JP2008230924A - 炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化珪素単結晶の連続成長中に生じるガス通路の閉塞を防ぎつつ、連続的に高速成長が可能な方法にて高品質な炭化珪素単結晶を製造する。
【解決手段】反応容器12の内部に種結晶16を配置し、反応容器12内に原料ガスを導入することにより、種結晶16から炭化珪素単結晶17を成長させる際に、原料ガスを反応容器12に導入するためのガス導入管として、内側導入管31の外側に同軸状に配置された外側導入管32を有するガス導入管30を用い、内側導入管31からシランとCを有するガスを反応容器12内に導入するとともに、外側導入管32からクロロシランを反応容器12内に導入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法に関するものである。
炭化珪素単結晶は、高耐圧、高電子移動度という特徴を有するため、パワーデバイス用半導体基板として期待されている。炭化珪素単結晶の成長には、一般に昇華法(改良レーリー法)と呼ばれる単結晶成長方法が用いられる。また、特許文献1に開示されているように、高品質な結晶を連続的に作製するために、昇華法で用いられる温度域において、CVD法により炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させる技術が用いられる。
しかし、この成長方法においては、Siを含有するガスとCを含有するガスとが予め混合された原料ガスを、加熱されて高温となったサセプタ内に導入するため、サセプタ入口等のサセプタ近傍における原料ガスを導入するためのガス通路においても、混合された原料ガスが反応し、SiC結晶が生成して、ガス通路の内壁に堆積してしまう。このため、ガス通路が塞がってしまい、サセプタ内に原料ガスを導入できなくなり、炭化珪素単結晶を連続成長させることができないという問題があった。
そこで、この問題の解決を図る技術として、特許文献2に記載の技術や、非特許文献1に記載の技術が提案されている。
特許文献2に記載の技術は、同軸状に導入管が配置された2重構造のガス導入管を設置し、内側の導入管からSiCを成長させるための原料ガス(シラン、クロロシラン、プロパン、メタン、エチレン等)を導入するとともに、外側の導入管からキャリアガス(ヘリウム、アルゴン等)を導入するものであり、原料ガスを、キャリアガスに囲まれた状態で、種結晶が設置してある室に導入することで、原料ガスとガス通路との接触を抑制して、ガス通路の内壁への生成物の堆積を抑制することを図っている。
一方、非特許文献1に記載の技術は、同軸状に導入管が配置された2重構造のガス導入管を設置し、内側の導入管からCを含有するガスとしてのプロパン(C)と水素ガス(H)を導入し、外側の導入管からSiを含有するガスとしてのクロロシラン(SiCl)とアルゴンガス(Ar)を導入するものである。これは、Cを含有するガスと、Siを含有するガスとを分離して導入することで、ガス通路でのCを含有するガスとSiを含有するガスとの反応を防ぎ、堆積物の生成を防ぐことを図っている。
特表平11−508531号公報 特表2001−501161号公報 S. Nigam (Carnegie Mellon Univ.), Journal of Crystal Growth 284 (2005) 112-122
しかし、上記した特許文献2および非特許文献1に記載の技術では、以下に説明するように、炭化珪素単結晶の結晶成長速度が低いという問題が生じる。
すなわち、特許文献2に記載の技術では、原料ガスがキャリアガスに囲まれた状態とすることで、原料ガスのガス通路への接触を十分に抑制するためには、多量のキャリアガスを導入する必要がある。このため、原料ガスに対してキャリアガスを過剰に供給することになり、種結晶に到達するガス全体における原料ガスの分圧が低くなってしまうので、炭化珪素単結晶の成長速度が低いという問題が生じる。
また、非特許文献1に記載の技術では、Siを含有するガスとして、クロロシラン(SiCl)のみを採用しており、クロロシランは、2100℃以上の高温においても、SiClなどの状態で安定に存在するため、SiC成長に直接寄与すると考えられるSiC、SiC、Siなどのガスの生成が少なく、SiCの成長に寄与し難くいことから、種結晶に到達する原料ガス中のSi濃度が実質的に低い状態となってしまう。このため、炭化珪素単結晶の成長速度が低いという問題が生じる。
このように、従来では、ガス通路において詰まりを発生させず、かつ、連続的に高速成長が可能な方法にて炭化珪素単結晶を製造することの実現が困難であった。
本発明は、上記点に鑑み、炭化珪素単結晶の連続成長中に生じるガス通路の閉塞を防ぎつつ、連続的に高速成長が可能な方法にて高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、炭化珪素単結晶の製造装置において、原料ガスを反応容器に導入するためのガス導入管(30)を備え、ガス導入管は、内側に配置された内側導入管(31)と、内側導入管の外側に同軸状に配置された外側導入管(32)とを有しており、内側導入管からSiを含有するガスとしてのシランとCを有するガスもしくはそれらの希釈ガスを反応容器内に導入するとともに、外側導入管からSiを含有するガスとしてのクロロシランもしくはその希釈ガスを反応容器に導入するようになっていることを第1の特徴とする。
本発明の第1の特徴では、Siを含有するガスとして、シランとクロロシランを採用している。ここで、シランは比較的に低温で分解し、水素を発生するが、この水素はクロロシランの分解を促進する。そのため、シランとクロロシランを混合した状態で、Cを含有するガスと共に反応容器に導入した場合では、反応容器までのガス通路内で、クロロシランが分解されることでSiが多く生成し、これがCを含有するガスと反応してSiCが生成して、ガス通路の内壁に堆積する。これが継続して行われると、ガス通路が閉塞され、定常的な結晶成長が持続できなくなってしまう。
