JP2003002795A - 炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置

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JP2003002795A JP2001190218A JP2001190218A JP2003002795A JP 2003002795 A JP2003002795 A JP 2003002795A JP 2001190218 A JP2001190218 A JP 2001190218A JP 2001190218 A JP2001190218 A JP 2001190218A JP 2003002795 A JP2003002795 A JP 2003002795A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の炭化珪素単結晶を長時間連続して製
造することができる炭化珪素単結晶の製造方法及び製造
装置を提供すること。 【解決手段】 反応容器10内に炭化珪素単結晶よりな
る種結晶6を配置し,反応容器10内にSiを含有する
珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合
ガス8を導入することにより,種結晶6の初期表面60
上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶7を成長させる炭
化珪素単結晶の製造方法である。混合ガス8を反応容器
10内に導入する際に,複数のガス流路31,32を有
するガス導入管2を用いて,各ガス流路31,32ごと
に独立に混合ガス8のガスモル比とガス流量の少なくと
も一方を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,欠陥の少ない高品質な炭化珪素
単結晶を効率良く製造する炭化珪素単結晶の製造方法及
びこれに適した炭化珪素単結晶の製造装置に関する。
【0002】
【従来技術】炭化珪素単結晶は,高耐圧,高電子移動度
という特徴を有するため,パワーデバイス用半導体とし
て期待されている。炭化珪素単桔晶を製造する方法とし
ては,例えば昇華法(改良レーリー法)と呼ばれる単結
晶成長方法が用いられる。改良レーリー法は,黒鉛製る
つぼ内に炭化珪素原料を挿入すると共にこの原料部と対
向するように種結晶を黒鉛製るつぼの内壁に装着し,原
料部を2200〜2400℃に加熱して昇華ガスを発生
させ,原料部より数十〜数百℃低温にした種結晶上にお
いて再結晶させることで炭化珪素単結晶を成長させるも
のである。
【0003】この改良レーリー法では,炭化珪素単結晶
の成長に伴って炭化珪素原料が減少するため,成長させ
ることができる量に限界がある。たとえ,成長途中に原
料を追加する手段をとったとしても,SiCが昇華する
際にSi/C比が1を超える比で昇華するため,成長中
に原料を追加するとるつぼ内の昇華ガスの濃度が揺ら
ぎ,結晶を連続的に高品質に作製することの障害となっ
てしまう。
【0004】一方,CVDによって炭化珪素をエピタキ
シャル成長させるものとして,特表平11−50853
1号公報に記載の従来技術がある。図12はその従来の
製造装置9の概略断面図である。図12に示すように,
円筒形状のケース92の中央付近に円筒状のサセプタ9
7を配置している。このサセプタ97は高純度の黒鉛等
からなる。
【0005】サセプタ97の上端面の蓋912には,種
結晶となる炭化珪素単結晶基板913が配置されてい
る。ケース92の外部には,上記サセプタ97の外周に
相当する位置に,サセプタ97内部を加熱するための加
熱手段911が配置されている。サセプタ97の周囲は
断熱材910である多孔質の黒鉛により充填されてい
る。そして,サセプタ97の下端において,この断熱材
910によって漏斗状の通路915が形成されている。
【0006】ケース92の下端には炭化珪素単結晶の成
長に必要なSiやCを含有する混合ガスを供給する供給
手段95が配置されている。また,サセプタ97の上端
面には混合ガスが排気される通路914が形成さてお
り,ケース92の上部にはケース92の外部に繋がる通
路916が形成されている。
【0007】この様な構成の製造装置では,供給手段9
5から供給された混合ガスが断熱材910により形成さ
れた通路915を通ってサセプタ97内に移動し,混合
ガスが加熱手段911により加熱されて種結晶913上
に炭化珪素単結晶としてエピタキシャル成長される。そ
して残留した混合ガスはサセプタ97上端面の通路91
5を通り,ケース92の上部に形成された通路916を
通って排気される。
【0008】
【解決しようとする課題】上記従来の高温CVDによる
炭化珪素単結晶の製造では,供給原料ガスを制御できる
ため,従来の昇華法における原料追加による連続製造の
障害を回避することができる。しかしながら,上記CV
D法においては,ケース92の内部は中心から外部に向
かって高温になり,また,ケース92は黒鉛で出来てい
るため,昇華法と同様な供給ガス濃度の空間揺らぎを生
じる。
【0009】また,混合ガスの温度が500℃程度以上
になると,Siがこの壁面に堆積し,また,混合ガスが
SiとCの反応温度に達すると,SiとCとが反応して
通路915の壁面にSiCが堆積してしまう。そして,
これらの堆積により通路が詰まってしまうことで,供給
ガス濃度の時間揺らぎが生じ,高品質な炭化珪素単結晶
の製造が困難となっていた。
【0010】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので,高品質の炭化珪素単結晶を長時間連続して
製造することができる炭化珪素単結晶の製造方法及び製
造装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】第1の発明は,反応容器内に炭化珪
素単結晶よりなる種結晶を配置し,上記反応容器内にS
iを含有する珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガス
とを含む混合ガスを導入することにより,上記種結晶の
初期表面上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶を成長さ
せる炭化珪素単結晶の製造方法において,上記混合ガス
を上記反応容器内に導入する際に,複数のガス流路を有
するガス導入管を用いて,各ガス流路ごとに独立に上記
混合ガスのガスモル比とガス流量の少なくとも一方を制
御することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法にあ
る(請求項1)。
【0012】本発明においては,上記複数のガス流路を
利用して,上記混合ガスのガスモル比とガス流量の少な
くとも一方をガス流路ごとに制御する。これにより,上
記反応容器内に導入された混合ガスのガス濃度を,幅方
向において自由に制御することができる。それ故,上記
種結晶上において成長する成長結晶の成長状態を混合ガ
ス濃度により制御できる。例えば,後述するようにステ
ップ成長を自由に制御することもでき,品質の良い炭化
珪素単結晶を長時間連続して形成することができる。
【0013】第2の発明は,反応容器内に炭化珪素単結
晶よりなる種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含
有する珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含
む混合ガスを導入することにより,上記種結晶の初期表
面上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭
化珪素単結晶の製造方法において,上記反応容器の下方
に設けられたガス混合室内に,上記珪素含有ガスと上記
炭素含有ガスを別々のガス導入管を用いて導入して上記
ガス混合室内において両者のガスを混合して混合ガスを
形成した後,該混合ガスを上記反応容器内に導入するこ
とを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法にある(請求
項4)。
【0014】本発明においては,上記ガス導入管を上記
