JP2010029814A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着されたHC成分の脱離温度を高め、脱離したHC成分を充分に浄化できる排気ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】エンジンの排気通路に配設される排気ガス浄化用触媒であって、ハニカム状担体と、前記ハニカム状担体のセル壁5表面に形成された触媒層6とを備え、前記触媒層6が、ゼオライトを含有するゼオライト層11と、触媒貴金属を含有する浄化層12との少なくとも2つの層が積層されたものであり、前記ゼオライト層11が前記浄化層12より前記セル壁5側に存在し、前記触媒層6が、アルカリ土類金属を含有し、前記浄化層12におけるアルカリ土類金属の含有量が、前記触媒層6に含有されているアルカリ土類金属の全量に対して10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒を用いる。
【選択図】図3
【解決手段】エンジンの排気通路に配設される排気ガス浄化用触媒であって、ハニカム状担体と、前記ハニカム状担体のセル壁5表面に形成された触媒層6とを備え、前記触媒層6が、ゼオライトを含有するゼオライト層11と、触媒貴金属を含有する浄化層12との少なくとも2つの層が積層されたものであり、前記ゼオライト層11が前記浄化層12より前記セル壁5側に存在し、前記触媒層6が、アルカリ土類金属を含有し、前記浄化層12におけるアルカリ土類金属の含有量が、前記触媒層6に含有されているアルカリ土類金属の全量に対して10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒を用いる。
【選択図】図3
Description
本発明は、排気ガスに含まれる炭化水素(HC)等を浄化する排気ガス浄化用触媒に関する。
エンジンから排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化用触媒は、例えば、エンジン排気マニホールドの直下に配設されていることが多い。このことは、エンジンの始動時等の排気ガス温度が低いときには、排気通路に設けられた排気ガス浄化用触媒に含まれる触媒貴金属が充分に活性化しておらず、HCや一酸化炭素(CO)の酸化反応、又は窒素酸化物(NOx)の還元反応等による排気ガスの浄化が起こりにくいためである。かかる位置に排気ガス浄化用触媒を配設することによって、可能な限り早期に排気ガス浄化用触媒中の触媒貴金属を活性化させることができ、未燃状態のHC成分等を含有する排気ガスの浄化を早期に開始させることができる。しかしながら、かかる位置に排気ガス浄化用触媒を配設しても、エンジン始動後、数秒から20秒くらいの間は、排気ガス浄化用触媒中の触媒貴金属がHC成分を酸化できる温度に到達していないため、排気ガスを充分に浄化できないという問題があった。
この問題を解決するために、HC成分を吸着するゼオライトを含有した排気ガス浄化用触媒が知られている。ゼオライトは、結晶構造内に数Å〜数十Åの範囲において所定サイズの細孔を有し、該細孔にHC成分を吸着でき、所定温度以上に昇温すると、その吸着したHC成分を脱離することが知られている。ゼオライトを含有することによって、エンジン始動直後は、排気ガス中の未燃状態のHC成分をゼオライトが吸着する。そして、排気ガス浄化用触媒が温められると、ゼオライトに吸着されていたHC成分が徐々に脱離して、活性化された触媒貴金属によって浄化される。しかしながら、実際には、ゼオライトは、約60℃以下の低温でHC成分を吸着できるものの、排気ガス温度が、触媒貴金属が活性化し始める200℃程度になったときには、吸着していたHC成分の大半が脱離されている。したがって、脱離したHC成分を充分に浄化できないという問題があった。
このようなHC成分を一時的に吸着する排気ガス浄化用触媒としては、例えば、特許文献1には、ゼオライト吸着剤、Ag、Cu、Co、Ni、SrおよびMgの少なくとも1種を含む脱離温度向上成分および燃焼触媒活性成分を含む触媒組成物Aと、前記ゼオライト吸着剤および燃焼触媒活性成分を含む触媒組成物Bとの混合体が、ハニカム状担体上に担持されている排気ガス浄化用触媒が開示されている。
また、ゼオライトとアルカリ土類金属とを含有する排気ガス浄化用触媒としては、例えば、特許文献2には、ハニカム状担体にゼオライト層と触媒貴金属層とを順次積層してなり、上層の触媒貴金属層が、アルカリ土類金属を含有し、上層の触媒金属層と下層のゼオライト層とにおけるアルカリ土類金属の含有比が、重量比で60/40〜99/1である排気ガス浄化用触媒が開示されている。
また、ゼオライトを含む触媒層にアルカリ土類金属であるバリウムを担持させる方法の一例としては、例えば、特許文献3には、担体にコートした2層の触媒層に、バリウム溶液と白金溶液とを混合させた溶液を含浸させることによって、バリウムが触媒層の12重量%以上担持されてなる触媒を製造する方法が開示されている。
特開2004−8855号公報
特開2001−113173号公報
特開平11−151357号公報
上記のようなHC成分を一時的に吸着する排気ガス浄化用触媒は、触媒貴金属がHC成分を浄化できる温度に到達するまで、HC成分が吸着されていることが求められる。すなわち、HC成分の脱離温度の高い排気ガス浄化用触媒が求められる。
特許文献1によれば、脱離温度向上成分として、SrやBa等のアルカリ土類金属が挙げられており、この脱離温度向上成分の使用により、高級炭化水素の脱離温度を上昇させることができることが記載されている。しかしながら、アルカリ土類金属を含有させただけでは、HC成分の脱離温度を充分に向上させることができなかった。
また、特許文献2によれば、エンジン始動直後において排出される高濃度のHC成分を有効に浄化できることが記載されている。そして、このメカニズムとしては、アルカリ土類金属が、NOx吸着材として機能するためであるとしている。すなわち、下層のゼオライト層に吸着されていたHC成分が脱離した後、上層の触媒貴金属層に含有されているアルカリ土類金属(NOx吸着材)と接触し、HC成分がNOx吸着材に吸着されていたNOxと反応することにより、HC成分は酸化され、NOxは還元されるためであるとしている。したがって、特許文献2に記載の排気ガス浄化用触媒では、HC成分の脱離温度を向上させるものではない。また、このようにアルカリ土類金属をNOx吸着材として捉えた結果、上層の触媒貴金属層に、下層のゼオライト層よりもアルカリ土類金属を多く含有させる構成にしていると考えられる。そして、本発明者等が、実際に、上層の触媒貴金属層に、下層のゼオライト層よりもアルカリ土類金属を多く含有させた触媒を作製し、HC成分の浄化性能を検討した結果、浄化性能が充分に高いものではないという問題があった。
