JP2010036353A - 印刷装置、及び、ノズル列の調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル列の傾きや複数ノズル列のノズル列方向のズレを出来る限り正確に検出すること
【解決手段】媒体に液体を吐出するノズルが所定方向に並ぶ第1ノズル列と、前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ第2ノズル列であって、前記第1ノズル列と前記所定方向と交差する方向に並ぶ前記第2ノズル列と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列と前記媒体とを移動方向に相対移動させる移動機構と、を有し、前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成する際に、前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第1ノズルと、前記第2ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第2ノズルとによって、他の前記ノズルによって形成する前記ドット列とは異なる長さの前記ドット列を形成する印刷装置。
【選択図】図9
【解決手段】媒体に液体を吐出するノズルが所定方向に並ぶ第1ノズル列と、前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ第2ノズル列であって、前記第1ノズル列と前記所定方向と交差する方向に並ぶ前記第2ノズル列と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列と前記媒体とを移動方向に相対移動させる移動機構と、を有し、前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成する際に、前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第1ノズルと、前記第2ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第2ノズルとによって、他の前記ノズルによって形成する前記ドット列とは異なる長さの前記ドット列を形成する印刷装置。
【選択図】図9
Description
本発明は、印刷装置、及び、ノズル列の調整方法に関する。
媒体に液体を吐出するノズルが所定方向に並んだノズル列と、媒体と、を所定方向と交差する移動方向に相対移動させて印刷する印刷装置が知られている。このような印刷装置では、ノズル列が所定方向に対して傾いたり、ノズル列が所定方向にずれたりしてしまうと、印刷データにて指示した位置にドットが形成されず、画質が劣化してしまう。
そこで、ノズル列方向と交差する移動方向に並んでいる2つのノズル列(第1ノズル列と第2ノズル列)を用いて補正用パターンを形成し、補正用パターンの結果に基づいてノズル列の傾きを検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。具体的には、移動方向に沿うドット列から成る補正用パターンがノズル列方向に並ぶように、第1ノズル列と第2ノズル列にそれぞれ交互に補正用パターンを形成させる。そして、第1ノズル列に形成された第1補正用パターンと第2ノズル列に形成された第2補正用パターンのノズル列方向の間隔に基づいて、ノズル列の傾きや複数ノズル列のノズル列方向のズレなどを検出する。
特開2005−96368号公報
しかし、上述の検出方法では、ノズル列の傾きやノズル列方向のズレが大きいと、本来であればノズル列方向に隣り合うべき第1補正用パターンと第2補正用パターンとが隣り合わずに大きく離れて形成されてしまう。そうすると、本来は隣り合わない第1補正用パターンと第2補正用パターンのノズル列方向の間隔に基づいて、誤ったノズル列の傾きや、誤ったノズル列方向のズレが検出されてしまう。
そこで、ノズル列の傾きや複数ノズル列のノズル列方向のズレを出来る限り正確に検出することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、媒体に液体を吐出するノズルが所定方向に並ぶ第1ノズル列と、前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ第2ノズル列であって、前記第1ノズル列と前記所定方向と交差する方向に並ぶ前記第2ノズル列と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列と前記媒体とを移動方向に相対移動させる移動機構と、を有し、前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成する際に、前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第1ノズルと、前記第2ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第2ノズルとによって、他の前記ノズルによって形成する前記ドット列とは異なる長さの前記ドット列を形成する、ことを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、媒体に液体を吐出するノズルが所定方向に並ぶ第1ノズル列と、前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ第2ノズル列であって、前記第1ノズル列と前記所定方向と交差する方向に並ぶ前記第2ノズル列と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列と前記媒体とを移動方向に相対移動させる移動機構と、を有し、前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成する際に、前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第1ノズルと、前記第2ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第2ノズルとによって、他の前記ノズルによって形成する前記ドット列とは異なる長さの前記ドット列を形成することを特徴とする印刷装置を実現すること。
このような印刷装置によれば、第1ノズル列に形成されたドット列と第2ノズル列に形成されたドット列の所定方向の間隔に基づいて、第1ノズル列と第2ノズル列の所定方向に対する傾きや、第1ノズル列と第2ノズル列の所定方向のズレを検出できる。また、ノズル列が大きく傾いたり、大きくずれたりした結果、本来であれば、近傍に形成されるべき第1ノズル列のドット列と第2ノズルのドット列が大きく離れて形成されてしまったことを、特定の第1ノズルに形成されたドット列と特定の第2ノズルに形成されたドット列の位置関係に基づいて、判断できる。その結果、より正確にノズル列の傾きやずれを検出でき、画質劣化を抑制できる。
このような印刷装置によれば、第1ノズル列に形成されたドット列と第2ノズル列に形成されたドット列の所定方向の間隔に基づいて、第1ノズル列と第2ノズル列の所定方向に対する傾きや、第1ノズル列と第2ノズル列の所定方向のズレを検出できる。また、ノズル列が大きく傾いたり、大きくずれたりした結果、本来であれば、近傍に形成されるべき第1ノズル列のドット列と第2ノズルのドット列が大きく離れて形成されてしまったことを、特定の第1ノズルに形成されたドット列と特定の第2ノズルに形成されたドット列の位置関係に基づいて、判断できる。その結果、より正確にノズル列の傾きやずれを検出でき、画質劣化を抑制できる。
かかる印刷装置であって、前記第1ノズルは、前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうち、前記第2ノズルとの前記所定方向の距離が最も短いノズルであること。
このような印刷装置によれば、第1ノズルに形成されたドット列と第2ノズルに形成されたドット列が近傍に形成されているか否かによって、ノズル列が大きく傾いたり、ずれたりしていることを検出できる。その結果、より正確に、ノズル列の傾きやずれを検出できる。
このような印刷装置によれば、第1ノズルに形成されたドット列と第2ノズルに形成されたドット列が近傍に形成されているか否かによって、ノズル列が大きく傾いたり、ずれたりしていることを検出できる。その結果、より正確に、ノズル列の傾きやずれを検出できる。
かかる印刷装置であって、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列を有する2つのヘッドが前記所定方向に並び、一方の前記ヘッドの前記第1ノズルは、前記第1ノズル列に属するノズルのうち、他方の前記ヘッド側の端部ノズルであり、一方の前記ヘッドの前記第2ノズルは、前記第2ノズル列に属するノズルのうち、他方の前記ヘッド側の端部ノズルであること。
このような印刷装置によれば、ヘッドのつなぎ目部分に形成されたドット列を見つけだしやすく、一方のヘッドの第1ノズル列と第2ノズル列とにそれぞれ形成されたドット列の間隔に基づいて、他方のヘッドのノズル列の傾きやずれを検出してしまうことを防止できる。
このような印刷装置によれば、ヘッドのつなぎ目部分に形成されたドット列を見つけだしやすく、一方のヘッドの第1ノズル列と第2ノズル列とにそれぞれ形成されたドット列の間隔に基づいて、他方のヘッドのノズル列の傾きやずれを検出してしまうことを防止できる。
かかる印刷装置であって、前記複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に前記所定の間隔で形成する際に、前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う別の複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に前記所定の間隔よりも広い間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う別の複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に前記所定の間隔よりも広い間隔で形成すること。
このような印刷装置によれば、液体が滲み易い媒体にドット列を形成する場合に、所定の間隔で形成されたドット列は滲みによりドット列同士の間隔を算出できなくとも、所定の間隔よりも広い間隔で形成されたドット列はドット列同士の間隔を算出できる。即ち、媒体の種類によらずに、ノズル列の傾きやずれを検出できる。
このような印刷装置によれば、液体が滲み易い媒体にドット列を形成する場合に、所定の間隔で形成されたドット列は滲みによりドット列同士の間隔を算出できなくとも、所定の間隔よりも広い間隔で形成されたドット列はドット列同士の間隔を算出できる。即ち、媒体の種類によらずに、ノズル列の傾きやずれを検出できる。