珪素含有ガス用と炭素含有ガス用に分離している。その
ため,上記ガス導入管内において炭化珪素結晶が生成せ
ず,ガス導入管内壁へのSiCの堆積を確実に防止する
ことができる。また,上記反応容器の下方に上記ガス混
合室を設けたことにより,アセチレンなどの中間生成物
をここであらかじめ分解させることができ,それらをS
i,SiC2,Si2C等のガスに変換した後に反応容器
内にキャリアガスを用いて搬送することができる。その
ため,品質の良い炭化珪素単結晶を長時間連続して形成
することができる。なお,上記ガス混合室は,上記の混
合ガスから一旦SiC粉末を形成するためのものではな
く,またSiC粉末からSi,SiC2,Si2C等のガ
スに変換するためのものでもない。
【0015】第3の発明は,反応容器内に炭化珪素単結
晶よりなる種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含
有する珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含
む混合ガスを導入することにより,上記種結晶の初期表
面上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭
化珪素単結晶の製造方法において,上記反応容器内に,
上記珪素含有ガスと上記炭素含有ガスとを別々にそれぞ
れ複数のガス導入管を用いて導入し,上記反応容器内に
おいて両者のガスを混合して上記混合ガスを形成するこ
とを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法にある(請求
項6)。
【0016】本発明においては,上記ガス導入管を上記
珪素含有ガス用と炭素含有ガス用に分離している。その
ため,上記ガス導入管内において炭化珪素単結晶が生成
せず,ガス導入管内壁へのSiCの堆積を確実に防止す
ることができる。また,上記ガス導入管が,珪素含有ガ
ス用に複数,炭素含有ガス用に複数ある。そのため,こ
れらのガス導入管の配置を,均質な混合ガスが得られる
ように配置することができ,品質の良い炭化珪素単結晶
を長時間連続して形成することができる。ここで,上記
複数のガス導入管の配置としては,例えばミラー対称,
中心対称(3回対称,6回対称など)を採用することが
できる。
【0017】第4の発明は,反応容器内に炭化珪素単結
晶よりなる種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含
有する珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含
む混合ガスを導入することにより,上記種結晶の初期表
面上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭
化珪素単結晶の製造方法において,上記反応容器内に,
予め混合した上記混合ガスを,複数のガス導入管を用い
て導入することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法
にある(請求項7)。
【0018】本発明においては,予め混合した混合ガス
を,上記複数のガス導入管を用いて上記反応容器内に導
入する。そのため,ガス導入管の1本が詰まっても他の
ガス導入管から上記混合ガスを導入できる。それ故,供
給ガスの時間,空間の揺らぎの誘発を抑制することがで
き,品質の良い炭化珪素単結晶を長時間連続して形成す
ることができる。
【0019】第5の発明は,反応容器内に炭化珪素単結
晶よりなる種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含
有する珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含
む混合ガスを導入することにより,上記種結晶の初期表
面上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭
化珪素単結晶の製造装置において,上記混合ガスを上記
反応容器内に導入するために用いるガス導入管が,複数
のガス流路を形成するように少なくとも2重の多筒構造
を有しており,各ガス流路ごとに独立に上記混合ガスの
ガスモル比とガス流量の少なくとも一方を制御するよう
構成されていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造
装置にある(請求項10)。
【0020】本発明の製造装置は,2重以上の多筒構造
よりなる上記ガス導入管を有し,複数のガス流路を確保
している。そのため,各ガス流路ごとに上記混合ガスの
ガスモル比やガス流量を制御することができる。そし
て,上記反応容器内に導入された混合ガスのガス濃度
を,幅方向において自由に制御することができる。それ
故,上記種結晶上において成長する成長結晶の成長状態
を混合ガス濃度により制御できる。例えば,上記ステッ
プ成長も自由に制御することができ,品質の良い炭化珪
素単結晶を長時間連続して形成することができる。
【0021】第6の発明は,反応容器内に炭化珪素単結
晶よりなる種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含
有する珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含
む混合ガスを導入することにより,上記種結晶の初期表
面上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭
化珪素単結晶の製造装置において,上記反応容器の下方
に設けたガス混合室と,該ガス混合室に上記珪素含有ガ
スと上記炭素含有ガスを別々に導入する複数のガス導入
管とを有し,上記ガス混合室に上記珪素含有ガスと上記
炭素含有ガスとを別々に導入して上記ガス混合室内にお
いて両者のガスを混合して混合ガスを形成した後,該混
合ガスを上記反応容器内に導入するよう構成されている
ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置(請求項1
2)。
【0022】本発明の製造装置においては,上記ガス導
入管を上記珪素含有ガス用と炭素含有ガス用に分離して
いる。そのため,上記ガス導入管内において炭化珪素単
結晶が生成せず,ガス導入管内壁へのSiCの堆積を確
実に防止することができる。また,上記反応容器の下方
に上記ガス混合室を設けたことにより,アセチレンなど
の中間生成物をここであらかじめ分解させることがで
き,Si,SiC2,Si2C等のガスに変換した後に反
応容器内にキャリアガスを用いて搬送することができ
る。そのため,品質の良い炭化珪素単結晶を長時間連続
して形成することができる。
【0023】第7の発明は,反応容器内に炭化珪素単結
晶よりなる種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含
有する珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含
む混合ガスを導入することにより,上記種結晶の初期表
面上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭
化珪素単結晶の製造装置において,上記反応容器内に,
上記珪素含有ガスと,上記炭素含有ガスとを,別々に導
入するためのガス導入管をそれぞれ複数有し,該ガス導
入管から別々に導入した上記珪素含有ガスと上記炭素含
有ガスとを上記反応容器内において混合して上記混合ガ
スを形成するよう構成されていることを特徴とする炭化
珪素単結晶の製造装置にある(請求項13)。
【0024】本発明の製造装置においては,上記ガス導
入管を上記珪素含有ガス用と炭素含有ガス用に分離して
いる。そのため,上記ガス導入管内において炭化珪素単
結晶が生成せず,ガス導入管内壁へのSiCの堆積を確
実に防止することができる。また,上記ガス導入管が,
珪素含有ガス用に複数,炭素含有ガス用に複数ある。そ
のため,これらのガス導入管の配置を,均質な混合ガス
が得られるように配置することができ,品質の良い炭化
珪素単結晶を長時間連続して形成することができる。こ
こで,上記複数のガス導入管の配置としては,例えばミ
