JP2010026165A - レーザー走査型顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】標本の屈折率が変動しても、常にHerschelの条件を保てるような技術を提供する。また、対物レンズを交換しても、常にHerschel条件を保てるような技術を提供する。
【解決手段】レーザー走査型顕微鏡において、標本1を観察する対物レンズ2と、対物レンズ2に関して標本1の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズ3と、焦点面スキャンレンズ3の中間像位置近傍に配置されるミラー4と、ミラー4を光軸方向に走査する走査手段としてピエゾ素子5を利用し、対物レンズの瞳6を焦点面スキャンレンズの瞳7に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明はレーザー走査型顕微鏡の技術分野に係る。
レーザー走査型顕微鏡では、共焦点効果を利用して標本内の光軸方向の走査をするものがある。このとき、共焦点効果を生み出すものとして、共焦点ピンホールが利用されることが多いが、非線形光学効果を利用して共焦点効果を生み出すものがある。非線形光学効果を利用したものとしては、例えば多光子励起蛍光顕微鏡や第2高調波(SHG)顕微鏡や第3高調波(THG)顕微鏡や反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡や光和周波発生顕微鏡などが知られている。
共焦点効果を利用すると対物レンズの焦点面からの光のみが検出されるので、標本内の光軸方向の走査をするために、標本(ステージ)を駆動する方法や対物レンズを駆動する方法や対物レンズに入射する光束の波面曲率を変化させることとにより対物レンズや標本(ステージ)を動かすことなく焦点面を変化させる方法が取られる。
標本や対物レンズを駆動する方法では、振動が観察結果に影響を与えることがあり、また、比較的大きな部品を駆動しなければいけないことから、高速に走査することが難しい。
一方で、波面曲率を変化させることにより焦点面を変化させる方法では駆動部分を小型化することが可能であるが、焦点面を変化させることによる球面収差の発生が問題となってしまう。なお、焦点面を変化させることによって球面収差が発生してしまう理由は、対物レンズは平行光束が入射されたときに最適に収差が補正されるように設計されているからである。
この焦点面の変化による球面収差の問題に対する技術として、以下の特許文献1、特許文献2、特許文献3、および非特許文献1が挙げられる。
特許文献1に記載の技術は、液晶空間変調器を使い焦点位置を光軸方向に走査させると同時にその際に発生する収差を相殺している。
特許文献2に記載の技術は、波面変換素子により焦点位置を光軸方向に走査させるとしているが、焦点位置の光軸方向の変化に伴う球面収差は補償できないとして、光軸方向の走査範囲を制限している。
特許文献3に記載の技術は、デフォーマブルミラーを使い焦点位置を光軸方向に走査させると同時にその際に発生する収差を補償している。
非特許文献1に記載の技術は、いわゆるHerschel条件を満たすことにより、対物レンズの焦点位置の光軸方向の変化に伴う球面収差をもうひとつの対物レンズ(スキャンレンズ)で反対に発生させることにより補償させる。この技術によれば、スキャンレンズの焦点位置に配置された平面ミラーを光軸方向に移動するだけで、対物レンズの焦点位置の光軸方向の走査とそれに伴う球面収差の補償が可能である。
特開平11−326860号公報 特開2002−196246号公報 特開2004−341394号公報 E. Botcherby, et al., Opt. Comm., Vol. 281, pp. 880-887 (2008)
以上のような技術においても様々な問題を抱えている。例えば、特許文献1の技術では液晶の反応速度の制限のために十分な高速走査が難しく、特許文献2の技術では光軸方向の走査範囲が制限されてしまい、特許文献3の技術ではデフォーマブルミラーを制御する方法に困難がある。
非特許文献1の技術でも、様々な対物レンズや屈折率の異なる標本に対して柔軟に対応することが難しい。非特許文献1の技術では、Herschelの条件を満たすように対物レンズとスキャンレンズを構成するのであるが、この条件は要求精度が非常に高く、1%の誤差においても光軸方法に走査されたレーザースポットの結像特性が崩れてしまう。図13の(a)は、収差のパラメータとしてシュトレール比を縦軸に表し、光軸方向への焦点の移動量を横軸に表わして、Herschel条件からのズレ量(屈折率、瞳投影倍率あるいは焦点距離を変化させる)がそれぞれ±1%、±0.5%、0%の時に、光軸方向への焦点の移動量が収差に与える影響をグラフ化したものである。このように、±0.5%のズレでも収差量に与える影響が大きいことが解る。しかも、対物レンズの倍率には±2%の倍率誤差が許容されており、また、標本によっては屈折率分布が1%を超えることがあるので、Herschel条件の要求精度は無視できない問題となる。
なお、Herschel条件とは、図14のように、焦点距離がf1とf2の光学系によって点Pと点Qが共役関係にあったときに、以下の条件式で与えられる球面収差が補正されるための条件である。
ただし、n1とn2はそれぞれ点Pと点Qと光学系までの媒質の屈折率を示し、z1とz2はそれぞれ点Pと点Qを光軸方向に変化させたときの変化量を示し、θ1とθ2は点Pと点Qをそれぞれz1とz2だけずらした点どうしを結ぶ光線の光軸となす角を示す。非特許文献1においては、このふたつの光学系に正弦条件を満たす顕微鏡用対物レンズを用いており(n1f1sinθ1=n2f2sinθ2)、その場合はn1f1=n2f2を満たすことがHerschel条件を満たす条件となる。このことは、使用する標本屈折率n1や対物レンズの焦点距離f1の組み合わせに応じて、焦点距離f2のことなったスキャンレンズを選択使用する必要があることを意味する。