これに対して、本発明の第1の特徴では、シランとクロロシランとをできるだけ分離させるように、ガス導入管(30)の内側導入管(31)からシランを導入し、外側導入管(32)からクロロシランを導入するようにしているので、反応容器までのガス通路でのクロロシランの分解を抑制できる。これにより、クロロシランの分解によるSiCの生成を抑制できる。
また、本発明の第1の特徴では、シランの外周側にクロロシランを流しているので、クロロシランが内側導入管から導入されたガスのガス通路内壁への接触を防止するとともに、クロロシランがSiCのエッチングガスとしての働くことにより、ガス通路内壁へのSiCの堆積の抑制を期待できる。
これらのことから、本発明の第1の特徴によれば、炭化珪素単結晶の連続成長中に生じるガス通路の閉塞を防ぐことができる。
また、本発明の第1の特徴では、Siを含有するガスとしてのシランとCを有するガスとの混合ガスの外側に、Siを含有するガスとしてのクロロシランを流すようにしているので、上記のように原料ガスの外周に過剰のキャリアガスを流す必要のある特許文献2に記載の技術と比較して、種結晶に到達するガス全体における原料ガスの濃度(分圧)を高めることができる。
また、本発明の第1の特徴では、外側導入管からクロロシランを反応容器に導入し、内側導入管からCを有するガスを導入するとともに、さらに、内側導入管からSi含有ガスとしてのシランを導入するようにしているので、上記のように、Siを含有するガスとして、SiCの成長に寄与し難いクロロシランのみを採用する非特許文献1に記載の技術と比較して、原料ガス中のSi濃度を高くすることができる。
これらのことから、本発明の第1の特徴によれば、特許文献2、非特許文献1に記載の技術と比較して、炭化珪素単結晶の連続的な高速成長が可能となる。
本発明の第1の特徴に関し、本発明者がガス通路の内壁への生成物の堆積量を調査した結果、ガス導入管の先端から反応容器までの距離が0mm以上500mm以下のときであって、内側導入管および外側導入管をそれぞれ流れるガスの流速比が1/3以上3以下のとき、生成物の堆積量が非常に少ないことがわかった。
したがって、ガス導入管は、その先端から反応容器までの距離が0mm以上500mm以下の位置に配置され、内側導入管および外側導入管をそれぞれ流れるガスの流速比を1/3以上3以下とするようになっていることが好ましい。
また、本発明では、炭化珪素単結晶の製造装置において、原料ガスを反応容器に導入するためのガス導入管(40)を備え、ガス導入管は、その内側から外側に向けて順に同軸状に配置された第1導入管(41)、第2導入管(42)および第3導入管(43)を有しており、第1導入管からCを有するガスを反応容器に導入し、第3導入管からSiを含有するガスを反応容器に導入するとともに、第1導入管と第3導入管の間に位置する第2導入管から不活性ガスを反応容器に導入するようになっていることを第2の特徴としている。
これによれば、ガス通路での閉塞の原因となるSiCを生じさせないことを目的として、Siを含有するガスと、Cを含有するガスとを、できるだけ分離させるように、Siを含有するガスとCを含有するガスとの間に、不活性ガスを挿入した状態で、原料ガスを反応容器に導入させることができるので、ガス通路内でのSiを含有するガスとCを含有するガスとの反応を抑制し、SiCの生成を抑制することができる。
この場合、上記した非特許文献1に記載の技術では、ガス導入管から吹き出された直後に、Cを含有するガスとSiを含有するガスとが混合する恐れがあるのに対して、ガス導入管から吹き出された後でも、Cを含有するガスとSiを含有するガスとの間に不活性ガスが挿入された状態となるため、Cを含有するガスとSiを含有するガスとを分離させることが可能となる。
また、この場合では、上記した特許文献2に記載の技術と比較して、ガス通路内でのSiCの生成を抑制するために必要な不活性ガスの量は少なくて済むので、種結晶に到達するガス全体における原料ガスの濃度(分圧)を高めることができる。
したがって、本発明の第2の特徴によれば、炭化珪素単結晶の連続成長中に生じるガス通路の閉塞を防ぐことができ、特許文献2に記載の技術と比較して、炭化珪素単結晶の連続的な高速成長が可能となる。
本発明の第2の特徴に関し、不活性ガスとしてHeを採用することが好ましい。Heは、不活性ガスのなかで、整流性が高く、乱流になり難く、ガス導入管から吹き出されて反応容器に到達する間において、Siを含有するガスとCを含有するガスとを分離する効果が高いからである。
また、本発明の第2の特徴に関し、本発明者がガス通路の内壁への生成物の堆積量を調査した結果、ガス導入管の先端から反応容器までの距離が0mm以上500mm以下のときであって、第1〜第3導入管をそれぞれ流れるガスの流速のうち、最も大きい流速と最も小さい流速の比が1以上3以下のとき、生成物の堆積量が非常に少ないことがわかった。
したがって、ガス導入管は、その先端から反応容器までの距離が0mm以上500mm以下の位置に配置され、第1〜第3導入管をそれぞれ流れるガスの流速のうち、最も大きい流速と最も小さい流速の比を1以上3以下とするようになっていることが好ましい。
また、本発明の第1、第2の特徴に関し、例えば、ガス導入管を、その先端から反応容器までの距離が20mm以上の位置に配置することが好ましい。この距離が20mmより小さい場合には、高温で過熱された状態の反応容器に近すぎるため、ガス導入管の温度が高くなり、ガス導入管内において炭素が生成し、ガス導入管が閉塞してしまうからである。
