JP2010027291A - 耐放射線ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、耐放射線性、耐水性、及び難燃性に優れると共に、鉛を含まない耐放射線ケーブルを提供する。
【解決手段】本発明に係る耐放射線ケーブルは、塩素を含むポリマと、ポリマから脱離する塩素を捕捉すると共に、ポリマを架橋させる層状無機化合物と、難燃剤と、加工助剤と、老化防止剤とを含む組成物を、絶縁材料が被覆された導体、又は絶縁材料が被覆された導体を複数本撚り合わせて形成される撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐放射線ケーブルに関する。特に、本発明は、原子力発電所等において用いられ、鉛を含まない耐放射線ケーブルに関する。
沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)、改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)、又は加圧水型原子炉(Pressurized Water Reactor:PWR)等の原子力発電所(原発)において用いられる電線及びケーブル類は、所定の運転条件で稼働される各原子炉の定常運転時に熱及び放射線に曝されると共に、冷却材の喪失事故、火災等が発生した場合にも熱及び放射線に同時に曝される。したがって、原子力発電所において用いられる電線及びケーブル類は、これらの事故を想定して高い難燃性及び耐放射線性が要求される。
機械的特性及び電気的特性を保持しつつ、耐熱性、耐放射線性、耐水性、及び難燃性を有する耐放射線ケーブルのシース材料としては、リサージ(PbO)、鉛丹(Pb)等の鉛化合物を加硫剤として添加されたポリクロロプレンゴム(CR)又はクロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)が用いられている。例えば、仮に冷却材の喪失事故が発生した場合に、この事故において耐放射線ケーブルが曝される熱、放射線量、及び高圧蒸気等の諸条件は、BWRに比べてPWRの方が過酷な条件となる。よって、耐熱性、耐放射線性、耐薬品性がCRより優れているCSMが、PWRにおいて用いられる耐放射線ケーブルのシース材料として主として用いられる。なお、PWRに比べて耐放射線ケーブルが曝される熱、放射線量、及び高圧蒸気等の諸条件が過酷ではないBWRでは、耐放射線ケーブルのシース材料としてCRシースが主として用いられる。
従来、所定の粘度を有するクロロスルフォン化ポリエチレン100重量部に対し、芳香族量30重量%以上の芳香族油を20〜80重量部含有する組成物からシースを形成してなる耐放射線ケーブルが知られている(例えば、特許文献1参照)。この耐放射線ケーブルには、加硫剤としてリサージが配合されている。また、鉛化合物を含まずに亜鉛華等を含む耐放射線ケーブルのシース材料である耐放射線高分子組成物として、ブチルゴム等の高分子成分3〜70重量部と、エチレン単位を主要成分として含むポリマ等の第二の高分子成分97〜30重量部とからなる高分子成分100重量部に対して、軟化剤が3重量部以上添加されている耐放射線高分子組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に記載の耐放射線ケーブルは、所定の粘度を有するクロロスルフォン化ポリエチレンを用いているので、実用上、十分な機械強度を有する耐放射線ケーブルを提供できる。また、特許文献2に記載の耐放射線高分子組成物は、上記所定の配合比で各材料を添加して耐放射線高分子組成物を製造するので、多量の放射線を当該耐放射線高分子組成物に照射した後にも、耐放射線高分子組成物の表面硬度、破断強度、及び破断伸びの劣化を抑制できる。
特開平2−227914号公報 特開2005−48129号公報
しかし、特許文献1に記載の耐放射線ケーブルは、シースに鉛化合物が含有されているので、ケーブルの製造現場の環境衛生が好ましくないと共に、耐放射線ケーブルの廃棄後にシースから鉛化合物が溶出する場合がある。また、特許文献2に記載の耐放射線高分子組成物は鉛化合物を含んでいないものの、耐水性に難点があり、冷却材の喪失事故発生時における高圧蒸気によってシース材料が冷却材を吸収して、当該シース材料を有する耐放射線ケーブルの機械的特性及び電気的特性が低下する場合がある。
したがって、本発明の目的は、耐熱性、耐放射線性、耐水性、及び難燃性に優れると共に、鉛を含まない耐放射線ケーブルを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、塩素を含むポリマと、ポリマから脱離する塩素を捕捉すると共に、ポリマを架橋させる層状無機化合物と、難燃剤と、加工助剤と、老化防止剤とを含む組成物を、絶縁材料が被覆された導体、又は絶縁材料が被覆された導体を複数本撚り合わせて形成される撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に備える耐放射線ケーブルが提供される。
