JP2010038069A - ポンプ及びヒートポンプ式給湯装置及びポンプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明に係るポンプ10は、固定子に基板を組付け、モールド成形してなるモールド固定子50と、水の吸水口42と吐出口43とを有するケーシング41と、回転子部60aと羽根車60bとを備える回転子60が嵌合する椀状隔壁部90aと、鍔部90bとを備える椀状隔壁部品90とを組付けてなるポンプ部40と、モールド固定子50の内周部に軸方向に形成される第1の溝51と、ポンプ部40の椀状隔壁部品90の椀状隔壁部90aの外周面に形成され、鍔部90bとの連結部から軸方向に所定長さ延びるリブ91とを備え、モールド固定子50とポンプ部40とを組付ける際に、第1の溝51とリブ91とが嵌合することにより、モールド固定子50とポンプ部40との回転方向の位置決めがなされることを特徴とする。
【選択図】図6
Description
水の吸水口と吐出口とを有するケーシングと、内部に軸が回転できないように装着され前記軸に回転子部と羽根車とを備える回転子が嵌合する椀状隔壁部と、鍔部とを備える椀状隔壁部品とを組付けてなるポンプ部と、
前記モールド固定子の内周部に軸方向に形成される第1の溝と、
前記ポンプ部の前記椀状隔壁部品の前記椀状隔壁部の外周面に形成され、前記鍔部との連結部から軸方向に所定長さ延びるリブとを備え、
前記モールド固定子と前記ポンプ部とを組付ける際に、前記第1の溝と前記リブとが嵌合することにより、前記モールド固定子と前記ポンプ部との回転方向の位置決めがなされることを特徴とする。
本実施の形態1は、ポンプ部とモールド固定子とを備えるポンプにおいて、ポンプ部の椀状隔壁部品とモールド固定子との嵌合の回転方向の位置決めが確実になされ、ポンプの組立が容易に行うことができる点に特徴がある。
(1)厚さが0.1〜0.7mm程度の電磁鋼板が帯状に打ち抜かれ、かしめ、溶接、接着等で積層された帯状の固定子鉄心54を製作する。帯状の固定子鉄心54は、複数個のティースを備える。図2、図3に示すモールド固定子50の内周部に、固定子鉄心54のティースの先端部が露出している。ここで示す固定子鉄心54は、薄肉連結部で連結されている6個のティースを有するので、図2、図3においても、6箇所に固定子鉄心54のティースの先端部が露出している。
(2)ティースには、絶縁部56(図4)が施される。絶縁部56は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を用いて、固定子鉄心54と一体に又は別体で成形される。
(3)絶縁部56が施されたティースに集中巻のコイル57が巻回される。6個の集中巻のコイル57を接続して、三相のシングルY結線の巻線を形成する。
(4)三相のシングルY結線であるので、絶縁部56の結線側には、各相(U相、V相、W相)のコイル57が接続される端子59(電源が供給される電源端子及び中性点端子)が組付けられる。電源端子は3個、中性点端子は1個である。
(5)基板58が結線側の絶縁部56(端子59を組付けられる側)に取り付けられる。基板58は、図示しない基板押え部品により絶縁部56との間に挟持される。基板58には、電動機(ブラシレスDCモータ)を駆動するIC58a(駆動素子)、回転子の位置を検出するホール素子58b(位置検出素子)等が実装されている。IC58aやホール素子58bを電子部品と定義する。また、基板58には、その外周縁部付近の切り欠き部にリード線52を口出しするリード線口出し部品61が、取り付けられる。
(6)リード線口出し部品61が取り付けれたられた基板58が基板押え部品により絶縁部56に固定され、端子59と基板58とが半田付けされた電動機の固定子組立をモールド樹脂53によりモールド成形することにより、モールド固定子50が得られる。
(1)水の吸水口42と吐出口43とを有し、内部に回転子の羽根車を収納するケーシング41。ケーシング41は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などの熱可塑性樹脂を用いて成形される。ケーシング41には、吸水口42側の端部に、モールド固定子50が締結されるタッピングネジ160用の下穴44aを有するボス部44が4箇所に個設けられる。また、ケーシング41には、ポンプ10を、例えば、ヒートポンプ式給湯装置のタンクユニット200に固定するための孔45aを有する取付脚45を2箇所に備える。
(2)第1のスラスト軸受71a。第1のスラスト軸受71aの材質は、例えば、アルミナ等のセラミックである。回転子60は、ポンプ10の運転中、回転子60に作用する水の圧力がケーシング41の吸水口42側が低く、回転子部60a側の水の圧力が高いため、第1のスラスト軸受71aを介してケーシング41に押し付けられている。そのため、セラミックを材料とする第1のスラスト軸受71aが必要となる。
(3)回転子60。回転子60は、回転子部60aと、羽根車60bとを備える。回転子部60aは、フェライト等の磁性粉末と樹脂を混練したペレットを成形したリング状(円筒状)の樹脂マグネット68と、樹脂マグネット68の内側に設けられる円筒形のスリーブ軸受66(例えば、カーボン製)とが、例えばPPE(ポリフェニレンエーテル)等の樹脂67で一体化される。羽根車60bは、例えばPPE(ポリフェニレンエーテル)等の樹脂成形品である。回転子部60aと、羽根車60bとが超音波溶着等により接合される。
