JP2011192641A - 耐放射線性電線・ケーブル - Google Patents

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【課題】耐放射線性に優れたナフチレン系ポリマーを用い、しかも可とう性を有する耐放射線性電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】導体1上に、ナフチレン基を含むポリマーからなる内側絶縁層2と架橋ポリオレフィンからなる外側絶縁層3とを被覆した電線10である。また前記ナフチレン基を含むポリマーが、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリブチレンナフタレート(PBN)である。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐放射線性に優れた難燃性樹脂組成物を用いて形成した耐放射線性電線・ケーブルに関するものである。
原子力発電所、放射性廃棄物処理施設、増殖炉などに使用される電線、ケーブルは、通常の使用環境下において、放射線に暴露された状態になるため、耐放射線性が必要とされる。現在、原子力発電所等に使用されているケーブル絶縁体およびシースのポリマーには、エチレンプロピレンゴム、ポリクロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン等が使用され、耐放射線性を付与するため、芳香族系などのプロセス油や老化防止剤を添加する手法が一般的である。
しかし近年、電線、ケーブルの高寿命化の要求や、核融合炉周辺材料等への応用など更なる耐放射線性が求められている。従来の技術では、芳香族系プロセス油および老化防止剤を増量している。
特開平05−125251号公報 特開平10−120792号公報
しかし、従来の技術である芳香族系プロセス油および老化防止剤の単純な増量は、それに伴い、引張強さ、難燃性等の物性の低下や、老化防止剤の表面へのブルーム等の問題が生じる。
そこで、これらの問題を解決するため、特許文献2に示されるようにポリマー自体に耐放射線性を有する材料の使用が有効である。
本発明者らの検討においては、ナフチレン基を有するポリマーが、従来にない優れた耐放射線性を有することが分かった。一般的に芳香族環には放射線防御作用があることが知られているが、これまでに用いられてきたポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリフェニレンオキサイド(PPO)等のフェニレン基を有するポリマーと比較して(例えば特許文献1)、ナフチレン基を有するポリマーが従来にない耐放射線性を有することを見出した。
しかし、ナフチレン基を有する芳香族系ポリマーは一般的に可とう性に劣り、電線、ケーブルの絶縁体への使用は難しい。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、耐放射線性に優れたナフチレン基を有するポリマーを用い、しかも可とう性を有する耐放射線性電線・ケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、導体上に、ナフチレン基を含むポリマーからなる内側絶縁層と架橋ポリオレフィンからなる外側絶縁層とを被覆したことを特徴とする耐放射線性電線である。
請求項2の発明は、前記ナフチレン基を含むポリマーが、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリブチレンナフタレート(PBN)である請求項1記載の耐放射線性電線である。
請求項3の発明は、複数本の電線を撚り合わせ、その外周をシースで被覆したケーブルにおいて、電線が、導体上に、ナフチレン基を含むポリマーからなる内側絶縁層と架橋ポリオレフィンからなる外側絶縁層とを被覆して形成されたことを特徴とする耐放射線性ケーブルである。
請求項4の発明は、前記ナフチレン基を含むポリマーが、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリブチレンナフタレート(PBN)である請求項3記載の耐放射線性ケーブルである。
本発明によれば、導体外周に、ナフチレン基を含むポリマーを有する第一の絶縁層と、架橋ポリオレフィンからなる第二の絶縁層を被覆して電線とすることで、優れた耐放射線性を有すると共に可とう性を有する耐放射線性電線・ケーブルとすることができ、耐放射線性の必要とされる電線、ケーブルの使用に適している。
本発明の一実施の形態を示す電線の断面図である。 図1の電線を用いたケーブルの断面図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず、図1、図2により本発明の電線・ケーブルを説明する。