本発明では、上記問題に鑑み、標本の屈折率が変動しても、常にHerschelの条件を保てるようなレーザー走査型顕微鏡の技術を提供する。また、対物レンズを交換しても、常にHerschel条件を保てるような技術を提供する。
本発明の課題は、標本を観察する対物レンズと、前記対物レンズに関して前記標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズと、前記焦点面スキャンレンズの前記中間像位置近傍に配置されるミラーと、前記ミラーを光軸方向に走査する走査手段と、前記対物レンズの瞳を前記焦点面スキャンレンズの瞳に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系を有することを特徴とするレーザー走査型顕微鏡によって解決される。
さらに、前記焦点面スキャンレンズと前記瞳投影光学系との間の光路に偏光ビームスプリッタと1/4波長板をさらに備え、前記偏光ビームスプリッタは前記光路の前記焦点面スキャンレンズ方向にレーザー光を挿入する構成が好ましい。
また、前記標本に関して前記対物レンズの反対側に配置されて前記標本から放射される光線を検出する透過検出器をさらに備えることも望ましい。
前記瞳投影光学系は、投影倍率を大きく変化させる粗動手段と、投影倍率を小さく変化させる微動手段とを備えることが望ましい。
このとき、前記微動手段と前記ミラーを光軸方向に走査する前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることも望ましい。
また、前記焦点面スキャンレンズは焦点距離を変化させる移動群を有することも望ましい。
このとき、前記移動群と前記ミラーを光軸方向に走査する前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることも望ましい。
本発明の課題は、標本を観察する対物レンズと、前記対物レンズに関して前記標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ第1の光学系と、前記第1の光学系と焦点位置を略一致させて向かい合わせで配置される第2の光学系と、前記第1の光学系と前記第2の光学系の光学的相対的距離を光軸方向に走査する走査手段と、前記対物レンズの瞳を前記第1の光学系の瞳に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系を有することを特徴とするレーザー走査型顕微鏡によっても解決される。
さらに、前記第2の光学系に関して前記第1の光学系の反対側に配置されて、前記標本に照射するレーザー光と前記標本から放射される光線とを分離するダイクロイックミラーをさらに備えることも望ましい。
また、前記第2の光学系に関して前記第1の光学系の反対側に配置されて、前記ダイクロイックミラーによって分離された前記標本から放射される光線を集光する共焦点レンズと、前記共焦点レンズの集光位置に配置された共焦点ピンホールと、前記共焦点ピンホールとを通過した光線を検出する検出器とをさらに備えることも望ましい。
さらに、前記瞳投影光学系は、投影倍率を大きく変化させる粗動手段と、投影倍率を小さく変化させる微動手段とを備えることが望ましい。
さらに、前記微動手段と前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることが望ましい。
また、前記第1の光学系は焦点距離を変化させる移動群を有することも望ましい。
このとき、前記移動群と前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることが望ましい。
本発明の異なる視点によれば、標本を観察する対物レンズと、前記対物レンズに関して前記標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズと、前記焦点面スキャンレンズの前記中間像位置近傍に配置されるミラーと、前記ミラーを光軸方向に走査する走査手段と、前記対物レンズの瞳を前記焦点面スキャンレンズの瞳に投影する瞳投影光学系とを有し、前記焦点面スキャンレンズは焦点距離調節機構を備えることを特徴とするレーザー走査型顕微鏡と表現される。
このとき、前記焦点距離調節機構と前記ミラーを光軸方向に走査する前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることが望ましい。
また、さらに異なる視点によれば、標本を観察する対物レンズと、前記対物レンズに関して前記標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ第1の光学系と、前記第1の光学系と焦点位置を略一致させて向かい合わせで配置される第2の光学系と、前記第1の光学系と前記第2の光学系の光学的相対的距離を光軸方向に走査する走査手段と、前記対物レンズの瞳を前記第1の光学系の瞳に投影する瞳投影光学系とを有し、前記第1の光学系は焦点距離調節機構を備えることを特徴とするレーザー走査型顕微鏡と表現される。
このとき、前記第2の光学系に関して前記第1の光学系の反対側に配置されて、前記標本に照射するレーザー光と前記標本から放射される光線とを分離するダイクロイックミラーをさらに備えることが望ましい。
さらに、前記第2の光学系に関して前記第1の光学系の反対側に配置されて、前記ダイクロイックミラーによって分離された前記標本から放射される光線を集光する共焦点レンズと、前記共焦点レンズの集光位置に配置された共焦点ピンホールと、前記共焦点ピンホールとを通過した光線を検出する検出器とをさらに備えることが望ましい。
本発明によれば、標本の屈折率が変動しても、常にHerschelの条件を保てるようなレーザー走査型顕微鏡の技術を提供する。また、対物レンズを交換しても、常にHerschel条件を保てるような技術を提供することができる。
