JP2010034125A - レーザトリミング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザトリミングにより抵抗体の抵抗値を調整する際の精度を高めることが可能なレーザトリミング方法を低コストに提供する。
【解決手段】第1の場合(抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態における定電圧VOMの初期値が狙い値よりも小さい場合)には、抵抗体Rbだけをレーザトリミングして抵抗体Rbだけの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値より大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了し、抵抗体Raはレーザトリミングしない。第2の場合(定電圧VOMの初期値が狙い値よりも大きい場合)には、まず、抵抗体Raをレーザトリミングして抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値より小さくなった時点で抵抗体Raのレーザトリミングを完了し、次に、抵抗体Rbをレーザトリミングして抵抗体Rbの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値より大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了する。
【選択図】 図8
【解決手段】第1の場合(抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態における定電圧VOMの初期値が狙い値よりも小さい場合)には、抵抗体Rbだけをレーザトリミングして抵抗体Rbだけの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値より大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了し、抵抗体Raはレーザトリミングしない。第2の場合(定電圧VOMの初期値が狙い値よりも大きい場合)には、まず、抵抗体Raをレーザトリミングして抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値より小さくなった時点で抵抗体Raのレーザトリミングを完了し、次に、抵抗体Rbをレーザトリミングして抵抗体Rbの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値より大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了する。
【選択図】 図8
Description
本発明はレーザトリミング方法に係り、詳しくは、抵抗体の抵抗値を調整するためのレーザトリミング方法に関するものである。
従来より、薄膜・厚膜の抵抗体の抵抗値を調整するため、レーザ光を抵抗体の表面に照射して抵抗体に切れ込んだ溝(カーフ)を形成し、その溝により抵抗体の抵抗値を増大させるレーザトリミング方法が広く使用されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2007−27192号公報(第2〜9頁、図1,図2)
特開2007−27662号公報(第2〜9頁、図2,図3)
図8は、定電圧生成回路10の回路図である。
定電圧生成回路10は、抵抗分圧回路11、オペアンプOP、抵抗R1,R2、出力端子VOMから構成され、直流電源VBGから直流電圧VBGが供給され、その直流電圧VBGから定電圧VOMを生成して出力端子VOMから出力する。
尚、直流電源VBGと直流電圧VBG、出力端子VOMと定電圧VOMはそれぞれ、説明を分かり易くするため符号を同じにしてある。
定電圧生成回路10は、抵抗分圧回路11、オペアンプOP、抵抗R1,R2、出力端子VOMから構成され、直流電源VBGから直流電圧VBGが供給され、その直流電圧VBGから定電圧VOMを生成して出力端子VOMから出力する。
尚、直流電源VBGと直流電圧VBG、出力端子VOMと定電圧VOMはそれぞれ、説明を分かり易くするため符号を同じにしてある。
抵抗分圧回路11は、直流電源VBGとアースの間に直列接続された薄膜または厚膜のレーザトリミング用抵抗体Ra,Rbから構成され、直流電源VBGの直流電圧VBGを各抵抗体Ra,Rbの抵抗値比で分圧した分圧電圧Vtを生成する。
そのため、分圧電圧Vtは、直流電圧VBGと、各抵抗体Ra,Rbの抵抗値Ra,Rbにより、数式1によって表される。
尚、各抵抗Ra,Rbとその抵抗値Ra,Rbは、説明を分かり易くするため符号を同じにしてある。
そのため、分圧電圧Vtは、直流電圧VBGと、各抵抗体Ra,Rbの抵抗値Ra,Rbにより、数式1によって表される。
尚、各抵抗Ra,Rbとその抵抗値Ra,Rbは、説明を分かり易くするため符号を同じにしてある。
Vt=Rb/(Ra+Rb)×VBG ………(数式1)
オペアンプOPの非反転入力端子には分圧電圧Vtが入力されている。オペアンプOPの反転入力端子は、抵抗R2を介してアースに接続されると共に、抵抗R1を介してオペアンプOPの出力端子に接続され、オペアンプOPの出力端子は出力端子VOMに接続されている。
そのため、オペアンプOPおよび各抵抗R1,R2は負帰還増幅回路12を構成し、定電圧VOMは、分圧電圧Vtと、各抵抗R1,R2の抵抗値R1,R2とにより、数式2によって表される。
尚、各抵抗R1,R2とその抵抗値R1,R2は、説明を分かり易くするため符号を同じにしてある。
そのため、オペアンプOPおよび各抵抗R1,R2は負帰還増幅回路12を構成し、定電圧VOMは、分圧電圧Vtと、各抵抗R1,R2の抵抗値R1,R2とにより、数式2によって表される。
尚、各抵抗R1,R2とその抵抗値R1,R2は、説明を分かり易くするため符号を同じにしてある。
VOM=(R1+R2)/R2×Vt ………(数式2)
例えば、Vt=1.0V、VOM=5Vの場合には、負帰還増幅回路12の増幅度が5倍になるため、その増幅度が得られるように各抵抗値R1,R2を設定すればよい。
ここで、直流電圧VBGおよび各抵抗R1,R2の抵抗値が設定値からズレている場合には、定電圧VOMもズレてしまうことになるため、抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整することにより分圧電圧Vtを調整し、定電圧VOMを設定電圧値(所望の電圧値)に近づける必要がある。
このとき、抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整するには、レーザ光を抵抗体Ra,Rbの表面に照射して抵抗体に切れ込んだ溝(カーフ)を形成し、その溝により抵抗体Ra,Rbの抵抗値を増大させるレーザトリミング方法が用いられる。
このとき、抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整するには、レーザ光を抵抗体Ra,Rbの表面に照射して抵抗体に切れ込んだ溝(カーフ)を形成し、その溝により抵抗体Ra,Rbの抵抗値を増大させるレーザトリミング方法が用いられる。
ところで、レーザトリミング方法を用いて抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態における定電圧VOMの電圧値(以下、「初期値」と呼ぶ)と、定電圧VOMの設定電圧値(以下、「狙い値」と呼ぶ)とを比較したとき、初期値が狙い値よりも小さい場合(以下、「第1の場合」と呼ぶ)と、初期値が狙い値よりも大きい場合(以下、「第2の場合」と呼ぶ)とがある。
尚、直流電圧VBG=1.2V、分圧電圧Vt=1.0Vに設定されており、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが高く設定されている(VBG/2<Vt)。
そのため、レーザトリミング方法を用いて抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態において、抵抗値Rbは抵抗値Raより大きく設定されている(Rb>Ra)。
そのため、レーザトリミング方法を用いて抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態において、抵抗値Rbは抵抗値Raより大きく設定されている(Rb>Ra)。
[第1の場合のレーザトリミング方法]
図9は、従来技術のレーザトリミング方法における第1の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも小さい場合)を説明するための説明図である。
図9は、従来技術のレーザトリミング方法における第1の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも小さい場合)を説明するための説明図である。
従来技術の第1の場合では、抵抗体Rbの抵抗値だけを調整するため、レーザ光を抵抗体Rbにだけ照射して溝を形成し、抵抗体Rbの抵抗値だけを増大させる。
このとき、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Rbの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vxだけ増大する。
このとき、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Rbの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vxだけ増大する。
抵抗体Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態における定電圧VOMの電圧値である初期値Vpは、定電圧VOMの設定電圧値である狙い値Vaよりも小さくなっている(図9(A))。
