JP2010036206A - 塑性加工方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有底筒状の素材を、例えば、板厚0.1mm以下の薄肉状に破断することなく塑性加工することができる塑性加工方法及びその装置を提供すること。
【解決手段】絞りローラRに対して相対的に回転する主軸2にマンドレル3を配設し、該マンドレル3に取り付けた有底筒状の素材Wに対して張力を付与しつつ、絞りローラRを有底筒状の素材Wの周面に当接し、有底筒状の素材Wを薄肉状に成形する塑性加工方法において、主軸2に配設した固定手段6によって有底筒状の素材Wの開口端部を主軸2に固定するとともに、マンドレル3を主軸2の軸心方向に主軸2に対して相対的に伸長させてマンドレル3で有底筒状の素材Wの底面を押圧することによって有底筒状の素材Wに対して張力を付与しながら、絞りローラRをマンドレル3の先端側から基端側に向けて移動させて有底筒状の素材Wを薄肉状に成形する。
【選択図】図1
【解決手段】絞りローラRに対して相対的に回転する主軸2にマンドレル3を配設し、該マンドレル3に取り付けた有底筒状の素材Wに対して張力を付与しつつ、絞りローラRを有底筒状の素材Wの周面に当接し、有底筒状の素材Wを薄肉状に成形する塑性加工方法において、主軸2に配設した固定手段6によって有底筒状の素材Wの開口端部を主軸2に固定するとともに、マンドレル3を主軸2の軸心方向に主軸2に対して相対的に伸長させてマンドレル3で有底筒状の素材Wの底面を押圧することによって有底筒状の素材Wに対して張力を付与しながら、絞りローラRをマンドレル3の先端側から基端側に向けて移動させて有底筒状の素材Wを薄肉状に成形する。
【選択図】図1
Description
本発明は、塑性加工方法及びその装置に関し、特に、有底筒状の素材を薄肉状に塑性加工する塑性加工方法及びその装置に関するものである。
従来、有底筒状の素材を薄肉状に塑性加工する塑性加工装置として、図5に示すような塑性加工装置20が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この塑性加工装置20は、主軸21に配設したマンドレル22と、マンドレル22に取り付けた有底筒状の素材Wに対して張力を付与する張力付与機構23と、有底筒状の素材Wの周面に塑性加工を施す絞りローラR’とを備えている。
有底筒状の素材Wは、開口端に鍔部Waを有する形状をし、主軸21の先端に配設した所定長のマンドレル22に取り付け、鍔部Waに押金24の係合爪24aを係合させるようにしている。
押金24は、固定ケース24bと、固定ケース24b内のベアリング等の回動部材に嵌合され、有底筒状の素材Wの回転に伴って回転する係合爪24aとを備え、固定ケース24bは、張力付与機構23に連結棒23aを介して連結され、張力付与機構23の移動に伴って、図5において左側に移動し、鍔部Waを介して有底筒状の素材Wに張力を付与するようにしている。
この塑性加工装置20は、主軸21に配設したマンドレル22と、マンドレル22に取り付けた有底筒状の素材Wに対して張力を付与する張力付与機構23と、有底筒状の素材Wの周面に塑性加工を施す絞りローラR’とを備えている。
有底筒状の素材Wは、開口端に鍔部Waを有する形状をし、主軸21の先端に配設した所定長のマンドレル22に取り付け、鍔部Waに押金24の係合爪24aを係合させるようにしている。
押金24は、固定ケース24bと、固定ケース24b内のベアリング等の回動部材に嵌合され、有底筒状の素材Wの回転に伴って回転する係合爪24aとを備え、固定ケース24bは、張力付与機構23に連結棒23aを介して連結され、張力付与機構23の移動に伴って、図5において左側に移動し、鍔部Waを介して有底筒状の素材Wに張力を付与するようにしている。
そして、この塑性加工装置20は、図6に示すように、主軸21を電動機等の駆動手段(図示省略)によって回転させながら、押金24を主軸21側に移動させることによって有底筒状の素材Wに張力を付与しつつ、絞りローラR’を有底筒状の素材Wの端部から当接し、複数パス(3〜5回程度)の塑性加工によって、有底筒状の素材Wを薄肉状に塑性加工するようにしている。
