JP2010037157A - 単結晶成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶基板の表面にシリコンカーバイドの単結晶薄膜を均一なドーピング濃度と膜厚で成膜することのできる単結晶成膜方法を提供する。
【解決手段】縦型反応器12内に設けられた支持台16上に結晶基板18を配置し、支持台16を回転させながら結晶基板18の中央部に、中央部導入口20aよりシリコン原料ガスとカーボン原料ガスとドーパントガスとキャリアガスとを混合した反応ガス22を導入するとともに、結晶基板18の外周部にも、外周部導入口20bより前記反応ガス22を導入し、前記結晶基板の表面にシリコンカーバイドの単結晶薄膜を成膜する単結晶成膜方法において、前記中央部導入口20aより導入される反応ガスと前記外周部導入口20bより導入される反応ガスのC/Si比の値を、それぞれに異ならせて設定することにより、単結晶薄膜の膜厚やドーピング濃度のばらつきを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被成膜対象となる結晶基板の表面に単結晶薄膜を成膜する単結晶成膜方法に関する。
シリコンカーバイド(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界強度が約10倍であり、この他に熱伝導率、電子移動度、バンドギャップなどにおいても優れた物性値を有する半導体であることから、従来のシリコン系パワー半導体素子に比べて飛躍的な性能向上を実現する半導体材料として期待されている。
このため、結晶基板の表面に半導体用シリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を形成するための装置の開発が盛んに行われており、例えば特許文献1にこのような装置が開示されている。
このような単結晶成膜装置100は、図7に示したように縦型反応器102内に回転軸104上に固定された支持台(サセプタともいう)106が配置されており、また支持台106の下部には支持台106を介して結晶基板108を加熱するためのヒータ110が設置されている。
さらに、縦型反応器102の上方には、例えばシリコン(Si)原料ガスとカーボン(C)原料ガスとキャリアガスとを混合した反応ガス112を供給するための反応ガス導入口114が形成され、反応ガス導入口114の下方には反応ガス導入口114内の圧力を一定にしたり、上記の反応ガス112のうち、未反応ガスを排気するための排気口116が設けられている。
そして、回転軸104を介して支持台106を回転させることにより、支持台106上の結晶基板108を回転させ、同時にヒータ110で縦型反応器102内部を加熱し、反応ガス導入口114より反応ガス112を供給することにより、結晶基板108の表面にシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を形成することができるようになっている。
ところで、反応ガス112を結晶基板108の中心部の直上から結晶基板108の表面に噴きつけた場合、結晶基板108に形成されるシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜は回転軸104の中心に近いほど早く成長することとなる。このため、結晶基板108の半径方向において、単結晶薄膜の成長速度が結晶基板108の中心部から外周部に向かうに従って遅くなり、単結晶薄膜のドーピング濃度と膜厚にばらつきが生ずる場合があった。
また、反応ガス112の原料であるシリコン(Si)原料ガスやカーボン(C)原料ガスは、分解反応の進み具合に違いがあるため、縦型反応器102内部に温度分布があると、原料ガスの分解反応にも分布が生じ、その結果、反応種の濃度比が縦型反応器102内でばらつく場合もあった。
さらに、大径の結晶基板108に伴い、大型の縦型反応器102を用いる場合には、支持台106上での温度分布が顕著になってくるため、反応種濃度のばらつきも大きくなる。
また、単結晶薄膜内の点欠陥密度は、単結晶薄膜の成長温度やカーボン(C)原料の濃
度に影響を受けることが知られているので、点欠陥にもばらつきが生ずると考えられる。
このようなばらつきをなくすため、特許文献2では図8に示したように、縦型反応器202の頂部に設けられた反応ガス導入口を、結晶基板208の中心部の直上に位置する中央部導入口214aと、結晶基板208の外周部の直上に位置する外周部導入口214bの2種類から構成し、それぞれの位置から結晶基板208に向けて反応ガス212を供給するようにし、さらにこの反応ガス212の流量、濃度をそれぞれに調整手段216a,216bを介して調節変化させるようにした単結晶成膜装置200が開示されている。なお、図中の符号206は結晶基板208を載置する支持台であり、符号204は支持台206を回転させるための回転軸である。
このような単結晶成膜装置200を用いれば、結晶基板208上に成膜された単結晶薄膜が、結晶基板208の中心部と外周部のいずれの箇所でも均一のドーピング濃度と膜厚となるように形成可能とのことである。
特開平5−335253号公報 特開2001−351864号公報
しかしながら、このような単結晶成膜装置200では、反応ガス212の流量や濃度をそれぞれに調整可能ではあるものの、具体的な調整方法について開示されていないため、未だ単結晶薄膜の成長速度のばらつきを確実に抑えるには至らないものであった。
このため、具体的にどのように反応ガスを調整すれば、結晶基板上にばらつきのない単結晶薄膜を形成することができるのかを解明することが求められている。
