JP2010032074A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】通過する冷却用空気の温度差に起因するチューブの歪みの発生を抑制することができる熱交換器を提供する。
【解決手段】ラジエータ1は、隣接するチューブ6間を通過する冷却用空気の温度が異なる高温領域18と低温領域19とを有するエンジンルーム内に設けられる。ラジエータは、一対のタンク4,5と、積層方向Zに並んで配置される複数のチューブ6とを含む。左ヘッダタンク4には、冷却水をタンク内空間11内に流入させる流入口12が形成される。流入口12から流入した冷却水が左ヘッダタンク4の内壁に衝突する部位には、スロープ20が形成される。スロープ20は、高温領域18に配置されるチューブ6内を流れる冷却水の流量が少なくなるように、冷却水を低温領域19に案内する。
【選択図】図2

Description

本発明は、たとえばエンジン冷却用のラジエータに用いられる熱交換器に関する。
従来のラジエータでは、並列した複数のチューブと、チューブの両端部が接続されるチューブプレートと、チューブプレートに対して開口縁が接合される一対のタンクを有する。一方の入口タンクには、内部流体流入用のパイプが外面に突出するように設けられる。パイプは、入口タンクの長さ方向の中心からずれた位置に設けられる(たとえば特許文献1参照)。
特開2007−101158号公報
冷却用空気の流通方向に沿って、冷却対象の異なる複数の熱交換器が並列される場合、下流側に位置する熱交換器を通過する冷却用空気に温度差が生じるときがある。たとえば下流側にラジエータがあり、上流側にATオイルクーラとコンデンサとで構成される複式の熱交換器があると、外気温が極めて低い時、ATオイルクーラとコンデンサとの放熱量差によって、ATオイルクーラを通過した冷却用空気は、コンデンサを通過した冷却用空気より高温となる。したがってラジエータを通過する冷却用空気に大きな温度差が生じる。これによってラジエータにおいて冷却用空気の温度の高い部分は、ラジエータ内の冷却水の粘性が低下して、冷却水はその部分を優先的に流れる。また温度差に起因して、温度の境界部分のチューブには熱応力が発生する。したがって冷却水の粘性に差が生じる境界部分においてチューブに過大な熱歪みが発生するという問題がある。
また前述の従来のラジエータでは、パイプおよび入口タンクには、流入した流体を長さ方向に分断する分断板が設けられる。これによってパイプの付近を境として長さ方向に二分した入口タンクの容積の大きい方に、より多くの内部流体を誘導することができるが、このラジエータには前述のような温度差が生じた場合にどのように内部流体を分断するかは開示されていない。したがって従来のラジエータでは、単に入口タンクの容積に基づいて内部流体を分断しているだけであり、前述の問題点を解決することができない。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、通過する冷却用空気の温度差に起因するチューブの歪みの発生を抑制することができる熱交換器を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
本発明は、内部を流体が流れ、積層配置される複数本のチューブ(6)と、
隣接するチューブの間に設けられ、冷却用空気が通過する空気通路と、
チューブの積層方向(Z)に延設され、チューブの長さ方向(X)の両端部が接続される一対のタンク(4,5)と、
一方のタンク(4)に形成され、積層方向および長さ方向に対して交差する方向(Y)に、流体を一方のタンクの内部空間内に流入させる流入口と、
流入口から流入した流体が一方のタンクの内壁(23)に衝突する部位に設けられ、流入口側に内壁よりも突出し、流体が積層方向に流れるように案内する案内部(20)とを有し、
空気通路に流入する冷却用空気の温度が異なる領域を有するように設置空間に配される熱交換器であって、
複数の領域のうち、他の領域に比べて空気通路に流入する冷却用空気の温度が高い高温領域(18)に配置されるチューブ内を流れる流体の流量が少なくなるように、案内部は流体を案内することを特徴とする熱交換器である。
