JP2010025887A - 簡易測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な操作で、迅速且つ経済的に、試料中の被検物質濃度を測定できる簡易イムノクロマト法の提供。
【解決手段】イムノクロマト法を用いて試料中の被検物質の濃度を測定する方法であって、被検物質の検出によりメンブレン上の判定部に現れる着色の長さに基づいて被検物質の濃度を算出することを特徴とする簡易測定方法。
【選択図】なし
【解決手段】イムノクロマト法を用いて試料中の被検物質の濃度を測定する方法であって、被検物質の検出によりメンブレン上の判定部に現れる着色の長さに基づいて被検物質の濃度を算出することを特徴とする簡易測定方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、イムノクロマト法により被検物質の濃度を簡易に測定する方法に関する。
近年、抗原抗体反応や酵素反応などを利用した、ウイルスや細菌等の病原体への感染、妊娠の有無、血糖値など様々な測定項目を短時間で検出あるいは定量する簡易検査試薬が開発されている。簡易検査試薬の多くは、操作も簡単で安価であるという特徴を有しており、医療・環境分野などにおける重要性は高い。
現在、簡易検査法として、免疫学的測定法、すなわち免疫凝集法や酵素免疫測定法、イムノクロマト法などが一般に知られており、イムノクロマト法はフロースルー式とラテラルフロー式に大別される。前者は被検物質を含む試料溶液を被検物質に対する捕捉物質が塗布された膜を垂直方向に通過させるものであり、後者は水平方向に展開させるものである。いずれも被検物質に特異的に結合する第1の膜固定化捕捉物質、被検物質、被検物質に特異的に結合する第2の捕捉物質の複合体を膜上に形成させて、標識を検出あるいは定量することで被検物質の検出あるいは定量を行うものであり、最近ではより簡便で、より短時間での検出が可能であることから、ラテラルフロー式が主流になっている。
現在、簡易検査法として、免疫学的測定法、すなわち免疫凝集法や酵素免疫測定法、イムノクロマト法などが一般に知られており、イムノクロマト法はフロースルー式とラテラルフロー式に大別される。前者は被検物質を含む試料溶液を被検物質に対する捕捉物質が塗布された膜を垂直方向に通過させるものであり、後者は水平方向に展開させるものである。いずれも被検物質に特異的に結合する第1の膜固定化捕捉物質、被検物質、被検物質に特異的に結合する第2の捕捉物質の複合体を膜上に形成させて、標識を検出あるいは定量することで被検物質の検出あるいは定量を行うものであり、最近ではより簡便で、より短時間での検出が可能であることから、ラテラルフロー式が主流になっている。
第2の捕捉物質として、例えば抗体感作金属コロイドや着色ラテックス粒子を用いる場合、試料中に被検物質が含まれると凝集物が生じ、判定用のメンブレン上に着色が確認されるため、この着色の有無により被検物質の存在を検出できる。一方、被検物質を定性ではなく定量的に測定するには、前記凝集物の度合いを光学的に測定し、数値化することが必要である。
この光学測定装置を必要とする定量方法は測定単価が高価となり易く、操作が煩雑で手間や時間がかかる。また、電源設備のない場所や屋外での測定には不向きである。従って、より一層簡便で迅速、且つ経済的なイムノクロマト法を用いた定量方法が要望されていた。
この光学測定装置を必要とする定量方法は測定単価が高価となり易く、操作が煩雑で手間や時間がかかる。また、電源設備のない場所や屋外での測定には不向きである。従って、より一層簡便で迅速、且つ経済的なイムノクロマト法を用いた定量方法が要望されていた。
本発明の目的は、簡便な操作で、迅速且つ経済的に、試料中の被検物質濃度を測定できる簡易イムノクロマト法を提供することにある。
本発明者は、イムノクロマト法を用いて被検物質を定量する方法について種々検討したところ、メンブレン上の一定幅・一定面積に捕捉物質が一定量固定化されていれば被検物質の濃度に比例して判定部に現れる着色面積は増大し、着色の長さ(以下、着色長ともいう)が長くなるため、予め被検物質の標準試薬を用いて当該着色長と被検物質の濃度との関係を調べておけば、同様な方法で検出した被検物質の濃度を、その着色長に基づいて、視覚的に簡便・迅速に算出することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、イムノクロマト法を用いて試料中の被検物質の濃度を測定する方法であって、被検物質の検出によりメンブレン上の判定部に現れる着色の長さに基づいて被検物質の濃度を算出することを特徴とする簡易測定方法を提供するものである。
また、本発明は、イムノクロマト法を用いて被検物質の濃度を測定するためのキットであって、着色長と被検物質の濃度との関係を示す着色見本を含む簡易測定用キットを提供するものである。
また、本発明は、イムノクロマト法を用いて被検物質の濃度を測定するためのキットであって、着色長と被検物質の濃度との関係を示す着色見本を含む簡易測定用キットを提供するものである。
本発明によれば、イムノクロマト法により被検物質の濃度を簡便・迅速に算出することができる。また、本発明方法を利用することにより、特殊な分析機器を用いずとも視覚的に被検物質を半定量又は定量できるため、経済的であり、電源設備のない場所や屋外での測定も可能である。