そこで、1回目のレーザ光の照射を抵抗体Rbに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは初期値Vpから一定電圧値Vxだけ増大している(図9(B))。
続いて、2回目のレーザ光の照射を抵抗体Rbに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは初期値Vpから一定電圧値Vxの2倍分だけ増大している(図9(C))。
そして、m回目のレーザ光の照射を抵抗体Rbに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは初期値Vpから一定電圧値Vxのm倍分だけ増大しているが、このときの定電圧VOMが狙い値Vaより大きいならば、抵抗体Rbへのレーザ光の照射を終了する(図9(D))。
このように、従来技術の第1の場合では、レーザ光を照射する度に抵抗体Rbの抵抗値を一定値分ずつ増大させることにより定電圧VOMを一定電圧値Vx分ずつ増大させる操作を繰り返し行い、抵抗体Rbにレーザ光を照射する度に定電圧VOMを計測し、定電圧VOMが狙い値Vaより大きく(VOM>Va)なった時点で(図9(D))、抵抗体Rbのレーザトリミングを完了している。
図10は、従来技術において、抵抗体Ra,Rbのレーザトリミングの完了後における定電圧VOMのバラツキの分布を示す説明図である。
従来技術の第1の場合では、定電圧VOMが狙い値Vaより大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより大きい範囲に分布することになる。
尚、従来技術の第1の場合において、定電圧VOMの分布状況および抵抗体Rbにレーザ光を照射する回数mは、定電圧VOMの初期値Vpと、1回のレーザ光の照射によって増大する一定電圧値Vxとによって決定される。
従来技術の第1の場合では、定電圧VOMが狙い値Vaより大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより大きい範囲に分布することになる。
尚、従来技術の第1の場合において、定電圧VOMの分布状況および抵抗体Rbにレーザ光を照射する回数mは、定電圧VOMの初期値Vpと、1回のレーザ光の照射によって増大する一定電圧値Vxとによって決定される。
[第2の場合のレーザトリミング方法]
図11は、従来技術のレーザトリミング方法における第2の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも大きい場合)を説明するための説明図である。
図11は、従来技術のレーザトリミング方法における第2の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも大きい場合)を説明するための説明図である。
従来技術の第2の場合では、抵抗体Raの抵抗値だけを調整するため、レーザ光を抵抗体Raにだけ照射して溝を形成し、抵抗体Raの抵抗値だけを増大させる。
このとき、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Raの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vyだけ減少する。
このとき、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Raの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vyだけ減少する。
抵抗体Raの抵抗値を調整する以前の初期状態における定電圧VOMの電圧値である初期値Vpは、定電圧VOMの設定電圧値である狙い値Vaよりも大きくなっている(図11(A))。
そこで、1回目のレーザ光の照射を抵抗体Raに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは初期値Vpから一定電圧値Vyだけ減少している(図11(B))。
続いて、2回目のレーザ光の照射を抵抗体Raに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは初期値Vpから一定電圧値Vyの2倍分だけ減少している(図11(C))。
そして、m回目のレーザ光の照射を抵抗体Raに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは初期値Vpから一定電圧値Vyのm倍分だけ減少しているが、このときの定電圧VOMが狙い値Vaより小さいならば、抵抗体Raへのレーザ光の照射を終了する(図11(D))。
このように、従来技術の第2の場合では、レーザ光を照射する度に抵抗体Raの抵抗値を一定値分ずつ増大させることにより定電圧VOMを一定電圧値Vy分ずつ減少させる操作を繰り返し行い、抵抗体Raにレーザ光を照射する度に定電圧VOMを計測し、定電圧VOMが狙い値Vaより小さく(VOM<Va)なった時点で(図11(D))、抵抗体Raのレーザトリミングを完了している。
図10に示すように、従来技術の第2の場合では、定電圧VOMが狙い値Vaより小さくなった時点で抵抗体Raのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより小さい範囲に分布することになる。
尚、従来技術の第2の場合において、定電圧VOMの分布状況および抵抗体Raにレーザ光を照射する回数mは、定電圧VOMの初期値Vpと、1回のレーザ光の照射によって減少する一定電圧値Vyとによって決定される。
尚、従来技術の第2の場合において、定電圧VOMの分布状況および抵抗体Raにレーザ光を照射する回数mは、定電圧VOMの初期値Vpと、1回のレーザ光の照射によって減少する一定電圧値Vyとによって決定される。
ところで、図10に示すように、従来技術の第1の場合の定電圧VOMの分布は、従来技術の第2の場合の定電圧VOMの分布よりも狭い範囲になっている。
この理由は、図9および図11に示す例では、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが高く設定されているため、従来技術の第1の場合にて1回のレーザ光の照射によって変化する一定電圧値Vxが、従来技術の第2の場合にて1回のレーザ光の照射によって変化する一定電圧値Vyよりも小さいからである。
この理由は、図9および図11に示す例では、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが高く設定されているため、従来技術の第1の場合にて1回のレーザ光の照射によって変化する一定電圧値Vxが、従来技術の第2の場合にて1回のレーザ光の照射によって変化する一定電圧値Vyよりも小さいからである。
このように、従来技術のレーザトリミング方法では、第1の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも小さい場合)には抵抗体Rbだけをレーザトリミングして抵抗体Rbの抵抗値だけを調整し、第2の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも大きい場合)には抵抗体Raだけをレーザトリミングして抵抗体Raの抵抗値だけを調整している。
その結果、従来技術のレーザトリミング方法では、図10に示すように、第1の場合には定電圧VOMが狙い値Vaより大きい範囲に分布し、第2の場合には定電圧VOMが狙い値Vaより小さい範囲に分布し、定電圧VOMが狙い値Vaを挟んで大小両側に分布するため、定電圧VOMのバラツキ幅が大きいという問題があった。
そのため、図8に示す例では、定電圧VOMを狙い値Vaに近づけて高精度化を図ることが要求されている。
そのため、図8に示す例では、定電圧VOMを狙い値Vaに近づけて高精度化を図ることが要求されている。
ところで、図8に示す例は、定電圧生成回路10の定電圧VOMを狙い値Vaに設定する際に、抵抗分圧回路11を構成する各抵抗体Ra,Rbをレーザトリミングして抵抗値を調整することにより、直流電源VBGの直流電圧VBGを各抵抗体Ra,Rbの抵抗値比で分圧した分圧電圧Vtを調整している。
そのため、図8に示す例では、分圧電圧Vtのバラツキ幅を小さくするために、分圧電圧Vtを狙い値に近づけて高精度化を図ることが要求されている。
そのため、図8に示す例では、分圧電圧Vtのバラツキ幅を小さくするために、分圧電圧Vtを狙い値に近づけて高精度化を図ることが要求されている。
そして、例えば、発振回路の発振周波数を設定周波数(狙い値)に設定する際に、発振周波数を調整するための抵抗分圧回路11を構成する各抵抗体Ra,Rbをレーザトリミングして抵抗値を調整する場合には、発振周波数のバラツキ幅を小さくするために、発振周波数を狙い値に近づけて高精度化を図ることが要求されている。
また、オペアンプのオフセット電圧をゼロ(狙い値)に設定する際に、オフセット電圧を調整するための各抵抗体Ra,Rbをレーザトリミングして抵抗値を調整する場合には、オフセット電圧のバラツキ幅を小さくするために、オフセット電圧を狙い値に近づけてオペアンプの高精度化を図ることが要求されている。
本発明は上記要求を満足させるためになされたものであって、その目的は、抵抗体の抵抗値を調整することにより出力信号を調整して狙い値に近づける回路にて、抵抗体をレーザトリミングすることにより当該抵抗体の抵抗値を増大させるレーザトリミング方法において、出力信号のバラツキ幅を小さくし、出力信号を狙い値に近づけて高精度化を図ることが可能なレーザトリミング方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、
第1抵抗体(RaまたはRb)の抵抗値または第2抵抗体(RbまたはRa)の抵抗値を調整することにより出力信号(Vt,VOM,CLK,OUT)を調整して狙い値(Va)に近づける回路(11,10,20,30)にて、前記各抵抗体をレーザトリミングすることにより当該抵抗体の抵抗値を増大させるレーザトリミング方法であって、
