JP2010034264A - フォトレジストの塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス基板の温度を測定する手段50を有し、バキュームテーブル31の温度とガラス基板22の温度との温度差が、予め設定した範囲内になった時に、フォトレジストの塗布を開始すること。ガラス基板の温度を測定する手段の手前に、ガラス基板の温度を所定の温度にする手段を設けたこと。温調バッファ装置64を設けたこと。制御システムを有すること。
【選択図】図9
Description
この表示装置に用いるカラーフィルタは、多くの場合、複数の着色画素を形成されているものである。表示装置用カラーフィルタの画素を形成する方法として、これまで実用されてきた方法には、印刷法、フォトリソグラフィ法などがあげられる。
また、カラーフィルタは、着色画素の他に、例えば、スペーサー機能を有するフォトスペーサーや、液晶の配向制御機能を有する配向制御用突起など種々な機能を持たせた要素が形成されるもので、着色画素を含めた各種のカラーフィルタの構成要素は、フォトレジストからなる塗布膜の形成、パターン露光、現像処理を前提とするフォトリソグラフィ法によって形成することが多くなっている。
なお、スペーサー機能を有するフォトスペーサーや、液晶の配向制御機能を有する配向制御用突起などの形成にあたっては、透明なフォトレジストを用いる。
フォトレジストなどの塗布装置としては、ノズルからガラス基板の中央部に塗布液を滴下した後、ガラス基板を回転させ塗布液を延展させるスピンコータが多く用いられてきた。しかし、カラーフィルタを製造するガラス基板の大型化に伴い、例えば、550mm×650mm程度以上の大きさのガラス基板においては、フォトレジストの塗布装置として、スリットコータとスピンコータを併用したコータを用いる方法、すなわち、ガラス基板上にフォトレジストをスリットコータで塗布して塗布膜を形成し、塗布膜が形成されたガラス基板をスピンコータで回転し塗布膜を延展させ塗膜とする塗布装置が採用されている。
しかし、この塗布装置では、大型のガラス基板を回転させるモーターなどの機械的制約から、装置を更に大型化するのは難しいものであった。
スリットコータは、ガラス基板を載置した塗布ステージを、或いは塗布ヘッドを水平移動
させながらスリットノズルから塗布液をガラス基板に塗布する方法であり、1.5m×1.8m程度以上の大きさのガラス基板にも対応ができるようになった。
図6には、洗浄装置(41)、第一コンベア(42)、移載ロボット(43)、バッファー装置(44)、第二コンベア(45)、直行コンベア(46)、第一振り分けコンベア(47−1)、第二振り分けコンベア(47−2)、第一塗布装置(48−1)、第二塗布装置(48−2)を示している。
図7に示すように、図中左方から装置内に搬入されたガラス基板(22)は洗浄装置内で、マニホールド(41a)から噴射される水洗水(a)で洗浄された後、エアナイフ(41b)から吹き出されるエア(b)にて水切りされて洗浄装置外に搬出される。
本例では、搬送されてくるガラス基板は、直行コンベア(46)と第一及び第二振り分けコンベア(47−1、47−2)間にて順次に、第一又は第二塗布装置(48−1、48−2)に振り分けられる。
しかし、直行コンベア(46)以降の工程にて、何らかの異常が発生し製造が中断した際には、移載ロボット(43)は、洗浄装置(41)から搬出されてくるガラス基板をバッファー装置(44)へと一時収納する。直行コンベア(46)以降の工程にて、運転が再開された際には、移載ロボット(43)は、バッファー装置(44)に一時収納されていたガラス基板を優先的に第二コンベア(45)へ移載するようになっている。尚、直行コンベア(46)、第一及び第二振り分けコンベア(47−1、47−2)が、後述する第一移載機構に相当する。
図1、及び図2に示すように、模式的に示すスリットコータ(20)は、フレーム(24)と塗布ステージ(30)、スリットノズル(23)、及びフォトレジストの吐出調整機構(25)で構成されている。
例えば、スリットノズル(23)は、塗布ステージ(30)の右方かつ、フレーム(24)の上方の待機位置(P1)に設けられ、ガラス基板(22)上にフォトレジストを塗布する際には図2中の矢印で示す方向に、スリットノズル(23)は左方に移動し、塗布ステージ(30)上に載置・固定されたガラス基板(22)上にフォトレジストを塗布するようになっている。
