JP2010040211A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法、照明装置、面状光源、および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】陽極又は陰極である透明な第1電極と、前記第1電極に接して設けられ、該第1電極と比較して電気抵抗値の低い補助電極と、前記第1電極に対向して配置された第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に配置された発光層と、前記発光層を基準にして前記第1電極側の最外層に配置されたフィルムと、を含み、前記補助電極が、枠状の第1補助電極と、該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有し、前記フィルムの前記発光層側とは反対側の表面が凹凸状に形成され、該フィルムのヘイズ値が70%以上であり、かつ該フィルムの全光線透過率が80%以上である。
【選択図】 図1
Description
前記補助電極が、枠状の第1補助電極と、該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有し、
前記フィルムの前記発光層側とは反対側の表面が凹凸状に形成され、該フィルムのヘイズ値が70%以上であり、かつ該フィルムの全光線透過率が80%以上であることを特徴とする。
前記フィルムを作製する工程と、該フィルムを作製する工程によって得られたフィルムを前記最外層に設けるフィルム設置工程とを有し、
前記フィルムの作製工程が、
所定の基台の表面上に、前記フィルムとなる材料を含む溶液を、前記フィルムの厚みが100μm〜200μmの範囲となるように、塗布する塗布工程と、
前記基台の表面上に塗布された溶液を、湿度が80%〜90%の雰囲気に保った後に乾燥し、成膜化する成膜工程とを含む。
したがって、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明装置、バックライトとしての面状光源、フラットパネルディスプレイ等の表示装置として好ましく使用できる。
前記補助電極が、枠状の第1補助電極と、該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有し、
前記フィルムの前記発光層側とは反対側の表面が凹凸状に形成され、該フィルムのヘイズ値が70%以上であり、かつ該フィルムの全光線透過率が80%以上であることを、特徴としている。
第1の実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、上記補助電極4は、前記陽極(第1電極)5の表面上に配置され、前記第1電極に電気的に接続された枠状の第1補助電極2と、前記第1補助電極2の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極2に電気的に接続され、該第1補助電極2よりも線幅が狭い第2補助電極3とを備える。
第1の実施形態においては、前記陽極(第1電極)5の表面上に第1補助電極2及び第2補助電極3を上記のような形態で配置することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光面積が大きい場合でも、発光輝度のムラを十分に抑制することが可能となる。
このような補助電極の配置形態を取ることにより、発光面積がさらに大きな素子においても、本発明の効果を得ることができる。
前記フィルム12は、支持基板1の発光層10側とは反対側の表面に設けられる。フィルム12は、発光層10側の表面が平面状であり、発光層10側とは反対側の表面が凹凸状に形成される。またフィルム12は、ヘイズ値が70以上、かつ全光線透過率が80%以上である。
ヘイズ値(曇価)=(拡散透過率(%)/全光線透過率(%))×100(%)。
なお、ヘイズ値は、JIS K 7136「プラスチック−透明材料のヘイズの求め方」に記載の方法で測定することができる。
フィルム12の厚みは、特に制限はないが、薄すぎると取り扱いが難しくなり、厚すぎると全光線透過率が低くなるので、20μm〜1000μmが好ましい。
基台としては、前述した前記高分子材料およびガラスなどから成る支持基板を挙げることができる。
なお、作製されるフィルム12の膜厚は、乾燥開始時の液膜の膜厚を調整することによって制御できる。
また、溶媒の蒸発速度および溶媒の沸点などによって液膜の表面が乾燥するまでの時間が変わるので、用いる溶媒を変えることによって、フィルム12のヘイズ値を制御することもできる。
また、陰極が基板の表面上に形成され、基板上において陰極、発光層および陽極がこの順で配置されるトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子では、陽極の発光層側とは反対側の表面にフィルムを貼り付ける。
続いて、これら補助電極4およびフィルム12以外の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成要素について、以下に詳しく説明する。
支持基板1としては、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程において変化しないもの、すなわち、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよく、例えば、ガラス板、プラスチック板、高分子フィルムおよびシリコン板、並びにこれらを積層した積層板などが好適に用いられる。さらに、プラスチック、高分子フィルムなどに低透水化処理を施したものを用いることもできる。前記基板としては、市販のものが使用可能である。また前記基板を公知の方法により製造することもできる。
なお、後述の第2の実施形態にて示すような発光部6からの光を陰極7側から取出すトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子では、支持基板1は、透明のものでも、不透明のものでもよい。