図1に示す電線10は、導体1の外周に2層構造の絶縁体を被覆した電線10である。絶縁体は、ナフチレン基を含むポリマーを有する内層絶縁体2(第一の絶縁層)と、架橋ポリオレフィンからなる外層絶縁体3(第二の絶縁層)からなる。
図2に示すケーブル20は、図1に示した電線10、すなわち、導体1の外周にナフチレン基を含むポリマーを有する内層絶縁体2(第一の絶縁層)と、架橋ポリオレフィンからなる外層絶縁体3(第二の絶縁層)からなる2層構造の絶縁体を被覆した電線10を撚り合わせ、押え巻きテープ4を施し、最外層にシース5を被覆して形成される。
本発明の第一の絶縁層(内層絶縁体2)に用いるナフチレン基を含むポリマーとしては、特に限定はしないが、好ましくは、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)が挙げられ、これらを単独またはブレンドして用いることができる。
第二の絶縁層(外層絶縁体3)に用いる架橋ポリオレフィンからなるポリマーとしては、ハロゲン系、非ハロゲン系ポリマーのどちらかに限定するものではなく、ハロゲン系ポリマーとしては、例えばポリクロロプレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、または塩素化ポリエチレン等が挙げられる。非ハロゲン系ポリマーとしては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、天然ゴム(NR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。これらは単独、または2種以上をブレンドして用いることができる。
また、ナフチレン基を含むポリマーを有する第一の絶縁層、および架橋ポリオレフィンからなる第二の絶縁層ともに、必要に応じて難燃剤、老化防止剤、耐放射線性付与剤、滑剤、軟化剤、可塑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤、架橋剤、架橋助剤等の添加剤を添加することができる。
難燃剤としては、ハロゲン系、非ハロゲン系難燃剤のどちらかに限定するものではない。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン、パークロロペンタデカン等塩素系難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモフェノール、トリブロモフェノールアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−1)−イソシアヌレート、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ペンタブロモトルエン、ペンタブロモシクロドデカン、ジブロモネオペンチルグリコールテトラカルボナート、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミン等が挙げられる。
非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム等のホウ酸化合物、スルファミン酸グアニジン、硫酸メラミン、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、また、燃焼時に発泡する成分と固化する成分の混合物からなる難燃剤であるインテュメッセント系難燃剤を用いることができる。更に、難燃性を向上させるためにハロゲン系難燃剤と共に、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤を併用することもできる。
老化防止剤としては、フェノール系又はアミン系の一次老化防止剤、イオウ系又はリン系の二次老化防止剤に大別することができる。これらは単独または2種以上を併用して使用することができる。
フェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,6’−ジ−ter−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−ter−ブチル−4−エチルフェノール、又はモノ(α−メチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ter−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ter−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−ter−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−ter−ブチルフェノール)、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、2,5’−ジ−ter−ブチルハイドロキノン、2,5’−ジ−ter−アミルハイドロキノン、トリ(α−メチルベンジル)フェノール、p−クレゾール、又はジ