また、本発明では、炭化珪素単結晶の製造方法において、原料ガスを反応容器に導入するためのガス導入管(30)として、内側に配置された内側導入管(31)と、内側導入管の外側に同軸状に配置された外側導入管(32)とを有するガス導入管(30)を用い、内側導入管からSiを含有するガスとしてのシランとCを有するガスもしくはそれらの希釈ガスを反応容器内に導入するとともに、外側導入管からSiを含有するガスとしてのクロロシランもしくはその希釈ガスを反応容器に導入することを第3の特徴としている。これによれば、本発明の第1の特徴と同様の効果を奏する。
本発明の第3の特徴においても、第1の特徴と同様に、ガス導入管を、その先端から反応容器までの距離を0mm以上500mm以下として配置し、内側導入管および外側導入管をそれぞれ流れるガスの流速比を、1/3以上3以下とすることが好ましい。
また、本発明では、炭化珪素単結晶の製造方法において、原料ガスを反応容器に導入するためのガス導入管(40)として、その内側から外側に向けて同軸状に順に配置された第1導入管(41)、第2導入管(42)および第3導入管(43)を有するガス導入管(40)を用い、第1導入管からCを有するガスを反応容器に導入し、第3導入管からSiを含有するガスを反応容器に導入するとともに、第1導入管と第3導入管の間に位置する第2導入管から不活性ガスを反応容器に導入することを第4の特徴としている。これによれば、本発明の第2の特徴と同様の効果を奏する。
本発明の第4の特徴においても、第2の特徴と同様に、不活性ガスとしてHeを採用することが好ましく、ガス導入管を、その先端から反応容器までの距離を0mm以上500mm以下として配置し、第1〜第3導入管をそれぞれ流れるガスの流速のうち、最も大きい流速と最も小さい流速の比を1以上3以下とすることが好ましい。
また、本発明の第3、第4の特徴に関し、例えば、ガス導入管を、その先端から反応容器までの距離が20mm以上の位置に配置することが好ましい。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面図を示す。
図1に示すように、炭化珪素単結晶の製造装置は、筒状であって、立設した状態で配置された真空容器10を備えている。真空容器10は、例えば石英で構成される。真空容器10の内部には、真空容器10の内壁を覆う円筒状の第1断熱材11が配置されており、さらに、第1断熱材11の内部に円筒状の反応容器12が立設した状態で配置されている。
反応容器12は、供給される原料ガスが反応して単結晶が成長する空間を構成するものであり、例えば、側壁部をなす円筒状部13と、底部をなす円形状のプレート材14とによって構成されており、プレート材14の上に、円筒状部13が設置されている。なお、側壁部と底部とが一体に形成されていても良い。反応容器12は、例えば、黒鉛もしくは炭化タンタルもしくは炭化タンタルを被覆した黒鉛部材で構成される。
また、反応容器12の内部上方には黒鉛製台座15が設置されており、その下面には、種結晶となる炭化珪素単結晶基板16が取り付けられている。そして、この炭化珪素単結晶基板16が種結晶となって反応容器12の内部において炭化珪素単結晶17が成長することとなる。
また、台座15はパイプ材18に連結支持されている。パイプ材18は上下方向に延びている。このパイプ材18の上端部には回転・上下動機構(図示略)が設置され、この機構によりパイプ材18を回転および上下動(昇降)できるようになっている。
第1断熱材11の内部において、反応容器12の下方には、例えば、円柱形状の第2断熱材19が配置されている。第2断熱材19の内部には、プレート材14に設けられた開口部14aに通じるガス通路としての原料ガス供給通路19aが形成されており、ここから上方の反応容器12に向かって原料ガスが供給(導入)される。原料ガス供給通路19aの口径は、例えば、10mm〜100mmである。
また、反応容器12の内部下方には、供給される原料ガスの撹拌および加熱を目的とした邪魔板20が水平方向に延びるように配置されている。炭化珪素単結晶基板(種結晶)13の中心と第2断熱材19の原料ガス供給通路19aの中心と邪魔板20の中心とは一致している。この邪魔板20に原料ガス供給通路19aから供給される原料ガスが当たることで、原料ガスが撹拌され、邪魔板20と熱交換され、原料ガスの混合および原料ガスへの熱の授受が促進される。邪魔板20は、例えば、炭化タンタルもしくは炭化タンタルを被覆した黒鉛部材で構成される。
また、真空容器10の外周部には、高周波誘導コイル(RFコイル)21、22が巻回されている。高周波誘導コイルのうち、上側に位置する上側コイル21は、炭化珪素単結晶17の成長時において、炭化珪素単結晶基板(種結晶)13が高さ方向に移動する範囲に対向して概略配置されており、上側コイル21を通電することにより成長時において炭化珪素単結晶基板(種結晶)16を加熱することができるようになっている。
また、高周波誘導コイルのうち、下側に位置する下側コイル22は、反応容器12の下半分側に対向して概略配置されており、下側コイル22を通電することにより、反応容器12および邪魔板20を加熱し、ここを通過する原料ガスを加熱することができるようになっている。上側、下側コイル21、22は独立した通電制御がされるようになっている。
また、本実施形態の製造装置は、成長に寄与しなかった原料ガスを排出するための排気系を備えており、この排気系に設けられた図示しないポンプへの排出弁の開度を調整することにより、製造装置内の雰囲気圧力を一定に調整できるようになっている。
また、本実施形態の製造装置は、第2断熱材19の原料ガス供給通路19a内部に配置されたガス導入管30を備えている。このガス導入管30から原料ガス供給通路19aを介して反応容器12の内部に原料ガスが導入される。