本発明に従えば、一方のタンクには、流体が積層方向に流れるように案内する案内部が設けられるので、一方のタンクの積層方向に流れる流量を調節することができる。これによって一方のタンクに端部が連通する複数のチューブに流れ込む流量も、積層方向に関して調節することができる。本発明では案内部は、高温領域に配置されるチューブ内を流れる流体の流量が少なくなるように、一方のタンク内の流体を案内する。したがって高温領域に配置されたチューブに流れる流量は、案内部が設けられていない場合に比べて減少する。換言すると、高温領域のチューブに流体が集中することを防ぐことができる。これによって高温領域にて流体の粘性が低下することによって、高温領域に配置されるチューブに流体が優先的に流れ込むことを防止することができる。したがって高温領域と他の領域と温度差に起因してチューブに歪みが発生することを抑制することができる。
また本発明は、高温領域は、一方のタンクの積層方向一端部から予め定める境界部(17)までであり、
流入口は、一方のタンクの積層方向一端部に形成され、
案内部は、衝突する部位から境界部に向かって、内部空間の断面積が徐々に大きくなるように設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、案内部は、境界部に向かって内部空間の断面積が徐々に大きくなるように設けられる。したがって案内部によって案内される流体の積層方向他端部に向かう速さは、積層方向一端部から境界部に向かうにつれて徐々に小さくなる。このように高温領域では、案内部によって一方のタンク内の流体の速さが大きくなるので、高温領域に配置されるチューブに流体が優先的に流れ込むことを確実に防止することができる。
さらに本発明は、案内部の積層方向他端部(20b)は、境界部を越える位置であることを特徴とする。
本発明に従えば、案内部は、積層方向一端部から境界部を越える位置まで設けられるので、高温領域に配置されるチューブに流体が優先的に流れることを確実に防止することができる。
さらに本発明は、複数のチューブよりも冷却用空気の流通方向上流側であって、積層方向一端部から境界部までには車両用のオイルクーラ(16)が設けられ、境界部から積層方向他端部までには車両用冷凍サイクル装置の冷媒を凝縮液化する冷媒凝縮器(15)が設けられ、
流体は、車両に搭載された機器を冷却する冷却水であることを特徴とする。
本発明に従えば、特に外気温が低い場合、車両用のオイルクーラを通過した冷却用空気は、冷媒凝縮器を通過した冷却用空気より高温であるので、オイルクーラの下流側は高温領域となる。また流入口から流入する流体は冷却水であるので、外気温が極めて低い時など温度差による粘性の差異によって境界部のチューブに歪みが発生しやすいが、前述のような案内部が設けられるので、チューブに歪みが発生することを抑制することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図3を用いて説明する。図1は、第1実施形態のラジエータ1および複式熱交換器2を示す正面図である。図2は、ラジエータ1および複式熱交換器2を示す断面図である。先ず、ラジエータ1に関して説明する。ラジエータ1は、周囲を通過する冷却用空気と車両に搭載された機器、本実施の形態では車両用のエンジン(図示せず)を冷却する冷却水とを熱交換し、冷却水を冷却する熱交換器である。ラジエータ1は、車両のエンジンルーム(図示せず)内の前部に配置される。したがってラジエータ1が設置される設置空間は、エンジンルーム内であってラジエータ1を含む空間となる。
ラジエータ1は、コア部3および一対のタンク4,5を含む。コア部3は、複数のチューブ6、複数のフィン7、およびサイドプレート8を含む。図1では、理解を容易にするためチューブ6およびフィン7をコア部3の一部についてのみ示す。各チューブ6は、長手状に形成され、長さ方向Xの一端部が一方のタンク4である左ヘッダタンク4に接続され、長さ方向Xの他端部が他方のタンク5である右ヘッダタンク5に接続される。各チューブ6は、内部を冷却水が流通する管部材である。チューブ6の断面形状は、限られたスペース内でできる限り断面の面積を大きくして、冷却水の流通抵抗を低減させる形状であり、たとえば扁平形状が選択される。複数のチューブ6は、左ヘッダタンク4および右ヘッダタンク5の両タンクが延設される積層方向Zに並んで配置される。積層方向Zに隣接するチューブ6間には、間隔が設けられる。この間隔は、冷却用空気が通過する空気通路となる。また複数のチューブ6は、長さ方向Xが互いに略平行(用語「略平行」は平行を含む)となるように配置される。
