JP2009071017A - 気相成長装置及び気相成長方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チャンバ101と、ガス供給部103と、チャンバ101内をバッファ領域130と反応領域140とに区分するとともに、貫通孔120が形成されプロセスガスを整流するガス整流板102と、バッファ領域130であって、ガス整流板102に対して所定距離離間して設けられ、ガス整流板102を通過するプロセスガスの流量を制御するガス遮蔽板104と、反応領域140に設けられ、ウェハ105を載置するホルダ106と、チャンバ101内からプロセスガスを排気するガス排気部110とを備えることを特徴とする。これにより、ウェハ105の気相成長膜が成膜される全面に供給するプロセスガスの流量を調整し、ウェハ105全面における膜厚や不純物濃度の均一性を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
シリコンウェハ等の半導体基板に単結晶膜を成膜させるエピタキシャル成長には、一般に常圧化学気相成長法が用いられ、場合によっては減圧化学気相成長(LPCVD)法が用いられている。
これらの気相成長方法は、シリコンウェハ等の半導体基板が配置されたチャンバ内を、常圧(0.1MPa(760Torr))、或いは減圧に保持した状態で、半導体基板を加熱し回転させながらシリコン源となる原料ガスと、ボロン化合物のジボラン(B2H6)、リン化合物のホスフィン(PH3)、砒素化合物のアルシン(AsH3)等のドーパントガスとが混合されたプロセスガスを供給する。そして、加熱された半導体基板の表面で、原料ガスの熱分解反応或いは水素還元反応が行なわれ、ボロン(B)、リン(P)、或いは砒素(As)がドープされた気相成長膜が成膜される。
これを実現するために、必要に応じて成分濃度の異なるプロセスガスをチャンバ内に供給してエピタキシャル成長が行なわれる気相成長装置の技術が開示されている(特許文献1参照)。
ガス整流板302が設けられた気相成長装置300において気相成長が行なわれる場合、チャンバ301内のホルダ306(サセプタとも言う)に載置された半導体基板305(ウェハとも言う)を回転させながら、ウェハ305の下部に備えられたヒータ309によってウェハ305が加熱される。
チャンバ301の上部には、それぞれ異なった流量或いは異なった成分濃度のプロセスガスを供給するガス供給部303a、303bが設けられ、所定のプロセスガスが供給される。供給されたプロセスガスはガス整流板302を介してウェハ305に供給され、加熱されたウェハ305上において、熱分解反応或いは水素還元反応が行なわれ、気相成長膜が成膜される。
これを解消するために、主にウェハ305の周縁部に対して供給するプロセスガスの流量或いは成分濃度を区画された隔壁350によって調整して、気相成長膜の均一性を向上させようとしていた。しかしながら、膜厚を調整することができるウェハ305の周縁部領域は隔壁350によって区画されるものであり、可動的に設定できるものではないため、成膜される気相成長膜の種類や、ホルダ306に載置されるウェハ305の種類等に適応した制御を行なうことはできなかった。
このため、従来の気相成長装置300では、ウェハ305に成膜される気相成長膜の全面における膜厚や不純物濃度の均一性の向上が十分ではなかった。
チャンバと、
チャンバ上部に設けられ、チャンバ内へプロセスガスを供給するガス供給部と、
チャンバ内の上部に設けられ、チャンバ内をバッファ領域と反応領域とに区分するとともに、貫通孔が形成されプロセスガスを整流するガス整流板と、
バッファ領域であって、ガス整流板に対して所定距離離間して設けられ、ガス整流板を通過するプロセスガスの流量を制御するガス遮蔽板と、
反応領域に設けられ、半導体基板を載置する基板支持台と、
チャンバ下部に設けられ、チャンバ内からプロセスガスを排気するガス排気部と、
を備えることを特徴とする。
チャンバと、
チャンバ上部に設けられ、チャンバ内へプロセスガスを供給するガス供給部と、
チャンバ内の上部に設けられ、チャンバ内をバッファ領域と反応領域とに区分するとともに、貫通孔が形成されプロセスガスを整流するガス整流板と、
バッファ領域であって、ガス整流板に対して所定距離離間して設けられ、ガス整流板を通過するプロセスガスの流量を制御するガス遮蔽板と、
