JP2008302624A - 液体吐出装置の製造方法、液体吐出装置の調整方法、液体吐出装置、液体吐出装置の液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置の製造方法、液体吐出装置の調整方法、液体吐出装置、液体吐出装置の液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】濃度むらを低減すること。
【解決手段】液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、上流側ノズル群よりも搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群とを備える液体吐出装置の製造方法であって、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、上流側ノズル群と下流側ノズル群とを用いて媒体に対して第1のパターンを形成するステップと、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、上流側ノズル群と下流側ノズル群とを用いて媒体に対して第2のパターンを形成するステップと、第1のパターンと第2のパターンのパターンむらに基づいて、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔を決定するステップと、を有する液体吐出装置の製造方法。
【選択図】図12

Description

本発明は、液体吐出装置の製造方法、液体吐出装置の調整方法、液体吐出装置、液体吐出装置の液体吐出方法に関する。
液体吐出装置の1つとして、紙や布、フィルムなどの各種媒体にノズルからインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。近年、インクジェットプリンタの中でも、媒体の搬送方向と交差する方向に沿った紙幅の長さのノズル列を有するラインヘッドプリンタの開発が行われている。
ところで、インクジェットプリンタでは、搬送ローラの製造誤差などに起因する搬送誤差により、媒体上の正しい位置にインク滴が着弾せず、印刷された画像に濃度むらが発生してしまうことがある。
そこで、発生する搬送誤差に応じて、インクの吐出タイミングを制御する方法や、搬送ローラの回転量を制御する方法が提案されている。(特許文献1)
特開平5−24186号公報
しかし、ラインヘッドプリンタは多数のノズルを有するので、インクの吐出タイミングを制御するための補正計算に時間がかかってしまう。また、多数のノズル(ヘッド)を有するラインヘッドプリンタでは、装置が大型化するため、搬送誤差に応じて搬送ローラの回転量を変更したとしても、実際に搬送速度が変化するまでに時間差が生じ、搬送誤差を解消することができない。その結果、濃度むらが発生してしまう。
そこで、本実施形態では、濃度むらを低減することを目的とする。
課題を解決するための主たる発明は、液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群とを備える液体吐出装置の製造方法であって、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて前記媒体に対して第1のパターンを形成するステップと、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて前記媒体に対して第2のパターンを形成するステップと、前記第1のパターンと前記第2のパターンのパターンむらに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定するステップと、を有する液体吐出装置の製造方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
すなわち、液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群とを備える液体吐出装置の製造方法であって、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて前記媒体に対して第1のパターンを形成するステップと、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて前記媒体に対して第2のパターンを形成するステップと、前記第1のパターンと前記第2のパターンのパターンむらに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定するステップと、を有する液体吐出装置の製造方法。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔が、濃度むらが低減されるような間隔に設定された液体吐出装置を製造することができる。例えば、第1のパターンと第2のパターンとを比較して、上流側ノズル群と下流側ノズル群によりドット形成密度が平均化される方のパターンが形成された際のノズル群間隔を、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔に決定すれば、濃度むらが低減される。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記上流側ノズル群に属するノズルは、前記搬送方向と交差する方向に沿った上流側ノズル列を形成し、前記下流側ノズル群に属するノズルは、前記交差する方向に沿った下流側ノズル列を形成し、前記上流側ノズル列のノズル間に前記下流側ノズル列のノズルが対応するように、前記上流側ノズル列は前記下流側ノズル列に対して前記交差する方向にずれていること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、上流側ノズル群により形成される搬送方向に沿ったドット列の間に、下流側ノズル群により搬送方向に沿ったドット列を形成する液体吐出装置を製造することができる。そして、上流側ノズル群が搬送方向に疎のドット列を形成した場合に、下流側ノズル群は搬送方向に密のドット列を形成するようにノズル群の間隔を決定すれば、濃度むらを低減することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群に属する各ノズルから一定時間おきに液体が吐出されることにより形成されること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔が、搬送誤差による濃度むらが低減されるような間隔に設定された液体吐出装置を製造することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのうち、前記媒体が指定された速度よりも速い速度で搬送された際に前記上流側ノズル群と対向する前記媒体上の領域が、前記下流側ノズル群と対向する際には、前記媒体は前記指定された速度よりも遅い速度で搬送された方のパターンを選択し、選択したパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定すること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、上流側ノズル群により搬送方向の間隔が指定された間隔よりも広いドット列が形成されたとしても、下流側ノズル群により搬送方向の間隔が指定された間隔よりも狭いドット列が形成されるため、ドット形成密度が平均化され、搬送誤差により生じる濃度むらを低減することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、前記上流側ノズル群により形成された前記搬送方向に沿ったドット列の間に、前記下流側ノズル群により前記搬送方向に沿ったドット列が形成されている。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、上流側ノズル群と下流側ノズル群によりドット形成密度が平均化されている方のパターンを選択することで、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔が、濃度むらが低減されるような間隔に設定された液体吐出装置を製造することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、一定の階調値に基づいて形成されること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、濃度むらの発生度合いが低い方のパターンを選択し、そのパターンが形成された際の上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔を、ノズル群間隔に設定することで、濃度むらが低減される液体吐出装置を製造することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのうち、濃度むらの発生が小さい方のパターンを選択し、選択したパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定すること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、濃度むらの発生度合いが低い方のパターンが形成された際の上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔をノズル群間隔に設定するため、濃度むらが低減される液体吐出装置を製造することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンをスキャナに読み取らせ、それぞれ複数の読取階調値を取得し、前記第1のパターンの複数の前記読取階調値のうちの最大値と最小値の差と、前記第2のパターンの複数の前記読取階調値のうちの最大値と最小値の差とを比較し、前記最大値と最小値の差が小さい方のパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定すること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、濃度むらの発生度合いが低い方のパターンを選択することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、それぞれ前記搬送方向と交差する方向に並ぶ2つの小パターンにより構成され、前記2つの小パターンのうちの一方は前記上流側ノズル群により形成され、他方は前記下流側ノズル群により形成されること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、2つの小パターンの関係により、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔を、濃度むらが低減されるような間隔に設定することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