以下、各チューブ6が延びる方向を長さ方向X(図1における左右方向)と称し、長さ方向Xに直交する方向を流通方向Y(図1の紙面に垂直な方向)と称し、長さ方向Xおよび流通方向Yに垂直な方向を積層方向Z(図1における上下方向)と称することがある。
複数のフィン7は、複数のチューブ6間に設けられ、複数のチューブ6内を流れる冷却水の熱を、周囲に流れる冷却用空気に伝える。したがって各フィン7は、積層方向Zに隣接するチューブ6の間に設けられる。換言すると各フィン7は、冷却用空気が通過する空気通路に設けられる。チューブ6とフィン7とは、積層方向Zに交互に積層される。フィン7は、たとえば薄肉の平板材から波状に成形され、コルゲートタイプのフィンである。各チューブ6は、隣接するフィン7とろう付け接合される。また積層方向Z最外方のフィン7は、サイドプレート8とろう付け接合される。
サイドプレート8は、積層方向Zの両最外方に設けられ、複数のチューブ6と複数のフィン7とを支持する。サイドプレート8は、チューブ6の長さ方向Xに延びる補強部材である。
左ヘッダタンク4は、タンク本体9、コアプレート9aおよび流入口用パイプ10とを含む。タンク本体9は、コアプレート9a側が開口し、積層方向Zに沿って延びる細長の半容器体である。タンク本体9は、開口側がコアプレート9aと嵌合される。タンク本体9とコアプレート9aとに囲まれた内方の空間が、タンク内空間11(内部空間)となる。タンク本体9の積層方向Z一端部には、積層方向Zおよび長さ方向Xに対して交差する方向、本実施の形態では流通方向Yに延びる流入口用パイプ10、および流通方向Yに貫通する流入口12が形成される。流入口用パイプ10は、左ヘッダタンク4の積層方向Z一端部に設けられる。
タンク本体9の開口側は、Oリング(図示せず)を介してコアプレート9aと嵌合される。コアプレート9aには、各チューブ6の長さ方向X一端部と対応する位置に長さ方向Xに貫通するチューブ孔6a(図2参照)が形成される。図2では、理解を容易にするため積層方向Zにチューブ6の本数と同数のチューブ孔6aのうち、3つだけ示し、他のチューブ孔6aの図示を省略する。チューブ孔6aは、チューブ6の嵌入性を考慮して、チューブ6の断面形状よりもわずかに大きくなるように成形されている。
チューブ6の長さ方向X一端部は、コアプレート9aのチューブ孔6aに挿入嵌合され、嵌合部にクラッドされたろう材によって、チューブ6とコアプレート9aとは互いにろう付けされている。このようにろう付けされ、チューブ6内と両ヘッダタンク4,5のタンク内空間11とが互いに連通するよう構成される。サイドプレート8の長さ方向X一端部は、コアプレート9aとの当接部にクラッドされたろう材によって、コアプレート9aにろう付けされている。
右ヘッダタンク5は、左ヘッダタンク4と同様の構成であるので、同様の部分には同一の参照符号を付し説明を省略する。右ヘッダタンク5には、左ヘッダタンク4の流入口12および流入口用パイプ10に換えて、流出口13および流出口用パイプ14が同様の構成で積層方向Z他端部に設けられる。また流入口用パイプ10および流出口用パイプ14は、ゴムホース(図示せず)を介してエンジン冷却水回路(図示せず)に接続される。
このようなラジエータ1は、車両のエンジンルーム内に設置された設置状態では、流入口用パイプ10から流入した冷却水が、重力によって、流出口用パイプ14から流出するような姿勢に設定される。したがって流入口12は、流出口13よりも鉛直方向の上方に位置し、かつチューブ6の一端部は他端部よりも鉛直方向の上方または略同位置に位置する。
