JP2010031499A - 壁用パネル材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】壁用パネル材1は、一対の横枠材2,3及び、それぞれが木粉・プラスチック複合材で製された一対の縦枠材4,5を枠組みして形成された枠体10と、該枠体の少なくとも一方面11に固着された面材7と、該枠体内に配置された面材補強板6とを備え、前記一対の縦枠材は、対向する内側面42,52の一縁部に、それぞれが対向するように形成された段部43,53を長手方向の全体に亘って有しており、前記面材補強板は、前記一対の縦枠材間に横架されるようにして、その両端部6a,6aを該一対の縦枠材の前記段部に載置させて固定されている。
【選択図】図1
Description
このような壁用パネル材の面材は、耐火性、或いは断熱性、吸音性等の種々の観点から石膏ボードやロックウールボード、インシュレーションボードからなるものが一般的である。
このようなボードは、木ねじや釘等の保持力が比較的、弱いため、当該壁用パネル材に、例えば、手摺りやインテリアカウンターなどの造作部材、或いはインターホンやエアコン、ダクト等の器具、並びにこれら器具を取付けるための器具取付プレート等の設備器具を取付けるためには、下地材(下地桟)として枠体内に面材を補強するための合板等からなる補強板を配置する必要があった。
この壁パネルの上枠及び下枠の少なくとも一方には、該枠体内に補強板を挿入させるための貫通スリットが穿設されており、手摺りなどの設備器具の設置位置に対応する面材の裏面部位に沿わせて補強板を固着している。
上記縦枠の対向面には、それぞれガイド溝が縦枠の長さ方向に亘って対向するように凹設されており、この一対の対向するガイド溝の長さ方向の端部を上記貫通スリットに臨ませて配置している。また、上記補強板には、このガイド溝に摺動自在に挿入させる係合部が両側縁に形成されている。
上記構成とされた壁パネルによれば、補強板を貫通スリットから枠体内にガイド溝に沿わせて挿入させることができ、補強板を設備器具などの設置位置に対応する面材の裏面部位に容易に位置決めして配置できる、と説明されている。
さらにまた、上記特許文献1に記載された壁パネルでは、上記補強板を挿入するための貫通スリットを形成する必要があり、また、補強板を挿入して固定した後に、当該貫通スリットを閉塞するためには、蓋部材を取付ける必要があり、その組み付け工程の更なる改善が望まれていた。
また、本発明に係る前記壁用パネル材においては、前記段部を、複数条の段部としてもよい。
また、本発明に係る前記壁用パネル材においては、前記一対の縦枠材の外側面側のそれぞれに、互いに嵌合し得る形状の連結部を設けるようにしてもよい。
このように、木粉・プラスチック複合材からなる縦枠材とすることによって、当該縦枠材の対向する内側面の一縁部に、上記段部を長手方向の全体に亘って形成する際に、押出成形や射出成形等によって容易かつ精度良く形成できる。また、プラスチック材を含有していることから、木質材からなる縦枠材と比べて、成形後における変形等も低減される。
さらに、上記段部は、長手方向の全体に亘って形成されているので、例えば、上記面材補強板の上下方向の大きさを、所定の設備器具等を取付けるために必要とされる大きさとした場合に、その設備器具等の取付けられる部位に応じて、該面材補強板を上下方向のいずれの部位にも固定でき、汎用性の高いものとなる。
また、このような連結部も上記一対の縦枠材は、木粉・プラスチック複合材で製されているので、容易かつ精度良く連結部を形成できる。
図1は、第1実施形態に係る壁用パネル材を模式的に示す概略横断面図である。
図2〜図5は、いずれも同実施形態に係る壁用パネル材の組み付け工程の一例を説明するための概略分解斜視図である。
図6は、同壁用パネル材を示す概略斜視図である。
尚、以下の各実施形態で示す、手前及び背面並びに上下左右方向は、便宜的に設備器具を取付ける面に対面した使用者を基準としてその方向を説明している。
前記各部材から構成された壁用パネル材1は、図6に示すように、本実施形態では、平板状の略直方体形状とされており、建物の内壁や間仕切り壁等の内装用壁材として使用される。
上記枠体10は、上下にそれぞれ配置された一対の横枠材2,3と、左右にそれぞれ配置された一対の縦枠材4,5とを枠組みして矩形状に形成されており、それぞれが木粉・プラスチック複合材で製されている。
