JP2004247692A - 炭化珪素膜の成膜装置 - Google Patents

炭化珪素膜の成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体基板上に炭化珪素(SiC)からなるエピタキシャル膜を成膜するにあたり、該エピタキシャル膜を必要最小限のガス量にて精度よく、しかも迅速に成膜することのできる炭化珪素膜の成膜装置を提供する。
【解決手段】容器202内に保持された半導体基板100の成膜面に、口径の異なる複数の管が多重化された多重管201を略直角に対向して配設する。そしてこの多重管201に炭化珪素膜を成膜するための処理ガスG(G1およびG2)を交互に流通させて、半導体基板100の表面に炭化珪素膜を成膜する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上に炭化珪素(SiC)膜を成膜する炭化珪素膜の成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板の材料として近年、高耐熱、高耐圧、大電力特性の素子を実現することの可能な材料として炭化珪素(SiC)が注目されている。また、こうした炭化珪素からなる半導体基板には通常、さらに純度の高い炭化珪素(SiC)からなるエピタキシャル膜が成膜されることが多い。これによって、半導体基板としてのさらなる機能向上が図られている。
【0003】
図5は、こうした炭化珪素(SiC)のエピタキシャル膜が形成された半導体基板(ウエハ)の側面構造を模式的に示している。同図5に示されるように、半導体基板100の表面には、その全体に渡って均質(均一)なエピタキシャル膜110が成膜されることが望まれている。
【0004】
ここで、半導体基板100上にこうした炭化珪素(SiC)からなるエピタキシャル膜110を成膜する装置としては、例えば特許文献1に記載されている装置が知られている。図6に、この特許文献1に記載された装置の概要を示す。
【0005】
同図6に示されるように、この装置は、大きくは、成膜室50、ガス導入パイプ51、プレート52、加熱部53、およびガス排出パイプ54を備えて構成される。ここで、成膜室50の内部中央には、上記ガス導入パイプ51の先端ノズル51aが配設され、このガス導入パイプ51の先端付近に、上記プレート52が略直角に取り付けられている。さらに、プレート52の上面には半導体基板100が配置され、プレート52の下面に設けられた加熱部53によって、半導体基板100が加熱されるようになっている。また、ガス導入パイプ51は、成膜室50の外部において、Hガス、SiHClガス、Nガス、およびCガスの供給源にバルブv1〜v4を介して、それぞれ接続されている。また一方、成膜室50には図示しない排気ポンプ等に接続されたガス排出パイプ54が設けられ、圧力調整バルブv5を介して成膜室50内のガスを排気できるようになっている。
【0006】
そして、このように構成された装置では、プレート52上に配置された半導体基板100をまずは加熱部53によって1200℃等、適宜の温度に加熱する。次いで、ガス排出パイプ54によって成膜室50内の排気を行いつつ、ガス導入パイプ51から上記ガスを順次成膜室50内に供給する。こうして成膜室50内にそれら供給するガスに対応した気相が形成されることで、半導体基板100の表面にエピタキシャル膜110が成長されるようになる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−57109号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ガス導入パイプ51から上記ガスを順次成膜室50に供給することによって、半導体基板100の表面に炭化珪素(SiC)からなるエピタキシャル膜110を成膜することは確かにできる。
【0009】
しかしこの装置では、半導体基板100に上記エピタキシャル膜110を成膜するために、成膜室50の全体にガスを充満させる必要がある。すなわち、成膜室50内にガスが充満されるまでは、半導体基板100上へのエピタキシャル膜110の成膜が促進されないことから、膜の生成速度(成膜レート)も自ずと低下することとなる。特に、径の大きな半導体基板100に上記エピタキシャル膜110を成膜する場合には、こうした成膜レートに起因する生産性の低下が顕著となる。
【0010】
さらに、成膜室50内を均一のガス雰囲気にする必要のある上記成膜装置では、成膜室50内を満たし得る多量のガスが必要となる。しかし、上記各ガスのうち、そのほとんどは化学反応を起こさないままにガス排出パイプ54によって成膜室50の外部へ排出されることから、こうしたガスの損失も無視できないものとなる。