次に、前述の構成に基づきラジエータ1の作動について説明する。冷却水は、車両エンジンからゴムホースを介して、流入口用パイプ10から左ヘッダタンク4内に流入し、複数のチューブ6内を流通し、この間に冷却用空気との熱交換により冷却される。冷却水がチューブ6内を流通する時、フィン7によって熱交換が促進される。チューブ6内を流通した冷却水は、右ヘッダタンク5で回収され、流出口用パイプ14から流出し、ゴムホースを介してエンジンに戻る。
次に、複式熱交換器2に関して説明する。複式熱交換器2は、エンジンルーム内であって、ラジエータ1のチューブ6よりも前方側である流通方向Y上流側に設けられる。したがって複式熱交換器2は、車両のエンジンルーム内にて走行風(冷却用空気)をラジエータ1より受け易い場所に位置するように、車両に搭載される。
複式熱交換器2は、互いに用途の異なる複数の熱交換器を一体的に積層して構成される。本実施の形態では冷媒凝縮器15およびオイルクーラ16が組み合わされて構成される。冷媒凝縮器15は、冷却用空気によって車両用冷凍サイクル装置の冷媒を冷却して凝縮液化する熱交換器である。オイルクーラ16は、冷却用空気によってエンジンオイルまたはトルク・コンバータ用のオイル、たとえば車両用オートマチックトランスミッションのATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)を冷却する。
複式熱交換器2は、流通方向Yに見て、ラジエータ1のコア部3と冷媒凝縮器15およびオイルクーラ16とが重複するように配置される。冷媒凝縮器15とオイルクーラ16とは、積層方向Zに並んで設けられる。冷媒凝縮器15は、積層方向Z他方側に設けられる。オイルクーラ16は、積層方向Z一方側に設けられる。冷媒凝縮器15とオイルクーラ16との境界部17は、図2に示すように、長さ方向Xおよび流通方向Yに沿って延びる。このような境界部17は、流入口12より積層方向Z他方側に位置する。換言すると、オイルクーラ16は、流通方向Yに見て、ラジエータ1の積層方向一端部から予め定める境界部17まで設けられる。冷媒凝縮器15は、流通方向Yに見て、境界部17からラジエータ1の積層方向他端部まで設けられる。
複式熱交換器2は、冷媒凝縮器15が冷媒であり、オイルクーラ16がATFであるので、冷却対象が異なる。また通常、ATFの温度は、冷媒の温度より高い。したがってオイルクーラ16を通過した冷却用空気の温度は、冷媒凝縮器15を通過した冷却用空気の温度よりも高い。したがってラジエータ1を通過する冷却用空気は、温度が積層方向Zに関して一様ではなく、積層方向Zに関して、たとえば冷媒凝縮器15を通過した冷却用空気の温度より高い高温領域18と、残余の領域である低温領域19とが存在する。このように高温領域18は、エンジンルーム内の複数の温度領域のうち、他の領域19に比べてラジエータ1の空気通路に流入する冷却用空気の温度が高い領域である。したがってラジエータ1は、ラジエータ1の空気通路を通過する冷却用空気の温度が異なる領域18,19を有するエンジンルーム内に設けられる。高温領域18と低温領域19との境界は、前述の境界部17の位置に対応し、高温領域18と低温領域19の境界と境界部17の位置とは積層方向Zに関して略同位置である。
境界部17は、流入口12より積層方向Z他方側であって、積層方向Z中央よりも積層方向Z一方側に配置される。このような境界部17の位置は、冷媒凝縮器15とオイルクーラ16との大小関係、冷却対象媒体である冷媒とATFの量、および冷却対象媒体の温度によって設定される。
またラジエータ1の後方側には、電動ファン(図示せず)が設けられる。電動ファンは、送風手段であって、冷却用空気を走行風とともにラジエータ1の流通方向Yの前方から後方に向かって流通させる。したがって冷却用空気は、先に複式熱交換器2を通過し、次にラジエータ1を通過する。電動ファンは、オリフィスの機能を有するファンシュラウドおよび電動モータを有し、電動モータへの電源供給は制御装置(図示せず)によって制御される。電動ファンは、車両の前部グリルからエンジンルームへ外気を取り込むために駆動され、ラジエータ1および複式熱交換器2を通過する冷却用空気を強制的に作り出す。電動ファンの後方には、たとえばエンジンが配置される。
