JP2010139088A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッダタンクの十分な耐圧性を確保した上で軽量化を図りうる熱交換器を提供する。
【解決手段】ガスクーラに使用される熱交換器は、1対のヘッダタンク2と、両ヘッダタンク2間に配置された扁平状熱交換管4とを備えている。ヘッダタンク2は、熱交換管4を接続する管接続用プレート7と、内部が冷媒流路10bとなった円筒状タンク本体8と、管接続用プレート7とタンク本体8との間に介在させられた連通プレート9とを有する。管接続用プレート7に管挿入穴11を形成し、熱交換管4の両端部を管挿入穴11に挿入して管接続用プレート7に接合する。タンク本体8における管接続用プレート7の管挿入穴11と対応する位置に冷媒通過穴14を形成する。連通プレート9に管接続用プレート7の管挿入穴11とタンク本体8の冷媒通過穴14とを通じさせる連通穴26を形成する。
【選択図】図4
【解決手段】ガスクーラに使用される熱交換器は、1対のヘッダタンク2と、両ヘッダタンク2間に配置された扁平状熱交換管4とを備えている。ヘッダタンク2は、熱交換管4を接続する管接続用プレート7と、内部が冷媒流路10bとなった円筒状タンク本体8と、管接続用プレート7とタンク本体8との間に介在させられた連通プレート9とを有する。管接続用プレート7に管挿入穴11を形成し、熱交換管4の両端部を管挿入穴11に挿入して管接続用プレート7に接合する。タンク本体8における管接続用プレート7の管挿入穴11と対応する位置に冷媒通過穴14を形成する。連通プレート9に管接続用プレート7の管挿入穴11とタンク本体8の冷媒通過穴14とを通じさせる連通穴26を形成する。
【選択図】図4
Description
この発明は、熱交換器に関し、さらに詳しくは、たとえばCO2(二酸化炭素)などの超臨界冷媒が用いられる超臨界冷凍サイクルのガスクーラやエバポレータに好適に使用される熱交換器に関する。
この明細書および特許請求の範囲において、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後というものとする。
また、この明細書において、「超臨界冷凍サイクル」とは、高圧側において、冷媒が臨界圧力を超えた超臨界状態となる冷凍サイクルを意味するものとし、「超臨界冷媒」とは、超臨界冷凍サイクルに用いられる冷媒を意味するものとする。
超臨界冷凍サイクルに用いられる熱交換器として、互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に、幅方向を前後方向に向けるとともにヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管と、隣接する熱交換管間の通風間隙に配置されかつ熱交換管にろう付されたフィンとを備えており、各ヘッダタンクが、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシート製管接続用プレートと、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシート製外側プレートと、これら両プレート間に介在させられたアルミニウムベア材製中間プレートとが互いに積層されてろう付されることにより構成され、ヘッダタンクに、冷媒の流れる中空状の冷媒流路を有する少なくとも1つのヘッダ部が形成され、ヘッダタンクの外側プレートの前後方向の中央部に、中間プレート側に開口する横断面略U字状の外方屈曲部が形成されているとともに、外方屈曲部の前後両側部分にそれぞれ同一平面内に位置する平坦部が形成され、管接続用プレートにおけるヘッダ部の冷媒流路と対応する部分に、前後方向に長い複数の管挿入穴が管接続用プレートの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成され、中間プレートに、前後方向に長くかつ管接続用プレートの各管挿入穴をヘッダ部の冷媒流路内に通じさせる連通穴が貫通状に形成され、中間プレートにおける同一のヘッダ部内の冷媒流路に通じる全連通穴が、中間プレートのおける隣り合う連通穴の長さ方向の中間部を切除することにより形成された連通部を介して通じさせられ、ヘッダタンクのヘッダ部の冷媒流路が、外側プレートの外方屈曲部内の内部空間からなる第1流路形成部と、当該ヘッダ部に通じる複数の連通穴およびこれらの連通穴を通じさせる連通部よりなる第2流路形成部とからなり、熱交換管の端部がヘッダタンクの管接続用プレートの管挿入穴内に挿入されて管接続用プレートにろう付されるとともに、熱交換管の端部がヘッダタンクのヘッダ部の冷媒流路内に臨んでいる熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