ところで、上記塑性加工装置20によって有底筒状の素材Wを薄肉状に塑性加工する場合、主軸21からの回転トルクは、押金24を主軸21側に移動させることによって、有底筒状の素材Wの底面と当接するマンドレル22の先端(加工開始側)から有底筒状の素材Wに伝わることとなる。
このため、絞りローラR’が有底筒状の素材Wに当接する際、この回転トルクによって、有底筒状の素材Wにはその先端と絞りローラR’の当接箇所との間にねじりモーメント(本明細書において、「ロール力」という。)が付加されることとなる。
このロール力は、絞りローラR’が塑性加工を施すことによって有底筒状の素材Wの薄肉化された部分に作用し、例えば、外径30mm、板厚0.5mm程度の有底筒状の素材Wに対して、板厚0.1mm以下を目標に塑性加工を施す場合、その0.1mm以下に加工された周面Wbがロール力によって破断しやすくなるという問題があった。
このため、絞りローラR’が有底筒状の素材Wに当接する際、この回転トルクによって、有底筒状の素材Wにはその先端と絞りローラR’の当接箇所との間にねじりモーメント(本明細書において、「ロール力」という。)が付加されることとなる。
このロール力は、絞りローラR’が塑性加工を施すことによって有底筒状の素材Wの薄肉化された部分に作用し、例えば、外径30mm、板厚0.5mm程度の有底筒状の素材Wに対して、板厚0.1mm以下を目標に塑性加工を施す場合、その0.1mm以下に加工された周面Wbがロール力によって破断しやすくなるという問題があった。
本発明は、上記従来の塑性加工方法及びその装置の有する問題点に鑑み、有底筒状の素材を、例えば、板厚0.1mm以下の薄肉状に破断することなく塑性加工することができる塑性加工方法及びその装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の塑性加工方法は、絞りローラに対して相対的に回転する主軸にマンドレルを配設し、該マンドレルに取り付けた有底筒状の素材に対して張力を付与しつつ、絞りローラを有底筒状の素材の周面に当接し、有底筒状の素材を薄肉状に成形する塑性加工方法において、主軸に配設した固定手段によって有底筒状の素材の開口端部を主軸に固定するとともに、マンドレルを主軸の軸心方向に主軸に対して相対的に伸長させてマンドレルで有底筒状の素材の底面を押圧することによって有底筒状の素材に対して張力を付与しながら、絞りローラをマンドレルの先端側(有底筒状の素材の底部側)から基端側(有底筒状の素材の開口端部側)に向けて移動させて有底筒状の素材を薄肉状に成形するようにしたことを特徴とする。
また、上記方法を実施する本発明の塑性加工装置は、絞りローラに対して相対的に回転する主軸に配設したマンドレルと、該マンドレルに取り付けた有底筒状の素材に対して張力を付与する張力付与機構と、有底筒状の素材の周面に塑性加工を施す絞りローラとからなる塑性加工装置において、張力付与機構を、マンドレルを主軸の軸心方向に主軸に対して相対的に伸長させてマンドレルによって有底筒状の素材の底面を押圧する押圧手段と、有底筒状の素材の開口端部を主軸に固定する固定手段とから構成したことを特徴とする。
この場合において、押圧手段を、マンドレルを主軸の軸心方向に押圧するシリンダ機構で構成することができる。
本発明の塑性加工方法及びその装置は、主軸に配設した固定手段によって有底筒状の素材の開口端部を主軸に固定するとともに、マンドレルを主軸の軸心方向に主軸に対して相対的に伸長させてマンドレルで有底筒状の素材の底面を押圧することによって有底筒状の素材に対して張力を付与しながら、絞りローラをマンドレルの先端側(有底筒状の素材の底部側)から基端側(有底筒状の素材の開口端部側)に向けて移動させて有底筒状の素材を薄肉状に成形するようにすることにより、主軸の回転トルクが固定手段を介して素材の開口端部から素材に伝わるので、主軸の回転トルクによって有底筒状の素材の周面に付加されるロール力が、絞りローラによって有底筒状の素材の薄肉化される前の比較的肉厚の厚い部分に主に作用し、絞りローラによって有底筒状の素材の薄肉化された部分(塑性加工を施すパスの回数が複数回に亘る場合には、塑性加工中のパスにより絞りローラによって有底筒状の素材の薄肉化された部分)にはほとんど作用することがないため、有底筒状の素材の破断を有効に防止することができる。