次に、ラジエータ1の左ヘッダタンク4の構成に関して、図2を参照してさらに説明する。左ヘッダタンク4には、案内部として機能するスロープ20と平坦部21とが設けられる。スロープ20および平坦部21は、流入口12から流入した冷却水が左ヘッダタンク4の内壁23に衝突する部位に設けられる。スロープ20および平坦部21は、流入口12側に内壁23よりも突出するように左ヘッダタンク4に設けられる。スロープ20は、軸線が長さ方向Xに延びる三角柱状である。平坦部21は、軸線が長さ方向Xに延びる四角柱状である。このようなスロープ20と平坦部21とが一体となって、内壁23に設けられる。
スロープ20は、積層方向Z他方に向かってより多く冷却水が流れるように案内する。スロープ20は、高温領域18に配置されるチューブ6内を流れる冷却水の流量が、スロープ20が設けられていない場合の左ヘッダタンク4に比べて少なくなるように冷却水を低温領域に案内する。
平坦部21は、積層方向Zおよび長さ方向Xに沿って延びる平坦状の面部21aを有し、スロープ20の積層方向Z一方側の端部に連結し、タンク本体9の積層方向Z一端部まで延びる。平坦部21は、平坦部21およびスロープ20が形成されていない残余の部分に比べて、タンク内空間11の断面積を小さくするために形成される。ここで断面積は、長さ方向Xおよび流通方向Yを含む仮想一平面で切断したときの面積である。したがって流入口12から流入した冷却水は、平坦部21が設けられる部分には流れ込みにくい。これによって平坦部21が設けられる位置の長さ方向Xに設けられるチューブ6には、冷却水が流れ込みにくくなる。
スロープ20は、平坦部21の積層方向Z他端部から境界部17に向かって、タンク内空間11の断面積が徐々に大きくなるように設けられる。流入口12から流入する冷却水は、流通方向Yの一方から他方に向かっているので、スロープ20は、流入口12から流入する冷却水の流れ方向を積層方向Z他方に向かうようにスムーズに変えるものである。スロープ20は、具体的には、積層方向Z他方に向けて冷却水を案内する傾斜面20aによって実現される。スロープ20の積層方向Z他方の端部20bは、境界部17を越える位置に設けられる。したがってスロープ20および平坦部21は、少なくとも高温領域18の全域に設けられる。スロープ20は、積層方向Z一方の端部から約45度の傾斜角で傾斜し、冷却水の流入口12からの流れ方向に向かって凹となるように滑らかに湾曲した形状である。
スロープ20と平坦部21との連結部分22は、流入口12を流通方向Yに投影した領域、すなわち流入口12から流入した冷却水が衝突する部位に設けられる。連結部分22の積層方向Zの位置は、流入口12の中心軸線Lより積層方向Z一方側にあるチューブ6の本数と、積層方向Z他方側にあるチューブ6の本数とに基づいて、本数が少ない側となるように設けられる。流入口12は、積層方向Z一端部に形成されるので、流入口12より積層方向Z一方側にあるチューブ6の本数は、積層方向Z他方側にあるチューブ6の本数より少ない。したがって連結部分22は、流入口12の中心軸線Lよりも積層方向Z一方側に配置される。これによってスロープ20によって、積層方向Z他方側により多くの冷却水を案内し、積層方向Z一方側にはチューブ6の本数に応じた冷却水の量が案内される。
次に、ラジエータ1のチューブ6に発生する歪みに関して説明する。図3は、チューブ6の積層方向Zの位置とチューブ6の歪みとの関係の一例を示すグラフである。グラフの縦軸は、チューブ6の歪みを示し、グラフの横軸は、チューブ6の積層方向Zの位置を示す。チューブ6の歪みは、長さ方向X一端部付近の長さ方向Xに関する歪みである。図3では、各チューブ6の歪みを計測し、チューブ6の位置とチューブ6の歪みとをプロットし、そのプロットした各点の近似曲線である。したがって図3に示すグラフの波形の左端は、積層方向Z一方の端部にあるチューブ6の歪みを示し、波形の右端は境界部17より積層方向Z他方に位置するチューブ6の歪みを示す。また図3では、比較例のラジエータにおけるチューブの歪みの波形を一点鎖線で示し、本実施の形態のラジエータ1におけるチューブ6の歪みの波形を実線で示す。