第1抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量(VyまたはVx)は、第2抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量(VxまたはVy)よりも大きく設定されていることと、
前記各抵抗体の抵抗値を調整する以前の初期状態における出力信号の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第1の側(第1の場合または第2の場合)にある場合には、第1抵抗体をレーザトリミングせず、第2抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量(VxまたはVy)だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了することと、
前記出力信号の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第2の側にある場合(第2の場合または第1の場合)には、まず、第1抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量(VyまたはVx)だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第1抵抗体のレーザトリミングを完了し、次に、第2抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了することと、
前記第1の側は、前記第2抵抗体のレーザトリミングにより前記初期状態の前記出力信号が狙い値に近づく側であることと、
前記第2の側は、前記第1抵抗体のレーザトリミングにより前記初期状態の前記出力信号が狙い値に近づく側であることとを技術的特徴とする。
第1抵抗体(RaまたはRb)の抵抗値または第2抵抗体(RbまたはRa)の抵抗値を調整することにより出力信号(Vt,VOM,CLK,OUT)を調整して狙い値(Va)に近づける回路(11,10,20,30)にて、前記各抵抗体をレーザトリミングすることにより当該抵抗体の抵抗値を増大させるレーザトリミング方法であって、
第1抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量(VyまたはVx)は、第2抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量(VxまたはVy)よりも大きく設定されていることと、
前記各抵抗体の抵抗値を調整する以前の初期状態における出力信号の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第1の側(第1の場合または第2の場合)にある場合には、第1抵抗体をレーザトリミングせず、第2抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量(VxまたはVy)だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了することと、
前記出力信号の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第2の側にある場合(第2の場合または第1の場合)には、まず、第1抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量(VyまたはVx)だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第1抵抗体のレーザトリミングを完了し、次に、第2抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了することと、
前記第1の側は、前記第2抵抗体のレーザトリミングにより前記初期状態の前記出力信号が狙い値に近づく側であることと、
前記第2の側は、前記第1抵抗体のレーザトリミングにより前記初期状態の前記出力信号が狙い値に近づく側であることとを技術的特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は、直列接続された第1抵抗体と第2抵抗体から構成され、前記各抵抗体(Ra,Rb)の抵抗値比によって決定される分圧電圧(Vt)を生成する抵抗分圧回路(11)であることと、
前記出力信号は前記分圧電圧(Vt)であることとを技術的特徴とする。
請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は、直列接続された第1抵抗体と第2抵抗体から構成され、前記各抵抗体(Ra,Rb)の抵抗値比によって決定される分圧電圧(Vt)を生成する抵抗分圧回路(11)であることと、
前記出力信号は前記分圧電圧(Vt)であることとを技術的特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は入力電圧から定電圧(VOM)を生成する定電圧生成回路(10)であることと、
前記出力信号は前記定電圧(VOM)であることと、
前記入力電圧は、直列接続された第1抵抗体(RaまたはRb)と第2抵抗体(RbまたはRa)の抵抗値比によって決定される分圧電圧(Vt)であることとを技術的特徴とする。
請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は入力電圧から定電圧(VOM)を生成する定電圧生成回路(10)であることと、
前記出力信号は前記定電圧(VOM)であることと、
前記入力電圧は、直列接続された第1抵抗体(RaまたはRb)と第2抵抗体(RbまたはRa)の抵抗値比によって決定される分圧電圧(Vt)であることとを技術的特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は入力電圧に基づいた周波数の発振信号を生成する発振回路(20)であることと、
前記出力信号は前記発振信号(CLK)であることと、
前記入力電圧は、直列接続された第1抵抗体(RaまたはRb)と第2抵抗体(RbまたはRa)の抵抗値比によって決定される分圧電圧(Vt)であることとを技術的特徴とする。
請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は入力電圧に基づいた周波数の発振信号を生成する発振回路(20)であることと、
前記出力信号は前記発振信号(CLK)であることと、
前記入力電圧は、直列接続された第1抵抗体(RaまたはRb)と第2抵抗体(RbまたはRa)の抵抗値比によって決定される分圧電圧(Vt)であることとを技術的特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路はオペアンプ(OP)によって構成されたボルテージフォロワ回路(40)であることと、
前記出力信号は前記ボルテージフォロワ回路の出力信号(OUT)であることと、
前記各抵抗体(Ra,Rb)の抵抗値を調整することにより前記オペアンプのオフセット電圧が調整されることとを技術的特徴とする。
請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路はオペアンプ(OP)によって構成されたボルテージフォロワ回路(40)であることと、
前記出力信号は前記ボルテージフォロワ回路の出力信号(OUT)であることと、
前記各抵抗体(Ra,Rb)の抵抗値を調整することにより前記オペアンプのオフセット電圧が調整されることとを技術的特徴とする。
<請求項1>
請求項1では、各抵抗体(Ra,Rb)の抵抗値を調整する以前の初期状態における出力信号(VOM)の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第1の側(第1の場合または第2の場合)にある場合には、第1抵抗体をレーザトリミングせず、第2抵抗体をレーザトリミングする度に出力信号を一定量(VxまたはVy)だけ変化させる操作を繰り返し行い、出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了する。
請求項1では、各抵抗体(Ra,Rb)の抵抗値を調整する以前の初期状態における出力信号(VOM)の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第1の側(第1の場合または第2の場合)にある場合には、第1抵抗体をレーザトリミングせず、第2抵抗体をレーザトリミングする度に出力信号を一定量(VxまたはVy)だけ変化させる操作を繰り返し行い、出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了する。
そのため、出力信号(VOM)の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第1の側にある場合には、第2抵抗体のレーザトリミングの完了時の出力信号は第2の側に分布することになる。
また、請求項1では、出力信号の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第2の側にある場合(第2の場合または第1の場合)には、まず、第1抵抗体をレーザトリミングする度に出力信号を一定量(VyまたはVx)だけ変化させる操作を繰り返し行い、出力信号が狙い値を超えた時点で第1抵抗体のレーザトリミングを完了し、次に、第2抵抗体をレーザトリミングする度に出力信号を一定量だけ変化させる操作を繰り返し行い、出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了する。
そのため、出力信号(VOM)の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第2の側にある場合には、第2抵抗体のレーザトリミングの完了時の出力信号は第2の側に分布することになる。