また、特許文献3によれば、バリウムを2層の触媒層に担持できることが記載されている。しかしながら、バリウムをNOx吸着材として扱っており、HC成分の脱離温度を向上させるための排気ガス浄化用触媒が得られるものではなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、吸着されたHC成分の脱離温度を高め、脱離したHC成分を充分に浄化できる排気ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
本発明者等は、まず、塩基性の高いアルカリ土類金属がゼオライトに吸着されたHC成分の脱離温度を高めることができ、ゼオライト層と浄化層との少なくとも2つの層が積層された触媒層において、いずれの層にアルカリ土類金属を含有させるかによって、HC成分の脱離温度が変化することを実験的に確認した。そして、浄化性能を充分に向上させることができる条件を鋭意検討した結果、ゼオライト層と浄化層との両層にアルカリ土類金属が含有されており、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量を規定した、以下のような本発明を想到するに到った。
本発明の排気ガス浄化用触媒は、エンジンの排気通路に配設される排気ガス浄化用触媒であって、ハニカム状担体と、前記ハニカム状担体のセル壁表面に形成された触媒層とを備え、前記触媒層が、ゼオライトを含有するゼオライト層と、触媒貴金属を含有する浄化層との少なくとも2つの層が積層されたものであり、前記ゼオライト層が前記浄化層より前記セル壁側に存在し、前記触媒層が、アルカリ土類金属を含有し、前記浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量が、前記触媒層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対して10質量%以上30質量%以下であることを特徴とするものである。
この構成によれば、吸着されたHC成分の脱離温度を高め、脱離したHC成分を充分に浄化できる。このことは、以下のことによると考えられる。
触媒層に含有されるアルカリ土類金属が、触媒層に接触したHC成分に作用することによって、排気ガス中のHC成分をゼオライト層のゼオライトに吸着されやすい状態に変化させることができる。すなわち、ゼオライト層にアルカリ土類金属を含有させることによって、ゼオライトにHC成分が強固に吸着されるので、吸着されたHC成分の脱離温度を向上させることができる。そして、ゼオライト層だけではなく、ゼオライト層より排気ガス流路に近い浄化層にも、比較的少量のアルカリ土類金属を含有させることによって、浄化層を通過しゼオライト層に接触される排気ガス中にゼオライトに吸着されやすい状態に変化したHC成分が含まれることになる。このようにゼオライトに吸着されやすい状態に変化したHC成分がゼオライト層に接触することよって、ゼオライト層の排気ガス流路に近い領域であっても、HC成分の吸着に有効に利用することができ、ゼオライト層全体にHC成分を強固に吸着させることができる。従って、アルカリ土類金属の含有量を上記範囲に設定することにより、吸着されたHC成分の脱離温度を高め、脱離したHC成分を充分に浄化できると考えられる。
また、前記排気ガス浄化用触媒において、前記ゼオライト層における前記アルカリ土類金属の濃度が、前記セル壁に近い領域より前記セル壁から遠い領域の方が高いことが好ましい。
この構成によれば、HC成分の浄化性能をより高めることができる。このことは、以下のことによると考えられる。前記ゼオライト層のセル壁から遠い領域、つまりゼオライト層の排気ガス流路に近い領域のアルカリ土類金属の濃度が高いので、ゼオライト層の排気ガス流路に近い領域でHC成分がゼオライトに吸着されやすい状態に変化できる。よって、ゼオライト層の排気ガス流路に近い領域を、HC成分の吸着により有効に利用できることによると考えられる。
また、前記ゼオライト層の前記セル壁に近い領域における前記アルカリ土類金属の濃度が、前記浄化層における前記アルカリ土類金属の濃度より高いことが好ましい。すなわち、前記排気ガス浄化用触媒のように、アルカリ土類金属の濃度がゼオライト層内で不均一である場合であっても、前記ゼオライト層におけるアルカリ土類金属の濃度が低い領域は、前記浄化層における前記アルカリ土類金属の濃度より高い。この構成によれば、触媒層に含有されるアルカリ土類金属によって、ゼオライト層のゼオライトにより強固にHC成分が吸着される構成となり、HC成分の浄化性能をより高めることができる。
また、前記浄化層が、Pdを含有するPd層とRhを含有するRh層とが積層されたものであり、前記Rh層が前記Pd層より前記ゼオライト層側に存在することが好ましい。この構成によれば、浄化層によるHC成分の浄化性能をより高めることができる。
また、前記触媒層に含有されているアルカリ土類金属の全量が、前記ハニカム状担体1L当たり10g以上40g以下であることが好ましい。この構成によれば、HC成分の浄化性能をより高めることができる。
本発明によれば、HC成分がゼオライトに強固に吸着されるので、吸着されたHC成分の脱離温度が高い排気ガス浄化用触媒が得られる。
本発明の実施形態に係る排気ガス浄化用触媒について説明する。
図1は、本実施形態に係る排気ガス浄化用触媒を備えた触媒コンバータ1を模式的に示す断面図である。触媒コンバータ1は、エンジンに接続される排気通路に配置され、この触媒コンバータ1において排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)等の有害成分が浄化されて排出されるように構成されている。この触媒コンバータ1は、耐熱容器2の中に浄化触媒(排気ガス浄化用触媒)3が内蔵されることにより構成されている。なお、図示を省略しているが、前記耐熱容器2には、前記浄化触媒3の温度を検出する温度センサが設けられていてもよい。
図2は、前記浄化触媒3の一部を拡大して示す断面図である。前記浄化触媒3は、隔壁で区画した多数のセルを有する略円柱状又は楕円柱状のハニカム状担体と、前記ハニカム状担体のセル壁5表面に形成された触媒層6とにより構成される。そして、前記浄化触媒3は、排気ガスが上流側から下流側に向かってセルを通過する間に、そのセル壁5表面に形成された触媒層6中に拡散して、触媒層6に含まれる触媒貴金属等と接触することにより有害成分(HC、CO、NOx等)を浄化させるようになっている。
前記浄化触媒3は、そのハニカム状担体として、例えば、コージェライト製のセラミック担体、またはステンレス鋼製のメタル担体等を用いることができる。
また、前記浄化触媒3の触媒層6は、層全体にアルカリ土類金属を含有し、次のような複数の層からなるものである。図3は、前記セル壁5表面に形成されている触媒層6を模式的に示す断面図である。前記触媒層6としては、例えば、図3(a)に示すような、ゼオライト層11と浄化層12とをセル壁5表面に順次積層したもの等が挙げられる。前記ゼオライト層11は、ハニカム状担体のセル壁5表面に形成された、少なくともゼオライトとアルカリ土類金属とを含有する層である。前記浄化層12は、前記ゼオライト層11表面に形成された、少なくとも触媒貴金属とアルカリ土類金属とを含有する層である。