比較例のラジエータの構成は、左ヘッダタンク4にスロープ20および平坦部21が形成されていない点が異なり、残余の構成は本実施の形態のラジエータ1と等しい。したがって比較例のラジエータを通過する冷却用空気には、高温領域18と低温領域19とがある。
比較例の波形(一点鎖線)では、各チューブ6の歪みはばらついており、境界部17付近の歪みが一番大きくなっている。これに対して本実施の形態の波形(実線)では、チューブ6の歪みは積層方向Z一端部から境界部17付近まで徐々に大きくなっており、ばらつきは少ない。またチューブ6の最大歪みも比較例より小さいことがわかる。したがってラジエータ1にスロープ20および平坦部21を設けることによって、境界部17におけるチューブ6の歪みを小さくすることができる。
以上説明したように本実施の形態のラジエータ1は、左ヘッダタンク4には、冷却水が積層方向Zに流れるように案内するスロープ20が設けられるので、左ヘッダタンク4の積層方向Zに流れる流量を調節することができる。これによって左ヘッダタンク4内に開口端部が連通する複数のチューブ6に流れ込む流量も、積層方向Zに関して調節することができる。本実施の形態ではスロープ20は、高温領域18に配置されるチューブ6内を流れる冷却水の流量が少なくなるように、左ヘッダタンク4内の冷却水を案内する。したがって高温領域18に配置されたチューブ6に流れる流量は、スロープ20が設けられていない場合に比べて減少する。換言すると、高温領域18のチューブ6に冷却水が集中することを防ぐことができる。これによって高温領域18にて冷却水の粘性が低下することによって、高温領域18に配置されるチューブ6に冷却水が優先的に流れ込むことを防止することができる。したがって図3に示すように、高温領域18と低温領域19と温度差に起因してチューブ6に過大な熱歪みが発生することを抑制することができる。
また本実施の形態では、スロープ20は、境界部17に向かって、タンク内空間11の断面積が徐々に大きくなるように設けられる。したがってスロープ20によって案内される冷却水の積層方向Z他端部に向かう速さは、積層方向Z一端部から境界部17に向かうにつれて徐々に小さくなる。このように高温領域18では、スロープ20によって左ヘッダタンク4内の冷却水の速さが大きくなるので、高温領域18に配置されるチューブ6に冷却水が優先的に流れ込むことを確実に防止することができる。
また本実施の形態では、スロープ20は、境界部17を越える位置まで設けられるので、高温領域18に配置されるチューブ6に冷却水が優先的に流れることを確実に防止することができる。
また本実施の形態では、オイルクーラ16を通過した冷却用空気は、冷媒凝縮器15を通過した冷却用空気より高温であるので、オイルクーラ16の下流側は高温領域18となる。また流入口12から流入する流体は冷却水であるので、外気温が極めて低い時など、温度差による粘性の差異によって境界部17のチューブ6に歪みが発生しやすいが、前述のようなスロープ20が設けられるので、チューブ6に歪みが発生することを抑制することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の第1実施形態では、スロープ20の積層方向Z他端部20bは境界部17を越える位置まで設けられているが、このような構成に限ることはなく、スロープ20の積層方向Z他端部20bは境界部17付近または境界部17より積層方向Z一方側であってもよい。またスロープ20が形成されることによって、積層方向Z他方側に向かう冷却水の流れを作ることができる構成であればよく、傾斜面にかぎらず、段階的にタンク内空間11の断面積が拡大するような形状であってもよい。またスロープ20をタンク本体9に設ける構成に限ることはなく、スロープ20とタンク本体9とを一体に構成、すなわちタンク本体9の内壁23の形状を積層方向Z一端部から他端部に向かって拡径するような形状、たとえば円錐台状に構成してもよい。
また前述の第1実施形態では、熱交換器は、ラジエータ1によって実現されているが、これに限ることはなく、チューブ6を有する熱交換器であれば、コンデンサおよびインタークーラ等の他の熱交換器に適用してもよい。