また、媒体に液体を吐出するノズルが所定方向に並ぶ第1ノズル列と、前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ第2ノズル列であって、前記第1ノズル列と前記所定方向と交差する方向に並ぶ前記第2ノズル列と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列と前記媒体とを移動方向に相対移動させる移動機構と、を有する印刷装置が、前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成する際に、前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第1ノズルと、前記第2ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第2ノズルによって、他の前記ノズルによって形成する前記ドット列とは異なる長さの前記ドット列を形成することと、前記第1ノズル列によって形成された前記ドット列と前記第2ノズル列によって形成された前記ドット列との前記移動方向と交差する方向の位置関係に基づいて、前記印刷装置における前記第1ノズル列と前記第2ノズル列の取付位置を調整することと、を有するノズル列の調整方法である。
このようなノズル列の調整方法によれば、特定の第1ノズルに形成されたドット列と特定の第2ノズルに形成されたドット列の位置関係に基づいて、ノズル列が大きく傾いたり、大きくずれたりした結果、本来であれば、近傍に形成されるべき第1ノズル列のドット列と第2ノズルのドット列が大きく離れて形成されてしまったことを検出できる。その結果、より正確にノズル列の傾きやずれを検出できる。
このようなノズル列の調整方法によれば、特定の第1ノズルに形成されたドット列と特定の第2ノズルに形成されたドット列の位置関係に基づいて、ノズル列が大きく傾いたり、大きくずれたりした結果、本来であれば、近傍に形成されるべき第1ノズル列のドット列と第2ノズルのドット列が大きく離れて形成されてしまったことを検出できる。その結果、より正確にノズル列の傾きやずれを検出できる。
かかるノズル列の調整方法であって、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列の前記移動方向と交差する方向の位置関係を調整すること。
このようなノズル列の調整方法によれば、画質劣化を抑制できる。
このようなノズル列の調整方法によれば、画質劣化を抑制できる。
かかるノズル列の調整方法であって、前記移動方向と交差する方向に対する前記第1ノズル列および前記第2ノズル列の傾きを調整すること。
このようなノズル列の調整方法によれば、画質劣化を抑制できる。
このようなノズル列の調整方法によれば、画質劣化を抑制できる。
かかるノズル列の調整方法であって、前記印刷装置は、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列の間に、前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ別のノズル列を有すること。
このようなノズル列の調整方法によれば、ノズル列の傾きが同じであっても、第1ノズル列と第2ノズル列が所定方向と交差する方向に離れているほど、第1ノズル列に形成されるドット列と第2ノズル列に形成されるドット列の位置ずれが大きくなる。そのため、小さな傾きも検出することができ、ノズル列の傾きをより精度よく検出できる。
このようなノズル列の調整方法によれば、ノズル列の傾きが同じであっても、第1ノズル列と第2ノズル列が所定方向と交差する方向に離れているほど、第1ノズル列に形成されるドット列と第2ノズル列に形成されるドット列の位置ずれが大きくなる。そのため、小さな傾きも検出することができ、ノズル列の傾きをより精度よく検出できる。
===ラインヘッドプリンタ===
以下、印刷装置をインクジェットプリンタとし、また、インクジェットプリンタの中のラインヘッドプリンタ(プリンタ1)を例に挙げて説明する。
以下、印刷装置をインクジェットプリンタとし、また、インクジェットプリンタの中のラインヘッドプリンタ(プリンタ1)を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ1の全体構成ブロック図である。図2Aは、プリンタ1の断面図である。図2Bは、プリンタ1が用紙S(媒体)を搬送する様子を示す図である。外部装置であるコンピュータ50から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ10により、各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット30)を制御し、用紙Sに画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群40が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ10は各ユニットを制御する。
コントローラ10は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピュータ50とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、メモリ13に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、搬送ローラ21A,21Bと搬送ベルト22を有し、用紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向(移動方向に相当)に所定の搬送速度で用紙Sを搬送させる。給紙ローラ23は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内の搬送ベルト22上に自動的に給紙するためのローラである。輪状の搬送ベルト22が搬送ローラ21A及び21Bにより回転することで、搬送ベルト22上の用紙Sは搬送される。なお、用紙を搬送ベルト22にバキューム吸着させる等して、用紙の位置ズレを防止する。
ヘッドユニット30は、用紙Sにインクを吐出するためのものであり、複数のヘッド31を有する。ヘッド31の下面には、インク吐出部であるノズルが複数設けられる。そして、各ノズルには、インクが入った圧力室(不図示)と、圧力室の容量を変化させてインクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子)が設けられている。駆動素子に駆動信号が印加されることにより、駆動素子は変形し、その変形に伴って圧力室が膨張・収縮することによりインクが吐出される。
このようなラインヘッドプリンタでは、コントローラ10が印刷データを受信すると、コントローラ10は、まず、給紙ローラ23を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ベルト22上まで送る。用紙Sは搬送ベルト22上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット30の下を通る。ヘッドユニット30の下を用紙Sが通る間に、各ノズルからインクが断続的に吐出される。その結果、用紙S上には搬送方向に沿った複数のドットからなるドット列が形成され、画像が印刷される。
===第1実施形態===
<<ノズル配列について>>
図3Aは、第1実施形態におけるヘッドユニット30の下面のヘッド31の配列を示す図であり、図3Bは、ヘッド31の下面のノズルの配列を示す図である。第1実施形態のプリンタ1では、ヘッドユニット30は複数(n個)のヘッド31を有し、複数のヘッド31(1)〜31(n)は搬送方向と交差する紙幅方向(移動方向と交差する方向に相当)に千鳥状に並んで配置されている。図3Bに示すように各ヘッド31は1色あたり2つのノズル列を有し、ヘッド31の下面には、2つのイエローノズル列Y1,Y2と、2つのマゼンタノズル列M1,M2と、2つのシアンノズル列C1,C2と、2つのブラックノズル列K1,K2が形成されている。
<<ノズル配列について>>
図3Aは、第1実施形態におけるヘッドユニット30の下面のヘッド31の配列を示す図であり、図3Bは、ヘッド31の下面のノズルの配列を示す図である。第1実施形態のプリンタ1では、ヘッドユニット30は複数(n個)のヘッド31を有し、複数のヘッド31(1)〜31(n)は搬送方向と交差する紙幅方向(移動方向と交差する方向に相当)に千鳥状に並んで配置されている。図3Bに示すように各ヘッド31は1色あたり2つのノズル列を有し、ヘッド31の下面には、2つのイエローノズル列Y1,Y2と、2つのマゼンタノズル列M1,M2と、2つのシアンノズル列C1,C2と、2つのブラックノズル列K1,K2が形成されている。
各ノズル列はノズルを180個ずつ備え(ノズル#1〜#180)、各ノズル列のノズルは紙幅方向に所定の間隔180dpiで整列している。そして、同じ色のインクを吐出する2つのノズル列(例:Y1とY2)は紙幅方向に360dpiずれている。即ち、1つのヘッド31内において、4色のインクYMCKを吐出するノズルがそれぞれ紙幅方向に360dpiの間隔で並んでいることになる。そして、紙幅方向に並ぶ2つのヘッド(例:31(1),31(2))のうちの、左側のヘッド(例:31(1))の最も右側のノズル#180と、右側のヘッド(例:31(2))の最も左側のノズル#1と、の紙幅方向の間隔も360dpiとなるように、各ヘッド31(1)〜31(n)が配置されている。
つまり、ヘッドユニット30の下面にて、4色のインクYMCKを吐出するノズルがそれぞれ紙幅方向に360dpi(ノズルピッチ)の間隔で並んでいることになる。各ヘッド31のノズル列を合計した長さが、プリンタ1の紙幅方向における最大印刷範囲となる。なお、図3Bでは、紙幅方向に隣り合うヘッド31のノズル列は重複して存在しないが、これに限らず、隣り合うヘッド31のノズル列の端部を重複させてもよい。
<<ヘッド31の傾きについて>>
図4Aは、ヘッド31が紙幅方向に対して傾くことなく平行に取り付けられたプリンタ1のドット形成の様子を示す図である。図4Bは、ヘッド31が紙幅方向に対して傾いて取り付けられたプリンタ1のドット形成の様子を示す図である。図中のヘッド31では説明のため、2つのブラックノズル列K1,K2を、ノズル数を減らして示す。ヘッド31の下面に設けられたノズル列は、複数のノズルが所定方向(以下、ノズル列方向)に並ぶことによって構成される。そして、そのノズル列方向が、プリンタ1の搬送ユニット20に基づき規定される搬送方向に交差する紙幅方向と平行となるように、ヘッド31が取り付けられる。