ところで、特許文献1記載の熱交換器においては、特に、中間プレートの管接続用プレートを向いた面における連通部に臨む部分と、管接続用プレートの中間プレートを向いた面とのろう付部に応力が集中しやすいので、管接続用プレートに大きな力が作用することになる。その結果、特許文献1記載の熱交換器において、ヘッダタンクの耐圧性を向上させるためには、管接続用プレートの肉厚を比較的大きくする必要がある。しかしながら、この場合、ヘッダタンクの重量、すなわち熱交換器全体の重量が大きくなるという問題がある。
特開2005−351520号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、ヘッダタンクの十分な耐圧性を確保した上で軽量化を図りうる熱交換器を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に、幅方向を前後方向に向けるとともにヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間の通風間隙に配置されたフィンとを備えた熱交換器であって、
ヘッダタンクが、熱交換管を接続する管接続用プレートと、内部が冷媒流路となった筒状のタンク本体と、管接続用プレートとタンク本体との間に介在させられ、かつ管接続用プレートに接続された熱交換管の冷媒通路をタンク本体内の冷媒流路に通じさせる連通部材とを備えており、管接続用プレートに、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の両端部が管挿入穴に挿入されて管接続用プレートの接合され、タンク本体における管接続用プレートの管挿入穴と対応する位置に、冷媒流路を外部に通じさせる冷媒通過穴が形成され、連通部材に、管接続用プレートの管挿入穴とタンク本体の冷媒通過穴とを通じさせる連通穴が形成されている熱交換器。
ヘッダタンクが、熱交換管を接続する管接続用プレートと、内部が冷媒流路となった筒状のタンク本体と、管接続用プレートとタンク本体との間に介在させられ、かつ管接続用プレートに接続された熱交換管の冷媒通路をタンク本体内の冷媒流路に通じさせる連通部材とを備えており、管接続用プレートに、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の両端部が管挿入穴に挿入されて管接続用プレートの接合され、タンク本体における管接続用プレートの管挿入穴と対応する位置に、冷媒流路を外部に通じさせる冷媒通過穴が形成され、連通部材に、管接続用プレートの管挿入穴とタンク本体の冷媒通過穴とを通じさせる連通穴が形成されている熱交換器。
2)タンク本体が、横断面円形である上記1)記載の熱交換器。
3)タンク本体が、横断面だ円形である上記1)記載の熱交換器。
4)連通部材の外面に長さ方向にのびる凹所が形成され、タンク本体の一部分が凹所内に嵌った状態で連通部材に接合されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
5)タンク本体が、補強カバーにより覆われており、補強カバーが、タンク本体を外側から覆うとともにタンク本体に接合された被覆部と、被覆部の前後両側に形成され、かつ連通部材の外面におけるタンク本体の前後両側部分に接合された固定部とよりなる上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
6)管接続用プレートの前後両側縁部に、補強カバーの固定部に係合する係合部が設けられている上記5)記載の熱交換器。
7)連通部材の前後両側縁部に、フィンの両端部と、ヘッダタンクとの間の隙間を覆う遮風部材が設けられている上記1)〜6)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
8)タンク本体の少なくとも両端部に、タンク本体内の中空部を塞ぐ仕切板が配置されることによって、各ヘッダタンクに、内部が冷媒流路となった少なくとも1つのヘッダ部が形成され、管接続用プレートにおけるヘッダ部の冷媒流路と対応する部分に、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されている上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
上記1)の熱交換器によれば、内部が冷媒流路となることにより大きな力が作用するタンク本体が、耐圧性に優れた筒状であるから、ヘッダタンクの耐圧性が向上する。したがって、管接続用プレートの肉厚を特許文献1記載の熱交換器の場合よりも薄くすることが可能になるとともに、タンク本体の周壁の肉厚および連通部材の肉厚も、特許文献1記載の熱交換器の外側プレートや中間プレートよりも薄くすることが可能になり、ヘッダタンクの軽量化、ひいてはこれを用いた熱交換器全体の軽量化を図ることができる。