(4)軸70。椀状隔壁部品90の軸支持部94に軸70の一端が挿入され、軸70の他端がケーシング41の軸支持部46に挿入される。椀状隔壁部品90の軸支持部94に挿入される軸70の一端は、軸支持部94に対して回転しないように挿入される。そのため、軸70の一端は所定の長さ(軸方向)円形の一部を切り欠いている。軸支持部94の孔もそれに合わせた形状になっている。ケーシング41の軸支持部46に挿入される軸70の他端も所定の長さ(軸方向)円形の一部を切り欠いている。即ち、軸70は長さ方向に対称形である。但し、軸70の他端は、ケーシング41の軸支持部46に回転可能に挿入される。軸70が長さ方向に対称形なのは、軸70を椀状隔壁部品90の軸支持部94に挿入する際に、上下の向きを意識することなく組立を可能とするためである。
(5)第2のスラスト軸受71b。第2のスラスト軸受71bの材質はSUSである。回転子60は、ポンプ10の運転中、回転子60に作用する水の圧力がケーシング41の吸水口42側が低く、回転子部60a側の水の圧力が高いため、第1のスラスト軸受71aを介してケーシング41に押し付けられているので、スリーブ軸受66と第2のスラスト軸受71bとの間に隙間があり、スリーブ軸受66は第1のスラスト軸受71aに接触しない。しかし、運転状態によっては、その状態が変化して、スリーブ軸受66が第2のスラスト軸受71bを介して椀状隔壁部品90の軸支持部94に当たるケースも考えられる。特に、ケーシング41の吸水口42が上になる状態でポンプ10が使用される場合で、ポンプ10の吸入圧力と吐出圧力との差が小さいときに、その現象が発生することが考えられる。そこで、念のために第2のスラスト軸受71bを使用している。
(6)Oリング80。Oリング80は、ポンプ部40のケーシング41と椀状隔壁部品90とのシールを行う。
(7)椀状隔壁部品90。椀状隔壁部品90は、PPE(ポリフェニレンエーテル)などの熱可塑性樹脂を用いて成形される。椀状隔壁部品90は、モールド固定子50との嵌合部である椀状隔壁部90aと、鍔部90bとを備える。椀状隔壁部90aは、円形の底部と円筒形の隔壁とで構成される。円形の底部の内面の略中央部に、軸70の一端が挿入される軸支持部94が立設している。椀状隔壁部90aの外周面に軸方向に延びるリブ91が形成されている。リブ91は、椀状隔壁部90aの根元(鍔部90bとの連結部)から軸方向に所定長さ形成されている。そして、リブ91の径方向の寸法は、椀状隔壁部90aの根元側が大きく、先に行くに従って小さくなるテーパ形状である。鍔部90bには、鍔部90bを補強する補強リブ92が径方向に放射状に6個形成されている。その中の任意の一つの補強リブ92に椀状隔壁部90aのリブ91が接続している。これにより、椀状隔壁部品90の成形金型の製作が容易になる。また、鍔部90bには、モールド固定子50の椀状隔壁部品90の鍔部設置面63に形成される環状の第3の溝65に納まる環状リブ93を備える。また、鍔部90bには、タッピングネジ160が通る孔90dが4箇所に形成されている。さらに、鍔部90bのケーシング41側の面に、Oリング80を収納する環状のOリング収納溝90cが形成されている。
(1)ステップ1:固定子を製造する。先ず、厚さが0.1〜0.7mm程度の電磁鋼板が帯状に打ち抜かれ、かしめ、溶接、接着等で積層され、薄肉連結部で連結された帯状の固定子鉄心54を製作する。ティースには、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂を用いる絶縁部56が施される。絶縁部56が施されたティースに集中巻のコイル57が巻回される。例えば、6個の集中巻のコイル57を接続して、三相のシングルY結線の巻線を形成する。三相のシングルY結線であるので、絶縁部56の結線側には、各相(U相、V相、W相)のコイル57が接続される端子59(電源が供給される電源端子及び中性点端子)が組付けられる。併せて、基板58を製造する。基板58は、基板押え部品により絶縁部56との間に挟持される。基板58には、電動機(ブラシレスDCモータ)を駆動するIC58a、回転子の位置を検出するホール素子58b等が実装されている。また、基板58には、その外周縁部付近の切り欠き部にリード線52を口出しするリード線口出し部品61が、取り付けられる。併せて、回転子部60aを製造する。回転子部60aは、フェライト等の磁性粉末と樹脂を混練したペレットを成形したリング状(円筒状)の樹脂マグネット68と、樹脂マグネット68の内側に設けられる円筒形のスリーブ軸受66(例えば、カーボン製)とが、例えばPPE(ポリフェニレンエーテル)等の樹脂67で一体化される。さらに、併せて、羽根車60bを成形する。羽根車60bは、PPE(ポリフェニレンエーテル)などの熱可塑性樹脂を用いて成形される。