次に、塗布ステージ(30)の右方かつ、フレーム(24)の上方を待機位置(P1)とするスリットノズル(23)が、図2中の矢印で示す方向に、塗布ステージ(30)上に固定されたガラス基板(22)上を右方から左方へと移動しながらガラス基板(22)上にフォトレジストを塗布する。
なお、スリットノズルの待機位置(P1)にて、スリットノズル(23)の洗浄や、フォトレジストの吐出調整などが行われる。
また、図4は、図3のX−X線での断面図である。図4は、第一移載機構によって搬送されてきたガラス基板(22)が、バキュームテーブル(31)の表面から突出したリフトピン(33)上に受け渡された段階を示したものである。図に示すように、塗布ステージ(30)は、バキュームテーブル(31)、筐体(32)、リフトピン(33)で構成されている。
なお、リフトピン(33)が突出した際に行われるアームの抜き差し時に、アームとリフトピン(33)とが干渉しない位置に、リフトピン(33)は設けられる。
尚、バキュームテーブルによっては、リフトピンが昇降する開口部と、ガラス基板を吸引する吸着孔を兼ねず、リフトピンが昇降する開口部と吸着孔とを別々に設けている場合もある。
ガラス基板(22)の真空吸着は、排気口(36)からの排気により筐体(32)内の中空部(35)の空気が、続いてバキュームテーブル(31)の開口部(34)から一斉に空気が吸引されて行われる。つまり、開口部(34)から、バキュームテーブ(31)とガラス基板(22)との間の空を吸引することで、ガラス基板(22)がバキュームテーブル(31)に吸着、密着されるようになっている。
図5は、図4におけるバキュームテーブル(31)、リフトピン(33)、ガラス基板(22)の一部分を拡大して示したものである。図5(a)は、ガラスガラス基板(22)がリフトピン(33)上に受け渡された後にリフトピン(33)を下降させ、ガラス基板(22)をバキュームテーブル(31)上に載置した状態を示す。また、基板の載置後、矢印(38)で示すように、開口部(吸着孔)(34)から空気を吸引し、ガラス基板(22)をバキュームテーブル(31)に密着させている。
フォトレジストの塗布は、ガラス基板(22)をバキュームテーブル(31)に密着させた状態で行う。図5(b)は、ガラス基板(22)上に着色フォトレジストが塗布された直後の状態を表した断面図である。
図5(c)は、膜厚のムラを説明する断面図である。例えば、厚み0.7mm程度のガラス基板においては、符号(A)で示す、開口部(34)が形成されていないバキュームテーブル(31)部位に接触した部分のガラス基板(22)上の塗布膜の膜厚(t1)が1.8μm程度のときに、開口部(吸着孔)(34)上のガラス基板(22)部位への塗布膜の膜厚(t2)は、0.03μm程度厚いものとなる(t2−t1≒0.03μm)。
このような、表示品質を損なう原因となる塗布ムラを解消することが、強く要望されている。
これにより、表示装置において、膜厚のムラに起因して表示品質が損ねられることは解消される。
前記ガラス基板の温度を測定する手段を有し、バキュームテーブルの温度とガラス基板の温度との温度差が、予め設定した範囲内になった時に、フォトレジストの塗布を開始することを特徴とするフォトレジストの塗布装置である。
本発明者は、課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、レジスト塗布時の温度に着目した。そのため、まず本発明者は、図6に示す、洗浄装置(41)以降のフォトレジストの塗布装置(48)までの間の装置が置かれた雰囲気の温度(装置環境温度)、図7に示す水洗水(a)、及びエア(b)の温度、図6に示す洗浄装置(41)から搬出された直後のガラス基板の温度、および、装置環境温度を搬送されるガラス基板の温度の経時変化、などについて具体的に精査した。
すなわち、
(a)洗浄装置(41)から搬出されるガラス基板の温度は、第一及び第二塗布装置(48−1、48−2)の塗布ステージ(30)を構成するバキュームテーブル(31)の温度より低い状態になっている。
(b)洗浄装置(41)から搬出されたガラス基板は、各コンベアを経て第一又は第二塗布装置(48−1、48−2)に達し、バキュームテーブル(31)上に吸着・固定されるが、その時点でガラス基板の温度は、塗布装置の温度まで到達していない。