上記2)の熱交換器によれば、タンク本体の耐圧性が一層向上する。
上記5)の熱交換器によれば、補強カバーの働きによりタンク本体の耐圧性が一層向上する。
上記6)の熱交換器によれば、補強カバーによるタンク本体の耐圧性向上効果が優れたものになる。
上記7)の熱交換器によれば、遮風部材によって、隣り合う熱交換管どうしの間の通風間隙におけるフィンの両端部とヘッダタンクとの間に形成される熱交換にさほど寄与しない部分への風の流れを遮ることができ、熱交換器の熱交慣性のを向上させることが可能になる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、超臨界冷凍サイクルのガスクーラに適用したものである。
なお、以下の説明において、図1および図2の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
また、以下の説明において、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
さらに、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
図1および図2はこの発明による熱交換器を適用したガスクーラの全体構成を示し、図3〜図6はその要部の構成を示す。
図1および図2において、超臨界冷媒、たとえばCO2を使用する超臨界冷凍サイクルのガスクーラ(1)は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ上下方向にのびる2つのヘッダタンク(2)(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に、上下方向に間隔をおくとともに幅方向を前後方向に向けて配置された複数の扁平状熱交換管(4)と、隣接する熱交換管(4)どうしの間の通風間隙、および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側にそれぞれ配置されてコルゲートフィン(5)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(6)とを備えている。なお、この実施形態において、右側のヘッダタンク(2)を第1ヘッダタンク、左側のヘッダタンク(3)を第2ヘッダタンクというものとする。
第1ヘッダタンク(2)は、熱交換管(4)を接続する管接続用プレート(7)と、横断面円形の筒状タンク本体(8)と、管接続用プレート(7)とタンク本体(8)との間に介在させられるとともに管接続用プレート(7)およびタンク本体(8)にろう付され、かつ管接続用プレート(7)に接続された熱交換管(4)の冷媒通路(4a)をタンク本体(8)の内部空間(8a)に通じさせる連通プレート(9)(連通部材)とを備えており、内部が冷媒流路(10a)となった入口ヘッダ部(10A)および内部が冷媒流路(10b)となった出口ヘッダ部(10B)が上下に並んで設けられている。入口ヘッダ部(10A)の冷媒流路(10a)および出口ヘッダ部(10B)の冷媒流路(10b)は、タンク本体(8)の内部空間(8a)に形成されている。
図2〜図5に示すように、第1ヘッダタンク(2)の管接続用プレート(7)は両面にろう材層を有するブレージングシート、ここではアルミニウムブレージングシートから形成されたものであり、前後方向に長い貫通状管挿入穴(11)が、上下方向に間隔をおいて形成されている。上半部の複数の管挿入穴(11)は、入口ヘッダ部(10A)の冷媒流路(10a)の上下方向の範囲内に形成され、同じく下半部の複数の管挿入穴(11)は、出口ヘッダ部(10B)の冷媒流路(10b)の上下方向の範囲内に形成されている。また、管接続用プレート(7)の前後両側縁部に、それぞれ右方に突出して先端が連通プレート(9)の外面まで至り、かつ連通プレート(9)の前後両側面を覆う側面被覆壁(12)が一体に形成され、連通プレート(9)の前後両側面にろう付されている。各側面被覆壁(12)の突出端の上下両端部および上下方向中央部に、それぞれ前後方向内方に突出しかつ連通プレート(9)の外面に係合する係合爪(13)(係合部)が一体に形成され、連通プレート(9)にろう付されている。なお、図5に実線で示すように、係合爪(13)は、管接続用プレート(7)および連通プレート(9)を組み合わせる前の状態では、側面被覆壁(12)に真っ直ぐに連なって左右方向外方にのびている。真っ直ぐな係合爪を(13A)で示す。そして、管接続用プレート(7)および連通プレート(9)を組み合わせた後、係合爪(13A)を前後方向内方に曲げることによって管接続用プレート(7)および連通プレート(9)が仮止めされる。
