JP2005019148A - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な放射分布特性を有し、自然な視認性を達成することができる自然発光型の表示装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】この発光素子からの射出光は、被覆層33を経て上方空間に射出して観察者の目に入射する。この際、被覆層33の上面33aに凹レンズとして機能する多数の凹面33bが形成されているので、発光層27から被覆層33を経て射出される光の放射分布特性が良好なものとなる。これにより、自然な視認性を有するディスプレイ等を提供することができ、発光光の効率的な取り出しが可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】この発光素子からの射出光は、被覆層33を経て上方空間に射出して観察者の目に入射する。この際、被覆層33の上面33aに凹レンズとして機能する多数の凹面33bが形成されているので、発光層27から被覆層33を経て射出される光の放射分布特性が良好なものとなる。これにより、自然な視認性を有するディスプレイ等を提供することができ、発光光の効率的な取り出しが可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、EL素子等の光能動素子を組み込んだ表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
無機や有機のELを用いた自然発光型の表示パネルのような種々の表示装置が開発されている。このような表示パネルについては、発光効率向上、光取り出し効率の向上、輝度向上、消費電力低減等が求められている。
【0003】
上記のような自然発光型の表示パネルでは、発光素子がガラス等の光透過性媒質の背後に配置される。つまり、発光素子の発光面は、屈折率が1よりも大きな光透過性媒質と、この光透過性媒質に接する空気との界面を介して観察される。この場合、発光素子からほぼ全ての角度に光が射出されるが、光透過性媒質と空気との界面では、射出光のうち入射角が臨界角を超える成分は全反射される。このため、実際に光透過性媒質を介して観測者側に取り出すことができる光は、観測者側へ向けて射出された光だけを考えると、全射出光のうち43%のみであり、さらに、観測者側の反対側へ向けて射出された光が全て利用されなかったとすると、全発光量のうち約20%しか利用できていないことになり、発光素子からの射出光を効率よく取り出すことが重要な課題となっている。
【0004】
このため、発光素子の上方に凸レンズ状の部材を設けて、平坦面のままでは全反射によって取り出せなかった光を観測者側に取り出す方法が考案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−135477号公報
【特許文献2】
特開平11−74072号公報
【特許文献3】
特開平10−172756号公報
【特許文献4】
特開平9−171892号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発光素子の上方に凸レンズを設ける方法では、理想的な放射分布特性を得ることができず、表示パネルにおいて自然な視認性を得ることができない。つまり、凸レンズを設けた場合の放射分布特性は、理想的な放射分布(Lambertの分布)と比較すると、極めて歪んだ放射特性を示し、かかる凸レンズ付の発光素子をディスプレイに応用した場合、自然な視認性を得ることができず、斜めから見た方が明るいといった非常に見づらいディスプレイとなっていた。
【0006】
そこで、本発明は、良好な放射分布特性を有し、自然な視認性を達成することができる表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る表示装置は、発光又は光変調を行う光能動素子を含む光射出領域を覆う光透過性部材と、光透過性部材の光射出側の面に形成されるとともに負の屈折力を有する微小光学素子とを備える。ここで、「光能動素子」とは、EL素子、液晶素子、LED等を含む。また、「負の屈折力」とは、微小光学素子に入射した平行光束が集光することなく発散することを意味する。
【0008】
上記表示装置では、負の屈折力を有する微小光学素子が光透過性部材の光射出側の面に形成されるので、光能動素子から光透過性部材を経て射出される光の分布特性を良好なものとすることができ、自然な視認性を有するディスプレイ等を提供することができる。
【0009】
上記表示装置の具体的態様では、光射出領域が光能動素子を含む発光領域である。この場合、自然発光型の発光素子から射出される光の放射分布特性を良好なものとすることができ、自然な視認性を有する自然発光型のディスプレイ等を提供することができる。
【0010】
上記表示装置の別の具体的態様では、微小光学素子が光能動素子に対向して複数設けられている。この場合、光透過性部材を経て射出される光の放射分布特性をさらに一様なものとすることができる。
【0011】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、光射出領域が2次元的に配列された複数の光能動素子を含む。この場合、光能動素子による2次元的な表示の視認性を良好なものとすることができる。
【0012】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が光透過性部材の光射出側の面に形成された凹面であり、この凹面の周囲が光透過性部材よりも低屈折率の媒体で満たされている。この場合、簡単な構造の微小光学素子を簡易に作製することができる
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、凹面が略球面状である。この場合、光透過性部材を経て射出される光の放射分布特性をほぼ理想的な放射分布(Lambertの分布)とすることができる。
【0013】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、凹面が円錐又は多角錐の側面形状を有する。この場合、光透過性部材を経て射出される光の放射分布特性を理想的な放射分布に近いものとすることができる。
【0014】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、光能動素子を含む光射出領域が上部に透明電極を有し、光透過性部材が透明電極を覆う被覆層であり、この被覆層の光射出側の面の周囲が屈折率約1の気体で満たされている。この場合、光能動素子を適宜封止しつつこれに給電を行うことができ、封止用の被覆層を利用して簡易に微小光学素子を形成することができる。
【0015】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、光透過性部材及び気体を収容する光透過性の蓋状の封止部材をさらに備える。この場合、封止部材によってより確実な封止が可能になり、光能動素子を構成する材料の劣化を抑えることが可能になる。
【0016】
また、本発明に係る製造方法は、発光又は光変調を行う光能動素子を含む光射出領域を有する表示装置の製造方法であって、光射出領域を覆う光透過性部材を形成する工程と、光透過性部材の光射出側の面に負の屈折力を有する微小光学素子を形成する工程とを備える。
【0017】
上記製造方法では、負の屈折力を有する微小光学素子が光透過性部材の光射出側の面に形成されるので、得られた表示装置において、光能動素子から光透過性部材を経て射出される光の分布特性を良好なものとすることができ、自然な視認性を有するディスプレイ等を提供することができる。
【0018】
また、上記製造方法の具体的態様では、光射出領域が自然発光型の発光素子を含む発光領域である。この場合、自然発光型の発光素子から射出される光の放射分布特性を良好なものとすることができ、自然な視認性を有する自然発光型のディスプレイ等を提供することができる。
【0019】
また、上記製造方法のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が、光射出領域上の被覆層の表面に感光性樹脂層を形成する工程と、この感光性樹脂層に露光量の変調によって所定の強度分布の露光を行う工程と、露光後のこの感光性樹脂層をエッチングによって部分的に除去する工程と、部分的に除去されたこの感光性樹脂層をマスクとして被覆層を部分的にエッチングする工程とによって形成される。この場合、微小光学素子を任意の3次元形状に制御することができるとともに、封止用の被覆層を利用して微小光学素子が形成されるので、微小光学素子すなわちこれを用いたディスプレイ等の対環境性(耐熱性、耐水性等)を高めることができる。
【0020】
また、上記製造方法の別の具体的態様では、凹面又は凸面のいずれか一方からなる微小光学素子を表面側に有する光透過性シートを光射出領域上に形成された被覆層の表面に貼り付けることによって、光透過性部材の上層及び微小光学素子を完成する。この場合、表示装置の作製が容易になり、また、別々に作製した部分を張り合わせるので、歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0021】