カラーフィルタの製造ラインは、クリーンルーム内に設置されており、例えば製造ラインの上方に設けられたファンフィルタユニットから常時、23℃程度に温調された清浄なエアが各装置に向かって吹き出されている。
すなわち、カラーフィルタの製造工程は、所定の温度に常時管理されたクリーンルーム内で行われる。なお、製造に用いられる各種の装置は、同一のクリーンルーム内に置かれるとは限らず、複数のクリーンルームに分散して置かれる場合もある。その場合、複数のクリーンルーム内の温度は同一に管理されるとは限らず、各々異なった温度にて管理される場合もある。
いずれの場合も、第一コンベア(42)から塗布装置(48)までの装置が置かれたクリーンルーム内雰囲気の温度、もしくは、少なくとも、塗布装置(48)が置かれたクリーンルーム内雰囲気の温度(以下、装置環境温度と記す)は、一定に保たれている。
そのため、クリーンルーム内に置かれた装置は、周辺雰囲気の温度と同じ温度になっているものである。
すなわち、
(c)ガラス基板は、バキュームテーブル(31)の温度に近づいたが、装置環境温度、すなわち、塗布装置の温度より低い温度の状態でバキュームテーブル(31)上に吸着・固定される、
(d)そのため、フォトレジストの塗布後に、金属又は石材製のバキュームテーブル(31)の熱伝導率(図5における符号(A))と、ガラス基板の下側の開口部(34)内に部分(空気)の熱伝導率(図5における符号(B))との差から、ガラス基板上の塗布膜の乾燥に差が生じ、乾燥後の膜厚の差(t1<t2)となって現れる、
との、推測を行った。
図6に示す各装置は、フォトリソグラフィ法によってカラーフィルタの各種画素を形成する際の製造ラインの一部である。製造ラインの全体は、クリーンルーム内に設置されており、製造ラインの上方に設けられたファンフィルタユニット(図示せず)からは、23℃に温調された清浄なエアが各装置に向かって吹き出されている。
次に、表2は、図7に示す洗浄装置(41)での、マニホールド(41a)から噴射される水洗水(a)の温度、及びエアナイフ(41b)から吹き出されるエア(b)の温度を測定した結果を示したものである。表2に示すように、水洗水(a)の温度、及びエア(b)の温度は、概ね23±0.5℃に収まっている。
なお、前述した図6に記した装置と重複する部位、機構については、図6中の符号と同一の符号を付しており、同一の符号を付した部位、機構の説明は省略している。また、ガラス基板を載置するバキュームテーブルには、前述したようにガラス基板を真空吸着させるために空気の吸引を行う開口部(吸引部)が設けられおり、開口部からリフトピンの昇降が行われるようになっている。
温度センサ(51)としては、例えば、放射温度センサを用いることができる。
また、制御ユニット(52)は、温度センサ(51)の制御部(アンプ)であり、表示パネルを有し、また、後述する一連の動作を制御する機能が内蔵されたものである。
(a)バキュームテーブル(31)の温度と、ガラス基板の温度との温度差が、どの範囲内にあれば塗布を行っても表示装置の表示品質を損なうことがない程度の塗布ムラになるかを予め実測により測定しておき、許容される塗布ムラに収まるバキュームテーブル(3
1)の温度とガラス基板の温度との温度差(例えば、±0.5℃)を設定しておく。
(b)直行コンベア(46)に搬送されて来たガラス基板の温度が、上記設定した温度差以上の時に、本発明の塗布装置では、後述するように温調のために直行コンベア(46)上にガラス基板を待機させるが、その待機の際に許容される最長待機時間(例えば、300秒)を設定しておく。
(c)この最長待機時間を経過しても、上記設定した温度差内に到達しない際には、例えば、製造運転を中止する指示を出す、もしくは、警報を発し作業者に知らせる、などの少なくとも一つの動作を行うよう設定しておく。
(d)直行コンベア(46)に搬送されて来て温度測定されたガラス基板の温度の上限温度及び下限温度(例えば、上限温度25℃、下限温度21.5℃)を設定しておく。ガラス基板の温度が設定された上限温度及び下限温度の範囲にあれば、後述する動作を行う。また、ガラス基板の温度が設定された上限温度及び下限温度の範囲外であった場合、例えば、図示しない排出装置により基板を排出する、製造運転を中止する指示を出す、もしは、警報を発し作業者に知らせる、などの少なくとも一つの動作を行うように設定しておくものである。何故ならば、測定温度が範囲外であった場合、洗浄工程を含めた前工程に未発見の異常を来たしている可能性が有り、または、基板に欠陥を生じている可能性も有るためである。
