JP2010031099A - ポリエステルアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】N−メチル−2−ピロリドンに5wt%以上可溶でありながら、炭酸エステル又はラクトン類に不溶であるか、又は膨潤率1%以下であり、柔軟性に優れ、また高温環境下でも使用することができることから、リチウムイオン二次電池に有用なポリエステルアミド樹脂、及びポリエステルアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリエステルアミド樹脂組成物は(I)ある特定の構造及び成分比率を有するポリエステルアミド樹脂、及び正又は負の電極活物質を含有してなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池の正極又は負極材料として使用可能なポリエステルアミド樹脂組成物に関する。本発明のポリエステルアミド樹脂組成物は、N−メチル−2−ピロリドンに5重量%以上可溶であるために電極板の成形が容易であるとともに、電解液に用いられる炭酸エステル又はラクトン類に不溶であるか、又は膨潤率1%以下であることからリチウム二次電池用電極として有用である。
近年、携帯型(モバイル)機器の小型化、軽量化、高機能化に伴い、この駆動電源としての電池にも小型化、高容量化、信頼性が求められている。このような用途には、一次電池よりも充電可能で、繰り返し使用に耐える二次電池が用いられる。
中でも特に、電源としては従来の二次電池、例えば、ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素吸蔵合金電池は電解液にアルカリ水溶液を使用しているため、低温や高温の環境下では電解液が凍結、あるいは気化してしまうためその耐環境性に問題がある。
これらの問題を解決できるものとして、リチウムイオン二次電池(特許文献1)が用いられるようになってきた。リチウムイオン二次電池では、電解液溶媒として主として炭酸エステル又はラクトン系の有機溶媒が用いられているため、特に低温側の信頼性が向上し、寒冷地屋外での使用も可能である。
このようなリチウムイオン二次電池における電極材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)(特許文献2)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)(特許文献3)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等をバインダーとして用いることが多い。これらのものはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解又は分散して、更に電極活物質を加えたスラリーを、各種塗装法によって簡便にシート状に成形でき、加えて、電解液溶媒である炭酸エステル類に不溶であるため好適に用いられている。しかしながら、例えば、PVdFやPAIの場合においては樹脂そのもの自体が硬く、脆いことから、電極活物質を加えてしまうと更に硬脆くなり、小型化するための曲げ加工を行ったりすると電極が破壊されるという問題点を有している。一方、SBRの場合には、柔軟性には優れているが、その軟化温度が低いために高温環境下での使用が困難であるという問題点を有している。
特開平7−14607号公報 特開2007−42620号公報 特開2008−27766号公報
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、すなわち本発明の課題は、NMPに可溶、炭酸エステル又はラクトン類に不溶であるか、又は膨潤率1%以下でありながら、柔軟性、耐屈曲性に優れ、更に高温環境下で使用することのできるポリエステルアミド樹脂組成物を提供することにある。
従って、本発明は、(I)一般式(1):
Figure 2010031099
(式中、
は、同一又は異なり、環状基1個又は2個を含み、式(1)中の各窒素原子が、環状基の炭素原子と直接又は炭素数1〜12のアルキレン基を介して結合する2価のジアミン残基であるか、又は
場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基であり、
及びRは水素原子であるか、又はR及びRが一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基を形成することができ、
は、同一又は異なり、ヘテロ原子で置換されてもよい炭素数6〜22の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の芳香族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜22の脂環式ジカルボン酸残基である)
で表されるポリアミド繰り返し単位(A−1)と、
一般式(2):
