る。
本発明は、キャパシタ内部に残存する水分が原因でフッ酸が発生する電気二重層キャパシタに適用できるだけでなく、何らかの原因により、キャパシタ内部にフッ酸が存在し得る電気二重層キャパシタに広く利用可能なものである。
本発明の実施の形態例1に係る電気二重層キャパシタの構成を示す断面図である。 試験体1〜9の電気二重層キャパシタの特性評価結果(静電容量保持率)を示すグラフである。 試験体1〜9の電気二重層キャパシタの特性評価結果(内部抵抗増加率)を示すグラフである。 試験体10〜18の電気二重層キャパシタの特性評価結果(静電容量保持率)を示すグラフである。 試験体10〜18の電気二重層キャパシタの特性評価結果(内部抵抗増加率)を示すグラフである。 試験体19〜27の電気二重層キャパシタの特性評価結果(静電容量保持率)を示すグラフである。 試験体19〜27の電気二重層キャパシタの特性評価結果(内部抵抗増加率)を示すグラフである。
符号の説明
1 電気二重層キャパシタ
2 セパレータ
3A,3B 分極性電極
4A,4B 集電極
5A,5B 導電性材料
6 セル
7 電解液
8A,8B 押え板
9 パッキン
11 アルミラミネートフィルム
12A,12B 出力端子

Claims (4)

  1. セパレータと、前記セパレータの両側にそれぞれ配設された一対の分極性電極と、これら一対の分極性電極の外側にそれぞれ配設され、当該分極性電極側に導電性材料が塗布された一対の集電極とを有してなるセルを有し、且つ、このセルの内部を、フッ素を含む電解液で満たした構成の電気二重層キャパシタであって、
    前記分極性電極、前記電解液、および前記導電性材料のうちの少なくとも一つは、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および二酸化ケイ素のうちの少なくとも一種の無機酸化物を含有する
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 請求項1に記載された電気二重層キャパシタであって、
    前記無機酸化物の含有量は、1wt%以上30wt%以下である
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  3. セパレータと、前記セパレータの両側にそれぞれ配設された一対の分極性電極と、これら一対の分極性電極の外側にそれぞれ配設され、当該分極性電極側に導電性材料が塗布された一対の集電極とを有してなるセルを有し、且つ、このセルの内部を、フッ素を含む電解液で満たした構成の電気二重層キャパシタであって、
    前記導電性材料は、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、および二酸化ケイ素のうちの少なくとも一種の無機酸化物を含有する
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  4. 請求項3に記載された電気二重層キャパシタであって、
    前記無機酸化物の含有量は、0.01wt%以上50wt%以下である
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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