JP2014070860A - 熱交換器 - Google Patents

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貴司 平山
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Abstract

【課題】熱交換管から流入した流体をヘッダタンクの長手方向にスムーズに流しうる熱交換器を提供する。
【解決手段】この発明の熱交換器を適用したエバポレータ1のヘッダタンク2に、複数の熱交換管13が通じ、かつ熱交換管13から流入した流体をヘッダタンク2の長手方向に流す区画17を設ける。区画17の内面における熱交換管13から流入した流体がぶつかる部分に、熱交換管13から流入した流体の流れの向きをヘッダタンク2の長手方向に偏向するガイド19を設ける。ガイド19は、熱交換管13から遠ざかる方向に向かって流体を流す方向に傾斜した傾斜面21を有する。傾斜面21における熱交換管13の厚み方向の寸法を、熱交換管13の流体通路13aにおける熱交換管13の厚み方向の寸法よりも大きくし、傾斜面21の範囲内に熱交換管13の流体通路13aを位置させる。
【選択図】図3

Description

この発明は、たとえば自動車に搭載される冷凍サイクルであるカーエアコンのエバポレータとして好適に用いられる熱交換器に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、図面の上下を上下というものとする。
カーエアコンに用いられるエバポレータとして、本出願人は、先に、長手方向を、上下方向および通風方向の2方向と直角をなす方向に向けた状態で、上下方向に間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、上下両ヘッダタンク間に長手方向を上下方向に向けるとともに幅方向を通風方向に向けて配置された複数の扁平状熱交換管とを備えており、各ヘッダタンクに、長手方向をヘッダタンクの長手方向に向けた風下側ヘッダ部および風上側ヘッダ部が通風方向に並んで設けられ、一方のヘッダタンクの風下側ヘッダ部の一端部に冷媒入口が設けられるとともに、同じく風上側ヘッダ部における冷媒入口と同一端部に冷媒出口が設けられ、両ヘッダタンク間に、長手方向が上下方向を向くとともに幅方向が通風方向を向き、かつヘッダタンクの長手方向に間隔をおいて配置された複数の扁平状熱交換管からなる列の管列が、通風方向に間隔をおいて設けられ、両ヘッダタンクの風下側上下両ヘッダ部および風上側上下両ヘッダ部のうちの少なくともいずれか1つに、複数の熱交換管が通じ、かつ熱交換管から流入した冷媒をヘッダタンクの長手方向に流す区画が設けられ、ヘッダタンクの風下側上下両ヘッダ部および風上側上下両ヘッダ部における熱交換管とは反対側の部分に、補強リブが内方突出状に設けられているエバポレータを提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1記載のエバポレータにおいては、熱交換管から流入した冷媒がヘッダ部の区画の周壁または補強リブにおける熱交換管の長さ方向外側部分にぶつかり、冷媒をヘッダタンクの長手方向にスムーズに流すことができなくなるとともに、異音が発生するという問題がある。
特開2008−309353号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、ヘッダタンクに、複数の熱交換管が通じ、かつ熱交換管から流入した流体をヘッダタンクの長手方向に流す区画を有する熱交換器において、流体をヘッダタンクの長手方向にスムーズに流しうる熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)少なくとも1つのヘッダタンクと、ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、ヘッダタンクに、複数の熱交換管が通じ、かつ熱交換管から流入した流体をヘッダタンクの長手方向に流す区画が設けられている熱交換器において、
前記区画の内面における少なくとも1つの熱交換管から流入した流体がぶつかる部分に、熱交換管から流入した流体の流れの向きをヘッダタンクの長手方向に偏向するガイドが設けられている熱交換器。
2)ガイドが、熱交換管から遠ざかる方向に向かって流体を流す方向に傾斜した傾斜面を有している上記1)記載の熱交換器。