これら上下の横枠材2,3のそれぞれ手前面及び背面が、面材7,8が固着される枠体10の手前側及び背面側の両面11,12の一部を構成する。
尚、これら上下の横枠材2,3は、それぞれ略同寸同形とされており、本実施形態では、いずれも木粉・プラスチック複合材で製されたものとしているが、一方或いは両方を木質材からなるものとしてもよい。
また、これら横枠材2,3に、配電線等を挿通するための配線用の上下方向に貫通させた貫通孔を適所に設けるようにしてもよい。
上記雌縦枠材4は、外方に向けて開口する断面略コ字状に形成されており、該コ字状の開口が連結凹部41を構成し、該コ字状の上下片(図示手前側の片及び背面側の片)が、面材7,8が固着される枠体10の手前側及び背面側の両面11,12の一部を構成する固着部40,40とされている。
また、該雌縦枠材4の雄縦枠材5と対向する内側面42の手前側及び背面側の両縁部には、段部43,43が長手方向の全体に亘って形成されている。
また、これら段部43,43は、後記する面材補強板6の厚みに応じた段部とされている。すなわち、固着部40,40の表面(面材との固着面)との段差が面材補強板6の厚みと同じになるよう段部43,43が形成されている。つまり、図1に示すように、当該段部43に、面材補強板6の一端部6aが固定された状態では、面材補強板6の表面(手前側面)と、手前側の固着部40の表面とが略面一となるように段部43が形成されている。これら段部43,43の横幅は、後記する雄縦枠材5の段部55,55とともに、後記するように面材補強板6の両端部6a,6aを固定可能で、当該面材補強板6の保持が可能な程度の幅とすれば良い。
これら一対の縦枠材4,5は、壁用パネル材1の枠材としての機能のみならず、上述のように、面材補強板6の固定部として機能するとともに、隣接するパネル材との連結を容易にするための連結部としても機能する。
また、これら一対の縦枠材4,5及び上記一対の横枠材2,3は、それぞれ略同厚さ(壁用パネル材1自体の厚さ方向と同方向の厚さ)とされている。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、AS(アクリロニトリルスチレン)、アクリルなどの廃材が挙げられる。
特に、性能やコスト面等の観点からポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂が好ましく採用される。
上記所定の含有割合としては、木粉と熱可塑性樹脂とが概ね同重量となるような割合としてもよい。例えば、木粉及び熱可塑性樹脂の全重量に対して、木粉を50重量%〜55重量%程度、熱可塑性樹脂を45重量%〜50重量%程度としてもよい。
このように、比較的、多量の木粉を含有させることで、例えば、面材7,8との接合の際に、木工用の接着剤を使用できる。
また、上記木粉及び熱可塑性樹脂に加えて、マイカ、アルミナ、タルク等の無機フィラーや、強化剤、相溶化剤等を更に含有させるようにしてもよい。
この枠体10の手前面11及び背面12のそれぞれに上記面材7,8が接着剤等によって固着されている。
上記面材7,8は、それぞれ石膏ボードやロックウールボード、インシュレーションボード等の木ねじや釘等の保持力が比較的、弱い材料からなり、図5に示すように平板状に形成されている。
これら面材7,8は、上記枠体10の両面11,12にそれぞれ固着された状態では、各面材7,8の裏面の四周端部に沿って枠体10が配置され、図6に示すように、上記雄縦枠材5の連結凸部51が露出するように固着されている。
そこで、本実施形態では、設備器具9を取付けるための下地材(下地桟)として、上記面材補強板6を、手前側に配置された面材7の裏面に添わせるようにして固定している。
この面材補強板6の横幅方向(壁用パネル材自体の横幅方向と同方向)の大きさは、上記一対の縦枠材4,5間に横架されるようにして、これら一対の縦枠材4,5にそれぞれ形成された段部43,53に、該面材補強板6の両端部6a,6aを嵌め込み可能な大きさとされている。すなわち、該面材補強板6の横幅は、枠組み形成された両縦枠材4,5の段部43,53の対向する内側面(段壁面)間の幅に応じた横幅とされている。
このような面材補強板6の上下高さ及び上下方向の取付位置は、施工される箇所や取付ける設備器具9等に応じて、適宜、設定可能であり、取付けられる設備器具9の高さに合わせた位置に、所定の取付誤差或いは取付領域許容代等を考慮した上下高さとされた面材補強板6を固定するようにすればよい。このような設備器具9は、種類によって、ある程度、その取付位置の高さ範囲が限定されているので、予め枠体10内への面材補強板6の取り付けが可能となる。
