JP2010032000A - 偏心揺動型歯車装置及びころ軸受 - Google Patents

偏心揺動型歯車装置及びころ軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2010032000A
JP2010032000A JP2008196437A JP2008196437A JP2010032000A JP 2010032000 A JP2010032000 A JP 2010032000A JP 2008196437 A JP2008196437 A JP 2008196437A JP 2008196437 A JP2008196437 A JP 2008196437A JP 2010032000 A JP2010032000 A JP 2010032000A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eccentric
roller bearing
roller
crankshaft
rollers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008196437A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5069629B2 (ja
Inventor
Shigehisa Muraki
茂久 村木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Nabtesco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabtesco Corp filed Critical Nabtesco Corp
Priority to JP2008196437A priority Critical patent/JP5069629B2/ja
Publication of JP2010032000A publication Critical patent/JP2010032000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5069629B2 publication Critical patent/JP5069629B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】ころ軸受のころの傾きが発生することを抑制する。
【解決手段】クランク軸の第1の偏心部に外嵌される第1のころ軸受55aと、クランク軸の第2の偏心部に外嵌される第2のころ軸受55bと、を備える。ころ軸受55a,55bは、多数のころ56を保持する保持器57をそれぞれ有する。保持器57は、それぞれ、ころの軸方向端部に位置する一対の円環部57aと、この円環部57aの周方向に間隔をおいて設けられるとともに両円環部57aを互いに連結する多数の連結部57bとを有する。連結部57bは、第1のころ軸受55aの連結部57bによって規定される仮想円環体R1と第2のころ軸受55bの連結部57bによって規定される仮想円環体R2とが、クランク軸の軸方向に見たときに周方向全体で互いにラップする大きさに形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、偏心揺動型歯車装置及びころ軸受に関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されているように、クランク軸の回転に連動させて外歯歯車を回転させることにより出力側の部材を回転させる偏心揺動型歯車装置が知られている。この種の歯車装置では、クランク軸に複数の偏心部が設けられていて、各偏心部にころ軸受を介装した状態で外歯歯車が外嵌されている。このころ軸受は、多数のころが保持器内に保持された構成のものであり、保持器は、ころの軸方向両端部に位置する一対の円環部と、この円環部同士を連結する連結部とを有している。連結部は、ころの軸線よりも半径方向外側に配設されていて、互いに隣り合うころ間を軸線方向に延びている。
特開2000−55145号公報
ころ軸受のころはある程度のガタを持って保持器に保持されているので、トルクがかかったときにはころに傾き(スキュー)が生ずる。このため、ころの寿命が短くなるという問題がある。またころの傾きによって騒音が発生するという問題もある。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ころ軸受のころの傾きが発生することを抑制することにある。