記小パターンは、前記搬送方向に並んだ複数のラインにより構成され、前記ラインとは、前記交差する方向に沿って並んだ前記ノズルから同時に液体が吐出されることにより形成されること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、ラインの搬送方向の間隔により、濃度むらが低減されるような上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔を設定することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのうち、前記上流側ノズル群により形成された小パターンのうちのライン間隔が広い領域と前記下流側ノズル群により形成された小パターンのうちのライン間隔が狭い領域とが前記交差する方向に並んでいる方のパターンを選択し、選択したパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定すること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、濃度むらが低減されるような上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔を設定することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記小パターンは一定の階調値に基づいて形成され、前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのうち、前記上流側ノズル群により形成された小パターンのうちの濃度が淡い領域と前記下流側ノズル群により形成された小パターンのうちの濃度が濃い領域とが前記交差する方向に並んでいる方のパターンを選択し、選択したパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定すること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、濃度むらが低減されるような上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔を設定することができる。
かかる液体吐出装置の製造方法であって、前記搬送機構は、搬送ローラと搬送ベルトにより構成され、前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、前記搬送方向に前記搬送ローラの周長の長さ以上に亘って液体が吐出されることにより形成されること。
このような液体吐出装置の製造方法によれば、濃度むらの原因である搬送誤差は搬送ローラの影響が大きく、搬送ローラが1回転する毎に周期的に搬送誤差が発生するため、搬送ローラの周長の長さ以上にパターンを形成すれば、周期的な濃度むら(搬送誤差)を検出することができる。
また、液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群とを備える液体吐出装置の調整方法であって、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第1のパターンを形成するステップと、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第2のパターンを形成するステップと、前記第1のパターンと前記第2のパターンに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定するステップと、を有する液体吐出装置の調整方法である。
このような液体吐出装置の調整方法によれば、上流側ノズル群と下流側ノズル群との間隔が、濃度むらが低減されるような間隔に調整することができる。
液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群と、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第1のパターンを形成させ、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第2のパターンを形成させる制御部と、前記第1のパターンと前記第2のパターンに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔が決定された間隔となるように調整するノズル間隔調整部と、を有する液体吐出装置。
このような液体吐出装置によれば、濃度むらを低減することができる。
液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群とを備える液体吐出装置の液体吐出方法であって、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第1のパターンを形成するステップと、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第2のパターンを形成するステップと、前記第1のパターンと前記第2のパターンに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定するステップと、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔が、決定された前記間隔となるように調整するステップと、前記媒体に対して、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群から液体が吐出されるステップと、を有する液体吐出装置の液体吐出方法。
このような液体吐出装置の液体吐出方法によれば、濃度むらが低減するように液体を吐出することができる。
===ラインヘッドプリンタ===
以下、液体吐出装置をインクジェットプリンタとし、また、インクジェットプリンタの中のラインヘッドプリンタ(プリンタ1)を例に挙げて実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ1の全体構成ブロック図である。図2Aは、プリンタ1の断面図である。図2Bは、プリンタ1が用紙S(媒体)を搬送する様子を示す図である。外部装置であるコンピュータ60から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ10により、各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット30)を制御し、用紙Sに画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群40が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ10は各ユニットを制御する。
コントローラ10は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピュータ60とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、メモリ13に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向に所定の搬送量で用紙Sを搬送させる。給紙ローラ23は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内の搬送ベルト22上に自動的に給紙するためのローラである。そして、輪状の搬送ベルト22が搬送ローラ21A及び21Bにより回転し、搬送ベルト22上の用紙Sは搬送される。なお、用紙Sは搬送ベルト22に静電吸着又はバキューム吸着している(不図示)。
ヘッドユニット30は、用紙Sにインクを吐出するためのものであり、複数のヘッド31を有する。ヘッド31の下面には、インク吐出部であるノズルが複数設けられる。そして、各ノズルには、インクが入った圧力室(不図示)と、圧力室の容量を変化させてインクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子)が設けられている。なお、本実施形態のプリンタ1は2つのヘッドユニット30を有し、搬送方向の上流側に位置するヘッドユニット30を上流側ヘッドユニット30Aとし(上流側ノズル群に相当)、上流側ヘッドユニット30Aよりも下流側に位置するヘッドユニット30を下流側ヘッドユニット30B(下流側ノズル群に相当)とする。また、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bは間隔Xをとって配置される。
〈印刷手順について〉
コントローラ10は、コンピュータ60から印刷命令及び印刷データを受信すると、印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の処理を行う。
コントローラ10は、給紙ローラ23を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ベルト22上まで送る。用紙Sは搬送ベルト22上を一定速度で停まることなく搬送され、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの下を通る。ヘッドユニット30の下を用紙Sが通る間に、各ノズルからインクが断続的に吐出される。その結果、用紙S上には搬送方向に沿った複数のドットからなるドット列(ラスタライン)が形成される。そして、最後に、コントローラ10は、画像の印刷が終了した用紙Sを排紙する。
〈ノズル面について〉
図3は、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの下面のノズル配列を示す。各ヘッドユニット30は、それぞれ複数(n個)のヘッド31を有する。そして、複数のヘッド31は、搬送方向と交差する紙幅方向に千鳥状に並んで配置されている。上流側ヘッドユニット30Aに属するヘッドを上流側ヘッド31Aとし、下流側ヘッドユニット30Bに属する下流側ヘッドを31Bとする。そして、紙幅方向の左側(ヘッドユニット30を下面から見た際の左側)のヘッドより順に第1ヘッド31(1)、第2ヘッド31(2)として、かっこ内に番号を付す。
ヘッド31の下面には、イエローインクノズル列Yと、マゼンタインクノズル列Mと、シアンインクノズル列Cと、ブラックインクノズル列Kが形成されている。各ノズル列はノズルを180個ずつ備えており、ノズル列の左側のノズルほど若い番号を付す(#1〜#180)。そして、各ノズル列のノズルは紙幅方向に一定の間隔180dpiで整列している。
そして、ヘッドユニット30内において、紙幅方向に並ぶ2つのヘッド31のうちの左側のヘッド31のノズル#180と右側のヘッド31のノズル#1との間隔が180dpiとなるように、各ヘッド31が配置されている。例えば、下流側第1ヘッド31B(1)のノズル#180と下流側第2ヘッド31B(2)のノズル#1との間隔は180dpiである。即ち、ヘッドユニット30内において、4色のノズル(YMCK)がそれぞれ180dpiの間隔で紙幅方向に並んでいることになる。