例えば、手摺りやインテリアカウンター等の取り付け用の面材補強板6とする場合には、中ほどの高さに固定したり、エアコンやダクト等の取り付け用の面材補強板6とする場合には、上部に近い高さに固定したりするようにしてもよい。
また、本実施形態では、一枚の面材補強板6を、手前側の面材7の裏面に沿わせるように配置しているが、例えば、背面側の面材8の裏面に沿わせるようにして更に面材補強板6を設けるようにしてもよい。
さらに、二枚以上の複数枚の面材補強板6を、上下の異なる位置にそれぞれ固定するようにしてもよい。
本実施形態に係る壁用パネル材1を、施工する際には、図1に示すように、当該壁用パネル材1の左右両側部にそれぞれ設けられた連結部としての連結凹部41及び連結凸部51を、それぞれ隣接する壁用パネル材1A,1Aの連結凸部51、連結凹部41と嵌合させて、接着剤等によって接合して施工するようにしてもよい。
このように、本実施形態に係る壁用パネル材1は、上記一対の縦枠材4,5の外側面側のそれぞれに、互いに嵌合し得る形状の連結凹部41、連結凸部51を設けているので、容易に施工でき、施工工程の簡略化が図れる。また、このような連結凹部41、連結凸部51も上記一対の縦枠材4,5は、木粉・プラスチック複合材で製されているので、容易かつ精度良くこれらを形成できる。
また、上記のように施工された壁用パネル材1には、上述のような設備器具9を、壁用パネル材1の手前側の面材7に対して、固着具Wsによって取り付けが可能となる。
また、上記のように複数枚の壁用パネル材を連結して接合した後に、面材7,8の表面に、化粧シートや壁クロス等を貼着するようにしてもよい。
まず、図2に示すように、一対の縦枠材4,5の対向する内側面42,52の上下端部のそれぞれに、横枠材2,3の両端部に形成された係合凹部2a,3aを係合させて接着剤等で固着して、図3に示すように、これらを枠組み形成して枠体10を形成する。
次いで、一対の縦枠材4,5間に、面材補強板6を、横架させるようにして、面材補強板6の両端部6a,6aを、これら縦枠材4,5のそれぞれの上記段部43,53に載置して、接着剤等で固着する。
この際、図4に示すように、上下方向の所望する位置に面材補強板6を固着する。図では、上下の中ほどに固着した例を示している。
尚、上記した壁用パネル材1の組み付け工程は、一例であり、他の工程にて形成するようにしてもよい。
また、上記各部材を接着する接着剤としては、特に限定されず、ユリア樹脂や、メラミン樹脂、ユリア・メラミン共縮合樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を含有する接着剤が挙げられる。あるいは、酢酸ビニル樹脂や、合成ゴム、ポリ乳酸、澱粉、アクリル樹脂等を含有する水性接着剤又はエマルジョン接着剤が挙げられる。あるいは、ポリプロピレンや、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)などの合成樹脂を含有するホットメルト接着剤などが挙げられる。本実施形態では、一対の横枠材2,3及び一対の縦枠材4,5を、上記のように、いずれも木粉・プラスチック複合材で製されたものとしているので、木工用の接着剤を使用することもできる。
また、このように、木粉・プラスチック複合材からなる縦枠材4,5とすることによって、当該縦枠材4,5の対向する内側面42,52の両縁部に、上記段部43,53を長手方向の全体に亘って形成する際に、押出成形や射出成形等によって容易かつ精度良く形成できる。また、プラスチック材を含有していることから、木質材からなる縦枠材と比べて、成形後における変形等も低減される。
さらに、上述のように、本実施形態に係る壁用パネル材1では、設備器具9等の種類に応じて、予め所定の上下高さ及び所定の上下位置に、面材補強板6を面材7の裏面に沿わせて固定配置しているので、現場での施工作業が大幅に簡略化される。
さらにまた、上記段部43,53は、長手方向の全体に亘って形成されているので、上述のように、当該面材補強板6の上下方向の大きさを、所定の設備器具9等を取付けるために必要とされる大きさとした場合に、その設備器具9等の取付けられる部位に応じて、該面材補強板6を上下方向のいずれの部位にも固定でき、汎用性の高いものとなる。