また、押圧手段を、マンドレルを主軸の軸心方向に押圧するシリンダ機構で構成することにより、押圧手段を小型化することができるとともに、安定、かつ、確実に素材に対して張力を付与することができ、有底筒状の素材の薄肉化された部分の破断を一層有効に防止することができる。
以下、本発明の塑性加工方法及びその装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図3に、本発明の塑性加工方法及びその装置の一実施例を示す。
この塑性加工装置1は、絞りローラRに対して相対的に回転する主軸2に配設したマンドレル3と、該マンドレル3に取り付けた有底筒状の素材Wに対して張力を付与する張力付与機構4と、有底筒状の素材Wの周面に塑性加工を施す絞りローラRとからなり、張力付与機構4を、マンドレル3を主軸2の軸心方向に主軸2に対して相対的に伸長させてマンドレル3によって有底筒状の素材Wの底面を押圧する押圧手段5と、有底筒状の素材Wの開口端部を主軸2に固定する固定手段6とから構成する。
なお、本実施例においては、従来例と同様、主軸2を電動機等の駆動手段(図示省略)によって回転させる例で説明する。
この塑性加工装置1は、絞りローラRに対して相対的に回転する主軸2に配設したマンドレル3と、該マンドレル3に取り付けた有底筒状の素材Wに対して張力を付与する張力付与機構4と、有底筒状の素材Wの周面に塑性加工を施す絞りローラRとからなり、張力付与機構4を、マンドレル3を主軸2の軸心方向に主軸2に対して相対的に伸長させてマンドレル3によって有底筒状の素材Wの底面を押圧する押圧手段5と、有底筒状の素材Wの開口端部を主軸2に固定する固定手段6とから構成する。
なお、本実施例においては、従来例と同様、主軸2を電動機等の駆動手段(図示省略)によって回転させる例で説明する。
ここで、有底筒状の素材Wの底部は、マンドレル3によって張力を付与することができる底部を有するものであれば、その底部の一部が開放されているものでもよい。
また、本実施例においては、有底筒状の素材Wとして、開口端部に鍔部Waを形成したものを例に説明するが、開口端部の形状は特に限定されるものではない。
また、本実施例においては、有底筒状の素材Wとして、開口端部に鍔部Waを形成したものを例に説明するが、開口端部の形状は特に限定されるものではない。
マンドレル3は、主軸2の軸心とマンドレル3の軸心とが一致し、軸心方向に移動することができるようにオイレスブッシュ、ベアリング等の軸受機構31を介して主軸2に嵌挿さるとともに、伝達部材5a等を介して、押圧手段5と連結するようにしている。
この場合において、伝達部材5aは、主軸2と同回転するようにボールスプライン等の軸心方向の相対移動を許容する部材(図示省略)を介して主軸2内に配設するようにし、伝達部材5aを介して伝達部材5aと同回転するように連結したマンドレル3を主軸2と共に回転するようにしている。
伝達部材5aと押圧手段5は、ベアリング等の回動部材(図示省略)を介して連結し、伝達部材5a及びマンドレル3の回転が押圧手段5に伝達されることがないようにする。
なお、マンドレル3を長尺部材で構成し、主軸2と同回転するようにボールスプライン等の軸心方向の相対移動を許容する部材(図示省略)を介して配設することによって、伝達部材5aを省略するとともに、マンドレル3と押圧手段5をベアリング等の回動部材(図示省略)を介して連結することもできる。
この場合において、伝達部材5aは、主軸2と同回転するようにボールスプライン等の軸心方向の相対移動を許容する部材(図示省略)を介して主軸2内に配設するようにし、伝達部材5aを介して伝達部材5aと同回転するように連結したマンドレル3を主軸2と共に回転するようにしている。
伝達部材5aと押圧手段5は、ベアリング等の回動部材(図示省略)を介して連結し、伝達部材5a及びマンドレル3の回転が押圧手段5に伝達されることがないようにする。