図4Aは、ヘッド31が紙幅方向に対して傾くことなく平行に取り付けられたプリンタ1のドット形成の様子を示す図である。図4Bは、ヘッド31が紙幅方向に対して傾いて取り付けられたプリンタ1のドット形成の様子を示す図である。図中のヘッド31では説明のため、2つのブラックノズル列K1,K2を、ノズル数を減らして示す。ヘッド31の下面に設けられたノズル列は、複数のノズルが所定方向(以下、ノズル列方向)に並ぶことによって構成される。そして、そのノズル列方向が、プリンタ1の搬送ユニット20に基づき規定される搬送方向に交差する紙幅方向と平行となるように、ヘッド31が取り付けられる。
また、用紙S上には、ドットを記録する位置を規定するため、仮想的に「画素」が定められる。印刷画像は、画素が用紙Sの側辺方向(縦方向と横方向)と平行に2次元的に並ぶことによって構成される。そして、用紙Sは、用紙Sの縦方向の側辺がプリンタ1の搬送方向と平行となるように搬送される。即ち、用紙S上では画素が、搬送方向および搬送方向と交差する紙幅方向に並んでいることになる。図中では、各画素が紙幅方向にノズルピッチ間隔(360dpi)で並ぶとし、紙幅方向に並ぶ画素とノズルが対向するように、用紙Sが搬送される。
図4Aに示すようにノズル列が紙幅方向に沿う場合、2つのブラックノズル列K1,K2により、搬送方向に360dpiの間隔で並んだドット列が形成される。即ち、ヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に対して平行に取り付けられる場合、搬送方向上流側のブラックノズル列K1に形成されるドット(○)と搬送方向下流側のブラックノズル列K2に形成されるドット(●)が紙幅方向に等間隔(360dpi)に並んで形成される。
これに対して、図4Bに示すように、ヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に対して傾いて取り付けられると、用紙S上の規定された画素からずれてドットが形成されてしまう。また、2つのブラックノズル列K1,K2は、ノズル列方向と交差する方向に離れて配置されているため、ドット形成位置のズレ量が異なる。図4Bでは、搬送方向上流側のブラックノズル列K1に形成されるドット(○)と搬送方向下流側のブラックノズル列K2に形成されるドット(●)が重なるように形成される。即ち、ヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に対して傾いて取り付けられる場合、紙幅方向に並ぶドット間隔が一定ではなくなってしまう。
このように、ヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に対して傾いて取り付けられてしまうと、印刷データにて指示された位置(画素)にドットが形成されず、紙幅方向に並ぶドット間隔が一定ではなくなってしまうため、印刷画像の画質が劣化してしまう。そこで、この第1実施形態では、ヘッド31の紙幅方向に対する傾きを検出し、ヘッド31の傾きを調整することを目的とする。そうすることで、印刷画像の画質劣化を抑制する。
<<ヘッド31の傾き調整について>>
図5は、ヘッド31の傾きを検出し、調整するフローである。以下、製造工程などにおいて複数のヘッド31がプリンタ1に取り付けられた後に、個々のヘッド31の紙幅方向に対する傾きを検出する場合を例に挙げて説明する。この第1実施形態では、複数のヘッド31をプリンタ1に取り付けた後に、プリンタ1に実際にテストパターンを印刷させて(S001)、そのテストパターンの結果に基づいてヘッド31の傾きを検出する。
図5は、ヘッド31の傾きを検出し、調整するフローである。以下、製造工程などにおいて複数のヘッド31がプリンタ1に取り付けられた後に、個々のヘッド31の紙幅方向に対する傾きを検出する場合を例に挙げて説明する。この第1実施形態では、複数のヘッド31をプリンタ1に取り付けた後に、プリンタ1に実際にテストパターンを印刷させて(S001)、そのテストパターンの結果に基づいてヘッド31の傾きを検出する。
<テストパターンについて>
図6Aは用紙Sに印刷するテストパターンの全体図であり、図6Bは第1パターンP1の拡大図であり、図6Cは第2パターンP2の拡大図である。なお、図中には、ヘッド31のノズル列L1,L2に属するノズルに対して紙幅方向の左側から順に若い番号を付す。1つのヘッド31により第1パターンP1と第2パターンP2が形成される。そのため、用紙Sには、第1パターンP1および第2パターンP2がそれぞれ紙幅方向に並んで形成される。また、第1パターンP1および第2パターンP2は、ヘッド31が有する8つのノズル列のうちの2つのノズル列(第1ノズル列L1と第2ノズル列L2)によって形成される。第1ノズル列L1と第2ノズル列L2は紙幅方向にずれたノズル列とする。以下の説明では、「第1ノズル列L1」を図3に示す「イエローノズル列Y1」とし、「第2ノズル列L2」を「ブラックノズル列K2」とする。
図6Aは用紙Sに印刷するテストパターンの全体図であり、図6Bは第1パターンP1の拡大図であり、図6Cは第2パターンP2の拡大図である。なお、図中には、ヘッド31のノズル列L1,L2に属するノズルに対して紙幅方向の左側から順に若い番号を付す。1つのヘッド31により第1パターンP1と第2パターンP2が形成される。そのため、用紙Sには、第1パターンP1および第2パターンP2がそれぞれ紙幅方向に並んで形成される。また、第1パターンP1および第2パターンP2は、ヘッド31が有する8つのノズル列のうちの2つのノズル列(第1ノズル列L1と第2ノズル列L2)によって形成される。第1ノズル列L1と第2ノズル列L2は紙幅方向にずれたノズル列とする。以下の説明では、「第1ノズル列L1」を図3に示す「イエローノズル列Y1」とし、「第2ノズル列L2」を「ブラックノズル列K2」とする。
まず、第1パターンP1について説明する(図6B)。第1パターンP1は搬送方向(移動方向)に沿うドット列から構成される。第1ノズル列L1のノズルに形成されるドット列を「第1ドット列D1」と呼び、第1ドット列D1は180dpiの間隔(所定の間隔)で形成される。一方、第2ノズル列L2のノズルに形成されるドット列を「第2ドット列D2」と呼び、第2ドット列D2も180dpiの間隔で形成される。第1パターンP1は、第1ノズル列L1に属する全ノズル(#1〜#180)と第2ノズル列L2に属する全ノズル(#1〜#180)により形成される。そのため、第1ドット列D1と第2ドット列D2は紙幅方向に360dpiの間隔で交互に並ぶことになる。言い換えれば、紙幅方向に並ぶ第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成される。
そして、第1ドット列D1の搬送方向下流側部分と、第2ドット列D2の搬送方向上流側部分とが重なって形成される。第1ドット列D1と第2ドット列D2は同じ長さのドット列であるが、第1ドット列D1は第2ドット列D2よりも搬送方向の上流側に形成され、逆に第2ドット列D2は第1ドット列D1よりも搬送方向の下流側に形成される。このように第1ドット列D1と第2ドット列D2を搬送方向にずらして形成することで、第1パターンP1を構成するドット列を見た際に、第1ノズル列L1に形成されたドット列D1であるのか、第2ノズル列L2に形成されたドット列D2であるのか、を判断できる。
また、第1ノズル列L1の端部ノズル#1,#180(特定の第1ノズル)に形成させるドット列SD1を、他のノズル#2〜#179に形成されるドット列D1よりも搬送方向の上流側に長く形成させる。同様に、第2ノズル列L2の端部ノズル#1,#180(特定の第2ノズル)に形成させるドット列を、他のノズル#2〜#179に形成させるドット列よりも搬送方向の下流側に長く形成させる。第1ノズル列の端部ノズルに形成させる長いドット列を「第1基準ドット列SD1」と呼び、第2ノズル列の端部ノズルに形成させる長いドット列を「第2基準ドット列SD2」と呼ぶ。このように、本実施形態では、第1ノズル列L1または第2ノズル列L2の特定のノズルに形成させるドット列の長さを他のノズルに形成させるドット列の長さと異ならせる。そして、他のノズルが形成するドット列と長さが異なるドット列(第2基準ドット列)を形成する第2ノズル列のノズル(端部ノズル)とのノズル列方向の距離が最も短い第1ノズル列のノズル(端部ノズル)に、他のノズルが形成するドット列と長さの異なるドット列(第1基準ドット列)を形成させる。
次に、第2パターンP2について説明する(図6C)。第2パターンP2は第1パターンP1よりも少ないノズルを用いて形成する。第1ノズル列L1に属する3個おきのノズル(#1,#4,#7…)を用いて第1ドット列D1を形成し、第2ノズル列L2に属する3個おきのノズル(#2,#5,#8…)を用いて第2ドット列D2を形成する。そのため、第2パターンP2は第1パターンよりも第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の間隔(120dpi)が広くなっている。ドット列の間隔以外は第1パターンP1と同じであり、第1ドット列D1を第2ドット列D2よりも搬送方向の上流側にずらして形成する。そして、第1ノズル列L1の端部ノズル#1,#179と第2ノズル列L2の端部ノズル#2,#180は他のノズルに比べて長いドット列SD1,SD2を形成する。
図7Aはヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に平行である場合に形成される第1パターンP1を示す図であり、図7Bはヘッド31が紙幅方向に対して反時計回り方向に傾いた場合に形成される第1パターンP1を示す図であり、図7Cはヘッド31が紙幅方向に対して時計回り方向に傾いた場合に形成される第1パターンP1を示す図である。説明の簡略のためノズル数を減らして描いている。
図7Aに示すように、ノズル列が設計上通りに紙幅方向と平行であれば、形成される第1パターンP1の第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の間隔は、第1ノズル列L1のノズルと第2ノズル列L2のノズルの紙幅方向の間隔「360dpi」と等しくなる。即ち、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成される。
これに対して、ノズル列が紙幅方向に対して反時計回り方向に傾いている場合、図7Bに示すように、第2ドット列D2は、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1のうちの右側の第1ドット列D1に寄って形成される。逆に、ノズル列が紙幅方向に対して時計回り方向に傾いている場合、図7Cに示すように、第2ドット列D2は、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1のうちの左側の第1ドット列D1に寄って形成される。