また、上記耐放射線ケーブルは、層状無機化合物は、ハイドロタルサイト化合物であってよい。また、ポリマは、ポリクロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、及び塩素化ポリエチレンからなる群から選択される1又は2以上の塩素含有高分子化合物を含んで形成されてよく、ポリマは、塩素化度が30%から40%のクロロスルフォン化ポリエチレン又は塩素化ポリエチレンを含んで形成できる。また、難燃剤は、三酸化アンチモンであり、加工助剤は、プロセス油であってよく、組成物は、ポリマ100重量部に、層状化合物を5重量部以上、難燃剤を1重量部以上、加工助剤を5重量部以上、老化防止剤を2重量部以上添加して形成できる。更に、プロセス油は、芳香族系油であってよく、老化防止剤は、アミン系老化防止剤と硫黄系老化防止剤とを組み合わせて形成できる。
本発明に係る耐放射線ケーブルによれば、耐熱性、耐放射線性、耐水性、及び難燃性に優れると共に、鉛を含まない耐放射線ケーブルを提供できる。
[実施の形態]
(耐放射線ケーブルの構成の概要)
本発明の実施の形態に係る耐放射線ケーブルは、塩素を含むポリマと、ポリマから脱離する塩素を捕捉すると共に、ポリマを架橋させる層状無機化合物と、難燃剤と、加工助剤と、老化防止剤とを含む耐放射線ケーブル用シース材料としての組成物を、絶縁材料が被覆された導体の周囲に備える。また、本実施の形態に係る耐放射線ケーブルは、絶縁材料が被覆された導体を複数本撚り合わせて形成される撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に当該耐放射線ケーブル用シース材料を備えて形成することもできる。
ここで、本実施の形態に係る放射線環境下で使用される耐放射線ケーブル用シース材料は、塩素を含む所定量のポリマに対して、所定量の層状無機化合物と、所定量の難燃剤と、所定量の加工助剤と、所定量の老化防止剤とをそれぞれ添加して形成される。また、本実施の形態に係る耐放射線ケーブル用シース材料は、所定の配合剤を更に添加して形成することもできる。本実施の形態に係る耐放射線ケーブルは、例えば、原子力発電所において用いられる電気ケーブルに適用できる。
(塩素含有高分子化合物)
本実施の形態に係る塩素を含むポリマ、すなわち、塩素含有高分子化合物は、ポリクロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、及び塩素化ポリエチレンのうち少なくとも1つを含んで形成される。具体的に、本実施の形態に係る塩素含有高分子化合物は、以下の3つの形態のいずれかを有する。まず、第1の形態は、CR、CSM、及び塩素化ポリエチレンのいずれか1つを含んで形成される塩素含有高分子化合物である。また、第2の形態は、CRとCSMとを含む塩素含有高分子化合物、又はCRと塩素化ポリエチレンとを含む塩素含有高分子化合物、若しくはCSMと塩素化ポリエチレンとを含む塩素含有高分子化合物である。そして、第3の形態は、CRとCSMと塩素化ポリエチレンとの全てを含む塩素含有高分子化合物である。
ここで、CSMは、本実施の形態に係る耐放射線ケーブルに要求される弾性を実現することを目的として、適切なゴム弾性を発揮する塩素化度を有するCSMを用いる。例えば、塩素化度が30%から40%であるCSMを用いる。CSMはCRとは異なり、主鎖に二重結合を有していないので、耐熱性、耐候性、耐オゾン性に優れている。また、CSMは、CRと比較して、耐薬品性(特に、アルカリ性の薬剤に対する耐性)に優れている。
なお、本実施の形態に係る耐放射線ケーブル用シース材料を、BWRにおいて用いる耐放射線ケーブル用のシースに用いる場合は、所定量のCSMに所定量のCRを混合した混合材料を用いることが好ましい。また、塩素含有高分子化合物として、ゴム弾性を示すと共に主鎖に二重結合を有さない塩素化ポリエチレンとCRとを混合した混合材料を、BWRにおいて用いる耐放射線ケーブル用シース材料として用いることもできる。
(層状無機化合物)
本実施の形態に係る加硫剤及び安定化剤としての層状無機化合物は、例えば、アニオン交換機能を有する層状複水酸化物としてのハイドロタルサイト化合物である。ハイドロタルサイト化合物は、一般式、[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・ZHO]で表される層状無機化合物である。ここで、M2+は2価の金属イオン、M3+は3価の金属イオン、An−は陰イオン(アニオン)である。本実施の形態に係るハイドロタルサイト化合物は、天然物又は合成品のいずれも用いることができる。なお、天然に産出されるハイドロタルサイトはM2+:M3+:An−=Mg2+:Al3+:CO 2−である。