(2)ステップ2:基板58を固定子に固定する。リード線口出し部品61が取り付けれたられた基板58が基板押え部品により絶縁部56に固定される。併せて、回転子部60aに羽根車60bを超音波溶着等により組付ける。併せて、椀状隔壁部品90を成形する。併せて、軸70と第1のスラスト軸受71a、第2のスラスト軸受71bを製造する。軸70は、SUSで製造される。第1のスラスト軸受71aは、セラミックで製造される。第2のスラスト軸受71bは、SUSで製造される。
(3)ステップ3:端子59(電源が供給される電源端子及び中性点端子)と基板58とを半田付けする。椀状隔壁部品90に回転子60等を組付ける。さらに、併せて、ケーシング41を成形する。ケーシング41は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などの熱可塑性樹脂を用いて成形される。
(4)ステップ4:固定子をモールド成形して、モールド固定子50を製造する。併せて、椀状隔壁部品90にケーシング41を固定してポンプ部40を組立てる。さらに、併せて、タッピングネジ160を製造する。
(5)ステップ5:ポンプ10の組立を行う。モールド固定子50にポンプ部40を組付けタッピングネジ160で固定する。モールド固定子50とポンプ部40とを組み付ける際、モールド固定子50の内径に備える第1の溝51と、椀状隔壁部品90のモールド固定子50の内径との椀状隔壁部90aに備えるリブ91とが嵌合うことにより、回転方向に対する位置決めとなる。
Claims (6)
- 固定子鉄心の絶縁部が施された複数のティースに巻線してコイルを形成した固定子に、電子部品を実装するとともにリード線を口出しするリード線口出し部品が取り付けられた基板を組付け、熱硬化性樹脂でモールド成形してなるモールド固定子と、
水の吸水口と吐出口とを有するケーシングと、内部に軸が回転できないように装着され前記軸に回転子部と羽根車とを備える回転子が嵌合する椀状隔壁部と、鍔部とを備える椀状隔壁部品とを組付けてなるポンプ部と、
前記モールド固定子の内周部に軸方向に形成される第1の溝と、
前記ポンプ部の前記椀状隔壁部品の前記椀状隔壁部の外周面に形成され、前記鍔部との連結部から軸方向に所定長さ延びるリブとを備え、
前記モールド固定子と前記ポンプ部とを組付ける際に、前記第1の溝と前記リブとが嵌合することにより、前記モールド固定子と前記ポンプ部との回転方向の位置決めがなされることを特徴とするポンプ。 - 前記第1の溝は、前記モールド固定子の前記椀状隔壁部品の鍔部設置面から前記椀状隔壁部品の前記椀状隔壁部の挿入部の底面まで形成され、前記ポンプ部が前記モールド固定子に挿入された状態で、前記第1の溝と前記リブとの間に所定の寸法の隙間が形成され、前記隙間を前記モールド固定子に前記ポンプ部を挿入する際の空気逃がしとすることを特徴とする請求項1記載のポンプ。
- 前記リブの径方向の寸法は、前記鍔部との連結部側が大きく、先に行くに従って小さくなるテーパ形状とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポンプ。
- 前記椀状隔壁部品の前記鍔部の前記モールド固定子側の面に、前記鍔部を補強する補強リブが径方向に放射状に形成され、前記補強リブの任意の一つのに前記椀状隔壁部の前記リブが接続していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポンプ。
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と水とが熱交換を行う冷媒−水熱交換器と、高圧の冷媒を減圧膨張させる減圧装置と、低圧の二相冷媒を蒸発させる蒸発器とを冷媒配管によって環状に接続された冷媒回路を有するヒートポンプユニットと、
前記冷媒−水熱交換器で高温・高圧の冷媒と熱交換することにより加熱された湯水を貯湯する温水タンクと、前記冷媒−水熱交換器と前記温水タンクの間に配置されたポンプとを有するタンクユニットと、
ユーザが運転操作などを行う操作部とを備え、
前記ポンプに請求項1乃至4のいずれかに記載のポンプを用いることを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。 - 固定子鉄心のティースに絶縁部を施し、前記絶縁部が施された前記ティースにコイルを巻回して固定子を製造し、電子部品が実装されるとともにリード線を口出しするリード線口出し部品が取り付けられる基板を製造し、樹脂マグネットと前記樹脂マグネットの内側に設けられるスリーブ軸受とが樹脂で一体化して回転子部を製造し、さらに羽根車を製造する第1の工程と、
前記基板を前記固定子に組付け、前記回転子部に前記羽根車を超音波溶着等により組付けて回転子を製造し、椀状隔壁部品を成形し、さらに軸とスラスト軸受を製造する第2の工程と、
前記固定子の端子と基板とを半田付けし、前記椀状隔壁部品に前記回転子を組付け、さらにケーシングを成形する第3の工程と、
前記固定子をモールド成形してモールド固定子を製造し、前記椀状隔壁部品に前記ケーシングを固定してポンプ部を組立て、さらにタッピングネジを製造する第4の工程と、
前記モールド固定子に前記ポンプ部を組付け、前記タッピングネジで固定してポンプの組立を行う第5の工程とを備えたことを特徴とするポンプの製造方法。
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