以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明は実施形態に限定されるものではない。
図1は第一実施形態に係る見切部材10の外観斜視図である。また図2には、見切部材10の長手方向に直交する断面を示した。図1、及び図2からわかるように、見切部材10は、図2に示した断面を有して長手方向に延在する長尺の部材である。
見切部材10は、図2に表される断面において、該見切部材10の幅方向に延在する第一ベース片11を有している。第一ベース片11の一端側には、その端部が折り返されるように形成される折り返し片11aが設けられている。一方、第一ベース片11の端部のうち、折り返し片11aが備えられる側とは反対側の端部には、第一ベース片11から折り返されるとともに該第一ベース片11に沿って第二ベース片12が具備されている。
さらに第二ベース片12の端部のうち第一ベース片11に連結されていない側の端部からは、立設片13が第二ベース片12から立設されている。
立設片13の端部のうち第二ベース片12に連結されていない側の端部からは、第一ベース片11に略平行で、第二ベース片12から離隔する方向に延在するかぶせ片14が設けられ、かぶせ片14の端部のうち立設片13に連結されていない端部には折り返しかぶせ片14aが備えられている。図2にAで示した大きさは、ここに配置される外壁材の厚さに同じ又は若干大きく形成されている。また、図2にBで示した大きさは特に限定されるものではないが、5mm以上であることが好ましい。5mmより小さくするとサイディングの収縮や端部切断の状況によりサイディングの端部が室外に露出してしまう場合もあるからである。
見切部材10のこのような構成により、図2にCで示したように第一ベース片11、立設片13、及びかぶせ片14に三方を囲まれた断面がコ字状であるコ字状部Cが形成される。また、図2にDで示したように、当該コ字状部Cに立設片13を挟んで隣り合うL字状部Dが形成されている。L字状部Dは第二ベース片12、及び立設片13により構成されている。これにより後述するように、外壁を施工する際に、見切部材10及び外壁材を容易に施工することが可能となる。
見切部材10は図1、2からもわかるように、H型ジョイナーに比べて構造が簡易であるため製造が容易である。
見切部材10に用いられる材料は特に限定されるものではないが、加工性やコスト等の観点から、アルミニウム板や亜鉛めっき鋼板、ステンレス鋼板等を用いることができる。本実施形態の見切部材10は、1枚の板を折り曲げるように一体に形成されている。これにより、溶接等を用いるより容易に製造することが可能である。また、折り曲げにより形成するので、折り返し片11a、14a、及び第一ベース片11、及び第二ベース片12における折り返し部分で切断面が露出しない。従って外観を向上させることができるとともに、劣化も防止することが可能となる。
次に、見切部材10が備えられる外壁について説明する。図3は見切部材10、10が備えられる出隅部101の構成を断面により表した図である。図3の上及び右が室外側、下及び左が室内側である。また、図4は図3にEで示した部位に注目して示した図である。
出隅部101には、躯体102が設けられ、該躯体102の室外側面には、これに沿って2つの下地材103、104が取り付けられている。下地材103、104は固定部材110、111により躯体102に固定される。また、下地材103、104のそれぞれには所定の位置に見切部材10、10が固定部材112、113により固定される。このとき、固定部材112、113は、躯体102にまで達するので、下地材103、104の躯体102への固定も兼ねる。ここで見切部材10、10の所定の位置とは、外壁材105、106、及び出隅用外壁材107を適切に配置できる位置である。詳しくは後で説明する。
見切部材10、10が下地材103、104に配置される際には、その長手方向が出隅の長手方向(図3の紙面手前/奥方向)に略平行になるように配置される。そして見切部材10、10の第一ベース片11の面のうち、立設片13が設けられない側の面が下地材103、104の面に合わせられるように配置される。このとき、見切部材10、10のコ字状部C、C(図2参照)が出隅部の角部とは反対側に向けられる。
外壁材105、106は、建物の外壁のうち平面部に配置されるいわゆるサイディングである。外壁材105、106の端部は見切部材10、10のコ字状部C、C(図2参照)に挿入されるように下地材103、104に沿って配置され、固定部材114、115により下地材103、104に固定される。固定部材114、115は、躯体102に達する。
出隅用外壁材107は、建物の外壁のうち出隅部に配置されるサイディングで、2枚の板状サイディング107a、107bが略直角に組み合わされている。出隅用外壁材107は、出隅部に沿って配置され、その両端が2つの見切部材10、10を渡すように配設されている。このとき、出隅用外壁材107の端面が見切部材10、10の立設片13、13の少なくとも一部に接触するように配置され、固定部材116、117により固定される。