そして、前記触媒層6に含有されているアルカリ土類金属の担持量が、前記ハニカム状担体に対して10g/L以上40g/L以下であることが好ましい。アルカリ土類金属の担持量が少なすぎると、吸着されたHC成分の脱離温度を向上させる効果を充分に発揮できない傾向がある。また、アルカリ土類金属の担持量が多すぎると、アルカリ土類金属によって、浄化層12中の触媒貴金属を覆ってしまったり、又は、ゼオライト層11中のゼオライトの吸着点の多くを占有したりして、浄化率や吸着率が低下するという傾向がある。また、前記浄化層12におけるアルカリ土類金属の含有量が、前記触媒層6に含有されているアルカリ土類金属の全量に対して10質量%以上30質量%以下である。この範囲から外れると、浄化触媒3の浄化性能を充分に向上させることができない。このことは、浄化層12におけるアルカリ土類金属の含有量が10質量%未満であると、浄化層12を通過してゼオライト層11と接触するHC成分として、ゼオライトに吸着されやすい状態に変化したHC成分が少なく、特にゼオライト層11の浄化層12に近い領域にあるゼオライトをHC成分の吸着に充分に活用できないからであると考えられる。また、浄化層12におけるアルカリ土類金属の含有量が30質量%を超えると、ゼオライト層11に含まれるアルカリ土類金属の量が少なくなり、アルカリ土類金属によるゼオライトへのHC成分の吸着性能を向上させる効果が低減してしまうことによると考えられる。また、前記ゼオライト層11のアルカリ土類金属の含有量は、前記触媒層6に含有されているアルカリ土類金属全量に対して70質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
また、前記ゼオライト層11は、上述のようにゼオライトとアルカリ土類金属とを含有していればよく、アルカリ土類金属が層内に均一に分散している必要はない。むしろ、前記ゼオライト層11における前記アルカリ土類金属の濃度が、前記セル壁5に近い領域より前記セル壁から遠い領域の方が高いのが好ましい。具体的には、図3(b)に示すように、前記ゼオライト層11としては、アルカリ土類金属の濃度の低い第1ゼオライト層13とアルカリ土類金属の濃度の高い第2ゼオライト層14とをセル壁5表面に順次積層したもの等が挙げられる。すなわち、アルカリ土類金属の濃度が、前記第2ゼオライト層14、前記第1ゼオライト層13、前記浄化層12の順に高い触媒層6を備えたものが好ましい。具体的には、例えば、前記浄化層12におけるアルカリ土類金属の担持量が、前記ハニカム状担体に対して1g/L以上3g/L以下であることが好ましい。前記第1ゼオライト層13におけるアルカリ土類金属の担持量が、前記ハニカム状担体に対して3g/L以上12g/L以下であることが好ましい。前記第2ゼオライト層14におけるアルカリ土類金属の担持量が、前記ハニカム状担体に対して12g/L以上24g/L以下であることが好ましい。また、前記ゼオライト層11におけるアルカリ土類金属の濃度の分布は、前記浄化層12に近い領域が高く、前記セル壁5に近い領域が低ければよく、上記のように層状に分かれる構成でなくてもよく、順次濃度が変わる構成のものであってもよい。
前記ゼオライト層11に含有されるゼオライトとしては、HC成分が吸着される多数の細孔を有するものであれば、特に限定なく用いられる。具体的には、例えば、β−ゼオライト、MFI−ゼオライト(ZSM−5)及び超安定化Y(USY)−ゼオライト等が挙げられる。また、ケイバン(SiO2/Al2O3)比が、20〜100であるものが好ましい。
また、前記浄化層12に含有される触媒貴金属は、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化させるとともに、窒素酸化物(NOx)を還元するものである。具体的には、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、及びロジウム(Rh)等から選択される少なくとも1種が例示される。また、PdとRhとの組み合わせ、及びPtとRhとの組み合わせが好ましく、PdとRhとを組み合わせて用いるのがより好ましい。前記浄化層12が、Pdを含有するPd層とRhを含有するRh層とを積層したものであり、前記Rh層が前記Pd層より前記ゼオライト層側に存在するように構成したものがより好ましい。また、前記浄化層12は、アルミナ等の担体や複合酸化物に触媒貴金属が担持されたものが含有されていてもよい。触媒貴金属を担体等に担持させる方法としては、以下のような方法が挙げられる。例えば、触媒貴金属であるPtを担体であるアルミナに担持させる方法としては、アルミナにジニトロジアミン白金硝酸溶液を加えて混合し、蒸発乾固法によって、アルミナに白金を担持させる。担体に対する触媒貴金属の担持量は、例えば、Ptについてジニトロジアミン白金硝酸溶液の濃度や量を調整することによって調節できる。
また、前記触媒層6に含有されるアルカリ土類金属は、後述のように、ゼオライト層11のゼオライトに吸着されているHCの脱離温度を高める性能を有するものである。また、前記アルカリ土類金属としては、例えば、酸化物の状態で含有されていてもよいし、他の金属との複合酸化物として含有されていてもよい。アルカリ土類金属としては、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)が挙げられ、Baが好ましく用いられる。他の金属との複合酸化物としての具体例としては、例えば、ZrとBaとの酸化物を含むZrBa系複合酸化物、ZrとSrとの酸化物を含むZrSr系複合酸化物やZrとCaとの酸化物を含むZrCa系複合酸化物等が挙げられる。
また、触媒層6に含まれる材料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、ゼオライト、触媒貴金属及びアルカリ土類金属以外に、従来から触媒材料として用いられているもの、例えば、アルミナ、Ceを含む複合酸化物からなる酸素吸蔵材、硫黄(S)成分による被毒の抑制のためのニッケル(Ni)等を含んでいてもよい。
前記触媒層6は、例えば、以下のようにして調製される。
触媒層6は、例えば、以下のようにして調製される。なお、アルカリ土類金属を含有しない触媒層の形成方法について説明し、アルカリ土類金属を含有する方法については後述する。
まず、ゼオライト、水及びバインダ原料を混合してゼオライト層形成用スラリーを調製する。そして、このゼオライト層形成用スラリーにハニカム状担体を浸漬させて、ハニカム状担体のセル壁上にスラリーをコーティングする。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去した後、乾燥、焼成する。このようにして、ハニカム状担体のセル壁上にゼオライト層を形成する。
次に、触媒貴金属、前記触媒貴金属を担持する担体材(例えば、アルミナ等)、水及びバインダ原料を混合して浄化層用スラリーを調製する。そして、この浄化層形成用スラリーにゼオライト層を形成させたハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングする。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去した後、乾燥、焼成する。このようにして、ゼオライト層上に浄化層を形成する。