ラー対称,中心対称(3回対称,6回対称など)を採用
することができる。
【0025】第8の発明は,反応容器内に炭化珪素単結
晶よりなる種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含
有する珪素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含
む混合ガスを導入することにより,上記種結晶の初期表
面上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭
化珪素単結晶の製造装置において,予め混合した上記混
合ガスを上記反応容器内に導入するためのガス導入管を
複数有することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置
にある(請求項14)。
【0026】本発明の製造装置は,上記ガス導入管を複
数有している。そのため,上記混合ガスを導入する際
に,ガス導入管の1本が詰まっても他のガス導入管から
上記混合ガスを導入できる。それ故,供給ガスの時間,
空間の揺らぎの誘発を抑制することができ,品質の良い
炭化珪素単結晶を長時間連続して形成することができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】上記第1の発明(請求項1)にお
いては,上記複数のガス流路は,少なくとも2重の多筒
構造を有するガス導入管内に設けられており,各ガス流
路におけるガス流量は,上記成長結晶の成長初期には,
上記ガス導入管の中心に位置する上記ガス流路のガス流
量を最大とすると共に,中心から離れた上記ガス流路ほ
どガス流量を小さくし,上記成長結晶の成長初期を過ぎ
た後は,上記ガス導入管の中心に位置する上記ガス流路
のガス流量を最小とすると共に,中心から離れた上記ガ
ス流路ほどガス流量を大きくすることが好ましい(請求
項2)。
【0028】この場合には,上記成長結晶の成長初期に
種結晶中央の供給ガス濃度を高くすることによって,成
長初期に成長ステップの供給の役割を果たすスパイラル
成長中心を種結晶の中央部に作製することができる。そ
してその後,上記種結晶の周辺側が中央よりも高いガス
濃度となるようにガス流量を調整することによって,成
長テラス幅を結晶全面で一定としたステップ成長を実現
することができる。それ故,中心部分を除き,非常に高
品質な炭化珪素単結晶を形成することができる。
【0029】また,上記成長結晶の幅方向中心部におけ
る厚さをh0,上記成長結晶の幅方向端部における厚さ
をh1とすると,h0≧h1となるように透過X線で形
状確認を行いつつ上記ガス流路ごとのガスモル比とガス
流量の少なくとも一方を制御することが好ましい(請求
項3)。
【0030】この場合には,形成された成長結晶の断面
形状を上記透過X線によって確認することができるの
で,その断面形状が常に一定になるように,径方向の供
給ガス濃度分布を制御することができる。そして,特に
凸形で成長させた場合には,欠陥を外部に排出(変換)
させることができ,また理想的なステップ成長が実現で
きるため,2次元成長核発生等に起因した欠陥の新たな
発生も防止することができる。
【0031】次に,上記第2の発明(請求項4)におい
ては,上記ガス混合室の温度は2000℃以上に保持す
ることが好ましい(請求項5)。この場合には,上述し
た上記ガス混合室でのアセチレンなどの中間生成物の分
解作用を向上させることができる。それ故,さらに安定
して品質の良い炭化珪素単結晶を長時間連続して形成す
ることができる。
【0032】次に,上記第4の発明(請求項7)におい
ては,上記複数のガス導入管を交互に用いて上記混合ガ
スを上記反応容器内に導入することが好ましい。この場
合には,ガス導入管の1本が詰まった場合,別の導入管
を用いることで,定常的に均質な混合ガスを反応容器内
に導入できるため,品質の良い炭化珪素単結晶を形成す
ることが可能となる。また,ガス導入管の詰まり状態の
チェックは,例えば透過X線や装置下部に設置された温
度測定用窓からCCDカメラによって直接観察して行う
ことができる。
【0033】次に,上記第1〜第4の発明においては,
上記ガス導入管を加熱しながら上記珪素含有ガス,上記
炭素含有ガス又はこれらの混合ガスを導入することが好
ましい(請求項9)。この場合には,ガス導入管内壁へ
のSiCの堆積をより確実に抑制することができるた
め,供給ガス濃度分布の時間,空間揺らぎを防止するこ
とが可能となり,さらに品質の良い炭化珪素単結晶を形
成することが可能となる。
【0034】次に,上記第5の発明(請求項10)にお
いては,上記種結晶の上記初期表面上において成長した
上記成長結晶の形状を確認するためのX線照射装置を有
することが好ましい(請求項11)。これにより,成長
結晶の形状を容易に確認することができるので,形状に
応じたガス流量等の制御を比較的容易に行うことができ
る。
【0035】次に,上記第7の発明(請求項14)にお
いては,上記複数のガス導入管を交互に開閉する切り替
え装置を有していることが好ましい(請求項15)。こ
の場合には,上記複数のガス導入管に対して交互に混合
ガスを導入することができ,ガス導入管の早期詰まりの
防止,及び定常的に均質な混合ガスの導入を促すことが
できる。
【0036】次に,上記第5〜第7の発明においては,
上記ガス導入管を加熱するための加熱装置を有すること
が好ましい(請求項16)。この場合には,ガス導入管
内壁へのSiやSiCの堆積をより確実に抑制すること
ができるため,上記と同様に,さらに品質の良い炭化珪
素単結晶を形成することができる。
【0037】また,以下の実施例においては,6H−S
iCのSi面を成長面とした場合について述べたが,本
発明はこれに限定されるものではなく,C面または(0
001)面から傾いたoff面またはa面などいずれの
結晶面を成長面とした場合にも適用可能である。また結
晶多形も4H,15R等いずれの結晶多形にも適用可能
である。
【0038】
【実施例】(実施例1)本発明の炭化珪素単結晶の製造
方法及び製造装置につき,図1,図2を用いて説明す
る。本例の炭化珪素単結晶の製造装置1は,図1に示す
ごとく,反応容器10内に炭化珪素単結晶よりなる種結
晶6を配置し,上記反応容器10内にSiを含有する珪
素含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガ
ス8を導入することにより,上記種結晶6の初期表面6
0上に炭化珪素単結晶よりなる成長結晶7を成長させる
炭化珪素単結晶の製造装置である。
【0039】本例では,図1,図2に示すごとく,上記
混合ガス8を反応容器10内に導入するために用いるガ
ス導入管2が,2つのガス流路31,32を形成するよ
うに2重筒構造を有しており,各ガス流路ごとに独立に
混合ガス8のガスモル比とガス流量の少なくとも一方を
制御するよう構成されている。以下,これを詳説する。
【0040】本例の製造装置1は,図1に示すごとく,
2つの円盤121,122を組み合わせてなる上部フラ
ンジ12と,下部フランジ13とを上下端に有する円筒
状のケース11に上記反応容器10を収納してなる。ケ
ース11は石英二重管より構成されており,その内部に
冷却水41を循環するための冷却水導入口113および
冷却水導出口114を設けてある。また,ケース11の
外方には,反応容器10を加熱するためのRFコイル1
4を配設してある。このRFコイル14は,ケース11
に内蔵された上記反応容器10を覆う位置に配置されて
いる。
【0041】また,ケース11内には,反応容器10の
周囲を覆うように断熱材15が配設されている。そし
て,反応容器10の下方には,下部フランジ13を貫通
して挿設された混合ガス導入用の上記ガス導入管2が接
続されている。本例のガス導入管2は,図1,図2に示
すごとく,外筒16内に収納されており,内管21と外
管22よりなる2重管構造を有している。そして,内管
21の内部に第1のガス流路31が,内管21と外管2
2との間に第2のガス流路32が形成されている。そし
て,各ガス流路31,32には,それぞれ混合ガス供給
源が接続されていると共に,それぞれ単独で混合ガス8
のガスモル比及びガス流量を調整するための制御装置
(図示略)が接続されている。
【0042】また,上記反応容器10の上端部分には,