Figure 2010031099
(式中、
は、同一又は異なり、環状基1個又は2個を含み、式(1)中の各窒素原子が、環状基の炭素原子と直接又は炭素数1〜12のアルキレン基を介して結合する2価のジアミン残基であるか、又は
場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基であり、
及びRは水素原子であるか、又はR及びRが一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基を形成することができ、
は、同一又は異なり、−X−Y−Z−であり、
及びZは、それぞれ独立して、炭素数3〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、
は、炭素数2〜9のアルキル基2つで置換されているシクロへキシレン基又はシクロヘキセニレン基である)
で表されるポリアミド繰り返し単位(A−2)
を含むコポリアミド成分(A)、及び
一般式(3):
Figure 2010031099
(式中、
は、同一又は異なり、−X−(Y)n−(Z)m−であり、
n及びmは、それぞれ独立して、0又は1であり、
は、場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基又はアルケニレン基であり、
は、炭素数1〜10のアルキル基2つで置換されていることのある炭素数3〜12の飽和又は不飽和の脂環式基であり、
は、炭素数1〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、
は、同一又は異なり、ヘテロ原子で置換されてもよい炭素数6〜22の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の芳香族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の脂環式ジカルボン酸残基;又は
−X−Y−Z−であり、
及びZは、それぞれ独立して、炭素数3〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、
は、炭素数2〜9のアルキル基2つで置換されているシクロへキシレン基又はシクロヘキセニレン基である)
で表されるポリエステル成分(B)、
の重縮合反応で製造されることを特徴とする、ポリエステルアミド樹脂1〜50重量部、並びに
(II)正又は負の電極活物質99〜50重量部、
を含有するポリエステルアミド樹脂組成物
に関する。
本発明のポリエステルアミド樹脂組成物の好ましい態様においては、前記2価のジアミン残基が、−(X)l−Y−(Z)o−であり、
l及びoはそれぞれ独立して、0又は1であり、
及びZは、それぞれ独立して、場合により置換されていることのある、炭素数1〜12のアルキレン基、若しくはアルケニレン基であるか、又は炭素数7〜12のアルキレンシクロアルキレン基であり、
は、場合により炭素数1〜9のアルキル基で置換されることのある飽和又は不飽和の炭素数3〜12の脂環式基、又は炭素数6〜10の芳香族基である。
また、本発明のポリエステルアミド樹脂組成物の更に好ましい態様においては、前記ポリエステルアミド樹脂(I)におけるポリアミド繰り返し単位(A−1)と、ポリアミド繰り返し単位(A−2)との重量比が、99/1〜30/70であることを特徴とする。
また、本発明のポリエステルアミド樹脂組成物の更に別の好ましい態様においては、前記ポリエステルアミド樹脂(I)におけるコポリアミド成分(A)と、ポリエステル成分(B)との重量比が、99/1〜30/70であることを特徴とする。
また、本発明のポリエステルアミド樹脂組成物の更に別の好ましい態様においては、ポリエステルアミド樹脂(I)が、N−メチル−2−ピロリドンに対して5重量%以上可溶であり、炭酸エステル又はラクトン類に対して不溶、又は膨潤率1%以下であることを特徴とする。
なお、本明細書中において膨潤率とは、本発明のポリエステルアミド樹脂及び比較対象樹脂を縦60mm、横10mm、厚さ1mmのシート状に成形し、電解液溶媒である炭酸エステル類に23℃で7日間浸漬した場合の重量変化率を下記式で算出した値を表す。
(膨潤率)%={(浸漬後の重量)g−(浸漬前の重量)g/(浸漬前の重量)g}×100
本発明のポリエステルアミド樹脂組成物は、NMPに可溶でありながら炭酸エステル又はラクトン類に不溶であるか、又は膨潤率1%以下であり、更に、そのポリエステルアミド樹脂組成物が柔軟性、耐屈曲性に優れ、高温環境下でも使用することができることから、リチウムイオン二次電池用電極に好適に用いることができる。
本発明のポリエステルアミド樹脂組成物は、ある特定の組成より構成されたポリエステルアミド樹脂(I)及び正又は負の電極活物質(II)を含有してなる。
《ポリエステルアミド樹脂(I)》