以下では、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
本実施例は、主に2光子励起蛍光顕微鏡への適用を目的とした構成であり、他にも共焦点効果を持つ非線形光学効果を利用した顕微鏡においてもほぼ同様の構成が利用される。
図1は本発明を2光子励起蛍光顕微鏡に適用した構成を概略的に示したものである。本実施例のレーザー走査型顕微鏡は標本1を観察する対物レンズ2と、対物レンズ2に関して標本1の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズ3と、焦点面スキャンレンズ3の中間像位置近傍に配置されるミラー4と、ミラー4を光軸方向に走査する走査手段としてピエゾ素子5を利用し、対物レンズの瞳6を焦点面スキャンレンズの瞳7に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8を有する。上記構成によると、ミラー4を光軸方向に走査することで、対物レンズ2の焦点位置を光軸方向に走査することができる一方で、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8によって球面収差の補正が可能である。つまり、図14においてこのふたつの光学系の間に瞳投影倍率βの瞳投影光学系をはさんだ場合を考えると、前出の式はf1をβf1に置き換えれば良く、従って、βn1f1=βn2f2が満たされるよう瞳投影倍率βを調整すれば、Herschel条件が満たされることとなる。また、対物レンズ2を交換した際にも、瞳投影光学系8の瞳投影倍率を変更することによって、焦点面スキャンレンズ3を交換しないで済む。
特に本実施例の構成では、対物レンズの瞳6を焦点面スキャンレンズの瞳7に直接投影するのではなく、瞳リレー光学系9を用いて、瞳の中間像を作り出す構成としている。この瞳の中間像の位置には、ガルバノミラー10に代表される走査手段を配置することによって標本内の光軸に垂直な平面を走査することができる。
さらに、焦点面スキャンレンズ3と瞳投影光学系8との間の光路に偏光ビームスプリッタ11と1/4波長板12をさらに備え、偏光ビームスプリッタ11は焦点面スキャンレンズ3の方向にレーザー光を挿入する構成をとっている。レーザー光は直線偏光であるので、上記の構成によって、偏光ビームスプリッタ11によって反射したものを1/4波長板12によって円偏光に変換する。その後、ミラー4によって反射されたのちに、再び1/4波長板12を透過することによって、円偏光が直線偏光に変換される。
このときの直線偏光は、偏光ビームスプリッタ11に入射したときの直線偏光と直交方向の直線偏光になっているので、偏光ビームスプリッタ11で反射されずに透過することが出来る。すなわち上記のように偏光ビームスプリッタ11と1/4波長板12とを用いることによってレーザー光を効率よく光路に挿入することが出来る。
なお、本実施例は2光子励起蛍光観察に用いることを想定しているので、レーザー光源13はチタンサファイアレーザーを用いている。レーザー光源13から射出されるレーザー光はフェトム秒クラスのパルス幅を持つ赤外線パルスレーザーである。このレーザー光を効果的に標本1まで導くために、レーザー光源13と偏光ビームスプリッタ11の間の光路には、レーザー導入光学系14を備えている。レーザー導入光学系14ではレーザーのビーム径とダイバージェンスを調整する。
また、標本1に関して対物レンズ2の反対側に配置されて標本1から放射される光線を検出する透過検出器15をさらに備えている。本実施例のレーザー走査型顕微鏡では、非線形光学効果による共焦点効果を利用しているので、通常は用いられる共焦点ピンホールを必要としない。よって、標本1の近傍に透過検出器15を配置することによって効率よく、標本1からの蛍光を収集する構成をとっている。
図2は本実施例の構成における、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8の光学構成とその変倍の例を示すものである。図2に示されるアフォーカルズームレンズは、凸レンズ16と凹レンズ17と凸レンズ18の3群構成である。これら凸レンズ16と凹レンズ17と凸レンズ18の焦点距離は、それぞれf、−f/2、fの比率であり、焦点面スキャンレンズの瞳7の位置からガルバノミラー10の位置まで距離は6fになっている。
なお、本実施例に利用される瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8は上記構成のような単レンズの構成に限らず、2枚または3枚のよりなる接合レンズや、複数のレンズの組み合わせによる群構成を用いることも可能である。
図2に示される凸レンズ16と凹レンズ17と凸レンズ18は不図示のズームカムによって、図中の破線のような軌跡に沿って移動し、このことによって瞳投影倍率が、0.2倍から5倍まで変化する。すなわち本構成のアフォーカルズームレンズは変倍比が25倍となり、例えば10倍の対物レンズから150倍の対物レンズまでの幅広い焦点距離、および乾燥、水中、パラフィン固定標本など様々な標本の屈折率に対しても、一つの焦点面スキャンレンズによって対応することが出来る。このとき、使用する対物レンズの種類の組み合わせがあらかじめ決まっている場合は、ズームカムにそれぞれの対物レンズに対応したクリックストップを設けておくと便利である。
さらに、第2群の凹レンズ17にヘリコイドなどの光軸方向への微動装置を設けておくと1%程度の倍率の倍率調整に好適である。本構成のアフォーカルズームレンズでは凹レンズ17を0.01f程度の距離だけ光軸方向に移動した場合に、瞳投影の位置関係をほぼ保ったまま、倍率を1%程度変化させることが出来る。そして、この第2群の凹レンズ17を用いることによって、標本ごとに異なる微妙な屈折率差にも対応することが出来る。また、励起波長を変化させた場合に波長分散によって生じる標本の屈折率の変化に対応することも出来る。