また、上記製造方法のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が、光射出領域上に形成された被覆層の表面を微小領域に区画するマイクロバンクを形成する工程と、このマイクロバンクによって区画された区画領域中に微小液滴を滴下する工程とによって形成される。この場合、表示装置の大型化が容易である。すなわち、大面積の基板にも比較的容易にマイクロバンクを形成することができ、各マイクロバンクに滴下された微小液滴が簡易に凹面等を形成することになるので、自然な視認性を有する大面積のディスプレイを簡易に提供することができる。
【0022】
また、上記製造方法のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が、光射出領域上に形成された被覆層の表面に光透過性の感光性樹脂層を形成する工程と、この感光性樹脂層に露光量の変調によって所定の強度分布の露光を行う工程と、露光後のこの感光性樹脂層をエッチングによって部分的に除去する工程とによって形成される。この場合、微小光学素子の3次元形状をフォトリソグラフィ技術を利用して任意のものに制御することができる。
【0023】
また、上記製造方法のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が、光射出領域上を光透過性樹脂層で被覆する工程と、凸部を転写面に有する転写型を用いて樹脂層の上面に転写面に対応する形状を転写して微小光学素子とする工程とによって形成される。この場合、樹脂層として安価な材料を用いることとができ、これを用いたディスプレイ等の製造コストを抑えることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルの構造を概念的に説明する部分断面図である。このEL発光パネル10は、基板21上に、下部電極23と、電子注入層25と、発光層27と、ホール輸送層29と、透明電極層31と、被覆層33とを順次積層した構造となっている。
【0025】
ここで、基板21は、素子分離を可能にする例えばガラス等の絶縁性の材料であり、EL発光パネル10の支持体となっている。下部電極23は、例えばAl等の導電材料からなり、ミラーとしての機能も有する。電子注入層25は、電子を下部電極23から受けて発光層27に輸送するためのものであり、低分子化合物等の適当な材料で形成される。発光層27は、電子及びホールを効率よく結合させて発光する部分であり、金属錯体、低分子蛍光色素等の適当な材料で形成される。ホール輸送層29は、ホールを透明電極層31から受けて発光層27に輸送するためのものであり、低分子化合物等の適当な材料で形成される。透明電極層31は、ITO等の光透過性導電材料からなり、発光層27で発生しホール輸送層29を通過した発光光を外部に透過させる。被覆層33は、上記発光光に対して光透過性性を有するSiO2等の光透過性材料であり、その屈折率は、約1.5程度と周囲の空気の屈折率1よりも大きい。この被覆層33は、その光射出側の上面33aに半球状の凹部である多数の凹面33bを有している。各凹面33bは、空気との関係で負の屈折力を有する微小凹レンズとして機能し、全体として微小凹レンズからなるマイクロレンズアレイを構成する。ここで、被覆層33の雰囲気(空気)に対する屈折率比は、かなり大きなものとなるので、凹面33bによるレンズ効果を簡単に大きなものとすることができる。
【0026】
図2は、被覆層33上における多数の凹面33b(レンズアレイ)の配列を説明する図である。これらの凹面33bは、被覆層33上で中心が直径d分だけ互いに離間する状態で2次元的に最密に配列されている。このようなレンズアレイの充填率は約90%程度となり、高い光利用効率を達成することができる。具体的な実施例では、凹面33bすなわち凹レンズの直径dを20μmとした。
【0027】
以上において、下部電極23、電子注入層25、発光層27、ホール輸送層29、及び透明電極層31は、自然発光型の有機EL発光素子を構成し、これ自体で発光領域となっている。この発光素子からの射出光は、被覆層33を経て上方空間に射出して観察者の目に入射する。この際、被覆層33の上面33aに凹レンズとして機能する多数の凹面33bが設けられているので、発光層27から被覆層33を経て射出される光の放射分布特性が良好なものとなる。これにより、自然な視認性を有するディスプレイ等を提供することができる。さらに、発光層27からの光が被覆層33の上面33aに本来臨界角以上で入射するような場合であっても、凹面33bの存在によって被覆層33の上方に全反射させることなく射出させることができる。つまり、発光光の効率的な取り出しが可能になる。
【0028】
図3は、図1に示すようなEL発光パネル10の配光分布を示すグラフである。このグラフにおいて、同心円によって観測光の強度が示され、その中心を通る傾斜した直線によって光源の中心軸に対する観測光の傾斜角が示されている。なお、実線は、中心軸の周囲のうち0°方向の分布特性であり、点線は、中心軸の周囲のうち90°方向の分布特性である。グラフからも明らかなように、実施形態のEL発光パネル10の放射分布特性は、比較的理想的なランバート分布に近いものとなっている。
【0029】
一方、図4は、図1に示すEL発光パネル10とほぼ同一の層構造であるが、剥き出しの発光素子上に透明プレートを配置した構造のEL発光パネルの配光分布を示すグラフである。この場合も、放射分布特性がランバート分布となっているが、光利用効率は図2の場合に比較して0.68倍程度に低下している。例えば正面輝度に関しては、実施形態に係るEL発光パネル10の方が0.16/0.11=1.45倍程度大きな値を示すことが分かる。
【0030】
また、図5は、図1に示すEL発光パネル10と同一の層構造であるが、表面に凸レンズを形成した従来型のEL発光パネルの配光分布を示すグラフである。この場合、光利用効率は図2の場合と同等であるが、放射分布特性がランバート分布から大きく外れている。例えば正面輝度に関しては、実施形態に係るEL発光パネル10の方が0.16/0.13=1.23倍程度大きな値を示すことが分かる。
【0031】
以下、図1に示すEL発光パネル10の製造方法について説明する。まず、基板21を準備して、この基板21上にスパッタリング等を用いてAl等の材料を堆積することにより下部電極23を形成する。次に、下部電極23上に、滴下成膜等の各種塗布法を用いて半導電性の適当な有機材料を順次積層することにより、電子注入層25、発光層27、及びホール輸送層29を形成する。次に、ホール輸送層29上にスパッタリング等の方法を用いてITOを堆積することにより透明電極層31を形成する。次に、CVD等の方法を用いてSiO2を堆積することによって透明電極層31を覆う被覆層33を形成する。最後に、被覆層33の上面33aに2次元的に格子状に配列された多数の凹面33bを形成する。
【0032】
図6は、被覆層33上に多数の凹面33bからなるレンズアレイを形成する工程を概念的に説明する図である。まず、図6(a)に示すように、ほぼ平坦な被覆層33を形成したEL発光パネル10を準備し、その上面を被覆するようにレジスト等の感光性樹脂41を均一に塗布する。なお、EL発光パネル10のうち下側の本体パネル10aは、図1に示す基板21、下部電極23、電子注入層25、発光層27、ホール輸送層29、及び透明電極層31を積層したものであり、この本体パネル10a上には、被覆層33が形成されている。
【0033】
次に、レンズアレイとなる複数の凹面33bの配列に対応する透過率パターンPAを有するマスクMKを用いて感光性樹脂41を露光すると、感光性樹脂41が露光量に応じて部分的に可溶化するので、この可溶化した部分41aを現像によって除去することにより、感光性樹脂41に所望の配列及び深さの凹面41bを形成することができる(図6(b)参照)。次に、凹面41bを備える感光性樹脂41をマスクとしてRIE等のドライエッチングを施すことによって、感光性樹脂41の下地層となっている被覆層33の上面33aに所望の曲率半径のほぼ滑らかな凹面33bを形成することができる(図6(c)参照)。このようにして形成した被覆層33は、無機材料のみからなるので、一般に耐環境性(耐熱性、耐水性)に優れる。
【0034】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第2実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものであり、共通する部分については同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0035】