前記の目的を達成するため、本発明は、内歯を有する外筒と、第1の偏心部及び第2の偏心部を有するクランク軸と、前記第1の偏心部に外嵌される第1のころ軸受と、前記第2の偏心部に外嵌される第2のころ軸受と、前記第1のころ軸受が挿入される貫通孔を有し、前記内歯に噛み合いながら回転可能な第1の外歯歯車と、前記第2のころ軸受が挿入される貫通孔を有し、前記内歯に噛み合いながら回転可能な第2の外歯歯車と、前記クランク軸を回転自在に支持するとともに、前記第1及び第2の外歯歯車に連動して前記外筒に対して相対的に回転可能なキャリアと、を備え、前記第1及び第2のころ軸受は、多数のころと、これらのころを保持する保持器とをそれぞれ有し、前記保持器は、それぞれ、前記ころの軸方向端部に位置する一対の円環部と、この円環部の周方向に間隔をおいて設けられるとともに両円環部を互いに連結する多数の連結部とを有し、前記第1及び第2のころ軸受の連結部は、前記第1のころ軸受の連結部によって規定される仮想円環体と前記第2のころ軸受の連結部によって規定される仮想円環体とが、クランク軸の軸方向に見たときに周方向全体で互いにラップする大きさに形成されている偏心揺動型歯車装置である。
本発明では、クランク軸の軸方向に並んだ偏心部にそれぞれ外嵌されるころ軸受の保持器において、円環部の周方向全体の領域で仮想円環体同士が互いにラップしているので、クランク軸の位相がどの状態にある場合でも、クランク軸の軸方向に見ると、互いに隣接し合う仮想円環体同士に重なり合うところがある。このため、歯車装置にトルクがかかった場合において、一方のころ軸受のころが傾こうとした場合でも、その隣のころ軸受(保持器)の連結部によって受け止ることができるため、ころの傾き(スキュー)が発生することを抑制することができる。この結果、ころの寿命を延ばすことができるとともに、騒音の低減を図ることができる。
ここで、前記第1及び第2の偏心部の外径がd1であり、前記第1及び第2の偏心部が前記クランク軸の軸心に対してそれぞれ偏心量eを有するとともに互いに角度θの位相差で配置されている場合に、前記円環部の内径及び前記連結部によって規定される仮想円環体の内径のうち小さいほうの内径d2が、以下の関係式(1)
d2>d1+2e・sin(θ/2) ・・・(1)
を満足し、前記連結部によって規定される仮想円環体の外径d3が、以下の関係式(2)
d3>d2+2e・sin(θ/2) ・・・(2)
を満足しているのが好ましい。
この態様では、互いに隣接する保持器の連結部同士が互いにラップし合う構成を具体的に実現することができる。しかも内径d2が関係式(1)を満足しているので、一方の偏心部を乗り越えてころ軸受を他方の偏心部に組み付けることができる。したがって、ころ軸受の組み付け作業の手間を緩和することができる。
また、周方向に隣り合う連結部同士の間隙幅が、最も狭いところで、前記ころの直径と同じ寸法であるのが好ましい。この態様では、ころの組み付けに際し、ころを内側から連結部間の間隙に挿入することができる。また、連結部間に挿入されたころを、間隙幅の最も狭いところで保持することが可能なので、ころの組み付け時にその位置でころを仮保持することができる。したがって、組み付け作業の手間を緩和することができる。
この態様において、周方向に隣り合う連結部同士の間隙は、前記保持器の径方向外面に、前記ころが通過可能に開口しているのが、より好ましい。この態様では、ころの組み付けに際し、ころを内側からでも外側からでも連結部間の間隙に挿入することができる。したがって、ころを内側から組み付けるように設計されている歯車装置、及びころを外側から組み付けるように設計されている歯車装置に対し、保持器を共通化することができる。
また、前記連結部が、前記第1及び第2のころ軸受のピッチ円の半径方向内側から半径方向外側に亘る大きさに形成されているのが好ましい。この態様では、連結部間に挿入されたころの仮保持をいっそう容易にすることができる。
また、前記連結部の側面は、軸線方向の全体に亘って平面状に形成されているのが好ましい。この態様では、側面が平面状に形成されるので、保持器の加工が容易となる。
前記偏心揺動型歯車装置は、前記キャリアと前記クランク軸との間に介装されるクランク軸受と、前記クランク軸受と、このクランク軸受に隣り合う前記第1又は第2のころ軸受との間に介装されるワッシャとを備える場合には、前記ワッシャは、前記クランク軸受と隣り合う前記第1又は第2のころ軸受の連結部によって規定される仮想円環体と当該仮想円環体の周方向全体でラップする大きさに形成されているのが好ましい。この態様では、クランク軸受に隣接するころ軸受のころの傾きの発生をワッシャによっても抑制することができる。
本発明は、前記偏心揺動型歯車装置に用いられるころ軸受であって、多数のころと、前記多数のころを保持する保持器と、を備え、前記保持器は、それぞれ、前記ころの軸方向端部に位置する一対の円環部と、この円環部の周方向に間隔をおいて設けられるとともに両円環部を互いに連結する連結部とを有しているころ軸受である。