なお、マンドレル3を長尺部材で構成し、主軸2と同回転するようにボールスプライン等の軸心方向の相対移動を許容する部材(図示省略)を介して配設することによって、伝達部材5aを省略するとともに、マンドレル3と押圧手段5をベアリング等の回動部材(図示省略)を介して連結することもできる。
押圧手段5は、マンドレル3を主軸2の軸心方向に主軸2に対して相対的に伸長させることができる機構であれば、特に限定されず、本実施例においては、中空構造とした主軸2に嵌挿したマンドレル3に連結する伝達部材5aと、伝達部材5aを押圧(押し引き)するシリンダ等のアクチュエータとから構成するようにしている。
押圧手段5を、マンドレル3を主軸2の軸心方向に押圧するシリンダ機構で構成することによって、押圧手段を小型化することができるとともに、安定、かつ、確実に素材に対して張力を付与することができ、有底筒状の素材Wの薄肉化された部分の破断を有効に防止することができる。
なお、本実施例においては、押圧手段5を、マンドレル3を主軸2の軸心方向に伸長させる機構で構成したが、主軸2側を主軸2の軸心方向に移動する機構で構成することもできる。
押圧手段5を、マンドレル3を主軸2の軸心方向に押圧するシリンダ機構で構成することによって、押圧手段を小型化することができるとともに、安定、かつ、確実に素材に対して張力を付与することができ、有底筒状の素材Wの薄肉化された部分の破断を有効に防止することができる。
なお、本実施例においては、押圧手段5を、マンドレル3を主軸2の軸心方向に伸長させる機構で構成したが、主軸2側を主軸2の軸心方向に移動する機構で構成することもできる。
固定手段6は、押圧片6aと、主軸2の先端に固定した受部6bとで構成され、有底筒状の素材Wの鍔部Waを押圧片6aと受部6bとで挟み込み、押圧片6aをボルト等の締結手段で受部6bに固定するようにしている。
また、固定手段6は、図4に示すように、固定ケース6cと、固定ケース6c内にベアリング等の回動部材を介して取り付けた押圧片6aと、主軸2の先端に固定した受部6bとで構成し、固定ケース6cを、主軸2と対向する位置で、主軸2の軸心方向に移動可能に配設した押圧機構7と連結棒7aを介して連結し、押圧機構7を主軸2側に押圧移動させることによって、有底筒状の素材Wの鍔部Waを押圧片6aと受部6bとで挟み込むようにすることもできる。
この場合、押圧機構7を元の位置に戻すことにより、有底筒状の素材Wの取り付け及び成形後の取り外しを簡便、かつ、短時間に行うことができる。
この場合、押圧機構7を元の位置に戻すことにより、有底筒状の素材Wの取り付け及び成形後の取り外しを簡便、かつ、短時間に行うことができる。
この塑性加工装置1を用いて塑性加工を行う場合、図1に示すように、まず主軸2に配設したマンドレル3に有底筒状の素材Wを取り付け、固定手段6によって有底筒状の素材Wの開口端部を主軸2に固定する。
次に、主軸2を電動機等の駆動手段(図示省略)によって回転させながら、押圧手段5によりマンドレル3を主軸2の軸心方向に主軸2に対して相対的に伸長させてマンドレル3で有底筒状の素材Wの底面を押圧することによって有底筒状の素材Wに対して張力が付与される。そして、詳細については後述するが、絞りローラRをマンドレル3の先端側(有底筒状の素材Wの底部側)から基端側(有底筒状の素材Wの開口端部側)に向けて移動させて有底筒状の素材Wを薄肉状に塑性加工する。
塑性加工を施すパスの回数は、使用する有底筒状の素材Wの形状、材質、薄肉化率によって任意に設定することができるが、ここでは、パスの回数を4回に設定した場合の塑性加工方法の例を説明する。
次に、主軸2を電動機等の駆動手段(図示省略)によって回転させながら、押圧手段5によりマンドレル3を主軸2の軸心方向に主軸2に対して相対的に伸長させてマンドレル3で有底筒状の素材Wの底面を押圧することによって有底筒状の素材Wに対して張力が付与される。そして、詳細については後述するが、絞りローラRをマンドレル3の先端側(有底筒状の素材Wの底部側)から基端側(有底筒状の素材Wの開口端部側)に向けて移動させて有底筒状の素材Wを薄肉状に塑性加工する。