図7は、第2実施形態のEL発光パネルの構造を概念的に説明する部分断面図である。このEL発光パネル110は、基板21の表面上に堆積された絶縁膜151上に、下部電極23と、電子注入層25と、発光層27と、ホール輸送層29と、透明電極層31と、被覆層33とを順次積層した構造となっている。さらに、基板21上には、光透過性の封止部材153が適当な接着剤を利用して固定されている。この封止部材153は、下面側に段差状の陥凹部153aを有しており、基板21との協働によって封止空間SSを形成する。この封止空間SSには、下部電極23、電子注入層25、発光層27、ホール輸送層29、透明電極層31、及び被覆層33からなる発光素子LEが気密に収容される。封止空間SS中には、屈折率約1のN2、Ar等の不活性ガスが封入される。封止部材153に形成された陥凹部153aの隅部分、すなわち矩形の外周部分には、必要に応じて吸着部材155が取り付けられる。吸着部材155は、封止空間SS中の不要なガス成分(例えば水分)を吸収する役割を有する。
【0036】
なお、図示を省略しているが、この封止空間SS中には、多数の発光素子LEが収容されている。さらに、発光素子LEに隣接して駆動用の半導体素子(不図示)も形成されている。この半導体素子から延びる配線は、絶縁膜151に設けたスルーホール等を介して下部電極23及び透明電極層31に対して接続されている。
【0037】
第2実施形態のEL発光パネルの場合も、発光素子LEからの射出光が被覆層33の光射出側に設けた多数の凹面33bを経て観察者の目に入射するので、外部から観察される発光光の放射分布特性が良好なものとなり、発光光の効率的な取り出しが可能になる。つまり、自然な視認性を有し高輝度のディスプレイ等を提供することができる。さらに、このEL発光パネルは、発光素子LEが封止部材153中に封入されているので、パッシベーションを確実なものとすることができ、発光素子LEの劣化を抑えることができる。
【0038】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第3実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものである。
【0039】
図8は、第3実施形態のEL発光パネルの構造を概念的に説明する部分断面図である。このEL発光パネル210は、被覆層233の構造がこれまでと異なる。この被覆層233は、比較的低屈折率の下層233aと比較的高屈折率の上層233bとからなる。さらに、下層233aの光出射面すなわち上層233bとの界面には、半球状の多数の凸面233cが形成されている。この凸面233cは、両層の屈折率差に起因して凹レンズとして機能する。この場合、下層233aを例えば図6に示す方法と同様の方法で加工して所望の配列の凸面233cを形成し、その上に高屈折率の無機又は有機材料を平坦に堆積又は塗布することによって上層233bとする。
【0040】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第4実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものである。
【0041】
図9は、第4実施形態のEL発光パネルの被覆層上におけるマイクロレンズアレイの配列を説明する平面図である。マイクロレンズアレイを構成する各凹レンズに対応する凹面333b、333cは、被覆層上で中心がランダムな距離だけ互いに離間する状態で近接して配列されている。この場合、マイクロレンズアレイは、大きな半径の凹面333bと小さな半径の凹面333cとが混在した配列となっている。このように凹レンズのサイズを2種類以上設けてランダムに配列することにより、ムラや干渉縞等のない視認性の良い画像を提供することができる。
【0042】
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第5実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものである。
【0043】
図10は、第5実施形態のEL発光パネルの被覆層上におけるマイクロレンズアレイの配列を説明する平面図である。このEL発光パネルの発光領域は、各色R、G、及びBに対応するセルCR、CG、CBを備える。各セルCR、CG、CBは、有機EL発光素子を構成し、材料の選択によってR、G、及びBの各色をそれぞれ発光する画素となっている。そして、各セルCR、CG、CBの間は、遮光されるブラックマトリックスBMとなっている。これらの各セルCR、CG、CB及びブラックマトリックスBMの上層は、封止用の被覆層となっており、この被覆層の上面には、格子状に2次元に等間隔で配列される多数の凹面433bが形成されている。
【0044】
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第6実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルの製造方法を変形したものである。
【0045】
図11は、第6実施形態のEL発光パネルの製造方法を概念的に説明する図である。この場合、EL発光パネル510の被覆層533をリソグラフィ技術を用いて直接除去してマイクロレンズアレイを形成する。まず、有機EL発光素子を積層した本体パネル10aまでを準備し、その上面を被覆するようにレジスト等の光透過性の感光性樹脂からなる被覆層533を均一に塗布する。次に、マイクロレンズアレイとなるべき凹面533bの配列に対応する透過率パターンPAを有するマスクMKを用いて被覆層533を露光すると、感光性樹脂である被覆層533が露光量に応じて部分的に可溶化するので、この可溶化した部分533aを現像によって除去することにより、被覆層533の上面に所望の配列及び深さを有する滑らかな凹面533bを形成することができる。
【0046】
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第7実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルの製造方法を変形したものである。
【0047】
図12は、第7実施形態のEL発光パネルの製造方法を概念的に説明する図である。このEL発光パネル610では、本体パネル610a上に樹脂製のレンズアレイシート633を貼り付ける。すなわち、まず、有機EL発光素子を積層した後に被覆層を形成した本体パネル610aを準備し(図12(a)参照)、その上面に凹レンズに対応する多数の凹面633bを有するレンズアレイシート633を一端側から徐々に貼り付けて全体がレンズアレイシート633で覆われるようにする(図12(b)参照)。レンズアレイシート633は、裏面に設けた接着剤によって本体パネル610aの上面すなわち封止用の被覆層に密着する。レンズアレイシート633の表面には、図1等に示す凹面形状と同一形状の凹面633bが形成されており、本体パネル610a内部の発光素子からの射出光は、この凹面633bを経て観察者の目に入射する。レンズアレイシート633は、例えば樹脂をシート状に延伸加工する際に片側のロールに多数の凸面を設けて引き出すこと等によって簡易に作製することができる。このようなレンズアレイシート633を用いると、EL発光パネルの製造工程が簡単なものになり、EL発光を簡易に大型化することができる。さらに、別々に作製した本体パネル610aとレンズアレイシート633とを貼り合わせるので、歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0048】
図13は、図12のEL発光パネルを変形したものを示す。このEL発光パネル710では、レンズアレイシート733の上下面が平坦になっている。つまり、レンズアレイシート733は、図12のレンズアレイシート633と同一形状の下側層733aと、この下側層733aを保護する上側層733bとを備え、両層733a、733bの間に多数の凹面733cが形成されている。上側層733bの屈折率は、下側層733aの屈折率よりも低くなっているので、本体パネル610a内部の発光素子からの射出光は、凹レンズとしての機能を有する多数の凹面733cを経て観察者の目に入射する。
【0049】
〔第8実施形態〕
以下、第8実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第8実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルの製造方法を変形したものである。
【0050】
図14は、第8実施形態のEL発光パネルの製造方法を概念的に説明する図である。このEL発光パネル810では、本体パネル810a上に液滴で形成したレンズを設ける。具体的には、有機EL発光素子を積層し被覆層を形成した本体パネル810aを準備し、その上面に光透過性のマイクロバンク861を形成する。このようなマイクロバンク861は、インクジェットのような微小液滴吐出装置、リソグラフィ技術、各種印刷技術等を用いて簡易に形成することができる。なお、上記のうち微小液滴吐出装置、例えばピエゾジェット式記録ヘッドを用いた場合、大面積に亘って微細な形状を精度良く形成することができる。