また、xの範囲は、0<x<1である。ここで、層間の結合低下に起因する結晶としての不安定性の増加を抑制することを目的として、xの範囲は、0.3≦x≦0.33であることが好ましい。また、層間水の存在によりハイドロタルサイト化合物の結晶が安定化するので、Zの範囲は、0<Zであることが好ましい。なお、ハイドロタルサイト化合物の層間水を層間から脱離させることで、本実施の形態に係る耐放射線ケーブル用シース材料に難燃性を付与することができる。
本実施の形態に係る耐放射線ケーブル用シース材料に耐水性を発揮させると共に、難燃剤として三酸化アンチモンを添加した場合に、逆逐次劣化におけるアンチモンの塩化物の生成を抑制することを目的として、塩素含有高分子化合物100重量部に対して、5重量部以上、好ましくは20重量部以上のハイドロタルサイト化合物を添加する。耐放射線ケーブル用シース材料に対して適切に加硫を施すと共に、塩化水素中の塩素(塩素イオン)を捕捉して、捕捉した塩素を安定化させることを目的として、塩素含有高分子化合物100重量部に対して5重量部以上のハイドロタルサイト化合物を添加することが好ましい。そして、耐放射線ケーブル用シース材料の機械的特性が低下しない範囲の量のハイドロタルサイト化合物を、塩素含有高分子化合物100重量部に添加することが好ましく、ハイドロタルサイト化合物は、塩素含有高分子化合物100重量部に対して50重量部以下が好ましい。
また、ハイドロタルサイト化合物は、層間に層間水を有する。層間水は、約190℃から徐々に層間から脱離する。ハイドロタルサイト化合物の骨格は金属水酸化物であるので、層間から層間水が脱離したハイドロタルサイト化合物は、難燃剤としての機能が向上する。したがって、ハイドロタルサイト化合物の層間から所定量の層間水を脱離させることにより、耐放射線ケーブル用シース材料の難燃性としての機能を向上させることができる。更に、ハイドロタルサイト化合物を耐放射線ケーブル用シース材料に添加することで、添加していない場合と比較すると、放射線照射後の機械的特性の低下を抑制できると共に、耐放射線性も向上する。
なお、加硫剤としての鉛化合物の代替物として酸化マグネシウム等を用いてシース材料を形成すると、CR、CSMから塩化水素が脱離した場合、脱離した塩化水素と酸化マグネシウム等とが反応して金属塩化物が生成する。例えば、塩化マグネシウムは潮解性を有しているので、酸化マグネシウム等を添加して形成したシース材料中に塩化マグネシウムが生成すると、塩化マグネシウムが空気中等の水分を取り込んでシース材料の耐水性が低下する。
ここで、ケーブル被覆材料としての耐放射線ケーブル用シース材料の評価方法として、熱劣化後、放射線を照射する手法(逐次劣化法)がある。これは、ケーブル被覆材料に熱及び放射線を同時に与えることは特殊な装置を要する点で困難であることから採用される手法である。しかしながら、原子力発電所において用いられる電気ケーブルは、熱及び放射線に同時に曝されるので、熱及び放射線の同時照射に比べてシース材料の劣化が進む逆逐次法、すなわち、放射線を照射した後、熱劣化させる手法も考えられている。
そして、シース材料中に三酸化アンチモンを添加している場合であって、CR、CSMから脱離した塩化水素を捕捉する化合物がシース材料中に添加されていない場合(又は塩化水素を捕捉するものの、捕捉する能力が低い化合物しかシース材料中に添加されていない場合)には、CR、CSMから脱離した塩化水素と三酸化アンチモンとが反応して、アンチモンの塩化物が生成する。例えば、難燃性の向上を目的としてシース材料に三酸化アンチモンを添加すると共に、鉛化合物代替物としての酸化マグネシウム等を添加したシース材料に対して逆逐次劣化(逆逐次法)の加速試験を施すと、当該シース材料の表面にアンチモンの塩化物が粉状に析出するとの知見を本発明者は得た。
逆逐次法は、逐次劣化法とは逆に、放射線をシース材料に対して照射した後、熱劣化させる方法である。したがって、放射線(ガンマ線)の照射によってシース材料中に発生したラジカルが、放射線の照射後にシース材料に施される熱劣化によって活発に動き、ラジカルによる脱塩化作用が促進される。したがって、逆逐次法は、逐次劣化法に比べてシース材料の特性の劣化が顕著であると考えられた。
これは、塩素含有高分子化合物から発生した塩化水素を安定化させる能力が、鉛化合物と比較して酸化マグネシウム等の鉛化合物代替物の方が低いので、逆逐次法における脱塩化作用に伴って塩素含有高分子化合物から脱離した塩化水素を、鉛化合物代替物が捕捉しきれないことに起因すると考えられた。アンチモンの塩化物がシース材料の表面、すなわちケーブルの表面に析出することは、難燃性、耐水性、及び外観の観点からは抑制することが好ましい。