本発明は、このような現状に鑑み、結晶基板の表面にシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を形成するに当たり、結晶基板の表面に形成されるシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜のドーピング濃度と膜厚にばらつきが生じることがなく、単結晶薄膜を均一なドーピング濃度と膜厚で成膜することのできる単結晶成膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題および目的を達成するために発明されたものであって、本発明の単結晶成膜方法は、
内部に限定された空間を有する縦型反応器内に設けられた支持台上に、結晶基板を配置する工程と、
前記結晶基板が配置された支持台を動力手段によって回転させる工程と、
前記動力手段により回転された支持台上の結晶基板の中央部に、中央部導入口よりシリコン(Si)原料ガスとカーボン(C)原料ガスとドーパントガスとキャリアガスとを混合した反応ガスを導入するとともに、同様に前記結晶基板の外周部に、外周部導入口より前記反応ガスを導入する工程と、
前記縦型反応器内の支持台を加熱手段で加熱することで、支持台に配置された結晶基板を加熱する工程と、
加熱された前記結晶基板の表面に前記反応ガスの成分元素あるいは化合物を連続的に析出成長させ、これにより前記結晶基板の表面にシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を成膜する工程と、
を少なくとも有する単結晶成膜方法であって、
前記反応ガスを導入する工程において、
前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、それぞれに異ならせて設定することを特徴とする。
このようにC/Si比を異ならせ、複数の位置から反応ガスを縦型反応器内に導入すれば、単結晶薄膜のドーピング濃度と膜厚にばらつきが生じることがなく、均一なドーピング濃度と膜厚を有するSiC単結晶薄膜を結晶基板の表面に形成することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜された単結晶薄膜が、前記結晶基板の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が高い状態である場合、
前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも大きな値となるように設定することを特徴とする。
このように中央部導入口より導入される反応ガスと外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比が同一であり、結晶基板の表面に成膜された単結晶薄膜が、結晶基板の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が高い状態である場合、外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも大きくすれば、結晶基板の表面にドーピング濃度と膜厚にばらつきがなく、均一な厚みを有する単結晶薄膜を形成することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも大きな値となるように設定する場合、
前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値の101%〜1000%の範囲内に設定することを特徴とする。
このような範囲にC/Si比の値を設定すれば、結晶基板の表面にドーピング濃度と膜厚にばらつきがなく、均一な厚みを有する単結晶薄膜を形成することができる。なお、この範囲において特に上限値を超えた場合には、単結晶薄膜を形成することが困難である。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜された単結晶薄膜が、前記結晶基板の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が低い状態である場合、
前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも小さな値となるように設定することを特徴とする。
このように単結晶薄膜を成膜する工程において、中央部導入口より導入される反応ガスと外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比が同一であり、結晶基板の表面に成膜された単結晶薄膜が、結晶基板の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が低い状態である場合、外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比よりも小さくすれば、結晶基板の表面にドーピング濃度と膜厚にばらつきがなく、均一な厚みを有する単結晶薄膜を形成することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも小さな値となるように設定する場合、
前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値の5%〜99%の範囲内に設定することを特徴とする。
このような範囲にC/Si比の値を設定すれば、結晶基板の表面にドーピング濃度と膜厚にばらつきがなく、均一な厚みを有する単結晶薄膜を形成することができる。なお、この範囲において、下限値を超えた場合には、単結晶薄膜を形成することが困難である。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
内部に限定された空間を有する縦型反応器内に設けられた支持台上に、結晶基板を配置する工程と、
前記結晶基板が配置された支持台を動力手段によって回転させる工程と、