以上説明したように、本発明によれば、ころ軸受のころの傾きが発生することを抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る偏心揺動型歯車装置10は、外筒12と、この外筒12の内側で当該外筒12に対して相対的に回転可能なキャリア14と、このキャリア14を回転させる駆動力を付与するための入力軸16と、入力軸16の回転数に対して所定の比率で減速された回転数でキャリア14を回転させる減速機構18とを備えている。
外筒12は、円筒状に形成されており、その内周面に、周方向に等間隔をおいて多数配置されたピン状の内歯24を有する。
外筒12の外周部にはフランジ部12aが一体的に設けられている。フランジ部12aには周方向に等間隔にボルト挿通孔12bが設けられている。ボルト挿通孔12bに挿通されたボルト21をケーシング20に螺合させることにより、外筒12とケーシング20とが互いに締結されている。ケーシング20によって外筒12の軸方向一端部(図1において右端部)が塞がれている。ケーシング20には、駆動源であるモータ22が固定されるとともに、モータ22の駆動軸22aを挿通させる挿通孔20aが厚み方向に貫通形成されている。
キャリア14は、軸方向に間隔をおいて配置された一対の主軸受26によって外筒12に支持されていて、外筒12と同軸上に回転可能となっている。すなわち、キャリア14は外筒12に対して相対的に回転する。主軸受26は、それぞれアンギュラ玉軸受によって構成されている。
キャリア14は、一側部である円板状の端板部30と、他側部である円板状の基板部32と、この基板部32の一方の面に突設されたシャフト部33と、を備えている。すなわち、シャフト部33は、基板部32と一体的に形成されている。シャフト部33は、図2に示すように横断面が円形状であり、本実施形態では3つ設けられていて、これらが周方向に等間隔に配設されている。シャフト部33と端板部30とは、シャフト部33の先端面が端板部30に当接された状態でボルト34によって互いに締結されている。この状態で、基板部32と端板部30との間には軸方向に所定幅を有する空間が形成されている。
シャフト部33にはボルト締結孔33aが設けられており、シャフト部33と反対側から端板部30のボルト挿通孔30aに挿入されたボルト34は、シャフト部33のボルト締結孔33aに螺合されている。また、基板部32に対して端板部30を位置決めするピン36がシャフト部33と端板部30に跨るように配設されている。なお、シャフト部33は基板部32と一体的に構成されるのではなく、端板部30と一体的に構成されていてもよい。この場合にはシャフト部33は基板部32と締結されることになる。
基板部32には、端板部30とは反対側の面に相手部材38が取り付けられている。相手部材38は、ボルト37で基板部32に締結されている。
端板部30及び基板部32には、その中央に軸方向に貫通する貫通孔30b,32aがそれぞれ形成されている。貫通孔30b,32aは、入力軸16を挿通可能な貫通孔である。入力軸16は、貫通孔30b,32aに挿通されており、外筒12と同軸上に配置されている。
入力軸16は、その基端部においてモータ22の駆動軸22aと同軸状に結合される一方、先端部が基板部32の貫通孔32a内に位置している。入力軸16の先端部には、外歯車からなる駆動歯車42が一体的に設けられている。
前記減速機構18は、伝達歯車44とクランク軸46と第1外歯歯車48aと第2外歯歯車48bとを備えている。伝達歯車44は、基板部側のクランク軸46の端部に固定されていて、入力軸16に設けられた駆動歯車42と噛み合っている。したがって、クランク軸46には伝達歯車44を介して駆動力が伝達し、これによりクランク軸46は入力軸16の回転に連動する。
クランク軸46は、入力軸16と平行に配置されており、第1クランク軸受51を介して端板部30に回転自在に支持されるとともに、第2クランク軸受52を介して基板部32に回転自在に支持されている。換言すると、第1クランク軸受51は、端板部30とクランク軸46との間に配置され、第2クランク軸受52は、基板部32とクランク軸46との間に配置されている。第1クランク軸受51及び第2クランク軸受52は何れも円錐ころ軸受によって構成されている。
クランク軸46は、第1偏心部46aと第2偏心部46bとを有している。これらの偏心部46a,46bは、互いに位相角がずれていて、第1クランク軸受51と第2クランク軸受52との間で軸方向に互いに隣接して配置されている。第1偏心部46aは第1クランク軸受51に隣接し、第2偏心部46bは第2クランク軸受52に隣接している。
端板部30及び基板部32にはそれぞれ貫通孔30c,32bが形成されていて、クランク軸46は、これらの貫通孔30c,32bを貫通している。なお、本実施形態では、クランク軸46は3つ周方向に等間隔に配置されている(図2参照)。
第1外歯歯車48a及び第2外歯歯車48bは、何れもキャリア14の基板部32と端板部30との間の空間に配設されている。図2にも示すように、第1外歯歯車48a及び第2外歯歯車48bには、それぞれ、入力軸16が貫通可能な第1貫通孔48cと、シャフト部33が貫通可能な第2貫通孔48dと、クランク軸46の偏心部46a,46bが貫通可能な第3貫通孔48eとが形成されている。