シクロペンタジエン等を用いることができる。
アミン系の老化防止剤としては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、又はN−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、テトラキシ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等を用いることができる。
イオウ系の二次老化防止剤には、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩等、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、又はトリブチルチオ尿素等を用いることができる。
リン系の二次老化防止剤は、亜リン酸系として、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト等を用いることができる。
老化防止剤の添加量についても特に限定しないが、ポリマー100質量部に対して、0.1〜15質量部程度までの添加量が望ましい。0.1質量部以下では、老化防止剤の効果が得られず、15質量部以上添加すると引張強さ等、物性の低下を引き起こしやすい。
耐放射線性付与剤は例えば、石油系油(すなわち、プロセス油)、又は芳香環(ベンゼン環)を含むエステル系可塑剤を用いることができる。プロセス油は、例えば、ゴム材料等に添加されるパラフィン系油、アロマチック系油、又はナフテン系油等を用いることができる。エステル系可塑剤は、例えば、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(Dioctyl phthalate:DOP)、フタル酸ジイソノニル(Diisononyl phthalate:DINP)、フタル酸ジイソデシル(Diisodecyl phthalate:DIDP)、又はトリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル((Trioctyltrimellitate):TOTM)等の芳香環を分子中に有した可塑剤を用いることができる。
また、ナフチレン基を含むポリマーを使用した第一の絶縁層の厚さについても特に規定しないが、0.1mm未満では均一に被覆することが難しく、また1mm以上では電線またはケーブルが硬く、可とう性に劣るため、好適には0.1〜1mmであり、より好適には0.3〜0.5mmである。
ナフチレン基を有するポリマーによる耐放射線性効果は、ナフチレン基を有するポリマーの被覆厚さに起因する。よって、耐放射線性を付与するためにはある程度の被覆厚さが必要とされるが、ナフチレン基を有するポリマーは硬く、電線ケーブルの可とう性を下げてしまう。よって、耐放射線性を付与するための被覆厚さを確保しつつ、可とう性を付与するために、ナフチレン基を含むポリマーを内側に配置する。これにより、ある程度の被覆厚さを確保しつつ、絶縁層全体に占めるナフチレン基を含むポリマーの体積を抑え、電線・ケーブルに可とう性を付与することができる。
本発明の実施例と比較例を説明する。
先ず、表1に、図1で説明した電線10及び図2で説明したケーブル20の電線10の第一の絶縁層としての内層1〜12の樹脂組成を示し、表2に第二の絶縁層としての外層1〜7の樹脂組成を示す。
Figure 2011192641
Figure 2011192641
次に、表1、2に示した内層1〜12と外層1〜7の樹脂組成を組み合わせて電線・ケーブルを作製してその特性を評価した実施例1〜10と比較例1〜8を表3に示す。
Figure 2011192641
表3において、電線・ケーブルは、以下のように作製した。
表1に示したナフチレン基(内層1〜4)およびフェニレン基(内層5〜12)を含むポリマーを有する内層絶縁体(第一の絶縁層)は、単軸押出機を用いて、図1に示した電線1の内層絶縁体2として、導体外径1.8mmの導体上に250〜380℃で押出した。
外層絶縁体(第二の絶縁層)は、架橋剤を除き、表2に示した配合割合で各種成分を配合して外層1〜7とし、加圧ニーダーによって混練し第一のコンパウンドを得た。
次に約60℃に保持した加圧ニーダー中に、得られた第一のコンパウンドに架橋剤を添加すると共に混合した。その後単軸押出機を用いて、内層絶縁体を被覆した電線上に、絶縁体合計厚さ0.8mmで押出し、約180℃の高圧蒸気で10分間、外層であるポリオレフィン絶縁体を架橋した。
電線の特性の評価は以下に示す方法により判定した。
[引張試験]
作製した電線を、JISC3005に準拠して引張試験を行ない、初期の引張強さ、伸びと、放射線照射後の引張強さ、伸びとを測定した。
[放射線照射]
