JP2010034238A - 配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】厚み0.5mm以上の第1金属層3と、第2金属層5と、厚み1mm以上の第3金属層6がこの順に配置され、第1金属層3と第2金属層5がクラッド構造で一体化され、第2金属層5と第3金属層7は樹脂絶縁層6で一体化されている。そして、第1金属層3の熱膨張率をα1、第2金属層5の熱膨張率をα2、第3金属層7の熱膨張率をα3としたとき、α1とα3の差が7ppm/℃以上であるときに、α1<α2≦α3の関係になるように設定される。さらに、第2金属層5の厚みが第1金属層3の厚みの20%以上である。
【選択図】 図1
Description
上記請求項1〜4のいずれかの配線板において、好ましくは、前記電気配線には発熱素子が実装されており、少なくとも前記発熱素子及び第1金属層を取り囲む樹脂封止体を備えている(請求項5)。
また、第1金属層と第2金属層を、クラッド構造で一体化するようにしたので、第1金属層と第2金属層をはんだ付けやろう付けで接合する工程を省略することができ、経済的である。本発明においてクラッド構造とは、2種類以上の異種金属が板厚方向に層状に重なったものであって、異種金属が金属間接合された複合材のことである。
このとき、第1金属層の熱伝導率が300W/m・K以上、樹脂絶縁層の熱伝導率が4W/m・K以上であることが好ましい。また、第1金属層が銅であり、第2金属層がアルミニウムであることが好ましい。これにより、放熱効果はより一層大きくすることができる。
すなわち、無機充填材を含有し(式1)で示す分子構造のエポキシ樹脂モノマを配合したエポキシ樹脂組成物を採用する。前記無機充填材は、熱伝導率20W/m・K以上であって、樹脂固形分100体積部に対し50〜250体積部の量で絶縁層中に存在するようにする。
無機充填材は、樹脂固形分100体積部に対し50〜250体積部の量となるように配合する。前記無機充填材の熱伝導率と配合量の下限値は、樹脂絶縁層の熱伝導率を4W/m・K以上にする場合に必要である。また、エポキシ樹脂組成物に配合する無機充填材が少ないと、無機充填材をエポキシ樹脂組成物中に均一に分散させることが難しくなる。熱伝導性の確保と共にこの点においても、無機充填材配合量の下限値の規定は重要である。一方、無機充填材の配合量を多くすると、エポキシ樹脂組成物の粘性が増大して取り扱いが難しくなるので、無機充填材配合量の上限値は、このような観点から規定する。
エポキシ樹脂組成物を溶剤に希釈してワニスを調製する場合、溶剤の配合・使用が、エポキシ樹脂硬化物の熱伝導性に影響を与えることはない。
また上記図6及び図7の実施の形態において、第2金属層を2層以上の構造としてもよいのは勿論である。
(a)エポキシ樹脂ワニスa;エポキシ樹脂モノマ成分としてビフェニル骨格をもつエポキシ樹脂モノマ(ジャパンエポキシレジン製「YL6121H」,エポキシ当量175)100部を用意し、これをメチルイソブチルケトン(和光純薬製)100部に100℃で溶解し、室温に戻した。前記「YL6121H」は、既述の分子構造式(式1)において、R=−CH3,n=0.1であるエポキシ樹脂モノマと分子構造式(式1)において、R=−H,n=0.1であるエポキシ樹脂モノマを等モルで含有するエポキシ樹脂モノマである。
硬化剤として1,5−ジアミノナフタレン(和光純薬製「1,5−DAN」,アミン当量40)22部を用意し、これをジメチルホルムアミド(和光純薬製)100部に100℃で溶解し、室温に戻した。
上記のエポキシ樹脂モノマ溶液と硬化剤溶液を混合・撹拌して均一なワニスにし、さらに無機充填材としてアルミナ(電気化学工業製「DAW−10」,平均粒子径:10μm,熱伝導率30W/m・K,粒子形状:球状)425部(樹脂固形分100体積部に対し100体積部に相当)を加えて混練し、エポキシ樹脂ワニスaを調製した。