上記種結晶6を取り付けるための台座17が配設されて
いる。台座17は,上部フランジ12を貫通して挿設さ
れたシャフト18に接続されており,該シャフト18内
に設けた台座冷却用ガス配管185を通して外部から冷
却ガス2が台座17の上面に導入されるようになってい
る。そして,台座17は,上部フランジ12の上方に配
設された結晶引き上げ機構部19によって,上記シャフ
ト18と共に上方に移動可能に設けられている。
【0043】また,上記上部フランジ12における2枚
の円盤121,122の間には,試料取り出し室124
及び試料取り出し口125が設けられており,ここまで
引き上げられた成長結晶7を上記試料取り出し口125
から外部に取り出すよう構成されている。また,試料取
り出し室124には排気配管129が接続されており,
上記試料取り出し室124まで流れてきた余剰の混合ガ
ス8を外部へ排出できるよう構成されている。また,本
製造装置1の外部上方には,反応容器10内の温度を測
定するためのパイロメータ145が配設されている。ま
た,図示されていないが,ガス導入管2の下方にもパイ
ロメータが配設されている。
【0044】そして,このような構成の製造装置1を用
いて炭化珪素単結晶である成長結晶7を成長させるに当
たっては,上記台座17に種結晶6をセットして,ガス
導入管2を介して混合ガス8を反応容器10内に導入す
る。これにより,混合ガス8は,上記種結晶6の初期表
面60上において新たな炭化珪素単結晶である成長結晶
7となる。そして,余剰の混合ガス8は,台座17及び
シャフト18の外方を通って排気配管129から外部へ
排出される。
【0045】ここで,本例の製造装置1は,上記ガス導
入管2が2重管構造であって2つのガス流路31,32
を有している。そして,各ガス流路31,32ごとに独
立に混合ガス8のガスモル比とガス流量の少なくとも一
方を制御することができる。そのため,本例において
は,上記複数のガス流路31,32を利用して,反応容
器10内に導入された混合ガス8のガス濃度を,幅方向
において自由に制御することができる。
【0046】例えば,第1のガス流路31から導入する
混合ガス8の流量を,その周囲の第2のガス流路32か
ら導入される混合ガス8の流量よりも多くすることによ
り,中心部が最も混合ガス8の濃度が高く,周囲に近づ
くほど濃度が低くなる状態を作り上げることができる。
逆に,第1のガス流路31から導入する混合ガス8の流
量を,その周囲の第2のガス流路32から導入される混
合ガス8の流量よりも少なくすることにより,中心部が
最も混合ガス8の濃度が低く,周囲に近づくほど濃度が
高くなる状態を作り上げることができる。
【0047】そのため,本例の製造装置5を用いた製造
方法では,上記種結晶6上において成長する成長結晶7
の成長状態を混合ガス濃度により制御できる。そして,
後述するステップ成長も自由に制御することができ,品
質の良い炭化珪素単結晶を長時間連続して形成すること
ができる。
【0048】(実施例2)本例では,図3に示すごと
く,実施例1の製造装置1に,さらに上記種結晶6の初
期表面60上において成長した上記成長結晶7の形状を
確認するためのX線照射装置5を設けた例を示すと共
に,成長結晶7を成長させた具体例を示す。
【0049】上記X線照射装置5は,図3に示すごと
く,X線発射装置51と,X線検出装置52とよりな
る。X線照射装置としては,例えばイメージングプレー
トを用いることができる。そして,X線発射装置51か
らX線50を発射して成長結晶7に照射し,その透過像
59をX線検出装置52に映し出せるように構成されて
いる。そして,透過像59によって,成長結晶7の幅方
向中心部における厚さh0と成長結晶7の幅方向端部に
おける厚さh1を測定することができる。
【0050】次に,本例で成長結晶7を成長させた具体
例を説明する。まず,台座17に種結晶6を取り付け,
反応容器10内の所定の位置に種結晶6を配置した。こ
の際,種結晶6は,6H−SiCの(0001)のSi
面を初期表面60とし,図1中において下方に向くよう
配置した。
【0051】そして,容器ケース11内を真空排気する
と共に,2重多筒のガス導入管2を介してArを10リ
ットル/分の流量で導入した。また,RFコイル14に
電力を投入し,反応容器10を2400℃に昇温加熱し
た。その後,反応容器10の温度が2400℃で安定し
た時点でケース11の中の圧力を2.67×104Pa
とし,上述の混合ガス8とキャリアガスをマスフローコ
ントローラにより流量を調節して,反応容器10内に導
入した。
【0052】これらのガスの流量は,中心の内管21内
のガス流路31からは,SiH4を1リットル/分,C3
8を0.27リットル/分,H2を1リットル/分,N
2を0.2リットル/分,Arを5リットル/分とし,
その外周側のガス流路32からは,SiH4を0.5リ
ットル/分,C38を0.13リットル/分,H2
0.5リットル/分,N2を0.4リットル/分,Ar
を2.5リットル/分とした。なお,それぞれのガス導
入管2は,後述する図9に示す加熱装置29を用いて,
通電加熱より約2000℃に保持した。
【0053】結晶成長時において,種結晶6又は種結晶
6上に結晶成長した成長結晶7の表面温度を,ガス導入
管2の下方に配置したパイロメータ(図示略)及びパイ
ロメータ145により測定して,この表面温度を235
0℃に制御した。また,シャフト18を回転させること
で成長結晶7の結晶表面での温度分布とガス濃度分布を
均一化した。
【0054】結晶成長開始後2時間経過した時点で,X
線装置5を用いた成長結晶7の透過像59(図3)の観
察から,結晶成長中に結晶成長量をモニタリングした。
その結果,中心付近の成長量(h1)から成長速度が
3.5mm/h,周辺付近の成長量(h0)から成長速
度が0.15mm/hの山形で成長していることが分か
った。
【0055】その後,中心(ガス流路31)と周辺(ガ
ス流路32)の混合ガス流量を逆転させた。2時間後経
過した時点で再び形状をX線で確認したところ,同様に
山形形状で,成長速度(約1.5mm/h)も中心,周
辺で一定に保たれていた。この成長速度にあわせてシャ
フト18を上方に引き上げ,成長結晶7の結晶成長を引
き続き行った。
【0056】また結晶成長中にガス導入管2の下方から
ガス導入管内を観察したがガス導入管2内の詰まりは発
生することはなかった。この様にして成長結晶7の結晶
成長を40時間行った時点でSiH4,C38,H2,N
2のガスの供給を停止し,RFコイル14の電源の電力
を下げ降温した。その後,作製したSiC単結晶である
成長結晶7を上記試料取り出し室124間で引き上げ,
該試料取り出し室124にArガスを導入して大気圧ま
で昇圧した後,成長結晶7を試料取り出し口125より
取り出した。
【0057】上記の実験の後,SiC単結晶(成長結晶
7)の成長量を測定したところ,中心で65mm,周辺
で55mmほどの成長量であった。更に成長結晶7から
SiC単結晶切断機を使用して厚さ500μmに切り出
し,その後鏡面研磨を行い,厚さ300μmのウエハを
作製した。
【0058】この様にして得られたSiCウエハのラマ
ン散乱分光特性を調べた結果,6H−SiC結晶多形で
あることが分かった。また,He−Cdレーザー(32
5nm)をSiCウエハに照射し,面内の発光特性分布
を調査した結果,ウエハ全面で同じ結晶多形の6H−S
iCであることが分かった。
【0059】また,エッチピット密度を測定したとこ
ろ,基板最中心で,1×103cm-2以下,基板周辺で
は1×102cm-2以下であり,これまでの昇華法では
得られたことのない高品質の炭化珪素単結晶が得られて
いることが判明した。
【0060】(比較例1)比較例1は,実施例1,2に
おける上記ガス導入管2に代えて,特に工夫を設けない
1重の管を有する製造装置を用いた例である。ガス導入
管以外の部分の構造は実施例1と同様である。
【0061】本比較例1では,反応容器1の温度を24
00℃,ケース11の中の圧力を2.67×104Pa
とし,上述の混合ガスとキャリアガスをマスフローコン
トローラにより流量を調節して,1本のガス導入管(図
示略)を用いて反応容器10内に導入した。これらのガ
スの流量は,SiH4を1リットル/分,C38を0.