一方、本実施の形態に係るハイドロタルサイト化合物は、加硫剤としての機能を有すると共に、CR、CSM等の塩素含有高分子化合物から脱離した塩化水素の塩素を十分に捕捉する機能を有する。具体的に、ハイドロタルサイト化合物の層間に塩化水素がインターカレートして、層間に存在する陰イオンと塩化水素の塩素とが交換される(交換反応)。例えば、ハイドロタルサイト化合物の層間においてAn−+HCl→HAn−+Clという交換反応により、層間に塩素イオンが捕捉される。
これにより、ハイドロタルサイト化合物は、CR、CSMから脱離した塩化水素の塩素イオンを捕捉するので、本実施の形態においては、耐放射線ケーブル用シース材料中及びシース材料の表面に金属塩化物が生成することを防止できる。したがって、本実施の形態に係る耐放射線ケーブル用シース材料は、優れた耐水性を有することとなる。なお、ハイドロタルサイト化合物が捕捉した塩素イオンは、約500℃の温度までハイドロタルサイト化合物から脱離せず、安定的に存在する。
更に、ハイドロタルサイト化合物がCR、CSMから脱離する塩化水素の塩素(イオン)を捕捉するので、難燃性の向上を目的として耐放射線ケーブル用シース材料に添加した三酸化アンチモンと塩化水素との反応を抑制できる。すなわち、本実施の形態においては、ハイドロタルサイト化合物を耐放射線ケーブル用シース材料に添加することにより、アンチモンの塩化物の生成を抑制できる。これにより、優れた耐水性を本実施の形態に係る耐放射線ケーブル用シース材料に付与することができる。
(老化防止剤)
本実施の形態に係る老化防止剤は、耐熱性を保持する機能と耐放射線性を発揮する機能とを耐放射線ケーブル用シース材料に付与する。老化防止剤は、フェノール系の一次老化防止剤、又はアミン系の一次浄化防止剤とを用いることができる。また、老化防止剤は、硫黄系の二次老化防止剤、又はリン系の二次老化防止剤を用いることもできる。具体的に、本実施の形態に係る老化防止剤は、熱劣化及び放射線劣化に対する耐性を耐放射線ケーブル用シース材料に付与することを目的として、一次老化防止剤と二次老化防止剤とを併用する。より具体的には、本実施の形態に係る老化防止剤は、耐熱性及び耐放射線性を向上させることを目的として、アミン系の老化防止剤と硫黄系の老化防止剤とを併用する。
老化防止剤は、塩素系ポリマ100重量部に対して、一次老化防止剤と二次老化防止剤との合計を2重量部以上とする。耐放射線ケーブル用シース材料の製造工程において塩素系ポリマを適切に架橋反応させる共にコストを低減させることを目的として、一次老化防止剤と二次老化防止剤との合計は、塩素系ポリマ100重量部に対して、2重量部から15重量部の範囲に設定することが望ましい。
フェノール系の一次老化防止剤には、モノフェノール系、ビスフェノール系、及びポリフェノール系のそれぞれに分類される一次老化防止剤が存在する。モノフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,2’−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、又はモノ(α−メチルベンジル)等を用いることができる。また、ビスフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンとのブチル化反応生成物、又はジ(α−メチルベンジル)等を用いることができる。更に、ポリフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,5’−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5’−ジ−t−アミルハイドロキノン、トリ(α−メチルベンジル)等を用いることができる。
アミン系の老化防止剤としては、キノリン系の老化防止剤と、芳香族第二級アミン系の老化防止剤を用いることができる。キノリン系の老化防止剤は、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、又は6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン等を用いることができる。芳香族第二級アミン系の老化防止剤は、例えば、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジエニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、又はN−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等を用いることができる。