反応領域に設けられ、半導体基板を載置する基板支持台と、
チャンバ下部に設けられ、チャンバ内からプロセスガスを排気するガス排気部と、
を備える上述の気相成長装置を用いて、基板支持台に載置される半導体基板上に気相成長を行なうことを特徴とする。
まず、実施形態1について、図に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の気相成長装置100を示す概念断面図である。また、図2は、本実施形態のガス整流板102の上面図である。
図1における気相成長装置100は、チャンバ101上部の側面にガス供給部103が設けられ、チャンバ101のバッファ領域130にプロセスガスを供給する。また、チャンバ101内の上部にガス整流板102が設けられ、チャンバ101内をバッファ領域130と反応領域140とに区分する。
ここで供給されるプロセスガスは、例えば、シリコン源となるトリクロロシラン(SiHCl3)と、キャリアガスとなる水素(H2)とを混合した原料ガスに、所定のドーパントガスを添加することにより構成される。例えば、ドーパントガスにはジボラン、ホスフィン、アルシン等が知られている。ジボランを添加すればp型、ホスフィン、或いはアルシンを添加すればn型の導電性を示す気相成長膜が成膜される。
また、チャンバ101内のバッファ領域130に設けられたガス整流板102に対して、所定距離離間してガス遮蔽板104が設けられる。このガス遮蔽板104の上面には、ガス遮蔽板104と同様の基材によって構成された駆動軸111が略垂直に設けられる。ガス遮蔽板104は、この駆動軸111を介して駆動機構112と接続され、上下に移動することができる。
図3及び図4に示すように、ガス遮蔽板104は、例えば、チャンバ101内を金属汚染しない基材の一種である炭化ケイ素(SiC)或いは石英(SiO2)製の円盤状部材によって構成される。そして、ガス遮蔽板104は、その中心がウェハ105の中心の直上に重なるように配置される。
ガス遮蔽板104は、駆動軸111を介して駆動機構112により上下に移動し、ガス整流板102とガス遮蔽板104との離間距離a1を自在に増減し、反応領域140へ供給するプロセスガスの流量を制御する。
ガス遮蔽板104は、その直径をd1、ホルダ106に載置されるウェハ105の直径をD1としたときに、d1≦D1 の関係を満たすように構成される。具体的には、ウェハ105が8インチウェハ(約200mmφ)であった場合、ガス遮蔽板104の直径d1は、0.7D1〜0.8D1となる140mmφ〜160mmφとされることが望ましい。
本実施形態の気相成長装置100は、ウェハ105の周縁部領域B1の上面への成膜を促進するために、上述した直径がd1のガス遮蔽板104を備え、ウェハ105の中央部領域A1の上面に供給されるプロセスガスの流量が少なくなるように制御する。この結果、ウェハ105の周縁部領域B1の上面と接触するプロセスガスの流量を、ウェハ105の中央部領域A1に対して相対的に多くすることができる。
本実施形態のガス遮蔽板104と、ガス整流板102との離間距離をa1としたとき、a1を0に漸近させると、ウェハ105の中央部領域A1の上面に成膜される気相成長膜の成膜速度が次第に減退する。これは、領域A1に流れるプロセスガスの流量が減少し、ウェハ105の中央部領域A1の上面に接触する成膜成分が減少するためである。しかしこのとき、ウェハ105の周縁部領域B1の上面に流れるプロセスガスの流量は、遮蔽板104の影響を受けないために変動しない。したがって、ウェハ105の中央部領域A1の上面に成膜される気相成長膜の成膜速度は変動しない。即ち、ウェハ105の周辺部領域B1における成膜速度が相対的に向上する。
また逆に、a1を、0から遠ざければ遠ざけるほど、ウェハ105の中央部領域A1では、ガス遮蔽板104が設けられていない場合と略同様の成膜速度に近づく。即ち、ウェハ105の周辺部領域B1の上面に成膜される気相成長膜の成膜速度は、領域A1に比べ、相対的に低下する。
これにより、ウェハ105に成膜される気相成長膜の全面における膜厚や不純物濃度の均一性を向上させることができる。
この結果、チャンバ101内が微減圧や常圧であっても、プロセスガスの層流をウェハ105上に形成することができる。
さらに、トリクロロシランは、シリコン結晶等の副生成物の生成も少なく抑えられる。そのため、気相成長装置100では、これを洗浄するためのメンテナンスを行なう頻度を減少させても、良好な反応環境を維持することができる。