従って、請求項1によれば、出力信号(VOM)の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第1の側または第2の側のいずれにある場合でも、各抵抗体のレーザトリミングの完了後の最終的な出力信号が第2の側だけに分布することになるため、出力信号のバラツキ幅を小さくすることができる。
その結果、請求項1によれば、出力信号を狙い値に近づけて高精度化を図ることが可能であり、これは換言すれば、レーザトリミングにより各抵抗体の抵抗値を高精度に調整できることに他ならない。
その結果、請求項1によれば、出力信号を狙い値に近づけて高精度化を図ることが可能であり、これは換言すれば、レーザトリミングにより各抵抗体の抵抗値を高精度に調整できることに他ならない。
<請求項2:第1実施形態または第2実施形態に該当(図1〜図4,図8,図9,図11参照)>
請求項2では、抵抗分圧回路(11)が生成する分圧電圧(Vt)の初期値が狙い値に対して第1の側または第2の側のいずれにある場合でも、各抵抗体(Ra,Rb)のレーザトリミングの完了後の最終的な分圧電圧が第2の側だけに分布することになる。
従って、請求項2によれば、分圧電圧のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、分圧電圧を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
請求項2では、抵抗分圧回路(11)が生成する分圧電圧(Vt)の初期値が狙い値に対して第1の側または第2の側のいずれにある場合でも、各抵抗体(Ra,Rb)のレーザトリミングの完了後の最終的な分圧電圧が第2の側だけに分布することになる。
従って、請求項2によれば、分圧電圧のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、分圧電圧を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
<請求項3:第1実施形態または第2実施形態に該当(図1〜図4,図8,図9,図11参照)>
請求項3では、定電圧生成回路(10)が生成する定電圧(VOM)の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第1の側または第2の側のいずれにある場合でも、各抵抗体(Ra,Rb)のレーザトリミングの完了後の最終的な定電圧が第2の側だけに分布することになる。
従って、請求項3によれば、定電圧のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、定電圧を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
請求項3では、定電圧生成回路(10)が生成する定電圧(VOM)の初期値(Vp)が狙い値(Va)に対して第1の側または第2の側のいずれにある場合でも、各抵抗体(Ra,Rb)のレーザトリミングの完了後の最終的な定電圧が第2の側だけに分布することになる。
従って、請求項3によれば、定電圧のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、定電圧を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
<請求項4:第3実施形態に該当(図5参照)>
請求項4では、発振回路(20)が生成する発振信号(CLK)の周波数の初期値が狙い値に対してプラス側またはマイナス側のいずれにある場合でも、各抵抗体(Ra,Rb)のレーザトリミングの完了後の最終的な発振信号の周波数がプラスマイナスいずれかの側だけに分布することになる。
従って、請求項4によれば、発振信号の周波数のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、発振信号の周波数を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
請求項4では、発振回路(20)が生成する発振信号(CLK)の周波数の初期値が狙い値に対してプラス側またはマイナス側のいずれにある場合でも、各抵抗体(Ra,Rb)のレーザトリミングの完了後の最終的な発振信号の周波数がプラスマイナスいずれかの側だけに分布することになる。
従って、請求項4によれば、発振信号の周波数のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、発振信号の周波数を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
<請求項5:第4実施形態に該当(図6,図7参照)>
請求項5では、ボルテージフォロワ回路(30)の出力信号(OUT)の初期値が狙い値に対してプラス側またはマイナス側のいずれにある場合でも、各抵抗体(Ra,Rb)のレーザトリミングの完了後の最終的な出力信号がプラスマイナスいずれかの側だけに分布することになる。
従って、請求項5によれば、出力信号のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、出力信号を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
請求項5では、ボルテージフォロワ回路(30)の出力信号(OUT)の初期値が狙い値に対してプラス側またはマイナス側のいずれにある場合でも、各抵抗体(Ra,Rb)のレーザトリミングの完了後の最終的な出力信号がプラスマイナスいずれかの側だけに分布することになる。
従って、請求項5によれば、出力信号のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、出力信号を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
そして、各抵抗体(Ra,Rb)の抵抗値を調整することによりオペアンプのオフセット電圧が調整される。
そのため、請求項5によれば、オペアンプのオフセット電圧のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、オフセット電圧を狙い値であるゼロに近づけてオペアンプの高精度化を図ることができる。
そのため、請求項5によれば、オペアンプのオフセット電圧のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、オフセット電圧を狙い値であるゼロに近づけてオペアンプの高精度化を図ることができる。
<用語の説明>
上術した[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した( )内の符号等は、後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素の符号等に対応したものである。
そして、[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した構成部材・構成要素と、[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素との対応関係は以下のようになっている。
上術した[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した( )内の符号等は、後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素の符号等に対応したものである。
そして、[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した構成部材・構成要素と、[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素との対応関係は以下のようになっている。
「第1抵抗体」は、第1実施形態の抵抗体Ra、第2実施形態の抵抗体Rbにそれぞれ該当する。
「第2抵抗体」は、第1実施形態の抵抗体Rb、第2実施形態の抵抗体Raにそれぞれ該当する。
「出力信号」は、第1,第2実施形態の分圧電圧Vtまたは定電圧VOM、第3実施形態の発振信号CLK、第4実施形態の出力信号OUTにそれぞれ該当する。
「第1抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量」は、第1実施形態の一定電圧値Vy、第2実施形態の一定電圧値Vxにそれぞれ該当する。
「第2抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量」は、第1実施形態の一定電圧値Vx、第2実施形態の一定電圧値Vyにそれぞれ該当する。
「第1の側」は、第1実施形態では狙い値Vaよりも小さい電圧範囲の側(第1の場合)、第2実施形態では狙い値Vaよりも大きい電圧範囲の側(第2の場合)にそれぞれ該当する。
「第1の側」は、第1実施形態では狙い値Vaよりも大きい電圧範囲の側(第2の場合)、第2実施形態では狙い値Vaよりも小さい電圧範囲の側(第1の場合)にそれぞれ該当する。
「第2抵抗体」は、第1実施形態の抵抗体Rb、第2実施形態の抵抗体Raにそれぞれ該当する。
「出力信号」は、第1,第2実施形態の分圧電圧Vtまたは定電圧VOM、第3実施形態の発振信号CLK、第4実施形態の出力信号OUTにそれぞれ該当する。
「第1抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量」は、第1実施形態の一定電圧値Vy、第2実施形態の一定電圧値Vxにそれぞれ該当する。
「第2抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量」は、第1実施形態の一定電圧値Vx、第2実施形態の一定電圧値Vyにそれぞれ該当する。
「第1の側」は、第1実施形態では狙い値Vaよりも小さい電圧範囲の側(第1の場合)、第2実施形態では狙い値Vaよりも大きい電圧範囲の側(第2の場合)にそれぞれ該当する。