また、上流側ヘッドユニット30Aのノズルは下流側ヘッドユニット30Bのノズルに対して360dpiの間隔で紙幅方向の右側にずれている。例えば、上流側第3ヘッド31A(3)のノズル#2は下流側第3ヘッド31B(3)のノズル#2よりも紙幅方向に360dpiだけ右側に配置されている。そのため、用紙Sが上流側ヘッドユニット30Aの下を通ることで紙幅方向に180dpiの画像が印刷され、用紙Sが下流側ヘッドユニット30Bの下を通ることで、先程印刷された画像から360dpiだけずれた位置に下流側ヘッドユニット30Bにより紙幅方向に180dpiの画像が印刷される。
以上をまとめると、上流側ヘッドユニット30Aから吐出されるインクの色(YMCK)と下流側ヘッドユニット30Bから吐出されるインクの色(YMCK)が等しい。そして、上流側ヘッドユニット30Aに属するノズルと下流側ヘッドユニット30Bに属するノズルが紙幅方向に360dpiの間隔でずれている。そのため、上流側ヘッドユニット30Aにより形成される搬送方向に沿ったドット列と、下流側ヘッドユニット30Bにより形成される搬送方向に沿ったドット列が紙幅方向に並ぶことで、紙幅方向に360dpiの解像度の画像を印刷することが可能となる。
〈インクの吐出方法〉
図4は、ノズルからインクを吐出させるための駆動信号DRVを示す図である。駆動信号DRVは吐出周期t内に駆動パルスWを有する。その駆動パルスWが、各ノズルに設けられたピエゾ素子に印加されることで、インクが入った圧力室の容量が変化し、インクが吐出される。また、各ノズルには、ピエゾ素子に駆動信号DRVを印加または遮断するスイッチ(不図示)が設けられる。このスイッチはスイッチ制御信号SWにより制御される。
例えば、ノズル#iに対するスイッチ制御信号SW(i)が「1」のとき、ノズル#iに対応するスイッチがオンとなり、駆動パルスWがピエゾ素子に印加される。この駆動パルスWによりピエゾ素子が変形し、圧力室内のインクがノズル#iから吐出される。一方、スイッチ制御信号SWが「0」のとき、スイッチはオフとなり、駆動パルスWは遮断される。このため、ピエゾ素子に駆動パルスWは印加されず、ノズル#iからインクが吐出されることはない。
このように、印刷データ(スイッチ制御信号SW)に応じて、吐出周期tの間隔で各ノズルからインクが吐出されたり、吐出されなかったりする。そのため、用紙S上に定められた1つの画素と1つのノズルが対向する時間が吐出周期tとなるように、用紙Sは搬送される。なお、「画素」とは、画像を構成する単位領域であり、画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。「搬送方向×紙幅方向の解像度」が「360dpi×360dpiの解像度」で印刷される場合、1つの画素は「1/360インチ×1/360インチ」の大きさとなる。
===濃度むら対策===
以下、1つの画素(1/360インチ)と1つのノズルが対向する時間が吐出周期tとなるように、搬送ユニット20が用紙Sを搬送する速度を指令搬送速度V(指定された速度に相当)とする。そして、指令搬送速度Vが変化することなく一定の速度で用紙Sが搬送され、各ノズルから吐出周期tの間隔でインクが吐出されると、搬送方向のドット間隔が1/360インチ(1画素の搬送方向の長さ)であるドット列が形成される。しかし、実際には、搬送ローラ21の製造誤差などにより搬送誤差が生じて、搬送速度が一定にならず、搬送方向のドット間隔が1/360インチよりも広くなったり、狭くなったりしてしまう。その結果、印刷された画像には濃度むらが発生し、画質が低下してしまう。次に、搬送誤差による濃度むらの発生と対策について詳しく説明する。
〈搬送特性について〉
図5Aは、搬送ユニット20の詳細図である。本実施形態では、下流側の搬送ローラ21Bを駆動ローラとする。そして、搬送モータ24の回転力が、歯車等で構成される伝達機構25を介して、下流側の搬送ローラ21Bに伝わる。下流側の搬送ローラ21Bが回転することにより、搬送ベルト22と従動ローラである上流側の搬送ローラ21Aが回転し、用紙Sが搬送される。
このため、下流側の搬送ローラ21Bの回転量(回転角度)によって、搬送ベルト22の送り量が変化し、用紙Sの搬送量が変化する。言い換えれば、プリンタ1のコントローラ10は、用紙Sの搬送量に応じて、下流側の搬送ローラ21Bの回転量を制御する。本実施形態では、用紙Sを指令搬送速度Vで搬送するため、コントローラ10は、吐出周期tの間に用紙Sが1/360インチ(1画素の搬送方向の長さ)搬送されるように、下流側の搬送ローラ21Bを回転させる。
図5B及び図5Cは、搬送ローラ21の製造誤差を示す図である。図5Bは、搬送ローラ21の断面が正円ではなく楕円形状につぶれてしまった状態を示す図である。この場合、用紙Sの搬送量に応じた回転量だけ搬送ローラ21を回転させたとしても、搬送ローラ21の位置によって用紙Sの搬送量が異なってしまう。なぜなら、搬送ローラ21の回転中心Oから搬送ローラ21の外周までの距離が場所によって異なるからである。例えば、正円の搬送ローラ21の回転中心から外周までの距離をr(不図示)とし、搬送ローラ21を角度θ回転させることで、用紙Sは所定搬送量を搬送されるとする。このとき、図5Bに示すように、回転中心Oから外周までの距離がrよりも短い場合(=r1)、搬送ローラ21を角度θ回転させたとしても、用紙Sは所定搬送量よりも少なく搬送され(A1B1)、逆に、回転中心Oから外周までの距離がrよりも長い場合(=r2)、搬送ローラ21を角度θ回転させると、用紙Sは所定搬送量よりも多く搬送されてしまう(A2B2)。
図5Cは、搬送ローラ21の回転中心O’が本来の回転中心Oからずれた状態を示す図である。この場合も、断面が楕円につぶれが搬送ローラ(図5B)と同様に、搬送ローラ21の回転中心O’から外周までの距離が搬送ローラ21の場所によって異なるため、搬送ローラ21を角度θ回転させたとしても、用紙Sは所定搬送量よりも少なく搬送されたり(A3B3)、多く搬送されたりしてしまう(A4B4)。
つまり、コントローラ10が一定期間(吐出周期t)に用紙Sの所定搬送量(1/360インチ)に応じた回転量で下流側の搬送ローラ21Bを回転させたとしても、搬送ローラ21の製造誤差(断面のつぶれ、回転中心のずれ)により、用紙Sは所定搬送量を搬送されず、搬送誤差が発生してしまう。言い換えれば、用紙Sが指令搬送速度Vで搬送されるように、搬送ローラ21が一定期間に一定の回転量で回転したとしても、用紙Sの搬送速度は一定にならず、速度変化してしまう。
但し、搬送ローラ21の外周の長さが設計上と実際の装置上とで等しい場合には、搬送ローラ21の断面がつぶれていたり、回転中心がずれていたりしたとしても、搬送ローラ21が1回転すると、搬送誤差はゼロとなる。即ち、搬送ローラ21が1回転する間に、搬送ローラ21の一定の回転量に対する用紙Sの搬送量が多くなったり、少なくなったりして、最終的には搬送誤差がゼロとなる。ゆえに、搬送ローラ21が1回転する際に発生する搬送誤差による速度変化は、搬送ローラ21が回転するごとに繰り返される。
図5Dは、搬送ユニット20の搬送誤差によって生じる周期的な速度変化を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸は指令搬送速度Vに対する速度誤差ΔVを示す。一定期間(吐出周期t)に用紙Sが所定搬送量(1/360インチ)よりも多く搬送されるとき(時刻T0〜時刻T2)、用紙Sの搬送速度(V+ΔV)は指令搬送速度Vよりも速くなる。逆に、一定期間に用紙Sが所定搬送量よりも少なく搬送されるとき(時刻T2〜時刻T4)、用紙Sの搬送速度(V−ΔV)は指令搬送速度Vよりも遅くなる。そして、周期Tごとに、指令搬送速度Vに対する速度変化が繰り返される。
このような正弦波状の周期的な速度変化を搬送ユニット20の「搬送特性」とする。なお、搬送特性には、搬送ローラ21の製造誤差だけでなく、例えば、搬送モータ24や伝達機構25の回転中心のずれや、搬送モータ24の回転精度、搬送ベルト22の張架具合なども影響すると考えられる。そのため、個々のプリンタにより「搬送特性」は異なってくる。
〈濃度むらの発生について〉
図6Aは、搬送誤差が生じない理想的なプリンタにより印刷された画像Aを示す図である。図6Bは、画像Aの拡大図である。ここで、用紙Sが搬送誤差なく一定の指令搬送速度Vで搬送されながら、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの各ノズルから用紙Sに対して吐出周期tの間隔でインクが吐出されるとする。上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの両方を用いて印刷されることで、画像Aは紙幅方向に360dpiの解像度で印刷される。そのため、図6Bに示すように紙幅方向に隣り合うドットの間隔は1/360インチとなる。また、吐出周期tの間に用紙Sは1/360インチ(1画素の搬送方向の長さ)搬送されるため、搬送方向に隣り合うドットの間隔は1/360インチとなる。このように、用紙Sが搬送誤差なく一定の搬送速度で搬送される場合には、隣り合うドットの間隔が等しくなり、図6Aのように全面が一定の濃度である画像Aが形成される。
次に、搬送誤差による速度変化が生じるプリンタであって、用紙Sの搬送速度が指令搬送速度Vよりも速く(遅く)搬送される際に、用紙S上のある領域が上流側ヘッドユニット30Aと対向する場合、その用紙上のある領域が下流側ヘッドユニット30Bと対向する際の用紙Sの搬送速度も、指令搬送速度Vよりも速く(遅く)なってしまう比較例のプリンタについて説明する。
図7Aは、比較例のプリンタにより印刷された画像A’を示す図である。前述の画像A(図6A)の印刷と同様に、比較例のプリンタにおいて、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bのノズルから用紙Sに対して吐出周期tの間隔でインクが吐出されたとしても、図6Aのような一定の濃度の画像Aは印刷されず、図7Aのような濃度むらが発生した画像A’が印刷されてしまう。画像A’では搬送方向に濃い領域Yと淡い領域Xが交互に並んでいる。
図7Bは、画像A’のうちの淡く印刷された領域Xの拡大図である。領域Xは、用紙Sが指令搬送速度Vよりも速い速度V+ΔVで搬送される際に(図5Dの時刻T0〜時刻T2)、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bと対向する。用紙Sが指令搬送速度Vよりも速い速度V+ΔVで搬送されるということは、あるノズルから領域Xに対してインクが吐出されてから次にインクが吐出されるまでの間に、用紙Sが1/360インチよりも長く搬送されてしまうということである。その結果、図7Bに示すように、領域X内には、搬送方向の間隔が1/360インチよりも広いドット列が形成される。そのため、図6Bに示すような濃度むらが発生しない画像Aに比べて、領域X内のドット形成密度が低く、巨視的にみると、領域Xは画像Aに比べて淡い画像となる。