第1偏心部46aには第1ころ軸受55aが取り付けられており、この状態で第1偏心部46aは第1外歯歯車48aの第3貫通孔48eに挿通されている。第2偏心部46bには第2ころ軸受55bが取り付けられており、この状態で第2偏心部46bは第2外歯歯車48bの第3貫通孔48eに挿通されている。第1及び第2外歯歯車48bは、クランク軸46の回転によって第1及び第2偏心部46bが揺動するのに伴い、外筒12の内歯24に噛み合いながら回転する。
第1ころ軸受55a及び第2ころ軸受55bはいずれも同じ構成なので、このころ軸受55a,55bの構成の詳細な説明については第1ころ軸受55aの説明で代表させる。第1ころ軸受55aは、円筒ころ軸受によって構成されていて、多数のころ56と、これらのころ56を保持する保持器57とを有する。
図3(a)(b)に示すように、保持器57は、ころ56の軸方向端部に位置する一対の円環部57aと、両円環部57aを互いに連結する多数(本実施形態では12本)の連結部57bと、を有する。各連結部57bはいずれも同じ形状のものであり、これら連結部57bは円環部57aの周方向に等間隔に配設されている。ころ56の軸方向に見ると、円環部57aの半径方向において、円環部57aの幅と連結部57bの幅とは同じ幅となっている。そして、円環部57aの内径と各連結部57bの内端面に接する円の直径とは同じ径となっている。円環部57aの内径は連結部57bの内端面に接する円の直径より小さくてもよく、また円環部57aの外径は連結部57bの外端面に接する円の直径よりも大きくてもよい。
図3(a)に示すように、各連結部57bは、ころ56の軸方向に垂直な断面が円環部57aの径方向に長い長方形状に形成されている。すなわち連結部57bは、軸線方向の全体に亘り、側面が平面状に形成されている。図3(a)には、第1ころ軸受55aのピッチ円Pの一部を描いているが、各連結部57bは、このピッチ円Pの半径方向内側から半径外側に亘る大きさの断面形状を有する。つまり、連結部57bの内端部がピッチ円Pの径方向内側に位置し、外端部がピッチ円Pの径方向外側に位置している。
周方向に隣り合う連結部57b同士の間隙幅は、最も狭いところで、ころ56の直径と同じ寸法となっている。本実施形態では、内側ほど連結部57b同士の間隔が狭くなっているので、連結部57bの内端部同士の間隔幅がころ56の直径と同じになっている。このため、ころ56の組み付けに際し、ころ56を内側から連結部57b間の間隙に挿入することができる。この連結部57b間の間隙は、図3(b)に示すように、保持器57の径方向外面に矩形状に開口している。この開口57cの軸方向幅は、ころ56の長さよりも大きく、また開口57cの周方向幅は、ころ56の直径よりも大きい。したがって、この開口57cを通してころ56が通過可能であり、ころ56の組み付けに際し、ころ56を連結部57b間の間隙に外側から挿入することができる。
第1ころ軸受55aでは、多数の連結部57bが円環部57aの周方向に等間隔に並んで配置されており、これらの連結部57bによって仮想の円環体を規定することができる。この仮想円環体(第1仮想円環体)R1は、多数の連結部57bの内端面に接する仮想円と、多数の連結部57bの外端面に接する仮想円とによって規定されるものである。本実施形態では、円環部57aの半径方向において、円環部57aの幅と連結部57bの幅とが同じ幅となっているので、この第1仮想円環体R1は円環部57aと一致している。
偏心部46a,46bの外径がd1であり、また、偏心部46a,46bがクランク軸46の軸心に対してそれぞれ偏心量eを有するものとし、偏心部46a,46b同士の位相差θ(軸心回りの角度)で各偏心部46a,46bが配置されているとすれば、第1仮想円環体R1の内径(円環部57aの内径)d2は、以下の関係式(1)
d2>d1+2e・sin(θ/2) ・・・(1)
を満足している。内径d2が関係式(1)を満足しているので、ころ軸受55aを偏心部46aに組み付ける際に、もう一方の偏心部46bを乗り越えてころ軸受55aを組み付けることができる。したがって、ころ軸受55aの組み付け作業の手間を緩和することができる。
第1仮想円環体R1の外径d3は、以下の関係式(2)
d3>d2+2e・sin(θ/2) ・・・(2)
を満足している。
第2ころ軸受55bの連結部57bによっても同様に仮想円環体(第2仮想円環体)R2を規定することができるが、第2仮想円環体R2の形状は第1仮想円環体R1の形状と同じ形状となる。そして、両仮想円環体R1,R2の外径d3がそれぞれ関係式(2)を満足することにより、連結部57bは、第1仮想円環体R1と第2仮想円環体R2とが、クランク軸46の軸方向に見たときに周方向全体で互いにラップする大きさに形成されている。すなわち、図3(a)では、第2仮想円環体R2を仮想線で描いているが、この図に示すように、軸方向に見たときに、第2仮想円環体R2は、第2ころ軸受55bの全ての連結部57bと重なり合っている。この重なりは、クランク軸46の位相が任意の場合に同様に生ずる。また、第1仮想円環体R1と第2ころ軸受55bの連結部57bとの関係も同様である。
