JP2010033807A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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修 井上
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洋 浅野
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Kojiro Okuyama
浩二郎 奥山
Seigo Shiraishi
誠吾 白石
Yukihiro Morita
幸弘 森田
Kyohei Yoshino
恭平 吉野
Masanori Miura
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Abstract

【課題】プラズマディスプレイパネルの駆動電圧を低下させる。
【解決手段】少なくとも、Ca、Srより選ばれた一種類以上と、Sbと、O(酸素)を主成分とする化合物を、電子放出材料として用いて、プラズマディスプレイパネルを構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下PDPと略す)は、薄型ディスプレイパネルの中で、大型化が容易、高速表示が可能、低コストといった特徴から、実用化され、急速に普及している。
現在実用化されている一般的なPDPの構造は、それぞれ前面側と背面側となる、2枚の対向するガラス基板に、それぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、これらの電極を被覆するように低融点ガラス等の誘電体層を設ける。背面基板の誘電体層上には蛍光体層を設け、前面基板の誘電体層上には、誘電体層をイオン衝撃に対して保護し、かつ2次電子放出を目的とした保護層として、MgO層が設けられる。そして2枚の基板間にNe、Xe等の不活性ガスを主体とするガスを封入し、電極間に電圧を印加して放電を発生させることにより蛍光体を発光させて表示を行う。
PDPにおいては、高効率化が強く要求されており、その手段としては、誘電体層を低誘電率化する方法や、放電ガスのXe分圧を上げる方法が知られている。しかしながら、このような手段を用いると、放電開始電圧や維持電圧が上昇してしまうという問題点があった。
一方、保護層に用いる材料として、2次電子放出係数の高い材料を用いれば、放電開始電圧や維持電圧を下げる事が可能である事が知られており、高効率化や、耐圧の低い素子を用いる事による低コスト化が実現可能となる。このため、MgOの変わりに、同じアルカリ土類金属酸化物であるが、より2次電子放出係数の高い、CaO、SrO、BaOを用いたり、これら同士の固溶体を用いる事が検討されている(特許文献1及び2など)。
特開昭52−63663号公報 特開2007−95436号公報
しかしながら、CaO、SrO、BaOなどは、MgOに比べて化学的に不安定であり、空気中の水分や炭酸ガスと容易に反応して、水酸化物や炭酸化物を形成する。このような化合物を形成すると、2次電子放出係数が低下して、期待した低電圧化が得られなかったり、あるいは電圧低下に必要とされるエージング時間が非常に長くなってしまい、実用的ではなくなるといった問題点があった。
こうした化学反応による劣化は、実験室レベルで少量を作製する場合には、作業の雰囲気ガスを制御するといった方法で回避可能であるが、製造工場での全ての工程を雰囲気管理するのは困難であり、また可能であっても高コスト化につながる。このため、従来より2次電子放出係数の高い材料の使用が検討されてきたにもかかわらず、未だに実用化されているのはMgOのみであり、充分な低電圧化や高効率化が実現されていなかった。
本発明は、少なくとも、Ca、Sr、Baより選ばれた一種類以上と、Sbと、O(酸素)を主成分とする化合物を、電子放出材料として用いことを特徴とする、プラズマディスプレイパネルである。
前記化合物は、Ca、Sr、Baの一種類以上とSbを特定の比率で含む結晶性酸化物が望ましい。
Ca、Sr、Baより選ばれた一種類以上と、Sbと、Oを主成分とする化合物は、放電空間に臨むように配設することもできる。
本発明によれば、化学的に安定化された、2次電子放出係数の高い化合物を用いる事により、駆動電圧の低いプラズマディスプレイパネルを提供できる。
発明者等は、詳細な検討の結果、2次電子放出効率は高いが化学的に不安定なCaO、SrO、BaOに、SbまたはSbあるいはその両者を反応させ、Ca、Sr、Baのいずれか一種類以上とSbとOを含む化合物とする事により、2次電子放出効率を低下させずに化学的な安定性を高めることが出来、これを用いる事により、MgOを用いた場合よりも駆動電圧が低下したPDPが得られることを見出した。
Ca、Sr、Baいずれか一種類以上とSbとOを主成分とする化合物としては、これらを含むアモルファス状態のものでもかまわない。しかし、より安定性を高めるためには、結晶性化合物が望ましい。結晶性化合物としては、CaSb、SrSb、CaSb、SrSb、SrSb、CaSb、SrSb、BaSb、CaSb、SrSb、BaMgSbなどが挙げられる。
