JP2010033205A - 蓄光式避難誘導標識及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蓄光顔料が多く存在する谷部と蓄光顔料が殆ど存在しない山部とを備えた蓄光シートと、前記蓄光シートの一方の側面側に設けた光源部とを有し、前記光源部からの光が、前記蓄光シートの山部を通過すことにより、標識が認識出来ると共に、前記光源部からの光が消えた後は、前記蓄光シートの谷部から発する光により、標識を認識出来る様にしたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
このうち、内照式標識は現行の建物の非常口の表示として数多く使用されている。
具体的には、図3及び図4に示す構造を備えており、正面の表示板300は、半透明のアクリル板やポリカーボネート板を使用しており、避難誘導情報の文字や図形が施されている。
そして、災害やトラブル等で電気が停電した場合に、器具400内に内蔵したバッテリー(図示せず)に蓄えた電力で光源部200の灯りを燈す構造と成っている。
しかし、このバッテリーの蓄電量では、20分程度灯りを燈すのが限界であった。
このため、大型の建築物や地下鉄など、避難に20分以上かかる場所での使用には適していなかった。
この種通常の蓄光式避難誘導標識は、JIS Z9107(安全標識板)の蓄光式標識板に記載されているように透明保護層、デザイン表示、蓄光層、白色反射層の構造となっている。
すなわち、蓄光式標識は、蓄光顔料入り蓄光層100の裏面側を接着剤(アクリル系接着剤)で白色アクリル板を接着した白色反射層500と、表面側に意匠600を印刷した透明保護層700を接着した構成を備えている。
しかし、この種蓄光式標識は、図3及び図4に示した内照式標識の表示板300と取り替えて使用することが出来なかった。
このため、従来の内照式標識を全て取り払い、全く新たに蓄光式標識を設けなければならず、コストが嵩むという問題を惹起した。
請求項1記載の発明の蓄光式避難誘導標識によれば、従来の内照式標識と互換性を備えると共に、標識部を設けることなく、谷部形状により標識を認識することが出来、停電から20分以上避難誘導の機能を失うことが無い。
請求項2記載の発明の蓄光式避難誘導標識によれば、標識部のみを変えることにより、各種の要求に適合した標識機能を発揮出来る。
請求項4記載の発明の蓄光式避難誘導標識によれば、たとえ少量の蓄光顔料が存在したとしても、光源部からの光の透過をより良く確保できる。
請求項6記載の発明の蓄光式避難誘導標識によれば、製造コストを低く抑えることが出来る。
請求項8記載の発明の蓄光式避難誘導標識の製造方法によれば、殆どの蓄光顔料が溝部に収まった製品を容易に製造することが出来る。
請求項10記載の発明の蓄光式避難誘導標識の製造方法によれば、標識部を改めて設けることなく、標識を認識することが出来る。
図1及び図2に基づき発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施例に係る蓄光式避難誘導標識を示す正面図である。
図2は、図1のA−A断面図である。
本発明に係る蓄光式避難誘導標識は、蓄光顔料13が多く存在する谷部14と、蓄光顔料13が殆ど存在しない山部15とを備えた蓄光シート1とを備えている。
そして、器具4内に配置された光源部2である蛍光灯の光は、蓄光シート1の谷部14で遮断され、山部15を通過する。
このため、谷部14若しくは山部15の形状を標識として認識出来る形状にしておくことにより、標識部を改めて設けなくても、避難誘導標識としての機能を発揮するものである。
また、光源部2からの光が消えた後は、蓄光シート1の谷部14に存在する蓄光顔料から発する光により標識を認識出来る構成となっている。
この場合は、前記光源部2からの光が山部15を通過することにより、光源部2の光が消えた後は、谷部14に存在する蓄光顔料13が発する光により、標識部3の標識を認識出来る。
そして、本実施例のウレタン材は、注型ウレタン材であり、プレポリマーと言われる反応基(−NCO)を持つ主材と硬化剤(アミン系)とが反応してポリウレタンになるものである。
この蓄光顔料13の、透明ポリウレタン材への練り込み量は、最大で、蓄光顔料13の全量が、谷部14に収まる量である。
このことにより、蓄光シート1の谷部14以外には、ほとんど蓄光顔料13が存在せず、透明性が確保される。
このことにより、たとえ少量の蓄光顔料13が存在しても、蛍光灯の光を良く透過させ、標識部の認識を確かなものとすることが出来る。