従って、図3、図4からわかるように、外壁材105、106と、出隅用外壁材107との目地は、見切部材10、10のコ字状部C、C(図2参照)の内側に配置され、目地を室外視から隠蔽することができる。また、外壁材105、106の端面と見切部材10、10の立設片13、13との間に止水材108、109を設ければ、ここで止水構造を形成することができるとともに、当該止水材108、109も室外視から隠蔽することが可能となる。当該止水材としてはいわゆるシーリングである湿式だけでなく、乾式のものを用いることができる。乾式を用いることにより施工が容易であるとともに、その交換も簡単に行うことが可能となる。
また、本実施形態ではより確実な止水構造とするため止水材108、109を用いる構成を説明したが、必ずしもここに止水材を設ける必要はない。この場合、コ字状部C、C(図2参照)に侵入した水があっても、該水は、折り返し片11aに止められ流下することができる。
さらには、外壁材105、106の施工誤差や端面が斜めに切断されている場合、又は合じゃくり形状も、当該コ字状部Cに含ませることができ、これらを適切に室外視から隠蔽することができる。
また、板状サイディング107a、107bと第二ベース片12との間には止水材119が備えられることが好ましい。これにより、立設片13と板状サイディング107a、107bとの間に侵入した水が板状サイディング107a、107bの裏面側に進行することを防止することができる。止水材119としては特に限定されるものではないが、厚さ1mm程度で凹凸に対して追従可能な弾性を有しているものが好ましい。これには例えば粘着テープ、ブチルゴム、又は発泡樹脂等を挙げることができる。これらは保水しない材料で形成されていることがさらに好ましい。
このような出隅部101は例えば次のように施工することができる。図5には、出隅部101の施工の場面を説明する図を示した。図5(a)は、後から出隅用外壁材107を取り付ける場合、図5(b)は後から外壁材105、106を取り付ける場合をそれぞれ表している。
図5(a)に示したように、先に外壁材105、106及び見切部材10、10を施工し、後から出隅用外壁材107を施工する場合には、見切部材10、10のL字状部D、D(図2参照)を渡してかぶせるように出隅用外壁材107を取り付けることができる。従って、出隅用外壁材107を容易に施工することが可能である。
一方、図5(b)に示したように、先に出隅用外壁材107及び見切部材10、10を施工し、後から外壁材105、106を施工する場合には、見切部材10、10のコ字状部C、C(図2参照)に外壁材105、106の端部を差し込むように配置して取り付ける。このような場合にあっては、外壁材105、106を差し込むようにして施工するので、該外壁材105、106を固定部材114、115(図3参照)で固定するまでの間、ズレやがたつきを防止することができる。これは特に外壁材(サイディング)が大きく、重い時には施工者がこれを支える負担を軽減することが可能となり、効果が顕著である。
図6は見切部材10、10が備えられる入隅部201の構成を断面により表した図である。図6の紙面右上が室外側、左下が室内側である。
入隅部201には、躯体202が設けられ、該躯体202の入隅側面のそれぞれには外壁に沿うように延在する2つの躯体203、204が配置されている。さらに該躯体203、204の室外側面には下地材205、206が取り付けられている。下地材205、206は固定部材212、213により躯体203、204に固定される。また、下地材205、206のそれぞれには所定の位置に見切部材10、10が固定部材214、215により固定される。このとき、固定部材214、215は、躯体203、204にまで達するので、下地材205、206の躯体203、204への固定も兼ねる。ここで見切部材10、10の所定の位置とは、外壁材207、208、及び入隅用外壁材209を適切に配置できる位置である。詳しくは後で説明する。
見切部材10、10が下地材205、206に配置される際には、その長手方向が入隅の長手方向(図6の紙面手前/奥方向)に略平行になるように配置される。そして見切部材10、10の第一ベース片11の面のうち、立設片13が設けられない側の面が下地材205、206の面に合わせられるように配置される。このとき、見切部材10、10のコ字状部C、C(図2参照)が入隅とは反対側に向けられる。
外壁材207、208は、建物の外壁のうち平面部に配置されるいわゆるサイディングである。外壁材207、208の端部は見切部材10、10のコ字状部C、C(図2参照)に挿入されるように下地材205、206に沿って配置され、固定部材216、217により下地材205、206に固定される。固定部材216、217は、躯体203、204に達する。
入隅用外壁材209は、建物の外壁のうち入隅部に配置されるサイディングで、2枚の板状サイディング209a、209bが略直角に組み合わされている。入隅用外壁材209は、入隅部に沿って配置され、その両端が2つの見切部材10、10を渡すように配設されている。このとき、入隅用外壁材209の端面が見切部材10、10の立設片13、13の少なくとも一部に接触するように配置され、固定部材218、219により固定される。