前記動力手段により回転された支持台上の結晶基板の中央部に、中央部導入口よりシリコン(Si)原料ガスとカーボン(C)原料ガスとドーパントガスとキャリアガスとを混合した反応ガスを導入するとともに、同様に前記結晶基板の外周部に、外周部導入口より前記反応ガスを導入する工程と、
前記縦型反応器内の支持台を加熱手段で加熱することで、支持台に配置された結晶基板を加熱する工程と、
加熱された前記結晶基板の表面に前記反応ガスの成分元素あるいは化合物を連続的に析出成長させ、これにより前記結晶基板の表面にシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を成膜する工程と、
を少なくとも有する単結晶成膜方法であって、
前記反応ガスを導入する工程において、
前記反応ガスのキャリアガス中に塩化水素(HCl)が含まれているか、および/または、シリコン(Si)原料ガス中に塩素(Cl)が含まれている場合、
前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値を、それぞれに異ならせて設定することを特徴とする。
このように、塩素(Cl)を含んだ反応ガスは、原料ガスの分解反応に寄与し、これを含まない場合と分解反応が異なり、結果として単結晶薄膜の膜厚に影響を与えることとなるが、このようにCl/Si比の値を設定すれば、単結晶薄膜の膜厚のばらつきを防止することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜される単結晶薄膜の成長速
度が、前記結晶基板の中央部に比べて外周部の方が速い場合、
前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値と、前記中央部導入口よ
り導入される反応ガスのCl/Si比の値とを、5%以上ずらして設定することを特徴と
する。
このようにCl/Si比の値を設定すれば、結晶基板の表面の膜厚にばらつきがなく、均一な厚みを有する単結晶薄膜を形成することができる。
なお、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和している時には、反応ガス中に塩素系ガスを添加することで、シリコン(Si)原料ガスの分解反応が促進されることとなる。
このため、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和している時には、外周部導入口よ
り導入される反応ガスのCl/Si比の値を、中央部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値よりも5%以上小さくすることで、単結晶薄膜の膜厚のばらつきを防止す
ることができる。
一方、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和していない時には、反応ガス中に塩素系ガスを添加すると、結晶基板の表面のエッチング効果が高まってしまい、結果として単結晶薄膜の成膜速度が遅くなってしまうこととなる。
このため、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和していない時には、外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値を、中央部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値よりも5%以上大きくすることで、単結晶薄膜の膜厚のばらつきを防止
することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜される単結晶薄膜の成長速
度が、前記結晶基板の中央部に比べて外周部の方が遅い場合、
前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値と、前記中央部導入口よ
り導入される反応ガスのCl/Si比の値とを、5%以上ずらして設定することを特徴と
する。
このようにCl/Si比の値を設定すれば、結晶基板の表面の膜厚にばらつきがなく、均一な厚みを有する単結晶薄膜を形成することができる。
なお、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和している時には、外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値を、中央部導入口より導入される反応ガスのCl/
Si比の値よりも5%以上大きくすることで、単結晶薄膜の膜厚のばらつきを防止することができる。
一方、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和していない時には、外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値を、中央部導入口より導入される反応ガスのCl
/Si比の値よりも5%以上小さくすることで、単結晶薄膜の膜厚のばらつきを防止することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記反応ガスを導入する工程において、
前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、それぞれに異ならせて設定することを特徴とする。
このように、C/Si比とともにCl/Si比の値を設定すれば、単結晶薄膜の膜厚やドーピング濃度のばらつきをさらに防止することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記反応ガスを導入する工程において、
前記反応ガスを結晶基板の中央部に導入する中央部導入口は、前記結晶基板の中心部の直上に位置決めされ、
前記反応ガスを結晶基板の外周部に導入する外周部導入口は、前記中央部導入口の位置から結晶基板の外周方向に向かって所定の距離離間した位置に位置決めされていることを特徴とする。