このように、ヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に対して傾いて取り付けられると、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の間隔が一定にならない。即ち、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成されず、左右のどちらかに寄って第2ドット列D2が形成される。
そこで、第1パターンP1の印刷結果において、紙幅方向に並ぶ第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成されているか否かによって、ヘッド31が紙幅方向に対して傾いているか否かを判断できる。同様に、紙幅方向に並ぶ第2ドット列D2の中央部に第1ドット列D1が形成されているか否かによっても、ヘッド31の傾きを検出できる。
図8Aは、ノズル列方向と交差する方向の間隔が短い2つのブラックノズル列K1,K2により形成した第1パターンP1を示す図であり、図8Bは、ノズル列方向と交差する方向の間隔が長いブラックノズル列K2とイエローノズル列Y1により形成した第1パターンP1を示す図である。この第1実施形態では、テストパターン結果において、第1ノズル列L1に形成される第1ドット列D1と第2ノズル列に形成される第2ドット列D2の位置関係に基づきヘッド31の傾きを検出する。言い換えれば、ノズル列が紙幅方向に平行である場合に形成されるドット位置とノズル列が紙幅方向に対して傾く場合に形成されるドット位置とのズレ量が、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2によって異なることを利用し、ヘッド31の傾きを検出する。
図8Aと図8Bではヘッド31全体の傾き量は等しい。しかし、図8Bの方が図8Aに比べて、2つの第1ドット列D1の間に形成される第2ドット列D2のズレ量が大きい。つまり、ノズル列方向と交差する方向に大きく離れた2つのノズル列によりテストパターンP1,P2を形成することで(第1ノズル列L1と第2ノズル列L2の間に別のノズル列が配置されていることで)、ヘッド31の小さな傾きに対しても第1ドット列D1と第2ドット列D2の位置関係のズレ量が大きくなるため、より精度よくヘッド31の傾きを検出できる。そのため、ノズル列方向と交差する方向に離れた2つのノズル列を第1ノズル列L1と第2ノズル列L2として選択し、テストパターンを形成させるとよい。
なお、この第1実施形態では、イエローノズル列Y1を第1ノズル列L1とし、イエローノズル列Y1と最も離れたブラックノズル列K2を第2ノズル列L2として、テストパターンP1,P2を形成させる。ただし、イエローノズル列に形成されたドット列は視認し難いため、イエローノズル列Y1の次にブラックノズル列K2と離れているマゼンタノズル列M1を第1ノズル列としてテストパターンを形成してもよい。
<ヘッド31の大きい傾きの検出>
図9は、ヘッド31の傾きが大きい場合に形成される第1パターンP1を示す図である。この図9も前述の図7Bも、ヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に対して反時計回り方向に傾いている。ただし、図7Bのヘッド31の傾き(角度α)よりも図9のヘッド31の傾き(角度β)の方が大きい。ヘッド31が反時計回り方向に傾くと、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の間に形成される第2ドット列D2は、右側の第1ドット列D1に寄って形成される。しかし、ヘッド31の傾きが大き過ぎると、図9に示すように、第2ドット列D2が、その右側の第1ドット列D1を飛び越えて、更に右側に離れて形成されてしまう。つまり、ヘッド31が紙幅方向に平行な時に隣り合う第1ドット列D1と第2ドット列D2が、ヘッド31の傾きが大き過ぎると紙幅方向に隣り合わずに、大きく離れて形成されてしまう。
図9は、ヘッド31の傾きが大きい場合に形成される第1パターンP1を示す図である。この図9も前述の図7Bも、ヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に対して反時計回り方向に傾いている。ただし、図7Bのヘッド31の傾き(角度α)よりも図9のヘッド31の傾き(角度β)の方が大きい。ヘッド31が反時計回り方向に傾くと、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の間に形成される第2ドット列D2は、右側の第1ドット列D1に寄って形成される。しかし、ヘッド31の傾きが大き過ぎると、図9に示すように、第2ドット列D2が、その右側の第1ドット列D1を飛び越えて、更に右側に離れて形成されてしまう。つまり、ヘッド31が紙幅方向に平行な時に隣り合う第1ドット列D1と第2ドット列D2が、ヘッド31の傾きが大き過ぎると紙幅方向に隣り合わずに、大きく離れて形成されてしまう。
例えば、図7Aに示すようにヘッド31が傾いていなければ、イエローノズル列Y1のノズル#3とノズル#4とに形成される第1ドット列D1の間に、ブラックノズル列K2のノズル#3に形成される第2ドット列D2が位置する。しかし、図9のようにヘッド31が大きく傾いてしまうと、イエローノズル列Y1のノズル#3とノズル#4とに形成される第1ドット列D1の間にブラックノズル列#2に形成される第2ドット列D2が位置する。
この第1実施形態では、前述のように、紙幅方向に隣り合う2つの第1ドット列D1の間に形成される第2ドット列D2の位置に基づき、ヘッド31の傾きを検出する。そのため、もしヘッド31が大きく傾き過ぎると、紙幅方向に隣り合う第1ドット列D1と、その第1ドット列の間に本来形成されるべきではない第2ドット列D2の位置関係に基づいて、ヘッド31の誤った傾きを検出してしまう虞がある。
例えば、図9のように、ヘッド31の傾きが大きく、第2ドット列D2が右側に大きくずれて形成された結果、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1(例:イエローノズル列Y1のノズル#3,#4に形成される第1ドット列)の中央部に、本来形成されるべき第2ドット列D2とは異なる第2ドット列D2(例:ブラックノズル列K2のノズル#2に形成される第2ドット列D2)が位置し、ヘッド31が傾いていないと判断してしまう虞がある。そうすると、ヘッド31の傾きを正確に検出することが出来ず、印刷画像の画質劣化を抑制できなくなってしまう。
そこで、この第1実施形態では、図5のヘッド31の傾き調整フロー(ノズル列の調整方法)に示すように、テストパターンを形成した後に(S001)、ヘッド31が大きく傾いているか否かを確認する(S002)。そのためには、他のドット列と長さが異なる基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2が紙幅方向に隣り合って形成されているかによって、ヘッド31の大きな傾きを検出する。基準第1ドット列SD1は第1ノズル列L1の端部ノズル#1(又は#180)により形成される。一方、基準第2ドット列SD2は、第1ノズル列L1の端部ノズル#1と紙幅方向に最も近い第2ノズル列L2の端部ノズル#1により形成される。そのため、ヘッド31が大きく傾いていなければ、基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2は隣り合うはずである。
更に、本実施形態では、第1ノズル列L1の方が第2ノズル列L2よりも紙幅方向の左側にずれている。そのため、第1ノズル列L1の端部ノズル#1に形成される基準第1ドット列SD1と、端部ノズル#1の右側のノズル#2に形成される第1ドット列D1との間に、基準第2ドット列SD2が形成されていれば、ヘッド31が大きく傾いていないと判断できる。もし、基準第1ドット列SD1とノズル#2に形成される第1ドット列D1の間に、基準第2ドット列SD2が形成されていなければ、ヘッド31が大きく傾いていると判断する。
このようにヘッド31が大きく傾いていないかを確認し、ヘッド31が大きく傾いていなければ(S002→YES)、図5のフローの示すように、ヘッド31の小さな傾きを検出する(S004)。一方、ヘッド31が大きく傾いていれば、ヘッド31の大きな傾きを調整し、再度、テストパターンを形成させる。なお、ヘッド31の大きな傾きを調整する際に、基準第2ドット列SD2が紙幅方向の右側に大きくずれている場合には(図9)、ヘッド31の反時計回り方向の傾きを調整し、基準第2ドット列SD2が紙幅方向の左側に大きくずれている場合には、ヘッド31の時計回り方向の傾きを調整すればよい。このように、基準となるドット列SD1,SD2に基づいてヘッド31が大きく傾いていなかを確認した後に、第1ドット列D1と第2ドット列D2の位置関係に基づいて、ヘッド31の小さな傾きを検出する。そうすることで、より確実にヘッド31の傾きを検出できる。
ここで、仮に、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2の端部ノズル#1,#180に形成させる基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2の長さが、他のノズルに形成されるドット列の長さと同じであったとする。図9では説明のため、第1パターンP1のドット列数を減らして描いており、また、実際の第1パターンP1よりも大きく描いている。そのため、仮に基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2が他のドット列と同じ長さであったとしても、本来隣り合って形成されるべき第1ドット列D1と第2ドット列D2が大きく離れて形成されていることを判別できる。
しかし、実際のテストパターンは図9に示すテストパターンに比べて小さく、第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔も微小となり、また、実際のテストパターンではドット列の数が多くなる。そのため、もし、基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2が他のドット列と同じ長さであったとしたら、本来隣り合って形成されるべき第1ドット列D1と第2ドット列D2が、隣り合って形成されているのか否かを判断することは難い。即ち、ヘッド31が大きく傾いているのか否かを判別し難い。その結果、紙幅方向に隣り合う2つの第1ドット列D1と、その第1ドット列の間に本来形成されるべき第2ドット列D2とは異なる第2ドット列D2の位置関係に基づいて、ヘッド31の傾きを検出してしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2の各端部ノズル(#1,#180)に形成させるドット列の長さを、他のノズルに形成させるドット列の長さよりも長くする。そうすることで、紙幅方向に多くのドット列が並ぶテストパターンP1,P2においても、紙幅方向に隣り合うべき第1ドット列D1と第2ドット列D2、即ち、基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2を、正しく検出できる。そして、その基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2が隣り合っているか否かによって(図6のテストパターンによれば、基準第1ドット列SD1の右側のドット列が基準第2ドット列SD2であるか否かによって)、ヘッド31が大きく傾いているかを正確に検出できる。