3)熱交換管が幅方向を通風方向に向けた扁平状であるとともに、幅方向に並んだ複数の流体通路を有しており、ガイドの傾斜面における熱交換管の厚み方向の寸法が、熱交換管の流体通路における熱交換管の厚み方向の寸法よりも大きくなっているとともに、ガイドの傾斜面の範囲内に熱交換管の流体通路が位置しており、1つのガイドの傾斜面に1つの熱交換管の流体通路から流入した流体がぶつかるようになっている上記2)記載の熱交換器。
上記1)〜3)の熱交換器によれば、熱交換管から流入した流体をヘッダタンクの長手方向に流す区画を有する熱交換器において、前記区画の内面における少なくとも1つの熱交換管から流入した流体がぶつかる部分に、熱交換管から流入した流体の流れの向きをヘッダタンクの長手方向に偏向するガイドが設けられているので、熱交換管から前記区画内に流入した流体の流れの向きがガイドにより偏向され、その結果流体がヘッダタンクの長手方向にスムーズに流されるとともに、異音の発生が抑制される。
上記2)の熱交換器によれば、ガイドの構成が比較的簡単になる。
上記3)の熱交換器によれば、熱交換管から前記区画内に流入した流体の流れの向きが、ガイドにより効率良く偏向され、その結果流体はヘッダタンクの長手方向に一層スムーズに流される。
この発明の熱交換器を適用したエバポレータの全体構成を示す一部切り欠き斜視図である。 図1のエバポレータにおける冷媒の流れ方を示す図である。 図1のエバポレータの一部分を示す風上側から見た部分垂直断面図である。 図3の要部拡大図である。 図1のエバポレータの図3とは異なる部分を示す風上側から見た部分垂直断面図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器をカーエアコンに用いられるエバポレータに適用したものである。
以下の説明において、通風方向下流側(図面に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとする。また、風上側(後方)から風下側(前方)を見た際の左右、すなわち各図面の左右を左右というものとする。
さらに、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
図1はこの発明による熱交換器を適用したエバポレータの全体構成を示し、図2は図1のエバポレータにおける冷媒(流体)の流れ方を示し、図3〜図5は図1のエバポレータの要部の構成を示す。
図1〜図5において、エバポレータ(1)は、上下方向に間隔をおいて配置された左右方向にのびるアルミニウム製上ヘッダタンク(2)およびアルミニウム製下ヘッダタンク(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に設けられた熱交換コア部(4)とを備えている。
上ヘッダタンク(2)は、前側(通風方向下流側)に位置する風下側上ヘッダ部(5)と、後側(通風方向上流側)に位置しかつ風下側上ヘッダ部(5)に一体化された風上側上ヘッダ部(6)とを備えている。風下側上ヘッダ部(5)の右端部に冷媒入口(7)が設けられ、風上側上ヘッダ部(6)の右端部に冷媒出口(8)が設けられている。下ヘッダタンク(3)は、前側に位置する風下側下ヘッダ部(9)と、後側に位置しかつ風下側下ヘッダ部(9)に一体化された風上側下ヘッダ部(11)とを備えている。下ヘッダタンク(3)の風下側下ヘッダ部(9)内と風上側下ヘッダ部(11)内とは、両下ヘッダ部(9)(11)の右端部に跨って接合され、かつ内部が通路となった連通部材(12)を介して通じさせられている。
熱交換コア部(4)には、長手方向が上下方向を向くとともに幅方向が通風方向(前後方向)を向き、かつ左右方向に間隔をおいて配置された複数の扁平状熱交換管(13)からなる複数列、ここでは2列の管列(14)が、通風方向に間隔をおいて設けられている。風下側管列(14)の熱交換管(13)の上端部は風下側上ヘッダ部(5)に接続されるとともに、同下端部は風下側下ヘッダ部(9)に接続されている。また、風上側管列(14)の熱交換管(13)の上端部は風上側上ヘッダ部(6)に接続されるとともに、同下端部は風上側下ヘッダ部(11)に接続されている。熱交換管(13)は、幅方向に並んだ複数の冷媒通路(13a)(流体通路)を有している。