本発明のポリエステルアミド樹脂(I)は、ポリアミド繰り返し単位(A−1)(以下、単に成分(A−1)と称することがある)と、ポリアミド繰り返し単位(A−2)(以下、単に成分(A−2)と称することがある)から構成されるコポリアミド成分(A)、及びポリエステル成分(B)(以下、単に成分(B)と称することがある)を重縮合するという製造方法によって得られる。
〔成分(A−1)〕
成分(A−1)は、下記一般式(1)により表される。
Figure 2010031099
前記式(1)中、Rは、同一又は異なり、環状基1個又は2個を含み、式(1)中の各窒素原子が、環状基の炭素原子と直接又は炭素数1〜12のアルキレン基を介して結合する2価のジアミン残基であるか、又は
場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基であり、
及びRは水素原子であるか、又はR及びRが一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基を形成することができるものである。
本明細書において、「ジアミン残基」は、式(1)中の2つの窒素原子と結合しているRの残基を意味する。
前記2価のジアミン残基は、好ましくは−(X)l−Y−(Z)o−であり、
l及びoはそれぞれ独立して、0又は1であり、X及びZは、それぞれ独立して、場合により置換されていることのある、炭素数1〜12のアルキレン基、若しくはアルケニレン基であるか、又は炭素数7〜12のアルキレンシクロアルキレン基であり、Yは、場合により炭素数1〜9のアルキル基で置換されることのある飽和又は不飽和の炭素数3〜12の脂環式基、又は炭素数6〜10の芳香族基である。
前記Rが前記2価のジアミン残基であり、そしてR及びRは水素原子である場合、前記式(1)中の−NRa−R−NRb−の基を、得るために用いることのできるジアミン類としては、メンセンジアミン、炭素数20〜48の重合脂肪酸から誘導されるダイマージアミン、ビス−(4,4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン、又はイソホロンジアミンを挙げることができる。
また、前記Rが、場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基であり、R及びRは水素原子である場合、具体的には、前記式(1)中の−NRa−R−NRb−の基を、得るために用いることのできるジアミン類としては、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンを挙げることができる。
また、前記Rが、場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基であり、R及びRが一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基を形成する場合、具体的には、前記式(1)中の−NRa−R−NRb−の基を、得るために用いることのできるジアミン類としては、ピペラジン、ホモピペラジンなどの環状ジアミンを挙げることができる。
前記の化合物の中でも、式(1)中の−NRa−R−NRb−の基を得るために、具体的には、ダイマージアミン、ビス−(4,4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。
前記式(1)中、Rは同一又は異なり、ヘテロ原子で置換されてもよい炭素数6〜22の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の芳香族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜22の脂環式ジカルボン酸残基である。本明細書において、「ジカルボン酸残基」は、式(1)又は(2)中の2つの炭素原子と結合しているRの残基を意味する。
前記脂肪族ジカルボン酸残基は、好ましくは炭素数6〜18である。前記式(1)中の−CO−R−CO−の基を、得るために用いることのできるジカルボン酸としては、炭素数6〜22の脂肪族ジカルボン酸、炭素数6〜22の芳香族ジカルボン酸、又は炭素数6〜22の脂環式ジカルボン酸を用いることができ、具体例として例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ヘキサデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、ジグリコール酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、キシリレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。特に、目的とするポリエステルアミド樹脂(I)のNMPに対する溶解性を向上させるという観点、及びポリエステルアミド樹脂の力学特性を向上させるという観点から、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸からなる群から選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。