硫黄系の二次老化防止剤には、ベンツイミダゾール系、ジチオカルバミン酸塩系、チオウレア系、及び有機チオ酸系のそれぞれに分類される二次老化防止剤が存在する。ベンツイミダゾール系の二次老化防止剤は、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、又は2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩等を用いることができる。また、ジチオカルバミン酸塩系の二次老化防止剤は、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、又はジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等を用いることができる。更に、チオウレア系の二次老化防止剤は、例えば、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、又はトリブチルチオ尿素等を用いることができる。更に、有機チオ酸系の二次老化防止剤は、チオジプロピオン酸ジラウリル等を用いることができる。
リン系の二次老化防止剤は、亜リン酸系として、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト等を用いることができる。
なお、アミン系の老化防止剤、フェノール系の老化防止剤、硫黄系の老化防止剤、及び/又はリン系の老化防止剤の中から複数の老化防止剤を選択して混合した老化防止剤の混合品(ワンパックとした混合品)を、本実施の形態に係る老化防止剤として用いることもできる。
(加工助剤)
本実施の形態に係る加工助剤は、耐放射線ケーブル用シース材料の混練又は押出時の加工性を安定させる配合剤としての機能と、耐放射線性を有する放射線防御剤(アンチラッド)としての機能とを耐放射線ケーブル用シース材料に付与する。加工助剤は、例えば、石油系油(すなわち、プロセス油)、又は芳香環(ベンゼン環)を含むエステル系可塑剤を用いることができる。
プロセス油は、例えば、ゴム材料等に添加されるパラフィン系油、芳香族(アロマチック)系油、又はナフテン系油等の鉱油を用いることができる。エステル系可塑剤は、例えば、ポリ塩化ビニル等に添加されるフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(Dioctyl phthalate:DOP)、フタル酸ジイソノニル(Diisononyl phthalate:DINP)、フタル酸ジイソデシル(Diisodecyl phthalate:DIDP)、又はトリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(Trioctyl trimellitate):TOTM)等の芳香環を分子中に有した可塑剤を用いることができる。
ここで、ベンゼン環化合物を多く含む化合物は耐放射線性に優れているので、本実施の形態に係る加工助剤として用いるのが好ましく、例えば、芳香族系油を加工助剤として用いることができる。なお、加工助剤は、プロセス油又はエステル系可塑剤のいずれかを単独で用いるか、若しくは、プロセス油及び/又はエステル系可塑剤の中から複数の化合物を選択して混合した混合物を用いることができる。
なお、適切な粘度及び加工性を確保すると共に、アンチラッドとしての効果を耐放射線ケーブル用シース材料に付与することを目的として、加工助剤の添加量は、塩素を含むポリマ100重量部に対して5重量部以上とする。また、加工助剤の添加量を、塩素を含むポリマ100重量部に対して50重量部を超える添加量とすると、ブリードが発生し易くなり、機械的特性が低下すると共に、アンチラッドとしての効果が飽和する。よって、加工助剤は、塩素を含むポリマ100重量部に対して、5重量部から50重量部の範囲で耐放射線ケーブル用シース材料に添加する。
(難燃剤)
難燃剤は、無機系の難燃剤としての三酸化アンチモンを用いることができ、他にも金属水酸化物、又はリン系難燃剤を用いることができる。なお、三酸化アンチモンを用いた場合における三酸化アンチモンと塩化水素との反応の抑制について上述したが、金属水酸化物又はリン系難燃剤を用いた場合であっても、本実施の形態によれば、これらの難燃剤と塩化水素との反応を抑制できる。難燃剤は、難燃性の効果を発揮すると共に難燃性の効果が飽和せず、機械的特性の低下を来さない範囲で耐放射線ケーブル用シース材料に添加される。具体的に、難燃剤は、塩素を含むポリマ100重量部に対して、1重量部以上の量を、耐放射線ケーブル用シース材料に添加する。
(その他の配合剤等)
例えば、ゴム材料の合成等において用いられる滑剤、充填剤、着色剤等を本実施の形態に係る耐放射線ケーブル用シース材料の配合剤として更に用いることができる。
(導体等)
本実施の形態に係る耐放射線ケーブル用シース材料を備える絶縁材料が被覆された導体は、例えば、銅又は銅合金等の導電性材料から形成され、所定の導体断面積を有する。そして、導体の表面は、所定の配合剤が添加された絶縁材料により被覆する。絶縁材料のベースポリマは、例えば、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、又は塩素化ポリエチレン等のポリマを用いることができる。また、ベースポリマは、これらのポリマから選択される2種類以上のポリマからなるポリマブレンドから形成することもできる。