(b)エポキシ樹脂ワニスb;エポキシ樹脂ワニスa中の無機充填材であるアルミナ(電気化学工業製「DAW−10」,平均粒子径:10μm,熱伝導率30W/m・K,粒子形状:球状)を540重量部(樹脂固形分100体積部に対し185体積部に相当)を加えて混練する以外はエポキシ樹脂ワニスaと同様にしてエポキシ樹脂ワニスbを調製した。
(c)プリプレグa;エポキシ樹脂ワニスaを、厚み100μmのガラス不織布に含浸し加熱乾燥して厚み120μmのプリプレグを得た。
(d)プリプレグb;エポキシ樹脂ワニスbを、厚み100μmのガラス不織布に含浸し加熱乾燥して厚み120μmのプリプレグを得た。
(e)樹脂封止体用の樹脂組成物;エポキシ樹脂モノマ成分としてビフェニル骨格をもつエポキシ樹脂モノマ(ジャパンエポキシレジン製「YL6121H」,エポキシ当量175)100部を用意し、これをメチルイソブチルケトン(和光純薬製)100部に100℃で溶解し、室温に戻した。前記「YL6121H」は、既述の分子構造式(式1)において、R=−CH3,n=0.1であるエポキシ樹脂モノマと分子構造式(式1)において、R=−H,n=0.1であるエポキシ樹脂モノマを等モルで含有するエポキシ樹脂モノマである。
硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業製「TD−2090」)40部を用意し、メチルエチルケトンにて60℃で溶解し、室温に戻した。
上記のエポキシ樹脂モノマ溶液と硬化剤溶液を混合・撹拌して均一なワニスにし、さらに無機充填材として球状シリカ(電気化学工業製「FB−30X」,平均粒子径:30μm)及び硬化促進剤、離型剤を加えて混練し、エポキシ樹脂ワニスを調製した。このエポキシ樹脂ワニスを加熱乾燥した樹脂粉末を70℃で予備成形し、タブレット状の樹脂組成物を得た。
図1(a)の構成材料として、下記の材料を準備した。
1)第1金属層3:銅/クロム合金(厚み0.5mm、熱膨張率10ppm/℃、熱伝導率180W/m・K)
2)第2金属層5:銅(厚み0.1mm、熱膨張率17ppm/℃、熱伝導率394W/m・K)
3)第3金属層7:アルミニウム合金3004(厚み1.0mm、熱膨張率24ppm/℃、熱伝導率160W/m・K)
4)樹脂絶縁層6:プリプレグa
第2金属層上に第1金属層を重ね合わせ、500℃程度の温度条件にて、圧延ロールで圧延することで、第1金属層と第2金属層を接合層4でクラッド構造で一体化した。
そして、前記配線板の第1金属層に発熱素子(セラミックヒータチップ)をはんだ付した。
熱膨張率:金属板から5×10mmの板状試料を切り出し、TMA測定にて30℃〜260℃の範囲における平面方向の熱膨張率を測定した。
熱伝導率:各金属層や樹脂絶縁層の厚さ方向の熱伝導を、熱流計法(JIS−A−1412準拠)にて測定した。
素子発熱温度:発熱素子をはんだ付した配線板を使用し、第3金属層を冷却フィンにて冷却し、一定温度に保つ。発熱素子に80Wの電力を入力し、入力2分後の素子温度を測定した。
はんだ接続信頼性:発熱素子をはんだ付した配線板を使用し、105℃〜−40℃の範囲で冷熱サイクル試験を行ない、1000サイクル後のはんだ部のクラック発生の有無を調べた。
剥離面積率:所定形状に加工した配線板を最高温度300℃のリフロー炉で3分間熱処理を行なった。その後、超音波探傷器にて配線板の上部から観察し、金属と樹脂界面の剥離面積を測定した。そして、(剥離面積/配線板の全面積)×100を剥離面積率(%)とした。
