JP2010037246A - アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法 - Google Patents

アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法 Download PDF

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Masayuki Yoshii
政之 吉井
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Abstract

【課題】経済的に高収率で得られるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供する。
【解決手段】下記の工程を含み、回収工程で得られた酸化水相を酸化工程にリサイクルする。
酸化工程:一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物を含む水溶液の存在下、アルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液を得る
Figure 2010037246

(I) (II)
(R1、R2、R3、R4は、独立に、水素原子、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、スルホン基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はハロゲンである。ただし、R1とR2及び/又はR3とR4は環を形成していてもよい。)
回収工程:酸化反応液を、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む油相と水相に分離する
リサイクル工程:水相の少なくとも一部を酸化工程にリサイクルする
【選択図】なし

Description

本発明は、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、アルキルベンゼンを出発原料として含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを経済的に高収率で得られるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に関するものである。
アルキルベンゼンを出発原料として、含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法は公知である。
特許文献1にアルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化する際にイミド化合物を添加するとアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが高収率で得られることが開示されている。しかしながら、イミド化合物は高価であり、工業的な製造において経済的にアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造するという観点で十分ではないという問題がある。
特表2004−504273号公報
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題は、アルキルベンゼンを出発原料として含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを経済的に高収率で得られるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供する点にある。
すなわち、本発明は、下記の工程を含むアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法であって、回収工程で得られた酸化水相を酸化工程にリサイクルするアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に係るものである。
酸化工程:下記の一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物を含む水溶液の存在下、アルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液を得る工程
Figure 2010037246
(I) (II)
(式中、R1、R2、R3、R4は、独立に、水素原子、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、スルホン基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はハロゲンである。ただし、R1とR2及び/又はR3とR4は環を形成していてもよい。)
回収工程:酸化工程で得られた酸化反応液を、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む油相と水相に分離する工程
リサイクル工程:回収工程で得られた水相の少なくとも一部を酸化工程にリサイクルする工程
本発明により、アルキルベンゼンを出発原料として含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを経済的に高収率で得られるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供することができる。
本発明のアルキルベンゼンとしては、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、イソプロピルメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
本発明の酸化工程は、一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物を含む水溶液の存在下でアルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを得る工程であり、含酸素ガスは、通常、空気や酸素濃縮空気等が用いられる。通常の反応温度は50〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間である。
本発明の酸化工程は、一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物を含む水溶液の存在下でアルキルベンゼンを酸化する必要があり、一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物を含む水溶液は一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物を含む水溶液ならいかなるものでも良い。一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物は水溶性のイミド化合物であり一般式(I)及び/又は(II)で表される構造式を持つものならいかなるものでも良く、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシー5−ノルボルネンー2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