図1に戻る。
図1に示すように、第1クランク軸受51と第1ころ軸受55aとの間には、第1ワッシャ59が介装されている。この第1ワッシャ59は、クランク軸46に外嵌されていて、第2偏心部46bと反対側の第1偏心部46aの端面に当接している。クランク軸46の軸方向に見たときに、第1ワッシャ59の外径は、第1ワッシャ59と第1ころ軸受55aの第1仮想円環体R1とが、周方向の全体でラップする大きさに形成されている。具体的には、第1ワッシャ59の外径d4は、以下の関係式(3)
d4>d2+2e ・・・(3)
を満足している。
第2クランク軸受52と第2ころ軸受55bとの間には第2ワッシャ60が介装されている。この第2ワッシャ60は、クランク軸46に外嵌されていて、第1偏心部46aとは反対側の第2偏心部46bの端面に当接している。第2ワッシャ60の外径は、第1ワッシャ59の外径と同じである。このため、第2ワッシャ60は、第2ころ軸受55bの第2仮想円環体R2と周方向の全体でラップしている。
ここで、本実施形態に係る偏心揺動型歯車装置10の動作について簡単に説明する。この歯車装置10では、モータ22の駆動力によって入力軸16を駆動し、入力軸16の回転により駆動歯車42を介して伝達歯車44が回転する。これにより、クランク軸46も一体的に回転し、クランク軸46が回転すると、第1偏心部46aの揺動に伴って第1外歯歯車48aが内歯24に噛み合いながら回転し、第2偏心部46bの揺動に伴って第2外歯歯車48bが内歯24に噛み合いながら回転する。これにより、両外歯歯車48a,48bの第2貫通孔48dを貫通しているシャフト部33を有するキャリア14が一緒に回転する。このキャリア14の回転数は、入力軸16へ入力された回転数に対して所定の比率で減速された回転数となっている。
キャリア14が回転しているときには、第1偏心部46aに取り付けられた第1ころ軸受55aの連結部57bによる第1仮想円環体R1と、第2偏心部46bに取り付けられた第2ころ軸受55bの連結部57bによる第2仮想円環体R2とは、互いにラップした関係にある。このため、回転トルクがかかって何れかのころ軸受55a,55bのころ56が傾こうとした場合であっても、その力を隣のころ軸受55b,55aの円環部57a及び連結部57bで受け止めることができる。
以上説明したように、本実施形態では、クランク軸46の軸方向に並んだ偏心部46a,46bにそれぞれ外嵌される保持器57,57において、円環部57aの周方向全体の領域で仮想円環体R1,R2が互いにラップしている。すなわち、クランク軸46の位相がどの状態にある場合でも、クランク軸46の軸方向に見ると、互いに隣接し合う仮想円環体R1,R2同士に重なり合うところがある。このため、歯車装置10にトルクがかかった場合において、ころ56が傾こうとした場合でも、その隣のころ軸受55a,55b(保持器57)の連結部57bによって受け止ることができるため、ころ56の傾き(スキュー)が発生することを抑制することができる。この結果、ころ56の寿命を延ばすことができるとともに、騒音の低減を図ることができる。
また本実施形態では、周方向に隣り合う連結部57b同士の間隙幅が、最も狭いところで、ころ56の直径と同じ寸法なので、ころ56の組み付けに際し、ころ56を内側から連結部57b間の間隙に挿入することができる。また、連結部57b間に挿入されたころ56を、間隙幅の最も狭いところ56で保持することが可能なので、ころ56の組み付け時にその位置でころ56を仮保持することができる。したがって、組み付け作業の手間を緩和することができる。
しかも本実施形態では、連結部57b同士の間隙が、保持器57の径方向外面に開口しているので、ころ56の組み付けに際し、ころ56を内側からでも外側からでも連結部57b間の間隙に挿入することができる。したがって、ころ56を内側から組み付けるように設計されている歯車装置、及びころ56を外側から組み付けるように設計されている歯車装置に対し、保持器57を共通化することができる。
また本実施形態では、連結部57bがころ軸受55a,55bのピッチ円Pの半径方向内側から半径方向外側に亘る大きさに形成されているので、連結部57b間に挿入されたころ56の仮保持をいっそう容易にすることができる。
また本実施形態では、連結部57bの側面が、軸線方向の全体に亘って平面状に形成されているので、保持器57の加工が容易となる。