すなわち、上記構成の瞳投影光学系は、投影倍率を大きく変化させる粗動手段と、投影倍率を小さく変化させる微動手段を備え、対物レンズの交換と標本の屈折率差とのそれぞれに対応してHerschelの条件を保つ駆動に好適である。
図3は本実施例において、瞳投影光学系8の微動手段とミラー4を光軸方向に走査する走査手段と連動させるフォーカスコントローラー19を備える構成を説明するための図である。図3は図1に示されるレーザー走査型顕微鏡の一部を抜粋しフォーカスコントローラー19を付け加えたものであるので、図1を同じ符号を用いることによって重複する説明を省くことにする。
本実施例におけるレーザースポットの光軸方向への走査方法は、焦点面スキャンレンズ3の焦点位置近傍に配置されたミラー4をピエゾ素子5によって走査することにて実施する。このとき、光軸方向への走査に応じて瞳投影光学系8の投影倍率を変化させることが好ましい。その理由は主に二つある。
一つは標本自体が屈折率分布を持っていることが多く、観察深度に応じて屈折率が変わるという理由がある。例えばヒトの皮膚は層構造を形成し、各層毎に屈折率が異なり、その屈折率変化量は1.34から1.51までと非常に大きい。
もう一つは、観察深度に応じて球面収差が発生するという理由である。この球面収差の要因はいわゆる屈折率ミスマッチと呼ばれるものがある。すなわち、標本とカバーガラスの屈折率差やカバーガラスと液浸媒質(オイルや水)の屈折率差が、観察深度に応じて異なる球面収差を発生させるという現象である。そのため、観察深度に応じてHerschel条件からずらした状態の方がむしろ良好な結像性能を持つことがある。
再び図13(a)を見ると、このグラフから読み取れるように、Herschel条件からのズレ量が0%の時に焦点の移動量0の位置で最も良いシュトレール比を得ることが出来るものの、±0.5%のズレ量の時の方が焦点の移動量に対する許容度が大きいことが解る。すなわち、観察範囲が光軸方向に幅広い場合にはむしろHerschel条件からずらした状態で観察した方が、全体としてはよい観察結果を得ることが出来る。
図13の(b)は、図13の(a)におけるHerschel条件からのズレ量を連続的に変化させた場合の包絡線を示すグラフである。図13の(b)では、Herschel条件からのズレ量を0.1%刻みで±1%の範囲で記載してある(点線)。このときの包絡線が図中の破線であり、Herschel条件からのズレ量を連続的に変化させた場合は、包絡線が観察深度による収差の劣化を表わしている。このことはHerschel条件からのズレ量を連続的に変化させた場合は、理論上は最も収差が劣化しない状態で、今まで以上に広い光軸方向の走査範囲を得ることができる。
図4は本実施例において、焦点面スキャンレンズ3の焦点距離を変化させる移動群と焦点面スキャンレンズ3の中間像位置近傍に配置されるミラー4を光軸方向に走査する走査手段5とを連動させるフォーカスコントローラー19を備える構成を説明する概略図である。図4も図1に示されるレーザー走査型顕微鏡の一部を抜粋しフォーカスコントローラー19を付け加えたものであるので、図1を同じ符号を用いることによって重複する説明を省くことにする。
本実施例におけるレーザースポットの光軸方向への走査方法は、焦点面スキャンレンズ3の焦点位置近傍に配置されたミラー4をピエゾ素子5によって走査することにて実施する。このとき、光軸方向への走査に応じて焦点面スキャンレンズ3の焦点距離を変化させることによっても、図3に示される構成と同様の効果を得ることが出来る。その理由は、Herschel条件からのズレ量は瞳投影倍率のズレ量においても焦点面スキャンレンズ3の焦点距離のズレ量によっても同様の影響を与えるからである。
また、本構成によっても、図13で説明した議論が成立し、焦点面スキャンレンズ3の焦点距離を変化させる移動群と焦点面スキャンレンズ3の中間像位置近傍に配置されるミラー4を光軸方向に走査するためのピエゾ素子5とを連動させることによって、理論上は最も収差が劣化しない状態で、今まで以上に広い光軸方向の走査範囲を得ることができる。
なお、図4に示される構成によれば、瞳投影光学系8の瞳投影倍率を可変にしない構成も考えられる。焦点面スキャンレンズ3の焦点距離を変化させる移動群を、大きく焦点距離を変化させることの可能な構成とすれば、瞳投影光学系8の瞳投影倍率の変倍の代わりに焦点面スキャンレンズ3の焦点距離を変化させてHerschel条件を保つことが可能である。
すなわち、図4に示される構成の観点からは、標本1を観察する対物レンズ2と、対物レンズ2に関して標本1の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズ3と、焦点面スキャンレンズ3の中間像位置近傍に配置されるミラー4と、ミラー4を光軸方向に走査する走査手段5と、対物レンズの瞳6を焦点面スキャンレンズの瞳7に投影する瞳投影光学系8とを有し、焦点面スキャンレンズ3は焦点距離調節機構を備えることによっても本発明の課題が同様に達成されるといえる。
このとき、焦点距離調節機構を備える焦点面スキャンレンズ3としては、いわゆるズーム対物レンズと呼ばれるような、ズーム機構つき対物レンズを利用することが考えられる。
図5は本発明を1光子励起レーザー走査型蛍光顕微鏡に適用した構成を概略的に示したものである。本実施例のレーザー走査型顕微鏡は標本1を観察する対物レンズ2と、対物レンズ2に関して標本1の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズ3と、焦点面スキャンレンズ3が形成する中間像位置近傍に配置されるミラー4と、ミラー4を光軸方向に走査する走査手段としてピエゾ素子5を利用し、対物レンズの瞳6を焦点面スキャンレンズの瞳7に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8を有する。上記構成によると、ミラー4を光軸方向に走査することで、対物レンズ2の焦点位置を光軸方向に走査することができる一方で、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8によって球面収差の補正が可能である。また、対物レンズ2を交換した際にも、瞳投影光学系8の瞳投影倍率を変更することによって、焦点面スキャンレンズ3を交換しないで済む。