放射線の照射は日本原子力研究開発機構の高崎研究所にある60Coを利用しγ線の照射を行った。線量率は約4kGy/hで実施した。線量は1MGy、および2MGy照射している。
[外観試験]
試作した電線を室温で30時間静置し、その後、電線表面を10倍の拡大鏡で観察し、ブルーム、またはブリードが無ければ○(合格)とし、ブルーム、またはブリードが有れば×(不合格)とした。
[合否判定]
放射線照射後の伸びが150%以上、かつ外観試験が良好なものを合格とした。
表1〜表3に示すように、実施例1〜10は、内層絶縁体として、ナフチレン基を有するポリマーを用いた内層1〜4を用いているために、外層絶縁体としていずれのポリオレフィンポリマーからなる外層1〜7を使用しても、初期値の放射線照射後も、伸びが150%以上ある可とう性が良好であり、2MGyの放射線照射後も伸び特性は目標値を大きく上回り良好である。
特に、実施例2は、第二の絶縁層の外層2は、ポリオレフィン(エチレンプロピレンゴム)に老化防止剤を添加しており、老化防止剤を添加していない外層1を用いた実施例1と比べて、1MGy、2MGy照射後の伸び特性が改善されている。また実施例3は、老化防止剤に加えて芳香族系油を添加しており、2MGy照射後の伸び特性が実施例2より更に改善している。
これにより、第二の絶縁層に老化防止剤、芳香族系油の添加が望ましい。
実施例4は、第二の絶縁層に老化防止剤と難燃剤を添加した外層4を用い、実施例5は、芳香族系油、難燃剤、老化防止剤を加えた外層5を用いており、いずれも耐放射線性は良好である。
実施例6,7は、第二の絶縁層に塩素系ポリマーを使用した外層6,7を用いたもので、耐放射線性は良好である。
また実施例8は、第一の絶縁層のナフチレン基を含むポリマーとしてポリエチレンナフタレートを使用した内層2を用いたものであるが、ポリブチレンナフタレートを用いた内層1と同様に耐放射線性は良好である。これにより、ナフチレン基を含むポリマーであれば、耐放射線性に優れている。
実施例9は、ナフチレン基を含むポリマー同士をブレンドした内層3を用いたものであるが耐放射線性は優れている。さらに、実施例10は、ナフチレン基を含むポリマーと他のポリマーをブレンドした内層4を用いたものであるが、耐放射線性は優れている。すなわち、ナフチレン基を含むポリマーを主成分とするものであれば、他のポリマーとのブレンド物を使用できることが分かる。
これに対し、比較例1〜8は、第一の絶縁層にナフチレン基を含むポリマーを使用しない内層5〜12を用いており、いずれも耐放射線性が劣る。
比較例1は、第一の絶縁層のポリマーにフェニレン系ポリマーであるポリエーテルエーテルケトンを使用して内層5としたものであるが、実施例1に比べて耐放射線性が劣る。
比較例3〜6は、第一の絶縁層のポリマーにエチレンプロピレンゴムを使用し、芳香族系油、難燃剤、老化防止剤を適宜加えた内層7〜10を用いたものであるが、芳香族系油、難燃剤、老化防止剤を添加していないエチレンプロピレンゴムからなる内層6を用いた比較例2に対して、耐放射線性が若干改良するものの、十分ではなく、ナフチレン基を含むポリマーを使用した実施例1〜10と比較すると、耐放射線性が劣る。また比較例6は、2MGy照射後の伸び特性を満足させる最低量である、芳香族系油を90質量部添加した内層10を用いたものであるが、耐放射線性は満足するものの、ブリードが発生し外観不良となる。
比較例7,8は、塩素系ポリマーを第一の絶縁層に用いた内層11,12を用いたものであるが、更に耐放射線性に劣る。
以上より、ナフチレン基を含むポリマーを有する第一の絶縁層と、架橋ポリオレフィンからなる第二の絶縁層を有する電線およびケーブルは、優れた耐放射線性を示し、耐放射線性の必要とされる電線、ケーブルに適している。
1 導体
2 内層絶縁体(第一の絶縁層)
3 外層絶縁体(第二の絶縁層)
10 電線

Claims (4)

  1. 導体上に、ナフチレン基を含むポリマーからなる内側絶縁層と架橋ポリオレフィンからなる外側絶縁層とを被覆したことを特徴とする耐放射線性電線。
  2. 前記ナフチレン基を含むポリマーが、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリブチレンナフタレート(PBN)である請求項1記載の耐放射線性電線。
  3. 複数本の電線を撚り合わせ、その外周をシースで被覆したケーブルにおいて、電線が、導体上に、ナフチレン基を含むポリマーからなる内側絶縁層と架橋ポリオレフィンからなる外側絶縁層とを被覆して形成されたことを特徴とする耐放射線性ケーブル。
  4. 前記ナフチレン基を含むポリマーが、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリブチレンナフタレート(PBN)である請求項3記載の耐放射線性ケーブル。
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