本発明の一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物の水に対する飽和溶解度は、0.1重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは5重量%以上であることが好ましい(ただし、水に対する飽和溶解度は28℃での飽和溶解度として。)。水に対する飽和溶解度が低い場合には、所望のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが経済的に得られないことがある。
本発明の一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物を含む水溶液の一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物の濃度は、一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物が析出しない濃度ならば良い。
本発明の回収工程は、酸化工程で得られたアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む油相と水相に分離する工程であり、工業的に油相及び水相の混相を分離する通常の方法を用いることができる。油相と水相の分離を良くするためや、イミド化合物の水相への回収率を向上させるためや、油相中のイミド化合物及び/又はイミド化合物からの副生物を低減させるために、油相に加熱や冷却により温度を変更する手段や酸化工程におけるアルキルベンゼンの酸化を妨害しない油相や水相を添加する手段を用いることもできる。なお、油相中のイミド化合物及び/又はイミド化合物からの副生物を低減させるためには、水などによる通常の洗浄工程を設けることもでき、該洗浄工程で得られた水相は、該回収工程で得られた該水相と合わせることもできる。
本発明のリサイクル工程は、回収工程で得られた水相の少なくとも一部を酸化工程にリサイクルする工程であり、リサイクルされた該水相は酸化工程で用いられる水溶液の少なくとも一部として用いる必要がある。
本発明において得られるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドは、フェノール類とアセトンの製造用原料として用いることができる。一例として、得られるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを酸触媒に接触させ、フェノールとアセトンを得、このものを分離・精製することにより、フェノールとアセトンを製造する方法等が挙げられる。酸触媒としては、硫酸、過塩素酸、塩酸、弗化水素酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、イオン交換樹脂やシリカアルミナ等が挙げられる。
本発明において得られるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドは、アルキレンオキサイドの製造用原料として用いることができる。例えば、得られるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドをチタン含有触媒の存在下、プロピレンと作用させ、プロピレンオキサイドとクミルアルコールを得、このものを分離した後、該クミルアルコールは水素化分解触媒の存在下、水素と反応させてイソプロピルベンゼンを得、該イソプロピルベンゼンを酸化工程の原料として再利用する方法等が挙げられる。また、該クミルアルコールは脱水触媒の存在下α−メチルスチレンとし、更には、該α−メチルスチレンを水添触媒の存在下、水素と作用させてイソプロピルベンゼンを得、該イソプロピルベンゼンを酸化工程の原料として再利用することもできる。また、別な例として、得られるエチルベンゼンハイドロパーオキサイドをチタン含有触媒やモリブデン含有触媒の存在下、プロピレンと作用させ、プロピレンオキサイドと1−フェニルエチルアルコールを得、このものを分離した後、該1−フェニルエチルアルコールは脱水触媒の存在下、スチレンを得る方法等が挙げられる。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例より限定されるものではない。
実施例1
10.0重量%イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドのイソプロピルベンゼン溶液401グラムと9.3重量%N−ヒドロキシー5−ノルボルネンー2,3−ジカルボキシイミド(28℃での水に対する飽和溶解度は11重量%)水溶液43グラムを1Lガラス製オートクレーブに入れた。窒素により0.65MPa−Gまで昇圧した後に、オイルバス中で加熱することにより内温を115℃まで昇温した。排ガス中酸素濃度が5〜7体積%になるよう空気を連続供給し、空気供給から1時間後に空気供給を停止し、室温まで冷却し、さらに常圧まで脱圧した。この時油相中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドの濃度は14.7重量%であった。油相と水相を分離し、26グラムの水相が得られた。さらに該水相22グラムとN−ヒドロキシー5−ノルボルネンー2,3−ジカルボキシイミド3.3グラムと水17.7グラムを混合した溶液と10.0重量%イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドのイソプロピルベンゼン溶液400グラムを1Lガラス製オートクレーブに入れた。窒素により0.65MPa−Gまで昇圧した後に、オイルバス中で加熱することにより内温を115℃まで昇温した。排ガス中酸素濃度が5〜7体積%になるよう空気を連続供給し、空気供給から1時間後に空気供給を停止し、室温まで冷却し、さらに常圧まで脱圧した。この時油相中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドの濃度は14.4重量%であった。

Claims (2)

  1. 下記の工程を含むアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法であって、回収工程で得られた酸化水相を酸化工程にリサイクルするアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。
    酸化工程:下記の一般式(I)及び/又は(II)で表される水溶性イミド化合物を含む水溶液の存在下、アルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液を得る工程
    Figure 2010037246
    (I) (II)
    (式中、R1、R2、R3、R4は、独立に、水素原子、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基、スルホン基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はハロゲンである。ただし、R1とR2及び/又はR3とR4は環を形成していてもよい。)
    回収工程:酸化工程で得られた酸化反応液を、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む油相と水相に分離する工程
    リサイクル工程:回収工程で得られた水相の少なくとも一部を酸化工程にリサイクルする工程
  2. 水溶性イミド化合物である一般式(I)及び(II)の水に対する飽和溶解度が0.1重量%以上である請求項1記載の製造方法。
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