これらの中で、一般に2次電子放出効率は、Sbの平均価数が低いもの、すなわちSb5+よりもSb4+、Sb4+よりもSb3+となるほうが高くなる傾向があるが、価数が低いものは、合成時に非酸化雰囲気で合成する必要性があり、また酸素存在下における熱的安定性(耐酸化性)は、価数が高いものほど高い。
また2次電子放出係数は、CaOよりもSrOを、SrOよりもBaOを含むもののほうが高く、また、同じBaOを含むものであれば、その含有量が多い方が高くなる傾向がある。しかしながら、化学的安定性はその逆の順序になる傾向がある。
必要とされる化学的安定性や熱的安定性(耐酸化性)は、実際に製造を行う工程条件により様々であるので、一概にどの化合物が最も良いと決めることは難しいが、SrSbやSrSbは、二次電子放出係数が大きく、それでいて化学的安定性、熱的安定性も比較的優れているので、望ましい。
Ca、Sr、Baのいずれか一種類以上とSbとOを主成分とする化合物を合成する方法としては、その形態として、固相法、液相法、気相法が挙げられる。
固相法は、それぞれの金属を含む原料粉末(金属酸化物、金属炭酸塩等)を混合し、ある程度以上の温度で熱処理して反応させる方法である。
液相法は、それぞれの金属を含む溶液を作り、これより固相を沈殿させたり、あるいは基板上にこの溶液を塗布後、乾燥し、ある程度以上の温度で熱処理等を行って固相とする方法である。
気相法は、蒸着、スパッタリング、CVD等の方法によって膜状の固相を得る方法である。気相法によれば、上述した、Ca、Sr、BaとSbが特定の比率となる結晶性酸化物以外にも、Ca、Sr、Baより選ばれた一種類以上と、SbとO(酸素)を主成分とするアモルファス状態の化合物を得ることも出来る。このアモルファス状態の膜も、CaO、SrO、BaOと比較すれば化学的により安定であり、かつMgOよりも高い二次電子放出効率を持つため、PDPの駆動電圧を低減する事が出来る。しかしながら、化学的安定性は結晶性化合物の方が高く、また合成法として、気相法は固相法等よりも高コストとなるため、結晶性化合物の方が、より望ましい。
次に、これらの化合物をPDPパネルのどの部分に形成するかについては、一般的には、前面板の電極を覆う誘電体層の上に形成すれば良い。しかしながら、他の部位、例えば蛍光体部やリブ表面等の位置に形成しても、放電空間に面した位置であれば、形成しないものに比べて、駆動電圧低下の効果は認められる。
次に、これらの化合物の形態については、例えば前面板の電極を覆う誘電体層の上に形成する場合を考えると、誘電体層の上に通常保護膜として形成されるMgO膜のかわりに、これらの化合物の膜を形成したり、これらの粉末を散布する、あるいはMgO膜を形成したさらに上に、これらの化合物の膜を形成したり、これらの化合物の粉末を散布する、といった方法をとれば良い。粉末で用いる場合の粒子径は、0.1μm〜10μm程度の範囲内で、セルサイズ等にあわせて選択すれば良い。
また、CaやSrのサイトは、同じ2価のMgやBa、3価のLa、1価のK等で部分的に置換可能であり、Sbのサイトも3価のIn、5価のNb等で部分置換可能であるが、主成分が、Ca、Sr、Baから選ばれた1種類以上とSbとOでありさえすれば、これらの少量の置換は、本発明の化合物の特性(化学的に安定かつ二次電子放出効率が高い)を本質的に損なうものでない限り、かまわない。
ここで、主成分とは、他の元素で置換されても特性が発現されるのに必要な組成範囲であって、一概に決める事は難しいが、おおよその範囲としては、陽イオン元素の合計元素比で8割以上、より望ましくは9割以上が、Ca、Srから選ばれた1種類以上とSnとSbであれば良い。
次に、本発明のPDPの具体例を図を用いて説明する。本発明によるPDPの一例を図1および2に示す。図1は、当該PDP100の分解斜視図である。図2は、当該PDP100の縦断面図(図1、I−I線断面図)である。図1および2に示すように、PDP100は、前面パネル1と背面パネル8とを有している。前面パネル1と背面パネル8との間には、放電空間14が形成されている。このPDPは、AC面放電型であって、保護層が上述した化合物で形成されている以外は従来例にかかるPDPと同様の構成を有する。
前面板1は、前面ガラス基板2と、その内側面(放電空間14に臨む面)に形成された透明導電膜3およびバス電極4からなる表示電極5と、表示電極5を覆うように形成された誘電体層6と、誘電体層6上に形成された保護層7とを備えている。表示電極5は、ITOまたは酸化スズからなる透明導電膜3に、良好な導電性を確保するためAg等からなるバス電極4が積層されて形成されている。
背面板8は、背面ガラス基板9と、その片面に形成したアドレス電極10と、アドレス電極10を覆うように形成された誘電体層11と、誘電体層11の上面に設けられた隔壁12と、隔壁12の間に形成された蛍光体層とを備えている。蛍光体層は、赤色蛍光体層13(R)、緑色蛍光体層13(G)および青色蛍光体層13(B)がこの順に配列するように形成される。