【0011】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、半導体基板上に炭化珪素(SiC)からなるエピタキシャル膜を成膜するにあたり、該エピタキシャル膜を必要最小限のガス量にて精度よく、しかも迅速に成膜することのできる炭化珪素膜の成膜装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の炭化珪素膜の成膜装置では、容器内に保持された半導体基板を加熱しつつ、この保持された半導体基板に炭化珪素膜を成膜するための処理ガスを供給して同半導体基板の表面に炭化珪素膜を成膜する炭化珪素膜の成膜装置として、この容器内に、口径の異なる複数の管が多重化された多重管を、前記保持された半導体基板の成膜面に略直角に対向して配設する構造としている。
【0013】
こうした構造により、半導体基板の成膜面に処理ガスが直接供給されて、その表面に順次炭化珪素膜が成膜(成長)されるため、その成膜レートも自ずと向上されるようになるとともに、必要とされる処理ガスの量も必要最小限となる。なお一般に、処理ガスの供給は、半導体基板の近傍で行われるほど上記成膜レートおよび処理ガス量の軽減効果は向上するものの、逆に成膜精度は低下する。すなわち、処理ガスが集中する管の中央部分ほど、成膜される膜の膜厚が厚くなり、逆に、管の周辺部分では、成膜される膜の膜厚が薄くなる傾向にある。この点、上記口径の異なる複数の管が多重化された多重管を採用することで、それら管ごとに処理ガスの量や供給時期、供給期間等を適宜に調節することが可能となり、それら調整を通じて、成膜される炭化珪素膜の膜厚を均一化することも可能となる。
【0014】
また、こうした多重管においては、請求項2に記載の成膜装置のように、その最外周の管の口径を前記半導体基板の直径に略等しいか若しくは該直径よりも大径に設定することが望ましい。このように多重管の最外周の管の径を規定することにより、その内周に形成される管の径は自ずとそれよりも小さく設定される。このように多重管の径が規定されることにより、最外周の管とその内部直近に形成される管との間からは半導体基板の中央部よりも外側の部分に集中的に処理ガスが供給され、またそれよりも内部に形成される管からは半導体基板の中央部も含めてより内側に集中的に処理ガスが供給されるようになる。これにより、半導体基板全体として処理ガスの均一化が促進されるようになる。また、こうして構成された多重管の各管ごとに処理ガスの供給時期を異ならしめることで、こうした効果がより顕著に奏されるようになる。
【0015】
また、さらには、請求項3に記載の成膜装置のように、多重管を構成する複数の管に対応して各別に処理ガスの流通を制御する弁手段を備える構成とすることで、それら多重管を構成する管ごとに処理ガスの量や供給時期、供給期間等を調整することも容易となる。
【0016】
またこの弁手段に関しては、請求項4に記載の成膜装置のように、前記多重管を構成する複数の管のいずれかに選択的に前記処理ガスが流通されるように開閉操作されるものとすることで、上記成膜されるエピタキシャル膜の均一化を図るための弁操作を極めて簡易なものとすることができるようになる。
【0017】
また、請求項1〜4のいずれかに記載の炭化珪素膜の成膜装置にあっては、請求項5に記載のように、多重管を構成する各管をそれぞれ、流通する処理ガスの温度を制御し得る複数の異なる材質の管がその延伸方向に連結される構造とすることが望ましい。これにより、容器内が高温に維持される場合であれ、それら管内を流通する処理ガスの温度を、その部分部分に応じた適正な温度に維持することが可能となる。
【0018】
また、こうした複数の異なる材質の管としては、特に請求項6に記載のように、容器の入り口から前記半導体基板に対向する部分にかけて順に、ステンレス管、石英ガラス管、及びカーボン管を連結する構造が、処理ガスの上記容器入り口付近での反応(固化)を抑制する上で有効である。
【0019】
なお、請求項7に記載の成膜装置のように、上記処理ガスについては、シラン系またはジクロロシラン系ガスおよび不飽和炭化水素ガスをキャリアガスと共に同時に供給する構造とすることで、全体としてのガス量を抑えつつ、成膜レートの向上、ひいては半導体基板自体の生産効率の向上を図ることができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる炭化珪素膜の成膜装置の一実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
【0021】
この実施の形態にかかる炭化珪素膜の成膜装置は、先の図5に示したように、例えば炭化珪素(SiC)からなる半導体基板(ウエハ)100の表面に、さらに純度の高い炭化珪素からなるエピタキシャル膜110を成膜するためのものである。
【0022】