【0051】
図15は、マイクロバンク861の平面形状の例を示す図であり、図15(a)の場合、矩形の開口O1が形成されており、図15(b)の場合、円形の開口O2が形成されている。以上は例示であり、ランダムに配置した開口を形成することもでき、開口のサイズも2種類以上とすることができる。
【0052】
図14に戻って、次に、インクジェットのような微小液滴吐出装置863を利用して、本体パネル810a上に形成した各マイクロバンク861の開口に凹レンズとなるべき液滴材料865を順次滴下する。この際、液滴材料865の組成(粘度、表面張力)、体積等を調節することにより、液滴材料865の表面張力等を利用してマイクロバンク861の各開口中に微小凹レンズ867を形成することができる。ここで、液滴材料865は、マイクロバンク861の材料と混合しにくいものとすることが望ましい。このため、一方を親水性の組成とし、他方を疎水性の組成とすることが考えられるが、マイクロバンク861を熱、光等の手段で硬化させて液滴材料865に侵食されない状態とすることもできる。また、微小凹レンズ867も、滴下後放置するだけでなく、熱、光等の手段によって強制的に硬化させることができる。
【0053】
なお、本実施形態においては、理解を容易にするため、微小液滴吐出装置863のヘッドを1つだけ示してあるが、大面積に亘って液滴材料865の吐出を行うため、ヘッドを複数個並置し、それらを本体パネル810aの全面に亘りスキャニングすることにより、量産性を高め得る。
【0054】
このようにして形成した微小凹レンズ867は、本体パネル810a内部の発光素子からの射出光を透過させ、凹レンズとして機能する。よって、本体パネル810a内部の発光素子からの射出光は、多数の微小凹レンズ867を経て観察者の目に入射する。なお、このように、微小液滴吐出装置863を用いるレンズアレイの形成方法は、パネルの大型化に比較的容易に対応することができ、大型で視認性に優れるディスプレイを簡易に製造することができる。
【0055】
以上の実施形態において、マイクロバンク861の面積に対してこれに形成した開口の面積の比が大きい場合、マイクロバンク861を光吸収性の材料で形成することもできる。
【0056】
〔第9実施形態〕
以下、第9実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第9実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルの製造方法を変形したものである。
【0057】
図16は、第9実施形態のEL発光パネルの製造方法を概念的に説明する図である。このEL発光パネル910では、転写型971を用いてマイクロレンズアレイを形成する。すなわち、まず有機EL発光素子を積層し被覆層を形成した本体パネル910aを準備し、その上面にほぼ平坦な光透過性樹脂層973を形成する。このような光透過性樹脂層973は、熱可塑性の材料からなり、塗布等によって形成することができ、光透過性シートを接着剤で付着させることによっても形成することができる(図16(a)参照)。次に、光透過性樹脂層973の上面973aに適当に加熱された転写型971を押し付けることにより、転写型971の転写面に形成された半球状の突起971aが上面973aに転写される(図16(b)参照)。転写型971を冷却しつつ一定時間後に離型すれば、光透過性樹脂層973の上面973aに所望の配列及び深さを有する滑らかな複数の凹面973bを形成することができる(図16(c)参照)。これらの凹面973bは、本体パネル910a内部の発光素子からの射出光に対して凹レンズとして機能する。この実施形態のEL発光パネル910は、安価な樹脂材料を用いて形成することができるので、これを用いたディスプレイを安価なものとすることができる。
【0058】
〔第10実施形態〕
以下、第10実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第10実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものである。
【0059】
図17は、第10実施形態のEL発光パネルの構造を説明する部分断面図である。このEL発光パネル1010は、有機EL発光素子を積層した本体パネル1010a上に被覆層1033を備える。この被覆層1033の上面1033aには、図1等の場合と異なり円錐側面状の凹面1033bが形成されており、本体パネル610a内部の発光素子からの射出光は、この凹面1033bを経て観察者の目に入射する。この凹面1033bは、平行光束を発散させる点で、広義に負の屈折力を有するものと考えることができる。このように、被覆層1033の光射出側に負の屈折力を有する多数の凹面1033bが設けられているので、発光層27から被覆層1033を経て射出される光の放射分布特性が比較的良好なものとなり、発光光の効率的な取り出しが可能になる。
【0060】
なお、凹面1033bは、円錐側面とする必要はなく、多角錐の側面とすることもできる。
【0061】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、有機EL発光パネルを代表例として説明したが、無機EL発光パネルにおいて上記のような凹レンズアレイ等を設けることができ、さらに液晶素子等の各種光能動素子を備える液晶パネルにおいても上記と同様に光射出面側に凹レンズアレイ等を設けることができる。なお、EL発光パネルにおいて、電子注入層25やホール輸送層29は必須のものでなく、発光層27の材料の選択等によって省略することもできる。
【0062】
また、発光パネルを構成する材料は、上記実施形態で例示したものに限らず、各種材料に置き換え得ることはいうまでもない。
【0063】
また、上記実施形態では、基板21の反対側に光を取り出しているが、基板21側に発光光を取り出すこともできる。この場合、例えばガラス等の光透過性の基板21側に透明電極を形成し、基板21の表面(透明電極の反対側)に凹面等からなるレンズアレイを形成することになる。
【0064】
さらに、上記のような表示パネルは、携帯電話やカーナビの表示部、PC用モニタ、TV、大型TV、フレキシブルディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ等の各種分野に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るEL発光パネルの部分断面図である。
【図2】被覆層上における凹面の配列を説明する図である。
【図3】図1の発光パネルの配光分布を示す。
【図4】表面が平坦な発光パネルの配光分布を示す。
【図5】表面に凸レンズを有する発光パネルの配光分布を示す。
【図6】凹面を形成する工程を概念的に説明する図である。
【図7】第2実施形態の発光パネルを説明する図である。
【図8】第3実施形態の発光パネルを説明する図である。
【図9】第4実施形態の発光パネルを説明する平面図である。
【図10】第5実施形態の発光パネルを説明する平面図である。
【図11】第6実施形態の発光パネルの製造方法を説明する図である。
【図12】第7実施形態の発光パネルの製造方法を説明する図である。
【図13】第7実施形態の変形例を説明する図である。
【図14】第8実施形態の発光パネルの製造方法を説明する図である。
【図15】(a)、(b)は、マイクロバンクの形状を示す図である。
【図16】(a)〜(c)は、第9実施形態を説明する図である。
【図17】第10実施形態の発光パネルを説明する図である。
【符号の説明】
10 発光パネル、 10a 本体パネル、 21基板、 23下部電極、 25電子注入層、 27 発光層、 29 ホール輸送層、 31透明電極層、
33 被覆層、 33a 上面、 33b 凹面
【技術分野】
本発明は、EL素子等の光能動素子を組み込んだ表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
無機や有機のELを用いた自然発光型の表示パネルのような種々の表示装置が開発されている。このような表示パネルについては、発光効率向上、光取り出し効率の向上、輝度向上、消費電力低減等が求められている。
【0003】
上記のような自然発光型の表示パネルでは、発光素子がガラス等の光透過性媒質の背後に配置される。つまり、発光素子の発光面は、屈折率が1よりも大きな光透過性媒質と、この光透過性媒質に接する空気との界面を介して観察される。この場合、発光素子からほぼ全ての角度に光が射出されるが、光透過性媒質と空気との界面では、射出光のうち入射角が臨界角を超える成分は全反射される。このため、実際に光透過性媒質を介して観測者側に取り出すことができる光は、観測者側へ向けて射出された光だけを考えると、全射出光のうち43%のみであり、さらに、観測者側の反対側へ向けて射出された光が全て利用されなかったとすると、全発光量のうち約20%しか利用できていないことになり、発光素子からの射出光を効率よく取り出すことが重要な課題となっている。
【0004】