上記蛍光体層を構成する蛍光体としては、例えば、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu、緑色蛍光体としてZnSiO:Mn、赤色蛍光体としてY:Euを用いることができる。
前面板1および背面板8は、表示電極5とアドレス電極10の各々の長手方向が互いに直交し、かつ互いに対向するように配置し、封着部材(図示せず)を用いて接合される。
放電空間14には、He、Xe、Ne等の希ガス成分からなる放電ガスが封入されている。
表示電極5とアドレス電極10は、それぞれ外部の駆動回路(図示せず)と接続され、駆動回路から印加される電圧によって放電空間14で放電が発生し、放電に伴って発生する短波長(波長147nm)の紫外線で蛍光体層13が励起されて可視光を発光する。保護層7に、上述した化合物が使用される。
本発明によるPDPの他の一例を、図3および4に示す。図3は、当該PDP200の分解斜視図である。図4は、当該PDP200の縦断面図(図3、I−I線断面図)である。PDP200は、保護層7がMgOからなり、上述した化合物20が保護層7上に粒子の形態で配置されていること以外は、PDP100と同様の構造を有する。PDP200においても、化合物20は、放電空間14に面している。
次に、保護層7に、従来のMgO膜を用い、その上に、上述した化合物粉末を散布した場合のPDPパネルの作製方法について、一例を挙げて説明する。まず、前面板を作製する。平坦な前面ガラス基板の一主面に、複数のライン状の透明電極を形成する。引き続き、透明電極上に銀ペーストを塗布した後、前面ガラス基板全体を加熱することによって、銀ペーストを焼成し、表示電極を形成する。
表示電極を覆うように、前面ガラス基板の上記主面に本発明のPDPにおける誘電体層用ガラスを含むガラスペーストをブレードコーター法によって塗布する。その後、前面ガラス基板全体を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、次いで、580℃前後の温度で10分間焼成を行う。
誘電体層上に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって成膜し、焼成を行い、保護層を形成する。この時の焼成温度は500℃前後である。
MgO層上に、エチルセルロース等のビヒクルに粉末状の本発明の化合物を混合し、ペースト状としたものを印刷法等により塗布し、乾燥し、500℃前後の温度で焼成して、散布層を形成する。
次に背面板を作製する。平坦な背面ガラス基板の一主面に、銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、背面ガラス基板全体を加熱して銀ペーストを焼成することによって、アドレス電極を形成する。
隣り合うアドレス電極の間にガラスペーストを塗布し、背面ガラス基板全体を加熱してガラスペーストを焼成することによって、隔壁を形成する。
隣り合う隔壁同士の間に、R、G、B各色の蛍光体インクを塗布し、背面ガラス基板を約500℃に加熱して上記蛍光体インクを焼成することによって、蛍光体インク内の樹脂
成分(バインダー)等を除去して蛍光体層を形成する。
こうして得た前面板と背面板とを封着ガラスを用いて貼り合わせる。この時の温度は500℃前後である。その後、封止された内部を高真空排気した後、希ガスを封入する。以上のようにしてPDPが得られる。
なお、上述したPDPおよびその製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
MgO保護層のかわりに、上述した化合物を薄膜として形成する場合、MgOと同様に、電子ビーム蒸着等の、通常の薄膜プロセスを適宜用いれば良い。また、化合物粉末をビヒクルや溶媒等と混合して、比較的化合物粉末含有率の高いペースト状とし、これを印刷法等の方法で薄く広げた後、焼成して薄膜状、あるいは厚膜状としても良い。
一方、化合物粉末を散布する場合は、比較的化合物粉末含有率の低いペーストを用意して印刷法を用いたり、溶媒に粉末を分散させて散布したり、スピンコーター等を用いたりすれば良い。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
[結晶性化合物]
本実施例では、CaO、SrO、BaOにとSbやSbを固相粉末法により反応させて、結晶性化合物を合成した場合の、化学的安定性の改善効果を示す。
出発原料として、試薬特級以上のCaCO、SrCO、BaCOおよびSb3、Sbを用いた。これらの原料を、各金属イオンのモル比が、表1に示すようになるように秤量し、ボールミルを用いて湿式混合した後、乾燥し、混合粉末を得た。ただし、No.4、5は出発原料であるSnO、Sbそのものであるので、特に混合処理等は行わず、次の焼成も行わなかった。