したがって、気相成長装置100は、チャンバ101内を減圧する時間的コストの低減、メンテナンスを行なう頻度の減少、気相成長膜の成膜速度の向上が同時に達成され、生産性、量産性ともに優れる。
次に、実施形態2について図に基づいて説明する。
図5は、実施形態2におけるガス遮蔽板204と、ガス整流板202及びウェハ205の配置を示す拡大断面図である。
本実施形態のガス遮蔽板204は、例えば、独楽の形状に類似した、底面の直径をd2とする下向きの略円錐状部材によって構成されている。そして、ガス遮蔽板204は、これを構成する略円錐状部材の頂点である先端部212がウェハ205の中心の直上に重なるように配置される。
ガス遮蔽板204の上面には、駆動軸211が略垂直に設けられる。ガス遮蔽板204は、この駆動軸211を介して図示しない駆動機構と接続され、上下に移動させることができる。これにより、ガス整流板202とガス遮蔽板204との離間距離a2が自在に増減され、ウェハ205に供給するプロセスガスの流量を制御することができる。
本実施形態においては、離間距離a2=0であっても、ガス遮蔽板204の先端部212以外はガス整流板202に接しない。そのため、ガス整流板202に形成された貫通孔220を封塞しないため、ガス遮蔽板204の作用効果は発揮される。このため、ガス遮蔽板204を設けた気相成長装置を用いることで、ウェハ205上に供給されるプロセスガスの流量を、ウェハ205の周方向の気相成長膜の膜厚の分布に応じて制御することができる。
この結果、本実施形態の気相成長装置において生産されるウェハ205は、成膜される気相成長膜の全面において膜厚や不純物濃度の均一性を向上できる。
また、本発明の実施形態では、ガス遮蔽板は円盤状或いは略円錐状といった、平面が円形の部材で構成され、ガス遮蔽板が整流板の中央部付近を封塞する形態とした。しかし、例えばウェハの中央部の成膜速度が低い特性を持つ気相成長装置については、ウェハの周縁部に対してプロセスガスの流量を調整できる、例えばリング状の部材を用いてガス遮蔽板を構成すれば良い。すると、上述の実施形態の作用効果と同様に、ウェハの中央部への気相成長膜の成膜速度を促進することができ、ウェハ全面における気相成長膜の膜厚や不純物濃度の均一性を向上できる。
101…チャンバ
102…ガス整流板
103…ガス供給部
104…ガス遮蔽板
105…ウェハ
106…ホルダ
107…回転胴
108…凹部
109…ヒータ
110…ガス排気部
111…駆動軸
112…駆動機構
120…貫通孔
130…バッファ領域
140…反応領域
Claims (5)
- チャンバと、
前記チャンバ上部に設けられ、前記チャンバ内へプロセスガスを供給するガス供給部と、
前記チャンバ内の上部に設けられ、前記チャンバ内をバッファ領域と反応領域とに区分するとともに、貫通孔が形成されプロセスガスを整流するガス整流板と、
前記バッファ領域であって、前記ガス整流板に対して所定距離離間して設けられ、前記ガス整流板を通過する前記プロセスガスの流量を制御するガス遮蔽板と、
前記反応領域に設けられ、半導体基板を載置する基板支持台と、
前記チャンバ下部に設けられ、前記チャンバ内からプロセスガスを排気するガス排気部と、
を備えることを特徴とする気相成長装置。 - 前記ガス遮蔽板は、略円盤状であって、その直径をdとし、前記チャンバ内に収容される半導体基板の直径をDとするとき、d≦D の関係が満たされることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記ガス遮蔽板は、駆動機構に接続され、前記ガス整流板との離間距離を増減できることを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載の気相成長装置。
- 前記離間距離をaとすると、0<a≦d/4に設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の気相成長装置。
- 請求項1記載の気相成長装置を用いて、半導体基板上に気相成長を行なうことを特徴とする気相成長方法。
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2007
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