図10Aは、紙幅方向に対して平行な2つのヘッド31(1),31(2)が形成した本実施形態の第1パターンP1を示す図であり、図10Bは、紙幅方向に対して反時計回り方向に傾いた2つのヘッド31(1),31(2)が形成した比較例のテストパターンを示す図である。図10Bの比較例のテストパターンは全てのドット列の長さを同じとする。
ところで、本実施形態のプリンタ1は図3Aに示すように紙幅方向に複数のヘッド31が並んでいる。そのため、ヘッド31の傾きを調整するために形成するテストパターンは、図6Aに示すように、複数のヘッド31にて形成された第1パターンP1および第2パターンP2が紙幅方向に並ぶことになる。つまり、異なるヘッド31に形成されるドット列が紙幅方向に並ぶことになる。
図10Aでは、2つのヘッド31(1),31(2)が共に紙幅方向に対して傾くことなく平行であるため、第1ノズル列(イエローノズル列Y1)に形成される第1ドット列D1と第2ノズル列(ブラックノズル列K2)に形成される第2ドット列D2の紙幅方向の間隔は均等(360dpi)である。また、図3Bに示すように、紙幅方向に隣り合うヘッド31の各ノズル列の端部ノズルの間隔は360dpiであるため、ヘッド31(1),31(2)の繋ぎ目部分にて形成される第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔も均等(360dpi)となる。
一方、図10Bの2つのヘッド31は紙幅方向に対して傾いているにも関わらず、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の間隔は均等である。これはヘッド31が反時計回り方向に大きく傾き、第2ドット列D2が本来隣り合うべき第1ドット列D1を飛び越えた結果、本来隣り合うべきではない第1ドット列D1と第2ドット列の紙幅方向の間隔が均等になっている。
また、紙幅方向に隣り合うヘッド31(1)とヘッド31(2)が同じ方向に同程度に傾くと、右側のヘッド31(2)のイエローノズル列Y1の左端のノズル#1,#2に形成される第1ドット列D1の間に、左側のヘッド31(1)のブラックノズル列K2の右端のノズル#6による第2ドット列D2が形成される。そのため、ヘッド31(1),31(2)の繋ぎ目部分に形成される第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔も均等(360dpi)となってしまう。
つまり、本実施形態では図6Aに示すように各ヘッド31に形成されるパターンP1,P2が紙幅方向に並ぶため、テストパターンにおいて全てのドット列D1,D2を同じ長さにしてしまうと、本来隣り合って形成されるべき第1ドット列D1と第2ドット列D2が隣り合っているのか否かを判断することが特に難い。
また、テストパターンにおいて全てのドット列D1,D2を同じ長さにしてしまうと、どのドット列D1,D2がどのヘッド31に形成されたのかを特定し難い。そのため、あるヘッド31とは異なるヘッド31が形成した第1ドット列D1と第2ドット列D2の位置関係に基づいて、そのヘッド31の傾きを検出してしまう虞がある。
そこで、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2の端部ノズル#1,#180に形成させるドット列SD1,SD2を、他のノズルに形成させるドット列よりも長くする。即ち、紙幅方向に並ぶ2つのヘッド31(1),31(2)のうち、一方のヘッド31(1)の第1ノズル列L1と第2ノズル列L2にそれぞれ属するノズルのうち、他方のヘッド31(2)側の端部ノズル(図10Aではノズル#6)により形成するドット列を、他のノズルによるドット列と長さを異ならせる。そうすることで、紙幅方向に多数並んでいるドット列の中から、紙幅方向に隣り合うべき基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2を見つけ出せる。その結果、紙幅方向に隣り合うべき基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2とが隣り合っているか否かに基づいて、ヘッド31の大きな傾きを検出できる。なお、基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2は他のドット列D1,D2よりも長くするに限らず、短くしてもよい。ただし、基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2が他のノズルに形成されるドット列よりも長くする方が、テストパターンにおいて基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2を見つけ出しやすい。
図10Aに示すように、複数のヘッド31により形成されるパターンP1,P2が紙幅方向に並ぶ場合、左側のヘッド31(1)の第1ノズル列L1の端部ノズル#6に形成される基準第1ドット列SD1と右側のヘッド31(2)の第1ノズル列L1の端部ノズル#1に形成される基準第1ドット列SD1の間に、左側のヘッド31(1)の第2ノズル列L2の端部ノズル#6に形成される基準第2ドット列SD2が位置するかによって、ヘッド31の大きな傾きを検出できる。そのため、右側のヘッド31(2)の第2ノズル列L2の左側端部ノズル#1に形成させるドット列を他のドット列よりも長くしなくともよい。但し、右側のヘッド31(2)の第2ノズル列L2の右側端部ノズル#6に形成させるドット列は他のドット列よりも長くする必要がある。
また、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2の端部ノズル(#1,#180)に形成させるドット列SD1,SD2を、他のドット列よりも長くするに限らない。例えば、第1ノズル列L1のあるノズル#iと、そのノズル#iと紙幅方向に最も近い第2ノズル列のノズル#i−1(又はノズル#i)に、形成させるドット列を、他のドット列の長さと異ならせてもよい。そうすることで、ヘッド31の大きな傾きを確実に検出することができる。
ただし、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2の端部ノズル(#1,#180)に形成させるドット列SD1,SD2を他のドット列よりも長くすることで、各ヘッド31(1)〜31(n)に形成されたパターンP1,P2を特定し易い。即ち、テストパターンにおいて、ヘッド31の繋ぎ目位置に形成されたドット列を特定しやすい。そうすることで、あるヘッド31とは異なるヘッド31に形成された第1ドット列D1と第2ドット列D2の位置関係に基づいて、そのヘッド31の傾き検出してしまうことを防止でき、各ヘッド31の傾きをより確実に検出できる。
<ヘッド31の小さい傾きの検出>
図5のヘッド31の傾き調整フローに示すように、ヘッド31が大きく傾いていないことが検出されたら(S002→NO)、次にヘッド31の小さな傾きを検出する(S004)。ヘッド31の小さな傾きは、前述のように(図7A〜図7C)、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の位置関係に基づいて判断する。まず、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成されているかを確認する。即ち、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の間隔が、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2のノズル間隔「360dpi」であるかを確認する。図7Aに示すように、2つの第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成されていれば、ヘッド31が紙幅方向に対して傾いていないと判断できる。この場合には、ヘッド31の傾きを調整する必要がない。
図5のヘッド31の傾き調整フローに示すように、ヘッド31が大きく傾いていないことが検出されたら(S002→NO)、次にヘッド31の小さな傾きを検出する(S004)。ヘッド31の小さな傾きは、前述のように(図7A〜図7C)、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の位置関係に基づいて判断する。まず、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成されているかを確認する。即ち、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の間隔が、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2のノズル間隔「360dpi」であるかを確認する。図7Aに示すように、2つの第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成されていれば、ヘッド31が紙幅方向に対して傾いていないと判断できる。この場合には、ヘッド31の傾きを調整する必要がない。
そして、図7Bに示すように、第2ドット列D2が紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1のうちの右側の第1ドット列D1に寄って形成されている場合、ヘッド31が反時計回り方向に傾いていると判断できる。逆に、図7Cに示すように、第2ドット列D2が紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1のうちの左側の第1ドット列D1に寄って形成されている場合、ヘッド31が時計回り方向に傾いていると判断できる。
また、第2ドット列D2が2つの第1ドット列D1の中央部からどの程度ずれているのかによって、ヘッド31の傾き量を検出できる。2つの第1ドット列D1の中央部からの第2ドット列D2のズレ量が小さいほどヘッド31の傾き量が小さく、2つの第1ドット列D1の中央部からの第2ドット列D2のズレ量が大きいほどヘッド31の傾き量が大きくなる。なお、2つの第1ドット列D1の中央部からの第2ドット列のズレ量に対するヘッド31の傾き量は予め計算等で求めておくとよい。