熱交換コア部(4)の左右方向に隣り合う熱交換管(13)どうしの間に、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなり、かつ前後方向にのびる波頂部、前後方向にのびる波底部、および波頂部と波底部とを連結する連結部よりなるコルゲートフィン(15)が、両管列(14)の熱交換管(13)に跨るように配置されている。また、両管列(14)の左右両端の熱交換管(13)の外側にも両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなるコルゲートフィン(15)が配置されており、左右両端のコルゲートフィン(15)の外側にアルミニウム製サイドプレート(16)が配置されてコルゲートフィン(15)にろう付されている。
この実施形態においては、風上側上ヘッダ部(6)内の全体が、風上側管列(14)を構成する全熱交換管(13)が通じ、かつ熱交換管(13)から流入した冷媒を上ヘッダタンク(2)の長手方向(ここでは右方向)に流す区画(17)となっており、風下側下ヘッダ部(9)内の全体が、風下側管列(14)を構成する全熱交換管(13)が通じ、かつ熱交換管(13)から流入した冷媒を下ヘッダタンク(3)の長手方向(ここでは右方向)に流す区画(18)となっている。なお、風下側上ヘッダ部(5)内の全体が、風下側管列(14)を構成する全熱交換管(13)が通じる区画となっており、風上側下ヘッダ部(11)内の全体が、風上側管列(14)を構成する全熱交換管(13)が通じる区画となっている。
図3に示すように、風上側上ヘッダ部(6)の周壁(6a)内面、すなわち区画(17)の内面における風上側管列(14)の全熱交換管(13)のうちの少なくとも1つの熱交換管(13)から流入した冷媒がぶつかる部分、ここでは風上側管列(14)の全熱交換管(13)の数よりも少ない複数の熱交換管(13)から流入した冷媒がぶつかる部分に、熱交換管(13)から流入した冷媒の流れの向きを右方に偏向する断面山形のガイド(19)が、区画(17)内方に突出するように設けられている。ガイド(19)の右側部分における区画(17)に臨む部分に、熱交換管(13)から遠ざかる方向に向かって冷媒を流す方向、すなわち上方に向かって右方に傾斜した傾斜面(21)が設けられている。図4に示すように、ガイド(19)の傾斜面(21)における熱交換管(13)の厚み方向(左右方向)の寸法(T)は、熱交換管(13)の冷媒通路(13a)における熱交換管(13)の厚み方向の寸法(t)よりも大きくなっているとともに、ガイド(19)の傾斜面(21)の左右方向の範囲内に熱交換管(13)の冷媒通路(13a)が位置しており、1つのガイド(19)の傾斜面(21)に、1つの熱交換管(13)の冷媒通路(13a)から流入した冷媒がぶつかるようになっている。
図5に示すように、風下側下ヘッダ部(9)の周壁(9a)内面、すなわち区画(18)の内面における風下側管列(14)の全熱交換管(13)のうちの少なくとも1つの熱交換管(13)から流入した冷媒がぶつかる部分、ここでは風上側管列(14)の全熱交換管(13)の数よりも少ない複数の熱交換管(13)から流入した冷媒がぶつかる部分に、熱交換管(13)から流入した冷媒の流れの向きを右方に偏向する断面山形のガイド(19)が、区画(17)内方に突出するように設けられている。ガイド(19)の右側部分における区画(17)に臨む部分に、熱交換管(13)から遠ざかる方向に向かって冷媒を流す方向、すなわち下方に向かって右方に傾斜した傾斜面(21)が設けられている。詳細な図示は省略したが、ガイド(19)の傾斜面(21)における熱交換管(13)の厚み方向(左右方向)の寸法は、熱交換管(13)の冷媒通路(13a)における熱交換管(13)の厚み方向の寸法よりも大きくなっているとともに、ガイド(19)の傾斜面(21)の左右方向の範囲内に熱交換管(13)の冷媒通路(13a)が位置しており、1つのガイド(19)の傾斜面(21)に、1つの熱交換管(13)の冷媒通路(13a)から流入した冷媒がぶつかるようになっている。
上述したエバポレータ(1)は、車両のエンジンを駆動源とする圧縮機、圧縮機から吐出された冷媒を冷却するコンデンサ(冷媒冷却器)、コンデンサを通過した冷媒を減圧する膨張弁(減圧器)などとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして自動車に搭載される。圧縮機が作動している場合には、圧縮機で圧縮されてコンデンサおよび膨張弁を通過した低圧の気液混相の2相冷媒が、冷媒入口(7)を通って上ヘッダタンク(2)の風下側上ヘッダ部(5)内に入り、風下側上ヘッダ部(5)内を左方に流れ、分流して風下側管列(14)の熱交換管(13)の冷媒通路(13a)内に流入する。
