JP2007039434A - アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルキルベンゼンを出発原料としてアルカリ水溶液の存在下、含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド類を製造する方法であって、高収率、かつ排水量を削減できるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供する。
【解決手段】酸化反応器へ供給されるアルカリ水溶液がフレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液であり、フレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液の供給比が0.2(重量比)以下であるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。アルキルベンゼンとしては、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、イソプロピルメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
【選択図】なし
【解決手段】酸化反応器へ供給されるアルカリ水溶液がフレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液であり、フレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液の供給比が0.2(重量比)以下であるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。アルキルベンゼンとしては、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、イソプロピルメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、アルキルベンゼンを出発原料としてアルカリ水溶液の存在下、含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、高収率、かつ排水量を削減できるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に関するものである。
アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法としては、特許文献1にアルキルベンゼンを酸化するに際し、フレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液とを混合し、反応器に供給する方法が開示されている。しかしながら、従来の方法においては、フレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液の供給比に関する詳細な記載が無く、供給する比によっては収率が低下したり、排水量が多大になるという問題点があった。
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題は、アルキルベンゼンを出発原料としてアルカリ水溶液の存在下、含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、高収率、かつ排水量を削減できるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供する点にある。
すなわち、本発明は、アルキルベンゼンを酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法であって、酸化反応器へ供給されるアルカリ水溶液がフレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液であり、フレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液の供給比が0.2(重量比)以下であるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に係るものである。
本発明により、アルキルベンゼンを出発原料としてアルカリ水溶液の存在下、含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド類を製造する方法であって、高収率、かつ排水量を削減できるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供することができる。
本発明のアルキルベンゼンとしては、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、イソプロピルメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。アルキルベンゼンの酸化は、アルカリ水溶液の存在下、空気や酸素濃縮空気等の含酸素ガスによる自動酸化で行われる。通常の反応温度は50〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間である。
本発明のフレッシュアルカリ水溶液としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び(NH4)2CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等を水に溶解させたものが用いられ、酸化反応に供していないものである。酸化工程から回収される水溶液としては、酸化工程から回収される水溶液であればいかなるものでも良いが、酸化反応器から排出されたガスを冷却して気相と液相に気液分離し、更に該液相を油相と水相に分離した該水相や酸化反応器から得られた液相を油相と水相に分離した該水相等が用いられる。
本発明のフレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液を供給するに際し、フレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液の供給比が0.2(重量比)以下である必要がある。該比が大きすぎると、収率が低下したり、排水量が多大になることがある。
本発明の酸化工程から回収される水溶液としては、酸化工程から回収される水溶液であればいかなるものでも良いが、酸化反応器から排出されたガスを冷却して気相と液相に気液分離し、更に該液相を油相と水相に分離した該水相や酸化反応器から得られた液相を油相と水相に分離した該水相や酸化工程で得られたアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む溶液を濃縮した際に得られる水相等が用いられる。
本発明の酸化工程から回収される水溶液は、酸性、中性またはアルカリ性でも良く、フレッシュアルカリ水溶液と混合した際に得られる水溶液が実質的にアルカリ性であれば良い。また、酸化工程から回収される該水溶液は、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び(NH4)2CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩又は蟻酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸のような有機酸類又は蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムのような有機酸塩等を含有しても良い。