また本実施形態では、クランク軸受51,52ところ軸受55a,55bとの間のワッシャ59,60が、ころ軸受55a,55bの連結部57bによって規定される仮想円環体R1,R2と周方向の全体でラップする大きさに形成されているので、クランク軸受51,52に隣接するころ軸受55a,55bのころ56の傾きの発生をワッシャ59,60によっても抑制することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。例えば、前記実施形態では、クランク軸46が第1偏心部46aと第2偏心部46bという2つの偏心部を有する構成について説明したが、これに限られるものではなく、3つ以上の偏心部を有する構成であってもよい。
また、入力軸16がキャリア14及び外歯歯車48a,48bを貫通する構成について説明したが、これに限られるものではなく、入力軸16がこれらを貫通しないで、伝達歯車44がモータ22側に配設される構成としてもよい。この場合には、入力軸16が中心からずれたところに配設されるとともに、クランク軸46がキャリア14の中心軸上に配設される構成としてもよい。
また前記実施形態では、連結部57bの横断面が長方形状にある例を示したが、これに限られるものではない。例えば図4に示すように、連結部57bの周方向の幅が径方向の位置によって異なる略台形状に形成されていてもよい。この場合において、連結部57bの側面が円環部57aの半径方向と平行になっているのが好ましい。
本発明の実施形態に係る偏心揺動型歯車装置の断面図である。 前記歯車装置の減速機構を示す断面図である。 (a)ころ軸受の保持器及びころを軸方向に見たときの概念図であり、(b)図3(a)のIIIb−IIIb線における断面図である。 本発明のその他の実施形態に係る偏心揺動型歯車装置におけるころ軸受を軸方向に見たときの図である。
符号の説明
12 外筒
14 キャリア
22 モータ
22a 駆動軸
24 内歯
30 端板部
32 基板部
33 シャフト部
46 クランク軸
46a 第1偏心部
46b 第2偏心部
48a 第1外歯歯車
48b 第2外歯歯車
48e 第3貫通孔
51 第1クランク軸受
52 第2クランク軸受
55a 第1ころ軸受
55b 第2ころ軸受
57 保持器
57a 円環部
57b 連結部
57c 開口
59 第1ワッシャ
60 第2ワッシャ

Claims (8)

  1. 内歯を有する外筒と、
    第1の偏心部及び第2の偏心部を有するクランク軸と、
    前記第1の偏心部に外嵌される第1のころ軸受と、
    前記第2の偏心部に外嵌される第2のころ軸受と、
    前記第1のころ軸受が挿入される貫通孔を有し、前記内歯に噛み合いながら回転可能な第1の外歯歯車と、
    前記第2のころ軸受が挿入される貫通孔を有し、前記内歯に噛み合いながら回転可能な第2の外歯歯車と、
    前記クランク軸を回転自在に支持するとともに、前記第1及び第2の外歯歯車に連動して前記外筒に対して相対的に回転可能なキャリアと、を備え、
    前記第1及び第2のころ軸受は、多数のころと、これらのころを保持する保持器とをそれぞれ有し、
    前記保持器は、それぞれ、前記ころの軸方向端部に位置する一対の円環部と、この円環部の周方向に間隔をおいて設けられるとともに両円環部を互いに連結する多数の連結部とを有し、
    前記第1及び第2のころ軸受の連結部は、前記第1のころ軸受の連結部によって規定される仮想円環体と前記第2のころ軸受の連結部によって規定される仮想円環体とが、クランク軸の軸方向に見たときに周方向全体で互いにラップする大きさに形成されている偏心揺動型歯車装置。
  2. 前記第1及び第2の偏心部の外径がd1であり、前記第1及び第2の偏心部が前記クランク軸の軸心に対してそれぞれ偏心量eを有するとともに互いに角度θの位相差で配置されている場合に、前記円環部の内径及び前記連結部によって規定される仮想円環体の内径のうち小さいほうの内径d2が、以下の関係式(1)
    d2>d1+2e・sin(θ/2) ・・・(1)
    を満足し、前記連結部によって規定される仮想円環体の外径d3が、以下の関係式(2)
    d3>d2+2e・sin(θ/2) ・・・(2)
    を満足している請求項1に記載の偏心揺動型歯車装置。
  3. 周方向に隣り合う連結部同士の間隙幅が、最も狭いところで、前記ころの直径と同じ寸法である請求項1又は2に記載の偏心揺動型歯車装置。
  4. 周方向に隣り合う連結部同士の間隙は、前記保持器の径方向外面に、前記ころが通過可能に開口している請求項3に記載の偏心揺動型歯車装置。
  5. 前記連結部が、前記第1及び第2のころ軸受のピッチ円の半径方向内側から半径方向外側に亘る大きさに形成されている請求項3又は4に記載の偏心揺動型歯車装置。
  6. 前記連結部の側面は、軸線方向の全体に亘って平面状に形成されている請求項1から5の何れか1項に記載の偏心揺動型歯車装置。
  7. 前記キャリアと前記クランク軸との間に介装されるクランク軸受と、