このため、発光素子の上方に凸レンズ状の部材を設けて、平坦面のままでは全反射によって取り出せなかった光を観測者側に取り出す方法が考案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−135477号公報
【特許文献2】
特開平11−74072号公報
【特許文献3】
特開平10−172756号公報
【特許文献4】
特開平9−171892号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発光素子の上方に凸レンズを設ける方法では、理想的な放射分布特性を得ることができず、表示パネルにおいて自然な視認性を得ることができない。つまり、凸レンズを設けた場合の放射分布特性は、理想的な放射分布(Lambertの分布)と比較すると、極めて歪んだ放射特性を示し、かかる凸レンズ付の発光素子をディスプレイに応用した場合、自然な視認性を得ることができず、斜めから見た方が明るいといった非常に見づらいディスプレイとなっていた。
【0006】
そこで、本発明は、良好な放射分布特性を有し、自然な視認性を達成することができる表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る表示装置は、発光又は光変調を行う光能動素子を含む光射出領域を覆う光透過性部材と、光透過性部材の光射出側の面に形成されるとともに負の屈折力を有する微小光学素子とを備える。ここで、「光能動素子」とは、EL素子、液晶素子、LED等を含む。また、「負の屈折力」とは、微小光学素子に入射した平行光束が集光することなく発散することを意味する。
【0008】
上記表示装置では、負の屈折力を有する微小光学素子が光透過性部材の光射出側の面に形成されるので、光能動素子から光透過性部材を経て射出される光の分布特性を良好なものとすることができ、自然な視認性を有するディスプレイ等を提供することができる。
【0009】
上記表示装置の具体的態様では、光射出領域が光能動素子を含む発光領域である。この場合、自然発光型の発光素子から射出される光の放射分布特性を良好なものとすることができ、自然な視認性を有する自然発光型のディスプレイ等を提供することができる。
【0010】
上記表示装置の別の具体的態様では、微小光学素子が光能動素子に対向して複数設けられている。この場合、光透過性部材を経て射出される光の放射分布特性をさらに一様なものとすることができる。
【0011】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、光射出領域が2次元的に配列された複数の光能動素子を含む。この場合、光能動素子による2次元的な表示の視認性を良好なものとすることができる。
【0012】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が光透過性部材の光射出側の面に形成された凹面であり、この凹面の周囲が光透過性部材よりも低屈折率の媒体で満たされている。この場合、簡単な構造の微小光学素子を簡易に作製することができる
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、凹面が略球面状である。この場合、光透過性部材を経て射出される光の放射分布特性をほぼ理想的な放射分布(Lambertの分布)とすることができる。
【0013】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、凹面が円錐又は多角錐の側面形状を有する。この場合、光透過性部材を経て射出される光の放射分布特性を理想的な放射分布に近いものとすることができる。
【0014】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、光能動素子を含む光射出領域が上部に透明電極を有し、光透過性部材が透明電極を覆う被覆層であり、この被覆層の光射出側の面の周囲が屈折率約1の気体で満たされている。この場合、光能動素子を適宜封止しつつこれに給電を行うことができ、封止用の被覆層を利用して簡易に微小光学素子を形成することができる。
【0015】
上記表示装置のさらに別の具体的態様では、光透過性部材及び気体を収容する光透過性の蓋状の封止部材をさらに備える。この場合、封止部材によってより確実な封止が可能になり、光能動素子を構成する材料の劣化を抑えることが可能になる。
【0016】
また、本発明に係る製造方法は、発光又は光変調を行う光能動素子を含む光射出領域を有する表示装置の製造方法であって、光射出領域を覆う光透過性部材を形成する工程と、光透過性部材の光射出側の面に負の屈折力を有する微小光学素子を形成する工程とを備える。
【0017】
上記製造方法では、負の屈折力を有する微小光学素子が光透過性部材の光射出側の面に形成されるので、得られた表示装置において、光能動素子から光透過性部材を経て射出される光の分布特性を良好なものとすることができ、自然な視認性を有するディスプレイ等を提供することができる。
【0018】
また、上記製造方法の具体的態様では、光射出領域が自然発光型の発光素子を含む発光領域である。この場合、自然発光型の発光素子から射出される光の放射分布特性を良好なものとすることができ、自然な視認性を有する自然発光型のディスプレイ等を提供することができる。
【0019】
また、上記製造方法のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が、光射出領域上の被覆層の表面に感光性樹脂層を形成する工程と、この感光性樹脂層に露光量の変調によって所定の強度分布の露光を行う工程と、露光後のこの感光性樹脂層をエッチングによって部分的に除去する工程と、部分的に除去されたこの感光性樹脂層をマスクとして被覆層を部分的にエッチングする工程とによって形成される。この場合、微小光学素子を任意の3次元形状に制御することができるとともに、封止用の被覆層を利用して微小光学素子が形成されるので、微小光学素子すなわちこれを用いたディスプレイ等の対環境性(耐熱性、耐水性等)を高めることができる。
【0020】
また、上記製造方法の別の具体的態様では、凹面又は凸面のいずれか一方からなる微小光学素子を表面側に有する光透過性シートを光射出領域上に形成された被覆層の表面に貼り付けることによって、光透過性部材の上層及び微小光学素子を完成する。この場合、表示装置の作製が容易になり、また、別々に作製した部分を張り合わせるので、歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0021】
また、上記製造方法のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が、光射出領域上に形成された被覆層の表面を微小領域に区画するマイクロバンクを形成する工程と、このマイクロバンクによって区画された区画領域中に微小液滴を滴下する工程とによって形成される。この場合、表示装置の大型化が容易である。すなわち、大面積の基板にも比較的容易にマイクロバンクを形成することができ、各マイクロバンクに滴下された微小液滴が簡易に凹面等を形成することになるので、自然な視認性を有する大面積のディスプレイを簡易に提供することができる。
【0022】
また、上記製造方法のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が、光射出領域上に形成された被覆層の表面に光透過性の感光性樹脂層を形成する工程と、この感光性樹脂層に露光量の変調によって所定の強度分布の露光を行う工程と、露光後のこの感光性樹脂層をエッチングによって部分的に除去する工程とによって形成される。この場合、微小光学素子の3次元形状をフォトリソグラフィ技術を利用して任意のものに制御することができる。
【0023】
また、上記製造方法のさらに別の具体的態様では、微小光学素子が、光射出領域上を光透過性樹脂層で被覆する工程と、凸部を転写面に有する転写型を用いて樹脂層の上面に転写面に対応する形状を転写して微小光学素子とする工程とによって形成される。この場合、樹脂層として安価な材料を用いることとができ、これを用いたディスプレイ等の製造コストを抑えることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルの構造を概念的に説明する部分断面図である。このEL発光パネル10は、基板21上に、下部電極23と、電子注入層25と、発光層27と、ホール輸送層29と、透明電極層31と、被覆層33とを順次積層した構造となっている。
【0025】