はじめに、図1を参照して、この実施の形態にかかる成膜装置の全体構成を説明する。
図1に示されるように、この実施の形態にかかる炭化珪素膜の成膜装置は、大きくは、シリンダキャビネット1、成膜部2、および排気浄化部3を備えて構成される。
【0023】
上記シリンダキャビネット1には、ボンベB1〜B4が保管されている。これらボンベB1〜B4のうち、ボンベB1およびボンベB2は、モノシランガス(SiH)を生成するためのものであり、ボンベB3およびボンベB4は、プロパンガス(C)を生成するためのものである。また、このシリンダキャビネット1にて生成されるモノシランガス(SiH)およびプロパンガス(C)を供給するための配管はそれぞれ、その流通を制御するためのバルブV2およびバルブV3を介して上記成膜部2に接続されている。
【0024】
一方、上記バルブV2およびバルブV3を介してこれらモノシランガス(SiH)およびプロパンガス(C)を供給するための配管には、それらガスのキャリアガスを供給するための配管がその流通を制御するためのバルブV1を介して接続されている。すなわち、弁手段であるこれらバルブV1〜V3が開弁操作されることにより、モノシランガス(SiH)およびプロパンガス(C)に上記キャリアガスが混合され、この混合されたガスが、上記エピタキシャル膜110を成膜するための処理ガスGとして成膜部2に供給される。ちなみに本実施の形態では、この処理ガスGとして、モノシランガス(SiH)が0.1%、プロパンガス(C)が0.5%、キャリアガスが99.4%の割合で混合されたものを用いるとする。
【0025】
一方、こうして生成される処理ガスGが供給される成膜部2は、実際に半導体基板100の表面にエピタキシャル膜110を成膜する部分である。この成膜部2には、同図1に示されるように、成膜室200と、それに接続される配管を開閉する弁手段であるバルブV4およびV5と、真空ポンプPとが設けられている。
【0026】
ここで、この実施の形態においては特に、上記成膜室200に対し、口径の異なる2層の管からなる多重管201を接続するようにしている。そして、この多重管201を構成する内管201aと外管201bとは、各別のバルブV4およびバルブV5を介して上記供給される処理ガスGの流通が制御されるようになっている。すなわち、バルブV4が開かれた場合には上記内管201aを介して処理ガスGが成膜室200に供給され、バルブV5が開かれた場合には上記外管201bを介して処理ガスGが成膜室200に供給される。ちなみに、上記内管201aおよび外管201bに供給される処理ガスGは、基本的に同じガスであるが、本実施の形態では説明の便宜上、内管201aに供給されるガスを処理ガスG1、外管201bに供給されるガスを処理ガスG2としている。
【0027】
また、真空ポンプPは、成膜室200内で処理された処理済みのガスを吸引してこれを上記排気浄化部3へ排出するためのものである。
なお、便宜上図示は省略したが、成膜室200にはチラーなどの冷却装置が接続されており、該成膜室200は、こうした冷却装置から冷却水(純水)などの供給を受けて、適宜冷却されるようになっている。
【0028】
そして、排気浄化部3には、成膜部2から真空ポンプPを介して排出される処理済みのガスを浄化して無害のガスとする除害装置31と、この無害のガスを屋外等に排気する排気ファンFとが設けられている。
【0029】
次に、上記多重管201が接続されて構成される成膜室200について、その具体構造を図2および図3を併せ参照して詳述する。ここで、図2は、この成膜室200の断面構造を模式的に示しており、また図3は、図2のA−A線に沿った部分、すなわち上記多重管201についてその断面構造を示している。
【0030】
さて、この成膜室200は、図2に示されるように、石英ガラスなどからなる円筒状の容器202の両端に形成されたフランジ部202aを覆うように、ステンレスなどからなる蓋203が配設されて形成される。このフランジ部202aと蓋203とは、図示しないOリング等を介して密着されており、これにより容器202(成膜室200)内は密閉された状態となっている。
【0031】
ここで、この容器202の内部の略中央には、半導体基板100が、カーボンなどからなる基板保持板204に保持された状態にて配設されている。この基板保持板204は、円盤状に形成されており、その円周方向に上述した処理済みのガスを排出するための切り欠き204aが複数設けられている。また、この基板保持板204の位置に対応して、上記容器202の外側には、加熱手段としての高周波のコイル205が該容器202を周回するかたちで配設されている。そのため、このコイル205に高周波電流が流されると、そこに発生する磁気エネルギー(電磁波)を受けて基板保持板204が発熱し、この基板保持板204に保持される半導体基板100が加熱されるようになる。なお、本実施の形態では、これら基板保持板204およびコイル205が加熱部となる。