このような位置に中央部導入口と外周部導入口を設ければ、単結晶薄膜の膜厚やドーピ
ング濃度のばらつきを確実に防止することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法は、
前記反応ガスを導入する工程において、
前記反応ガスを結晶基板の中央部に導入する中央部導入口は、前記結晶基板の中心部の直上よりも結晶基板の外周方向に向かって所定の距離離間して位置決めされ、
前記反応ガスを結晶基板の外周部に導入する外周部導入口は、前記中央部導入口の位置から結晶基板の外周方向に向かってさらに所定の距離離間した位置に位置決めされていることを特徴とする。
このような位置に中央部導入口と外周部導入口を設ければ、単結晶薄膜の膜厚やドーピング濃度のばらつきを確実に防止することができる。
本発明の単結晶成膜方法によれば、結晶基板の中央部に中央部導入口から、また外周部に外周部導入口から、それぞれに異なるC/Si比の反応ガスを導入するようになっているため、結晶基板の表面に形成されるシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜のドーピング濃度と膜厚にばらつきが生じることがなく、単結晶薄膜を均一なドーピング濃度と膜厚で成膜することができる。
さらに、反応ガスのキャリアガス中に塩化水素(HCl)が含まれているか、および/または、シリコン(Si)原料ガス中に塩素(Cl)が含まれている場合、Cl/Si比の値を設定すれば、単結晶薄膜のドーピング濃度と膜厚のばらつきを防止することができる。
また、C/Si比とともにCl/Si比の値を同時に設定すれば、単結晶薄膜の膜厚やドーピング濃度のばらつきをさらに防止することができる。
以下、本発明の単結晶成膜方法に用いられる単結晶成膜装置の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の単結晶成膜方法に用いられる単結晶成膜装置の一形態について説明するための概略図、図2は、図1に示した単結晶成膜装置の上面図であり、図2(a)〜図2(c)は、反応ガス導入口の外周部導入口と中央部導入口の形成例について説明する説明用上面図、図3および図4は、反応ガス導入口の外周部導入口と中央部導入口の他の形成例について説明する説明用上面図、図5は、本発明の単結晶成膜方法に用いられる単結晶成膜装置の他の形態について説明するための概略図、図6は、本発明の単結晶成膜方法に用いられる単結晶成膜装置の他の形態について説明するための概略図である。
本発明は、被成膜対象となる結晶基板の表面に、シリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を成膜するに際し、結晶基板の表面に、ドーピング濃度と膜厚のばらつきを生ずることがない単結晶薄膜を成膜するための方法である。
<単結晶成膜装置10>
まず、本発明の単結晶成膜方法に用いられる単結晶成膜装置10について説明する。
図1に示したように単結晶成膜装置10は、内部に限定された空間を有する縦型反応器12と、この縦型反応器12内に設けられ、結晶基板18を載置するための支持台(サセプタともいう)16と、この支持台16に接続された軸部を介して支持台16を回転させる動力手段14と、支持台16上の結晶基板18にシリコン(Si)原料ガスとカーボン(C)原料ガスとドーパントガスとキャリアガスとを混合した反応ガス22を導入する反応ガス導入口20と、支持台16を加熱して、支持台16上に配置された結晶基板18を
加熱する加熱手段(図示せず)と、から構成されている。
なお、この反応ガス22のうち、シリコン(Si)原料ガスとしては、例えばSiH4
、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、CH3SiCl3を用いることができ、カーボン(C)原料ガスとしては、例えばC38、C22、CH3SiCl3を用いることができる。
さらに、ドーパントガスとしては、例えばN2、(CH33Alを用いることができ、
キャリアガスとしては、例えばH2、HClを用いることができる。
また、特に反応ガス導入口20については、支持台16上の結晶基板18の中央部に、反応ガス22を導入する中央部導入口20aと、同様に結晶基板18の外周部に反応ガス22を導入する外周部導入口20bの2種類の導入口が形成されており、中央部導入口20aの外側に外周部導入口20bが位置するようになっている。
なおこの2種類の導入口は、結晶基板18の中央部と外周部のそれぞれの位置に反応ガス22を導入することができれば如何なる形状であっても良く、例えば図2(a)〜図2(c)に示したような形態とすることができる。
図2(a)に示した形態は、結晶基板18の中央部の直上位置に中央部導入口20aを形成し、結晶基板18の外周部の直上位置にドーナッツ状の外周部導入口20bを形成している。
次いで図2(b)に示した形態は、結晶基板18の中央部の直上位置に中央部導入口20aを形成し、結晶基板18の外周部の直上位置に中央部導入口と同じような形状の複数(本図においては4本)の外周部導入口20bを形成している。
さらに図2(c)に示した形態は、結晶基板18の中央部の直上位置に中央部導入口20aを形成し、結晶基板18の外周部の直上位置に筒状の外周部導入口20bを形成している。
これらの形態は、成膜対象となる結晶基板18の大きさや成膜条件などにより適宜選択することが好ましい。
また、図2(a)〜図2(c)に示した形態では、結晶基板18の中心部の直上に中央部導入口20aが位置しているが、図3に示したように、中央部導入口20aを結晶基板18の中心部から所定の距離Lだけ結晶基板18の外周方向にずらして設けても良いものである。このような位置に中央部導入口20aを形成した場合には、この中央部導入口20aよりもさらに結晶基板18の外周方向側に外周部導入口20bを設ければ良い。