27リットル/分,H2を1リットル/分,N2を0.4
リットル/分,Arを5リットル/分とした。
【0062】実施例2と同様にSiC単結晶である成長
結晶7の表面温度を2350℃に制御した。また,シャ
フト18を回転させることで結晶表面での温度分布とガ
ス濃度分布を均一化した。結晶成長開始後1時間経過し
た時点で,X線装置5を用いた成長結晶7の透過像59
の観察から,結晶成長中に結晶成長量をモニタリングし
た。
【0063】その結果,その成長量から成長速度が1.
5mm/hであることが分かった。この成長速度にあわ
せてシャフト18を上方に引き上げ,成長結晶7の結晶
成長を引き続き行った。成長1時間後,ガス導入管の下
方からガス導入管内を観察した結果,ガス導入管内にS
iCの堆積が起こっていた。
【0064】このまま結晶成長を5時間行った時点で詰
まりが激しくなったので,SiH4,C38,H2,N2
のガスの供給を停止し,RFコイル14の電源の電力を
下げ降温した。その後,作製したSiC単結晶(成長結
晶7)を実施例2と同様にして試料取り出し口25より
取り出した。
【0065】上記の実験の後,SiC単結晶の成長量を
測定したところ3mmほどの成長量であった。取り出し
たSiC単結晶(成長結晶7)のインゴットは成長した
表面の周辺に(0001)面のファセットを複数有して
いたことから,ガス濃度分布が時間,空間的に揺らいだ
ことが推察された。
【0066】更にSiC単結晶からSiC単結晶切断機
を使用して厚さ500μmのウエハを切り出し研磨し
た。この様にして得られたSiCウエハのラマン散乱分
光特性を調べた結果,母相は6H−SiC結晶多形であ
ったが,一部15R多形が混在していることが判明し
た。このことは,面内の発光特性解析からも,同様な結
論が導かれた。この比較例1と上記実施例2の比較によ
り,実施例2(本発明)の有用性が明確に示される。
【0067】(実施例3)本例の炭化珪素単結晶の製造
装置1は,図4に示すごとく,反応容器10の下方に設
けたガス混合室105と,該ガス混合室105に珪素含
有ガス81と炭素含有ガス82を別々に導入する複数の
ガス導入管231,232とを有する。そして,上記ガ
ス混合室105に珪素含有ガス81と炭素含有ガス82
とを別々に導入してガス混合室105内において両者の
ガスを混合して混合ガス8を形成した後,混合ガス8を
反応容器105内に導入するよう構成されている。
【0068】上記ガス混合室105は,反応容器10の
下方において,該反応容器10よりも大きな外径の部屋
に設けられている。そして,上記ガス導入管231,2
32は,このガス混合室105内に突出するよう配設さ
れている。上記ガス導入管231,232は,互いに隣
接して設けられており,その上端には両方のガス導入管
231,232を覆うように配設されたキャップ部23
3が設けられている。そして,キャップ部233の周囲
にはガスを導出可能な導出孔234が複数対称性良く設
けられている。その他は実施例1と同様である。
【0069】本例では,上記のごとく,ガス導入管とし
て,珪素含有ガス用のガス導入管231と炭素含有ガス
用のガス導入管232を分離した状態で配置して上記ガ
ス混合室105に突出させている。そのため,珪素含有
ガス81及び炭素含有ガス82は,各ガス導入管23
1,232を通って上記ガス混合室105内のキャップ
部233に到達するまではSiCを形成しない。そし
て,ガス混合室105内のキャップ部233内において
初めて混合ガス8が形成され,ガス混合室105からさ
らに上方の反応容器10内へと送られる。
【0070】そのため,ガス導入管231,232内に
おいては炭化珪素単結晶が生成せず,ガス導入管23
1,232の内壁へのSiCの堆積を確実に防止するこ
とができる。また,上記反応容器10の下方にガス混合
室105を設けたことにより,アセチレンなどの中間生
成物をここであらかじめ分解させることができ,それら
をSi,SiC2,Si2C等のガスに変換した後に反応
容器10内にキャリアガスを用いて搬送することができ
る。そのため,品質の良い炭化珪素単結晶を長時間連続
して形成することができる。
【0071】(実施例4)本例の炭化珪素単結晶の製造
装置1も,図5〜図7に示すごとく,反応容器10の下
方に設けたガス混合室105と,該ガス混合室105に
珪素含有ガス81と炭素含有ガス82を別々に導入する
複数のガス導入管260〜263とを有する。そして,
上記ガス混合室105に珪素含有ガス81と炭素含有ガ
ス82とを別々に導入してガス混合室105内において
両者のガスを混合して混合ガス8を形成した後,混合ガ
ス8を反応容器10内に導入するよう構成されている。
【0072】上記ガス混合室105は,反応容器10の
下方において,該反応容器10よりも大きな外径の部屋
に設けられている。そして,このガス混合室105に繋
がるガス導入管26は,図7に詳しく示すごとく,大径
の外管260とその中に配設された3本の内管261〜
263より構成されている。そして,図5に示すごと
く,ガス混合室105内には,ガス導入管26の開口部
に対面するように,キャップ部265が配設されてい
る。
【0073】また,本例では,図5,図6に示すごと
く,ガス混合室105の上端面に通気孔271を多数設
けた障害物としての黒鉛板27を配置した。この障害物
としては,回転機構を有した黒鉛製のプロペラ状のもの
を採用することもできる。その他の構造は実施例3と同
様である。なお,黒鉛板27の黒鉛材料の表面をTaC
でコーティングしたものが,SiC高品質結晶を得るた
めに好適に使用される。
【0074】このような構造の製造装置1を用いて炭化
珪素単結晶を成長させるに当たっては,まず,台座17
に種結晶6を取り付けて反応容器10内の所定の位置に
種結晶6を配置する。この際,種結晶6は,6H−Si
Cの(0001)のSi面がガス混合室105側(下方
側)に向くように配置した。
【0075】そして,ケース11内を真空排気すると共
に,ガス導入管26を介してArを10リットル/分の
流量で導入した。また,RFコイル14に電力を投入
し,反応容器10を成長温度:2300℃に向け昇温加
熱した。反応容器10の温度が1800℃に達した時点
で,キャリアガス用のガス導入管260からキャリアガ
ス83としてのH2を1リットル/分で導入した。ま
た,珪素含有ガス用のガス導入管261から珪素含有ガ
ス81としてSiH4を1℃あたり2cc/分,炭素含
有ガス用のガス導入管262から炭素含有ガス82とし
てのC38を1℃あたり0.5cc/分,キャリアガス
用のガス導入管263からキャリアガス83としてのN
2を1℃あたり2cc/分で昇温とともに増加させなが
ら導入した。
【0076】反応容器10の温度が2300℃になった
時点で,SiH4を1リットル/分,C38を0.25
リットル/分,N2を1リットル/分に固定した。反応
容器10の温度が2300℃で安定した時点で,ケース
11の中の圧力を2.67×104Paとした。種結晶
6または成長結晶7の表面温度は2300℃,ガス混合
室105は種結晶表面温度より200℃高温の2500
℃に制御した。
【0077】ガス混合室105の容積は,導入されたガ
スが対流しやすいように反応容器10の容積より大きく
してある。ガス混合室105には,SiH4の分解した
Si系ガス(Si)とC38の分解したC系ガス(エチ
レン,アセチレン等)が混合しやすいように,上記のご
とく障害物として黒鉛板27を設置した。黒鉛板27の
直径はガス導入管26の外径よりも大きくした。分解し
たSi系ガス(Si)と,C系ガス(エチレン,アセチ