これらの混合粉末をアルミナ坩堝に入れ、電気炉にて、SbがSbのみのものは窒素中で、その他のものは空気中で900〜1100℃で2時間焼成した。得られた粉末の平均粒径を測定した。粒径の大きいものについては、エタノールを溶媒に用いて湿式ボールミル粉砕した。いずれの組成においても、平均粒径約3μmとした。粉砕粉末の一部をX線回折法を用いて分析し、生成相を同定した。
次に粉砕粉末の一部を秤量し、吸湿性のない多孔質のセルに充填し、このセルを温度35℃湿度60%空気中の恒温恒湿槽に入れて12時間放置し、放置後再度重量を測定し、重量増加率を測定した。その後、さらに温度65℃湿度80%空気中の恒温恒湿槽に入れて12時間放置し、放置後再度重量を測定し、重量増加率(積算値)を算出した。この重量増加率が低いほど、化合物が、化学的な安定性に優れていることを意味する。一部の試料に対しては、恒温恒湿槽処理後のX線回折測定も行った。また比較のため、試料No.17として、MgOの粉末を用いて、同様の重量増加率を測定した。
Figure 2010033807

表1において、生成相のX線回折による分析では、Sbの存在しないNo.1〜3の内、No.1はCaOの生成が認められたが、No.2はSrOに一部Sr(OH)が混在しており、No.3はBaO自体は観察されず、Ba(OH)とBaCOの混合物であった。これは、CaOよりSrO、SrOよりBaOとなるほど化学的に不安定となるために、焼成後の冷却中に空気中の水分や炭酸ガスと反応し、水酸化物や炭酸塩となったものと考えられる。No.3では、既にBaOが存在しなかったので最も不安定である事は明白であり、恒温恒湿槽での重量増加率測定は行わなかった。一方、No.4〜11については、それぞれ目的の化合物の生成が認められた。
次に恒温恒湿処理における重量増加率測定では、No.1、2のCaOやSrOでは、35℃60%12h放置でも増加率が非常に大きく、処理後の試料のX線回折では、酸化物の回折ピークは消失し、水酸化物と炭酸塩の生成が認められた。従って、これらが不安定である事は明白であり、65℃80%12hの追加条件は行わなかった。一方、CaやSrを全く含まないNo.4、5は、全く重量増加を示さず、安定であった。
これらに対してNo.6〜16は、CaやSr、Baを一部含むにもかかわらず、No.1、2、3より安定であり、特にNo.6、7、10〜13は比較例であるNo.17のMgOと比べても重量増加率が小さくなっており、処理後のX線回折でも、それぞれの回折ピークのみが認められ、化合物形成による安定化効果が確認出来た。
[PDP]
本実施例では、本発明の化学的安定性が改善された化合物を用いたPDPについて示す。厚さ約2.8mmの平坦なソーダライムガラスからなる前面ガラス基板を用意した。この前面ガラス基板の面上に、ITO(透明電極)の材料を所定のパターンで塗布し、乾燥した。次いで、銀粉末と有機ビヒクルとの混合物である銀ペーストをライン状に複数本塗
布した後、上記前面ガラス基板を加熱することにより、上記銀ペーストを焼成して表示電極を形成した。
表示電極を作製したフロントパネルに、ガラスペーストをブレードコーター法を用いて塗布し、90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、585℃の温度で10分間焼成することによって、厚さ約30μmの誘電体層を形成した。
上記誘電体層上に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって蒸着した後、500℃で焼成することによって保護層を形成した。
次に、比較例であるNo.1〜5と、Sbが3価となる化合物の代表としてNo.7、Sbが4価となる化合物としてNo.10、Sbが5価となる化合物の代表としてNo.15の粉末約3重量部を、エチルセルロース系のビヒクル100重量部と混合し、3本ロールを通してペーストとし、印刷法により、MgO層上に薄く塗布し、90℃で乾燥させた後、500℃、空気中で焼成した。この際、ペーストの濃度調整によって、焼成後のMgO膜が粉末によって被覆される面積割合を10%程度とした。比較のため、ペースト印刷を行わないものも作製した。
一方、以下の方法で背面板を作製した。まず、ソーダライムガラスからなる背面ガラス基板上にスクリーン印刷によって銀を主体とするアドレス電極をストライプ状に形成し、引き続き、前面板と同様の方法で、厚さ約8μmの誘電体層を形成した。
次に、誘電体層上に、隣り合うアドレス電極の間に、ガラスペーストを用いて隔壁を形成した。隔壁は、スクリーン印刷および焼成を繰り返すことによって形成した。
引き続き、隔壁の壁面と隔壁間で露出している誘電体層の表面に、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体ペーストを塗布し、乾燥および焼成して蛍光体層を作製した。
作製した前面板、背面板を封着ガラスを用いて500℃で貼り合わせた。そして、放電空間の内部を排気した後、放電ガスとしてXeを封入し、PDPを作製した。