そして、本実施の形態においては、表面が絶縁材料で被覆された導体の周囲に、耐放射線ケーブル用シース材料を設けることにより、本実施の形態に係る耐放射線ケーブルを形成できる。また、表面が絶縁材料で被覆された導体を複数本撚り合わせて形成される撚り合わせ絶縁電線(コア)の周囲に耐放射線ケーブル用シース材料を設けることにより、本実施の形態に係る耐放射線ケーブルを形成することもできる。
(耐放射線ケーブルの製造方法)
まず、絶縁材料が被覆された導体(絶縁電線)を複数本準備する。次に、準備した複数本の絶縁電線を撚り合わせて撚合わせ絶縁電線(コア)を形成する。続いて、撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に耐放射線シース材料用のコンパウンドを押し出して被覆する。当該コンパウンドは、所定量の塩素含有高分子化合物に、所定量の層状無機化合物と、所定量の難燃剤と、所定量の加工助剤と、所定量の老化防止剤とを添加して調製することができる。
その後、撚合わせ絶縁電線(コア)を被覆したコンパウンドに架橋処理(例えば、所定温度の高圧蒸気による処理)を施すことにより、コンパウンドを耐放射線ケーブル用シース材料とする。これにより、本実施の形態に係る耐放射線ケーブルが得られる。なお、絶縁電線を1本だけ用いる場合、1本の絶縁電線の周囲にコンパウンドを押し出し被覆して、その後の工程は本実施の形態に係る耐放射線ケーブルと同様の工程を経ることにより、被覆導体が1本の耐放射線ケーブルが得られる。
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る耐放射線ケーブルは、耐放射線ケーブル用シース材料に層状無機化合物としてのハイドロタルサイト化合物を添加したので、耐放射線ケーブル用シース材料に含まれる塩素含有高分子化合物から、例えば、塩化水素が脱離した場合であっても、塩化水素中の塩素イオンをハイドロタルサイト化合物の層間に捕捉できる。これにより、耐放射線ケーブル用シース材料中に金属塩化物が生成することを抑制できるので、耐放射線ケーブル用シース材料が水を取り込むことを抑制できる。したがって、本実施の形態によれば、鉛化合物を含有しないと共に、耐水性、難燃性、耐熱性、耐放射線性に優れた耐放射線ケーブルを提供できる。特に、加硫剤として鉛を含有せずに鉛化合物代替物としての層状無機化合物を用いるので、環境衛生面に配慮できる。
図1は、本発明の実施例に係る耐放射線ケーブルの断面の概要を示す。
本発明の実施例に係る耐放射線ケーブル1は、導体10と、導体10を被覆する絶縁材料としての絶縁体15と、絶縁体15の外側から導体10を被覆する耐放射線ケーブル用シース材料としてのシース20とを備える。耐放射線性ケーブル1は、導体10を1本又は複数本備える。耐放射線性ケーブル1が複数本の導体10を備える場合、複数本の導体10は撚り合わされて撚合わせ絶縁電線(コア)を構成して、この撚合わせ絶縁電線(コア)の外周に沿って(外周を被覆して)、シース20が形成される。
表1は、本発明の実施例に係る耐放射線ケーブル用シース材料を形成する化合物の配合と、比較例に係るシース材料を形成する化合物の配合とを示す。
Figure 2010027291
なお、表1において、塩素含有高分子化合物としては、ポリクロロプレン(ショウプレンW(登録商標)、昭和電工社製)、クロロスルフォン化ポリエチレン(ハイパロン40(登録商標)、デュポンエラストマー社製、塩素化度35%)、及び塩素化ポリエチレン(ダイソラック(登録商標)CM、ダイソー株式会社製)を用いた。また、ハイドロタルサイト化合物としては、ハイドロタルサイト(STABIACE HT−1 MgAl(OH)12(CO)・3HO、堺化学工業株式会社製)を用いた。
また、加硫促進剤として、テトラメチルチラウムモノスルフィド(促進剤TS)を用いた。更に、加工助剤としての芳香族系油は、ダイアナプロセスオイルAH−16(出光興産製)を用いた。そして、老化防止剤として、アミン系の老化防止剤であるVulkanox(登録商標) DDA(Bayer製)と、硫黄系の老化防止剤であるノクラックNBC(大内新興製)とを用いた。また、難燃剤の1つとして、炭酸カルシウム(ソフトン1200(登録商標)、備北粉化工業製)を用いた。
また、表2は、本発明の実施例及び比較例に係る導体を被覆する絶縁体を構成する化合物の配合比を示す。
Figure 2010027291
絶縁体15を形成する高分子絶縁材料として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM、EPT3045、三井化学製)を用い、アミン系の老化防止剤として、Vulkanox(登録商標) DDA(Bayer製)を用いた。また、加工助剤としての芳香族系油は、ダイアナプロセスオイルAH−16(出光興産製)を用いた。更に、タルクとして、ハイフィラー#16(土屋カオリン製)を用いると共に、臭素系の難燃剤として、サイテックス8010(アルベマール浅野製)を用いた。