図7Cは、画像A’のうちの濃く印刷された領域Yの拡大図である。領域Yは、用紙Sが指令搬送速度Vよりも遅い速度V−ΔVで搬送される際に(図5Dの時刻T2〜時刻T4)、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bと対向する。即ち、あるノズルから領域Yに対してインクが吐出されてから次にインクが吐出されるまでの間に、用紙Sは1/360インチよりも少ない距離しか搬送されない。その結果、図7Cに示すように、領域Y内には、搬送方向の間隔が1/360インチよりも狭いドット列が形成される。そのため、図6Bに示すような濃度むらが発生しない画像Aに比べて、領域Y内のドット形成密度は高く、巨視的にみると、領域Yは画像Aに比べて濃い画像となる。
以上をまとめると、搬送誤差による速度変化が生じるプリンタにおいて、用紙Sが指令搬送速度Vよりも速い速度で搬送される際に形成されるドット列の搬送方向の間隔は1/360インチよりも広くなり、用紙Sが指令搬送速度Vよりも遅い速度で搬送される際に形成されるドット列の搬送方向の間隔は1/360インチよりも狭くなる。
そして、比較例のプリンタのように、用紙Sが指令搬送速度よりも速い(遅い)速度で搬送される際に、上流側ヘッドユニット30Aが用紙S上のある領域と対向する場合に、用紙S上のある領域と下流側ヘッドユニット30Bが対向する際の用紙Sの搬送速度も指令搬送速度Vよりも速くなってしまう(遅くなってしまう)とすると、搬送方向の間隔が1/360インチよりも広い(狭い)ドット列が紙幅方向に隣り合ってしまう。その結果、図7Bのように淡く印刷される領域Xと、図7Cのように濃く印刷される領域Yが発生し(濃度むらが発生し)、画質が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、搬送誤差により生じる濃度むらを低減することを目的とする。
なお、前述の説明では、搬送方向のドット間隔が広い場合(図7B)と搬送方向のドット間隔が狭い場合(図7C)のみを示しているが、搬送誤差による周期的な速度変化は、図5Dに示すように、徐々に速くなり、徐々に遅くなる。そのため、形成されるドット列の搬送方向の間隔も、徐々に広くなったり、徐々に狭くなったりする。ゆえに、比較例のプリンタにより一定濃度の画像を印刷しようとすると、徐々に淡くなり、徐々に濃くなるというように、グラデーションの濃度むらが発生する。また、速度変化は周期的であるため、濃い領域Yと淡い領域Xが交互に発生する画像A’が形成される。
〈濃度むら対策について〉
図8Aは、本実施形態のプリンタ1の搬送特性を示す図である(=図5D)。図8Bは、用紙S上のある領域Zと搬送速度の関係を示す図である。図8Cは、本実施形態のプリンタ1により形成された画像Bを示す図である。図8Dは、画像Bの拡大図である。画像Bは、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの各ノズルから吐出周期tの間隔でインクが吐出されることにより形成される。また、画像Bを形成する際に、用紙Sは、指令搬送速度Vに対して、図8Aのような速度変化する搬送ユニット20により搬送される。
ここで、用紙S上のある領域Z(図8Bの黒塗り部)に着目する。図8Aの時刻T1に、領域Zの先端が上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列Kと対向する。その後、用紙Sが搬送され、図8Aの時刻Taにおいて、領域Zの後端が上流側ヘッドユニット30Aの最下流側ノズル列Yと対向する。即ち、用紙Sが指令搬送速度Vよりも速い速度(V+ΔV)で搬送される際に、領域Zは上流側ヘッドユニット30Aと対向する。そのため、領域Z内に上流側ヘッドユニット30Aにより形成されるドット列の搬送方向の間隔は1/360インチよりも広くなる。
その後、図8Aの時刻T3に領域Zの先端が下流側ヘッドユニット30Bの最上流側ノズル列Kと対向する。そして、時刻Tbに領域Zの後端が下流側ヘッドユニット30Bの最下流側ノズル列Yと対向する。即ち、用紙Sが指令搬送速度Vよりも遅い速度(V−ΔV)で搬送される際に、領域Zは下流側ヘッドユニット30Bと対向する。そのため、領域Z内に下流側ヘッドユニット30Bにより形成されるドット列の搬送方向の間隔は1/360インチよりも狭くなる。
即ち、領域Zには、上流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向の間隔が1/360インチよりも広いドット列(搬送方向に疎のドット列)が形成され、下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向の間隔が1/360インチよりも狭いドット列(搬送方向に密なドット列)が形成される。図8Dの領域Z内(太線枠)に、搬送方向に疎のドット列と搬送方向に密のドット列が紙幅方向に隣り合う様子を示す。
前述の比較例のプリンタでは、領域X内に、搬送方向に疎のドット列が隣り合って形成され(図7B)、領域Y内に、搬送方向に密のドット列が隣り合って形成され(図7C)るため、ドット形成密度が高い領域とドット形成密度が低い領域により、印刷された画像には濃度むらが発生してしまう。これに対して、本実施形態では、搬送方向に疎のドット列と搬送方向に密のドット列が紙幅方向に隣り合って形成されるため、ドット形成密度が平均化される。そのため、図8Dを巨視的にみると、図8Cのように一定の濃度の画像Bとなる。
つまり、本実施形態では、用紙S上のある領域(領域Z)に、上流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向に密のドット列が形成される場合には、下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向に疎のドット列が形成されるようにして、逆に、上流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向に疎のドット列が形成される場合には、下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向に密のドット列が形成されるようにする。そうすると、形成されるドット列の搬送方向の間隔が搬送誤差により一定でなくとも、ある領域内に形成される密のドット列と疎のドット列を合わせることで、ある領域内のドット形成密度が平均化され、濃度むらの発生が抑止される。
そのために、用紙S上のある領域が上流側ヘッドユニット30Aと対向する際の用紙Sの搬送速度が指令搬送速度Vよりも速い(遅い)場合には、ある領域が下流側ヘッドユニット30Bと対向する際の用紙Sの搬送速度が指令搬送速度Vよりも遅く(速く)する。即ち、用紙S上のある領域が上流側ヘッドユニット30Aと対向する際の指令搬送速度Vに対する速度誤差(+ΔV)と、用紙S上のある領域が下流側ヘッドユニット30Bと対向する際の指令搬送速度Vに対する速度誤差(−ΔV)とが、対称的な値となっていればよい。
そこで、用紙S上のある領域が、上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列Kと対向してから(T1)下流側ヘッドユニット30Bの最上流側ノズル列Kと対向するまで(T3)の期間を、搬送特性(図8A)の半周期(T/2)となるように、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの間隔Xを設定する。即ち、上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列Kと下流側ヘッドユニット30Bの最上流側ノズル列Kとの間隔が、半周期(T/2)の期間に用紙Sが搬送される距離と等しくなるように、ヘッドユニット間隔Xを設定する。
例えば、前述の説明では、領域Zの先端が上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列Kと対向する際(時刻T1)の搬送速度は、指令搬送速度Vに最大速度誤差ΔVmaxが加えられた値(V+ΔVmax)となり、領域Zの先端が下流側ヘッドユニット30Bの最上流側ノズル列Kと対向する際(時刻T3)の搬送速度は、指令搬送速度Vから最大速度誤差ΔVmaxを引いた値(V−ΔVmax)となる。そして、上流側ヘッドユニット30Aにより領域Zが印刷されている間(T1からTa)に用紙Sの搬送速度はV+ΔVmaxから徐々に遅くなり、下流側ヘッドユニット30Bにより領域Zが印刷されている間(T3からTb)に用紙Sの搬送速度はV−ΔVmaxから徐々に速くなるというように、対称的に速度変化する。その結果、上流側ヘッドユニット30Aにより領域Zに形成されるドット列の搬送方向の間隔は徐々に狭くなり、逆に、下流側ヘッドユニット30Bにより領域Zに形成されるドット列の搬送方向の間隔は徐々に広くなる。
また、搬送誤差により周期的な速度変化が発生するため、図8Dに示すように、領域Zよりも上流側の領域では、領域Zとは逆に、上流側ヘッドユニット30Aにより密のドット列が形成され、下流側ヘッドユニット30Bにより疎のドット列が形成される。つまり、上流側ヘッドユニット30Aにより、「疎のドット列、密のドット列、疎のドット列…」の順に搬送方向にドット列が形成される場合には、下流側ヘッドユニット30Bにより、「密のドット列、疎のドット列、密のドット列…」の順に搬送方向にドット列が形成されることで、濃度むらが抑止される。
但し、上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列と下流側ヘッドユニット30Bの最上流側ノズル列が同じ色のノズル列であるとは限らないため、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにそれぞれ属する同じ色のノズル列の間隔が、搬送特性の半周期(T/2)の期間に用紙Sが搬送される距離となるように、間隔Xを設定する。
また、本実施形態では、図3に示すように、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bのノズル列の配置が同じであり、どちらのヘッドユニットにおいても上流側からKCMYの順でノズル列が並んでいる。そして、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにそれぞれ属する同じ色のノズル列の間隔が全て等しい。そのため、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bに属するノズル列のうちの1色のノズル列の間隔を搬送特性(T/2)に基づいて決定すれば、他の色のノズル列から吐出されるインクの濃度むらも低減される。
しかし、本実施形態のように、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bのノズル列の配置が同じでない場合には、例えば、濃度むらが目立ち易いブラックインクノズル列Kの間隔や、上流側ヘッド31Aと下流側ヘッド31Bにそれぞれ属する同じ色のノズル列間隔のうちの複数の色に共通するノズル列間隔を、搬送特性(T/2)に基づいて決定すればよい。この場合にも、濃度むらは低減される。