また、本実施形態では、上記一対の縦枠材4,5の外側面側に、互いに嵌合し得る形状の連結部を構成する連結凹部41及び連結凸部51をそれぞれ形成した例を示しているが、このような連結部を設けないようにしてもよい。例えば、隣接する壁用パネル材と突き合わせて接合したり、それぞれの縦枠材に凹部を設けて、該凹部に雇い実状のジョイント部材を嵌め込んで接合するような態様としたりしてもよい。
また、本実施形態では、枠体10を構成する一対の横枠材2,3の両端部に、縦枠材4,5の内側面42,52の上下端部と係合する係合凹部2a,3aをそれぞれ設けた例を示しているが、係合凹部2a,3aを設けずに、縦枠材4,5の内側面42,52の上下端部に突き合わせて接合するような態様としてもよい。
さらにまた、枠体10内に、断熱材やペーパーコア材等の芯材等を充填するようにしてもよい。
また、面材補強板6の取り付けられた範囲等を視認できるようにするために、例えば、面材7の表面に、面材補強板6の外縁を目印として図示しておくようにしてもよい。
図7(a)は、第2実施形態に係る壁用パネル材を模式的に示す概略横断面図、(b)は、同壁用パネル材の変形例を模式的に示す概略横断面図である。
尚、上記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略あるいは簡略に説明する。また、本実施形態に係る壁用パネル材の施工工程及び組み付け工程については、上記第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
上記雌縦枠材4Aは、その内側面42Aの両縁部に、複数条の段部44,45をそれぞれ有している。すなわち、上記第1実施形態で説明した雌縦枠材4では、その内側面42の両縁部に、それぞれ一段の段部43,43を形成したものとしていたが、本実施形態では、雌縦枠材4Aの内側面42Aの両縁部に、それぞれ二段の段部44,45を形成している。つまり、当該雌縦枠材4Aの内側面42Aを対面視して、両縁部のそれぞれに左右対称となる複数条の段部44,45を階段状に形成している。
これら段部44,45の固着部40,40の表面(面材との固着面)との各段差は、例えば、市販されている種々の厚みとされた合板等の厚みと同じになるように形成するようにしてもよい。例えば、段部44の段差を、12mm程度とし、段部45の段差を、9mm程度としてもよい。
また、上記面材補強板6Aは、上記第1実施形態で説明した面材補強板6よりもその厚みが薄いものとされており、上記一対の縦枠材4A,5Aのそれぞれ手前側の段部45,55に、その両端部6Aa,6Aaが固定されている。
すなわち、本変形例に係る壁用パネル材1Cは、上記例の面材補強板6Aよりも厚みのある面材補強板6Bを備えている。該面材補強板6Bは、上記一対の縦枠材4A,5Aのそれぞれ背面側(当該壁用パネル材1C自体の壁心側)の段部44,54に、その両端部6Ba,6Baが固定されている。
2,3 横枠材
4,4A 雌縦枠材(縦枠材)
41 連結凹部(連結部)
42,42A 雌縦枠材の内側面
43,44,45 段部
5,5A 雄縦枠材(縦枠材)
51 連結凸部(連結部)
52,52A 雄縦枠材の内側面
53,54,55 段部
6,6A,6B 面材補強板
6a,6Aa,6Ba 面材補強板の端部
7 面材(枠体の一方面に固着された面材)
10 枠体
11 枠体の手前面(一方面)
Claims (4)
- 一対の横枠材及び、それぞれが木粉・プラスチック複合材で製された一対の縦枠材を枠組みして形成された枠体と、該枠体の少なくとも一方面に固着された面材と、該枠体内に配置された面材補強板とを備え、
前記一対の縦枠材は、対向する内側面の一縁部に、それぞれが対向するように形成された段部を長手方向の全体に亘って有しており、
前記面材補強板は、前記一対の縦枠材間に横架されるようにして、その両端部を該一対の縦枠材の前記段部に載置させて固定されていることを特徴とする壁用パネル材。 - 請求項1において、
前記一対の縦枠材の前記内側面の他縁部には、前記段部と略同寸同形とされた段部がそれぞれ形成されていることを特徴とする壁用パネル材。 - 請求項1または2において、
前記段部は、複数条の段部とされていることを特徴とする壁用パネル材。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記一対の縦枠材の外側面側のそれぞれには、互いに嵌合し得る形状の連結部が設けられていることを特徴とする壁用パネル材。
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