    前記クランク軸受と、このクランク軸受に隣り合う前記第1又は第2のころ軸受との間に介装されるワッシャとを備え、
    前記ワッシャは、前記クランク軸受と隣り合う前記第1又は第2のころ軸受の連結部によって規定される仮想円環体と当該仮想円環体の周方向全体でラップする大きさに形成されている請求項1から6の何れか1項に記載の偏心揺動型歯車装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の偏心揺動型歯車装置に用いられるころ軸受であって、
    多数のころと、
    前記多数のころを保持する保持器と、を備え、
    前記保持器は、それぞれ、前記ころの軸方向端部に位置する一対の円環部と、この円環部の周方向に間隔をおいて設けられるとともに両円環部を互いに連結する連結部とを有しているころ軸受。
JP2008196437A 2008-07-30 2008-07-30 偏心揺動型歯車装置及びころ軸受 Active JP5069629B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008196437A JP5069629B2 (ja) 2008-07-30 2008-07-30 偏心揺動型歯車装置及びころ軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008196437A JP5069629B2 (ja) 2008-07-30 2008-07-30 偏心揺動型歯車装置及びころ軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010032000A true JP2010032000A (ja) 2010-02-12
JP5069629B2 JP5069629B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=41736706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008196437A Active JP5069629B2 (ja) 2008-07-30 2008-07-30 偏心揺動型歯車装置及びころ軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5069629B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102345680A (zh) * 2010-07-30 2012-02-08 住友重机械工业株式会社 滚子的保持器及摆动内啮合型齿轮装置
DE102011109191A1 (de) 2010-08-05 2012-02-09 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Retainer for roller and oscillating internally meshing gear device

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63190619U (ja) * 1987-05-29 1988-12-08
JPS6415556A (en) * 1987-07-08 1989-01-19 Sumitomo Heavy Industries Planetary gear device
JPH07293569A (ja) * 1994-04-27 1995-11-07 Hitachi Constr Mach Co Ltd 遊星歯車減速装置
JP2002310162A (ja) * 2001-04-11 2002-10-23 Ntn Corp 保持器付きころ装置およびこれを用いた遊星歯車装置
JP2007182987A (ja) * 2005-12-07 2007-07-19 Nabtesco Corp 差動揺動型減速機、差動揺動型減速機の製造方法、減速機およびコロ軸受

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63190619U (ja) * 1987-05-29 1988-12-08
JPS6415556A (en) * 1987-07-08 1989-01-19 Sumitomo Heavy Industries Planetary gear device
JPH07293569A (ja) * 1994-04-27 1995-11-07 Hitachi Constr Mach Co Ltd 遊星歯車減速装置
JP2002310162A (ja) * 2001-04-11 2002-10-23 Ntn Corp 保持器付きころ装置およびこれを用いた遊星歯車装置