前記炭素数6〜22の脂肪族、芳香族ジカルボン酸、又は脂環式ジカルボン酸は、遊離ジカルボン酸であってもエステル誘導体、例えばジカルボン酸メチルエステルであってもよい。遊離ジカルボン酸の場合は脱水反応、エステル誘導体の場合は対応する脱アルコール反応となる。
〔成分(A−2)〕
成分(A−2)は、下記一般式(2)により表される。
Figure 2010031099
前記式(2)中、RはRと同様のものを用いることができる。従って、前記式(2)中の−NRa−R−NRb−の基を、得るために用いることのできるジアミン類も、−NRa−R−NRb−の基を得るために用いることのできるジアミン類を用いることが可能である。
前記式(2)中、Rは、同一又は異なり、−X−Y−Z−であり、X及びZは、それぞれ独立して、炭素数3〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、Yは、炭素数2〜9のアルキル基2つで置換されているシクロへキシレン基又はシクロヘキセニレン基である。
は、具体的には複数の炭素数10〜24の重合性脂肪族カルボン酸から選択された1種又は2種のカルボン酸から得られる不飽和重合脂肪酸のジカルボン酸残基、又はその不飽和重合脂肪酸に水素添加した飽和重合脂肪酸のジカルボン酸残基である。換言すると、Rは、炭素数20〜48のダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主成分とする重合脂肪酸又は重合脂肪酸誘導体の1種又は2種以上ならなる群から選択される重合脂肪酸のジカルボン酸残基を表す。本明細書において、「ジカルボン酸残基」は、式(1)又は(2)中の2つの炭素原子と結合するRの残基を意味する。前記重合性脂肪族カルボン酸は、好ましくは炭素数16〜24、より好ましくは炭素数18〜22の重合性脂肪族カルボン酸である。
前記式(2)中の−CO−R−CO−の基を得るために用いることのできる、重合脂肪酸としては、詳しくは、炭素数10〜24の二重結合あるいは三重結合を1個以上有する一塩基性不飽和脂肪酸をディールス−アルダー反応させて得た重合脂肪酸を挙げることができる。より詳しくは、具体例として、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、菜種油脂肪酸等の天然の脂肪酸及びこれらを精製したオレイン酸、リノール酸、エルカ酸等を原料に用いてディールス−アルダー反応させて得た重合脂肪酸が用いられる。
前記重合脂肪酸は、通常ダイマー酸(二量体化脂肪酸)を主成分とし、他に、原料の脂肪酸や三量体化以上の脂肪酸の混合物として得られるものである。中でも、ダイマー酸(二量体化脂肪酸)含有量が70重量%以上、好ましくは95重量%以上であり、かつ、水素添加(水添反応)して不飽和度を下げたものが、耐酸化性(特に高温域における着色)の観点から特に好適に用いられる。
前記重合脂肪酸は公知の反応によって得ることができるが、市販品を用いることもできる。市販品の例としては例えば、プリポール1004,1009,1010〔以上、クローダ(株)製〕、エンポール1008〔コグニス(株)製〕等が挙げられる。
成分(A−1)と成分(A−2)を反応させて得られる本発明のコポリアミド成分(A)は、成分(A−1)と成分(A−2)の共重合比が重量比で99/1〜30/70の範囲であることを特徴とする。より好ましくは成分(A−1)と成分(A−2)の共重合比が重量比で95/5〜40/60である。成分(A−1)と成分(A−2)の共重合比が重量比で99/1を超えて成分(A−1)が多い場合、結果として得られたポリエステルアミド樹脂(I)が硬くて脆いものになることがあり好ましくない。一方、成分(A−1)と成分(A−2)の共重合比が重量比で30/70を超えて成分(A−2)が多い場合、得られるコポリアミド成分(A)の結晶性、即ち、凝集力が低下して、結果として得られたポリエステルアミド樹脂(I)にタックを生じたり、結晶化速度が遅くなって成形できなくなることがある。また、最終的に得られるポリエステルアミド樹脂が炭酸エステル又はラクトン類に可溶となったり、膨潤率が1%を超えるようになることがあり好ましくない。
本発明のコポリアミド成分(A)は、公知慣用の重縮合法によって製造できる。一般に工業的には、触媒存在下あるいは非存在下において150〜300℃で1〜24時間程度の反応を行う。脱水あるいは脱アルコール反応を促進し、高温による着色、分解反応を避けるために、180〜270℃で大気圧以下の減圧下で反応を行うのが好ましい。
本発明のコポリアミド成分(A)の製造においては、成分(A−1)及び成分(A−2)に対応する原料を一度に仕込んで反応させてもよいし、成分(A−1)と成分(A−2)を別々に合成した後、更に反応させてもよい。製造工程の煩雑化を避けるために、成分(A−1)及び成分(A−2)に対応する原料を一度に仕込んで反応させることが好ましい。