特に本実施例の構成では、対物レンズの瞳6を焦点面スキャンレンズの瞳7に直接投影するのではなく、瞳リレー光学系9を用いて、瞳の中間像を作り出す構成としている。この瞳の中間像の位置には、ガルバノミラー10に代表される走査手段を配置することによって標本内の光軸に垂直な平面を走査することができる。
さらに、焦点面スキャンレンズ3と瞳投影光学系8との間の光路に偏光ビームスプリッタ11と1/4波長板12をさらに備え、偏光ビームスプリッタ11は焦点面スキャンレンズ3の方向にレーザー光を挿入する構成をとっている。
本実施例は1光子励起蛍光観察に用いることを想定しているので、共焦点ピンホール20を配置することによって共焦点効果を得る。そのために、本実施例では偏光ビームスプリッタ11とレーザー光源13の間の光路にダイクロイックミラー21を配置し、レーザー導入光路と蛍光検出光路を分離して、蛍光検出光路に共焦点ピンホール20を配置する構成をとっている。共焦点ピンホール20は対物レンズ2の焦点と共役な位置に配置される必要があるので、ダイクロイックミラー21と共焦点ピンホール20の間には共焦点レンズ22を配置している。共焦点ピンホール20を透過した蛍光は共焦点検出器23によって検出される。
なお、本実施例で用いられているレーザー光源13はシングルモードファイバーによって顕微鏡本体およびスキャンユニットの外部から導入され、コリメータレンズ24によって平行光化される。
本実施例においても、図2に示されたアフォーカルズームレンズを瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8に利用することが可能である。また、図3に示された、瞳投影光学系8の微動手段とミラーを光軸方向に走査する走査手段と連動させるフォーカスコントローラー19を備える構成を本実施例に利用することも可能である。さらに、図4に示された、焦点面スキャンレンズの焦点距離を変化させる移動群と焦点面スキャンレンズの中間像位置近傍に配置されるミラーを光軸方向に走査する走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備える構成を本実施例に利用することも可能である。これらの構成の詳細および効果に関しては説明が重複するので、ここでは省略する。
図6は本発明を1光子励起レーザー走査型蛍光顕微鏡に適用した構成を概略的に示したものである。本実施例のレーザー走査型顕微鏡は標本1を観察する対物レンズ2と、対物レンズ2に関して標本1の反対側に配置されて中間像を結ぶ第1の光学系25と、第1の光学系25と焦点位置を略一致させて向かい合わせで配置される第2の光学系26と、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査する走査手段27と、対物レンズの瞳6を第1の光学系の瞳28に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8を有する。ここで、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査する走査手段27としてはピエゾステージを用いた構成が考えられ、第1の光学系25と第2の光学系26のそれぞれに用いることも、何れか一方に用いることも考えられる。上記構成によると、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査することで、対物レンズ2の焦点位置を光軸方向に走査することができる一方で、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8によって球面収差の補正が可能である。また、対物レンズ2を交換した際にも、瞳投影光学系8の瞳投影倍率を変更することによって、第1の光学系25と第2の光学系26を交換しないで済む。
さらに、本実施例では第2の光学系26に関して第1の光学系25の反対側に配置されて、標本1に照射するレーザー光と標本1から放射される光線とを分離するダイクロイックミラー21を備える。上記構成によれば、励起光であるレーザー光だけではなく、蛍光も第1の光学系25と第2の光学系26を通過するので、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査することによって、検出される蛍光も光軸方向に走査される。
本実施例は1光子励起蛍光観察に用いることを想定しているので、共焦点ピンホール20を配置することによって共焦点効果を得る。そのために、本実施例ではダイクロイックミラー21によって分離された検出光路に共焦点ピンホール20を配置する構成をとっている。共焦点ピンホール20は対物レンズ2の焦点と共役な位置に配置される必要があるので、ダイクロイックミラー21と共焦点ピンホール20の間には共焦点レンズ22を配置している。共焦点ピンホール20を透過した蛍光は共焦点検出器23によって検出される。
なお、本実施例で用いられているレーザー光源13はシングルモードファイバーによって顕微鏡本体およびスキャンユニットの外部から導入され、コリメータレンズ24によって平行光化される。
図7は本実施例の構成における、第1の光学系25と第2の光学系26との構成の例を示す。図7に示された第1の光学系25と第2の光学系26はどちらも接合レンズまたは接合レンズを含むレンズ群であり、両者の焦点位置をほぼ一致させて対向させて配置する。そして第2の光学系26のレンズを光軸方向に駆動することによって、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査する構成となっている。なお、第1の光学系は正弦条件を満たす必要があるが、第2の光学系にはそれが必要ないので駆動のために最小限の構成をとることができる。