なお、ヘッドユニット30内に多数のノズル列が形成されて、ヘッドユニット30の搬送方向の長さが長くなってしまう場合、搬送特性の半周期T/2にもとづいてヘッドユニット間隔Xを決定しようとすると、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの設置位置が重なってしまう。このような場合では、用紙Sが上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列Kと対向してから下流側ヘッドユニット30Bの最上流側ノズル列Kと対向するまでの期間を「(自然数R+1/2)T(=3T/2、5T/2、7T/2…)」となるように、ヘッドユニット間隔Xを設定すればよい。即ち、上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列Kと下流側ヘッドユニット30Bの最上流側ノズル列Kの間隔を、搬送特性の半周期T/2と自然数倍の周期を加えた期間に用紙Sが搬送される距離と等しくなるように、間隔Xを設定すればよい。例えば、3T/2(R=1)に基づいて、ヘッドユニット間隔Xを決定する場合、図8Aに示すように、用紙Sが上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにそれぞれ対向する際の指令搬送速度Vに対する速度誤差ΔVは、対称的な値となる。
なお、一方のヘッドユニット30により形成される疎のドット列を他方のヘッドユニット30により形成される密のドット列で濃度を補完するため、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bから吐出されるインクの色は同じである必要がある。また、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの両方を用いて印刷される必要がある。
===プリンタ1の製造方法について===
本実施形態では、媒体上のある領域が上流側ヘッドユニット30Aと対向する際に、搬送誤差により指令搬送速度Vよりも「速く」媒体が搬送される場合、媒体上のある領域が下流側ヘッドユニット30Bと対向する際には、指令搬送速度Vよりも「遅く」媒体が搬送されるように、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bのヘッドユニット間隔Xを設定する。
このようにヘッドユニット間隔Xが設定されたプリンタ1によれば、上流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向に「疎のドット列」が形成された場合には、下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向に「密のドット列」が形成されるため、ドット形成密度が平均化され、搬送誤差による濃度むらを低減することができる。
また、搬送誤差はプリンタ毎により異なるため、製造工程において、各プリンタにとって最適なヘッドユニット間隔X、即ち、濃度むらが低減されるようなヘッドユニット間隔Xを決定する必要がある。以下、プリンタ1の製造工程におけるヘッドユニット間隔Xの決定方法について説明する。
図9は、ヘッドユニット間隔Xの決定のフローである。図10A及び図10Bは、ヘッドユニット間隔Xの決定時におけるプリンタ1の様子を示す図である。まず、図10Aに示すように、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの間隔を「第1の間隔」に設定する(S001)。このとき、下流側ヘッドユニット30Bは仮固定の状態である。一方、上流側ヘッドユニット30Aは仮固定されていても、本固定されていても良い。もし、上流側ヘッドユニット30Aが本固定されている場合には、下流側ヘッドユニット30Bのみを移動させることで、ヘッドユニット間隔を調整する。このように一方のヘッドユニットのみを移動させる方が、位置決め誤差が生じ難い。
次に、ヘッドユニット間隔が第1の間隔である状態のプリンタ1に、パターン(後述)を用紙Sに印刷させる(S002)。用紙Sに印刷された結果を「第1のパターン」とする(S003)。
その後、図10Bに示すように、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの間隔を「第2の間隔」に設定する(S004)。そして、第1のパターンを印刷させたときと同じ印刷命令により、ヘッドユニット間隔が第2の間隔である状態のプリンタ1にパターンを印刷させる(S005)。用紙Sに印刷された結果を「第2のパターン」とする(S006)。
こうして得られた「第1のパターン」と「第2のパターン」を比較し(S007)、「濃度むらが低減される方のパターン(後述)」を選択する(S008)。そして、選択した方のパターンが印刷された際の上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの間隔を、ヘッドユニット間隔Xに決定する(S009)。つまり、本実施形態では、ヘッドユニット間隔を変化させ、実際に印刷を行ったパターンのパターンむらに基づいて、濃度むらが低減されるようなヘッドユニット間隔Xを決定する。例えば、第1のパターンの方が第2のパターンよりも濃度むらが低減されるパターンであった場合、ヘッドユニット間隔Xを第1の間隔に決定する。
なお、説明の簡略のため、本実施形態では、2種類のヘッドユニット間隔(第1の間隔と第2の間隔)でしか、パターンを印刷させていないが、これに限らず、多数種類のヘッドユニット間隔にて、パターンを印刷させてもよい。多数の候補(多数のヘッドユニット間隔)の中から適正なヘッドユニット間隔Xを選択した方が、より適正なヘッドユニット間隔Xを決定することができ、濃度むらもより低減することができる。
図11は、ヘッドユニット間隔Xの決定時にスペーサー50を用いた場合の様子を示す図である。ヘッドユニット間隔Xの決定時に、スペーサー50を用いて、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの位置を調整することで、位置決め誤差を減少させ、また、作業を容易にすることができる。そのため、ヘッドユニット間隔Xの候補(例:第1の間隔)の長さであるスペーサー50を予め準備しておくことが好ましい。
以下、プリンタ1に印刷させるパターンを例示し、ヘッドユニット間隔Xの決定方法について、詳細に説明を行う。
〈第1決定例〉
図12Aは、第1決定例における第1のパターンと第2のパターンを示す結果の一例である。第1決定例では、まず、プリンタ1のヘッドユニット間隔を第1の間隔に設定した後、用紙Sの全面に「一定の階調値」で画像を印刷させて(ベタ塗り印刷)、第1のパターンを取得する。次に、プリンタ1のヘッドユニット間隔を第2の間隔に設定し、先程と同様に、用紙Sの全面に「一定の階調値」で画像を印刷させて、第2のパターンを取得する。
なお、このとき、プリンタ1のコントローラ10は、指令搬送速度Vで用紙Sが搬送されるように、搬送ユニット20を制御する。そして、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにそれぞれ属する同色のノズル列(例:ブラックノズル列)を用いて、パターンを印刷させる。そのため、第1決定例のパターンを微視的にみると、上流側ヘッドユニット30Aにより形成された搬送方向に沿ったドット列の間に、下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向に沿ったドット列が形成されている。
そして、印刷された第1のパターンと第2のパターンとを比較する(図12A)。この2つのパターンを比較してみると、第1のパターンは、ほぼ一定濃度の画像であるのに対して、第2のパターンは、濃い領域と淡い領域が搬送方向に交互に並んだ画像である。即ち、第2のパターンは第1のパターンに比べて濃度むら(パターンむらに相当)が発生していることが分かる。
プリンタ1が前述の図8Aに示すような搬送誤差による搬送特性を有しているとすると、第1のパターンの領域A(図12A)が上流側ヘッドユニット30Aと対向する際に、用紙Sは指令搬送速度Vよりも速く搬送され、領域Aが下流側ヘッドユニット30Bと対向する際には、用紙Sは指令搬送速度Vよりも遅く搬送されたことになる。図8Aの搬送特性で示すと、領域Aが上流側ヘッドユニット30Aと対向したときの時刻がT1からTaであり、領域Aが下流側ヘッドユニット30Bと対向したときの時刻がT3からTbとなる。即ち、ヘッドユニット間隔を第1の間隔に設定すると、搬送特性の半周期(T/2)の期間に用紙Sが搬送される距離と、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの同色のノズル列の間隔が等しくなる。
一方、第2のパターンの領域Aが上流側ヘッドユニット30Aと対向する際に、用紙Sは指令搬送速度Vよりも遅く搬送され、領域Aが下流側ヘッドユニット30Bと対向する際にも、用紙Sは指令搬送速度Vよりも遅く搬送されたことになる。図8Aの搬送特性で示すと、領域Aが上流側ヘッドユニット30Aと対向したときの時刻がT3からTbであり、領域Aが下流側ヘッドユニット30Bと対向したときの時刻がT7からTdとなる。即ち、ヘッドユニット間隔を第2の間隔に設定すると、搬送特性の1周期(T)の期間に用紙Sが搬送される距離と、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bの同色のノズル列の間隔が等しくなる。
つまり、第1のパターンと第2のパターンを比較した際に、第1のパターンが「濃度むらが低減される方のパターン」であり、第1のパターンを印刷した際の上流側ヘッドユニットと下流側ヘッドユニットの間隔(第1の間隔)をヘッドユニット間隔Xに決定する。前述の濃度むら対策で説明したように、ヘッドユニット間隔Xを第1の間隔に設定することで、搬送特性の半周期(T/2)の期間に用紙Sが搬送される距離と、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにそれぞれ属する同色のノズル列の間隔とが等しくなり、濃度むらが低減されるプリンタ1を消費者に提供することができる。
具体的には、ヘッドユニット間隔Xを第1の間隔にすることで、用紙Sのある領域に上流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向に「疎のドット列」が形成された場合に、下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向に「密のドット列」が形成されるため、ドット形成密度が平均化され、搬送誤差による濃度むらが低減されることが分かる。これに対して、ヘッドユニット間隔Xを第2の間隔にしてしまうと、用紙Sのある領域に上流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向に密のドット列が形成された場合に、下流側ヘッドユニット30Bによっても搬送方向に密のドット列が形成されるため、ある領域は他の領域に比べて濃い濃度に印刷され、濃度むらが発生してしまう。