従って、図6からわかるように、外壁材207、208と、入隅用外壁材209との目地は、見切部材10、10のコ字状部C、C(図2参照)の内側に配置され、目地を室外視から隠蔽することができる。また、外壁材207、208の端面と見切部材10、10の立設片13との間に止水材210、211を設ければ、ここで止水構造を形成することができるとともに、当該止水材210、211も室外視から隠蔽することが可能となる。
さらには、外壁材207、208の施工誤差や端面が斜めに切断されている場合、又は合じゃくり形状も、当該コ字状部C、C(図2参照)に含ませることができ、これらを適切に室外視から隠蔽することができる。
このような入隅部201は例えば次のように施工することができる。図7には、入隅部201の施工の場面を説明する図を示した。図7(a)は、後から入隅用外壁材209を取り付ける場合、図5(b)は後から外壁材207、208を取り付ける場合をそれぞれ表している。
図7(a)に示したように、先に外壁材207、208及び見切部材10、10を施工し、後から入隅用外壁材209を施工する場合には、見切部材10、10のL字状部D、D(図2参照)を渡してかぶせるように入隅用外壁材209を取り付けることができる。従って、入隅用外壁材209を容易に施工することが可能である。
一方、図7(b)に示したように、先に入隅用外壁材209及び見切部材10、10を施工し、後から外壁材207、208を施工する場合には、見切部材10、10のコ字状部C、C(図2参照)に外壁材207、208の端部を差し込むように配置して取り付ける。このような場合にあっては、外壁材207、208を差し込むようにして施工するので、該外壁材207、208を固定部材216、217(図6参照)で固定するまでの間、ズレやがたつきを防止することができる。これは特に外壁材(サイディング)が大きく、重い時には施工者がこれを支える負担を軽減することが可能となり、効果が顕著である。
図8は見切部材10が備えられる外壁の平面部301の一部を示した断面で、その構造を説明するための図である。図8の紙面上が室外側、下が室内側である。図8では、見切部材10が1つとこれに備えられる2つの外壁材304、305の一部のみが表されているが、外壁の平面部301は左右に延在し、外壁材と見切部材とが交互に繰り返し並列される。
平面部301には、躯体302が設けられ、該躯体302の室外側面には外壁に沿うように延在する下地材303が配置されている。下地材303は固定部材307により躯体302に固定される。また、下地材303には所定の位置に見切部材10が固定部材308により固定される。このとき、固定部材308は、躯体302にまで達するので、下地材303の躯体302への固定も兼ねる。ここで見切部材10の所定の位置とは、外壁材304、305を適切に配置できる位置である。詳しくは後で説明する。
見切部材10が下地材303に配置される際には、見切部材10の第一ベース片11の面のうち、立設片13が設けられない側の面が下地材303の面に合わせられるように配置される。このとき、見切部材10のコ字状部C(図2参照)が一方の外壁材304側に開口するように配設される。
外壁材304、305は、建物の外壁のうち平面部に配置されるいわゆるサイディングである。2つの外壁材304、305のうち外壁材304の端部は、見切部材10のコ字状部C(図2参照)に挿入されるように下地材303に沿って配置され、固定部材309により下地材303に固定される。一方、外壁材305は、その端部が見切部材10のL字状部D(図2参照)に配置され、下地材303に固定部材310により固定される。固定部材309、310は、躯体302に達する。
従って、図8からわかるように、外壁材304、305間に生じる目地は、見切部材10のコ字状部C(図2参照)の内側に配置され、目地を室外視から隠蔽することができる。また、外壁材304の端面と見切部材10の立設片13との間に止水材306を設ければ、ここで止水構造を形成することができるとともに、当該止水材306も室外視から隠蔽することが可能となる。
さらには、外壁材304の施工誤差や端面が斜めに切断されている場合、又は合じゃくり形状も、当該コ字状部C(図2参照)に含ませることができ、これらを適切に室外視から隠蔽することができる。
このような平面部301は例えば次のように施工することができる。図9には、平面部301の施工の場面を説明する図を示した。図9(a)は、後から外壁材305を取り付ける場合、図9(b)は後から外壁材304を取り付ける場合をそれぞれ表している。
図9(a)に示したように、先に外壁材304及び見切部材10を施工し、後から外壁材305を施工する場合には、見切部材10のL字状部D(図2参照)に外壁材305をかぶせるように取り付けることができる。従って、外壁材305の端部を容易に施工することが可能である。