図8は本実施例の構成における、第1の光学系25と第2の光学系26の異なる構成の例を示す。図8に示された第2の光学系26は3群構成の光学系をなしており、移動群29を駆動することによって、第2の光学系26の焦点位置を変化させることが出来る。すなわち、移動群29を光軸方向に駆動することによって、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査する構成となっている。なお、本構成における第1の光学系25は正弦条件を満たすように適切に設計された正レンズを用いればよい。
図9は本実施例の構成における、第1の光学系25と第2の光学系26の異なる構成の例を示す。図9に示された第1の光学系25は3群構成の光学系をなしており、移動群29を駆動することによって、第1の光学系25の焦点位置および焦点距離を変化させることが出来る。すなわち、移動群29を光軸方向に駆動することによって、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査すると同時に、第1の光学系25の焦点距離を変化させて球面収差を補正する構成となっている。なお、本構成における第2の光学系26は必ずしも正弦条件を満たす必要はなく、集光のために適切に設計された正レンズを用いればよい。
図10は本実施例の構成における、第1の光学系25と第2の光学系26の異なる構成の例を示す。図10に示された第1の光学系25は3群構成の光学系をなしており、第1群25aは正の屈折力を持ち、第2群25bは負の屈折力を持ち、第3群25cは正の屈折力を持つ。また、第2の光学系26は正の屈折力を持つ。第1群25aと第2群25bは組み合わされてほぼアフォーカル光学系をなしている。第3群25cと第2の光学系26はともに非球面レンズであり、焦点位置をほぼ一致させて対向して配置される。また、第3群25cと第2の光学系26も組み合わされてほぼアフォーカル光学系をなしている。なお、第1の光学系の正弦条件を満たすためには、第1群25aと第2群25bのどちらかまたは両方に非球面レンズを使うことも有効である。
図10に示された構成において、第3群25cは図示されないピエゾステージによって光軸方向に駆動可能に備えられている。すなわち、第3群25cを光軸方向に駆動することによって、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査する構成となっている。このとき、第1群25aと第2群25bとの組み合わせ,および第3群25cと第2の光学系26との組み合わせがアフォーカル光学系をなしていることから、第3群25cを光軸方向に駆動することによって、第1の光学系25の合成焦点距離は変化しない。
さらに,図10に示された構成において、第2群25bは図示されないヘリコイド等の微動装置を備える。第2群25bを光軸方向に駆動した場合は、第1群25aと第2群25bとのアフォーカル光学系の組み合わせが崩れる。このとき,第3群25cを光軸方向に駆動すると,第1の光学系25の合成焦点距離が変化する。すなわち、対物レンズの焦点位置を光軸方向に走査すると同時に、球面収差の発生量を変化させることができる。よって、第2群25bの位置を適切に調節すれば、対物レンズの焦点位置を光軸方向に走査することによって発生する球面収差を幅広い走査範囲で抑制することができる。
図11は本実施例の構成における、第1の光学系25と第2の光学系26の異なる構成の例を示す。図11に示された第1の光学系25は4群構成の光学系をなしており、第1群25aは正の屈折力を持ち、第2群25b’は負の屈折力を持ち、第3群25b”は正の屈折力を持ち、第4群25cは正の屈折力を持つ。また、第2の光学系26は正の屈折力を持つ。第1群25aと第2群25b’と第3群25b”とは組み合わされてほぼアフォーカル光学系をなしている。第4群25cと第2の光学系26はともに非球面レンズであり、焦点位置をほぼ一致させて対向して配置される。すなわち、図11に示される構成は、図10に示される光学系の第2群25bを、第2群25b’と第3群25b”に分解したものであるとみなすことが出来る。
図11の構成においても、第3群25b”を適切な位置に微調整した状態で第4群25cを光軸方向に駆動すれば、対物レンズの焦点位置を光軸方向に走査すると同時に球面収差が抑制され、より広範囲な走査範囲で良好な観察が可能になる。
なお、図11に示された本構成の第1の光学系において、第1レンズ群25aと第2レンズ群25b’と第3レンズ群25b”を切り抜いて考えると、図2に示されるアフォーカルズーム光学系と同様の構成をしていることが解る。すなわち、本構成の第1の光学系は、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8の機能を兼ねることが出来る。言い換えると、本構成のレーザー走査型顕微鏡は、標本1を観察する対物レンズ2と、対物レンズ2に関して標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ第1の光学系25と、第1の光学系25と焦点位置を略一致させて向かい合わせで配置される第2の光学系26と、第1の光学系25と第2の光学系25の光学的相対的距離を光軸方向に走査する走査手段27と、対物レンズの瞳6を第1の光学系の瞳28に投影する瞳投影光学系8とを有し、第1の光学系25は焦点距離調節機構を備えると表現することも出来る。
なお、本実施例において、第1の光学系25と第2の光学系26は中間像位置を境に区別して異なる光学系として説明したが、第1の光学系25と第2の光学系26を一つの光学系としてみなすことも可能である。
図12は本発明を観察用光路と刺激用光路の両方で実施した場合の実施例を説明する図である。