「第1の側」は、第1実施形態では狙い値Vaよりも大きい電圧範囲の側(第2の場合)、第2実施形態では狙い値Vaよりも小さい電圧範囲の側(第1の場合)にそれぞれ該当する。
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、図8〜図11に示した従来技術と同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、従来技術と同一内容の箇所については重複説明を省略してある。また、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略してある。
<第1実施形態>
第1実施形態の定電圧生成回路10は、図8に示した従来技術の定電圧生成回路10と同一構成である。
第1実施形態の定電圧生成回路10は、図8に示した従来技術の定電圧生成回路10と同一構成である。
尚、第1実施形態でも、従来技術と同じく、直流電圧VBG=1.2V、分圧電圧Vt=1.0Vに設定されており、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが高く設定されている(VBG/2<Vt)。
そのため、レーザトリミング方法を用いて抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態において、抵抗値Rbは抵抗値Raより大きく設定されている(Rb>Ra)。
そのため、レーザトリミング方法を用いて抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態において、抵抗値Rbは抵抗値Raより大きく設定されている(Rb>Ra)。
第1実施形態においても、従来技術と同じく、直流電圧VBGおよび各抵抗R1,R2の抵抗値が設定値からズレている場合には、定電圧VOMもズレてしまうことになるため、抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整することにより分圧電圧Vtを調整し、定電圧VOMを設定電圧値(所望の電圧値)にする必要がある。
このとき、抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整するには、レーザ光を抵抗体Ra,Rbの表面に照射して抵抗体に切れ込んだ溝(カーフ)を形成し、その溝により抵抗体Ra,Rbの抵抗値を増大させるレーザトリミング方法が用いられる。
このとき、抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整するには、レーザ光を抵抗体Ra,Rbの表面に照射して抵抗体に切れ込んだ溝(カーフ)を形成し、その溝により抵抗体Ra,Rbの抵抗値を増大させるレーザトリミング方法が用いられる。
そして、レーザトリミング方法を用いて抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態における定電圧VOMの電圧値(初期値)Vpと、定電圧VOMの設定電圧値(狙い値)Vaとを比較したとき、初期値Vpが狙い値Vaよりも小さい第1の場合と、初期値Vpが狙い値Vaよりも大きい第2場合とがある。
第1実施形態のレーザトリミング方法における第1の場合は、図9に示した従来技術のレーザトリミング方法における第1の場合と同じである。
図1および図11は、第1実施形態のレーザトリミング方法における第2の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも大きい場合)を説明するための説明図である。
第1実施形態の第2の場合では、まず、抵抗体Raの抵抗値を調整するため、レーザ光を抵抗体Raに照射して溝を形成し、抵抗体Raの抵抗値を増大させる。
このとき、第1実施形態の第2の場合でも、従来技術の第2の場合と同じく、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Raの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vyだけ減少する。
このとき、第1実施形態の第2の場合でも、従来技術の第2の場合と同じく、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Raの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vyだけ減少する。
そして、第1実施形態の第2の場合でも、図11に示した従来技術の第2の場合と同じく、レーザ光を照射する度に抵抗体Raの抵抗値を一定値分ずつ増大させることにより定電圧VOMを一定電圧値Vy分ずつ減少させる操作を繰り返し行い、抵抗体Raにレーザ光を照射する度に定電圧VOMを計測し、定電圧VOMが狙い値Vaより小さく(VOM<Va)なった時点で(図11(D))、抵抗体Raのレーザトリミングを完了する。
第1実施形態の第2の場合では、レーザトリミングによって抵抗体Raの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値Vaより小さくなったら、次に、抵抗体Rbの抵抗値を調整するため、レーザ光を抵抗体Rbに照射して溝を形成し、抵抗体Rbの抵抗値を増大させる。
このとき、第1実施形態の第2の場合でも、従来技術の第1の場合と同じく、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Rbの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vxだけ増大する。
このとき、第1実施形態の第2の場合でも、従来技術の第1の場合と同じく、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Rbの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vxだけ増大する。
第1実施形態の第2の場合において、抵抗体Rbの抵抗値を調整する開始する時点(抵抗体Raのレーザトリミングが完了した時点)での定電圧VOMは、図11に示した初期値Vpから一定電圧値Vyのm倍分だけ減少しており、このときの定電圧VOMの電圧値Vqは狙い値Vaより小さくなっている(図1(A))。
そこで、1回目のレーザ光の照射を抵抗体Rbに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは電圧値Vqから一定電圧値Vxだけ増大している(図1(B))。
続いて、2回目のレーザ光の照射を抵抗体Rbに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは電圧値Vqから一定電圧値Vxの2倍分だけ増大している(図1(C))。
そして、n回目のレーザ光の照射を抵抗体Rbに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは電圧値Vqから一定電圧値Vxのn倍分だけ増大しているが、このときの定電圧VOMが狙い値Vaより大きければ、抵抗体Rbへのレーザ光の照射を終了する(図1(D))。
このように、第1実施形態の第2の場合では、レーザ光を照射する度に抵抗体Rbの抵抗値を一定値分ずつ増大させることにより定電圧VOMを一定電圧値Vx分ずつ増大させる操作を繰り返し行い、抵抗体Rbにレーザ光を照射する度に定電圧VOMを計測し、定電圧VOMが狙い値Vaより大きく(VOM>Va)なった時点で(図1(D))、抵抗体Rbのレーザトリミングを完了する。
図2は、第1実施形態において、抵抗体Ra,Rbのレーザトリミングの完了後における定電圧VOMのバラツキの分布を示す説明図である。
第1実施形態のレーザトリミング方法における第1の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも小さい場合)には、従来技術の第1の場合と同じく、抵抗体Raをレーザトリミングせず、抵抗体Rbだけをレーザトリミングして抵抗体Rbの抵抗値だけを調整し、定電圧VOMが狙い値Vaより大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより大きい範囲に分布することになる。
また、第1実施形態のレーザトリミング方法における第2の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも大きい場合)には、まず、抵抗体Raをレーザトリミングして抵抗体Raの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値Vaより小さくなった時点で抵抗体Raのレーザトリミングを完了したら、次に、抵抗体Rbをレーザトリミングして抵抗体Rbの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値Vaより大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより大きい範囲に分布することになる。
従って、第1実施形態のレーザトリミング方法では、第1の場合または第2の場合のいずれでも、抵抗体Ra,Rbのレーザトリミングの完了後の最終的な定電圧VOMが狙い値Vaの大きい側にだけ分布するため、図10に示した従来技術に比べて、定電圧VOMのバラツキ幅を小さくすることができる。
その結果、第1実施形態によれば、定電圧VOMを狙い値Vaに近づけて高精度化を図ることが可能であり、これは換言すれば、レーザトリミングにより各抵抗体Ra,Rbの抵抗値を高精度に調整できることに他ならない。
ちなみに、第1実施形態では、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが高く設定されているため、抵抗体Raへの1回のレーザ光の照射による定電圧VOMの変化量である一定電圧値Vyは、抵抗体Rbへの1回のレーザ光の照射による定電圧VOMの変化量である一定電圧値Vxよりも大きく設定されることになる。