ここで、基板21は、素子分離を可能にする例えばガラス等の絶縁性の材料であり、EL発光パネル10の支持体となっている。下部電極23は、例えばAl等の導電材料からなり、ミラーとしての機能も有する。電子注入層25は、電子を下部電極23から受けて発光層27に輸送するためのものであり、低分子化合物等の適当な材料で形成される。発光層27は、電子及びホールを効率よく結合させて発光する部分であり、金属錯体、低分子蛍光色素等の適当な材料で形成される。ホール輸送層29は、ホールを透明電極層31から受けて発光層27に輸送するためのものであり、低分子化合物等の適当な材料で形成される。透明電極層31は、ITO等の光透過性導電材料からなり、発光層27で発生しホール輸送層29を通過した発光光を外部に透過させる。被覆層33は、上記発光光に対して光透過性性を有するSiO2等の光透過性材料であり、その屈折率は、約1.5程度と周囲の空気の屈折率1よりも大きい。この被覆層33は、その光射出側の上面33aに半球状の凹部である多数の凹面33bを有している。各凹面33bは、空気との関係で負の屈折力を有する微小凹レンズとして機能し、全体として微小凹レンズからなるマイクロレンズアレイを構成する。ここで、被覆層33の雰囲気(空気)に対する屈折率比は、かなり大きなものとなるので、凹面33bによるレンズ効果を簡単に大きなものとすることができる。
【0026】
図2は、被覆層33上における多数の凹面33b(レンズアレイ)の配列を説明する図である。これらの凹面33bは、被覆層33上で中心が直径d分だけ互いに離間する状態で2次元的に最密に配列されている。このようなレンズアレイの充填率は約90%程度となり、高い光利用効率を達成することができる。具体的な実施例では、凹面33bすなわち凹レンズの直径dを20μmとした。
【0027】
以上において、下部電極23、電子注入層25、発光層27、ホール輸送層29、及び透明電極層31は、自然発光型の有機EL発光素子を構成し、これ自体で発光領域となっている。この発光素子からの射出光は、被覆層33を経て上方空間に射出して観察者の目に入射する。この際、被覆層33の上面33aに凹レンズとして機能する多数の凹面33bが設けられているので、発光層27から被覆層33を経て射出される光の放射分布特性が良好なものとなる。これにより、自然な視認性を有するディスプレイ等を提供することができる。さらに、発光層27からの光が被覆層33の上面33aに本来臨界角以上で入射するような場合であっても、凹面33bの存在によって被覆層33の上方に全反射させることなく射出させることができる。つまり、発光光の効率的な取り出しが可能になる。
【0028】
図3は、図1に示すようなEL発光パネル10の配光分布を示すグラフである。このグラフにおいて、同心円によって観測光の強度が示され、その中心を通る傾斜した直線によって光源の中心軸に対する観測光の傾斜角が示されている。なお、実線は、中心軸の周囲のうち0°方向の分布特性であり、点線は、中心軸の周囲のうち90°方向の分布特性である。グラフからも明らかなように、実施形態のEL発光パネル10の放射分布特性は、比較的理想的なランバート分布に近いものとなっている。
【0029】
一方、図4は、図1に示すEL発光パネル10とほぼ同一の層構造であるが、剥き出しの発光素子上に透明プレートを配置した構造のEL発光パネルの配光分布を示すグラフである。この場合も、放射分布特性がランバート分布となっているが、光利用効率は図2の場合に比較して0.68倍程度に低下している。例えば正面輝度に関しては、実施形態に係るEL発光パネル10の方が0.16/0.11=1.45倍程度大きな値を示すことが分かる。
【0030】
また、図5は、図1に示すEL発光パネル10と同一の層構造であるが、表面に凸レンズを形成した従来型のEL発光パネルの配光分布を示すグラフである。この場合、光利用効率は図2の場合と同等であるが、放射分布特性がランバート分布から大きく外れている。例えば正面輝度に関しては、実施形態に係るEL発光パネル10の方が0.16/0.13=1.23倍程度大きな値を示すことが分かる。
【0031】
以下、図1に示すEL発光パネル10の製造方法について説明する。まず、基板21を準備して、この基板21上にスパッタリング等を用いてAl等の材料を堆積することにより下部電極23を形成する。次に、下部電極23上に、滴下成膜等の各種塗布法を用いて半導電性の適当な有機材料を順次積層することにより、電子注入層25、発光層27、及びホール輸送層29を形成する。次に、ホール輸送層29上にスパッタリング等の方法を用いてITOを堆積することにより透明電極層31を形成する。次に、CVD等の方法を用いてSiO2を堆積することによって透明電極層31を覆う被覆層33を形成する。最後に、被覆層33の上面33aに2次元的に格子状に配列された多数の凹面33bを形成する。
【0032】
図6は、被覆層33上に多数の凹面33bからなるレンズアレイを形成する工程を概念的に説明する図である。まず、図6(a)に示すように、ほぼ平坦な被覆層33を形成したEL発光パネル10を準備し、その上面を被覆するようにレジスト等の感光性樹脂41を均一に塗布する。なお、EL発光パネル10のうち下側の本体パネル10aは、図1に示す基板21、下部電極23、電子注入層25、発光層27、ホール輸送層29、及び透明電極層31を積層したものであり、この本体パネル10a上には、被覆層33が形成されている。
【0033】
次に、レンズアレイとなる複数の凹面33bの配列に対応する透過率パターンPAを有するマスクMKを用いて感光性樹脂41を露光すると、感光性樹脂41が露光量に応じて部分的に可溶化するので、この可溶化した部分41aを現像によって除去することにより、感光性樹脂41に所望の配列及び深さの凹面41bを形成することができる(図6(b)参照)。次に、凹面41bを備える感光性樹脂41をマスクとしてRIE等のドライエッチングを施すことによって、感光性樹脂41の下地層となっている被覆層33の上面33aに所望の曲率半径のほぼ滑らかな凹面33bを形成することができる(図6(c)参照)。このようにして形成した被覆層33は、無機材料のみからなるので、一般に耐環境性(耐熱性、耐水性)に優れる。
【0034】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第2実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものであり、共通する部分については同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0035】
図7は、第2実施形態のEL発光パネルの構造を概念的に説明する部分断面図である。このEL発光パネル110は、基板21の表面上に堆積された絶縁膜151上に、下部電極23と、電子注入層25と、発光層27と、ホール輸送層29と、透明電極層31と、被覆層33とを順次積層した構造となっている。さらに、基板21上には、光透過性の封止部材153が適当な接着剤を利用して固定されている。この封止部材153は、下面側に段差状の陥凹部153aを有しており、基板21との協働によって封止空間SSを形成する。この封止空間SSには、下部電極23、電子注入層25、発光層27、ホール輸送層29、透明電極層31、及び被覆層33からなる発光素子LEが気密に収容される。封止空間SS中には、屈折率約1のN2、Ar等の不活性ガスが封入される。封止部材153に形成された陥凹部153aの隅部分、すなわち矩形の外周部分には、必要に応じて吸着部材155が取り付けられる。吸着部材155は、封止空間SS中の不要なガス成分(例えば水分)を吸収する役割を有する。
【0036】
なお、図示を省略しているが、この封止空間SS中には、多数の発光素子LEが収容されている。さらに、発光素子LEに隣接して駆動用の半導体素子(不図示)も形成されている。この半導体素子から延びる配線は、絶縁膜151に設けたスルーホール等を介して下部電極23及び透明電極層31に対して接続されている。
【0037】
第2実施形態のEL発光パネルの場合も、発光素子LEからの射出光が被覆層33の光射出側に設けた多数の凹面33bを経て観察者の目に入射するので、外部から観察される発光光の放射分布特性が良好なものとなり、発光光の効率的な取り出しが可能になる。つまり、自然な視認性を有し高輝度のディスプレイ等を提供することができる。さらに、このEL発光パネルは、発光素子LEが封止部材153中に封入されているので、パッシベーションを確実なものとすることができ、発光素子LEの劣化を抑えることができる。
【0038】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第3実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものである。
【0039】
図8は、第3実施形態のEL発光パネルの構造を概念的に説明する部分断面図である。このEL発光パネル210は、被覆層233の構造がこれまでと異なる。この被覆層233は、比較的低屈折率の下層233aと比較的高屈折率の上層233bとからなる。さらに、下層233aの光出射面すなわち上層233bとの界面には、半球状の多数の凸面233cが形成されている。この凸面233cは、両層の屈折率差に起因して凹レンズとして機能する。この場合、下層233aを例えば図6に示す方法と同様の方法で加工して所望の配列の凸面233cを形成し、その上に高屈折率の無機又は有機材料を平坦に堆積又は塗布することによって上層233bとする。