第1の実施形態における第1電極(図1の構成では陽極5)は、発光層10からの光を透過させる透明電極であって、通常、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極となるものであるが、後述のように、透明な第1電極を陰極として用いる構成の有機エレクトロルミネッセンス素子も可能である。第1電極5には、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜を用いることができ、透過率が高いものが好適に利用でき、発光部6の構成材料に応じて適宜選択して用いることができる。第1電極5の材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)、金、白金、銀、銅等の薄膜が用いられる。これらの中でも、ITO、IZO、酸化スズが好ましい。
また、第1電極を電気的に分離させた複数のセルに仕切る方法としては、例えば、第1電極を形成した後に、フォトレジストを用いたエッチング法によりパターン形成する方法が挙げられる。
本実施形態において、陽極(第1電極5)と発光層10との間には、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等の層9が挙げられる。
上記正孔輸送層とは、陽極、正孔注入層または陽極により近い正孔輸送層らの正孔注入を改善する機能を有する層である。
電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお正孔注入層、及び/又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が電子ブロック層を兼ねることがある。
電子ブロック層が電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
正孔注入層は、上述のように、陽極と正孔輸送層との間、または陽極と発光層との間に設けることができる。正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔輸送層を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
溶液からの成膜方法としては、前述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
発光層10は、通常、主として蛍光または燐光を発光する有機物を有する。発光層10は、有機物として低分子化合物及び/又は高分子化合物を含んでいる。また、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。この実施形態において用いることができる発光層を形成する材料としては、例えば以下のものが挙げられる。なお、陽極5と陰極7との間には、一層の発光層に限らず、複数の発光層が配置されてもよい。
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることが出来る。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
発光層10中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、発光層10の厚さは、通常約20〜2000Åである。
有機物を含む発光層10の成膜方法としては、発光材料を含む溶液を基体の上又は上方に塗布する方法、真空蒸着法、転写法などを用いることができる。溶液からの成膜に用いる溶媒の具体例としては、前述の溶液から正孔輸送層を成膜する際に正孔輸送材料を溶解させる溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
前記発光層10と陰極(第2電極)7との間には、必要に応じて、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等の層11が積層される。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。
電子輸送層は、陰極、電子注入層または陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。
正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層、及び/又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
正孔ブロック層が正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
電子注入層は、先に述べたように、電子輸送層と陰極との間、または発光層と陰極との間に設けられる。電子注入層としては、発光層の種類に応じて、アルカリ金属やアルカリ土類金属、あるいは前記金属を一種類以上含む合金、あるいは前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、あるいは前記物質の混合物などが挙げられる。
この電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
電子輸送層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
第1の実施形態における第2電極7は、前記第1電極5に対向して配置される電極であって、有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極となるものであるが、本発明においては、後述の第2の実施形態に示すように、陽極である場合も可能である。このような陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易な材料が好ましい。また陰極の材料としては電気伝導度が高く、可視光反射率の高い材料が好ましい。かかる陰極材料としては、具体的には、金属、金属酸化物、合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、酸化亜鉛(ZnO)等の無機半導体などを挙げることができる。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