タンク本体(8)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを円筒状に成形するとともに、両側縁部を相互にろう付することにより形成されたものである。タンク本体(8)の左側部分(内側部分)における管接続用プレート(7)の管挿入穴(11)と対応する部分には、タンク本体(8)の内部空間(8a)に形成された入口ヘッダ部(10A)の冷媒流路(10a)および出口ヘッダ部(10B)の冷媒流路(10b)を外部に通じさせる冷媒通過穴(14)が貫通状に形成されている。また、タンク本体(8)の右側部分における上下両端部および上下方向の中央部には、タンク本体(8)の長さ方向外側から見て半円形の仕切板挿入穴(15)が形成されている。上下両端部の仕切板挿入穴(15)は、上下両端の冷媒通過穴(14)よりもタンク本体(8)の長さ方向外側に形成され、上下方向中央部の仕切板挿入穴(15)は、入口ヘッダ部(10A)と出口ヘッダ部(10B)との間の部分でかつ冷媒通過穴(14)とずれた位置に形成されている。そして、各仕切板挿入穴(15)内に、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる仕切板(16)が挿入されてタンク本体(8)にろう付されることによって、タンク本体(8)の上下両端部および上下方向の中央部に仕切板(16)が配置され、これによりタンク本体(8)の内部空間(8a)の上下両端開口が仕切板(16)により閉鎖されるとともに、タンク本体(8)の内部空間(8a)が長さ方向の中央部において仕切板(16)により上下に区画されている。上下両端の仕切板(16)と中央部の仕切板(16)との間の部分において、管接続用プレート(7)の複数の管挿入穴(11)およびタンク本体(8)の複数の冷媒通過穴(14)が形成されている。
タンク本体(8)の右側部分における上端の仕切板挿入穴(15)よりも若干下方の高さ位置に冷媒入口(17)が形成され、同じく下端の仕切板挿入穴(15)よりも若干上方の高さ位置に冷媒出口(18)が形成されている。タンク本体(8)の外面に、冷媒入口(17)に通じる冷媒流入路(21)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製の直方体状入口部材(19)と、冷媒出口(18)に通じる冷媒流出路(23)を有する金属製、ここではアルミニウムベア材製の直方体状出口部材(22)とが、タンク本体(8)のろう材を利用してろう付されている。
第1ヘッダタンク(2)の連通プレート(9)は金属ベア材、ここではアルミニウム押出形材により形成されたものであり、外面(右面)の前後方向(幅方向)の中央部には、長手方向にのびる横断面円弧状の凹所(24)が全長にわたって形成されている。凹所(24)の曲率半径はタンク本体(8)の外径と等しくなっており、タンク本体(8)は、タンク本体(8)を形成するアルミニウムブレージングシートの両側縁部どうしのろう付部が凹所(24)内に位置するように、その一部分が凹所(24)内に嵌め入れられた状態で、タンク本体(8)を形成するアルミニウムブレージングシートのろう材層を利用して連通プレート(9)にろう付されている。連通プレート(9)の外面における凹所(24)の前後両側部分には、それぞれタンク本体(8)の外面に密着した状態でタンク本体(8)にろう付された凸条(25)が全長にわたって一体に形成されている。また、連通プレート(9)における管接続用プレート(7)の管挿入穴(11)と対応する部分には、管接続用プレート(7)の管挿入穴(11)とタンク本体(8)の冷媒通過穴(14)とを通じさせる連通穴(26)が形成されている。
第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10A)は、管接続用プレート(7)、タンク本体(8)および連通プレート(9)における上下方向中央部の仕切板(16)よりも上側の部分により形成され、同じく出口ヘッダ部(10B)は、管接続用プレート(7)、タンク本体(8)および連通プレート(9)における上下方向中央部の仕切板(16)よりも下側の部分により形成されている。第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10A)および出口ヘッダ部(10B)の冷媒流路(10a)(10b)は、タンク本体(8)の内部空間(8a)における上下両端の仕切板(16)と上下方向中央部中央部の仕切板(16)との間に存在する部分からなる。
図2、図3および図6に示すように、第2ヘッダタンク(3)は、第1ヘッダタンク(2)とほぼ同様な構成であり、同一物および同一部分に同一符号を付す。両ヘッダタンク(2)(3)は、管接続用プレート(7)どうしが対向するように配置されている。