【0040】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第4実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものである。
【0041】
図9は、第4実施形態のEL発光パネルの被覆層上におけるマイクロレンズアレイの配列を説明する平面図である。マイクロレンズアレイを構成する各凹レンズに対応する凹面333b、333cは、被覆層上で中心がランダムな距離だけ互いに離間する状態で近接して配列されている。この場合、マイクロレンズアレイは、大きな半径の凹面333bと小さな半径の凹面333cとが混在した配列となっている。このように凹レンズのサイズを2種類以上設けてランダムに配列することにより、ムラや干渉縞等のない視認性の良い画像を提供することができる。
【0042】
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第5実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものである。
【0043】
図10は、第5実施形態のEL発光パネルの被覆層上におけるマイクロレンズアレイの配列を説明する平面図である。このEL発光パネルの発光領域は、各色R、G、及びBに対応するセルCR、CG、CBを備える。各セルCR、CG、CBは、有機EL発光素子を構成し、材料の選択によってR、G、及びBの各色をそれぞれ発光する画素となっている。そして、各セルCR、CG、CBの間は、遮光されるブラックマトリックスBMとなっている。これらの各セルCR、CG、CB及びブラックマトリックスBMの上層は、封止用の被覆層となっており、この被覆層の上面には、格子状に2次元に等間隔で配列される多数の凹面433bが形成されている。
【0044】
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第6実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルの製造方法を変形したものである。
【0045】
図11は、第6実施形態のEL発光パネルの製造方法を概念的に説明する図である。この場合、EL発光パネル510の被覆層533をリソグラフィ技術を用いて直接除去してマイクロレンズアレイを形成する。まず、有機EL発光素子を積層した本体パネル10aまでを準備し、その上面を被覆するようにレジスト等の光透過性の感光性樹脂からなる被覆層533を均一に塗布する。次に、マイクロレンズアレイとなるべき凹面533bの配列に対応する透過率パターンPAを有するマスクMKを用いて被覆層533を露光すると、感光性樹脂である被覆層533が露光量に応じて部分的に可溶化するので、この可溶化した部分533aを現像によって除去することにより、被覆層533の上面に所望の配列及び深さを有する滑らかな凹面533bを形成することができる。
【0046】
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第7実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルの製造方法を変形したものである。
【0047】
図12は、第7実施形態のEL発光パネルの製造方法を概念的に説明する図である。このEL発光パネル610では、本体パネル610a上に樹脂製のレンズアレイシート633を貼り付ける。すなわち、まず、有機EL発光素子を積層した後に被覆層を形成した本体パネル610aを準備し(図12(a)参照)、その上面に凹レンズに対応する多数の凹面633bを有するレンズアレイシート633を一端側から徐々に貼り付けて全体がレンズアレイシート633で覆われるようにする(図12(b)参照)。レンズアレイシート633は、裏面に設けた接着剤によって本体パネル610aの上面すなわち封止用の被覆層に密着する。レンズアレイシート633の表面には、図1等に示す凹面形状と同一形状の凹面633bが形成されており、本体パネル610a内部の発光素子からの射出光は、この凹面633bを経て観察者の目に入射する。レンズアレイシート633は、例えば樹脂をシート状に延伸加工する際に片側のロールに多数の凸面を設けて引き出すこと等によって簡易に作製することができる。このようなレンズアレイシート633を用いると、EL発光パネルの製造工程が簡単なものになり、EL発光を簡易に大型化することができる。さらに、別々に作製した本体パネル610aとレンズアレイシート633とを貼り合わせるので、歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0048】
図13は、図12のEL発光パネルを変形したものを示す。このEL発光パネル710では、レンズアレイシート733の上下面が平坦になっている。つまり、レンズアレイシート733は、図12のレンズアレイシート633と同一形状の下側層733aと、この下側層733aを保護する上側層733bとを備え、両層733a、733bの間に多数の凹面733cが形成されている。上側層733bの屈折率は、下側層733aの屈折率よりも低くなっているので、本体パネル610a内部の発光素子からの射出光は、凹レンズとしての機能を有する多数の凹面733cを経て観察者の目に入射する。
【0049】
〔第8実施形態〕
以下、第8実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第8実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルの製造方法を変形したものである。
【0050】
図14は、第8実施形態のEL発光パネルの製造方法を概念的に説明する図である。このEL発光パネル810では、本体パネル810a上に液滴で形成したレンズを設ける。具体的には、有機EL発光素子を積層し被覆層を形成した本体パネル810aを準備し、その上面に光透過性のマイクロバンク861を形成する。このようなマイクロバンク861は、インクジェットのような微小液滴吐出装置、リソグラフィ技術、各種印刷技術等を用いて簡易に形成することができる。なお、上記のうち微小液滴吐出装置、例えばピエゾジェット式記録ヘッドを用いた場合、大面積に亘って微細な形状を精度良く形成することができる。
【0051】
図15は、マイクロバンク861の平面形状の例を示す図であり、図15(a)の場合、矩形の開口O1が形成されており、図15(b)の場合、円形の開口O2が形成されている。以上は例示であり、ランダムに配置した開口を形成することもでき、開口のサイズも2種類以上とすることができる。
【0052】
図14に戻って、次に、インクジェットのような微小液滴吐出装置863を利用して、本体パネル810a上に形成した各マイクロバンク861の開口に凹レンズとなるべき液滴材料865を順次滴下する。この際、液滴材料865の組成(粘度、表面張力)、体積等を調節することにより、液滴材料865の表面張力等を利用してマイクロバンク861の各開口中に微小凹レンズ867を形成することができる。ここで、液滴材料865は、マイクロバンク861の材料と混合しにくいものとすることが望ましい。このため、一方を親水性の組成とし、他方を疎水性の組成とすることが考えられるが、マイクロバンク861を熱、光等の手段で硬化させて液滴材料865に侵食されない状態とすることもできる。また、微小凹レンズ867も、滴下後放置するだけでなく、熱、光等の手段によって強制的に硬化させることができる。
【0053】
なお、本実施形態においては、理解を容易にするため、微小液滴吐出装置863のヘッドを1つだけ示してあるが、大面積に亘って液滴材料865の吐出を行うため、ヘッドを複数個並置し、それらを本体パネル810aの全面に亘りスキャニングすることにより、量産性を高め得る。
【0054】
このようにして形成した微小凹レンズ867は、本体パネル810a内部の発光素子からの射出光を透過させ、凹レンズとして機能する。よって、本体パネル810a内部の発光素子からの射出光は、多数の微小凹レンズ867を経て観察者の目に入射する。なお、このように、微小液滴吐出装置863を用いるレンズアレイの形成方法は、パネルの大型化に比較的容易に対応することができ、大型で視認性に優れるディスプレイを簡易に製造することができる。
【0055】
以上の実施形態において、マイクロバンク861の面積に対してこれに形成した開口の面積の比が大きい場合、マイクロバンク861を光吸収性の材料で形成することもできる。
【0056】
〔第9実施形態〕
以下、第9実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第9実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルの製造方法を変形したものである。
【0057】