(耐放射線シース材料及び耐放射線ケーブルの製造)
本実施例及び比較例に係る耐放射線シース材料用のコンパウンドは、以下のようにして製造した。まず、表1に示す各化合物を実施例及び比較例毎に秤量した。次に、実施例及び比較例毎に、バンバリーミキサーを用いて混練してコンパウンドを得た(例えば、実施例1に係るコンパウンド、実施例2に係るコンパウンド等)。
また、難燃EPゴム絶縁線心を用意した。難燃EPゴム絶縁線心は、断面積が3.5mmの導体の表面に、表2に示す配合比で配合して得られた絶縁材料を厚さ2.9mmに押し出し被覆した後、約190℃の高圧蒸気で被覆した絶縁材料を架橋して製造した。難燃EPゴム絶縁線心の絶縁体15の酸素指数は26.0であった。なお、実施例及び比較例の全てにおいて、用いた難燃EPゴム絶縁線心は同一である。
そして、3本の難燃EPゴム絶縁線心を撚り合わせて撚合わせ絶縁電線(コア)を製造した。続いて、撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に、90mm押出機を用いて、製造した耐放射線シース材料用のコンパウンドを押し出し被覆した。すなわち、実施例及び比較例のそれぞれ毎に、撚合わせ絶縁電線(コア)の表面にコンパウンドを被覆した(例えば、実施例1に係る耐放射線シース材料用のコンパウンドを撚合わせ絶縁電線(コア)の表面に被覆した。)。
続いて、耐放射線シース材料用のコンパウンドを押し出し被覆した撚合わせ絶縁電線(コア)の表面に、約190℃の加圧蒸気を接触させることによりコンパウンドを架橋させた。これにより、撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に耐放射線シース材料からなるシース20が形成され、実施例及び比較例のそれぞれ毎に、外径17.5mmの耐放射線ケーブルが得られた。
(耐放射線ケーブルの特性試験)
次に、得られた耐放射線ケーブルに対して、以下に示す各項目についての試験を実施して評価した。なお、塩素含有高分子化合物としてポリクロロプレンゴムを用いている実施例及び比較例に係る耐放射線ケーブルに対しては、BWR条件で評価すると共に、塩素含有高分子化合物としてクロロスルフォン化ポリエチレンを用いている実施例及び比較例に係る耐放射線ケーブルに対しては、PWR条件で評価した。
図2は、BWR条件のLOCA模擬試験における条件を示し、図3は、PWR条件のLOCA模擬試験における条件を示す。
(特性試験の項目)
試験(A)外観:目視にてブルーム(シース表面に配合剤が粉体として析出すること)、ブリード(シース表面に配合剤が液体として漏出すること)の有無を確認した。
試験(B)シース材料の引張試験:シース材を耐放射線ケーブルから剥離した後、厚さを約2mmに調整して、ダンベル4号形状に打ち抜き、ショッパー型引張試験機において、速度500mm/minで測定した。
試験(C)VTFT試験:IEEE Std.383−2003(IEEE Std.1202−1991による)に従って実施した。
試験(D−1)耐放射線性(1)(BWR条件の逆逐次法試験(1)):耐放射線ケーブルを約600mmφの束に丸め、60Coγ線にて4kGy/hの線量率で760kGyの照射をした後、121℃×7日の熱老化試験を実施した。その後、試験(B)と同様に引張試験を実施した。ここで、伸びが50%以上の場合を合格とした。
試験(D−2)耐放射線性(2)(PWR条件の逆逐次法試験(2)):耐放射線ケーブルを約600mmφの束に丸め、60Coγ線にて4kGy/hの線量率で2.3MGyの照射をした後、140℃×9日の熱老化試験を実施した。その後、試験(B)と同様に引張試験を実施した。ここで、伸びが50%以上の場合を合格とした。
試験(E−1)BWR条件のLOCA模擬試験:耐放射線ケーブルを約600mmφの束に丸め、図2の条件で実施した。LOCA模擬試験後の耐放射線ケーブルが短絡を起こさず、外観に目視で判別できる程度の劣化が生じていない場合を合格とした。なお、本模擬試験が、耐水性試験を兼ねている。
試験(E−2)PWR条件のLOCA模擬試験:耐放射線ケーブルを約600mmφの束に丸め、141℃×9日の熱老化試験を実施した後、60Coγ線にて4kGy/hの線量率で2.3MGyの照射をした。そして、図3の条件でLOCA模擬試験を実施した。LOCA模擬試験後の耐放射線ケーブルが短絡を起こさず、外観に目視で判別できる程度の劣化が生じていない場合を合格とした。なお、本模擬試験が、耐水性試験を兼ねている。