さらに、本実施例では中央部導入口20aと外周部導入口20bの2種類を用いているが、特に数に限定はなく、結晶基板18が大きな場合には、図4に示したように、結晶基板18の中心から同心円状の複数の位置に、例えば第1外周部導入口20b1、第2外周部導入口20b2を設ければ良いものである。
このような構成を有する単結晶成膜装置10では、反応ガス22を上記した中央部導入口20aと外周部導入口20bのそれぞれから、別々に導入するようになっており、後述する単結晶成膜方法において、この反応ガス22を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22と外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比の値、あるいはCl/Si比の値をそれぞれに異ならせて導入するようになっており、これにより結晶基板18の表面に均一なドーピング濃度と膜厚を有するシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を成膜することができるようになっている。
なお、図1に示した単結晶成膜装置10では、反応ガス導入口20の下端部から結晶基板18の上面までに一定の距離を有する構造であるが、この距離が長い場合には、中央部導入口20aと外周部導入口20bのそれぞれから導入されるC/Si比の値、あるいはCl/Si比の値の異なる反応ガス22が混ざってしまう場合がある。
このような場合には、図5に示したように反応ガス導入口20の下端部を下方に伸ばすことで、下端部から結晶基板18の上面までの距離Tを縮め、これにより中央部導入口20aと外周部導入口20bのそれぞれから導入される反応ガス同士が混ざってしまわないようにすることができる。
また、この距離Tについては、結晶基板18の大きさや成膜条件などにより適宜変更されるものであり、また中央部導入口20aと外周部導入口20bとで距離Tが異なっていても良いものである。
さらに、本実施例における単結晶成膜装置10は、結晶基板18の上方から反応ガス22が導入される形態であるが、これを逆向きとした例えば図6に示したような結晶基板18の下方から反応ガス22が導入される形態であっても良いものである。
なお、この場合には、結晶基板18は支持台16に何らかの固定部材(図示せず)で固定することが好ましい。
<単結晶成膜方法>
次いで、上記した単結晶成膜装置10を用いた単結晶成膜方法について説明する。
本発明の単結晶成膜方法は、図1に示したように、まず内部に限定された空間を有する縦型反応器12内に設けられた支持台16上に、結晶基板18が配置される。
次いで、結晶基板18が配置された支持台16を動力手段14によって回転させる。
このとき、動力手段14により回転された支持台16上の結晶基板18の中央部に、中央部導入口20aよりシリコン(Si)原料ガスとカーボン(C)原料ガスとキャリアガスとを混合した反応ガス22を導入するとともに、同様に結晶基板18の外周部に、外周部導入口20bより同じくシリコン(Si)原料ガスとカーボン(C)原料ガスとキャリアガスとを混合した反応ガス22を導入する。
そして、縦型反応器12内の支持台16を加熱手段(図示せず)で加熱することで、支持台16に配置された結晶基板18を加熱する。
すると、加熱された結晶基板18の表面に反応ガス22の成分元素あるいは化合物が連続的に析出成長され、これにより結晶基板18の表面にシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜が成膜されることとなる。
なお、本発明の単結晶成膜方法では、反応ガス22を導入する際において、中央部導入口20aより導入される反応ガス22と外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比の値を、それぞれに異ならせるようにしている。
具体的には、中央部導入口20aより導入される反応ガス22と外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比が同一で、結晶基板18の表面に成膜された単結晶薄膜が、結晶基板18の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が高い状態である場合、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のC/Si比の値よりも大きな値となるように設定することが好ましい。
なお、外周部導入口20bより導入される反応ガスのC/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のC/Si比の値よりも大きな値となるように設定する場合、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のC/Si比の値の101%〜1000%の範囲内に設定することが好ましく、105%〜500%の範囲内に設定することがより好ましく、110%〜300%の範囲内に設定することがさらに好ましい。
一方、これとは逆に中央部導入口20aより導入される反応ガス22と外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比が同一であり、結晶基板18の表面に成膜された単結晶薄膜が、結晶基板18の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が低い状態である場合、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のC/Si比の値よりも小さな値となるように設定することが好ましい。