なお、この触媒層6の層厚等は、スラリーの粘度や濃度、コートする回数等により調整可能である。また、バインダ原料としては、例えば、硝酸ジルコニルやアルミナゾル等を用いることができ、焼成条件としては、例えば、450〜550℃の温度で、大気中にて1〜3時間程度保持するのが好ましい。
そして、アルカリ土類金属を含有させる方法としては、まず、前記ゼオライト層形成用スラリー及び前記浄化層用スラリーとして、前記ゼオライト層及び前記浄化層が所定のアルカリ土類金属濃度となるように調整したスラリーを用いる方法が挙げられる。その際、図3(b)に示すようなゼオライト層がアルカリ土類金属の濃度の異なる2層で形成されている触媒層を形成する場合、アルカリ土類金属濃度の異なる2種のゼオライト層形成用スラリーを調製し、各ゼオライト層形成用スラリーを用いて各ゼオライト層を形成させる。
また、別の方法としては、アルカリ土類金属を含有しない触媒層の形成したハニカム状担体を、アルカリ土類金属溶液に浸漬させ、含浸担持させることによって、アルカリ土類金属をゼオライト層及び浄化層に担持させる方法が挙げられる。そうすることによって、ゼオライト層及び浄化層の各層のアルカリ土類金属の含有量が所定の含有量となる。さらに、ゼオライト層の浄化層に近い領域のアルカリ土類金属濃度が高いものが得られる。ゼオライト層及び浄化層の各層のアルカリ土類金属の含有量が所定の含有量となるのは、ゼオライトが極めて大きな比表面積をもっていることによると考えられる。すなわち、アルカリ土類金属溶液を含浸した場合に、上層である浄化層のアルミナやCe系複合酸化物よりも下層であるゼオライト層のゼオライトに多くのアルカリ土類金属が担持されると考えられる。そして、ゼオライト層の浄化層に近い領域のアルカリ土類金属濃度が高いものとなるのは、触媒層に含浸させたアルカリ土類金属溶液を乾燥させる際、水分とともにアルカリ土類金属性分が上層に向かって吸い上げられるように集積してくるので、ゼオライト層の中でも上層に近い部分、セル壁から遠い領域にアルカリ土類金属の高濃度部分が発生するためと考えられる。触媒層内のアルカリ土類金属濃度は、触媒層を形成したハニカム状担体を排気ガスの流通方向に垂直な方向の断面(例えば、図3(b)に示す断面)の触媒層を、排気ガスの流通方向から電子線マイクロアナライザ(EPMA)観察を行うことによって測定することができる。EPMA観察は、電子線を触媒層に照射することにより発生する特性X線の波長から構成元素を分析することによって、触媒層中の各場所のアルカリ土類金属濃度を特定することができる。なお、アルカリ土類金属溶液としては、例えば、アルカリ土類金属の酢酸塩水溶液等が挙げられる。
前記触媒層6に含有されるアルカリ土類金属は、ゼオライト層11のゼオライトに吸着されているHCの脱離温度を高める性能(HC脱離温度を向上させる性能)を有する。この性能を発揮するメカニズムは、次のように推測される。図4は、HC脱離温度を向上させるメカニズムを示す説明図である。
エンジンから排気ガスが排出されると、排気ガス中のHC成分が浄化触媒3の触媒層6に接触する。触媒層6に含有されているアルカリ土類金属21は、塩基性が強いので、触媒層6に接触したHC成分に作用することによって、炭素上に負電荷を有するカルバニオンが発生する。具体的には、例えば、HC成分であるトルエンが、触媒層6に含有されているアルカリ土類金属21に接触すると、図4(a)に示すように、HをH+として引き抜き、トルエンのカルバニオンとなる。
カルバニオンは、炭素上に負電荷を有するので、図4(b)に示すように、ゼオライト層11内のゼオライトのルイス酸点(Si+)と相互作用して、引き付けられる。この相互作用によって、アルカリ土類金属21は、ゼオライトへのHC成分の吸着を強化している。したがって、ゼオライトに吸着されたHC成分の脱離温度が高まると推定される。
また、図4では、HC成分として、トルエンを例示したが、トルエンに限らず、HC成分であれば、アルカリ土類金属によって、炭素上に負電荷を有するカルバニオンが発生し、上記メカニズムと同様に作用し、HC成分の脱離温度が高まると推定される。
以上のように、本発明に係る浄化触媒は、吸着されたHC成分の脱離温度が充分に高いので、脱離されたHC成分は、充分に加熱されて活性化された触媒貴金属によって、浄化することができる。
以下に、本発明の実施形態である浄化触媒3の実施例について説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例A]
まず、浄化触媒のHC脱離温度特性を検討した。
まず、浄化触媒のHC脱離温度特性を検討した。
(実施例1)
本実施例のハニカム状担体としては、直径25.4mm、長さ50mm、セル壁4mil、セル密度400cpsi(1平方インチあたりのセル数が400)のコージェライト製の担体を用いた。
本実施例のハニカム状担体としては、直径25.4mm、長さ50mm、セル壁4mil、セル密度400cpsi(1平方インチあたりのセル数が400)のコージェライト製の担体を用いた。
まず、ハニカム状担体上に形成される触媒層の各層に用いる材料を用意した。
HC吸着層に用いるHC吸着材としては、β−ゼオライト(市販品、ケイバン比40)を用いた。
浄化層は、触媒貴金属として、Pdを担持するPd層とRhを担持するRh層とが積層されており、Rh層がHC吸着層側に存在し、Pd層が表面側に存在する。
Pd層に用いる材料としては、Pd担持CeZrNd複合酸化物(CeO2:ZrO2:Nd2O3=35:55:10(質量比))、Pd担持La含有アルミナ(La2O3含有量:5質量%)を用いた。
Rh層に用いる材料としては、Rh担持CeZrNd複合酸化物(CeO2:ZrO2:Nd2O3=10:80:10(質量比))、Rh担持ZrLaアルミナ複合酸化物(ZrO2:La2O3:Al2O3=38.5:2:59.5(質量比))を用いた。
次に、β−ゼオライト、水及びバインダ原料である硝酸ジルコニアとともに混合してゼオライト層形成用スラリーを生成した。このスラリーにハニカム状担体を浸漬させて、ハニカム状担体にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、ハニカム状担体のセル壁上にゼオライト層を形成した。なお、ハニカム状担体1リットル当たりのゼオライト層の担持量は、160g/Lであった。
そして、Rh担持CeZrNd複合酸化物、Rh担持ZrLaアルミナ複合酸化物、水及びバインダ原料である硝酸ジルコニルを混合してRh層形成用スラリーを生成した。このスラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、ゼオライト層上にRh層を形成した。