また前述の第1実施形態では、熱交換器の流通方向Y上流側に複式熱交換器2が設けられるが、複式熱交換器2に限ることはなく、積層方向Zに関して温度差が生じる原因となる構成が流通方向Y上流側に配置されていればよい。
また前述の第1実施形態では、高温領域18は積層方向Z一端部から境界部17までであったが、高温領域18が積層方向Z一端部からである必要はなく、流入口12より積層方向Z他方側の位置から境界部17までであってもよい。このような高温領域18であっても、スロープ20の形状を適宜選択することによって、高温領域18に配置される各チューブ6に流体が流れ込みにくくすることができる。
流入口12は、積層方向Z一端部に形成されているが、積層方向Z中間部に形成してもよい。この場合、積層方向Z中間部に流入した流体を、高温領域18に流入しにくくなるように案内部を形成すればよい。
流入口用パイプ10は、流通方向Yに沿って延びる構成に限ることはなく、長さ方向Xおよび積層方向Zに対して交差する方向に沿って延びてもよい。このような構成であっても、スロープ20の形状を適宜選択することによって、左ヘッダタンク4内の流体の流れを作ることができる。
第1実施形態のラジエータ1および複式熱交換器2を示す正面図である。 ラジエータ1および複式熱交換器2を示す断面図である。 チューブ6の積層方向Zの位置とチューブ6の歪みとの関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
1…ラジエータ(熱交換器)
4…左ヘッダタンク(一方のタンク)
5…右ヘッダタンク
6…チューブ
11…タンク内空間(内部空間)
12…流入口
15…冷媒凝縮器
16…オイルクーラ
17…境界部
18…高温領域
19…低温領域
20…スロープ(案内部)
23…内壁

Claims (4)

  1. 内部を流体が流れ、積層配置される複数本のチューブ(6)と、
    隣接する前記チューブの間に設けられ、冷却用空気が通過する空気通路と、
    前記チューブの積層方向(Z)に延設され、前記チューブの長さ方向(X)の両端部が接続される一対のタンク(4,5)と、
    一方のタンク(4)に形成され、前記積層方向および前記長さ方向に対して交差する方向(Y)に、前記流体を前記一方のタンクの内部空間(11)内に流入させる流入口(12)と、
    前記流入口から流入した前記流体が前記一方のタンクの内壁(23)に衝突する部位に設けられ、前記流入口側に前記内壁よりも突出し、前記流体が前記積層方向に流れるように案内する案内部(20)とを有し、
    前記空気通路に流入する前記冷却用空気の温度が異なる領域を有するように設置空間に配される熱交換器であって、
    前記複数の領域のうち、他の領域に比べて前記空気通路に流入する前記冷却用空気の温度が高い高温領域(18)に配置される前記チューブ内を流れる前記流体の流量が少なくなるように、前記案内部は前記流体を案内することを特徴とする熱交換器。
  2. 前記高温領域は、前記一方のタンクの前記積層方向一端部から予め定める境界部(17)までであり、
    前記流入口は、前記一方のタンクの前記積層方向一端部に形成され、
    前記案内部は、前記衝突する部位から前記境界部に向かって、前記内部空間の断面積が徐々に大きくなるように設けられることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記案内部の前記積層方向他端部(20b)は、前記境界部を越える位置であることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記複数のチューブよりも冷却用空気の流通方向上流側であって、前記積層方向一端部から前記境界部までには車両用のオイルクーラ(16)が設けられ、前記境界部から前記積層方向他端部までには車両用冷凍サイクル装置の冷媒を凝縮液化する冷媒凝縮器(15)が設けられ、
    前記流体は、車両に搭載された機器を冷却する冷却水であることを特徴とする請求項2または3記載の熱交換器。
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