なお、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のC/Si比の値よりも小さな値となるように設定する場合、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のC/Si比の値の5%〜99%の範囲内に設定することが好ましく、20%〜95%の範囲内に設定することがより好ましく、30%〜90%の範囲内に設定することがさらに好ましい。
このように、単結晶薄膜の成膜状態に合わせて、中央部導入口20aと外周部導入口20bよりそれぞれに導入される反応ガス22を、それぞれに異なるC/Si比としており、具体的に上記したような範囲に値を設定することにより、確実に結晶基板18の表面に均一のドーピング濃度と膜厚を有するシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を形成することができる。
また、本発明の単結晶成膜方法では、反応ガス22を導入する際において、反応ガス22のキャリアガス中に塩化水素(HCl)が含まれていたり、シリコン(Si)原料ガス中に塩素(Cl)が含まれている場合には、中央部導入20aより導入される反応ガス22と外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値についても、それぞれに異ならせるようにしている。
具体的には、中央部導入口20aより導入される反応ガス22と外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値が同一で、結晶基板18の表面に成膜され
る単結晶薄膜の成長速度が、結晶基板18の中央部に比べて外周部の方が速い場合には、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値と、中央部導入口2
0aより導入される反応ガス22のCl/Si比の値とを、5%以上ずらして設定するこ
とが好ましい。
このようにCl/Si比の値を設定すると、結晶基板18の表面に膜厚のばらつきがなく、均一な厚みを有する単結晶薄膜を形成することができる。
なお、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和しているか否かで、塩素系ガスの添加が単結晶薄膜の成膜速度に与える影響が異なる。
まず、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和している時には、反応ガス22中に塩素系ガスを添加することで、シリコン(Si)原料ガスの分解反応が促進されることとなる。
このため、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和している時には、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のCl/Si比の値よりも5%以上小さくすることで、単結晶薄膜の膜
厚のばらつきを防止することができる。
一方、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和していない時には、反応ガス22中に塩素系ガスを添加すると、結晶基板18の表面のエッチング効果が高まってしまい、結果として単結晶薄膜の成膜速度が遅くなってしまうこととなる。
このため、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和していない時には、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のCl/Si比の値よりも5%以上大きくすることで、単結晶薄膜の
膜厚のばらつきを防止することができる。
また反対に、中央部導入口20aより導入される反応ガス22と外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値が同一で、結晶基板18の表面に成膜され
る単結晶薄膜の成長速度が、結晶基板18の中央部に比べて外周部の方が遅い場合には、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値と、中央部導入口2
0aより導入される反応ガス22のCl/Si比の値とを、5%以上ずらして設定するこ
とが好ましい。
このようにCl/Si比の値を設定すると、結晶基板18の表面に膜厚のばらつきがなく、均一な厚みを有する単結晶薄膜を形成することができる。
なお、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和している時には、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のCl/Si比の値よりも5%以上大きくすることで、単結晶薄膜の膜厚の
ばらつきを防止することができる。
一方、気相中でシリコン(Si)原料ガスが飽和していない時には、外周部導入口20bより導入される反応ガス22のCl/Si比の値を、中央部導入口20aより導入される反応ガス22のCl/Si比の値よりも5%以上小さくすることで、単結晶薄膜の膜厚
のばらつきを防止することができる。
以上、本発明の単結晶成膜方法について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、例えば図4に示したように結晶基板18が大径で、外周部導入口20bが、いくつもある場合には、その都度、C/Si比の値およびCl/Si比の値の設定範囲を決定すれば良いものである。
さらに、本発明の単結晶成膜方法によれば、中央部導入口20aより導入される反応ガス22と外周部導入口20bより導入される反応ガス22のC/Si比の値およびCl/Si比の値を、上記したように設定することで、単結晶薄膜のドーピング濃度と膜厚にばらつきが生じないようになされているが、これらは別々に設定しても、2つの値を同時に設定しても良いものである。2つを同時に設定した場合には、1つだけの場合よりもさらに単結晶薄膜の膜厚やドーピング濃度のばらつきを防止することができる。