【0032】
また、これら半導体基板100および基板保持板204には、これらを取り囲むように、密度の粗いカーボンなどからなる断熱材206aおよび206bが配設されており、半導体基板100近傍の熱の発散が好適に抑制されるようになっている。ちなみに、同図2では便宜上、これら断熱材206aと206b、また断熱材206bと容器202との間に空間が存在するかのように図示しているが、実際にはこれらの空間はなく、それぞれが密着した状態となっている。
【0033】
また図2に示されるように、容器202には、上記基板保持板204に保持された半導体基板100の表面(成膜面)に略直角に対向するかたちで、口径の異なる2つの管が多重化された上述の多重管201が配設される。
【0034】
ここで、この多重管201は、その断面形状を図3に示すように、上記半導体基板100の成膜面近傍まで延伸される内管201aと、この内管201aと所定の間隔を隔ててこれを取り囲むように配設される外管201bとによって構成されている。
【0035】
また、図2に示されるように、この多重管201を構成する外管201bの口径は、半導体基板100の直径に略等しく形成されている。また、その内側に形成される内管201aの口径は、同半導体基板100の直径よりも、それら各管(内管201aおよび外管201b)の上記所定の間隔に対応する分だけ小さく形成されている。なお、これら内管201aおよび外管201bはそれぞれ、容器202の入り口から半導体基板100の成膜面に対向する部分にかけて、ステンレス管S、石英ガラス管Q、カーボン管Cの順に連結されて構成されている。これにより、容器202の中央部が上述のように加熱される場合であれ、その入り口付近で処理ガスG(G1、G2)が反応(固化)してしまうことが抑制されるようになる。換言すれば、内管201aおよび外管201bのこうした連結管構造によって、簡易ながら上記処理ガスG(G1、G2)の温度が制御されるようになる。
【0036】
そして、これら内管201aおよび外管201bには、それぞれ上記バルブV4およびV5(図1)が設けられており、バルブV4の開放に伴って処理ガスG1が、バルブV5の開放に伴って処理ガスG2が選択的に供給されて、これらがそれぞれ半導体基板100の成膜面に吹きつけられるようになる。なお、本実施の形態では、これら多重管201やバルブV4およびV5をはじめ、シリンダキャビネット1等も含めてガス供給部が構成されている。
【0037】
他方、同じく図2に示されるように、容器202には、上記基板保持板204の裏面側に、これと対向するかたちでガス排出管207が配設されている。このガス排出管207は、上述した真空ポンプP(図1)に接続されて、その吸引力に基づき、処理済みのガスを上記排気浄化部3へ排出するための管である。また、このガス排出管207も、基板保持板204の裏面に対向する部分から容器202の出口にかけて順に、カーボン管C、石英ガラス管Q、ステンレス管Sが連結されて構成されている。これにより、上述と同様に、簡易ながらそれら処理済みのガスの温度を制御することができるようになる。なお、本実施の形態では、これらガス排出管207および真空ポンプPによって排出部が構成される。
【0038】
次に、このように構成される本実施の形態の成膜装置を用いた炭化珪素(SiC)膜の成膜手順の一例について、簡単に説明する。
この成膜装置による炭化珪素(SiC)膜の成膜にあたっては、蓋203を外して半導体基板100を基板保持板204にセットした後、蓋203を閉じる。そして、バルブV1〜V5が閉弁されている状態から、以下に列記する手順に従って、その成膜操作が行われる。
(イ)真空ポンプP(図1)を作動させて成膜室200(容器202)内の排気を行う。
(ロ)コイル205に高周波電流を流し、基板保持板204に保持される半導体基板100およびその近傍を1200℃〜1500℃に加熱する。
(ハ)バルブV1〜V3を開弁し、モノシランガス(SiH)、プロパンガス(C)、およびキャリアガスを前述の割合で混合して、処理ガスGを生成する。
(ニ)バルブV4を開、バルブV5を閉とし、上記処理ガスG(G1)を内管201aを通じて半導体基板100の中央部に集中的に供給して、半導体基板100の中央部分およびその近傍にエピタキシャル膜110を成膜する。
(ホ)バルブV4を閉、バルブV5を開とし、上記処理ガスG(G2)を外管201bと内管201aとの間から半導体基板100の外側の部分に集中的に供給して、半導体基板100の外側部分およびその近傍にエピタキシャル膜110を成膜する。
【0039】