f)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
e)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
l)陽極/発光層/電子注入層/陰極
m)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
n)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
q)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
また、3層以上の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子としては、具体的には、(電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層)を一つの繰り返し単位として、以下のr)に示す前記繰り返し単位を2つ以上含む層構成を挙げることができる。
r) 陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/(該繰り返し単位)/(該繰り返し単位)/・・・/陰極
上記層構成p)およびq)において、陽極、電極、陰極、発光層以外の各層は必要に応じて削除することができる。
ここで、電荷発生層とは電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子においては、通常基板側に陽極が配置されるが、基板側に陰極を配置するようにしてもよい。
上述のように陰極(第2電極)7が形成された後、基本構造として補助電極4−第1電極(陽極)5−発光部6−第2電極(陰極)7を有してなる発光機能部を保護するために、該発光機能部を封止する保護層(上部封止膜)8が形成される。この保護層8は、通常、少なくとも一つの無機層と少なくとも一つの有機層を有する。積層数は、必要に応じて決定され、基本的には、無機層と有機層は交互に積層される。
第2の実施形態と、上述の第1の実施形態との違いは、第1の実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子が発光部6からの光を透明な陽極(第1電極)5を透過させて透明な支持基板1から外部へ出射するボトムエミッション型の素子であったのに対し、第2の実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では発光部26からの光を透明な陰極(第1電極)27を透過させて透明な保護層28から外部へ出射するトップエミッション型の素子である点にある。
すなわち、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記第1の実施形態によっても、第2の実施形態によっても、透明電極の抵抗による電圧降下を低減し、発光面積が大きい場合でも発光輝度のムラが十分に抑制され、均一発光が可能となり、高い光取り出し効率を有する。
なお、合成例1、2において用いた下記構造式(A)〜(C)で表される化合物A〜Cは、国際公開2000/046321号パンフレットに記載された方法に従って合成した。
下記一般式(1)で表される高分子化合物1を以下の方法により合成した。
下記一般式(2)で表される高分子化合物2を以下の方法により合成した。
上記作製例1において、補助電極を形成する際のフォトマスクとして、線幅20mmのラインから構成される正方形の枠状の開口部のみを有するフォトマスクを用いた以外は、作製例1と同様にして、比較用の有機EL発光素子を作製した。
上記作製例1において、補助電極を形成する際のフォトマスクとして、縦×横のピッチがそれぞれ300μm×100μm、縦×横の線幅がそれぞれ70μm×30μmからなる格子型の開口部とを有するフォトマスクを用いた以外は、作製例1と同様にして、比較用の有機EL発光素子を作製した。
作製例1及び参考例1〜2で得られた有機EL発光素子の発光特性を評価した。具体的には、素子全体に8Vの電圧を印加した際の発光輝度を測定し、さらに発光面の様子を目視にて観察した。得られた結果を下記(表1)に示す。
透明な支持基板として、30mm×30mmのガラス基板を用いた。次に、スパッタリング法によって厚みが150nmのITOから成る導電体膜を支持基板の表面上に蒸着した。次に、この導電体膜の表面上にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを介して所定の領域を露光し、さらに洗浄することによって、所定のパターン形状の保護膜を形成した。さらにエッチングを施した後、水、NMP(n−methylpyrrolidone)でリンスを施し、所定のパターン形状のITO膜から成る陽極を形成した。次に、陽極上のレジスト残渣を除去するために、酸素プラズマ処理を30Wのエネルギーで2分間行い、UV/O3洗浄を20分間行った。
作製例2の有機エレクトロルミネッセンス素子とはフィルムのみが異なる有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。本作製例3では、高いヘイズ値(82)を示す市販品のフィルム(フィルムB)を用いた。フィルムBは、粘着層を有しているので、粘着剤などを用いずにそのまま支持基板に貼付けて有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
作製例2の有機エレクトロルミネッセンス素子とは、フィルムのみが異なる有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