図2に、図1中のA−A線断面図を示す。図2に示すように、ガス導入管30は、内側に配置された内側導入管31と、内側導入管の外側に同軸状に配置された外側導入管32とを有しており、同軸状の2層からなる構造となっている。内側導入管31の内壁によって内側のガス通路が構成され、内側導入管31の外壁と外側導入管32の内壁とによって外側のガス通路が構成されている。本実施形態では、内側導入管31は円筒形状であり、外側導入管32が内側導入管31を同心状に囲む円筒形状となっている。
内側導入管31および外側導入管32の開口径は、管の径および肉厚によって調整できる。管の開口径の最適値は、ガスの流量によって異なるが、例えば、内側導入管31の開口径=Φ1〜20mmであり、外側導入管32の開口径=(内側導入管31の外径)+1〜20mmである。
また、ガス導入管30は、図1に示すように、ガス吹出口となる先端側(図1中の上端部)では、内側導入管31の先端と、外側導入管32の先端とは同じ位置であり、ガス導入管30の先端から反応容器12のプレート材14下端までの距離Lが、L=20〜500mmとなるように、配置されている。なお、内側導入管31および外側導入管32は、例えば、高融点金属等の耐熱性材料で構成されることが望ましい。
次に、上記した構成の製造装置を用いての炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
図1に示す構成の製造装置において、真空容器10内の圧力を1〜100Kpaの範囲で一定に制御して、上側、下側コイル21、22によって、炭化珪素単結晶17が生成する温度となるように種結晶16を加熱し、炭化珪素が堆積しない温度となるようにまで反応容器12および邪魔板20を加熱する。これらの温度は、供給する原料ガスの分圧等の条件によって変動するものであり、例えば、2000〜2700℃の範囲で設定される。なお、本実施形態では、反応容器12の温度が、図1中に示すように、反応容器12の上方から下方に向けて、すなわち、種結晶16から離れるに連れて、徐々に温度が高くなる温度勾配を持つように加熱する。
そして、このように加熱された状態の反応容器12内に、ガス導入管30から原料ガス供給通路19aを介して、原料ガスとしてのSiを含有するガスおよびCを含有するガスを導入する。本実施形態では、Siを含有するガスとしてのシラン(例えば、SiH)と、Cを有するガスとしてのプロパン(C)と、キャリアガスとしての水素(H)との混合ガスを内側導入管31から導入する。また、それを取り囲む外側導入管32から、Siを含有するガスとしてのクロロシラン(例えば、SiCl)と、キャリアガスとしてのHeとを導入する。それぞれのガスの流量は、例えば、以下の通りである。
SiH=0.1〜3slm(内側導入管31より導入)
=0.1〜2slm(内側導入管31より導入)
=0.1〜20slm(内側導入管31より導入)
SiCl=0.1〜3slm(外側導入管32より導入)
He=0.1〜20slm(外側導入管32より導入)
である。
ここで、シランは、Si2n+2(nは任意の数である)で示されるものであり、クロロシランは、シランのHをClで置換したものである。したがって、シランとしては、SiHの他に、Siを用いることができ、クロロシランとしては、SiClの他に、SiHClやSiHClを用いることもできる。
また、これらのガスは原料ガス供給通路19aにおいて、層流を形成することが望ましいことから、本実施形態では、内側導入管31の流速と外側導入管32の流速の比を、1/3以上3以下とするように、予め配管の径および肉厚を調整したり、ガス流速を調整したりしている。
これにより、内側導入管31から吹き出された混合ガスと、外側導入管32から吹き出されたクロロシランとが、原料ガス供給通路19a内を、それぞれ層流となって流れ、その後、反応容器12の内部で、邪魔板20に当たることで、混合および加熱されて、反応が進行し、炭化珪素単結晶基板16上において、例えば、0.1〜10mm/hの成長速度で炭化珪素単結晶17が成長する。
なお、炭化珪素単結晶17の成長時では、種結晶としての炭化珪素単結晶基板16を、パイプ材18によって、炭化珪素単結晶17の成長方向とは逆の方向に、炭化珪素単結晶17の成長速度と同じ速度で移動させる。また、成長に寄与しなかった原料ガスは排気系に排気される。このようにして、優れた品質の炭化珪素単結晶17が連続的に成長する。
次に、本実施形態の主な特徴について説明する。
本実施形態では、同軸状の2層からなる構造のガス導入管30を用い、シラン(例えば、SiH)と、プロパン(C)と、水素(H)との混合ガスを内側導入管31から反応容器12の内部に導入するとともに、それを取り囲む外側導入管32から、クロロシラン(例えば、SiCl)と、Heとの混合ガスを反応容器12の内部に導入するようにしている。
ここで、シランは比較的に低温で分解し、水素を発生するが、この水素はクロロシランの分解を促進する。そのため、シランとクロロシランを混合した状態で、プロパンと共に反応容器12に導入した場合では、反応容器12までのガス通路、すなわち、ガス導入管30とガス供給通路19a内で、クロロシランが分解されることでSiが多く生成し、これがプロパンと反応することでSiCが生成し、ガス導入管30とガス供給通路19aの内壁にSiCが堆積する。これが継続して行われると、ガス導入管30とガス供給通路19aが閉塞され、定常的な結晶成長が持続できなくなってしまう。
なお、この対策として、水素の発生源となるシランを導入せず、クロロシランのみを原料ガスとする方法も考えられるが、この場合、目的とするSiC結晶成長のために必要となるSiC、SiC、Siといったガス種が生成しにくくなり、成長速度を大きくできない欠点がある。