また、蓄光シート1は、まず蓄光顔料13を含む透明熱硬化性樹脂を、外周部に溝部を形成した遠心成形型に投入し、加熱しながら遠心成形する。
この様に製作することにより、透明熱硬化性樹脂に比べ比重の大きい蓄光顔料13は、その大半が、外周側に設けた溝部内に偏って存在する。
また、直接印刷しない場合は、透明保護フィルムであるPETフィルム(ポリエチレンテレフタレート)に標識を印刷したものを、蓄光シート1の他方の側面に貼り付けて、標識部3とする態様としても良い。
ガラスビーズを添加することにより、蓄光シート1における光の透過性が更に良くなり、標識の良好な視覚性が確保される。
また、蓄光顔料の平均粒径は、50〜250μmのものが好ましく、特に100μm以上の高輝度仕様であることが望ましい。
以下、蓄光式避難誘導標識の製造方法について具体的に説明する。
熱硬化樹脂である無黄変ポリウレタンプレポリマー100部と、アミン系硬化剤 10部と、蓄光顔料(平均径30μm)20部とを混合し攪拌して得られた混合物を遠心成形機に投入して、温度110℃、回転数1000rpmの条件で20分間遠心成形を行う。
この遠心成形機の成形型は、その外周面に溝部が形成されている。
このことにより、無黄変ポリウレタンプレポリマーが硬化する前に、無黄変ポリウレタンプレポリマーよりも比重の大きい蓄光顔料は、その大半が溝部内に移動する。
この様な状態で、無黄変ポリウレタンプレポリマーは硬化し、蓄光シート1を遠心成形機の成形型から取り出す。
また、遠心成形機の回転数は、600〜1500rpm、好ましくは800〜1200rpmである。
また、型温度は、60〜150℃の範囲が好ましい。
工程1で遠心成形機の成形型から取り出した後、温度100℃で、12時間熱処理を行うことにより、シート状の蓄光シート1を得る。
工程2で完成した蓄光シート1を、図2に示す様に、蛍光灯を使用した光源部2を内蔵した器具4の一側面に取付けることにより、蓄光式避難誘導標識が完成する。
2 光源部
3 標識部
4 器具
13 蓄光顔料
14 谷部
15 山部
Claims (10)
- 蓄光顔料(13)が多く存在する谷部(14)と蓄光顔料(13)が殆ど存在しない山部(15)とを備えた蓄光シート(1)と、前記蓄光シート(1)の一方の側面側に設けた光源部(2)とを有し、前記光源部(2)からの光が、前記蓄光シート(1)の山部(15)を通過すことにより、標識が認識出来ると共に、前記光源部(2)からの光が消えた後は、前記蓄光シート(1)の谷部(14)から発する光により、標識を認識出来る様にしたことを特徴とする蓄光式避難誘導標識。
- 前記蓄光シート(1)の他方の側面側に標識部(3)を設け、通常は、前記光源部(2)からの光が前記山部(15)を通過することにより、前記光源部(2)の光が消えた後は、前記谷部(14)に存在する蓄光顔料(13)が発する光により前記標識部(3)の標識を認識出来る様にしたことを特徴とする請求項1記載の蓄光式避難誘導標識。
- 前記蓄光シート(1)が、透明ポリウレタン材に蓄光顔料(13)を練り込んだものであることを特徴とする請求項1または2記載の蓄光式避難誘導標識。
- 前記蓄光顔料(13)の粒径が、100μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄光式避難誘導標識。
- 前記標識部(3)が、PETフィルム印刷されたものであることを特徴とする請求項2に記載の蓄光式避難誘導標識。
- 前記標識部(3)が、前記蓄光シート(1)の他方の側面に直接印刷したものであることを特徴とする請求項2に記載の蓄光式避難誘導標識。
- 前記蓄光シート(1)にガラスビーズが添加されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄光式避難誘導標識。
- 透明熱硬化性樹脂に蓄光顔料(13)を混合した混合物を、外周側に溝部を形成した遠心成形型に投入し、加熱しながら遠心成形する工程と、この工程により作成された蓄光シート(1)を、光源部(2)を備えた器具(4)の一側面に取付ける工程とを含む蓄光式避難誘導標識の製造方法。
- 前記蓄光顔料(13)の前記透明熱硬化性樹脂への練り込み量は、最大で、前記蓄光顔料(13)が、前記溝部内に収まる量であることを特徴とする請求項8記載の蓄光式避難誘導標識の製造方法。
- 前記遠心成形型に形成した前記溝部の形状が、標識を認識出来る形状に形付けられていることを特徴とする請求項8または9記載の蓄光式避難誘導標識の製造方法。
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