さらに、上述したC/Si比の値およびCl/Si比の値の他にも、キャリアガス流速比、原料ガス流量比、ドーパントガス流量、HCl流量などについても、ガス導入口ごとに別々に設定することができ、このようにすれば、C/Si比の値およびCl/Si比の値の設定だけの時よりも、より正確に単結晶薄膜のドーピング濃度と膜厚にばらつきが生じないようにすることもでき、その要旨を逸脱しない範囲内において、各種の設定追加が
可能なものである。
図1は、本発明の単結晶成膜方法に用いられる単結晶成膜装置の一形態について説明するための概略図である。 図2は、図1に示した単結晶成膜装置の上面図であり、図2(a)〜図2(c)は、反応ガス22導入口の外周部導入口20bと中央部導入口20aの形成例について説明する説明用上面図である。 図3は、反応ガス22導入口の外周部導入口20bと中央部導入口20aの他の形成例について説明する説明用上面図である。 図4は、反応ガス22導入口の外周部導入口20bと中央部導入口20aの他の形成例について説明する説明用上面図である。 図5は、本発明の単結晶成膜方法に用いられる単結晶成膜装置の他の形態について説明するための概略図である。 図6は、本発明の単結晶成膜方法に用いられる単結晶成膜装置の他の形態について説明するための概略図である。 図7は、従来の単結晶成膜装置を説明するための概略図である。 図8は、従来の単結晶成膜装置を説明するための概略図である。
符号の説明
10・・・単結晶成膜装置
12・・・縦型反応器
14・・・動力手段
16・・・支持台(サセプタ)
18・・・結晶基板18
20・・・反応ガス22導入口
20a・・中央部導入口20a
20b・・外周部導入口20b
20b1・第1外周部導入口20b
20b2・第2外周部導入口20b
22・・・反応ガス22
100・・・単結晶成膜装置
102・・・縦型反応器
104・・・回転軸
106・・・支持台(サセプタ)
108・・・結晶基板18
110・・・ヒータ
112・・・反応ガス22
114・・・反応ガス22導入口
116・・・排気口
200・・・単結晶成膜装置
202・・・縦型反応器
204・・・回転軸
206・・・支持台(サセプタ)
208・・・結晶基板18
212・・・反応ガス22
214a・・中央部導入口20a
214b・・外周部導入口20b
216a・・調整手段
216b・・調整手段

Claims (15)

  1. 内部に限定された空間を有する縦型反応器内に設けられた支持台上に、結晶基板を配置する工程と、
    前記結晶基板が配置された支持台を動力手段によって回転させる工程と、
    前記動力手段により回転された支持台上の結晶基板の中央部に、中央部導入口よりシリコン(Si)原料ガスとカーボン(C)原料ガスとドーパントガスとキャリアガスとを混合した反応ガスを導入するとともに、同様に前記結晶基板の外周部に、外周部導入口より前記反応ガスを導入する工程と、
    前記縦型反応器内の支持台を加熱手段で加熱することで、支持台に配置された結晶基板を加熱する工程と、
    加熱された前記結晶基板の表面に前記反応ガスの成分元素あるいは化合物を連続的に析出成長させ、これにより前記結晶基板の表面にシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を成膜する工程と、
    を少なくとも有する単結晶成膜方法であって、
    前記反応ガスを導入する工程において、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、それぞれに異ならせて設定することを特徴とする単結晶成膜方法。
  2. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜された単結晶薄膜が、前記結晶基板の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が高い状態である場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも大きな値となるように設定することを特徴とする請求項1に記載の単結晶成膜方法。
  3. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも大きな値となるように設定する場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値の101%〜1000%の範囲内に設定することを特徴とする請求項2に記載の単結晶成膜方法。
  4. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜された単結晶薄膜が、前記結晶基板の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が低い状態である場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも小さな値となるように設定することを特徴とする請求項1に記載の単結晶成膜方法。
  5. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも小さな値となるように設定する場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値の5%〜99%の範囲内に設定することを特徴とする請求項4に記載の単結晶成膜方法。
  6. 内部に限定された空間を有する縦型反応器内に設けられた支持台上に、結晶基板を配置
    する工程と、
    前記結晶基板が配置された支持台を動力手段によって回転させる工程と、