近年のレーザー走査型顕微鏡では、観察用のレーザーと刺激用のレーザーを独立に備える構成を持つものが少なくない。本実施例はそのようなレーザー走査型顕微鏡に本発明を適用したものとなっている。
本実施例のレーザー走査型顕微鏡の構成は、実施例1と実施例3を組み合わせたものに近い。すなわち、標本1を観察する対物レンズ2と、対物レンズ2に関して標本1の反対側に配置されて中間像を結ぶ第1の光学系25と、第1の光学系25と焦点位置を略一致させて向かい合わせで配置される第2の光学系26と、第1の光学系25と第2の光学系26の光学的相対的距離を光軸方向に走査する走査手段27aと、対物レンズの瞳6を第1の光学系の瞳28に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8aを有し、さらに、対物レンズ2に関して標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズ3と、焦点面スキャンレンズ3の中間像位置近傍に配置されるミラー4と、ミラー4を光軸方向に走査する走査手段27bと、対物レンズの瞳6を焦点面スキャンレンズの瞳7に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系8bを有する。
さらに、対物レンズ2から瞳投影光学系8aへの光路の間には、瞳リレー光学系9とビームスプリッター30と観察用ガルバノミラー10aが配置され、瞳リレー光学系9は対物レンズの瞳6を観察用ガルバノミラー10aへリレーしている。また、対物レンズ2から瞳投影光学系8bへの光路の間には、瞳リレー光学系9とビームスプリッター30と刺激用ガルバノミラー10bが配置され、瞳リレー光学系9は対物レンズの瞳6を刺激用ガルバノミラー10bへリレーしている。すなわち、本実施例の観察用光路と刺激用光路はビームスプリッター30によって分離している。
本実施例における観察光路では、第2の光学系26に関して第1の光学系25の反対側に配置されて、標本1に照射するレーザー光と標本1から放射される光線とを分離するダイクロイックミラー21をさらに備える。また、ダイクロイックミラー21によって分離された前記標本から放射される光線を集光する共焦点レンズ22と、共焦点レンズ22の集光位置に配置された共焦点ピンホール20と通過した光線を検出する共焦点検出器23とを備え、共焦点検出器23による検出結果を画像化する。
本実施例における観察光路では、焦点面スキャンレンズ3と瞳投影光学系8bとの間の光路に偏光ビームスプリッタ11と1/4波長板12をさらに備え、偏光ビームスプリッタ11は刺激用光路の焦点面スキャンレンズ3の方向にレーザー光を挿入する構成となっている。
本構成によれば、刺激用のレーザーと観察用のレーザーを標本内の異なる深さに照射した際に、それぞれの深さに最適な収差補正が可能となる。
本発明の実施例1に係るレーザー走査型顕微鏡の概略図。 本発明の実施に利用される瞳投影光学系の構成例。 瞳投影光学系と光軸方向の走査を連動した構成例。 焦点面スキャンレンズの移動群と光軸方向の走査を連動した構成例。 本発明の実施例2に係るレーザー走査型顕微鏡の概略図。 本発明の実施例3に係るレーザー走査型顕微鏡の概略図。 実施例3で利用される第1の光学系と第2の光学系の構成例(1)。 実施例3で利用される第1の光学系と第2の光学系の構成例(2)。 実施例3で利用される第1の光学系と第2の光学系の構成例(3)。 実施例3で利用される第1の光学系と第2の光学系の構成例(4)。 実施例3で利用される第1の光学系と第2の光学系の構成例(5)。 本発明の実施例4に係るレーザー走査型顕微鏡の概略図。 Herschel条件からのズレ量と観察深度による収差の影響の関係のグラフ。 Herschel条件の説明をするための図。
符号の説明
1・・・標本
2・・・対物レンズ
3・・・焦点面スキャンレンズ
4・・・ミラー
5・・・ピエゾ素子
6・・・対物レンズの瞳
7・・・焦点面スキャンレンズの瞳
8・・・瞳投影光学系
9・・・瞳リレー光学系
10・・・ガルバノミラー
11・・・偏光ビームスプリッタ
12・・・1/4波長板
13・・・レーザー光源
14・・・レーザー導入光学系
15・・・透過検出器
16・・・凸レンズ
17・・・凹レンズ
18・・・凸レンズ
19・・・フォーカスコントローラー
20・・・共焦点ピンホール
21・・・ダイクロイックミラー
22・・・共焦点レンズ
23・・・共焦点検出器
24・・・コリメータレンズ
25・・・第1の光学系
26・・・第2の光学系
27・・・走査手段
28・・・第1の光学系の瞳
29・・・移動群
30・・・ビームスプリッタ

Claims (19)

  1. 標本を観察する対物レンズと、
    前記対物レンズに関して前記標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズと、
    前記焦点面スキャンレンズの前記中間像位置近傍に配置されるミラーと、
    前記ミラーを光軸方向に走査する走査手段と、
    前記対物レンズの瞳を前記焦点面スキャンレンズの瞳に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系を有することを特徴とするレーザー走査型顕微鏡。
  2. 前記焦点面スキャンレンズと前記瞳投影光学系との間の光路に偏光ビームスプリッタと1/4波長板をさらに備え、
    前記偏光ビームスプリッタは前記光路の前記焦点面スキャンレンズ方向にレーザー光を挿入することを特徴とする請求項1に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  3. 前記標本に関して前記対物レンズの反対側に配置されて前記標本から放射される光線を検出する透過検出器をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  4. 前記瞳投影光学系は、
    投影倍率を大きく変化させる粗動手段と、