これに対して、本実施形態によれば、ガス導入管30および原料ガス供給通路19a内を通過する際に、シランとクロロシランとが混合しないように、反応容器12に導入することができるので、クロロシランが分解され、プロパンと反応することによって、ガス導入管30とガス供給通路19aの内壁にSiCが堆積することを抑制できる。ただし、本実施形態であっても、原料ガスの導入時における原料ガス供給通路19a内でのシランとクロロシランとの完全な分離は難しく、多少の混同は生じる可能性がある。
また、本実施形態によれば、ガス導入管30から反応容器12に到達するまでの間、シランとプロパンとを含む混合ガスの外周側にクロロシランが配置された状態で、原料ガスを流すようにしているので、仮に、シランとプロパンとの反応によってSiCが生成したとしても、クロロシランがガス通路内壁への接触を防止するとともに、SiCのエッチングガスとしての働くことで、ガス通路内壁へのSiCの堆積を抑制するという効果を期待できる。
また、本実施形態では、シランとプロパンとを含む混合ガスの外周側にクロロシランを流すようにしているので、上記した特許文献2に記載の技術において、ガス通路の閉塞を防止するために、原料ガスの外周にキャリアガスを過剰に流すことで、種結晶に到達するガス全体における原料ガスの分圧が低くなることはない。むしろ、本実施形態は、特許文献2に記載の技術におけるSiを含有するガスとCを含有するガスとの混合ガスの外側を流れるキャリアガスの代わりに、クロロシランを流すようにしたので、ガス導入管の内側を流れる混合ガスの流量を同一とした場合では、特許文献2に記載の技術と比較して、原料ガス中のSiCの成長に寄与するSiC、SiCおよSiの濃度を高くすることができる。また、本実施形態によれば、Siを含有するガスとして、SiCの成長に寄与し難いクロロシランのみを採用する非特許文献1に記載の技術と比較して、原料ガス中のSi濃度を高くすることができる。したがって、本実施形態によれば、特許文献2、非特許文献1に記載の技術と比較して、炭化珪素単結晶の成長速度を大きくすることができる。
また、本実施形態では、ガス導入管30の先端から反応容器12の下端までの距離Lを20〜500mmとしているので、原料ガス供給通路19aにおいて、シランとプロパンとを含む混合ガスと、クロロシランを含むガスとの層流を形成することができ、これらのガスの混合を抑制できる。
ここで、図3に、ガス導入管30の先端から反応容器12までの距離Lを様々に変えた場合における原料ガス供給通路19aに付着するSiCの速度およびガス導入管の状態を調査した結果を示す。なお、図3は、ガス流量を、SiH=1slm、C=1slm、H=10slm(以上、内側導入管31より導入)、SiCl=1slm、He=0.1〜20slm(以上、外側導入管32より導入)として、内側導入管31の流速と外側導入管32の流速の比を1とし、雰囲気圧力=50kPa、反応容器温度=2500℃としたときの結果である。
図3に示すように、距離Lが20mm以上500mm以下のとき、SiCの堆積速度が小さく、すなわち、SiCの原料ガス供給通路19aへの付着量が少なく、原料ガス供給通路19aを良好に原料ガスが通過することがわかった。これに対して、距離Lが500mmより大きい場合では、原料ガスの層流を保持することが難しく、原料ガス供給通路19aに付着するSiCが多く、この距離Lが20mmより小さい場合には、同軸状のガス導入管30の温度が、管最高温度≧1500℃というように、高温になるため、この管内においてSiCが生成し、ガス導入管30が閉塞することがわかった。
さらに、図4に、内側導入管31を流れるガスの流速と、外側導入管32を流れるガスの流速との比を様々に変化させた場合における原料ガス供給通路19aに付着するSiCの速度およびガス導入管の状態を調査した結果を示す。
図4からわかるように、内側導入管31および外側導入管32をそれぞれ流れるガスの流速比を1/3以上3以下とすることで、生成物の堆積量が非常に少なくできた。図4の結果は、距離Lが20mm以上500mm以下の範囲で同様であった。
以上説明したように、本実施形態によれば、炭化珪素単結晶の連続成長中に生じるガス通路の閉塞を防ぎつつ、高品質な炭化珪素単結晶を連続的に高速成長させることができる。
(第2実施形態)
図5に、本発明の第2実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面図を示す。図5では、図1と同様の構成部に同一の符号を付している。また、図6に、図5中のB−B線断面図を示す。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態では、図5、6に示すように、ガス導入管40が、その内側から外側に向けて順に同軸状に配置された第1導入管41、第2導入管42および第3導入管43を有しており、同軸状の3層からなる構造となっている。第1導入管41の内壁によって内側のガス通路が構成され、第1導入管41の外壁と第2導入管42の内壁とによって外側のガス通路が構成され、さらに、第2導入管42の外壁と第3導入管43が内壁とによって最外周のガス通路が構成されている。本実施形態では、第1導入管41は円筒形状であり、第2導入管42が第1導入管41を同心状に囲む円筒形状であり、第3導入管43が第2導入管42を同心状に囲む円筒形状となっている。
第1〜第3導入管41〜43の開口径の最適値は、ガスの流量によって異なるが、例えば、第1導入管41の開口径=Φ1〜20mm、第2導入管42の開口径=(第1導入管41の外径+1〜20mm)、第3導入管43の開口径=(第2導入管42の外径+1〜20mm)である。