実施例1において、第1金属層として銅/モリブデン合金(厚み0.5mm、熱膨張率13ppm/℃、熱伝導率300W/m・K)を使用し、第2金属層としてアルミニウム合金6063(厚み0.1mm、熱膨張率23ppm/℃、熱伝導率210W/m・K)を使用する以外は実施例1と同様にして配線板を得た。この配線板を樹脂成形金型内にセットした後、図1(b)の構成となるように樹脂封止体(無機充填材の充填量:40体積%、20℃におけるヤング率:10GPa、熱膨張率:18ppm/℃)をトランスファ成形することにより、発熱素子、第1金属層及び第2金属層を樹脂封止体にて取り囲んだ配線板を得た。
ヤング率:樹脂封止体の20℃における曲げ弾性率を測定した(JIS−K−6911準拠)。
実施例2において、第1金属層として銅(厚み0.5mm、熱膨張率17ppm/℃、熱伝導率394W/m・K)を使用する以外は実施例2と同様にして配線板を得た。第1金属層の熱伝導率をさらに大きくすることにより、素子発熱温度が低減し、放熱特性が向上した。
実施例3において、樹脂絶縁層としてプリプレグbを使用する以外は実施例3と同様にして配線板を得た。樹脂絶縁層の熱伝導率は、4W/m・Kである。樹脂絶縁層の熱伝導率を高くしたことにより、素子発熱温度が低減し、放熱特性が向上した。
実施例4において、第2金属層としてアルミニウム合金6063(厚み0.6mm、熱膨張率23ppm/℃、熱伝導率210W/m・K)を使用する以外は実施例4と同様にして配線板を得た。第2金属層を厚くしたことにより、素子発熱温度が低減し、放熱特性が向上した。また、第2金属層を厚くしたことにより、第2金属層とクラッド構造で一体化された第1金属層の熱膨張率にも影響を受け、はんだ接続信頼性が若干低下したが、機能上問題ない範囲であった。
実施例3において、第2金属層を配置しないこと以外は実施例3と同様にして配線板を得た。比較例1においては、第2金属層が配置されていないので、第1金属層と第3金属層の熱膨張率の差によって、樹脂絶縁層に熱応力がかかり、金属と樹脂の界面が広範囲で剥離が発生している。また、素子発熱温度が大きくなり、放熱特性が大幅に悪化した。
実施例3において、第2金属層として銅/モリブデン合金(厚み0.1mm、熱膨張率13ppm/℃、熱伝導率300W/m・K)を使用すること以外は実施例3と同様にして配線板を得た。比較例2においては、第2金属層の熱膨張率が第1金属層の熱膨張率より小さいので、第2金属層と第3金属層の熱膨張率の差によって、金属と樹脂の界面が広範囲で剥離を発生している。また、剥離に伴って素子発熱温度が大きくなり、放熱特性が大幅に悪化した。
実施例3において、第1金属層として銅(厚み0.4mm、熱膨張率17ppm/℃、熱伝導率394W/m・K)を使用する以外は実施例3と同様にして配線板を得た。比較例3においては、第1金属層の厚みが薄いので、樹脂絶縁層にかかる熱応力が小さくなるため、第2金属層を配置しても、あまり応力緩和をする効果がない。また、素子発熱温度が大きくなり、放熱特性が悪化した。
実施例3において、第2金属層としてアルミニウム合金6063(厚み0.05mm、熱膨張率23ppm/℃、熱伝導率210W/m・K)を使用する以外は実施例2と同様にして配線板を得た。比較例4においては、第2金属層の厚みが第1金属層の20%未満であるので、第1金属層と第3金属層の熱膨張率の差を緩和する効果が小さくなり、金属と樹脂の界面に剥離を発生している。また、素子発熱温度が大きくなり、放熱特性が大幅に悪化した。
実施例3において、第3金属層としてアルミニウム合金3004(厚み0.5mm、熱膨張率24ppm/℃、熱伝導率160W/m・K)を使用する以外は実施例3と同様にして配線板を得た。比較例5においては、第3金属層の厚みが薄いので、樹脂絶縁層にかかる熱応力が小さくなるため、第2金属層を配置しても、あまり応力緩和をする効果がない。また、素子発熱温度が大きくなり、放熱特性が悪化した。