次に、Pd担持CeZrNd複合酸化物、Pd担持La含有アルミナ、水及びバインダ原料である硝酸ジルコニルを混合してPd層形成用スラリーを生成した。このスラリーにRh層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、Rh層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、Rh層上にPd層を形成した。
また、ハニカム状担体1リットル当たりのRh担持CeZrNd複合酸化物、Rh担持ZrLaアルミナ複合酸化物、Pd担持CeZrNd複合酸化物、Pd担持La含有アルミナの各担持量は、それぞれ43g/L、18g/L、24g/L、8g/Lとなるようにした。また、ハニカム状担体1リットル当たりのRh層、Pd層の担持量は、触媒貴金属を除いて、それぞれ65g/L、40g/Lとなるようにした。そして、Rh担持CeZrNd複合酸化物のRh、Rh担持ZrLaアルミナ複合酸化物のRh、Pd担持CeZrNd複合酸化物のPd、Pd担持La含有アルミナのPdの各担持量は、それぞれ0.12g/L、0.05g/L、0.25g/L、0.55g/Lであった。
上記のようにして形成されたゼオライト層及び浄化層を備えるハニカム状担体を、酢酸バリウム19gを1.0リットルの蒸留水に溶解させた酢酸バリウム水溶液に浸漬させた。そして、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行うことにより、バリウムを担持した。この工程によって、ゼオライト層及び浄化層の両層にアルカリ土類金属であるBaが担持された。なお、Baの担持量は、20g/Lであった。
以上のようにして、実施例1に係る排気ガス浄化用触媒を製造した。
(比較例1)
比較例1においては、ハニカム状担体、及びハニカム状担体上に形成される触媒層の各層に用いる材料としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
比較例1においては、ハニカム状担体、及びハニカム状担体上に形成される触媒層の各層に用いる材料としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
まず、実施例1と同様の方法により、ハニカム状担体のセル壁上にゼオライト層を形成した。そして、ゼオライト層が形成されたハニカム状担体を、酢酸バリウム19gを1.0リットルの蒸留水に溶解させた酢酸バリウム水溶液に浸漬させた。そして、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、ゼオライト層にアルカリ土類金属であるBaが担持された。なお、Baの担持量は、20g/Lであった。
その後、Baが担持されたゼオライト層が形成されたハニカム状担体に、実施例1と同様の方法により、浄化層を形成した。
以上のようにして、比較例1に係る排気ガス浄化用触媒を製造した。
(比較例2)
比較例2においては、ハニカム状担体、及びハニカム状担体上に形成される触媒層の各層に用いる材料としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
比較例2においては、ハニカム状担体、及びハニカム状担体上に形成される触媒層の各層に用いる材料としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
まず、実施例1と同様の方法により、ハニカム状担体のセル壁上にゼオライト層を形成した。
そして、Rh層形成用スラリー及びPd層形成用スラリーに、Baの担持量が20g/Lとなるように、Baを含有させたこと以外実施例1と同様にして、浄化層(Rh層及びPd層)を形成した。この工程によって、浄化層にアルカリ土類金属であるBaが担持された。
以上のようにして、比較例2に係る排気ガス浄化用触媒を製造した。
[HC脱離温度特性]
実施例1及び比較例1,2に係る浄化触媒は、以下のようにして、HC脱離温度特性を評価した。
実施例1及び比較例1,2に係る浄化触媒は、以下のようにして、HC脱離温度特性を評価した。
まず、得られた各浄化触媒にトルエンを飽和するまで吸着させた。具体的には、各浄化触媒をそれぞれ耐熱容器の中に配設することによって、触媒コンバータを作製した。そして、浄化触媒の温度を50℃に加熱したまま、触媒コンバータの下流側でのトルエン濃度が2000ppmCとなるまで、触媒コンバータの上流側から、トルエン濃度2000ppmCの気体を流入した。そうすることによって、トルエンを飽和するまで浄化触媒に吸着させた。
トルエンを飽和するまで吸着させた後、触媒コンバータの上流側から、トルエンを含まない気体を流入した。その際、浄化触媒の温度を30℃/分間の速度で昇温させ、触媒コンバータの下流側から排出される気体のトルエン濃度(脱離トルエン濃度)を測定した。
図5は、浄化触媒の温度と脱離トルエン濃度との関係を示したグラフである。横軸は、浄化触媒の温度(℃)を示し、縦軸は、脱離トルエン濃度(ppmC)を示す。なお、実施例1の結果は、グラフ31に示し、比較例1の結果は、グラフ32に示し、比較例2の結果は、グラフ33に示す。
図5から、ゼオライト層と浄化層との両層にアルカリ土類金属が担持された実施例1は、ゼオライト層にのみにアルカリ土類金属が担持された比較例1及び浄化層にのみにアルカリ土類金属が担持された比較例2と比較して、高温時、例えば、200℃以上で浄化触媒から脱離するトルエン量が多いことがわかる。具体的には、実施例1では、浄化触媒から脱離する総トルエン量に対する200℃以上で浄化触媒から脱離するトルエン量の比率が、30.7%であった。これに対して、浄化触媒から脱離する総トルエン量に対する200℃以上で浄化触媒から脱離するトルエン量の比率が、比較例1では、12.2%であり、比較例2では、3.7%であった。このことから、実施例1は、比較例1及び比較例2より、トルエンの脱離温度が高いことがわかる。
[実施例B]
次に、浄化触媒の浄化性能を検討した。その際、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率の影響を検討した。ここで用いた浄化触媒は、ゼオライト層としては、浄化層に近い領域のアルカリ土類金属濃度が高く、セル壁に近い領域のアルカリ土類金属濃度が低いものであり、浄化層としては、ゼオライト層上にRh層、Rh層上にPd層を備えたものであり、以下のようにして作製した。なお、実施例3は、上記実施例1と同様、アルカリ土類金属を含有しない触媒層を形成させたものを、酢酸バリウム19gを1.0リットルの蒸留水に溶解させた酢酸バリウム水溶液に浸漬させ、Baを含浸担持したものを用いた。なお、実施例3におけるバリウム濃度は、上記と同様、EPMA観察によって、測定した。