塑性加工を施すパスの回数は、使用する有底筒状の素材Wの形状、材質、薄肉化率によって任意に設定することができるが、ここでは、パスの回数を4回に設定した場合の塑性加工方法の例を説明する。
塑性加工を行うに際して、1回のパスでの薄肉化率とその際の絞りローラRの送り距離、送り速度及び送り時間とは、予め所定の値が制御機構に設定されている(図示省略)。
例えば、本実施例の第1パスでは、板厚0.5mmの有底筒状の素材Wを0.1mmに薄肉化するようにしている。
例えば、本実施例の第1パスでは、板厚0.5mmの有底筒状の素材Wを0.1mmに薄肉化するようにしている。
まず、第1パスでは、図2(a)〜(b)に示すように、主軸2を回転させながら、押圧手段5により伝達部材5aを介してマンドレル3を主軸2から突き出す方向(図例右側)に押圧し、絞りローラRを、所定の送り速度で、マンドレル3の先端側(有底筒状の素材Wの底部側)の加工開始点A1から基端側(有底筒状の素材Wの開口端部側)に向けて移動させる。
この場合、主軸2の回転トルクは、固定手段6によって主軸2に固定された鍔部Waを介して有底筒状の素材Wに伝わるが、主軸2の回転トルクによって有底筒状の素材Wの基端側と絞りローラRの当接部との間にロール力が付加されるため、主軸2の回転トルクによって有底筒状の素材Wの周面に付加されるロール力が、絞りローラRによって有底筒状の素材Wの薄肉化される前の比較的肉厚の厚い部分に主に作用し、絞りローラRによって有底筒状の素材Wの薄肉化された部分(塑性加工を施すパスの回数が複数回に亘る場合には、塑性加工中のパスにより絞りローラRによって有底筒状の素材Wの薄肉化された部分)にはほとんど作用することがない。なお、これは、以降のパスにおいても同様である。
第2パスは、図2(c)に示すように、第1パスと同様に、主軸2を回転させながら、マンドレル3を主軸2から突き出す方向(図例右側)に押圧し、絞りローラRを、所定の送り速度で、マンドレル3の先端側(有底筒状の素材Wの底部側)の加工開始点A2から基端側(有底筒状の素材Wの開口端部側)に向けて移動させる。
ここで、加工開始点A2は、絞りローラRによって薄肉化されることにより、素材Wの伸びに応じてマンドレル3が主軸2から突き出す方向に伸長するために、加工開始点A1より主軸2から離れた位置となる。また、加工開始点A2は、有底筒状の素材Wの第1パスを行った箇所に設定することが好ましい。なお、これらは、以降のパスにおいても同様である。
ここで、加工開始点A2は、絞りローラRによって薄肉化されることにより、素材Wの伸びに応じてマンドレル3が主軸2から突き出す方向に伸長するために、加工開始点A1より主軸2から離れた位置となる。また、加工開始点A2は、有底筒状の素材Wの第1パスを行った箇所に設定することが好ましい。なお、これらは、以降のパスにおいても同様である。
次に、第3パスは、図3(a)に示すように、第1パス及び第2パスと同様に、主軸2を回転させながら、マンドレル3を主軸2からさらに突き出す方向(図例右側)にさらに押圧し、絞りローラRを、所定の送り速度で、マンドレル3の先端側(有底筒状の素材Wの底部側)の加工開始点A3から基端側(有底筒状の素材Wの開口端部側)に向けて移動させる。
最後に第4パスは、図3(b)に示すように、マンドレル3を、第3パス終了時のマンドレル3の位置よりも所定の距離だけ主軸2から突き出す方向にさらに押圧するとともに、絞りローラRを、所定の送り速度で、マンドレル3の先端側(有底筒状の素材Wの底部側)の加工開始点A4から基端側(有底筒状の素材Wの開口端部側)に向けて最終加工点Bまで移動させて塑性加工を終了する。
この際、例えば、第4パスで0.05mmを目標に塑性加工する場合、有底筒状の素材Wの周面の強度は低くなるものの、第1パス〜第3パスと同様、主軸2の回転トルクは、固定手段6によって主軸2に固定された鍔部Waを介して有底筒状の素材Wに伝わり、主軸2の回転トルクによって有底筒状の素材Wの基端側と絞りローラRの当接部との間にロール力が付加されるため、主軸2の回転トルクによって有底筒状の素材Wの周面に付加されるロール力が、当該第4パスで絞りローラRによって有底筒状の素材Wの薄肉化される前の比較的肉厚の厚い部分に主に作用し、絞りローラRによって有底筒状の素材Wの薄肉化された部分にはほとんど作用することがないため、薄肉状に成形された有底筒状の素材Wの周面が破断することを有効に防止することができる。