熱交換管(13)の冷媒通路(13a)内に流入した冷媒は、冷媒通路(13a)内を下方に流れて下ヘッダタンク(3)の風下側下ヘッダ部(9)の区画(18)内に流入する。冷媒が、熱交換管(13)の冷媒通路(13a)から風下側下ヘッダ部(9)の区画(18)内に流入した際に、ガイド(19)の傾斜面(21)にぶつかるので、冷媒の流れの向きがガイド(19)により右方に偏向され、その結果冷媒が区画(18)内を右方にスムーズに流されるとともに、異音の発生が抑制される。
風下側下ヘッダ部(9)の区画(18)内を右方に流れた冷媒は、連通部材(12)を通って風上側下ヘッダ部(11)内に入り、風上側下ヘッダ部(11)内を左方に流れ、分流して風上側管列(14)の熱交換管(13)の冷媒通路(13a)内に流入する。
熱交換管(13)の冷媒通路(13a)内に流入した冷媒は、冷媒通路(13a)内を上方に流れて上ヘッダタンク(3)の風上側上ヘッダ部(11)の区画(17)内に流入する。冷媒が、熱交換管(13)の冷媒通路(13a)から風上側上ヘッダ部(11)の区画(17)内に流入した際に、ガイド(19)の傾斜面(21)にぶつかるので、冷媒の流れの向きがガイド(19)により右方に偏向され、その結果冷媒が区画(17)内を右方にスムーズに流されるとともに、異音の発生が抑制される。
風上側上ヘッダ部(6)の区画(17)内を右方に流れた冷媒は、冷媒出口(8)から流出する。そして、冷媒が両管列(14)の熱交換管(13)内を流れる間に、空気と熱交換をし、冷媒は気相となって流出する。
なお、図1〜図3、図5においては、エバポレータ(1)の上下、左右の寸法、上下両ヘッダタンク(2)(3)の左右方向の長さ、熱交換管(13)の数、左右方向に隣り合う熱交換管(13)間の間隔などは、分かりやすくするために、実際のものとは異なったものとなっている。
上記実施形態においては、風下側上ヘッダ部(5)、風上側上ヘッダ部(6)、風下側下ヘッダ部(9)および風上側下ヘッダ部(11)内が1つの区画(17)(18)となっているが、これに限定されるものではなく、少なくとも1つのヘッダ部内に、複数の区画が左右方向に並んで設けられていてもよい。この場合、冷媒入口(7)から流入した冷媒が、全ての熱交換管(13)および区画を通って冷媒出口から流出する。
また、上記実施形態は、この発明による熱交換器がエバポレータに適用されてものであるが、これに限定されるものではなく、この発明による熱交換器は、コンデンサやヒータコアなどの他の機能を持つ熱交換器にも適用可能である。
この発明による熱交換器は、車両のカーエアコンを構成するエバポレータに好適に用いられる。
(1):エバポレータ
(2):上ヘッダタンク
(3):下ヘッダタンク
(13):熱交換管
(13a):冷媒通路(流体通路)
(17)(18):区画
(19):ガイド
(21):傾斜面

Claims (3)

  1. 少なくとも1つのヘッダタンクと、ヘッダタンクに接続された複数の熱交換管とを備えており、ヘッダタンクに、複数の熱交換管が通じ、かつ熱交換管から流入した流体をヘッダタンクの長手方向に流す区画が設けられている熱交換器において、
    前記区画の内面における少なくとも1つの熱交換管から流入した流体がぶつかる部分に、熱交換管から流入した流体の流れの向きをヘッダタンクの長手方向に偏向するガイドが設けられている熱交換器。
  2. ガイドが、熱交換管から遠ざかる方向に向かって流体を流す方向に傾斜した傾斜面を有している請求項1記載の熱交換器。
  3. 熱交換管が幅方向を通風方向に向けた扁平状であるとともに、幅方向に並んだ複数の流体通路を有しており、ガイドの傾斜面における熱交換管の厚み方向の寸法が、熱交換管の流体通路における熱交換管の厚み方向の寸法よりも大きくなっているとともに、ガイドの傾斜面の範囲内に熱交換管の流体通路が位置しており、1つのガイドの傾斜面に1つの熱交換管の流体通路から流入した流体がぶつかるようになっている請求項2記載の熱交換器。
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