また、「濃度むらが低減される方のパターン」を選択する際に、目視でも構わないが、より精度良く適正なヘッドユニット間隔Xを決定するために、形成したパターンをスキャナで読み取ることが好ましい。
図12Bは、第1のパターン(実線)と第2のパターン(点線)をスキャナで読み取った結果を示す図である。図12Bの横軸はパターンの搬送方向の位置を示し、縦軸は読取階調値の平均値を示している。なお、読取階調値の平均値とは、紙幅方向(実際にはスキャナ座標系における紙幅方向に相当する方向)に並ぶ読取画素の各階調値の平均値である。図12Bより、第1のパターンの読取階調値の結果は、搬送方向の位置によらず、ほぼ一定の値である。これに対して、第2のパターンの読取階調値の結果は、一定の指令階調値(一定の濃度)で印刷するように指示されたにも関わらず、搬送方向の位置により、読取階調値が高かったり、低かったりしている。即ち、第2のパターンは、第1パターンと比べて、読取階調値(濃度)のばらつきが大きく、濃度むらが発生しているといえる。
具体的に、濃度むらが低減される方のパターンを選択する際に、各パターンの読取階調値のうちの最大値と最小値との差が小さい方のパターンを選択すればよい。その他、各パターンの読読取階調値の標準偏差を算出し、標準偏差の小さい方のパターンを濃度むらが低減される方のパターンとして選択してもよい。
なお、第2のパターン(図12A)の濃い領域の中央部(搬送方向の位置A)から次に濃くなる領域の中央部(搬送方向の位置B)の距離は、搬送特性(図8A)の周期Tの期間に用紙Sが搬送される距離と等しい。
〈第2決定例〉
図13Aは第2決定例における第1のパターンの結果の一例であり、図13Bは第2のパターンの結果の一例である。第2決定例では、一定時間おきに、紙幅方向に並ぶ1列のノズル列から同時にインクが吐出される。例えば、本実施形態の場合、図3に示すように、1つのヘッドユニット内において、ヘッドが千鳥状に配置されているため、ヘッドユニット内のヘッドのうちの上流側のヘッド(31(1),31(3)…)のブラックノズル列Kのみを用いてパターンを印刷させる。なお、このとき、コントローラ10は用紙Sが指令搬送速度Vで搬送されるように搬送ユニット20を制御している。
更に、上流側ヘッドユニット30Aからは、用紙Sの紙幅方向の右側に対してのみインクが吐出され、下流側ヘッドユニット30Bからは、用紙Sの紙幅方向の左側に対してのみインクが吐出させる。その結果、図示するように、用紙Sの右側には上流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向に並んだラインが形成され、用紙Sの左側には下流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向に並んだラインが形成される。この第2決定例で印刷されるパターンは、搬送方向に並んだ複数のラインから構成される小パターン(一点鎖線で囲まれた領域)から構成され、更に、上流側ヘッドユニット30Aにより形成された小パターンと下流側ヘッドユニット30Bにより形成された小パターンが紙幅方向に並んでいる。
このように、ヘッドユニット間隔を第1の間隔に設定した後に、複数のラインから成るパターンを印刷させ、第1のパターンを取得し、その後、ヘッドユニット間隔を第2の間隔に設定し、同様の印刷命令により第2のパターンを取得する。
なお、前述の第1決定例のパターンでは(図12A)、上流側ヘッドユニット30Aにより形成された搬送方向に沿ったドット列の間に下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向に沿ったドット列が形成されているのに対して、第2決定例のパターンに形成されているラインはそれぞれ上流側ヘッドユニット30Aか下流側ヘッドユニット30Bのどちらか一方に属するノズルで形成されている。そのため、第2決定例では、上流側ヘッドユニット30Aに形成された小パターンと下流側ヘッドユニット30Bにより形成された小パターンの関係性により、濃度むらが低減される方のパターンを選択する。
図13A及び図13Bに示す第1のパターンと第2のパターンとを比較すると、第1のパターンの領域B内において、上流側ヘッドユニット30Aにより形成されたラインの搬送方向の間隔(パターンむらに相当)は「狭く」、下流側ヘッドユニット30Bにより形成されたラインの搬送方向の間隔は「広い」。これに対して、第2のパターンの領域B内では、上流側ヘッドユニット30Aに形成されたラインの搬送方向の間隔も、下流側ヘッドユニット30Bに形成されたラインの搬送方向の間隔も共に「広く」なっている。
プリンタ1が前述の図8Aに示すような搬送誤差による搬送特性を有しているとすると、ライン間隔が広い領域とは、指令搬送速度Vよりも速い速度で用紙Sが搬送されたときに用紙Sがノズルと対向した領域となり、ライン間隔が狭い領域とは、指令搬送速度Vよりも遅い速度で用紙Sが搬送されたときに用紙Sがノズルと対向した領域となる。そのため、第1のパターンの領域Bが上流側ヘッドユニット30Aと対向する際に、用紙Sは指令搬送速度Vよりも「遅く」搬送され、領域Bが下流側ヘッドユニット30Bと対向する際には、用紙Sは指令搬送速度Vよりも「速く」搬送されたことになる。即ち、ヘッドユニット間隔を第1の間隔に設定すると、搬送特性の半周期(T/2)の期間に用紙Sが搬送される距離と、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにそれぞれ属する同色のノズル列の間隔とが等しくなる。
一方、第2パターンの領域Bが上流側ヘッドユニット30Aと対向する際に、用紙Sは指令搬送速度Vよりも「速く」搬送され、領域Bが下流側ヘッドユニット30Bと対向する際にも、用紙Sは指令搬送速度Vよりも「速く」搬送されたことになる。即ち、ヘッドユニット間隔を第2の間隔に設定すると、搬送特性の1周期(T)の期間に用紙Sが搬送される距離と、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにそれぞれ属する同色のノズル列の間隔とが等しくなる。
つまり、図13A及び図13Bに示すようなパターンの結果が得られた場合、ヘッドユニット間隔Xを第1の間隔にすることで、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにより、ドット形成密度が平均化され、搬送誤差による濃度むらが低減されるため、第1のパターンが「濃度むらが低減される方のパターン」となる。
また、目視によりラインの間隔を判断しても良いが、スキャナにパターンを読み取らせ、ラインの搬送方向の位置を特定し、ラインの間隔を算出した方がより精度良く、濃度むらが低減されるパターンを選択することができる。また、スキャナにパターンを読み取らせなくとも、実際に用紙S上からラインの間隔を計測してもよい。
なお、第2のパターン(図13B)の上流側ヘッドユニット30Aにより形成された小パターンに示すように、隣り合うラインの間隔が最も広くなっているラインLAが形成された時刻(図8Aの時刻T1)から、隣り合うラインの間隔が次に最も広くなっているラインLBが形成された時刻(図8Aの時刻T5)までの期間が、搬送特性の1周期Tに相当する。
〈第3決定例〉
図14Aは、第3決定例における第1のパターンの結果の一例であり、図14Bは、第2のパターンの結果の一例である。第3決定例では、前述の第2決定例と同様に、上流側ヘッドユニット30Aからは、用紙Sの紙幅方向の右側に対してのみインクが吐出され、下流側ヘッドユニット30Bからは、用紙Sの紙幅方向の左側に対してのみインクが吐出される。但し、第3決定例の小パターンは、ラインではなく、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bに属する同色(1色)のノズル列を用いて、一定の階調値で画像(ベタ塗り印刷画像)を印刷させる。なお、コントローラ10は用紙Sが指令搬送速度Vで搬送されるように搬送ユニット20を制御するが、図8Aに示すような搬送誤差による搬送特性が生じるとする。そのため、小パターンは濃度が淡い領域と濃い領域(パターンむらに相当)により構成される。濃度が淡い領域とは、指令搬送速度Vよりも速い速度で用紙Sが搬送されたときに用紙Sがノズルと対向した領域であり、濃度が濃い領域とは、指令搬送速度Vよりも遅い速度で用紙Sが搬送されたときに用紙Sがノズルと対向した領域である。
そして、図14A及び図14Bに示す第1のパターンと第2のパターンとを比較すると、第1のパターンの領域C内には、上流側ヘッドユニット30Aにより淡い画像が印刷され、下流側ヘッドユニット30Bにより濃い画像が印刷されている。これに対して、第2のパターンの領域C内では、上流側ヘッドユニット30Aにより濃い画像が印刷され、下流側ヘッドユニット30Bによっても濃い画像が印刷されている。
即ち、第1のパターンの領域Cが上流側ヘッドユニット30Aと対向する際に、用紙Sは指令搬送速度Vよりも「速く」搬送され、領域Cが下流側ヘッドユニット30Bと対向する際には、用紙Sは指令搬送速度Vよりも「遅く」搬送されたことになる。一方、第2パターンの領域Cが上流側ヘッドユニット30Aと対向する際に、用紙Sは指令搬送速度Vよりも「遅く」搬送され、領域Cが下流側ヘッドユニット30Bと対向する際にも、用紙Sは指令搬送速度Vよりも「遅く」搬送されたことになる。
つまり、第1のパターンと第2のパターンを比較した結果、第1のパターンが「濃度むらが低減される方のパターン」であり、ヘッドユニット間隔Xを第1の間隔にすることで、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにより、ドット形成密度が平均化され、搬送誤差による濃度むらが低減される。
===その他の実施形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェット方式のプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、ヘッドユニット間隔の設定方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
〈テストパターン〉
前述の実施形態では、第1決定例から第3決定例にパターンを例示したが、これに限らず、用紙Sのある領域が上流側ヘッドユニット30Aと対向する際の搬送速度誤差と、用紙Sのある領域が下流側ヘッドユニット30Bと対向する際の搬送速度誤差との関係が分かるようなパターンであれば、濃度むらが低減されるようなヘッドユニット間隔Xを設定できる。
〈微動機構について〉