    投影倍率を小さく変化させる微動手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  5. 前記微動手段と前記ミラーを光軸方向に走査する前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることを特徴とする請求項4に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  6. 前記焦点面スキャンレンズは焦点距離を変化させる移動群を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  7. 前記移動群と前記ミラーを光軸方向に走査する前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることを特徴とする請求項6に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  8. 標本を観察する対物レンズと、
    前記対物レンズに関して前記標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ第1の光学系と、
    前記第1の光学系と焦点位置を略一致させて向かい合わせで配置される第2の光学系と、
    前記第1の光学系と前記第2の光学系の光学的相対的距離を光軸方向に走査する走査手段と、
    前記対物レンズの瞳を前記第1の光学系の瞳に投影し、瞳投影倍率が可変な瞳投影光学系を有することを特徴とするレーザー走査型顕微鏡。
  9. 前記第2の光学系に関して前記第1の光学系の反対側に配置されて、前記標本に照射するレーザー光と前記標本から放射される光線とを分離するダイクロイックミラーをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  10. 前記第2の光学系に関して前記第1の光学系の反対側に配置されて、前記ダイクロイックミラーによって分離された前記標本から放射される光線を集光する共焦点レンズと、
    前記共焦点レンズの集光位置に配置された共焦点ピンホールと
    前記共焦点ピンホールとを通過した光線を検出する検出器とをさらに備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  11. 前記瞳投影光学系は、
    投影倍率を大きく変化させる粗動手段と、
    投影倍率を小さく変化させる微動手段とを備えることを特徴とする請求項8から請求項10の何れかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  12. 前記微動手段と前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることを特徴とする請求項11に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  13. 前記第1の光学系は焦点距離を変化させる移動群を有することを特徴とする請求項8から請求項10の何れかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  14. 前記移動群と前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることを特徴とする請求項13に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  15. 標本を観察する対物レンズと、
    前記対物レンズに関して前記標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ焦点面スキャンレンズと、
    前記焦点面スキャンレンズの前記中間像位置近傍に配置されるミラーと、
    前記ミラーを光軸方向に走査する走査手段と、
    前記対物レンズの瞳を前記焦点面スキャンレンズの瞳に投影する瞳投影光学系とを有し、
    前記焦点面スキャンレンズは焦点距離調節機構を備えることを特徴とするレーザー走査型顕微鏡。
  16. 前記焦点距離調節機構と前記ミラーを光軸方向に走査する前記走査手段とを連動させるフォーカスコントローラーを備えることを特徴とする請求項15に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  17. 標本を観察する対物レンズと、
    前記対物レンズに関して前記標本の反対側に配置されて中間像を結ぶ第1の光学系と、
    前記第1の光学系と焦点位置を略一致させて向かい合わせで配置される第2の光学系と、
    前記第1の光学系と前記第2の光学系の光学的相対的距離を光軸方向に走査する走査手段と、
    前記対物レンズの瞳を前記第1の光学系の瞳に投影する瞳投影光学系とを有し、
    前記第1の光学系は焦点距離調節機構を備えることを特徴とするレーザー走査型顕微鏡。
  18. 前記第2の光学系に関して前記第1の光学系の反対側に配置されて、前記標本に照射するレーザー光と前記標本から放射される光線とを分離するダイクロイックミラーをさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のレーザー走査型顕微鏡。
  19. 前記第2の光学系に関して前記第1の光学系の反対側に配置されて、前記ダイクロイックミラーによって分離された前記標本から放射される光線を集光する共焦点レンズと、
    前記共焦点レンズの集光位置に配置された共焦点ピンホールと
    前記共焦点ピンホールとを通過した光線を検出する検出器とをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載のレーザー走査型顕微鏡。
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