本発明のコポリアミド成分(A)の製造においては、末端官能基(アミノ基、及び/又はカルボキシル基)が所定濃度に達するまで継続する。末端官能基はアミノ基とカルボキシル基でも両方とも存在するように成分(A−1)及び成分(A−2)の量を調整してもよいし、アミノ基又はカルボキシル基どちらか一方が優先的に残るように成分(A−1)及び成分(A−2)の量を調整してもよい。この2法のうち、成分(A)の内容組成の安定化のために、アミノ基又はカルボキシル基どちらか一方が優先的に残るように調整することが好ましい。
〔成分(B)〕
成分(B)は、下記一般式(3)により表される。
Figure 2010031099
前記式(3)中、Rは、同一又は異なり、−X−(Y)n−(Z)m−であり、
n及びmは、それぞれ独立して、0又は1であり、Xは、場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基であり、Yは、炭素数1〜10のアルキル基2つで置換されていることのある炭素数3〜12の脂環式基であり、Zは、炭素数1〜12のアルキレン基である。前記脂環式基は好ましくは炭素数4〜8の脂環式基、より好ましくは炭素数5〜7脂環式基、最も好ましくは炭素数6のシクロへキシレン基である。
は、より具体的には、同一又は異なり、炭素数2〜54の置換又は無置換の脂肪族ジオールのジオール残基、又は炭素数1〜10のアルキル基2つで置換されているか、又は無置換の炭素数3〜12の脂環式基を含む炭素数2〜54の脂肪族ジオールのジオール残基を表す。本明細書において、「ジオール残基」は、式(3)中の2つの酸素原子と結合しているRの残基を意味する。
前記式(3)中の−O−R−O−の基を、得るために用いることのできるジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、シクロペンタジエン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂環族ジオール、ダイマー酸(二量体化脂肪酸)を還元反応したダイマージオール等が挙げられる。中でも、NMPに対する溶解性、及び得られるポリエステルアミド樹脂(I)の力学的特性の観点から、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ダイマージオールが好ましい。
前記式(3)中、Rは、同一又は異なり、ヘテロ原子で置換されてもよい炭素数6〜22の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の芳香族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の脂環式ジカルボン酸残基;又は−X−Y−Z−であり、X及びZは、それぞれ独立して、炭素数3〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、Yは、炭素数2〜9のアルキル基2つで置換されているシクロへキシレン基又はシクロヘキセニレン基である。前記式(3)中、RはR及び/又はRと同様のものを用いることができる。従って、前記式(3)中の−CO−R−CO−の基を、得るために用いることのできるジカルボン酸も、式(1)又は(2)中の−CO−R−CO−の基を得るために用いることのできるジカルボン酸を用いることが可能である。
コポリアミド成分(A)とポリエステル成分(B)を反応させて得られる本発明のポリエステルアミド樹脂(I)は、成分(A)と成分(B)の共重合比が重量比で99/1〜30/70の範囲であることを特徴とする。より好ましくは成分(A)と成分(B)の共重合比が95/5〜50/50である。成分(A)と成分(B)の共重合比が99/1を超えて成分(A)が多い場合には、結果として得られるポリエステルアミド樹脂(I)が硬くて脆いものになることがあり好ましくない。一方、成分(A)と成分(B)の共重合比が30/70を超えて成分(B)が多い場合には、結果として得られるポリエステルアミド樹脂(I)にタックを生じたり、結晶化速度が遅くなって成形できなくなることがある。また、ポリエステルアミド樹脂が炭酸エステル又はラクトン類に可溶となったり、又は膨潤率1%を超えるようになることがあり好ましくない。
本発明のポリエステルアミド樹脂(I)の製造には、公知慣用の重縮合法によって、コポリアミド成分(A)を製造したときと同様の手法で実施できる。
本発明のポリエステルアミド樹脂(I)の製造においては、成分(A)と成分(B)を別々に合成した後反応させることもできるが、製造工程の煩雑化を避けるために、成分(A)を合成した後に、成分(A)の存在下に成分(B)に対応する原料を仕込んで反応させることが好ましい。