図15は、下流側ヘッドユニット30Bがボルトなどにより搬送方向に移動可能な微動機構51が設けられたプリンタを示す図である。この場合、プリンタ1の製造工程だけでなく、プリンタ1が完成してからも容易にヘッドユニット間隔Xを調節することができる。例えば、搬送ユニット20が故障し、搬送ユニット20のみを交換する場合に、交換した搬送ユニット20の搬送特性に応じて、ヘッドユニット間隔Xを調整することができる。また、ヘッドユニット間隔Xは微動機構51により自動に調整されても、手動で調整されてもよいとする。
また、2つのヘッドユニット30のうちのどちらか一方が搬送方向に移動可能であれば、ヘッドユニット間隔Xを調整することができるため、どちらか一方のヘッドユニット30(例、上流側ヘッドユニット30A)は固定されていても構わない。また、どちらか一方のヘッドユニット30だけが移動する方が、ヘッドユニット間隔Xの調整が容易であり、調整による誤差も生じにくい。
〈ヘッドユニット間隔について〉
図16Aは、ヘッドユニット30を3個有するプリンタを示す図である。図16Bは、搬送特性とヘッドユニット30の位置関係を示す図である。図16Cは、濃度むらが発生してしまう、搬送特性とヘッドユニットの位置関係を示す図である。図16Aのように、ヘッドユニット30を3個(=奇数個、n個)有するプリンタでは、上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列が用紙Sと対向してから中間ヘッドユニット30C(中間ノズル群に相当)の最上流側ノズル列が用紙Sと対向するまでの期間が搬送特性の周期Tの1/3(=T/3=T/n)となるように、上流側ヘッドユニット30Aと中間ヘッドユニット30Cとの間隔X1を決定する。即ち、上流側ヘッドユニット30Aの最上流側ノズル列と中間ヘッドユニット30Cの最上流側ノズル列の間隔が、プリンタが有するヘッドユニット30の数(=3)で搬送特性の周期Tを割った期間(=T/3)に用紙Sが搬送される距離と等しくなるように、間隔X1を決定する。中間ヘッドユニット30Cと下流側ヘッドユニット30Bの間隔X2も同様に設定する。ゆえに、3つのヘッドユニットの間隔は等しくなる。
そうすることで、図16Bに示すように、用紙S上のある領域が上流側ヘッドユニット30Aと対向するとき(時刻T0から時刻T5)の搬送速度が指令搬送速度Vよりも速いとすると、用紙S上のある領域が中間ヘッドユニット30Cと対向するとき(時刻T5から時刻T6)の搬送速度は、指令搬送速度Vよりも速い速度から遅い速度に変化し、用紙S上のある領域が下流側ヘッドユニット30Bと対向するとき(時刻T6から時刻T4)の搬送速度は、指令搬送速度Vよりも遅くなる。
その結果、用紙S上のある領域には、上流側ヘッドユニット30Aにより搬送方向のドット間隔が1/360インチ(1画素の搬送方向の長さ)よりも広いドット列が形成され、下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向のドット間隔が1/360インチよりも狭いドット列が形成される。一方、中間ヘッドユニット30Cにより形成されるドット列は、前記ある領域内の上流側では搬送方向のドット間隔が1/360インチよりも広いが、下流側になるにつれて搬送方向のドット間隔が1/360インチよりも狭くなるため、平均すると、中間ヘッドユニット30Bにより形成されるドット列は搬送方向のドット間隔が1/360インチとなる。ゆえに、用紙Sでは、ドット間隔が約1/360インチよりも広いドット列と、平均するとドット間隔が約1/360インチであるドット列と、ドット間隔が1/360インチよりも狭いドット列が紙幅方向に並ぶため、ドット形成密度が平均化されて、濃度むらの発生が抑止される。
なお、ヘッドユニットを奇数個(3個)有するプリンタでは、前述の実施形態のように、搬送特性の周期の半分(T/2)に基づいて、ヘッドユニット間隔Xを決定することはできない。例えば、図16Cに示すように、上流側ヘッドユニット30Aが用紙S上のある領域と対向する際の搬送速度が指令搬送速度Vよりも速い場合、中間ヘッドユニット30Cが用紙S上のある領域と対向する際の搬送速度は指令搬送速度Vよりも遅くなり、下流側ヘッドユニット30Bが用紙上のある領域と対向する際の搬送速度は指令搬送速度Vよりも速くなる。その結果、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向のドット間隔が1/360インチよりも広いドット列が形成され、中間ヘッドユニット30Cにより搬送方向のドット間隔が1/360インチよりも狭いドット列が形成されるため、ある領域の濃度は指定された濃度よりも淡くなり、濃度むらを発生させてしまう。
そのため、プリンタが有するヘッドユニット数が奇数個(n個)である場合には、搬送方向に隣り合う上流側のヘッドユニット(例30A)の最上流側ノズル列と用紙Sが対向してから、下流側のヘッドユニット(例30C)の最上流側ノズル列と用紙Sが対向するまでの期間が、搬送特性の周期TのT/n(又は(R+1/n)T)となるように、ヘッドユニット間隔(例X1)を設定する。
図17Aは、ヘッドユニットを4個有するプリンタを示す図である。図17B及び図17Cは、搬送特性と各ヘッドユニットの位置関係を示す図である。プリンタが有するヘッドユニット数が偶数個(n個)である場合には、搬送方向に隣り合う上流側のヘッドユニット(例30A)の最上流側ノズル列と用紙Sが対向してから、下流側のヘッドユニット(例30C)の最上流側ノズル列と用紙Sが対向するまでの期間が、搬送特性の周期TのT/2((R+1/2)T)またはT/n((R+1/n)T)となるように、ヘッドユニット間隔(例X1)を設定する。
図17Bは、搬送特性の周期TのT/2に基づいてヘッドユニット間隔Xを設定した際の搬送特性とヘッドユニット30の位置関係を示す図である。この場合、図17Bに示すように、上流側ヘッドユニット30Aと第2中間ヘッドユニット30Dにより搬送方向の間隔が広いドット列が形成され、第1中間ヘッドユニット30Cと下流側ヘッドユニット30Bにより搬送方向のドット間隔が狭いドット列が形成されるため、ドット形成密度が平均化され、濃度むらの発生が抑止される。
図17Cは、搬送特性の周期TのT/n(=T/4)に基づいてヘッドユニット間隔Xを設定した際の搬送速度とヘッドユニット30の位置関係を示す図である。この場合、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bが用紙Sと対向する際の搬送速度は対称的に変化し、上流側ヘッドユニット30Aと下流側ヘッドユニット30Bにより形成されるドット列を合わせるとドット形成密度が平均化される。同様に、第1中間ヘッドユニット30Cと第2中間ヘッドユニット30Dが用紙Sと対向する際の搬送速度も対称的に変化するため、2つの中間ヘッドユニット30C、30Dにより形成されるドット列を合わせるとドット形成密度が平均化される。その結果、濃度むらの発生が抑止される。
このように、ヘッドユニット数が3個以上の場合、搬送方向に隣り合うヘッドユニット間隔Xが複数となるため(ヘッドユニット数が3個ならば2つの間隔X)、複数のヘッドユニット間隔Xを色々と組み合わせ、第1決定例のパターン(図12A)のように、各ヘッドユニットに属する同色のノズル列を用いて、一定の解像度で画像を印刷させればよい。
第2決定例(図13)や第3決定例(図14)のようなパターンを印刷させる場合には、例えば、ヘッドユニット数が3個ならば、上流側ヘッドユニットにより用紙Sの右側に小パターンを形成させ、中間ヘッドユニットにより用紙Sの中央に小パターンを形成させ、下流側ヘッドユニットにより用紙Sの左側に小パターンを形成させればよい。
また、上述の説明では、ヘッドユニット数が偶数個である場合には、図17Bに示すように、搬送方向に隣り合う2つずつのヘッドユニットにより濃度むらを解消している。即ち、上流側ヘッドユニット30Aにより疎のドット列が形成された場合、第1中間ヘッドユニット30Cにより密のドット列が形成されるようにして、濃度むらを低減させ、そして、第2中間ヘッドユニット30Dにより疎のドット列が形成された場合には、下流側ヘッドユニット30Bにより密のドット列が形成されるようにして、濃度むらを低減させ、4つのヘッドユニット全体により濃度むらが低減されている。しかし、これに限らず、上流側ヘッドユニット30Aにより疎のドット列が形成された場合、搬送方向の隣りの第1中間ヘッドユニット30Cではなく、第2中間ヘッドユニット30Dにより密のドット列が形成されるようにして、濃度むらを低減させてもよい。即ち、上流側ヘッドユニット30Aのノズル列Kと第2中間ヘッドユニット30Dのノズル列Kとの間隔が、用紙Sが半周期(T/2)の期間に搬送される距離と等しくなるようにする。そして、第1中間ヘッドユニット30Cと下流側ヘッドユニット30Bにより、ドット形成密度を平均化させて、濃度むらを低減させれば、4つのヘッドユニット全体により濃度むらが低減される。この場合、図18に示すように、上流側ヘッドユニット30Aと第1中間ヘッドユニット30Cを出来る限り近づけることができるため、装置を小型化することができる。
また、前述の実施形態では、搬送特性の半周期T/2に基づいてヘッドユニット間隔Xを決定しているがこれに限らない。搬送特性の周期Tの期間がとても長く、例えば、第2テストパターンP2(図13B)を印刷したとしても周期的な濃度むらが現れない場合には、搬送誤差により発生する濃度むらが画質劣化に及ぼす影響は少ないと考えられる。そのため、このような場合には、ヘッドユニット間隔Xを可能な限り狭くして、装置を小型化し、印刷時間を短くしたとしても問題はない。
〈液体吐出装置について〉
前述の実施形態では、液体吐出装置としてインクジェットプリンタを例示していたが、これに限らない。液体吐出装置であれば、プリンタ(印刷装置)ではなく、様々な工業用装置に適用可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置、回路基板製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。
また、前述の実施形態のプリンタは、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出しているが、これに限らない。例えば、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって液体を吐出させるプリンタでもよい。
本実施形態のプリンタの全体構成ブロック図。 図2Aはプリンタの断面図、図2Bは紙の搬送模式図。 ヘッドユニットの平面図。 インク吐出の駆動信号図。 図5Aは搬送ユニットの詳細図、図5B,図5C及び図5Dは搬送ローラの製造誤差の説明図。 図6A,図6Bは理想的なプリンタの画像図。 図7A,図7B及び図7Cは比較例のプリンタの画像図。 図8Aは本実施形態のプリンタの搬送特性を示す図、図8Bは用紙上のある領域と搬送速度の関係図、図8C,図8Dは本実施形態のプリンタの画像の拡大図。 ヘッドユニット間隔の決定のフローである。 図10A及び図10Bはヘッドユニット間隔の決定時の説明図。 ヘッドユニット間隔の決定時の説明図。 図12A,図12Bは第1決定例における第1のパターン及び第2のパターンの説明図。 図13A,図13Bは第2決定例における第1のパターン及び第2のパターンの説明図。 図14A,図14Bは第3決定例における第1のパターン及び第2のパターンの説明図。 プリンタの微動機構の説明図。 他の実施形態の説明図。 他の実施形態の説明図。 他の実施形態の説明図。