レン等)は2500℃という高温で,SiC2,SiC2
等のSiとCの結合したガスとなり,反応ガス入り口と
しての黒鉛板27の通気孔271から反応容器10内に
導入される。反応ガス入り口としての通気孔271は,
直径5mmの穴12個より構成した。この通気孔271
により,ガス混合室105において生じたSiやCの固
形生成物が反応容器10内に流入するのを抑制すること
ができる。
【0078】また,反応容器10内においては,シャフ
ト18を回転させることで結晶表面での温度分布とガス
濃度分布を均一化した。シャフト18は,1.5mm/
hで上方に引き上げ,結晶成長を連続して行った。この
様にして成長を20時間行った時点でRFコイル14の
電源の電力を下げ降温した。
【0079】昇温時と同様に,反応容器10の温度が1
800℃になるまで,SiH4,N2流量は1℃あたり2
cc/分,C38流量は0.5cc/分で減少させた。
その後,作製したSiC単結晶である成長結晶7を,ケ
ース11内へ導入したArガスで上部容器を大気圧まで
昇圧した後,試料取り出し口より取り出した。
【0080】上記の実験の後,SiC単結晶の成長量を
測定したところ,中心,周辺ともに30mmほどの成長
量であった。更にSiC単結晶からSiC単結晶切断機
を使用して厚さ500μmに切り出し,その後鏡面研磨
を行い,厚さ300μmのウエハを作製した。この様に
して得られたSiCウエハのラマン散乱分光特性を詞べ
た結果,6H−SiC結晶多形であることが分かった。
【0081】また,He−Cdレーザー(325nm)
をSiCウエハに照射し,面内の発光特性分布を調査し
た結果,ウエハ全面で同じ結晶多形の6H−SiCであ
ることが分かった。また,エッチピット密度を測定した
ところ,基板最中心で,1×103cm-2以下,基板周
辺では,1×103cm-2以下のこれまでの昇華法では
得られたことのない高品質の炭化珪素単結晶が得られて
いることが判明した。
【0082】(実施例5)本例の製造装置では,図8,
図9に示すごとく,反応容器10内に,珪素含有ガス8
1と,炭素含有ガスと82を,別々に導入するためのガ
ス導入管241,242をそれぞれ2つずつ設け,これ
らのガス導入管241,242から別々に導入した珪素
含有ガス81と炭素含有ガス82とを上記反応容器10
内において混合して混合ガス8を形成するよう構成され
ている。
【0083】上記ガス導入管241,242はそれぞれ
対称になるよう交互に配置され,その上端部には,円盤
部245が配設されている。円盤部245には,各ガス
導入管241,242に通ずる開口部をそれぞれ設けて
ある。この円盤部245は,各ガスがガス導入管の間隙
から逆流するのを防止する役割を果たす。また,上記ガ
ス導入管241,242の間には,これらを加熱するた
めの加熱装置29を設けた。その他は実施例1と同様で
ある。
【0084】本例においては,ガス導入管241,24
2を珪素含有ガス81用のものと炭素含有ガス82用の
ものに分離している。そのため,ガス導入管241,2
42内において炭化珪素単結晶が生成せず,ガス導入管
の内壁へのSiCの堆積を確実に防止することができ
る。
【0085】また,珪素含有ガス用のガス導入管241
が2つ,炭素含有ガス用のガス導入管242が2つあ
る。そのため,これらのガス導入管241,242の配
置を,均質な混合ガスが得られるように対称に配置する
ことができる。それ故,品質の良い炭化珪素単結晶を長
時間連続して形成することができる。
【0086】また,本例では,それぞれのガス導入管2
41,242を加熱装置29を用いて,通電加熱より約
2000℃に保持したので,ガス導入管の内壁へのSi
Cの堆積防止のみならず,Siの堆積も防止することが
できるという効果も得られた。
【0087】なお,本例においても,実施例2(図3)
と同様のX線発射装置51と,イメージングプレート5
2とよりなる上記X線照射装置5を設け,透過像59を
観察しながら制御する各ガスの流量,濃度等を制御する
こともできる。
【0088】(実施例6)本例の製造装置1は,図10
に示すごとく,予め混合した混合ガス8を上記反応容器
10内に導入するためのガス導入管25を4つ設けたも
のである。上記4つのガス導入管25は,これを交互に
開閉する切り替え装置(図示略)を有している。
【0089】上記ガス導入管25は,同図に示すごと
く,対称に配列し,その先端には実施例5と同様に円盤
部255を設けた。そして円盤部255には,各ガス導
入管25に通ずる開口部を設けた。その他は実施例1と
同様である。
【0090】本例においては,予め混合した混合ガス8
を,4つのガス導入管25を用いて反応容器10内に導
入する。そのため,ガス導入管25の1本が詰まっても
他のガス導入管から混合ガス8を導入できる。それ故,
供給ガスの時間,空間の揺らぎの誘発を抑制することが
でき,品質の良い炭化珪素単結晶を長時間連続して形成
することができる。
【0091】特に本例では,4つのガス導入管25を交
互に用いて混合ガス8を反応容器10内に導入する。そ
のため,定常的に均質な混合ガス8を反応容器内に導入
できるため,品質の良い炭化珪素単結晶を形成すること
が可能となる。なお,ガス導入管25の詰まり状態のチ
ェックは,例えば透過X線により行うことができる。
【0092】(実施例7)本例の製造装置1は,図11
に示すごとく,反応容器内に,珪素含有ガス81と炭素
含有ガス82とを別々にそれぞれ複数のガス導入管(G
0〜G6)を用いて導入し,反応容器内において両者の
ガスを混合して混合ガス8を形成するよう構成した例で
ある。その他は実施例1と同様である。
【0093】この製造装置1を用いて炭化珪素単結晶を
成長させるに当たっては,まず,台座17に種結晶6を
取り付け,反応容器10内の所定の位置に種結晶6を配
置する。この際,種結晶6は,6H−SiCの(000
1)のSi面がガス導入管の開口部側(下方)に向くよ
うに配置した。
【0094】そして,ケース11内を真空排気すると共
に,ガス導入管を介してArを10リットル/分の流量
で導入した。また,RFコイル14に電力を投入し,反
応容器10を2400℃に昇温加熱した。その後,反応
容器10の温度が2400℃で安定した時点で容器の中
の圧力を2.67×104Paとし,上述の混合ガス8
用の珪素含有ガス81及び炭素含有ガス82とキャリア
ガス83をマスフローコントローラにより流量を調節し
て,反応容器10内に導入した。
【0095】これらのガスの流量は,ガス導入管から,
SiH4を1.5リットル/分,C38を0.4リット
ル/分,H2を3リットル/分,N2を0.4リットル/
分,Arを5リットル/分とした。本実施例において
は,ガス導入管は中心に一つ(G0)中心対称(G1〜
G6)に6つあり,途中の配管を切り替えることにより
SiH4,C38,H2及びArのそれぞれの導入が可能
となっている。またガス導入管の開口部近傍では導入管
内側面に溝が刻んであり,そこで導入ガスは渦を作り,
反応容器10内ですばやく混合する。
【0096】結晶成長の初期においては,ガス導入管G
1,G4からSiH4,ガス導入管G2,G5からC3
8,ガス導入管G3及びG6からH2を導入した。その
後,ガスの導入を続けるにつれて,ガス導入管G1及び
G4ではSiH4の分解により,導入管の内壁にSiが
堆積し,ガス導入管G1及びG4は他の管に比較し,細
くなる。そこで,以下の手順で導入管に流すガスを入れ
換え,ガスの配管詰まりを緩和する。
【0097】まず最初に,ガス導入管G1を閉じ,G4