本発明のポリエステルアミド樹脂(I)の製造においては、意図的に末端官能基(水酸基、又はカルボキシル基)を残すように成分(A)及び成分(B)の量を調整してもよいし、全く残らないように成分(A)及び成分(B)の量を調整してもよい。重縮合反応であるために、意図的に末端官能基を残す場合には、必然的に最終的なポリエステルアミド樹脂(I)の分子量、即ち粘度が決まる。一方、末端官能基が全く残らないように調整した場合、完全に反応してしまうと非常に高分子量となり、NMPに溶解したときに高粘度となってしまい取り扱いが困難になることがある。このような場合には、意図的に僅かの末端官能基を残すように調整するか、例え、末端官能基が残らないように調整した場合でも、所望する粘度に達するまで反応を継続すればよい。
《ポリエステルアミド樹脂(I)におけるその他の添加剤》
本発明におけるポリエステルアミド樹脂(I)には、各種添加剤を含むことができる。特に、ポリエステルアミド樹脂(I)の酸化分解、熱分解、着色を防止する目的で、安定剤を含むことが好ましい。このような安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、N,N−ヘキサメチレンビス(3,3−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナマイド)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ジミリスチル−3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3−チオジプロピオネート等の熱安定剤等が挙げられる。これらの安定剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリエステルアミド樹脂(I)は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に5重量%以上可溶であることを特徴とする。NMPはリチウムイオン二次電池の電極を作成するときに一般的に用いられる溶剤である。また、本発明のポリエステルアミド樹脂(I)は、炭酸エステル又はラクトン類に対して不溶、あるいは膨潤率1%以下であることを特徴とする。この炭酸エステル又はラクトン類は、リチウムイオン二次電池の電解液として用いられるものであり、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類や、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類が用いられ、工業的に多くの場合、プロピレンカーボネートが用いられる。
《正又は負の電極活物質(II)》
本発明における電極活物質(II)としては、リチウムイオン電池の構成において正極活物質、及び/又は負極活物質を含有する。
〔正極〕
本発明に係わる正極活物質としては、リチウム含有金属化合物、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、又はこれらの金属元素(Li、Co、Ni、Mn)に一部が他の金属元素、例えば、Al、Ti、Zr、Nb、Sr、Cu、Mg等で置換された複合金属酸化物が用いられる。中でも、電解液が高温にさらされたときの安定性の点からLiCoO、又はCoの一部が他の金属で置換された複合金属酸化物が好ましく用いられる。また、Oの一部が他の元素、例えば、S、ハロゲンで置換されていてもよい。これらの正極活物質は1種類あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、正極には、前記正極活物質のほか、導電助剤を含んでいてもよい。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、気相成長型炭素繊維(VGCF)等の導電性炭素材料が用いられる。これらの導電助剤は1種類あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔負極〕
本発明に係わる負極活物質としては、リチウム金属そのもの、あるいはリチウム合金、例えば、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−ケイ素合金、リチウム−スズ合金等が好ましく用いられる。これらの負極活物質は、1種類あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
また、負極には、前記負極活物質のほか、前記正極の項で例示した導電助剤を含むことができる。
《ポリエステルアミド樹脂組成物》
本発明においては、前記ポリエステルアミド樹脂(I)1〜50重量部、及び正又は負の電極活物質(II)99〜50重量部含有することを特徴とする。前記ポリエステルアミド樹脂(I)が1重量部未満の場合には、組成物が脆いものとなることがあり好ましくない。また、前記ポリエステルアミド樹脂(I)が50重量部を超える場合には、電極活物質量が相対的に減少するため、抵抗が大きくなり所望する電流量が得られない場合がある。