尚、第1実施形態の第2の場合において、定電圧VOMの分布状況および抵抗体Raにレーザ光を照射する回数mは、従来技術の第2の場合と同じく、定電圧VOMの初期値Vpと、1回のレーザ光の照射によって減少する一定電圧値Vyとによって決定される。
また、第1実施形態の第2の場合において、抵抗体Rbにレーザ光を照射する回数nは、定電圧VOMの電圧値Vqと、1回のレーザ光の照射によって増大する一定電圧値Vxとによって決定される。
また、第1実施形態の第2の場合において、抵抗体Rbにレーザ光を照射する回数nは、定電圧VOMの電圧値Vqと、1回のレーザ光の照射によって増大する一定電圧値Vxとによって決定される。
そして、抵抗体Raにレーザ光を照射する度に減少する一定電圧値Vyを大きく設定しすぎた場合には、抵抗体Raのレーザトリミングが完了した時点での定電圧VOMの電圧値Vqが小さくなりすぎるため、抵抗体Rbにレーザ光を照射する回数nが増大し、レーザトリミングに要する時間が長くなってコストが高くなる。
また、一定電圧値Vyを小さく設定しすぎた場合には、抵抗体Raにレーザ光を照射する回数mが増大し、レーザトリミングに要する時間が長くなってコストが高くなる。
従って、一定電圧値Vyは、レーザトリミングに要する時間を長くして低コスト化を図るために、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定する必要がある。
また、一定電圧値Vyを小さく設定しすぎた場合には、抵抗体Raにレーザ光を照射する回数mが増大し、レーザトリミングに要する時間が長くなってコストが高くなる。
従って、一定電圧値Vyは、レーザトリミングに要する時間を長くして低コスト化を図るために、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定する必要がある。
ところで、第1実施形態では、定電圧生成回路10が生成する定電圧VOMを設定電圧である狙い値Vaにするために、抵抗分圧回路11の抵抗体Ra,Rbをレーザトリミングして抵抗値を調整することにより分圧電圧Vtを調整している。
そのため、第1実施形態によれば、分圧電圧Vtのバラツキ幅を小さくすることが可能であり、分圧電圧Vtを狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
そのため、第1実施形態によれば、分圧電圧Vtのバラツキ幅を小さくすることが可能であり、分圧電圧Vtを狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態の定電圧生成回路10は、第1実施形態と同じく、図8に示した従来技術の定電圧生成回路10と同一構成である。
第2実施形態の定電圧生成回路10は、第1実施形態と同じく、図8に示した従来技術の定電圧生成回路10と同一構成である。
第2実施形態において、第1実施形態と異なるのは、直流電圧VBG=5V、分圧電圧Vt=1.0Vに設定されており、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが低く設定されている点だけである(VBG/2>Vt)。
そのため、レーザトリミング方法を用いて抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態において、抵抗値Rbは抵抗値Raより小さく設定されている(Rb<Ra)。
そのため、レーザトリミング方法を用いて抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整する以前の初期状態において、抵抗値Rbは抵抗値Raより小さく設定されている(Rb<Ra)。
第2実施形態のレーザトリミング方法における第2の場合は、図11に示した従来技術のレーザトリミング方法における第2の場合と同じである。
図3は、第2実施形態において、抵抗体Ra,Rbのレーザトリミングの完了後における定電圧VOMのバラツキの分布を示す説明図である。
第2実施形態の第2の場合では、従来技術の第2の場合と同じく、定電圧VOMが狙い値Vaより小さくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより小さい範囲に分布することになる。
第2実施形態の第2の場合では、従来技術の第2の場合と同じく、定電圧VOMが狙い値Vaより小さくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより小さい範囲に分布することになる。
但し、第2実施形態の第2の場合では、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが低く設定されている。
それに対して、従来技術の第2の場合では、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが高く設定されている。
そのため、第2実施形態の第2の場合にて1回のレーザ光の照射によって変化する一定電圧値Vyは、従来技術の第2の場合にて1回のレーザ光の照射によって変化する一定電圧値Vyよりも小さくなる。
従って、図3に示す第2実施形態の第2の場合の定電圧VOMの分布は、図10に示す従来技術の第2の場合の定電圧VOMの分布よりも狭い範囲になっている。
それに対して、従来技術の第2の場合では、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが高く設定されている。
そのため、第2実施形態の第2の場合にて1回のレーザ光の照射によって変化する一定電圧値Vyは、従来技術の第2の場合にて1回のレーザ光の照射によって変化する一定電圧値Vyよりも小さくなる。
従って、図3に示す第2実施形態の第2の場合の定電圧VOMの分布は、図10に示す従来技術の第2の場合の定電圧VOMの分布よりも狭い範囲になっている。
図4および図9は、第2実施形態のレーザトリミング方法における第1の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも小さい場合)を説明するための説明図である。
第2実施形態の第1の場合では、まず、抵抗体Rbの抵抗値を調整するため、レーザ光を抵抗体Rbに照射して溝を形成し、抵抗体Rbの抵抗値を増大させる。
このとき、第2実施形態の第1の場合でも、従来技術の第1の場合と同じく、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Rbの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vxだけ増大する。
このとき、第2実施形態の第1の場合でも、従来技術の第1の場合と同じく、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Rbの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vxだけ増大する。
そして、第2実施形態の第1の場合でも、図9に示した従来技術の第1の場合と同じく、レーザ光を照射する度に抵抗体Rbの抵抗値を一定値分ずつ増大させることにより定電圧VOMを一定電圧値Vx分ずつ増大させる操作を繰り返し行い、抵抗体Rbにレーザ光を照射する度に定電圧VOMを計測し、定電圧VOMが狙い値Vaより大きく(VOM>Va)なった時点で(図9(D))、抵抗体Rbのレーザトリミングを完了する。
第2実施形態の第1の場合では、レーザトリミングによって抵抗体Rbの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値Vaより大きくなったら、次に、抵抗体Raの抵抗値を調整するため、レーザ光を抵抗体Raに照射して溝を形成し、抵抗体Raの抵抗値を増大させる。
このとき、第2実施形態の第1の場合でも、従来技術の第2の場合と同じく、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Raの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vyだけ減少する。
このとき、第2実施形態の第1の場合でも、従来技術の第2の場合と同じく、1回のレーザ光の照射により、抵抗体Raの抵抗値は一定値だけ増大するため、前記数式1,2から明らかなように、定電圧VOMも一定電圧値Vyだけ減少する。
第2実施形態の第1の場合において、抵抗体Raの抵抗値を調整する開始する時点(抵抗体Rbのレーザトリミングが完了した時点)での定電圧VOMは、図9に示した初期値Vpから一定電圧値Vxのm倍分だけ増大しており、このときの定電圧VOMの電圧値Vqは狙い値Vaより大きくなっている(図4(A))。
そこで、1回目のレーザ光の照射を抵抗体Raに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは電圧値Vqから一定電圧値Vyだけ減少している(図4(B))。
続いて、2回目のレーザ光の照射を抵抗体Raに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは電圧値Vqから一定電圧値Vyの2倍分だけ減少している(図4(C))。
そして、n回目のレーザ光の照射を抵抗体Raに行い、その後に定電圧VOMを計測すると、定電圧VOMは電圧値Vqから一定電圧値Vyのn倍分だけ減少しているが、このときの定電圧VOMが狙い値Vaより小さければ、抵抗体Raへのレーザ光の照射を終了する(図4(D))。
このように、第2実施形態の第1の場合では、レーザ光を照射する度に抵抗体Raの抵抗値を一定値分ずつ増大させることにより定電圧VOMを一定電圧値Vy分ずつ減少させる操作を繰り返し行い、抵抗体Raにレーザ光を照射する度に定電圧VOMを計測し、定電圧VOMが狙い値Vaより小さく(VOM>Va)なった時点で(図4(D))、抵抗体Raのレーザトリミングを完了する。