第2ヘッダタンク(3)のタンク本体(8)には上下両端部のみに仕切板(16)が配置されており、タンク本体(8)の内部空間(8a)は、上下両端開口のみが仕切板(16)により閉鎖されている。その結果、第2ヘッダタンク(3)には、第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10A)および出口ヘッダ部(10B)に跨るように、内部が冷媒流路(27a)となった1つの中間ヘッダ部(27)が形成されている。なお、タンク本体(8)には冷媒入口および冷媒出口が形成されていない。
第2ヘッダタンク(3)の管接続用プレート(7)のすべての管挿入穴(11)は、中間ヘッダ部(27)の冷媒流路(27a)の上下方向の範囲、すなわち上下両端の仕切板(16)間に形成されている。
第2ヘッダタンク(3)の中間ヘッダ部(27)は、管接続用プレート(7)、タンク本体(8)および連通プレート(9)における上下の仕切板(16)間の部分により形成されている。第2ヘッダタンク(3)の中間ヘッダ部(27)の冷媒流路(27a)は、タンク本体(8)の内部空間(8a)における上下両端の仕切板(16)間に存在する部分からなる。
熱交換管(4)は、金属、ここではアルミニウム製押出形材からなり、前後方向に幅広の扁平状で、その内部に長さ方向にのびる複数の冷媒通路(4a)が並列状に形成されている。熱交換管(4)の両端部は、それぞれ両ヘッダタンク(2)(3)の管挿入穴(11)に挿入されるとともに、一部が連通プレート(9)の連通穴(26)内に嵌った状態で、管接続用プレート(7)のろう材層を利用して管接続用プレート(7)および連通プレート(9)にろう付されている。すべての熱交換管(4)は、右端部が第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10A)の冷媒流路(10a)に通じるとともに左端部が第2ヘッダタンク(3)の中間ヘッダ部(27)の冷媒流路(27a)の上半部に通じる複数の熱交換管(4)からなる熱交換管群と、右端部が第1ヘッダタンク(2)の出口ヘッダ部(10B)の冷媒流路(10b)に通じるとともに左端部が第2ヘッダタンク(3)の中間ヘッダ部(27)の冷媒流路(27a)の下半部に通じる複数の熱交換管(4)からなる熱交換管群とに分けられることにより、第1および第2の2つのパス(P1)(P2)に区分されており、各パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が同一となっているとともに、2つのパス(P1)(P2)の熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が異なっている。
ガスクーラ(1)はすべての部品を組み合わせて一括ろう付することにより製造される。
ガスクーラ(1)は、圧縮機、エバポレータ、減圧器およびガスクーラから出てきた冷媒とエバポレータから出てきた冷媒とを熱交換させる中間熱交換器とともに超臨界冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両、たとえば自動車に搭載される。
上述したガスクーラ(1)において、圧縮機を通過したCO2 が、入口部材(19)の冷媒流入路(21)を通って冷媒入口(17)から第1ヘッダタンク(2)の入口ヘッダ部(10A)内の冷媒流路(10a)に入り、冷媒流路(10a)内を下方に流れながら分流して第1パス(P1)のすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入する。冷媒通路(4a)内に流入したCO2は、冷媒通路(4a)内を左方に流れて第2ヘッダタンク(3)の中間ヘッダ部(27)内の冷媒流路(27a)の上半部に流入する。中間ヘッダ部(27)内の冷媒流路(27a)の上半部に流入したCO2は、冷媒流路(27a)内を下方に流れ、分流して第2パス(P2)のすべての熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内に流入し、流れ方向を変えて冷媒通路(4a)内を右方に流れて第1ヘッダタンク(2)の出口ヘッダ部(10B)内の冷媒流路(10b)に入る。その後、CO2は、出口ヘッダ部(10B)の冷媒流路(10b)内を下方に流れ、冷媒出口(18)および出口部材(22)の冷媒流出路(23)を通って流出する。そして、CO2が熱交換管(4)の冷媒通路(4a)内を流れる間に、通風間隙を図1に矢印Xで示す方向に流れる空気と熱交換し、冷却される。
図7はこの発明を適用したガスクーラのヘッダタンクの第1の変形例を示す。
図7に示すヘッダタンク(27)の場合、タンク本体(31)は長軸が前後方向を向いた横断面だ円形の筒状である。したがって、連通プレート(9)の凹所(24)の断面形状もタンク本体(31)に対応した形状となっている。