本発明のポリエステルアミド樹脂組成物は、成形性、柔軟性に優れ、電極活物質との接着性も良好であることから、リチウムイオン二次電池における電極形成バインダーとして有効である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の例示において“部”は特に示さない限り“重量部”を意味するものとする。
《参考例1:ポリエステルアミド樹脂(I)の合成例》
機械式撹拌装置、温度計、脱水トラップ、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、炭素数36のダイマー酸〔水添二量体化脂肪酸、ダイマー酸含有率98%、クローダ(株)製プライポール1009〕2部、アゼライン酸188部、ピペラジン158部を入れ、3時間かけて230℃まで昇温した。このとき約150℃付近から縮合水が流出してきた。230℃で150mmHgまで減圧し、1時間保持した後にサンプリングしたところ酸価は30であった。この反応混合物に更にアゼライン酸429部、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール341部を添加したところ、内温が150℃まで低下した。再度250℃まで昇温し、5mmHgで1時間、2mmHgで1時間、1〜2mmHgで3時間反応させ、安定剤であるN,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナマイド(チバスペシャリティケミカルズ製、イルガノックス1098)1部を添加した。反応混合物をサンプリングして粘度を測定したところ、230℃において60Pa・sであったため、反応を終了し、反応混合物をテフロンバット上に取り出して、目的とするポリエステルアミド樹脂(I)を得た。
《参考例2〜4:ポリエステルアミド樹脂(I)の合成例》
原料それぞれの配合量を表1に示したように変更した以外は参考例1と同様にして、本特許の請求範囲内であるポリエステルアミド樹脂(I)を得た。
Figure 2010031099
《実施例1》
参考例1で得られたポリエステルアミド樹脂(I)50部と、コバルト酸リチウム(LiCoO)50部を、東測精密工業(株)製溶融混練機を用いて220℃で5分間、窒素気流下で混練した。このポリエステルアミド樹脂組成物を東洋精機(株)製ミニテストプレス−10を用いて、220℃、10MPaの条件で2mm厚に成形した。更にこの成形板を10mmx60mmに切り出して試験片を作製した。
《実施例2〜4》
用いたポリエステルアミド樹脂(I)を、それぞれ参考例2〜4で得られたものに代えた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
《比較例》
クレハ(株)製ポリフッ化ビニリデン樹脂W#1300を用いた以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
<評価方法>
下記項目について評価し、結果を表1及び表2に示した。
・N−メチル−2−ピロリドン(NMP)への溶解性
参考例1〜4で得られたポリエステルアミド樹脂、及びクレハ(株)製ポリフッ化ビニリデン樹脂W#1300を、5wt%の水準でNMPに加熱、溶解して、溶液の状態を目視で観察した。表1中の「可溶」は、5wt%のポリエステルアミド樹脂又はポリフッ化ビニリデン樹脂がNMPに完全に溶解したことを示す。
・プロピレンカーボネート(PC)に対する膨潤率
参考例1〜4で得られたポリエステルアミド樹脂,及びクレハ(株)製ポリフッ化ビニリデン樹脂W#1300を、コバルト酸リチウム(LiCoO)を入れずに実施例1〜4及び比較例と同様に作製した試験片を、予め23℃に設定したPCに浸漬して、7日後の重量を測定し、下記式により膨潤率を求めた。
(膨潤率)%={(浸漬後の重量)g−(浸漬前の重量)g/(浸漬前の重量)g}×100
・柔軟性
実施例1〜4及び比較例で作製した試験片を、島津製作所(株)製オートグラフAGS−5kNDを用いて2mm/minで引張試験を行い、引張弾性率を柔軟性の指標とした。値が小さいほど柔軟性が良好であることを示す。
Figure 2010031099
本発明のポリエステルアミド樹脂はNMPに対する溶解性に優れる一方、PCに対する膨潤率が小さく、柔軟性に優れ、また高温環境下でも使用することができることから、電極活物質を添加したポリエステルアミド樹脂組成物はリチウムイオン二次電池用電極に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. (I)一般式(1):
    Figure 2010031099
    (式中、
    は、同一又は異なり、環状基1個又は2個を含み、式(1)中の各窒素原子が、環状基の炭素原子と直接又は炭素数1〜12のアルキレン基を介して結合する2価のジアミン残基であるか、又は