第2実施形態のレーザトリミング方法における第2の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも大きい場合)には、従来技術の第2の場合と同じく、抵抗体Rbをレーザトリミングせず、抵抗体Raだけをレーザトリミングして抵抗体Raの抵抗値だけを調整し、定電圧VOMが狙い値Vaより小さくなった時点で抵抗体Raのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより小さい範囲に分布することになる。
また、第2実施形態のレーザトリミング方法における第1の場合(定電圧VOMの初期値Vpが狙い値Vaよりも小さい場合)には、まず、抵抗体Rbをレーザトリミングして抵抗体Rbの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値Vaより大きくなった時点で抵抗体Rbのレーザトリミングを完了したら、次に、抵抗体Raをレーザトリミングして抵抗体Raの抵抗値を調整し、定電圧VOMが狙い値Vaより小さくなった時点で抵抗体Raのレーザトリミングを完了するため、定電圧VOMは狙い値Vaより小さい範囲に分布することになる。
従って、第2実施形態のレーザトリミング方法では、第1の場合または第2の場合のいずれでも、抵抗体Ra,Rbのレーザトリミングの完了後の最終的な定電圧VOMが狙い値Vaの小さい側にだけ分布するため、第1実施形態と同様に、定電圧VOMのバラツキ幅を小さくすることができる。
その結果、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
その結果、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
ちなみに、第2実施形態では、直流電圧VBGの1/2の電圧値より分圧電圧Vtが低く設定されているため、抵抗体Rbへの1回のレーザ光の照射による定電圧VOMの変化量である一定電圧値Vxは、抵抗体Raへの1回のレーザ光の照射による定電圧VOMの変化量である一定電圧値Vyよりも大きく設定されることになる。
尚、第2実施形態の第1の場合において、定電圧VOMの分布状況および抵抗体Rbにレーザ光を照射する回数mは、従来技術の第1の場合と同じく、定電圧VOMの初期値Vpと、1回のレーザ光の照射によって増大する一定電圧値Vxとによって決定される。
また、第2実施形態の第1の場合において、抵抗体Raにレーザ光を照射する回数nは、定電圧VOMの電圧値Vqと、1回のレーザ光の照射によって減少する一定電圧値Vyとによって決定される。
また、第2実施形態の第1の場合において、抵抗体Raにレーザ光を照射する回数nは、定電圧VOMの電圧値Vqと、1回のレーザ光の照射によって減少する一定電圧値Vyとによって決定される。
そして、抵抗体Rbにレーザ光を照射する度に増大する一定電圧値Vxを大きく設定しすぎた場合には、抵抗体Rbのレーザトリミングが完了した時点での定電圧VOMの電圧値Vqが大きくなりすぎるため、抵抗体Raにレーザ光を照射する回数nが減少し、レーザトリミングに要する時間が長くなってコストが高くなる。
また、一定電圧値Vxを小さく設定しすぎた場合には、抵抗体Rbにレーザ光を照射する回数mが減少し、レーザトリミングに要する時間が長くなってコストが高くなる。
従って、一定電圧値Vxは、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定する必要がある。
また、一定電圧値Vxを小さく設定しすぎた場合には、抵抗体Rbにレーザ光を照射する回数mが減少し、レーザトリミングに要する時間が長くなってコストが高くなる。
従って、一定電圧値Vxは、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定する必要がある。
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態の発振回路20の回路図である。
CR発振回路20は、抵抗分圧回路11、オペアンプOP、抵抗R1、コンデンサC、出力端子CLKから構成され、直流電源VBGから直流電圧VBGが供給され、発振信号CLKを生成して出力端子CLKから出力する。
尚、出力端子CLKと発振信号CLKは、説明を分かり易くするため符号を同じにしてある。
図5は、第3実施形態の発振回路20の回路図である。
CR発振回路20は、抵抗分圧回路11、オペアンプOP、抵抗R1、コンデンサC、出力端子CLKから構成され、直流電源VBGから直流電圧VBGが供給され、発振信号CLKを生成して出力端子CLKから出力する。
尚、出力端子CLKと発振信号CLKは、説明を分かり易くするため符号を同じにしてある。
オペアンプOPの非反転入力端子には、抵抗分圧回路11が生成した分圧電圧Vtが入力されている。オペアンプOPの反転入力端子は、コンデンサCを介してアースに接続されると共に、抵抗R1を介してオペアンプOPの出力端子に接続され、オペアンプOPの出力端子は出力端子CLKに接続されている。
そのため、発振信号CLKの周波数は、入力電圧である分圧電圧Vtと、抵抗R1の抵抗値と、コンデンサCの静電容量値とに基づいて設定できる。
そのため、発振信号CLKの周波数は、入力電圧である分圧電圧Vtと、抵抗R1の抵抗値と、コンデンサCの静電容量値とに基づいて設定できる。
従って、第3実施形態では、発振回路20が生成する発振信号CLKの周波数の初期値が設定周波数(狙い値)に対してプラス側またはマイナス側のいずれにある場合でも、各抵抗体Ra,Rbのレーザトリミングの完了後の最終的な発振信号CLKの周波数がプラスマイナスいずれかの側だけに分布することになる。
その結果、第3実施形態によれば、発振信号CLKの周波数のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、発振信号CLKの周波数を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
その結果、第3実施形態によれば、発振信号CLKの周波数のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、発振信号CLKの周波数を狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
<第4実施形態>
図6は、第4実施形態のボルテージフォロワ回路30の回路図である。
ボルテージフォロワ回路30は、オペアンプOPの反転入力端子と出力端子が接続されて構成された負帰還増幅回路であり、増幅度は1倍である。
そのため、ボルテージフォロワ回路30を構成するオペアンプOPの非反転入力端子IN+と出力端子OUTの電圧差がゼロであれば、オペアンプOPのオフセット電圧もゼロということになる。
図6は、第4実施形態のボルテージフォロワ回路30の回路図である。
ボルテージフォロワ回路30は、オペアンプOPの反転入力端子と出力端子が接続されて構成された負帰還増幅回路であり、増幅度は1倍である。
そのため、ボルテージフォロワ回路30を構成するオペアンプOPの非反転入力端子IN+と出力端子OUTの電圧差がゼロであれば、オペアンプOPのオフセット電圧もゼロということになる。
図7は、オペアンプOPの内部構成を示す回路図である。
不平衡型オペアンプOPは、不平衡型差動増幅器31、バイアス回路32、出力回路33から構成され、PMOSトランジスタQ11,Q12、NMOSトランジスタQ13,Q14,Q16、抵抗体Ra,Rb、抵抗R3,R4、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUTを備え、直流電源VBGとアースとに接続されている。
不平衡型オペアンプOPは、不平衡型差動増幅器31、バイアス回路32、出力回路33から構成され、PMOSトランジスタQ11,Q12、NMOSトランジスタQ13,Q14,Q16、抵抗体Ra,Rb、抵抗R3,R4、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUTを備え、直流電源VBGとアースとに接続されている。
不平衡型差動増幅器31は、差動入力回路34および能動負荷回路35から構成されている。
差動入力回路34は各トランジスタQ11,Q12から構成され、各トランジスタQ11,Q12のソースは抵抗R3を介して直流電源VBGに接続されている。
差動入力回路34は各トランジスタQ11,Q12から構成され、各トランジスタQ11,Q12のソースは抵抗R3を介して直流電源VBGに接続されている。
トランジスタQ11のゲートは、差動入力回路34(オペアンプOP、不平衡型差動増幅器31)の反転入力端子として機能し、反転入力端子IN−に接続されている。
トランジスタQ12のゲートは、差動入力回路34(オペアンプOP、不平衡型差動増幅器31)の非反転入力端子として機能し、非反転入力端子IN+に接続されている。
トランジスタQ12のドレインは、差動入力回路34(不平衡型差動増幅器31)の出力端子として機能する。
位相補償用コンデンサCは、トランジスタQ12のドレインと出力端子OUTの間に接続されている。
トランジスタQ12のゲートは、差動入力回路34(オペアンプOP、不平衡型差動増幅器31)の非反転入力端子として機能し、非反転入力端子IN+に接続されている。
トランジスタQ12のドレインは、差動入力回路34(不平衡型差動増幅器31)の出力端子として機能する。
位相補償用コンデンサCは、トランジスタQ12のドレインと出力端子OUTの間に接続されている。
能動負荷回路35は、各トランジスタQ13,Q14および各抵抗体Ra,Rbから構成されている。
各トランジスタQ13,Q14は、ワイドラー型のカレントミラー回路を構成し、そのカレントミラー回路は差動入力回路34の能動負荷として機能する。
各トランジスタQ13,Q14は、ワイドラー型のカレントミラー回路を構成し、そのカレントミラー回路は差動入力回路34の能動負荷として機能する。