作製したパネルを駆動回路に接続して発光させ、放電維持電圧を測定したところ、No.1、2、3の粉末を散布した場合は、MgO薄膜のみの場合と比較して、ほぼ同じ電圧であった。これは、ペースト印刷によって、CaOやSrO粒子の表面がCaCOやSrCOに変化してしまい、本来は高いはずの二次電子放出効率が低下してしまったためと考えられる。
次にNo.4、5の粉末を散布したものでは、初期には発光したものの、放電維持電圧が時間経過とともに急激に上昇し、発光させる事が不可能となった。この理由は明らかではないが、SbやSb自体には、PDPパネルの動作電圧を低下させる効果は全く認められなかった。
これらに対して、No.7、10、15の粉末を散布した場合、放電維持電圧は、下地MgO膜のみの場合と比較して、それぞれ9、7、4%低下し、本発明の化合物形成によって安定性が向上し、高い二次電子放出効率を維持するという改善効果を確認する事が出来た。
本発明は、放電特性が改善されたプラズマディスプレイパネルを提供できる。
本発明によるPDPの一例について説明するための分解斜視図 図1に示したPDPの縦断面図 本発明によるPDPの他の一例について説明するための分解斜視図 図3に示したPDPの縦断面図
符号の説明
1 前面板
2 前面ガラス基板
3 透明導電膜
4 バス電極
5 表示電極
6 誘電体層
7 保護層
8 背面板
9 背面ガラス基板
10 アドレス電極
11 誘電体層
12 隔壁
13 蛍光体層
14 放電空間
20 化合物

Claims (11)

  1. 少なくとも、Ca、Sr、Baより選ばれた一種類以上と、Sbと、O(酸素)を主成分とする化合物を、電子放出材料として用いた
    プラズマディスプレイパネル。
  2. 少なくとも、Ca、Sr、Baより選ばれた一種類以上と、Sbと、O(酸素)を主成分とする化合物は、放電空間に臨むように配設されている
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 少なくとも、Ca、Sr、Baより選ばれた一種類以上と、Sbと、O(酸素)を主成分とする化合物が、Ca、Sr、Baの一種類以上とSbとOが特定の比率で化合物を形成した結晶性物質である
    請求項1または2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 少なくとも、Ca、Sr、Baより選ばれた一種類以上と、Sbと、O(酸素)を主成分とする化合物が、
    CaSbまたはSrSbあるいはこれらの固溶体、
    CaSbまたはSrSbあるいはこれらの固溶体、
    SrSb
    CaSbまたはSrSbまたはBaSbあるいはこれらの固溶体、
    CaSbまたはSrSbあるいはこれらの固溶体、
    BaMgSb
    のいずれか一種類以上である
    請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 第1のパネルと第2のパネルとを含み、前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間に放電空間が形成されているプラズマディスプレイパネルであって、
    前記第1のパネルは、基板と、前記基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極を覆う第1の誘電体層とを含み、
    前記第2のパネルは、基板と、前記基板上に形成された第2の電極と、前記第2の電極を覆う第2の誘電体層と、蛍光体層とを含み、
    前記放電空間に面するように、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物が配置されている
    プラズマディスプレイパネル。
  6. 前記化合物が、粒子および膜から選ばれる少なくとも1つの形態で配置されている
    請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記第1のパネルおよび第2のパネルから選ばれる少なくとも1つのパネル上に、前記化合物が形成されている
    請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記第1の誘電体層上に保護層が形成されている
    請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記保護層がMgOからなる
    請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記化合物が前記保護層上に配置されている
    請求項8または9に記載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 前記保護層が前記化合物を含んでいる
    請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。
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