    場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基であり、
    及びRは水素原子であるか、又はR及びRが一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基を形成することができ、
    は、同一又は異なり、ヘテロ原子で置換されてもよい炭素数6〜22の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の芳香族ジカルボン酸残基、又は炭素数6〜22の脂環式ジカルボン酸残基である)
    で表されるポリアミド繰り返し単位(A−1)と、
    一般式(2):
    Figure 2010031099
    (式中、
    は、同一又は異なり、環状基1個又は2個を含み、式(1)中の各窒素原子が、環状基の炭素原子と直接又は炭素数1〜12のアルキレン基を介して結合する2価のジアミン残基であるか、又は
    場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基であり、
    及びRは水素原子であるか、又はR及びRが一緒になって炭素数2〜6のアルキレン基を形成することができ、
    は、同一又は異なり、−X−Y−Z−であり、
    及びZは、それぞれ独立して、炭素数3〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、
    は、炭素数2〜9のアルキル基2つで置換されているシクロへキシレン基又はシクロヘキセニレン基である)
    で表されるポリアミド繰り返し単位(A−2)
    を含むコポリアミド成分(A)、及び
    一般式(3):
    Figure 2010031099
    (式中、
    は、同一又は異なり、−X−(Y)n−(Z)m−であり、
    n及びmは、それぞれ独立して、0又は1であり、
    は、場合により置換されていることのある、炭素数1〜18のアルキレン基又はアルケニレン基であり、
    は、炭素数1〜10のアルキル基2つで置換されていることのある炭素数3〜12の飽和又は不飽和の脂環式基であり、
    は、炭素数1〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、
    は、同一又は異なり、ヘテロ原子で置換されてもよい炭素数6〜22の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の芳香族ジカルボン酸残基、炭素数6〜22の脂環式ジカルボン酸残基;又は
    −X−Y−Z−であり、
    及びZは、それぞれ独立して、炭素数3〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、
    は、炭素数2〜9のアルキル基2つで置換されているシクロへキシレン基又はシクロヘキセニレン基である)
    で表されるポリエステル成分(B)、
    の重縮合反応で製造されることを特徴とする、ポリエステルアミド樹脂1〜50重量部、並びに
    (II)正又は負の電極活物質99〜50重量部、
    を含有するポリエステルアミド樹脂組成物。
  2. 前記2価のジアミン残基が、−(X)l−Y−(Z)o−であり、
    l及びoはそれぞれ独立して、0又は1であり、
    及びZは、それぞれ独立して、場合により置換されていることのある、炭素数1〜12のアルキレン基、若しくはアルケニレン基であるか、又は炭素数7〜12のアルキレンシクロアルキレン基であり、
    は、場合により炭素数1〜9のアルキル基で置換されることのある飽和又は不飽和の炭素数3〜12の脂環式基、又は炭素数6〜10の芳香族基である、請求項1に記載のポリエステルアミド樹脂組成物。
  3. 前記ポリエステルアミド樹脂(I)におけるポリアミド繰り返し単位(A−1)と、ポリアミド繰り返し単位(A−2)との重量比が、99/1〜30/70であることを特徴とする、請求項1に記載のポリエステルアミド樹脂組成物。
  4. 前記ポリエステルアミド樹脂(I)におけるコポリアミド成分(A)と、ポリエステル成分(B)との重量比が、99/1〜30/70であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリエステルアミド樹脂組成物。
  5. ポリエステルアミド樹脂(I)が、N−メチル−2−ピロリドンに対して5重量%以上可溶であり、炭酸エステル又はラクトン類に対して不溶、又は膨潤率1%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエステルアミド樹脂組成物。
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