一方、図9(b)に示したように、先に外壁材305及び見切部材10を施工し、後から外壁材304を施工する場合には、見切部材10のコ字状部C(図2参照)に外壁材304の端部を差し込むように配置して取り付ける。このような場合にあっては、外壁材304を差し込むようにして施工するので、該外壁材304を固定部材309(図8参照)で固定するまでの間、ズレやがたつきを防止することができる。これは特に外壁材(サイディング)が大きく、重い時には施工者がこれを支える負担を軽減することが可能となり、効果が顕著である。
ここまで、出隅部101、入隅部201、及び平面部301について説明した。ここでは見切部材10がそれぞれの図で表したような向きに配置されたが、これに限定されることはない。例えば、出隅部では見切部材のコ字状部に出隅用外壁材の端部が差し込まれる向きに該見切部材を配置してもよい。同様に入隅部では、見切部材のコ字状部に入隅用外壁材の端部が差し込まれる向きに該見切部材を配置してもよい。
図10は第二実施形態、第三実施形態に係る見切部材20、30の長手方向に直交する断面である。見切部材20、30は、図10に示した断面を有して長手方向に延在する長尺の部材である。
見切部材20は、図10(a)に表される断面において、該見切部材20の幅方向に延在する第一ベース片21を有している。第一ベース片21の一端側には、その端部が折り返されるように形成される折り返し片21aが設けられている。一方、第一ベース片21の端部のうち、折り返し片21aが備えられる側とは反対側の端部には、第一ベース片21から折り返されるとともに該第一ベース片21に沿って第二ベース片22が具備されている。
さらに第二ベース片22の端部のうち第一ベース片21に連結されていない側の端部からは、第一ベース片21から立設する立設片23が設けられている。立設片23の端部のうち第二ベース片22に連結されていない側の端部からは、第一ベース片21に略平行で、第二ベース片22から離隔する方向に延在するかぶせ片24が設けられ、かぶせ片24の端部のうち立設片23に連結されていない端部には折り返し片24aが備えられている。
見切部材20は、これに加えて立設片23の略中央にかぶせ片24側に突出する突起23aを備えている。これにより見切部材20は、上記した見切部材10で説明した効果に加え、ここに配置される外壁材の端面部に排水路を確保することができ、ここに水が溜まることを防止することができる。
見切部材30は、図10(b)に表される断面において、該見切部材30の幅方向に延在する第一ベース片31を有している。第一ベース片31の一端側には、その端部が折り返されるように形成される折り返し片31aが設けられている。一方、第一ベース片31の端部のうち、折り返し片31aが備えられる側とは反対側の端部には、第一ベース片31から折り返されるとともに該第一ベース片31に沿って第二ベース片32が具備されている。
さらに第二ベース片32の端部のうち第一ベース片31に連結されていない側の端部からは、第一ベース片31から立設する立設片33が設けられている。立設片33の端部のうち第二ベース片32に連結されていない側の端部からは、第一ベース片31に略平行で、第二ベース片32から離隔する方向に延在するかぶせ片34が設けられ、かぶせ片34の端部のうち立設片33に連結されていない端部には折り返し片34aが備えられている。
見切部材30は、これに加えて第一ベース片31のうちかぶせ片34に対向する部分に、該かぶせ片34側に突出する突起31b、31cを備えている。これにより見切部材30は、上記した見切部材10で説明した効果に加え、突起31b、31cがリブとしての効果を奏し、当該見切部材30の強度を向上させることができる。また、製造時においても曲げ加工時に生じるねじれを小さく抑えることが可能となり、精度のよい見切部材30を提供することができる。
また、見切部材30を用いた外壁において、見切部材30と外壁材との間に水が浸入したときに止水機能を有し、上記折り返し片31a、34aと合わせて二重の止水機能を確保することが可能である。
さらには、外壁材の端部を見切部材30のコ字状部に挿入し、固定部材により固定するときには折り返し片31aと、突起31b、32cの両方で外壁材を受けることができ、折り返し片31aへの負荷を減らすこともできる。かかる観点からは、折り返し片31aの突出量と突起31b、31cの突出量は同程度であることが好ましい。
図11は第四、第五実施形態に係る見切部材40、50の長手方向に直交する断面である。見切部材40、50は、図11に示した断面を有して長手方向に延在する長尺の部材である。
見切部材40は、図11(a)に表される断面において、該見切部材40の幅方向に延在する第一ベース片41を有している。第一ベース片41の一端側には、その端部が折り返されるように形成される折り返し片41aが設けられている。一方、第一ベース片41の端部のうち、折り返し片41aが備えられる側とは反対側の端部には、第一ベース片41から折り返されるとともに該第一ベース片41に沿って第二ベース片42が具備されている。