次に、浄化触媒の浄化性能を検討した。その際、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率の影響を検討した。ここで用いた浄化触媒は、ゼオライト層としては、浄化層に近い領域のアルカリ土類金属濃度が高く、セル壁に近い領域のアルカリ土類金属濃度が低いものであり、浄化層としては、ゼオライト層上にRh層、Rh層上にPd層を備えたものであり、以下のようにして作製した。なお、実施例3は、上記実施例1と同様、アルカリ土類金属を含有しない触媒層を形成させたものを、酢酸バリウム19gを1.0リットルの蒸留水に溶解させた酢酸バリウム水溶液に浸漬させ、Baを含浸担持したものを用いた。なお、実施例3におけるバリウム濃度は、上記と同様、EPMA観察によって、測定した。
ハニカム状担体としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。そして、ハニカム状担体上の触媒層の各層を形成させるための、ゼオライト層形成用スラリー、Rh層形成用スラリー及びPd層形成用スラリーとしては、ゼオライト層及び浄化層のアルカリ土類金属の含有量が、それぞれ表1に示す比率となるように、Baを含有させたこと以外実施例1と同様のものを用いた。
まず、ゼオライト層形成スラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程を複数回繰り返すによって、ハニカム状担体のセル壁上にゼオライト層を形成した。その際、使用するゼオライト層形成スラリーは、アルカリ土類金属濃度を徐々に高めたものを用いた。
そして、Rh層形成用スラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、ゼオライト層上にRh層を形成した。次に、Pd層形成用スラリーにRh層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、Rh層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、Rh層上にPd層を形成した。
以上のようにして、ここで使用する浄化触媒を製造した。
そして、得られた浄化触媒の浄化性能を、以下の方法により、ライトオフ温度及び低温HC浄化率を測定することにより、評価した。
[ライトオフ温度]
まず、浄化触媒をそれぞれ耐熱容器の中に配設することによって、触媒装置を作製した。各浄化触媒を50℃に加熱した後、触媒装置の上流側から、模擬排気ガス(トルエン:2000ppmC、O2:0.6体積%、NO:1000ppm、CO:1体積%、H2O:10体積%、N2:残部)を流通させ始め、模擬排気ガスの濃度が安定するまで流通させた。その後、模擬排気ガスを流通させながら、30℃/分の割合で模擬排気ガスの温度を昇温させ、浄化触媒の出口部直後におけるトルエン(HC)、CO及びNO(NOx)濃度が50%となった時点での浄化触媒の入口側での模擬排気ガスの温度を、ライトオフ温度T50として測定した。
まず、浄化触媒をそれぞれ耐熱容器の中に配設することによって、触媒装置を作製した。各浄化触媒を50℃に加熱した後、触媒装置の上流側から、模擬排気ガス(トルエン:2000ppmC、O2:0.6体積%、NO:1000ppm、CO:1体積%、H2O:10体積%、N2:残部)を流通させ始め、模擬排気ガスの濃度が安定するまで流通させた。その後、模擬排気ガスを流通させながら、30℃/分の割合で模擬排気ガスの温度を昇温させ、浄化触媒の出口部直後におけるトルエン(HC)、CO及びNO(NOx)濃度が50%となった時点での浄化触媒の入口側での模擬排気ガスの温度を、ライトオフ温度T50として測定した。
[低温HC浄化率]
まず、浄化触媒をそれぞれ耐熱容器の中に配設することによって、触媒装置を作製した。各浄化触媒を50℃に加熱したまま、触媒装置の上流側から、トルエン濃度2000ppmC(残部:N2)の気体を900秒間流入し、触媒装置の下流側から流出されてきた気体のトルエン濃度を測定した。その際、触媒装置に流入させた総トルエン量Aを触媒装置に流入させた気体のトルエン濃度から算出し、さらに、浄化触媒に吸着されたトルエン量Bを触媒装置に流入させた気体のトルエン濃度と触媒装置から流出された気体のトルエン濃度とから算出した。
まず、浄化触媒をそれぞれ耐熱容器の中に配設することによって、触媒装置を作製した。各浄化触媒を50℃に加熱したまま、触媒装置の上流側から、トルエン濃度2000ppmC(残部:N2)の気体を900秒間流入し、触媒装置の下流側から流出されてきた気体のトルエン濃度を測定した。その際、触媒装置に流入させた総トルエン量Aを触媒装置に流入させた気体のトルエン濃度から算出し、さらに、浄化触媒に吸着されたトルエン量Bを触媒装置に流入させた気体のトルエン濃度と触媒装置から流出された気体のトルエン濃度とから算出した。
そして、A/F=14.7の模擬排気ガス(CO2:13.9体積%、O2:0.6体積%、CO:0.6体積%、H2:0.2体積%、NO:1000ppm、H2O:10体積%、N2:残部)を触媒装置に流通させるとともに、30℃/分の割合で模擬排気ガスの温度を昇温させ、触媒装置から流出されるトルエン濃度を測定した。その際、この加熱時に触媒装置から流出されたトルエン量Cを、この加熱時に触媒装置から流出される気体のトルエン濃度から算出した。
次に下記(I)式によって、低温HC浄化率を算出した。
低温HC浄化率(%)=[(B−C)/A]×100 (I)
以上のようにして得られたライトオフ温度及び低温HC浄化率を表1に示す。
以上のようにして得られたライトオフ温度及び低温HC浄化率を表1に示す。
そして、その結果を、図6にも示す。図6は、浄化触媒の浄化性能に対するアルカリ土類金属の含有量の比率の影響を示したグラフである。なお、横軸は、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率(質量%)を示し、左縦軸は、ライトオフ温度T50(℃)を示し、右縦軸は、低温HC浄化率(%)を示す。また、HC成分に対するライトオフ温度T50は、グラフ41に示し、COに対するライトオフ温度T50は、グラフ42に示し、NOxに対するライトオフ温度T50は、グラフ43に示し、低温HC浄化率は、グラフ44に示す。
図6から、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率が、10質量%以上30質量%以下である場合(実施例2〜4)は、前記比率が10質量%未満である場合(比較例3)及び前記比率が30質量%を超える場合(比較例4,5)と比較して、ライトオフ温度が低く、低温HC浄化率が高いことがわかる。
なお、上記実施例2〜4の浄化触媒から脱離する総トルエン量に対する200℃以上で浄化触媒から脱離するトルエン量の比率が、27.0%、30.7%、22.1%といずれも高かった。このことからも、HC脱離温度の向上が浄化触媒の浄化性能の向上に起因していることが明確となった。
[実施例C]
次に、触媒層の層構成を変化させて、実施例Bと同様の検討を行った。ここで用いた浄化触媒は、ゼオライト層としては、浄化層に近い領域のアルカリ土類金属濃度が高く、セル壁に近い領域のアルカリ土類金属濃度が低いものであり、浄化層としては、ゼオライト層上にPd層、Pd層上にRh層を備えたものであり、以下のようにして作製した。なお、実施例6は、上記実施例1と同様、アルカリ土類金属を含有した触媒層を形成させたものを、酢酸バリウム19gを1.0リットルの蒸留水に溶解させた酢酸バリウム水溶液に浸漬させ、Baを含浸担持したものを用いた。なお、実施例6におけるバリウム濃度は、上記と同様、EPMA観察によって、測定した。