各トランジスタQ13,Q14のソースはそれぞれ抵抗体Ra,Rbを介してアースに接続され、カレントミラー回路の入力側トランジスタQ13のゲートは、カレントミラー回路の出力側トランジスタQ14のゲートに接続されている。
トランジスタQ13はゲートとドレインを接続したダイオード接続にされており、そのゲートおよびドレインはトランジスタQ11のドレインに接続されている。
トランジスタQ14のドレインは、トランジスタQ12のドレインに接続されている。
トランジスタQ13はゲートとドレインを接続したダイオード接続にされており、そのゲートおよびドレインはトランジスタQ11のドレインに接続されている。
トランジスタQ14のドレインは、トランジスタQ12のドレインに接続されている。
出力回路33は、トランジスタQ16および抵抗R4から構成されている。
トランジスタQ16と抵抗R4は、直流電源VBGとアースの間に直列接続されている。
トランジスタQ16のソースはアースに接続され、トランジスタQ16のドレインは抵抗R4を介して直流電源VBGに接続され、トランジスタQ16のゲートは各トランジスタQ12,14のドレインに接続されている。
尚、抵抗R4およびトランジスタQ16により、トランジスタQ16のソース接地回路が構成されている。
トランジスタQ16と抵抗R4は、直流電源VBGとアースの間に直列接続されている。
トランジスタQ16のソースはアースに接続され、トランジスタQ16のドレインは抵抗R4を介して直流電源VBGに接続され、トランジスタQ16のゲートは各トランジスタQ12,14のドレインに接続されている。
尚、抵抗R4およびトランジスタQ16により、トランジスタQ16のソース接地回路が構成されている。
トランジスタQ16のゲートは、出力回路33の入力端子として機能する。
トランジスタQ16のドレインは、出力回路33(オペアンプOP、不平衡型差動増幅器31)の出力端子として機能し、出力端子OUTに接続されている。
トランジスタQ16のドレインは、出力回路33(オペアンプOP、不平衡型差動増幅器31)の出力端子として機能し、出力端子OUTに接続されている。
バイアス回路32は、各抵抗R3,R4から構成されている。
抵抗R3は、各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能する。
抵抗R4は、トランジスタQ16のドレイン電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能すると共に、トランジスタQ16の負荷としても機能する。
抵抗R3は、各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能する。
抵抗R4は、トランジスタQ16のドレイン電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能すると共に、トランジスタQ16の負荷としても機能する。
第4実施形態では、ボルテージフォロワ回路30の出力端子OUTから出力される出力信号OUTの初期値が設定電圧値(狙い値)に対してプラス側またはマイナス側のいずれにある場合でも、各抵抗体Ra,Rbのレーザトリミングの完了後の最終的な出力信号OUTがプラスマイナスいずれかの側だけに分布することになる。
従って、第4実施形態によれば、出力信号OUTのバラツキ幅を小さくすることが可能であり、出力信号OUTを狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
従って、第4実施形態によれば、出力信号OUTのバラツキ幅を小さくすることが可能であり、出力信号OUTを狙い値に近づけて高精度化を図ることができる。
そして、各抵抗体Ra,Rbの抵抗値を調整することによりオペアンプOPのオフセット電圧が調整される。
そのため、第4実施形態によれば、オペアンプOPのオフセット電圧のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、オフセット電圧を狙い値であるゼロに近づけてオペアンプOPの高精度化を図ることができる。
そのため、第4実施形態によれば、オペアンプOPのオフセット電圧のバラツキ幅を小さくすることが可能であり、オフセット電圧を狙い値であるゼロに近づけてオペアンプOPの高精度化を図ることができる。
尚、第4実施形態のオペアンプOPはMOSトランジスタによって構成されているが、バイポーラトランジスタによって構成した場合でも同様の作用・効果が得られる。
10…定電圧生成回路
11…抵抗分圧回路
12…負帰還増幅回路
20…発振回路
30…ボルテージフォロワ
OP…オペアンプ
VBG…直流電源(直流電圧)
VOM…定電圧(出力端子)
CLK…発振信号(出力端子)
Ra,Rb…レーザトリミング用抵抗体
Vt…分圧電圧
Va…狙い値
Vp…初期値
Vx,Vy…一定電圧値
11…抵抗分圧回路
12…負帰還増幅回路
20…発振回路
30…ボルテージフォロワ
OP…オペアンプ
VBG…直流電源(直流電圧)
VOM…定電圧(出力端子)
CLK…発振信号(出力端子)
Ra,Rb…レーザトリミング用抵抗体
Vt…分圧電圧
Va…狙い値
Vp…初期値
Vx,Vy…一定電圧値
Claims (5)
- 第1抵抗体の抵抗値または第2抵抗体の抵抗値を調整することにより出力信号を調整して狙い値に近づける回路にて、前記各抵抗体をレーザトリミングすることにより当該抵抗体の抵抗値を増大させるレーザトリミング方法であって、
第1抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量は、第2抵抗体への1回のレーザ光の照射による前記出力信号の変化量よりも大きく設定されていることと、
前記各抵抗体の抵抗値を調整する以前の初期状態における出力信号の初期値が狙い値に対して第1の側にある場合には、第1抵抗体をレーザトリミングせず、第2抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了することと、
前記出力信号の初期値が狙い値に対して第2の側にある場合には、まず、第1抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第1抵抗体のレーザトリミングを完了し、次に、第2抵抗体をレーザトリミングする度に前記出力信号を一定量だけ変化させる操作を繰り返し行い、前記出力信号が狙い値を超えた時点で第2抵抗体のレーザトリミングを完了することと、
前記第1の側は、前記第2抵抗体のレーザトリミングにより前記初期状態の前記出力信号が狙い値に近づく側であることと、
前記第2の側は、前記第1抵抗体のレーザトリミングにより前記初期状態の前記出力信号が狙い値に近づく側であることと
を特徴とするレーザトリミング方法。 - 請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は、直列接続された第1抵抗体と第2抵抗体から構成され、前記各抵抗体の抵抗値比によって決定される分圧電圧を生成する抵抗分圧回路であることと、
前記出力信号は前記分圧電圧であることとを特徴とするレーザトリミング方法。 - 請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は入力電圧から定電圧を生成する定電圧生成回路であることと、
前記出力信号は前記定電圧であることと、
前記入力電圧は、直列接続された第1抵抗体と第2抵抗体の抵抗値比によって決定される分圧電圧であることと
を特徴とするレーザトリミング方法。 - 請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路は入力電圧に基づいた周波数の発振信号を生成する発振回路であることと、
前記出力信号は前記発振信号であることと、
前記入力電圧は、直列接続された第1抵抗体と第2抵抗体の抵抗値比によって決定される分圧電圧であることと
を特徴とするレーザトリミング方法。 - 請求項1に記載のレーザトリミング方法において、
前記回路はオペアンプによって構成されたボルテージフォロワ回路であることと、
前記出力信号は前記ボルテージフォロワ回路の出力信号であることと、
前記各抵抗体の抵抗値を調整することにより前記オペアンプのオフセット電圧が調整されることと
を特徴とするレーザトリミング方法。
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JP2008192068A JP2010034125A (ja) | 2008-07-25 | 2008-07-25 | レーザトリミング方法 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58182205A (ja) * | 1982-04-18 | 1983-10-25 | 日本ケミコン株式会社 | 抵抗調整方法 |
JPH02148801A (ja) * | 1988-11-30 | 1990-06-07 | Taiyo Yuden Co Ltd | 膜状抵抗体及びそのトリミング方法 |
JPH07212139A (ja) * | 1994-01-26 | 1995-08-11 | Matsushita Electric Works Ltd | センサ用検出回路 |
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JP2007251376A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-09-27 | Ricoh Co Ltd | 発振回路 |
-
2008
- 2008-07-25 JP JP2008192068A patent/JP2010034125A/ja active Pending
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