の流量を倍にする。次に,G3を閉じG6の流量を倍に
する。次にG1にH2を流すラインをつなぎ込み,G1
にH2を1.5SLM流すとともに,G6の流量を1.
5SLMと半減させる。次にG2を閉じ,G5の流量を
倍にする。次にG2にSiH4を流すラインをつなぎ込
み,G2にSiH4を0.75SLM流すとともに,G
4の流量を0.75SLMと半減させる。以下同様に,
順次,各ガス導入管に供給するガスの種類を換えつつ,
またガス流量を順次変化させることで,ガス導入の不連
続を抑制し,使用するガス導入管を入れ替えることがで
きる。
【0098】最初にSiH4が導入されていたガス導入
管G1,G4にはH2が導入されるため,配管内壁に堆
積したSiがエッチングされ珪化水素となり,成長室1
0内に導かれる。このことにより,原料ガスの収率が向
上し,また配管の詰まりも緩和される。
【0099】次にガス導入管G2,G5の内壁にSiが
堆積してきたら,再びガス導入配管をローテーションす
る。今度はガス導入管G1,G4にC38,G2,G5
にH 2,G3,G6にSiH4を流す。この手順を順次繰
り返すことにより,一種(SiH4)のガスのみの流れ
が悪くなるのを防止し,また,ガス導入管の詰まりも防
止できるので,安定して連続にガスを供給することがで
きる。実際には2時間ごとにガス導入管をローテーショ
ンし,ローテーションは15minの時間でゆっくり行
った。このようにして,結晶成長を40時間行った。
【0100】次にRFコイル14ヘの電力の投入を徐々
に小さくし,降温を行った。降温時には圧力を500T
orrとし,1800℃までは徐々にSiH4,C
38,H2流量を下げていき,1800℃以下ではAr
で封止した。その後,作製したSiC単結晶を上部容器
へ搬送し,Arガスで上部容器を大気圧まで昇圧した
後,試料取り出し口より取り出した。
【0101】上記実験の後SiC単結晶の成長量を測定
したところ50mmであった。更にSiC単結晶からS
iC単結晶切断機を使用して厚さ500μmに切り出
し,その後鏡面研磨を行い,厚さ300μmのウエハを
作製した。この様にして得られたSiCウエハのラマン
散乱分光特性を調べた結果,6H−SiC結晶多形であ
ることが分かった。
【0102】また,He−Cdレーザー(325nm)
をSiCウエハに照射し,面内の発光特性分布を調査し
た結果,ウエハ全面で同じ結晶多形の6H−SiCであ
ることが分かった。また,エッチピット密度を測定した
ところ,基板最中心で,1×103cm-2以下,基板周
辺では1×102cm-2以下のこれまでの昇華法では得
られたことのない高品質の炭化珪素単結晶が得られてい
ることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,炭化珪素単結晶の製造装置
の構造を示す説明図。
【図2】実施例1における,ガス導入管の横断面図(図
1のA−A線矢視断面図)。
【図3】実施例2における,制御方法を示す説明図。
【図4】実施例3における,炭化珪素単結晶の製造装置
の構造を示す説明図。
【図5】実施例4における,ガス混合室の構造を示す説
明図。
【図6】実施例4における,黒鉛板の構造を示す説明
図。
【図7】実施例4における,ガス導入管の構造を示す説
明図。
【図8】実施例5における,ガス導入管の構造を示す説
明図。
【図9】実施例5における,炭化珪素単結晶の製造装置
の構造を示す説明図。
【図10】実施例6における,ガス導入管の構造を示す
説明図。
【図11】実施例7における,ガス導入管の構造を示す
説明図。
【図12】従来例における,炭化珪素単結晶の製造装置
の構造を示す説明図。
【符号の説明】
1...炭化珪素単結晶の製造装置, 10...反応容器, 11...ケース(石英二重管), 14...RFコイル, 17...台座, 18...シャフト, 19...結晶引き上げ機構部, 2...ガス導入管, 29...加熱装置, 5...X線照射装置, 6...種結晶, 60...初期表面, 7...成長結晶, 8...混合ガス, 81...珪素含有ガス, 82...炭素含有ガス,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 大輔 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小栗 英美 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 二ツ山 幸樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BE08 DB01 DB04 EG22 HA12 TB02 TG06 TH13

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内に炭化珪素単結晶よりなる種
    結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含有する珪素含
    有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガスを
    導入することにより,上記種結晶の初期表面上に炭化珪
    素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭化珪素単結晶
    の製造方法において,上記混合ガスを上記反応容器内に
    導入する際に,複数のガス流路を有するガス導入管を用
    いて,各ガス流路ごとに独立に上記混合ガスのガスモル
    比とガス流量の少なくとも一方を制御することを特徴と
    する炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記複数のガス流路
    は,少なくとも2重の多筒構造を有するガス導入管内に
    設けられており,各ガス流路におけるガス流量は,上記
    成長結晶の成長初期には,上記ガス導入管の中心に位置
    する上記ガス流路のガス流量を最大とすると共に,中心
    から離れた上記ガス流路ほどガス流量を小さくし,上記
    成長結晶の成長初期を過ぎた後は,上記ガス導入管の中
    心に位置する上記ガス流路のガス流量を最小とすると共
    に,中心から離れた上記ガス流路ほどガス流量を大きく
    することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記成長結晶
    の幅方向中心部における厚さをh0,上記成長結晶の幅
    方向端部における厚さをh1とすると,h0≧h1とな
    るように透過X線で形状確認を行いつつ上記ガス流路ご
    とのガスモル比とガス流量の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応容器内に炭化珪素単結晶よりなる種
    結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含有する珪素含
    有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガスを
    導入することにより,上記種結晶の初期表面上に炭化珪
    素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭化珪素単結晶
    の製造方法において,上記反応容器の下方に設けられた
    ガス混合室内に,上記珪素含有ガスと上記炭素含有ガス
    を別々のガス導入管を用いて導入して上記ガス混合室内