その他の構成は、上述した実施形態のヘッダタンク(2)(3)と同様である。
図8および図9はこの発明を適用したガスクーラのヘッダタンクの第2の変形例を示す。
図8および図9に示すヘッダタンク(35)の場合、タンク本体(8)が、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる補強カバー(36)により覆われている。補強カバー(36)は、タンク本体(8)を外側から覆うとともにタンク本体(8)に接合された横断面略U字形の被覆部(37)と、被覆部(37)の前後両側に形成され、かつ連通プレート(9)の外面におけるタンク本体(8)の前後両側部分に接合された固定部(38)とよりなる。そして、管接続用プレート(7)の前後両側縁部の上下両端部および上下方向の中央部に形成された係合爪(13)が、補強カバー(36)の固定部(38)に係合して固定部(38)にろう付されている。
その他の構成は、上述した実施形態のヘッダタンク(2)(3)と同様である。
図10および図11はこの発明を適用したガスクーラのヘッダタンクの第3の変形例を示す。
図10および図11に示すヘッダタンク(40)の場合、管接続用プレート(7)には側面被覆壁(12)および係合爪(13)は形成されておらず、連通プレート(9)の前後両側縁部に、コルゲートフィン(5)の左右両端部と、ヘッダタンク(40)との間の隙間を覆う板状の遮風部材(41)が全長にわたって一体に形成されている。遮風部材(41)の上下両端部および上下方向の中央部には、前後方向内方に屈曲されるとともに管接続用プレート(7)の左右方向内面に係合し、かつ管接続用プレート(7)にろう付された係合爪(42)が形成されている。図11に実線で示すように、係合爪(42)は、管接続用プレート(7)および連通プレート(9)を組み合わせる前の状態では、遮風部材(41)と同一平面内に位置している。真っ直ぐな係合爪を(42A)で示す。そして、管接続用プレート(7)および連通プレート(9)を組み合わせた後、係合爪(42A)を前後方向内方に曲げることによって管接続用プレート(7)および連通プレート(9)が仮止めされる。
その他の構成は、上述した実施形態のヘッダタンク(2)(3)と同様である。
図12〜図14はこの発明を適用したガスクーラの熱交換管の第1の変形例を示す。
図12および図13に示す熱交換管(50)の場合、両ヘッダタンク(2)(3)の管接続用プレート(7)の管挿入穴(11)内に挿入されていない部分の前後両側縁部には、長さ方向にのびかつ熱交換管(50)の管挿入穴(11)への挿入深さ位置を決める2つの位置決め用凸条(51)が、熱交換管(50)の厚さ方向に間隔をおいて一体に形成されている。位置決め用凸条(51)の両端部は両ヘッダタンク(2)(3)の管接続用プレート(7)に当接している。この熱交換管(50)を用いたガスクーラにおいては、車両に搭載した場合に、小石などが飛んできて熱交換管(50)に当たったとしても、位置決め用凸条(51)の働きにより熱交換管(50)の破損が防止される。
熱交換管(50)は、図14に示すように、両側縁部に、2つの凸条(51A)が、厚さ方向に間隔をおくとともに全長にわたって形成されているアルミニウム押出形材(50A)を成形した後、凸条(51A)の両端部を所定長さにわたって切除することによりつくられる。
図15はこの発明を適用したガスクーラの熱交換管の第2の変形例を示す。
図15(b)に示す熱交換管(55)の場合、両ヘッダタンク(2)(3)の管接続用プレート(7)の管挿入穴(11)内に挿入されていない部分の前後両側縁部には、長さ方向にのびかつ熱交換管(55)の管挿入穴(11)への挿入深さ位置を決める1つの位置決め用凸条(56)が、熱交換管(55)の厚さ方向の中央部に一体に形成されている。位置決め用凸条(56)の両端部は両ヘッダタンク(2)(3)の管接続用プレート(7)に当接している。この熱交換管(55)を用いたガスクーラにおいては、車両に搭載した場合に、小石などが飛んできて熱交換管(55)に当たったとしても、位置決め用凸条(56)の働きにより熱交換管(55)の破損が防止される。
熱交換管(55)は、図15(a)に示すように、1つの位置決め用凸条(56A)が全長にわたって形成されているアルミニウム押出形材(55A)を成形した後、位置決め用凸条(56A)の両端部を所定長さにわたって切除することによりつくられる。
上記実施形態においては、タンク本体は、アルミニウムブレージングシートを円筒状に成形して、側縁部どうしを相互にろう付することにより形成されているが、これに限定されるものではなく、たとえばアルミニウム押出形材からなるものであってもよい。