その後、上記(ニ)および(ホ)の操作を適宜の時間毎に繰り返すことによって、半導体基板100の表面に略均一に所望とされる膜厚を有するエピタキシャル膜110を成膜する。なお、上記(ニ)および(ホ)の操作にかかる成膜レートはそれぞれ、およそ5〜10μm/hとなっている。また、真空ポンプPは、これらエピタキシャル膜110の成膜中、所定の吸引力にて作動されて成膜室200内の処理済みのガスを排気浄化部3へ排出する。
【0040】
こうして半導体基板100上へのエピタキシャル膜110の成膜が終了した後は、バルブV1〜バルブV5を閉弁して半導体基板100への処理ガスGの供給を中止する。そしてその後、コイル205への通電を停止する。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に列記するような効果を得ることができる。
(1)この実施の形態では、半導体基板100への処理ガスGの供給を、該半導体基板100の成膜面に略直角に対向して配設される多重管201にて行うこととした。これにより、半導体基板100の成膜面に処理ガスGが直接供給され、その表面に順次エピタキシャル膜110が成膜(成長)されるため、その成膜レートも自ずと向上されるようになるとともに、必要とされる処理ガスの量も必要最小限とすることができる。また、上記多重管201を内管201aおよび外管201bによって構成することで、それら管ごとに処理ガスGの量や供給時期、供給期間等を適宜に調節することが可能となり、それら調整を通じて、成膜される炭化珪素膜の膜厚を均一化することができる。
【0042】
(2)この実施の形態では、外管201bの口径を半導体基板100の直径に略等しく形成し、その内周に形成される内管201aの口径を、半導体基板100よりも小さく形成した。そのため、内管201aからは半導体基板100の中央部も含めてより内側に集中的に処理ガスG1が供給され、また外管201bと内管201aとの間からは半導体基板100の中央部よりも外側の部分に集中的に処理ガスG2が供給されるようになる。これにより、半導体基板100全体にわたって処理ガスGの供給が可能となり、これによっても膜厚の均一化が促進される。
【0043】
(4)この実施の形態では、多重管201を構成する内管201aおよび外管201bのそれぞれに対応して、各別に処理ガスGの流通を制御するバルブを設けているため、それら内管201aと外管201bとで、処理ガスGの供給時期を変更することができる。また、こうして処理ガスGの供給時期を異ならしめることで、成膜されるエピタキシャル膜110のより一層の均一化を図ることができる。
【0044】
(5)また、この実施の形態では、バルブV4およびバルブV5の開閉操作によって、内管201aおよび外管201bのいずれかに選択的に処理ガスGを供給することから、極めて簡易な構成で迅速にエピタキシャル膜110を成膜することができる。
【0045】
(6)この実施の形態では、多重管201を構成する内管201aおよび外管201bを、容器202の入り口から半導体基板100に対向する部分にかけて順に、ステンレス管S、石英ガラス管Q、及びカーボン管Cを連結して構成した。これにより、容器202内が高温に維持される場合であっても、簡易ながら処理ガスGの温度をその部分部分に応じた適正な温度に維持することができる。
【0046】
(7)さらに、この実施の形態では、ガス排出管207の材質も、基板保持板204の裏面に対向する部分から容器202の出口にかけて順に、カーボン管C、石英ガラス管Q、ステンレス管Sを連結して構成したため、簡易ながらそれら処理済みのガスの温度を制御することができる。
【0047】
(8)この実施の形態では、キャリアガスにモノシランガス(SiH)およびプロパンガス(C)が混合された処理ガスGを半導体基板100に供給している。そのため、それら各ガス毎に成膜室200内を排気する必要がなく、エピタキシャル膜110を迅速に成膜することができる。
【0048】
なお、この発明にかかる炭化珪素膜の成膜装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
【0049】
・上記実施の形態では、外管201bの口径を半導体基板100の直径と略等しく形成したが、こうした口径の寸法を半導体基板100の直径よりも大径としてもよい。この場合であっても、半導体基板100上に、内管201aの開口が形成されることから、上記実施の形態と同様に、内管201aと外管201bとの間の部分によって半導体基板100の外周部分にも好適に処理ガスを供給することができる。
【0050】
・上記実施の形態では、内管201aと外管201bとのいずれかに選択的に処理ガスGが流通するようにバルブV4およびバルブV5の開閉操作を行った。しかし、バルブV4およびバルブV5は、必ずしもこのように選択的に開閉する必要はなく、その成膜度合いに合わせて流量を変化させるようなかたちで操作してもよい。すなわち、内管201aおよび外管201bに一斉に処理ガスGを供給することもできる。