こうして検出された各ヘッド31の紙幅方向に対する傾き方向と傾き量に基づいて、各ヘッド31の傾きを調整する。ここでは、プリンタ1におけるヘッド31(ノズル列)の取付位置が、搬送ユニット20にて規定された移動方向と交差する紙幅方向とノズル列が平行となるように調整する。そうすることで、各ヘッド31(ノズル列)が紙幅方向に対して平行となる。その結果、紙幅方向に所定間隔にて並んだドット列を形成することができ、画質劣化を抑制できる。
このように、本実施形態では、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の位置関係に基づいて、ヘッド31の傾きを検出する。ところでテストパターンを形成する用紙の種類によってインクが滲みやすい用紙(例えば普通紙)がある。そのため、第1パターンP1のように、第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔が狭いと(360dpi)、2つの第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成されているか否かを判断できない虞がある。そこで、第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔が第1パターンP1よりも広い第2パターンP2を形成する。そうすることで、テストパターンを形成する用紙の種類に限らず、ヘッド31の傾きを検出できる。
また、テストパターン結果P1,P2において、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の位置関係、および、第1ドット列D1と第2ドット列D2の紙幅方向の間隔の測定は、目視によって行ってもよいし、スキャナで読み取ってもよい。例えば、スキャナで読み取った場合には、読取画像データ上において各ドット列D1,D2の紙幅方向の位置を特定し、第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔を算出するとよい。また、第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔は微小であるため、例えば、第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔が狭い所は濃く視認され、第1ドット列D1と第2ドット列D2の間隔が広い所は淡く視認される。そこで、テストパターンP1,P2の濃淡の位置によってヘッド31の傾きを検出してもよい。
<複数ヘッド31の紙幅方向の間隔調整>
図11Aおよび図11Bは、紙幅方向に並ぶ複数のヘッド31の相互の位置関係を調整する様子を示す図である。ヘッド31ごとに紙幅方向に対する傾きを調整した後、再度、テストパターン(図6)を印刷させて、複数のヘッド31の紙幅方向における相互の位置関係を調整してもよい。
図11Aおよび図11Bは、紙幅方向に並ぶ複数のヘッド31の相互の位置関係を調整する様子を示す図である。ヘッド31ごとに紙幅方向に対する傾きを調整した後、再度、テストパターン(図6)を印刷させて、複数のヘッド31の紙幅方向における相互の位置関係を調整してもよい。
例えば、紙幅方向に並ぶ複数のヘッド31(1)〜31(n)のうち、最も左側に位置するヘッド31(1)の位置を基準に、それよりも右側のヘッド31(2)〜31(n)の紙幅方向の位置を順に決定するとする。図11Aに示すように、ヘッド31(1)の第2ノズル列L2の端部ノズルに形成された基準第2ドット列SD2が、ヘッド31(2)の第1ノズル列L1の端部ノズルに形成された基準第1ドット列SD1に寄って形成されている場合、基準となるヘッド31(1)に対してヘッド31(2)が左側に寄って取り付けられていることが分かる。逆に、図11Bに示すように、ヘッド31(1)の基準第2ドット列SD2が同じヘッド31(1)の基準第1ドット列SD1に寄って形成されている場合、基準となるヘッド31(1)に対してヘッド31(2)が右側に離れて取り付けられていることが分かる。
このように、ヘッド31の傾きを検出するためのテストパターンと同じ形状のテストパターンに基づいて、ヘッド31の紙幅方向の取り付け位置も調整できる。その結果、紙幅長さに沿って等間隔(360dpi)のドット列を形成することができ、画質劣化を抑制できる。
なお、テストパターンP1,P2に基づいて、各ヘッド31の紙幅方向の間隔を検出する際にも、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2の端部のノズル#1,#180に形成させるドット列SD1,SD2を他のノズルに形成させるドット列D1,D2よりも長くする。そうすることで、ヘッド31の繋ぎ目の位置を間違うことなく特定でき、各ヘッド31の紙幅方向の間隔をより正確に調整できる。
<テストパターンの変形例>
図12Aは、変形例のテストパターンP3,P4を示す図である。前述のテストパターンP1,P2(図6)では、紙幅方向にずれている2つのノズル列(例えば、Y1とK2)を用いてテストパターンP1,P2を形成している。これに対して、変形例のテストパターンP3,P4は、紙幅方向のノズル位置が等しい2つのノズル列L1,L2を用いて形成する。例えば、図3Bに示すイエローノズル列Y1を第1ノズル列L1とし、ブラックノズル列K1を第2ノズル列L2として、変形例のテストパターンが形成される。
図12Aは、変形例のテストパターンP3,P4を示す図である。前述のテストパターンP1,P2(図6)では、紙幅方向にずれている2つのノズル列(例えば、Y1とK2)を用いてテストパターンP1,P2を形成している。これに対して、変形例のテストパターンP3,P4は、紙幅方向のノズル位置が等しい2つのノズル列L1,L2を用いて形成する。例えば、図3Bに示すイエローノズル列Y1を第1ノズル列L1とし、ブラックノズル列K1を第2ノズル列L2として、変形例のテストパターンが形成される。
この変形例のテストパターンP3,P4では、第1ノズル列L1のノズルにて形成される第1ドット列D1の間に第2ノズル列L2のノズルにて形成される第2ドット列D2が位置する。説明のため、第1ノズル列L1に形成される第1ドット列D1を実線にて示し、第2ノズル列L2に形成される第2ドット列D2を点線にて示す。ゆえに、紙幅方向に並ぶドット列D1,D2の間隔は「180dpi」となる。また、滲みやすい用紙Sにテストパターンを印刷する場合を考慮して、テストパターンP4のように、1個おきのノズルによりドット列を形成させてもよい。このようなテストパターンP4ではドット列の紙幅方向の間隔が「90dpi」となる。
そして、この変形例のテストパターンP3,P4においても、2つのノズル列L1,L2の端部ノズル#1,#180に形成させるドット列は他のノズルに形成させるドット列よりも長くする。そのために、第1ノズル列L1の端部ノズルに形成させる基準第1ドット列SD1を他のノズルに形成させる第1ドット列D1よりも長くする。そして、第2ノズル列L2の端部ノズル以外のノズルは1つの第2ドット列D2を形成するところを、第2ノズル列L2の端部ノズル#1,#180には2つの基準第2ドット列SD2を形成させる。
また、ヘッド31が大きく傾きすぎると、搬送方向に並ぶべき第1ドット列D1と第2ドット列D2が大きくずれて形成され、紙幅方向の位置が異なるノズル(例えばノズル#1とノズル#2)に形成された第1ドット列D1と第2ドット列D2の位置関係に基づいて、ヘッド31の傾きを検出してしまう虞がある。そのため、2つの基準第1ドット列SD1と2つの基準第2ドット列SD2が大きく離れていないかを確認し、ヘッド31が大きく傾いていないことを確認する。そうすることで、より正確にヘッド31の傾きを検出できる。
図13Aは、紙幅方向に対して平行なヘッド31に形成されるテストパターンP3を示す図であり、図13Bは、紙幅方向に対して反時計回り方向に傾いているヘッド31に形成されるテストパターンを示す図であり、図13Cは、紙幅方向に対して時計回り方向に傾いているヘッド31に形成されるテストパターンを示す図である。図13Aに示すように、第1ドット列D1と第2ドット列D2が紙幅方向にずれることなく、搬送方向に一直線に並んでいる場合、ヘッド31が紙幅方向に対して平行であると判断できる。これに対して、図13Bに示すように、第1ドット列D1が第2ドット列D2に対して紙幅方向の左側に形成される場合、ヘッド31が紙幅方向に対して反時計回り方向に傾いていると判断できる。逆に、図13Cに示すように、第1ドット列D1が第2ドット列D2に対して紙幅方向の右側に形成される場合、ヘッド31が紙幅方向に対して時計回り方向に傾いていると判断できる。
この変形例のテストパターンP3,P4は、前述のテストパターンP1,P2に比べてドット列間隔が広く、第1ドット列D1が第2ドット列D2に対してずれている方向やずれ量が検出し易い。逆に、前述のテストパターンP1,P2は、変形例のテストパターンP3,P4に比べてドット列間隔が狭く、より精度よくヘッド31の傾きを検出できる。そのため、テストパターンを形成する際に、前述のテストパターンP1,P2と変形例のテストパターンP3,P4の両方を形成してもよい。
図12Bは、他の変形例のテストパターンP5を示す図である。このようなテストパターンP5によれば、図13Aから図13Cと同様に、第2ドット列D2に対する第1ドット列D1のずれ方によって、ヘッド31の傾きを調整できる。ただし、このテストパターンP5では、第1ノズル列L1の端部ノズル#1,#180に形成させる基準第1ドット列SD1を他のノズルに形成させる第1ドット列D1よりも長くするが、第2ノズル列L2の端部ノズル#1,#180には1つの基準第2ドット列SD2を形成させる。そのため、このテストパターンP5では、ヘッド31の大きな傾きを検出する際に、基準となる第1ドット列SD1と搬送方向に並ぶべき基準第2ドット列SD2の長さが、他のノズルに形成される第2ドット列D2の長さと等しい。そのため、ヘッド31の大きな傾きを間違って検出してしまう虞がある。そこで、この変形例のテストパターンP5と前述のテストパターンP1,P2を組み合わせて形成するとよい。そうすることで、ヘッド31の大きな傾きは、前述のテストパターンP1,P2に基づいて検出できる。
<テストパターンの使用例>
ここまで製造工程中において、プリンタ1が有する複数のヘッド31に、図6に示すテストパターンを形成させ、個々のヘッド31の傾きを調整し、その後、図11に示すように紙幅方向に隣り合うヘッド31同士の間隔を調整する実施例を示している。これに限らず、例えば、ユーザーのもとで使用されているプリンタ1において、あるヘッド31が故障して新しいヘッド31と交換する際にも、図6に示すテストパターンを形成させるとよい。そうすれば、交換したヘッド31が紙幅方向に対して傾くことなく平行に取り付けられているかを確認することができる。ヘッド31の傾きだけを調整する場合には、交換したヘッド31にだけテストパターンを形成させればよい。しかし、交換したヘッド31と既に取り付けられているヘッド31との紙幅方向の位置関係を調整する場合には、少なくとも交換したヘッド31と紙幅方向に隣り合うヘッド31にテストパターンを形成させる必要がある。