また、上記の実施形態においては、超臨界冷凍サイクルの超臨界冷媒として、CO2が使用されているが、これに限定されるものではなく、エチレン、エタン、酸化窒素などが使用可能である。
さらに、上記の実施形態においては、この発明の熱交換器が超臨界冷凍サイクルのガスクーラに適用されているが、これに限定されるものではなく、他の熱交換器に適用することも可能である。
(1):ガスクーラ(熱交換器)
(2)(3):ヘッダタンク
(4):熱交換管
(4a):冷媒通路
(5):コルゲートフィン
(7):管接続用プレート
(8):タンク本体
(8a):中空部
(9):連通プレート(連通部材)
(10A):入口ヘッダ部
(10a):冷媒流路
(10B):出口ヘッダ部
(10b):冷媒流路
(11):管挿入穴
(13):係合爪(係合部)
(14):冷媒通過穴
(16):仕切板
(24):凹所
(26):連通穴
(27):中間ヘッダ部
(27a):冷媒流路
(27):ヘッダタンク
(31):タンク本体
(35):ヘッダタンク
(36):補強カバー
(37):被覆部
(38):固定部
(40):ヘッダタンク
(41):遮風部材
(50)(55):熱交換管
(2)(3):ヘッダタンク
(4):熱交換管
(4a):冷媒通路
(5):コルゲートフィン
(7):管接続用プレート
(8):タンク本体
(8a):中空部
(9):連通プレート(連通部材)
(10A):入口ヘッダ部
(10a):冷媒流路
(10B):出口ヘッダ部
(10b):冷媒流路
(11):管挿入穴
(13):係合爪(係合部)
(14):冷媒通過穴
(16):仕切板
(24):凹所
(26):連通穴
(27):中間ヘッダ部
(27a):冷媒流路
(27):ヘッダタンク
(31):タンク本体
(35):ヘッダタンク
(36):補強カバー
(37):被覆部
(38):固定部
(40):ヘッダタンク
(41):遮風部材
(50)(55):熱交換管
Claims (8)
- 互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に、幅方向を前後方向に向けるとともにヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて配置され、かつ両端部がそれぞれ両ヘッダタンクに接続された複数の扁平状熱交換管と、隣り合う熱交換管どうしの間の通風間隙に配置されたフィンとを備えた熱交換器であって、
ヘッダタンクが、熱交換管を接続する管接続用プレートと、内部が冷媒流路となった筒状のタンク本体と、管接続用プレートとタンク本体との間に介在させられ、かつ管接続用プレートに接続された熱交換管の冷媒通路をタンク本体内の冷媒流路に通じさせる連通部材とを備えており、管接続用プレートに、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されるとともに、熱交換管の両端部が管挿入穴に挿入されて管接続用プレートの接合され、タンク本体における管接続用プレートの管挿入穴と対応する位置に、冷媒流路を外部に通じさせる冷媒通過穴が形成され、連通部材に、管接続用プレートの管挿入穴とタンク本体の冷媒通過穴とを通じさせる連通穴が形成されている熱交換器。 - タンク本体が、横断面円形である請求項1記載の熱交換器。
- タンク本体が、横断面だ円形である請求項1記載の熱交換器。
- 連通部材の外面に長さ方向にのびる凹所が形成され、タンク本体の一部分が凹所内に嵌った状態で連通部材に接合されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の熱交換器。
- タンク本体が、補強カバーにより覆われており、補強カバーが、タンク本体を外側から覆うとともにタンク本体に接合された被覆部と、被覆部の前後両側に形成され、かつ連通部材の外面におけるタンク本体の前後両側部分に接合された固定部とよりなる請求項1〜4のうちのいずれかに記載の熱交換器。
- 管接続用プレートの前後両側縁部に、補強カバーの固定部に係合する係合部が設けられている請求項5記載の熱交換器。
- 連通部材の前後両側縁部に、フィンの両端部と、ヘッダタンクとの間の隙間を覆う遮風部材が設けられている請求項1〜6のうちのいずれかに記載の熱交換器。
- タンク本体の少なくとも両端部に、タンク本体内の中空部を塞ぐ仕切板が配置されることによって、各ヘッダタンクに、内部が冷媒流路となった少なくとも1つのヘッダ部が形成され、管接続用プレートにおけるヘッダ部の冷媒流路と対応する部分に、複数の管挿入穴がヘッダタンクの長さ方向に間隔をおいて貫通状に形成されている請求項1〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器。
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