JP2007182987A (ja) * 2005-12-07 2007-07-19 Nabtesco Corp 差動揺動型減速機、差動揺動型減速機の製造方法、減速機およびコロ軸受

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102345680A (zh) * 2010-07-30 2012-02-08 住友重机械工业株式会社 滚子的保持器及摆动内啮合型齿轮装置
JP2012031952A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Sumitomo Heavy Ind Ltd ローラのリテーナ及び揺動内接噛合型の歯車装置
DE102011108701A1 (de) 2010-07-30 2012-02-23 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Halter für Rollen und oszillierend innen eingreifende Getriebevorrichtung
DE102011108701B4 (de) 2010-07-30 2019-12-24 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Getriebevorrichtung der oszillierend innen eingreifenden Bauart
DE102011109191A1 (de) 2010-08-05 2012-02-09 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Retainer for roller and oscillating internally meshing gear device
JP2012036947A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Sumitomo Heavy Ind Ltd ローラのリテーナ及び揺動内接噛合型の歯車装置
DE102011109191B4 (de) 2010-08-05 2021-11-04 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Haltevorrichtung für Rollen und eine oszillierende, inneneingreifende Getriebevorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP5069629B2 (ja) 2012-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5438297B2 (ja) 偏心揺動型歯車装置
JP4590299B2 (ja) 遊星歯車減速機におけるキャリアの回動支持構造
JP5297756B2 (ja) 歯車伝動装置
JPH0926011A (ja) 転動ボール式変速装置
US8961361B2 (en) Wheel drive unit
JP7186171B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP2006307909A (ja) 遊星歯車減速機におけるキャリアの回動支持構造
KR20100008580U (ko) 감속기
US20160319907A1 (en) Gear transmission
KR20220150249A (ko) 기어 장치
JP6859039B2 (ja) 歯車装置
JP2014119110A (ja) 減速装置のセンタパイプ構造
JP5069629B2 (ja) 偏心揺動型歯車装置及びころ軸受
CN109996974B (zh) 偏心摆动型齿轮装置
JP2011185318A (ja) 歯車装置
JP6723652B2 (ja) 歯車装置
JP5385559B2 (ja) リング歯車を備える歯車伝動装置
JP2007085513A (ja) 遊星歯車減速機におけるキャリアの回動支持構造
JP6373726B2 (ja) 歯車伝動装置
JP2006258270A (ja) 遊星歯車減速機における回動部材の支持構造
JP6570837B2 (ja) 減速機
JP2010007830A (ja) 歯車装置
JP2009287631A (ja) 偏心揺動型歯車装置
JP6453135B2 (ja) 偏心揺動型の歯車装置
JP7417360B2 (ja) 歯車装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120817

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5069629

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250