【0051】
・上記実施の形態では、多重管201を、ステンレス管S、石英ガラス管Q、及びカーボン管Cを連結して構成したが、多重管201の材質はこれに限ることなく、適宜変更してもよい。
【0052】
・上記実施の形態では、内管201aおよび外管201bの2層からなる多重管201を採用したが、こうした多重管を形成する管の数はこれに限定されることなく、適宜変更してもよい。例えば、先の図3に対応する図として図4に示すように、上記多重管201に代えて、3層の管からなる多重管210としてもよい。この多重管210のように管が複数形成されるほど、半導体基板100に対して多くの態様にて処理ガスGを供給することができるようになることから、その成膜精度もさらに高められることとなる。
【0053】
・上記実施の形態では、シラン系またはジクロロシラン系ガスとして、モノシランガス(SiH)を採用した。しかし、これらシラン系またはジクロロシラン系ガスとしては他に、ジクロロシラン、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ヘキサクロロシラン等があり、これらを採用することもできる。また、不飽和炭化水素ガスとして、プロパンガス(C)に代えて、アセチレン、エチレン等を採用することもできる。なお、上記キャリアガスとしては、例えば水素(H)、窒素(N)、アルゴン(Ar)などの単一ガスのほか、これらを適宜に混合した混合ガスなども採用することができる。
【0054】
・この実施の形態では、炭化珪素(SiC)からなる半導体基板100にエピタキシャル膜110を成膜したが、シリコン(Si)からなる半導体基板にこうしたエピタキシャル膜110を成膜してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる炭化珪素膜の成膜装置の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】同実施の形態の成膜室についてその具体構造を示す概略断面図。
【図3】図2のA−A断面に沿った断面図。
【図4】同実施の形態の炭化珪素膜の成膜装置の変形例を示す断面図。
【図5】エピタキシャル膜の成膜態様を示す一部正面図。
【図6】従来の炭化珪素膜の成膜装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…シリンダキャビネット、2…成膜部、3…排気浄化部、31…除害装置、100…半導体基板、110…エピタキシャル膜、200…成膜室、201、210…多重管、201a…内管、201b…外管、202…容器、202a…フランジ部、203…蓋、204…基板保持板、204a…切り欠き、205…コイル、206a、206b…断熱材、207…ガス排出管。

Claims (7)

  1. 容器内に保持された半導体基板を加熱する加熱部と、この保持された半導体基板に炭化珪素膜を成膜するための処理ガスを供給するガス供給部と、処理済みのガスを容器から排出する排出部とを備える炭化珪素膜の成膜装置において、
    前記ガス供給部は、口径の異なる複数の管が多重化された多重管を備え、該多重管が、前記容器内で、前記保持された半導体基板の成膜面に略直角に対向して配設されてなる
    ことを特徴とする炭化珪素膜の成膜装置。
  2. 前記多重管は、その最外周の管の口径が前記半導体基板の直径に略等しいか若しくは該直径よりも大径に設定されてなる
    請求項1に記載の炭化珪素膜の成膜装置。
  3. 前記ガス供給部は、前記多重管を構成する複数の管に対応して各別に前記処理ガスの流通を制御する弁手段を備えてなる
    請求項1または2に記載の炭化珪素膜の成膜装置。
  4. 前記弁手段は、前記多重管を構成する複数の管のいずれかに選択的に前記処理ガスが流通されるように開閉操作される
    請求項3に記載の炭化珪素膜の成膜装置。
  5. 前記多重管を構成する各管はそれぞれ、前記流通する処理ガスの温度を制御し得る複数の異なる材質の管がその延伸方向に連結されてなる
    請求項1〜4のいずれかに記載の炭化珪素膜の成膜装置。
  6. 前記複数の異なる材質の管が、ステンレス管、石英ガラス管、及びカーボン管からなり、これらの管が容器の入り口から前記半導体基板に対向する部分にかけて順に連結されてなる
    請求項5に記載の炭化珪素膜の成膜装置。
  7. 前記ガス供給部は、前記処理ガスとして、シラン系またはジクロロシラン系ガス、および不飽和炭化水素ガスをキャリアガスと共に同時に供給するものである
    請求項1〜6のいずれかに記載の炭化珪素膜の成膜装置。
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