ここまで製造工程中において、プリンタ1が有する複数のヘッド31に、図6に示すテストパターンを形成させ、個々のヘッド31の傾きを調整し、その後、図11に示すように紙幅方向に隣り合うヘッド31同士の間隔を調整する実施例を示している。これに限らず、例えば、ユーザーのもとで使用されているプリンタ1において、あるヘッド31が故障して新しいヘッド31と交換する際にも、図6に示すテストパターンを形成させるとよい。そうすれば、交換したヘッド31が紙幅方向に対して傾くことなく平行に取り付けられているかを確認することができる。ヘッド31の傾きだけを調整する場合には、交換したヘッド31にだけテストパターンを形成させればよい。しかし、交換したヘッド31と既に取り付けられているヘッド31との紙幅方向の位置関係を調整する場合には、少なくとも交換したヘッド31と紙幅方向に隣り合うヘッド31にテストパターンを形成させる必要がある。
また、個々のヘッド31の紙幅方向に対する傾きやヘッド31同士の紙幅方向のズレは調整された状態で、複数のヘッド31がノズルプレートに配置されており、そのノズルプレートをプリンタ1に取り付ける際にも、このテストパターン(図6)を使用できる。テストパターン結果に基づいて、ノズルプレート上に配置されたヘッド31のノズル列方向が紙幅方向と平行となるように、ノズルプレートがプリンタ1に取り付けることができる。
なお、ここまでヘッド31の紙幅方向に対する傾きや紙幅方向のずれに対して、ヘッド31(又はノズルプレート)を調整するとしているがこれに限らない。例えば、ヘッド31に対する搬送ユニット20の傾きや紙幅方向の位置を調整してもよい。
===第2実施形態===
<<ノズル配列について>>
図14Aは、第2実施形態のヘッドユニット30の下面のヘッド31の配列を示す図であり、図14Bは、ヘッド31の下面のノズルの配列を示す図である。この第2実施形態では、ヘッドユニット30内にて、紙幅方向にヘッド31が千鳥に並ぶ2つのヘッド群を有する。ここで、搬送方向の上流側のヘッド群のヘッド31を「上流側ヘッド31a」とし、搬送方向の下流側のヘッド群のヘッド31を「下流側ヘッド31b」とする。
<<ノズル配列について>>
図14Aは、第2実施形態のヘッドユニット30の下面のヘッド31の配列を示す図であり、図14Bは、ヘッド31の下面のノズルの配列を示す図である。この第2実施形態では、ヘッドユニット30内にて、紙幅方向にヘッド31が千鳥に並ぶ2つのヘッド群を有する。ここで、搬送方向の上流側のヘッド群のヘッド31を「上流側ヘッド31a」とし、搬送方向の下流側のヘッド群のヘッド31を「下流側ヘッド31b」とする。
各ヘッド31a,31bは、図14Bに示すように、イエローノズル列Yとマゼンタノズル列Mとシアンノズル列Cとブラックノズル列Kを有する。各ノズル列は、ノズルが紙幅方向に180dpiの間隔にて並んで構成され、紙幅方向に隣り合うヘッド31の端部ノズルの間隔も180dpiである。そして、上流側ヘッド31aのノズル列は下流側ヘッド31bのノズル列に対して、紙幅方向の左側に「360dpi」の間隔だけずれて配置されている。つまり、4色のインクYMCKを吐出するノズルがそれぞれ紙幅方向に紙幅長さに亘って360dpiの間隔で並んでいる。
<<上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bのずれについて>>
図15Aは、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向の位置関係が正しい場合に形成されるドットの様子を示す図であり、図15Bは、下流側ヘッド31bに対して上流側ヘッド31aが紙幅方向の左側にずれた場合に形成されるドットの様子を示す図である。説明のため、上流側ヘッド31aにより形成されるドットを「○」で示し、下流側ヘッド31bにより形成されるドットを「●」で示す。設計上では、図15Aに示すように、上流側ヘッド31aのノズル列が下流側ヘッド31bのノズル列に対して紙幅方向の左側に360dpiの間隔だけずれて配置される。そのため、紙幅方向に360dpiの間隔でドットが並んだドット列が形成される。
図15Aは、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向の位置関係が正しい場合に形成されるドットの様子を示す図であり、図15Bは、下流側ヘッド31bに対して上流側ヘッド31aが紙幅方向の左側にずれた場合に形成されるドットの様子を示す図である。説明のため、上流側ヘッド31aにより形成されるドットを「○」で示し、下流側ヘッド31bにより形成されるドットを「●」で示す。設計上では、図15Aに示すように、上流側ヘッド31aのノズル列が下流側ヘッド31bのノズル列に対して紙幅方向の左側に360dpiの間隔だけずれて配置される。そのため、紙幅方向に360dpiの間隔でドットが並んだドット列が形成される。
一方、図15Bに示すように、下流側ヘッド31bに対して上流側ヘッド31aが紙幅方向の左側にずれて取り付けられた場合、上流側ヘッド31aに形成されるドットが、印刷データが指示する画素の位置よりも紙幅方向の左側に形成される。そして、紙幅方向に並ぶドット間隔も一定でなくなってしまう。このように、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向の位置関係がずれると、紙幅方向に並ぶドット列のドット間隔が一定でなく、印刷画像上にスジとなってあらわれてしまう。
そこで、この第2実施形態では、搬送方向に並ぶ2つの上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向のズレを調整し、画質劣化を抑制することを目的とする。なお、図15Bでは、下流側ヘッド31bに対して上流側ヘッド31aが左側にずれているがこれに限らず、上流側ヘッド31aが右側にずれたり、下流側ヘッド31bがずれたり、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの両方がずれたりする場合がある。
<<上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向のズレ調整>>
この第2実施形態においても、上流側ヘッド31aが有するノズル列から第1ノズル列L1を選択し、下流側ヘッド31bから第2ノズル列L2を選択して、前述の実施形態にて示したテストパターン(図6、図12)と同じ形状のテストパターンを形成する。以下、紙幅方向に360dpiの間隔でずれた2つのノズル列L1,L2を用いて図6Bに示す第1パターンP1を形成する場合を例に挙げる。上流側ヘッド31aのブラックノズル列Kaを第1ノズル列L1とし、下流側ヘッド31bのブラックノズル列Kbを第2ノズル列L2とする。なお、第1実施形態では、ヘッド31の傾きを調整するため、搬送方向に出来る限り離れたノズル列(例:Y1とK2)を選択している。しかし、第2実施形態では紙幅方向のズレを調整するため、搬送方向に離れたノズル列を選択しなくともよい。
この第2実施形態においても、上流側ヘッド31aが有するノズル列から第1ノズル列L1を選択し、下流側ヘッド31bから第2ノズル列L2を選択して、前述の実施形態にて示したテストパターン(図6、図12)と同じ形状のテストパターンを形成する。以下、紙幅方向に360dpiの間隔でずれた2つのノズル列L1,L2を用いて図6Bに示す第1パターンP1を形成する場合を例に挙げる。上流側ヘッド31aのブラックノズル列Kaを第1ノズル列L1とし、下流側ヘッド31bのブラックノズル列Kbを第2ノズル列L2とする。なお、第1実施形態では、ヘッド31の傾きを調整するため、搬送方向に出来る限り離れたノズル列(例:Y1とK2)を選択している。しかし、第2実施形態では紙幅方向のズレを調整するため、搬送方向に離れたノズル列を選択しなくともよい。
図16Aは、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向の位置関係が正しい場合に形成される第1パターンP1を示す図であり、図16Bは、下流側ヘッド31bに対して上流側ヘッド31aが紙幅方向の左側にずれている場合に形成される第1パターンP1を示す図であり、図16Cは、下流側ヘッド31bに対して上流側ヘッド31aが紙幅方向の右側にずれている場合に形成される第1パターンP1を示す図である。
図16Aに示すように、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の中央部に第2ドット列D2が形成されている場合、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向の相対位置関係にずれがないと判断できる。これに対して、図16Bに示すように、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の間の第2ドット列D2が右側の第1ドット列D1に寄って形成されている場合、上流側ヘッド31aが下流側ヘッド31bに対して左側にずれている(又は、下流側ヘッド31bが上流側ヘッド31aに対して右側にずれている)と判断できる。逆に、図16Cに示すように、紙幅方向に並ぶ2つの第1ドット列D1の間の第2ドット列D2が左側の第1ドット列D1に寄って形成されている場合、上流側ヘッド31aが下流側ヘッド31bに対して右側にずれている(又は、下流側ヘッド31bが上流側ヘッド31aに対して左側にずれている)と判断できる。
このようにテストパターン結果に基づいて、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向の相対位置関係を調整することができる。なお、搬送方向に並ぶ上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向の位置を調整した後に、その上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bを紙幅方向に並べてもよいし、紙幅方向にヘッド31を並べて、上流側ヘッド群と下流側ヘッド群を形成した後に、上流側ヘッド群と下流側ヘッド群の紙幅方向の位置を調整してもよい。
図17は、下流側ヘッド31bに対する上流側ヘッド31aの位置ずれ量が大きい場合に形成される第1パターンP1を示す図である。上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向のずれ量が大きいと、2つの第1ドット列D1の間に本来形成されるべき第2ドット列D2とは異なる第2ドット列D2が形成されてしまう。そこで、前述の第1実施形態と同様に、他のドット列とは長さの異なる基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2に基づいて、ヘッド31の大きなずれを検出するとよい。