また、ガス導入管40は、図5に示すように、ガス吹出口となる先端側(図5中の上端部)では、第1〜第3導入管41〜43の先端は同じ位置であり、ガス導入管40の先端から反応容器12のプレート材14下端までの距離Lが、L=20〜500mmとなるように、配置されている。
そして、本実施形態では、第1導入管41からCを含有するガスおよびキャリアガスとしてプロパン(C)/Hを導入し、その外側の第2導入管42から不活性ガスとしてヘリウム(He)を導入する。さらにその外側の第3導入管43からSiを含有するガスおよびキャリアガスとしてシラン・クロロシラン(SiH/SiCl)/Heを導入するようになっている。それぞれのガスの流量は、例えば、以下の通りである。
=0.1〜2slm(第1導入管41より導入)
=0.1〜20slm(第1導入管41より導入)
He=0.1〜20slm(第2導入管42より導入)
SiH=0.1〜3slm(第3導入管43より導入)
SiCl=0.1〜3slm(第3導入管43より導入)
He=0.1〜20slm(第3導入管43より導入)
である。
これらのガスは原料ガス供給通路19aにおいて、層流を形成することが望ましいことから、本実施形態では、第1〜第3導入管41、42、43の流速のうち、最も大きな流速/最も小さな流速=1以上3以下としている。
以上の通り、本実施形態では、同軸状の3層からなる構造のガス導入管40を用い、中心に位置する第1導入管41からプロパンを反応容器12に導入し、最外周に位置する第3導入管43からシラン・クロロシランの混合ガスを反応容器12に導入し、第1導入管41と第3導入管43の間に位置する第2導入管42からヘリウムを反応容器12に導入するようになっている。
これにより、ガス供給通路19aでは、プロパンと、シラン・クロロシランとの間にヘリウムを挿入した状態として、両者をヘリウムによって分離させることができる。この結果、ガス通路の閉塞の原因となるSiCの生成を抑制することができる。
また、上記した非特許文献1に記載の技術では、ガス導入管から吹き出された直後では、Cを含有するガスとSiを含有するガスとが混合する可能性が高いが、本実施形態では、ガス導入管から吹き出された後でも、Cを含有するガス(プロパン)とSiを含有するガス(シラン・クロロシラン)との間にヘリウムが層状に挿入された状態になる。したがって、本実施形態によれば、非特許文献1に記載の技術と比較して、原料ガス供給通路19aにおいて、Cを含有するガスとSiを含有するガスとを分離させる効果が高い。ただし、本実施形態であっても、シラン・クロロシランと、プロパンとを完全に分離することは難しく、両者の混同は多少生じる可能性がある。
また、本実施形態では、プロパンを内側に流し、シラン・クロロシランを外側に流すようにしているので、原料ガス供給通路19a内でSiが生成したとしても、原料ガス供給通路19aは反応容器12の近傍に位置するため、比較的高温であり、通常、そのような温度ではSiが溶融した状態となるので、原料ガス供給通路19aの内壁にSiが堆積することで、原料ガス供給通路19aが閉塞することはない。
なお、内側と外側を入れ替えて、プロパンを外側に流した場合、原料ガス供給通路19a内で炭素が生成して、原料ガス供給通路19aの内壁に堆積して、原料ガス供給通路19aが閉塞する恐れがある。これは、炭素は、SiC単結晶を成長させるための反応容器12の加熱温度において固体として存在するためである。これに対して、本実施形態では、シラン・クロロシランを外側に流しているので、これを回避できる。
また、本実施形態によれば、上記した特許文献2に記載の技術と比較して、原料ガス供給通路19a内でのSiCの生成を抑制するために必要な不活性ガスの量が少なくて済むので、種結晶16に到達するガス全体における原料ガスの濃度(分圧)を高めることができる。
したがって、本実施形態によれば、炭化珪素単結晶17の連続成長中に生じる原料ガス供給通路19aの閉塞を防ぐことができ、特許文献2に記載の技術と比較して、炭化珪素単結晶の連続的な高速成長が可能となる。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、ガス導入管40の先端から反応容器12のプレート材14下端までの距離Lが、L=20〜500mmとなるように、ガス導入管40を配置しているので、原料ガス供給通路19aにおいて、プロパンを含むガスと、ヘリウムと、シラン・クロロシランを含むガスとの3層流を形成することができ、これらのガスの混合を抑制できる。
ここで、図7に、ガス導入管40の先端から反応容器12までの距離Lを様々に変えた場合における原料ガス供給通路19aに付着するSiCの速度およびガス導入管の状態を調査した結果を示す。なお、図7は、ガス流量を、C=1slm、H=10slm(以上、第1導入管41より導入)、He=5slm(第2導入管42より導入)、SiH=1slm、SiCl=1slm、He=5slm(以上、第3導入管43より導入)として、第1〜第3導入管41〜43をそれぞれ流れるガスの流速の比を1とし、雰囲気圧力=50kPa、反応容器温度=2500℃としたときの結果である。
図7からわかるように、距離Lが20mm以上500mm以下のとき、SiCの堆積速度が小さく、すなわち、原料ガス供給通路19aへのSiCの付着量が少なく、原料ガス供給通路19aを良好に原料ガスを通過させることができる。これに対して、距離Lが500mmより大きい場合では、原料ガスの層流を保持できないことから、原料ガス供給通路19aに付着するSiCが多くなり、この距離Lが20mmより小さい場合には、同軸状のガス導入管40の温度が、管最高温度≧1500℃というように、高温になるため、この管内において炭素が生成し、ガス導入管40(特に導入管41)が閉塞してしまう。