次に、触媒層の層構成を変化させて、実施例Bと同様の検討を行った。ここで用いた浄化触媒は、ゼオライト層としては、浄化層に近い領域のアルカリ土類金属濃度が高く、セル壁に近い領域のアルカリ土類金属濃度が低いものであり、浄化層としては、ゼオライト層上にPd層、Pd層上にRh層を備えたものであり、以下のようにして作製した。なお、実施例6は、上記実施例1と同様、アルカリ土類金属を含有した触媒層を形成させたものを、酢酸バリウム19gを1.0リットルの蒸留水に溶解させた酢酸バリウム水溶液に浸漬させ、Baを含浸担持したものを用いた。なお、実施例6におけるバリウム濃度は、上記と同様、EPMA観察によって、測定した。
ハニカム状担体としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。そして、ハニカム状担体上の触媒層の各層を形成させるための、ゼオライト層形成用スラリー、Rh層形成用スラリー及びPd層形成用スラリーとしては、ゼオライト層及び浄化層のアルカリ土類金属の含有量が、それぞれ表1に示す比率となるように、Baを含有させたこと以外実施例1と同様のものを用いた。
まず、ゼオライト層形成スラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程を複数回繰り返すによって、ハニカム状担体のセル壁上にゼオライト層を形成した。その際、使用するゼオライト層形成スラリーは、アルカリ土類金属濃度を徐々に高めたものを用いた。
そして、Pd層形成用スラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、ゼオライト層上にPd層を形成した。次に、Rh層形成用スラリーにPd層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、Pd層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、Pd層上にRh層を形成した。
以上のようにして、ここで使用する浄化触媒を製造した。
そして、得られた浄化触媒の浄化性能を、上記の方法により、ライトオフ温度及び低温HC浄化率を測定することにより、評価し、その結果を表2に示す。
そして、その結果を、図7にも示す。図7は、浄化触媒の浄化性能に対するアルカリ土類金属の含有量の比率の影響を示したグラフである。なお、横軸は、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率(質量%)を示し、左縦軸は、ライトオフ温度T50(℃)を示し、右縦軸は、低温HC浄化率(%)を示す。また、HC成分に対するライトオフ温度T50は、グラフ51に示し、COに対するライトオフ温度T50は、グラフ52に示し、NOxに対するライトオフ温度T50は、グラフ53に示し、低温HC浄化率は、グラフ54に示す。
図7から、浄化層の構成を変化させても、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率が、10質量%以上30質量%以下である場合(実施例5〜7)は、前記比率が10質量%未満である場合(比較例6)及び前記比率が30質量%を超える場合(比較例7)と比較して、ライトオフ温度が低く、低温HC浄化率が高いことがわかる。
また、表1及び表2に示す結果から、Rh層がPd層よりゼオライト層側に存在する場合(実施例2〜4)、Pd層がRh層よりゼオライト層側に存在する場合(実施例5〜7)と比較して、ライトオフ温度が低く、低温HC浄化率が高いことがわかる。このことから、浄化層としては、Rh層がPd層よりゼオライト層側に存在する構成が好ましいことがわかる。
[実施例D]
次に、触媒層の層構成を変化させて、実施例Bと同様の検討を行った。ここで用いた浄化触媒は、ゼオライト層としては、アルカリ土類金属濃度が層内で均一であり、浄化層としては、ゼオライト層上にRh層、Rh層上にPd層を備えたものであり、以下のようにして作製した。
次に、触媒層の層構成を変化させて、実施例Bと同様の検討を行った。ここで用いた浄化触媒は、ゼオライト層としては、アルカリ土類金属濃度が層内で均一であり、浄化層としては、ゼオライト層上にRh層、Rh層上にPd層を備えたものであり、以下のようにして作製した。
ハニカム状担体としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。そして、ハニカム状担体上の触媒層の各層を形成させるための、ゼオライト層形成用スラリー、Rh層形成用スラリー及びPd層形成用スラリーとしては、ゼオライト層及び浄化層のアルカリ土類金属の含有量が、それぞれ表1に示す比率となるように、Baを含有させたこと以外実施例1と同様のものを用いた。
まず、ゼオライト層形成スラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程を複数回繰り返すによって、ハニカム状担体のセル壁上にゼオライト層を形成した。その際、使用するゼオライト層形成スラリーは、アルカリ土類金属濃度が同一のものを用いた。
そして、Rh層形成用スラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、ゼオライト層上にRh層を形成した。次に、Pd層形成用スラリーにRh層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、Rh層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、Rh層上にPd層を形成した。
以上のようにして、ここで使用する浄化触媒を製造した。
そして、得られた浄化触媒の浄化性能を、上記の方法により、ライトオフ温度及び低温HC浄化率を測定することにより、評価し、その結果を表3に示す。
そして、その結果を、図8にも示す。図8は、浄化触媒の浄化性能に対するアルカリ土類金属の含有量の比率の影響を示したグラフである。なお、横軸は、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率(質量%)を示し、左縦軸は、ライトオフ温度T50(℃)を示し、右縦軸は、低温HC浄化率(%)を示す。また、HC成分に対するライトオフ温度T50は、グラフ61に示し、COに対するライトオフ温度T50は、グラフ62に示し、NOxに対するライトオフ温度T50は、グラフ63に示し、低温HC浄化率は、グラフ54に示す。
図8から、ゼオライト層内のアルカリ土類金属濃度が均一であっても、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率が、10質量%以上30質量%以下である場合(実施例8〜10)は、前記比率が10質量%未満である場合(比較例8)及び前記比率が30質量%を超える場合(比較例9〜12)と比較して、ライトオフ温度が低く、低温HC浄化率が高いことがわかる。