さらに第二ベース片42の端部のうち第一ベース片41に連結されていない側の端部からは、第一ベース片41から立設する立設片43が設けられている。立設片43の端部のうち第二ベース片42に連結されていない側の端部からは、第一ベース片41に略平行で、第二ベース片42から離隔する方向に延在するかぶせ片44が設けられ、かぶせ片44の端部のうち立設片43に連結されていない端部には折り返し片44aが備えられている。
見切部材40は、これに加えて立設片43のかぶせ片44側に突出するように配置された止水材45が取り付けられている。これにより見切部材40は、上記した見切部材10で説明した効果に加え、予め止水材45が設けられているので外壁材の施工時に別個に止水材(シーリング材)を配置する必要がない。従って利便性に優れる見切部材40を提供することができる。
見切部材50は、図11(b)に表される断面において、該見切部材50の幅方向に延在する第一ベース片51を有している。第一ベース片51の一端部からは、第一ベース片51から折り返されるとともに該第一ベース片51に沿って第二ベース片52が具備されている。
さらに第二ベース片52の端部のうち第一ベース片51に連結されていない側の端部からは、第一ベース片51から立設する立設片53が設けられている。立設片53の端部のうち第二ベース片52に連結されていない側の端部からは、第一ベース片51に略平行で、第二ベース片52から離隔する方向に延在するかぶせ片54が設けられている。
見切部材50は、これに加えて第一ベース片51のうち第二ベース片52が連結されていない側の端部に止水材55が設けられている。同様に、第二ベース片52の端部のうち第一ベース片51に連結された側の端部、及びかぶせ片54の立設片53に連結されていない側の端部にもそれぞれ止水材56、57が取り付けられている。これにより見切部材50は見切部材10における折り返し片11a、14aの代わりに別に止水材55、56、57が設けられているので、止水材55、56、57が必要にはなるものの、折り曲げによる製造自体は容易となる。また、止水材55、56、57の材質を適宜選択することができ、使用環境等の目的に応じた止水構造を形成することも可能となる。
図12は第六実施形態に係る見切部材60の長手方向に直交する断面である。見切部材60は、後で説明するように2つの部材を組み合わせて形成されているので、図6では分かり易さのため、これを分離して示している。見切部材60として形成されたときにはこれら2つの部材がいずれかの手段により一体となっている。見切部材60は、当該一体となった姿勢で、図12に示した断面を有して長手方向に延在する長尺の部材である。
見切部材60は、図12に表される断面において、ベース材61と屈曲材63とを備えている。
ベース材61は、見切部材60の幅方向に延在するベース片62を有し、ベース片62の両端には、その端部が折り返されるように形成される折り返し片62a、62bが設けられている。
一方、屈曲材63は、図12に表される断面においてクランク状に形成され、クランク状を形成する3つの片であるベース片64、立設片65、及びかぶせ片66を有している。かぶせ片66の端部のうち立設片65に連結されていない側の端部には折り返し片66aが設けられている。
ベース材61と屈曲材63とは、ベース材61のベース片62の一面側に屈曲材63のベース片64が載置されて固定されることにより組み合わせられる。固定の方法は特に限定されるものではない。これには例えば粘着テープ等による貼り合わせ、釘やビスによる留め付けを挙げることができる。また、その他にもベース片64の端部を折り返し片62bに差し込み、かしめて固定する方法もある。
見切部材60は、かかる構成により上記した見切部材10の効果に加え、これが設置される建物外壁の態様に応じて屈曲材63の位置(図12の紙面左右方向位置)を調整したり、かぶせ片66向きを変えたりすることができる。
図13は第七実施形態に係る見切部材70の長手方向に直交する断面である。見切部材70は、図13に示した断面を有して長手方向に延在する長尺の部材である。
見切部材70は、図13に表される断面において、該見切部材70の幅方向に延在するベース片71を有している。ベース片71の一端側には、その端部が折り返されるように形成される折り返し片71aが設けられている。一方、ベース片71の端部のうち、折り返し片71aが備えられる側とは反対側の端部には、ベース片71の端部から立設されるように設けられる立設片72が具備されている。
さらに立設片72の端部のうちベース片71に連結されていない側の端部からは、ベース片71から離隔する方向に延在するかぶせ片73が設けられている。また、かぶせ片73の端部のうち立設片72に連結されていない端部には折り返し片73aが備えられている。
かかる構成の見切部材70によれば、見切部材10に比べてさらに構成を簡易なものとすることができる。
以上、現時点において、もっとも実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う見切部材、及び該見切部材を備えた外壁もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。