さらに、図8に、第1〜第3導入管41〜43をそれぞれ流れるガスの流速のうち、最も大きなガス流速と、最も小さなガス流速との比を様々に変化させた場合における原料ガス供給通路19aに付着するSiCの速度およびガス導入管の状態を調査した結果を示す。なお、図8の結果は、距離Lが20mm以上500mm以下の範囲で同様であった。図8からわかるように、最も大きなガス流速と最も小さなガス流速との比を1以上3以下とすることで、生成物の堆積量が非常に少なくできた。なお、最も大きなガス流速と最も小さなガス流速との比が1のときとは、第1〜第3導入管41〜43をそれぞれ流れるガスの流速がすべて同じときを意味する。
なお、本実施形態では、不活性ガスとしてヘリウム(He)を採用していたが、他の不活性ガスを採用しても良い。ただし、Heは、不活性ガスの中で、整流性が高く、乱流になり難く、ガス導入管40から吹き出されて反応容器12に到達する間において、プロパンを含むガスと、シラン・クロロシランとの混合ガスと分離する効果が高いので、不活性ガスとしてHeを採用することが好ましい。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、内側導入管31から混合ガスを導入し、外側導入管32からクロロシランを導入していたが、混合ガス、クロロシランをそれぞれ、ヘリウム、アルゴン等に代表される不活性ガスで希釈した希釈ガスとして導入しても良い。
(2)第1、第2実施形態では、邪魔板20を用いていたが、原料ガスの混合および加熱が十分に確保できれば、省略しても良い。
(3)第1実施形態では、内側導入管31からシランとプロパンとの混合ガスを導入していたが、内側導入管31を同心円状に分割して、内側導入管31内の内側と外側からそれぞれシランとプロパンとを別々に導入させるようにしてもよい。すなわち、図2に示されるガス導入管30に対して、内側導入管31の内側に、同心状に導入管を配置した構成としても良い。
(4)第2実施形態では、第3導入管43からシランとクロロシランとの混合ガスを導入していたが、第3導入管43を同心円状にさらに分割して、内側と外側からそれぞれシランとクロロシランとを別々に導入させるようにしてもよい。
(5)第1、第2実施形態では、Cを含有するガスとしてプロパンを採用していたが、SiC単結晶の原料ガスとなりうるガスであれば、他のガスを採用しても良い。例えば、メタン、エチレン等の炭化水素ガスを、Cを含有するガスとして採用できる。
(6)第2実施形態では、Siを含有するガスとして、シランとクロロシランの混合ガスを採用していたが、シランのみを採用しても良い。また、SiC単結晶の原料ガスとなりうるガスであれば、他のSiを含有するガスを採用しても良い。
なお、上記した各実施形態は、実施可能な範囲で、任意に組み合わせが可能である。
本発明の第1実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1に示される製造装置において、ガス導入管30の先端から反応容器12までの距離Lと原料ガス供給通路19aに堆積するSiCの堆積速度との関係を示す図である。 図1に示される製造装置において、内側導入管31を流れるガスの流速と外側導入管32を流れるガスの流速との比と、原料ガス供給通路19aに堆積するSiCの堆積速度との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面図である。 図5中のB−B線断面図である。 図5に示される製造装置において、ガス導入管40の先端から反応容器12までの距離Lと原料ガス供給通路19aに堆積するSiCの堆積速度との関係を示す図である。 図5に示される製造装置において、第1〜第3導入管41〜43をそれぞれ流れるガスの流速のうちの最も大きなガス流速と最も小さなガス流速との比と、原料ガス供給通路19aに堆積するSiCの堆積速度との関係を示す図である。
符号の説明
12…反応容器、16…炭化珪素単結晶基板、17…炭化珪素単結晶、
20…邪魔板、21、22…高周波誘導コイル、
30、40…ガス導入管、31…内側導入管、32…外側導入管、
41…第1導入管、42…第2導入管、43…第3導入管。

Claims (12)

  1. 反応容器(12)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(16)を配置し、加熱された状態の前記反応容器内に、少なくともSi(シリコン)を含有するガスとC(カーボン)を含有するガスとを含む原料ガスを前記反応容器の外部から導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板から炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記原料ガスを前記反応容器に導入するためのガス導入管(30)を備え、
    前記ガス導入管は、内側に配置された内側導入管(31)と、前記内側導入管の外側に同軸状に配置された外側導入管(32)とを有しており、
    前記内側導入管から前記Siを含有するガスとしてのシランと前記Cを有するガスもしくはそれらの希釈ガスを前記反応容器内に導入するとともに、前記外側導入管から前記Siを含有するガスとしてのクロロシランもしくはその希釈ガスを前記反応容器に導入するようになっていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記ガス導入管は、その先端から前記反応容器までの距離が0mm以上500mm以下の位置に配置されており、