フィルム用の溶液には、作製例の溶液と同じものを用いた。湿度50%の恒温恒湿槽中において、成膜後のフィルムの膜厚が220μm程度となるように、フィルム用の溶液をガラスの基台上にキャストした。湿度50%の雰囲気中で5分間放置した後、窒素フローによりフィルムを乾燥し、20mm×20mmのフィルム(フィルムC)を得た。このフィルムCを、作製例2と同じ粘着剤を用いて作製例2と同様に支持基板に貼り付けて有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
作製例2の有機エレクトロルミネッセンス素子とはフィルムのみが異なる有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。またフィルム用の溶液には、作製例2の溶液と同じものを用いた。湿度85%の恒温恒湿槽中において、成膜後のフィルムの膜厚が220μm程度となるように、フィルム用の溶液をガラスの基台上にキャストした。湿度85%の雰囲気中で5分間放置した後、窒素フローによりフィルムを乾燥し、表面に凹凸形状を有する20mm×20mmのフィルム(フィルムD)を得た。得られたフィルムDを、作製例2と同じ粘着剤を用いて作製例2と同様に支持基板に貼り付けて有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
作製例2の有機エレクトロルミネッセンス素子とはフィルムのみが異なる有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。フィルム用の溶液には、作製例2の溶液と同じものを用いた。湿度85%の恒温恒湿槽中において、成膜後のフィルムの膜厚が360μm程度となるように、フィルム用の溶液をガラスの基台上にキャストした。湿度85%の雰囲気中で5分間放置した後、窒素フローによりフィルムを乾燥し、表面に凹凸形状を有する20mm×20mmのフィルム(フィルムE)を得た。このフィルムEを、作製例2と同じ粘着剤を用いて作製例2と同様に支持基板に貼り付けて有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
作製例2、3、および参考例3、4、5で用いたフィルムの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。図7は、作製例2において作製したフィルムAの断面を模式的に示す図であり、図8は、作製例3で用いたフィルムBの断面を模式的に示す図であり、図9は、参考例3において作製したフィルムCの断面を模式的に示す図である。
作製例2、3および参考例3、4、5で作製したフィルムが貼り合わされた有機エレクトロルミネッセンス素子の光強度と、フィルムが貼り合わされていない有機エレクトロルミネッセンス素子の光強度とを比較した。(表3)に、フィルムが貼り合わされた有機エレクトロルミネッセンス素子の光強度を、フィルムが貼り合わされていない有機エレクトロルミネッセンス素子の光強度で割った光取出し効率の比を示す。光強度は、有機エレクトロルミネッセンス素子に0.15mAの電流を流し、そのときの発光強度の角度依存性を測定し、全ての角度での発光強度を積分することによって測定した。
2,2a,2b,2c,2d 第1補助電極
3,3a,3b,3c,3d 第2補助電極
4 補助電極
5 透明陽極(第1電極)
6 発光部
7 陰極(第2電極)
8 保護膜(上部封止膜)
9 陽極と発光層との間に設けられる層
10 発光層
11 陰極と発光層との間に設けられる層
12,32 フィルム
21 支持基板
22 第1補助電極
23 第2補助電極
24 補助電極
25 陽極(第2電極)
26 発光部
27 透明陰極(第1電極)
28 保護膜(上部封止膜)
29 陽極と発光層との間に設けられる層
30 発光層
31 陰極と発光層との間に設けられる層
A 作製例2に用いたフィルム
B 作製例3に用いたフィルム
C 参考例3に用いたフィルム
Claims (7)
- 陽極および陰極のうちのいずれか一方の電極である透明な第1電極と、
前記第1電極と比較して電気抵抗値が低く、前記第1電極に接して設けられた補助電極と、
前記陽極および陰極のうちの他方の電極である第2電極と、
前記第1電極と第2電極との間に配置された発光層と、
前記発光層を基準にして前記第1電極側の最外層に配置されたフィルムと、を含み、
前記補助電極が、枠状の第1補助電極と、該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有し、
前記フィルムの前記発光層側とは反対側の表面が凹凸状に形成され、該フィルムのヘイズ値が70%以上であり、かつ該フィルムの全光線透過率が80%以上である有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記第2補助電極の線幅を前記第1補助電極の線幅で除した値が、1/1000〜1/10であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記フィルムの前記発光層側とは反対側の表面が複数の凹面によって構成されている請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
前記フィルムを作製する工程と、該フィルムを作製する工程によって得られたフィルムを前記最外層に設けるフィルム設置工程とを有し、
前記フィルムの作製工程では、
所定の基台の表面上に、前記フィルムとなる材料を含む溶液を、前記フィルムの厚みが100μm〜200μmの範囲となるように塗布し、
前記基台の表面上に塗布された溶液を、湿度が80%〜90%の雰囲気に保った後に乾燥し、成膜化することにより前記フィルムを作製する、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする照明装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする面状光源。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする表示装置。
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