符号の説明
1 プリンタ、10 コントローラ、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリ、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、21 搬送ローラ、22 搬送ベルト、
23 給紙ローラ、24 搬送モータ、25 伝達機構、
30 ヘッドユニット、31 ヘッド、30A 上流側ヘッドユニット、
30B 下流側ヘッドユニット、40 検出器群、50 スペーサー、
51 微動機構、60 コンピュータ

Claims (16)

  1. 液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群とを備える液体吐出装置の製造方法であって、
    前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて前記媒体に対して第1のパターンを形成するステップと、
    前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて前記媒体に対して第2のパターンを形成するステップと、
    前記第1のパターンと前記第2のパターンのパターンむらに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定するステップと、
    を有する液体吐出装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記上流側ノズル群に属するノズルは、前記搬送方向と交差する方向に沿った上流側ノズル列を形成し、前記下流側ノズル群に属するノズルは、前記交差する方向に沿った下流側ノズル列を形成し、
    前記上流側ノズル列のノズル間に前記下流側ノズル列のノズルが対応するように、前記上流側ノズル列は前記下流側ノズル列に対して前記交差する方向にずれている、
    液体吐出装置の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群に属する各ノズルから一定時間おきに液体が吐出されることにより形成される、
    液体吐出装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのうち、前記媒体が指定された速度よりも速い速度で搬送された際に前記上流側ノズル群と対向する前記媒体上の領域が、前記下流側ノズル群と対向する際には、前記媒体は前記指定された速度よりも遅い速度で搬送された方のパターンを選択し、
    選択したパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定する、
    液体吐出装置の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、前記上流側ノズル群により形成された前記搬送方向に沿ったドット列の間に、前記下流側ノズル群により前記搬送方向に沿ったドット列が形成されている、
    液体吐出装置の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、一定の階調値に基づいて形成される、
    液体吐出装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのうち、濃度むらの発生が小さい方のパターンを選択し、
    選択したパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定する、
    液体吐出装置の製造方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンをスキャナに読み取らせ、それぞれ複数の読取階調値を取得し、
    前記第1のパターンの複数の前記読取階調値のうちの最大値と最小値の差と、前記第2のパターンの複数の前記読取階調値のうちの最大値と最小値の差とを比較し、
    前記最大値と最小値の差が小さい方のパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定する、
    液体吐出装置の製造方法。
  9. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、それぞれ前記搬送方向と交差する方向に並ぶ2つの小パターンにより構成され、
    前記2つの小パターンのうちの一方は前記上流側ノズル群により形成され、他方は前記下流側ノズル群により形成される、
    液体吐出装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記小パターンは、前記搬送方向に並んだ複数のラインにより構成され、
    前記ラインとは、前記交差する方向に沿って並んだ前記ノズルから同時に液体が吐出されることにより形成される、
    液体吐出装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのうち、前記上流側ノズル群により形成された小パターンのうちのライン間隔が広い領域と前記下流側ノズル群により形成された小パターンのうちのライン間隔が狭い領域とが前記交差する方向に並んでいる方のパターンを選択し、
    選択したパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定する、
    液体吐出装置の製造方法。
  12. 請求項9に記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記小パターンは一定の階調値に基づいて形成され、
    前記間隔を決定するステップにおいて、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのうち、前記上流側ノズル群により形成された小パターンのうちの濃度が淡い領域と前記下流側ノズル群により形成された小パターンのうちの濃度が濃い領域とが前記交差する方向に並んでいる方のパターンを選択し、
    選択したパターンを形成した際の前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を、前記間隔に決定する、
    液体吐出装置の製造方法。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の液体吐出装置の製造方法であって、
    前記搬送機構は、搬送ローラと搬送ベルトにより構成され、
    前記第1のパターン及び前記第2のパターンは、前記搬送方向に前記搬送ローラの周長の長さ以上に亘って液体が吐出されることにより形成される、
    液体吐出装置の製造方法。
  14. 液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群とを備える液体吐出装置の調整方法であって、
    前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第1のパターンを形成するステップと、
    前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第2のパターンを形成するステップと
    前記第1のパターンと前記第2のパターンに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定するステップと、
    を有する液体吐出装置の調整方法。
  15. 液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
    上流側ノズル群と、
    前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群と、
    前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第1のパターンを形成させ、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第2のパターンを形成させる制御部と、
    前記第1のパターンと前記第2のパターンに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔が決定された間隔となるように調整するノズル間隔調整部と、
    を有する液体吐出装置。
  16. 液体を吐出するノズルに対して媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、上流側ノズル群と、前記上流側ノズル群よりも前記搬送方向の下流側に位置する下流側ノズル群とを備える液体吐出装置の液体吐出方法であって、
    前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第1の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第1のパターンを形成するステップと、
    前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を第2の間隔に設定し、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを用いて第2のパターンを形成するステップと
    前記第1のパターンと前記第2のパターンに基づいて、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔を決定するステップと、
    前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群との間隔が、決定された前記間隔となるように調整するステップと、
    前記媒体に対して、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群から液体が吐出されるステップと、
    を有する液体吐出装置の液体吐出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011189642A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Nk Works Kk プリンタ
JP2011230334A (ja) * 2010-04-26 2011-11-17 Seiko Epson Corp 流体噴射装置

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