ここで、図9に示す第一パスライン(PL−1)によって、つまり、洗浄装置(41)から直行コンベア(46)に直行して搬送され、直行コンベア(46)に受入れられたガラス基板の温度を、温度測定手段(50)の温度センサ(51)にて測定する。この場合のガラス基板は、洗浄装置(41)より搬出されてからの時間の経過が例えば80秒程度と短いため、図8に示すようにガラス基板の温度は21.5℃程度であり、未だバキュームテーブルの温度23℃に到達していない。
しかし、ガラス基板の温度が21.5℃であれば、上述した予め設定した上限温度及び下限温度(例えば、上限温度25℃、下限温度21.5℃)内にあるので、そのまま直行コンベア(46)に受け入れる。
なお、測定したガラス基板の温度が、予め設定された上限温度及び下限温度の範囲外であった場合は、上述した動作を行わせる。
直行コンベア(46)上で待機中のガラス基板の温度は、温度を測定する手段(50)によって継続して測定され、ガラス基板の温度が前記許容される温度差(例えば、±0.5
℃)内となった時に、このガラス基板を第一塗布装置(48−1)へ搬送し、フォトレジストを塗布する。
なお、図8に示すように、このガラス基板の収納されていた時間が、例えば、4分以上であれば、温度は23℃に到達しており、このガラス基板の収納されていた時間が、例えば、4分以下であれば、温度は21.5℃〜23℃にあるといえる。
いずれの場合も、ガラス基板の温度が、上述した予め設定した上限温度及び下限温度(例えば、上限温度25℃、下限温度21.5℃)内にあれば、そのまま直行コンベア(46)に受け入れ、予め設定した上限温度及び下限温度の範囲外であった場合には、上述した動作を行わせる。
22・・・ガラス基板
23・・・スリットノズル
24・・・フレーム
25・・・吐出調整機構
30・・・塗布ステージ
31・・・バキュームテーブル
32・・・筐体
33・・・リフトピン
34・・・開口部
35・・・中空部
36・・・排気口
36・・・排気口
38・・・空気の吸引
41・・・洗浄装置
42・・・第一コンベア
43・・・移載ロボット
44・・・バッファー装置
45・・・第二コンベア
46・・・直行コンベア
47−1、47−2・・・第一、第二振り分けコンベア
48−1、48−2・・・第一、第二塗布装置
41a・・・マニホールド
41b・・・エアナイフ
50・・・温度測定手段
51・・・温度センサ
52・・・制御ユニット
64・・・温調バッファ装置
P1・・・待機位置
PL−1、PL−2、PL−3・・・第一、第二、第三パスライン
Claims (5)
- ガラス基板を真空吸着によって塗布ステージのバキュームテーブル上に密着させた状態で、スリットノズルを移動させながら該ガラス基板上にフォトレジストを塗布するフォトレジストの塗布装置において、
前記ガラス基板の温度を測定する手段を有し、バキュームテーブルの温度とガラス基板の温度との温度差が、予め設定した範囲内になった時に、フォトレジストの塗布を行うことを特徴とするフォトレジストの塗布装置。 - バキュームテーブル上にガラス基板を搬送する手段を有し、当該搬送手段に前記ガラス基板の温度を測定する手段を設け、当概搬送手段上にてバキュームテーブルの温度とガラス基板の温度との温度差が、予め設定した範囲内になるまでガラス基板を待機させ、予め設定した範囲内になった時に、バキュームテーブル上にガラス基板を搬送し、しかる後にフォトレジストの塗布を行うことを特徴とする請求項1に記載のフォトレジストの塗布装置。
- 前記ガラス基板の温度を測定する手段の手前に、ガラス基板の温度を所定の温度にする手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のフォトレジストの塗布装置。
- 前記ガラス基板の温度を所定の温度にする手段が、温調バッファ装置であることを特徴とする請求項3に記載のフォトレジストの塗布装置。
- 前記温度差を判断し、該温度差が予め設定した範囲内か否かを判断し、フォトレジストの塗布を自動的に開始する制御システムを有することを特徴とする請求項1、2、3、または4に記載のフォトレジストの塗布装置。
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