    において両者のガスを混合して混合ガスを形成した後,
    該混合ガスを上記反応容器内に導入することを特徴とす
    る炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記ガス混合室の温
    度は2000℃以上に保持することを特徴とする炭化珪
    素単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応容器内に炭化珪素単結晶よりなる種
    結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含有する珪素含
    有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガスを
    導入することにより,上記種結晶の初期表面上に炭化珪
    素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭化珪素単結晶
    の製造方法において,上記反応容器内に,上記珪素含有
    ガスと上記炭素含有ガスとを別々にそれぞれ複数のガス
    導入管を用いて導入し,上記反応容器内において両者の
    ガスを混合して上記混合ガスを形成することを特徴とす
    る炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 反応容器内に炭化珪素単結晶よりなる種
    結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含有する珪素含
    有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガスを
    導入することにより,上記種結晶の初期表面上に炭化珪
    素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭化珪素単結晶
    の製造方法において,上記反応容器内に,予め混合した
    上記混合ガスを,複数のガス導入管を用いて導入するこ
    とを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において,上記複数のガス導入
    管を交互に用いて上記混合ガスを上記反応容器内に導入
    することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項において,
    上記ガス導入管を加熱しながら上記珪素含有ガス,上記
    炭素含有ガス又はこれらの混合ガスを導入することを特
    徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 【請求項10】 反応容器内に炭化珪素単結晶よりなる
    種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含有する珪素
    含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガス
    を導入することにより,上記種結晶の初期表面上に炭化
    珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭化珪素単結
    晶の製造装置において,上記混合ガスを上記反応容器内
    に導入するために用いるガス導入管が,複数のガス流路
    を形成するように少なくとも2重の多筒構造を有してお
    り,各ガス流路ごとに独立に上記混合ガスのガスモル比
    とガス流量の少なくとも一方を制御するよう構成されて
    いることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項9において,上記種結晶の上記
    初期表面上において成長した上記成長結晶の形状を確認
    するためのX線照射装置を有することを特徴とすること
    を特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  12. 【請求項12】 反応容器内に炭化珪素単結晶よりなる
    種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含有する珪素
    含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガス
    を導入することにより,上記種結晶の初期表面上に炭化
    珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭化珪素単結
    晶の製造装置において,上記反応容器の下方に設けたガ
    ス混合室と,該ガス混合室に上記珪素含有ガスと上記炭
    素含有ガスを別々に導入する複数のガス導入管とを有
    し,上記ガス混合室に上記珪素含有ガスと上記炭素含有
    ガスとを別々に導入して上記ガス混合室内において両者
    のガスを混合して混合ガスを形成した後,該混合ガスを
    上記反応容器内に導入するよう構成されていることを特
    徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  13. 【請求項13】 反応容器内に炭化珪素単結晶よりなる
    種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含有する珪素
    含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガス
    を導入することにより,上記種結晶の初期表面上に炭化
    珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭化珪素単結
    晶の製造装置において,上記反応容器内に,上記珪素含
    有ガスと,上記炭素含有ガスとを,別々に導入するため
    のガス導入管をそれぞれ複数有し,該ガス導入管から別
    々に導入した上記珪素含有ガスと上記炭素含有ガスとを
    上記反応容器内において混合して上記混合ガスを形成す
    るよう構成されていることを特徴とする炭化珪素単結晶
    の製造装置。
  14. 【請求項14】 反応容器内に炭化珪素単結晶よりなる
    種結晶を配置し,上記反応容器内にSiを含有する珪素
    含有ガスとCを含有する炭素含有ガスとを含む混合ガス
    を導入することにより,上記種結晶の初期表面上に炭化
    珪素単結晶よりなる成長結晶を成長させる炭化珪素単結
    晶の製造装置において,予め混合した上記混合ガスを上
    記反応容器内に導入するためのガス導入管を複数有する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において,上記複数のガス
    導入管を交互に開閉する切り替え装置を有していること
    を特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  16. 【請求項16】 請求項9〜15のいずれか1項におい
    て,上記ガス導入管を加熱するための加熱装置を有する
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
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