    前記動力手段により回転された支持台上の結晶基板の中央部に、中央部導入口よりシリコン(Si)原料ガスとカーボン(C)原料ガスとドーパントガスとキャリアガスとを混合した反応ガスを導入するとともに、同様に前記結晶基板の外周部に、外周部導入口より前記反応ガスを導入する工程と、
    前記縦型反応器内の支持台を加熱手段で加熱することで、支持台に配置された結晶基板を加熱する工程と、
    加熱された前記結晶基板の表面に前記反応ガスの成分元素あるいは化合物を連続的に析出成長させ、これにより前記結晶基板の表面にシリコンカーバイド(SiC)の単結晶薄膜を成膜する工程と、
    を少なくとも有する単結晶成膜方法であって、
    前記反応ガスを導入する工程において、
    前記反応ガスのキャリアガス中に塩化水素(HCl)が含まれているか、および/または、シリコン(Si)原料ガス中に塩素(Cl)が含まれている場合、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値を、それぞれに異ならせて設定することを特徴とする単結晶成膜方法。
  7. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜される単結晶薄膜の成長速
    度が、前記結晶基板の中央部に比べて外周部の方が速い場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値と、前記中央部導入口よ
    り導入される反応ガスのCl/Si比の値とを、5%以上ずらして設定することを特徴と
    する請求項6に記載の単結晶成膜方法。
  8. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜される単結晶薄膜の成長速
    度が、前記結晶基板の中央部に比べて外周部の方が遅い場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのCl/Si比の値と、前記中央部導入口よ
    り導入される反応ガスのCl/Si比の値とを、5%以上ずらして設定することを特徴と
    する請求項6に記載の単結晶成膜方法。
  9. 前記反応ガスを導入する工程において、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、それぞれに異ならせて設定することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の単結晶成膜方法。
  10. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜された単結晶薄膜が、前記結晶基板の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が高い状態である場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも大きな値となるように設定することを特徴とする請求項9に記載の単結晶成膜方法。
  11. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より
    導入される反応ガスのC/Si比の値よりも大きな値となるように設定する場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値の101%〜1000%の範囲内に設定することを特徴とする請求項10に記載の単結晶成膜方法。
  12. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記中央部導入口より導入される反応ガスと前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比が同一であり、前記結晶基板の表面に成膜された単結晶薄膜が、前記結晶基板の中央部に比べ外周部のドーピング濃度が低い状態である場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも小さな値となるように設定することを特徴とする請求項9に記載の単結晶成膜方法。
  13. 前記単結晶薄膜を成膜する工程において、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値よりも小さな値となるように設定する場合、
    前記外周部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値を、前記中央部導入口より導入される反応ガスのC/Si比の値の5%〜99%の範囲内に設定することを特徴とする請求項12に記載の単結晶成膜方法。
  14. 前記反応ガスを導入する工程において、
    前記反応ガスを結晶基板の中央部に導入する中央部導入口は、前記結晶基板の中心部の直上に位置決めされ、
    前記反応ガスを結晶基板の外周部に導入する外周部導入口は、前記中央部導入口の位置から結晶基板の外周方向に向かって所定の距離離間した位置に位置決めされていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の単結晶成膜方法。
  15. 前記反応ガスを導入する工程において、
    前記反応ガスを結晶基板の中央部に導入する中央部導入口は、前記結晶基板の中心部の直上よりも結晶基板の外周方向に向かって所定の距離離間して位置決めされ、
    前記反応ガスを結晶基板の外周部に導入する外周部導入口は、前記中央部導入口の位置から結晶基板の外周方向に向かってさらに所定の距離離間した位置に位置決めされていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の単結晶成膜方法。
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