ところで、上記の実施例では、主軸2を絞りローラRに対して相対的に回転させる方法として、主軸2を回転駆動するようにした例で説明したが、主軸2を固定し、絞りローラRを主軸2の軸心を公転軸として公転させるようにすることもできる。
また、上記実施例では、主軸2及びマンドレル3を回転駆動させることによって、自転自在に配設した絞りローラRを主軸2及びマンドレル3の回転に従動して自転するように構成した例で説明したが、絞りローラRを駆動手段によって自転させて、回転自在に配設した主軸2及びマンドレル3を絞りローラRの自転に従動させて回転するようにすることもできる。
また、上記実施例では、主軸2及びマンドレル3を回転駆動させることによって、自転自在に配設した絞りローラRを主軸2及びマンドレル3の回転に従動して自転するように構成した例で説明したが、絞りローラRを駆動手段によって自転させて、回転自在に配設した主軸2及びマンドレル3を絞りローラRの自転に従動させて回転するようにすることもできる。
以上、本発明の塑性加工方法及びその装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の塑性加工方法及びその装置は、主軸の回転トルクによって有底筒状の素材の周面に付加されるロール力が、絞りローラによって有底筒状の素材の薄肉化される前の比較的肉厚の厚い部分に主に作用し、絞りローラによって有底筒状の素材の薄肉化された部分(塑性加工を施すパスの回数が複数回に亘る場合には、塑性加工中のパスにより絞りローラによって有底筒状の素材の薄肉化された部分)にはほとんど作用することがないことから、有底筒状の素材を、例えば、板厚0.1mm以下の薄肉状に塑性加工する用途に好適に適用することができる。
1 塑性加工装置
2 主軸
3 マンドレル
4 張力付与機構
5 押圧手段
6 固定手段
R 絞りローラ
W 有底筒状の素材
2 主軸
3 マンドレル
4 張力付与機構
5 押圧手段
6 固定手段
R 絞りローラ
W 有底筒状の素材
Claims (3)
- 絞りローラに対して相対的に回転する主軸にマンドレルを配設し、該マンドレルに取り付けた有底筒状の素材に対して張力を付与しつつ、絞りローラを有底筒状の素材の周面に当接し、有底筒状の素材を薄肉状に成形する塑性加工方法において、主軸に配設した固定手段によって有底筒状の素材の開口端部を主軸に固定するとともに、マンドレルを主軸の軸心方向に主軸に対して相対的に伸長させてマンドレルで有底筒状の素材の底面を押圧することによって有底筒状の素材に対して張力を付与しながら、絞りローラをマンドレルの先端側から基端側に向けて移動させて有底筒状の素材を薄肉状に成形するようにしたことを特徴とする塑性加工方法。
- 絞りローラに対して相対的に回転する主軸に配設したマンドレルと、該マンドレルに取り付けた有底筒状の素材に対して張力を付与する張力付与機構と、有底筒状の素材の周面に塑性加工を施す絞りローラとからなる塑性加工装置において、張力付与機構を、マンドレルを主軸の軸心方向に主軸に対して相対的に伸長させてマンドレルによって有底筒状の素材の底面を押圧する押圧手段と、有底筒状の素材の開口端部を主軸に固定する固定手段とから構成したことを特徴とする塑性加工装置。
- 押圧手段を、マンドレルを主軸の軸心方向に押圧するシリンダ機構で構成したことを特徴とする請求項2記載の塑性加工装置。
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JP2017047428A (ja) * | 2015-08-31 | 2017-03-09 | 日本スピンドル製造株式会社 | 円筒状素材のスピニング装置及びスピニング成形方法 |
CN106903205A (zh) * | 2017-04-21 | 2017-06-30 | 首都航天机械公司 | 一种端头带法兰的不锈钢无缝管旋压成形方法 |
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