上記表に示したように、本発明に係る実施例においては、第1金属層と第2金属層がクラッド構造で一体化され、第1金属層の熱膨張率をα1、第2金属層の熱膨張率をα2、第3金属層の熱膨張率をα3としたとき、α1とα3の差が7ppm/℃以上であるときに、α1<α2≦α3の関係になるように設定し、かつ、第2金属層の厚みが第1金属層の厚みの20%以上としたので、素子発熱温度、樹脂剥離面積率を抑えられていることが理解できる(実施例1〜5と比較例1〜5との対比)。
2、32ははんだ
3、3’、33、33’は第1金属層
4、34’は接合層
5、35は第2金属層
6、6’、36は樹脂絶縁層
7、7’、37は第3金属層
8、8’は樹脂封止体
Claims (9)
- 厚み0.5mm以上の第1金属層と、第2金属層と、厚み1mm以上の第3金属層がこの順に配置され、少なくとも第1金属層が電気配線の機能を有する配線板において、
第1金属層と第2金属層がクラッド構造で一体化され、第2金属層と第3金属層は樹脂絶縁層で一体化されており、
第1金属層の熱膨張率をα1、第2金属層の熱膨張率をα2、第3金属層の熱膨張率をα3としたとき、α1とα3の差が7ppm/℃以上であるときに、α1<α2≦α3の関係になるように設定され、
第2金属層の厚みが第1金属層の厚みの20%以上であることを特徴とする配線板。 - 第1金属層の熱伝導率が300W/m・K以上であることを特徴とする請求項1記載の配線板。
- 第1金属層が銅であり、第2金属層がアルミニウムであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の配線板。
- 前記樹脂絶縁層の熱伝導率が4W/m・K以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線板。
- 前記電気配線には発熱素子が実装されており、少なくとも前記発熱素子及び第1金属層を取り囲む樹脂封止体を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の配線板。
- 前記第2金属層が直流電源の一方の極性の出力端子に電気的に接続されており、
前記第2金属層の上に複数の前記第1金属層が一体化されており、
前記複数の第1金属層の上には、複数の発熱素子のうちの対応する1つの前記発熱素子がはんだ付け接続されていて、前記複数の発熱素子が前記第2金属層とそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の配線板。 - 前記第2金属層が直流電源の一方の極性の出力端子に電気的に接続されており、
前記第1金属層の上には、複数の発熱素子がそれぞれはんだ付け接続されていて、前記複数の発熱素子が前記第2金属層とそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の配線板。 - 前記第2金属層が直流電源の一方の極性の出力端子に電気的に接続され、
前記第2金属層の上に前記第1金属層が一体化され、
前記第1金属層の上に1つの発熱素子がはんだ付け接続されて構成された素子ユニットが、電気的に絶縁された状態で複数個配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の配線板。 - 前記第2金属層は、前記第1金属層が一体化される部分と電気配線部分とを備えており、
前記配線部分の上には電気絶縁樹脂層を介して他の電気配線部分を構成する1以上の第4金属層が一体化されており、
前記第2金属層を流れる電流の方向と前記第4金属層を流れる電流の方向とが逆方向になるように前記発熱素子と前記第4金属層とが電気的接続手段を介して接続されている請求項6〜8のいずれか1項に記載の配線板。
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