本発明において得られる酸化工程から回収される水溶液は、酸化反応で得られたアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを含む溶液や酸化反応で未反応であったアルキルベンゼンを含む溶液の洗浄液として用いることができる。洗浄液として用いる場合は、そのまま用いても良いが、水、アルカリ水溶液と混合して用いても良い。該水及び該アルカリ水溶液はフレッシュなものでも、プラントから回収されるものでも良い。
本発明においては、酸化反応器へ供給される油層/水層の重量比が1〜15であることが好ましい。酸化反応器へ供給される油層/水層の重量比とは、酸化反応器に供給される全ての油層の合計と全ての水層の合計の重量比である。該比が大きすぎると、収率が低下することがあり、また、該比が小さすぎると排水量が多大になる。
本発明において得られるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドは、フェノール類とアセトンの製造用原料として用いることができる。一例として、得られるクメンハイドロパーオキサイドを酸触媒に接触させ、フェノールとアセトンを得、このものを分離・精製することにより、フェノールとアセトンを製造する方法等が挙げられる。酸触媒としては、硫酸、過塩素酸、塩酸、弗化水素酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、イオン交換樹脂やシリカアルミナ等が挙げられる。
また、本発明において得られるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドは、アルキレンオキサイドの製造用原料として用いることができる。一例として、得られるクメンハイドロパーオキサイドをチタン含有触媒の存在下、プロピレンと作用させ、プロピレンオキサイドとクミルアルコールを得、このものを分離した後、該クミルアルコールは水素化分解触媒の存在下、水素と反応させてクメンを得、該クメンを酸化工程の原料として再利用する方法等が挙げられる。また、該クミルアルコールは脱水触媒の存在下α−メチルスチレンとし、更には、該α−メチルスチレンを水添触媒の存在下、水素と作用させてクメンを得、該クメンを酸化工程の原料として再利用することもできる。
なお、本発明において得られるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドをフェノール類やアルキレンオキサイドの製造用原料として用いる場合、濃縮した後に用いることもできる。該濃縮操作で生じた分離水相は、酸化工程から回収される水溶液の一部として用いることもできる。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例より限定されるものではない。
実施例1
1Lガラス製オートクレーブを反応釜とした連続流通反応装置を用い、アルキルベンゼンとしてイソプロピルベンゼンを含有する液(イソプロピルベンゼン:94.9重量%)を141g/h、アルカリ水溶液としてフレッシュ炭酸ナトリウム水溶液(炭酸ナトリウム:12.9重量%、pH:13.4)と酸化工程から回収された水溶液を0.13重量比で混合したアルカリ水溶液を17.6g/h(供給油層/水層の重量比は8.0)及び空気を405Nml/minで供給し、圧力0.65MPa−G、温度113.5℃、液滞留時間3.2hの条件下、42h連続流通反応させた。その結果、反応が定常化した状態での排ガス中の酸素濃度は2体積%であり、41h目から42h目に回収された回収液の油層151gを分析すると、油層中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは17.6重量%であった。
実施例1
1Lガラス製オートクレーブを反応釜とした連続流通反応装置を用い、アルキルベンゼンとしてイソプロピルベンゼンを含有する液(イソプロピルベンゼン:94.9重量%)を141g/h、アルカリ水溶液としてフレッシュ炭酸ナトリウム水溶液(炭酸ナトリウム:12.9重量%、pH:13.4)と酸化工程から回収された水溶液を0.13重量比で混合したアルカリ水溶液を17.6g/h(供給油層/水層の重量比は8.0)及び空気を405Nml/minで供給し、圧力0.65MPa−G、温度113.5℃、液滞留時間3.2hの条件下、42h連続流通反応させた。その結果、反応が定常化した状態での排ガス中の酸素濃度は2体積%であり、41h目から42h目に回収された回収液の油層151gを分析すると、油層中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは17.6重量%であった。
Claims (2)
- アルキルベンゼンをアルカリ水溶液の存在下、含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法であって、酸化反応器へ供給されるアルカリ水溶液がフレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液であり、フレッシュアルカリ水溶液と酸化工程から回収される水溶液の供給比が0.2(重量比)以下であるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。
- 酸化反応器へ供給される油層/水層の重量比が1〜15である請求項1記載のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006093742A JP2007039434A (ja) | 2005-06-28 | 2006-03-30 | アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法 |
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JP2006093742A JP2007039434A (ja) | 2005-06-28 | 2006-03-30 | アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法 |
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JP2007039434A true JP2007039434A (ja) | 2007-02-15 |
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JP2006093742A Pending JP2007039434A (ja) | 2005-06-28 | 2006-03-30 | アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法 |
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JP2010528116A (ja) * | 2007-06-27 | 2010-08-19 | エイチ アール ディー コーポレーション | クメンヒドロペルオキシドを製造するための高せん断方法 |
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2006
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