もし仮に、テストパターンを構成するドット列の長さを全て同じにしてしまったら、紙幅方向に隣り合うべき第1ドット列D1と第2ドット列D2が隣り合って形成されているのかを判断し難い。特に、本実施形態のプリンタ1のように、紙幅方向に並ぶ複数のヘッド31にて同時にテストパターンを形成する場合には、異なるヘッド31に形成されたドット列D1,D2が紙幅方向に並び、紙幅方向に隣り合うべき第1ドット列D1と第2ドット列D2が隣り合って形成されているのかを判断することがより難しい。そこで、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2の端部ノズルに形成させるドット列SD1,SD2を他のドット列よりも長く形成し、テストパターン結果から基準第1ドット列SD1と基準第2ドット列SD2を見つけ出し易くする。
そうして、ある第1パターンP1の結果において、基準第1ドット列SD1の右側に形成されたドット列が基準第2ドット列SD2であれば、ヘッド31が大きくずれていないと判断できる。ヘッド31が大きくずれていなければ、その第1パターンP1の第1ドット列D1と第2ドット列D2の位置関係に基づき、ヘッド31の紙幅方向の小さなずれ量やずれる方向を検出する。一方、ヘッド31が大きくずれていれば、その大きなずれを調整した後に、再度形成したテストパターン結果に基づき、ヘッド31のずれを検出するとよい。そうすることで、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向のずれをより正確に検出できる。
また、紙幅方向に並ぶ複数の上流側ヘッド31aおよび下流側ヘッド31bを用いてテストパターンを形成する場合には、図6Aに示すように、紙幅方向に多数のパターンが並ぶことになる。そのため、各上流側ヘッド31aおよび下流側ヘッド31bのノズル列の端部ノズルに形成させるドット列SD1,SD2を他のノズルに形成させるドット列D1,D2よりも長くし、ヘッド31のつなぎ目を特定し易くする。その結果、各上流側ヘッド31aおよび下流側ヘッド31bに形成された第1ドット列D1と第2ドット列D2の位置関係に基づいて、上流側ヘッド31aと下流側ヘッド31bの紙幅方向のズレをより正確に検出できる。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、ヘッドの傾き調整方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、ヘッドの傾き調整方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<印刷装置について>
前述の実施形態では、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出するピエゾ方式としているが、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって液体を吐出させるサーマル方式でもよい。
前述の実施形態では、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出するピエゾ方式としているが、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって液体を吐出させるサーマル方式でもよい。
<シリアル式のプリンタについて>
前述の実施形態では、媒体の搬送方向と交差する紙幅方向にヘッドが並んだラインヘッドプリンタを例に挙げているがこれに限らない。例えば、ヘッドを媒体の搬送方向と交差する移動方向に移動させながら画像を形成する画像形成動作と、媒体を搬送する搬送動作とを交互に行うシリアル式のプリンタでも、前述のテストパターンに基づいてヘッドの傾きやずれを検出するとよい。また、シリアル式のプリンタの中でも、高速印刷のために複数のヘッドを用いるプリンタがある。このようなプリンタにおいては特にヘッドの傾きやずれを検出する際に、特定のノズルに形成させるドット列を他のノズルに形成させるドット列よりも長くすることで、ヘッドが大きく傾いたり、ずれたりした結果、テストパターンのドット列が大きく離れて形成されていることを判別しやすくなる。
前述の実施形態では、媒体の搬送方向と交差する紙幅方向にヘッドが並んだラインヘッドプリンタを例に挙げているがこれに限らない。例えば、ヘッドを媒体の搬送方向と交差する移動方向に移動させながら画像を形成する画像形成動作と、媒体を搬送する搬送動作とを交互に行うシリアル式のプリンタでも、前述のテストパターンに基づいてヘッドの傾きやずれを検出するとよい。また、シリアル式のプリンタの中でも、高速印刷のために複数のヘッドを用いるプリンタがある。このようなプリンタにおいては特にヘッドの傾きやずれを検出する際に、特定のノズルに形成させるドット列を他のノズルに形成させるドット列よりも長くすることで、ヘッドが大きく傾いたり、ずれたりした結果、テストパターンのドット列が大きく離れて形成されていることを判別しやすくなる。
1 プリンタ、10 コントローラ、11 インターフェース部、12 CPU、
13 メモリ、14 ユニット制御回路、20 搬送ユニット、21 搬送ローラ、
22 搬送ベルト、23 給紙ローラ、30 ヘッドユニット、31 ヘッド、
40 検出器群、50 コンピュータ
13 メモリ、14 ユニット制御回路、20 搬送ユニット、21 搬送ローラ、
22 搬送ベルト、23 給紙ローラ、30 ヘッドユニット、31 ヘッド、
40 検出器群、50 コンピュータ
Claims (8)
- 媒体に液体を吐出するノズルが所定方向に並ぶ第1ノズル列と、
前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ第2ノズル列であって、前記第1ノズル列と前記所定方向と交差する方向に並ぶ前記第2ノズル列と、
前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列と前記媒体とを移動方向に相対移動させる移動機構と、
を有し、
前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成する際に、
前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第1ノズルと、前記第2ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第2ノズルとによって、他の前記ノズルによって形成する前記ドット列とは異なる長さの前記ドット列を形成する、
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記第1ノズルは、前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうち、前記第2ノズルとの前記所定方向の距離が最も短いノズルである印刷装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記第1ノズル列と前記第2ノズル列を有する2つのヘッドが前記所定方向に並び、
一方の前記ヘッドの前記第1ノズルは、前記第1ノズル列に属するノズルのうち、他方の前記ヘッド側の端部ノズルであり、
一方の前記ヘッドの前記第2ノズルは、前記第2ノズル列に属するノズルのうち、他方の前記ヘッド側の端部ノズルである、
印刷装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
前記複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に前記所定の間隔で形成する際に、
前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う別の複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に前記所定の間隔よりも広い間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う別の複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に前記所定の間隔よりも広い間隔で形成する、
印刷装置。 - 媒体に液体を吐出するノズルが所定方向に並ぶ第1ノズル列と、前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ第2ノズル列であって、前記第1ノズル列と前記所定方向と交差する方向に並ぶ前記第2ノズル列と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列と前記媒体とを移動方向に相対移動させる移動機構と、を有する印刷装置が、前記第1ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成するとともに、前記第2ノズル列に属する前記ノズルによって、前記移動方向に沿う複数のドット列を前記移動方向と交差する方向に所定の間隔で形成する際に、前記第1ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第1ノズルと、前記第2ノズル列に属する前記ノズルのうちの特定の第2ノズルによって、他の前記ノズルによって形成する前記ドット列とは異なる長さの前記ドット列を形成することと、
前記第1ノズル列によって形成された前記ドット列と前記第2ノズル列によって形成された前記ドット列との前記移動方向と交差する方向の位置関係に基づいて、前記印刷装置における前記第1ノズル列と前記第2ノズル列の取付位置を調整することと、
を有するノズル列の調整方法。 - 請求項5に記載のノズル列の調整方法であって、
前記第1ノズル列と前記第2ノズル列の前記移動方向と交差する方向の位置関係を調整するノズル列の調整方法。 - 請求項5または請求項6に記載のノズル列の調整方法であって、
前記移動方向と交差する方向に対する前記第1ノズル列および前記第2ノズル列の傾きを調整するノズル列の調整方法。 - 請求項7に記載のノズル列の調整方法であって、
前記印刷装置は、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列の間に、前記媒体に液体を吐出するノズルが前記所定方向に並ぶ別のノズル列を有するノズル列の調整方法。
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JP2008198329A JP2010036353A (ja) | 2008-07-31 | 2008-07-31 | 印刷装置、及び、ノズル列の調整方法 |
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