図16は、第9実施形態のEL発光パネルの製造方法を概念的に説明する図である。このEL発光パネル910では、転写型971を用いてマイクロレンズアレイを形成する。すなわち、まず有機EL発光素子を積層し被覆層を形成した本体パネル910aを準備し、その上面にほぼ平坦な光透過性樹脂層973を形成する。このような光透過性樹脂層973は、熱可塑性の材料からなり、塗布等によって形成することができ、光透過性シートを接着剤で付着させることによっても形成することができる(図16(a)参照)。次に、光透過性樹脂層973の上面973aに適当に加熱された転写型971を押し付けることにより、転写型971の転写面に形成された半球状の突起971aが上面973aに転写される(図16(b)参照)。転写型971を冷却しつつ一定時間後に離型すれば、光透過性樹脂層973の上面973aに所望の配列及び深さを有する滑らかな複数の凹面973bを形成することができる(図16(c)参照)。これらの凹面973bは、本体パネル910a内部の発光素子からの射出光に対して凹レンズとして機能する。この実施形態のEL発光パネル910は、安価な樹脂材料を用いて形成することができるので、これを用いたディスプレイを安価なものとすることができる。
【0058】
〔第10実施形態〕
以下、第10実施形態に係る表示装置であるEL発光パネルについて説明する。第10実施形態のEL発光パネルは、第1実施形態に係るEL発光パネルを変形したものである。
【0059】
図17は、第10実施形態のEL発光パネルの構造を説明する部分断面図である。このEL発光パネル1010は、有機EL発光素子を積層した本体パネル1010a上に被覆層1033を備える。この被覆層1033の上面1033aには、図1等の場合と異なり円錐側面状の凹面1033bが形成されており、本体パネル610a内部の発光素子からの射出光は、この凹面1033bを経て観察者の目に入射する。この凹面1033bは、平行光束を発散させる点で、広義に負の屈折力を有するものと考えることができる。このように、被覆層1033の光射出側に負の屈折力を有する多数の凹面1033bが設けられているので、発光層27から被覆層1033を経て射出される光の放射分布特性が比較的良好なものとなり、発光光の効率的な取り出しが可能になる。
【0060】
なお、凹面1033bは、円錐側面とする必要はなく、多角錐の側面とすることもできる。
【0061】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、有機EL発光パネルを代表例として説明したが、無機EL発光パネルにおいて上記のような凹レンズアレイ等を設けることができ、さらに液晶素子等の各種光能動素子を備える液晶パネルにおいても上記と同様に光射出面側に凹レンズアレイ等を設けることができる。なお、EL発光パネルにおいて、電子注入層25やホール輸送層29は必須のものでなく、発光層27の材料の選択等によって省略することもできる。
【0062】
また、発光パネルを構成する材料は、上記実施形態で例示したものに限らず、各種材料に置き換え得ることはいうまでもない。
【0063】
また、上記実施形態では、基板21の反対側に光を取り出しているが、基板21側に発光光を取り出すこともできる。この場合、例えばガラス等の光透過性の基板21側に透明電極を形成し、基板21の表面(透明電極の反対側)に凹面等からなるレンズアレイを形成することになる。
【0064】
さらに、上記のような表示パネルは、携帯電話やカーナビの表示部、PC用モニタ、TV、大型TV、フレキシブルディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ等の各種分野に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るEL発光パネルの部分断面図である。
【図2】被覆層上における凹面の配列を説明する図である。
【図3】図1の発光パネルの配光分布を示す。
【図4】表面が平坦な発光パネルの配光分布を示す。
【図5】表面に凸レンズを有する発光パネルの配光分布を示す。
【図6】凹面を形成する工程を概念的に説明する図である。
【図7】第2実施形態の発光パネルを説明する図である。
【図8】第3実施形態の発光パネルを説明する図である。
【図9】第4実施形態の発光パネルを説明する平面図である。
【図10】第5実施形態の発光パネルを説明する平面図である。
【図11】第6実施形態の発光パネルの製造方法を説明する図である。
【図12】第7実施形態の発光パネルの製造方法を説明する図である。
【図13】第7実施形態の変形例を説明する図である。
【図14】第8実施形態の発光パネルの製造方法を説明する図である。
【図15】(a)、(b)は、マイクロバンクの形状を示す図である。
【図16】(a)〜(c)は、第9実施形態を説明する図である。
【図17】第10実施形態の発光パネルを説明する図である。
【符号の説明】
10 発光パネル、 10a 本体パネル、 21基板、 23下部電極、 25電子注入層、 27 発光層、 29 ホール輸送層、 31透明電極層、
33 被覆層、 33a 上面、 33b 凹面
Claims (16)
- 発光又は光変調を行う光能動素子を含む光射出領域を覆う光透過性部材と、
前記光透過性部材の光射出側の面に形成されるとともに負の屈折力を有する微小光学素子と
を備える表示装置。 - 前記光射出領域は、自然発光型の発光素子を含む発光領域であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記微小光学素子は、前記光能動素子に対向して複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記光射出領域は、2次元的に配列された複数の光能動素子を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記微小光学素子は、前記光透過性部材の光射出側の面に形成された凹面であり、当該凹面の周囲は、前記光透過性部材よりも低屈折率の媒体で満たされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載の表示装置。
- 前記凹面は、略球面状であることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
- 前記凹面は、円錐又は多角錐の側面形状を有することを特徴とする請求項5記載の表示装置。
- 前記光能動素子を含む光射出領域は、上部に透明電極を有し、前記光透過性部材は、前記透明電極を覆う被覆層であり、当該被覆層の前記光射出側の面の周囲は、屈折率約1の気体で満たされていることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
- 前記光透過性部材及び前記気体を収容する光透過性の蓋状の封止部材をさらに備えることを特徴とする請求項8記載の表示装置。
- 発光又は光変調を行う光能動素子を含む光射出領域を有する表示装置の製造方法であって、
前記光射出領域を覆う光透過性部材を形成する工程と、
前記光透過性部材の光射出側の面に、負の屈折力を有する微小光学素子を形成する工程とを備えることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 前記光射出領域は、自然発光型の発光素子を含む発光領域であることを特徴とする請求項10記載の表示装置の製造方法。
- 前記微小光学素子は、前記光射出領域上の被覆層の表面に感光性樹脂層を形成する工程と、当該感光性樹脂層に露光量の変調によって所定の強度分布の露光を行う工程と、露光後の当該感光性樹脂層をエッチングによって部分的に除去する工程と、部分的に除去された当該感光性樹脂層をマスクとして前記被覆層を部分的にエッチングする工程とによって形成されることを特徴とする請求項10記載の表示装置の製造方法。
- 凹面又は凸面のいずれか一方からなる前記微小光学素子を表面側に有する光透過性シートを前記光射出領域上に形成された被覆層の表面に貼り付けることによって、前記光透過性部材の上層及び前記微小光学素子を完成することを特徴とする請求項10記載の表示装置の製造方法。
- 前記微小光学素子は、前記光射出領域上に形成された被覆層の表面を微小領域に区画するマイクロバンクを形成する工程と、当該マイクロバンクによって区画された前記区画領域中に微小液滴を滴下する工程とによって形成されることを特徴とする請求項10記載の表示装置の製造方法。
- 前記微小光学素子は、前記光射出領域上に形成された被覆層の表面に光透過性の感光性樹脂層を形成する工程と、当該感光性樹脂層に露光量の変調によって所定の強度分布の露光を行う工程と、露光後の当該感光性樹脂層をエッチングによって部分的に除去する工程とによって形成されることを特徴とする請求項10記載の表示装置の製造方法。
- 前記微小光学素子は、前記光射出領域上を光透過性樹脂層で被覆する工程と、凸部を転写面に有する転写型を用いて前記樹脂層の上面に前記転写面に対応する形状を転写して前記微小光学素子とする工程とによって形成されることを特徴とする請求項10記載の表示装置の製造方法。
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