    前記内側導入管および前記外側導入管をそれぞれ流れるガスの流速比を1/3以上3以下とするようになっていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 反応容器(12)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(16)を配置し、加熱された状態の前記反応容器内に、少なくともSi(シリコン)を含有するガスとC(カーボン)を含有するガスとを含む原料ガスを前記反応容器の外部から導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板から炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記原料ガスを前記反応容器に導入するためのガス導入管(40)を備え、
    前記ガス導入管は、その内側から外側に向けて順に同軸状に配置された第1導入管(41)、第2導入管(42)および第3導入管(43)を有しており、
    前記第1導入管からCを有するガスを前記反応容器に導入し、前記第3導入管からSiを含有するガスを前記反応容器に導入するとともに、前記第1導入管と前記第3導入管の間に位置する前記第2導入管から不活性ガスを前記反応容器に導入するようになっていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記第2導入管から不活性ガスとしてのHeを前記反応容器に導入するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 前記ガス導入管は、その先端から前記反応容器までの距離が0mm以上500mm以下の位置に配置されており、
    前記第1〜第3導入管をそれぞれ流れるガスの流速のうち、最も大きい流速と最も小さい流速の比を1以上3以下とするようになっていることを特徴とする請求項3または4に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  6. 前記ガス導入管は、その先端から前記反応容器までの距離が20mm以上の位置に配置されていることを特徴とする請求項2または5に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  7. 反応容器(12)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(16)を配置し、加熱された状態の前記反応容器内に、少なくともSi(シリコン)を含有するガスとC(カーボン)を含有するガスとを含む原料ガスを前記反応容器の外部から導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板から炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記原料ガスを前記反応容器に導入するためのガス導入管(30)として、内側に配置された内側導入管(31)と、前記内側導入管の外側に同軸状に配置された外側導入管(32)とを有する前記ガス導入管(30)を用い、
    前記内側導入管から前記Siを含有するガスとしてのシランと前記Cを有するガスもしくはそれらの希釈ガスを前記反応容器内に導入するとともに、前記外側導入管から前記Siを含有するガスとしてのクロロシランもしくはその希釈ガスを前記反応容器に導入することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 前記ガス導入管を、その先端から前記反応容器までの距離を0mm以上500mm以下として配置し、
    前記内側導入管および前記外側導入管をそれぞれ流れるガスの流速比を、1/3以上3以下とすることを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 反応容器(12)内に種結晶となる炭化珪素単結晶基板(16)を配置し、加熱された状態の前記反応容器内に、少なくともSi(シリコン)を含有するガスとC(カーボン)を含有するガスとを含む原料ガスを前記反応容器の外部から導入することにより、前記炭化珪素単結晶基板から炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記原料ガスを前記反応容器に導入するためのガス導入管(40)として、その内側から外側に向けて同軸状に順に配置された第1導入管(41)、第2導入管(42)および第3導入管(43)を有するガス導入管(40)を用い、
    前記第1導入管からCを有するガスを前記反応容器に導入し、前記第3導入管からSiを含有するガスを前記反応容器に導入するとともに、前記第1導入管と前記第3導入管の間に位置する前記第2導入管から不活性ガスを前記反応容器に導入することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 前記不活性ガスとしてのHeを用いることを特徴とする請求項9に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  11. 前記ガス導入管を、その先端から前記反応容器までの距離を0mm以上500mm以下として配置し、
    前記第1〜第3導入管をそれぞれ流れるガスの流速のうち、最も大きい流速と最も小さい流速の比を1以上3以下とすることを特徴とする請求項9または10に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  12. 前記ガス導入管を、その先端から前記反応容器までの距離を20mm以上として配置することを特徴とする請求項8または11に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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