また、表1及び表3に示す結果から、ゼオライト層におけるアルカリ土類金属の濃度が、セル壁に近い領域よりセル壁から遠い領域の方が高い場合(実施例2〜4)、ゼオライト層内のアルカリ土類金属濃度が均一である場合(実施例8〜10)と比較して、ライトオフ温度が低く、低温HC浄化率が高いことがわかる。このことから、ゼオライト層としては、アルカリ土類金属濃度がセル壁に近い領域よりセル壁から遠い領域の方が高い構成が好ましいことがわかる。
なお、上記実施例8,10の浄化触媒から脱離する総トルエン量に対する200℃以上で浄化触媒から脱離するトルエン量の比率が、21.9%、19.8%と、上記実施例2〜4よりは低いものの、いずれも高かった。このことからも、上記実施例2〜4は、上記実施例8,10よりHC脱離温度が高いことにより、浄化触媒の浄化性能もより向上しているものと考えられる。
[実施例E]
次に、触媒層の層構成を変化させて、実施例Bと同様の検討を行った。ここで用いた浄化触媒は、ゼオライト層としては、アルカリ土類金属濃度が層内で均一であり、浄化層としては、ゼオライト層上にPd層、Pd層上にRh層を備えたものであり、以下のようにして作製した。
次に、触媒層の層構成を変化させて、実施例Bと同様の検討を行った。ここで用いた浄化触媒は、ゼオライト層としては、アルカリ土類金属濃度が層内で均一であり、浄化層としては、ゼオライト層上にPd層、Pd層上にRh層を備えたものであり、以下のようにして作製した。
ハニカム状担体としては、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。そして、ハニカム状担体上の触媒層の各層を形成させるための、ゼオライト層形成用スラリー、Rh層形成用スラリー及びPd層形成用スラリーとしては、ゼオライト層及び浄化層のアルカリ土類金属の含有量が、それぞれ表1に示す比率となるように、Baを含有させたこと以外実施例1と同様のものを用いた。
まず、ゼオライト層形成スラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程を複数回繰り返すによって、ハニカム状担体のセル壁上にゼオライト層を形成した。その際、使用するゼオライト層形成スラリーは、アルカリ土類金属濃度が同一のものを用いた。
そして、Pd層形成用スラリーにゼオライト層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、ゼオライト層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、ゼオライト層上にPd層を形成した。次に、Rh層形成用スラリーにPd層を形成したハニカム状担体を浸漬させて、Pd層上にスラリーをコーティングした。そして、エアブローにより余分なスラリーを除去し、乾燥させた後、500℃で2時間の焼成を行った。この工程によって、Pd層上にRh層を形成した。
以上のようにして、ここで使用する浄化触媒を製造した。
そして、得られた浄化触媒の浄化性能を、上記の方法により、ライトオフ温度及び低温HC浄化率を測定することにより、評価し、その結果を表4に示す。
そして、その結果を、図9にも示す。図9は、浄化触媒の浄化性能に対するアルカリ土類金属の含有量の比率の影響を示したグラフである。なお、横軸は、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率(質量%)を示し、左縦軸は、ライトオフ温度T50(℃)を示し、右縦軸は、低温HC浄化率(%)を示す。また、HC成分に対するライトオフ温度T50は、グラフ71に示し、COに対するライトオフ温度T50は、グラフ72に示し、NOxに対するライトオフ温度T50は、グラフ73に示し、低温HC浄化率は、グラフ74に示す。
図9から、浄化層の構成を変化させても、ゼオライト層内のアルカリ土類金属濃度が均一であっても、ゼオライト層及び浄化層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対する、浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量の比率が、10質量%以上30質量%以下である場合(実施例11〜13)は、前記比率が10質量%未満である場合(比較例13)及び前記比率が30質量%を超える場合(比較例14)と比較して、ライトオフ温度が低く、低温HC浄化率が高いことがわかる。
なお、上記実施例11,13の浄化触媒から脱離する総トルエン量に対する200℃以上で浄化触媒から脱離するトルエン量の比率が、20.1%、16.5%と、上記実施例2〜4や上記実施例8,10よりは低いものの、いずれも高かった。このことからも、上記実施例2〜4は、上記実施例11,13よりHC脱離温度が高いことにより、浄化触媒の浄化性能もより向上しているものと考えられる。
1 触媒コンバータ
2 耐熱容器
3 浄化触媒
5 セル壁
6 触媒層
11 ゼオライト層
12 浄化層
21 アルカリ土類金属
2 耐熱容器
3 浄化触媒
5 セル壁
6 触媒層
11 ゼオライト層
12 浄化層
21 アルカリ土類金属
Claims (5)
- エンジンの排気通路に配設される排気ガス浄化用触媒であって、
ハニカム状担体と、前記ハニカム状担体のセル壁表面に形成された触媒層とを備え、
前記触媒層が、ゼオライトを含有するゼオライト層と、触媒貴金属を含有する浄化層との少なくとも2つの層を積層したものであり、
前記ゼオライト層が前記浄化層より前記セル壁側に存在し、
前記触媒層が、アルカリ土類金属を含有し、
前記浄化層におけるアルカリ土類金属の含有量が、前記触媒層に含有されているアルカリ土類金属の全量に対して10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 前記ゼオライト層における前記アルカリ土類金属の濃度が、前記セル壁に近い領域より前記セル壁から遠い領域の方が高い請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
- 前記ゼオライト層の前記セル壁に近い領域における前記アルカリ土類金属の濃度が、前記浄化層における前記アルカリ土類金属の濃度より高い請求項2に記載の排気ガス浄化用触媒。
- 前記浄化層が、Pdを含有するPd層とRhを含有するRh層とを積層したものであり、
前記Rh層が前記Pd層より前記ゼオライト層側に存在する請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。 - 前記触媒層に含有されているアルカリ土類金属の全量が、前記ハニカム状担体1L当たり10g以上40g以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。
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