ここで、鉛化合物を含んでいる耐放射線ケーブルは、環境を配慮する観点から不合格とした。なお、試験(B)における伸びは以下のように算出した。すなわち、ダンベル試験片の中央部(幅5mm、長さ20mm以上)に一定の間隔L0をおいて所定長の標線を付し(例えば、L0=20mm)、このダンベル試験片を引張試験機で引っ張り、ダンベル試験片を破断させた。そして、ダンベル試験片の破断時の標線間距離をL1とし、伸びE0をE0={(L1−L0)/L0}×100(式1)を用いて算出した。
表3は、本発明の実施例及び比較例に係る耐放射線ケーブルの特性試験の結果を示す。
Figure 2010027291
表3を参照すると、実施例1から実施例7に係る耐放射線ケーブルはいずれも、各試験の全てにおいて合格であった。
一方、比較例1に係る耐放射線ケーブルおいては、ハイドロタルサイトの添加量が塩素含有高分子化合物100重量部に対して3重量部と少ないことに起因して加硫不足であり、引張試験において初期の伸びが大きく、引張強さが小さかった。更に、比較例1に係る耐放射線ケーブルでは、塩素含有高分子化合物から脱離した塩化水素を安定化できなかったため、著しく劣化が進み、脆化した。
比較例2に係る耐放射線ケーブルは、三酸化アンチモンが添加されていないことに起因して、難燃性に劣り、VTFT試験に合格しなかった。また、比較例3に係る耐放射線ケーブルは、引張試験、VTFT試験、耐放射線性、及びBWR条件のLOCA試験に合格したが、鉛丹を添加したので、環境衛生上の観点から、不合格とした。また、比較例4に係る耐放射線ケーブルは、引張試験、VTFT試験、及び耐放射線性は満足するものの、酸化マグネシウムを加硫剤として添加したことに起因して耐水性に劣り、LOCA試験が不合格であった。更に、比較例4においては、塩素含有高分子化合物から脱離した塩化水素を酸化マグネシウムが安定化しきれず、アンチモンの塩化物が耐放射線ケーブルの表面に析出した。
また、比較例5に係る耐放射線ケーブルは、プロセス油である芳香族系油の添加量が、塩素含有高分子化合物100重量部に対して3重量部と少ないことに起因して、放射線に暴露した後に脆化した。そして、比較例6に係る耐放射線ケーブルは、老化防止剤の添加量が、塩素含有高分子化合物100重量部に対して1重量部と少ないことに起因して、放射線に暴露した後に脆化した。
本発明の実施例1から7と、比較例1から6との比較により、本発明の実施例に係る耐放射線ケーブルはいずれも、鉛化合物を含有せずとも、耐熱性、耐放射線性、及び耐水性に優れることが示された。したがって、実施例1から7に係る耐放射線ケーブルは、例えば、原子力発電所用の難燃性電線又はケーブルに適用することができる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明の実施例に係る耐放射線ケーブルの断面図である。 BWR条件のLOCA模擬試験における条件を示す図である。 PWR条件のLOCA模擬試験における条件を示す図である。
符号の説明
1 耐放射線ケーブル
10 導体
15 絶縁体
20 シース

Claims (8)

  1. 塩素を含むポリマと、前記ポリマから脱離する塩素を捕捉すると共に、前記ポリマを架橋させる層状無機化合物と、難燃剤と、加工助剤と、老化防止剤とを含む組成物を、絶縁材料が被覆された導体、又は前記絶縁材料が被覆された前記導体を複数本撚り合わせて形成される撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に備える耐放射線ケーブル。
  2. 前記層状無機化合物は、ハイドロタルサイト化合物である
    請求項1に記載の耐放射線ケーブル。
  3. 前記ポリマは、ポリクロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、及び塩素化ポリエチレンからなる群から選択される1又は2以上の塩素含有高分子化合物を含んで形成される
    請求項2に記載の耐放射線ケーブル。
  4. 前記ポリマは、塩素化度が30%から40%の前記クロロスルフォン化ポリエチレン又は前記塩素化ポリエチレンを含んで形成される
    請求項3に記載の耐放射線ケーブル。
  5. 前記難燃剤は、三酸化アンチモンであり、
    前記加工助剤は、プロセス油である
    請求項3に記載の耐放射線ケーブル。
  6. 前記組成物は、
    前記ポリマ100重量部に、前記層状化合物を5重量部以上、前記難燃剤を1重量部以上、前記加工助剤を5重量部以上、前記老化防止剤を2重量部以上添加してなる
    請求項5に記載の耐放射線ケーブル。
  7. 前記プロセス油は、芳香族系油である
    請求項6に記載の耐放射線ケーブル。
  8. 前記老化防止剤は、アミン系老化防止剤と硫黄系老化防止剤とを組み合わせてなる
    請求項7に記載の耐放射線ケーブル。
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