本発明におけるイムノクロマト法は、被検物質に特異的に結合する捕捉物質が固相化されたメンブレンを用いて、試料中に含まれる被検物質の存在を視覚的に検出する方法であって、被検物質の存在を検出するために、被検物質と捕捉物質との反応によって生じる着色を利用するものである。着色は、例えば酵素反応によるものと、着色粒子によるものが挙げられる。イムノクロマト法は公知の方法を用いることができるが、検出感度の点から所謂サンドイッチ法が好ましい。
すなわち、測定法が酵素反応による着色を利用したものである場合、試料中の被検物質と酵素標識物質により形成される複合体をメンブレンに固定された捕捉物質が捕捉し、前記酵素標識と反応して発色する物質を反応させることにより発色し、判定部に着色が確認されるため試料中の被検物質の存在を検出できる。また、測定法が着色粒子による着色を利用したものである場合、試料中の被検物質と着色粒子標識物質が複合体を形成し、この複合体をメンブレンに固定された捕捉物質が捕捉することで、判定部に着色粒子標識物質が凝集し着色を生じるため試料中の被検物質の存在を検出できる。例えば、酵素としてペルオキシダーゼを用いた場合茶褐色を呈し、着色粒子として金コロイドを用いた場合はワインレッド、着色ラテックス粒子の場合は赤や青色を呈する。
本発明においては、操作が簡便な点から、着色粒子による着色を利用した測定方法が好ましく、特にラテラルフロー式イムノクロマト法が好ましい。
本発明においては、操作が簡便な点から、着色粒子による着色を利用した測定方法が好ましく、特にラテラルフロー式イムノクロマト法が好ましい。
イムノクロマト法における被検物質と捕捉物質との反応、あるいは被検物質と標識物質の反応としては、抗原抗体反応、その他のリガンド−レセプター反応、ビオチン−アビジン反応などが挙げられるが、操作が簡便な点から抗原抗体反応が好ましい。
本発明において、測定対象となる被検物質としては、特に制限されず、例えばタンパク質、ホルモン、細菌、ウイルス、その他臨床マーカーなどの抗原、抗体が挙げられる。これらのうち、抗原、抗体が好ましく、特に抗原が好ましい。これら被検物質を含む試料としては、例えば全血、血球、血清、血漿、髄液、汗、尿、涙液、唾液、皮膚、粘膜、毛髪等の生体試料が挙げられる。これらの試料のうち、全血、血清、血漿が好ましい。試料は、そのまま又は濾過や透析処理の後に測定に供してもよく、また測定すべき被検物質を適宜、濃縮、抽出、更には水もしくは緩衝液で希釈してもよい。
メンブレンに固定される捕捉物質としては、前記被検物質に特異的に結合する物質であればよく、例えば被検物質が抗原である場合は抗体であり、被検物質が抗体である場合は抗原などである。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、あるいは抗体の断片またはその修飾物であってもよく、二価抗体も一価抗体も含まれる。捕捉物質をメンブレンに固定化させる方法は、物理的吸着であってもよく、化学的な結合であってもよい。また、捕捉物質はメンブレンに直接固定化されていてもよいが、リコンビナントプロテインAなどのタンパク質や抗ウサギIgG/Fcγなどの抗体を介して間接的に固定化させてもよい。捕捉物質を間接的にメンブレンに固定することで、捕捉物質に配向性を持たせることができ、また固定化できる捕捉物質の量が増加するため、感度が向上する。
本発明で用いられるメンブレンは、前記捕捉物質を固定化できるものであればよく、公知のメンブレン、例えば紙、ニトロセルロースなどの多孔質物質、シリカ、フィルターなどが挙げられる。特にニトロセルロース膜を用いるのが好ましい。
本発明で用いられる標識物質は、被検物質に特異的に結合して複合体を形成するものであればよく、前述した捕捉物質と同様のものである。
標識としては、視覚的に検知しうる着色が得られるマーカーであればよく、好ましくは酵素、着色粒子が挙げられる。酵素としては、酵素免疫測定法に用いる公知の酵素を用いることができ、例えばペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどが挙げられる。これらは必要に応じて、他の酵素、補酵素などと組み合わせて用いてもよい。また、前記酵素に対する基質としては、テトラメチルベンチジン、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸/ニトロテトラゾリウムブルーなどが挙げられ、酵素と基質の反応を停止させるための反応停止液としては、クエン酸、硫酸などが挙げられる。
標識としては、視覚的に検知しうる着色が得られるマーカーであればよく、好ましくは酵素、着色粒子が挙げられる。酵素としては、酵素免疫測定法に用いる公知の酵素を用いることができ、例えばペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどが挙げられる。これらは必要に応じて、他の酵素、補酵素などと組み合わせて用いてもよい。また、前記酵素に対する基質としては、テトラメチルベンチジン、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸/ニトロテトラゾリウムブルーなどが挙げられ、酵素と基質の反応を停止させるための反応停止液としては、クエン酸、硫酸などが挙げられる。
また、着色粒子としては、例えば金、銀、白金、セリウムなどのコロイド、着色ラテックス粒子などが挙げられる。ラテックス粒子としては、例えばポリスチレンラテックス粒子、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス粒子、ポリビニルトルエンラテックス粒子などを用いることができるが、ポリスチレンラテックス粒子を使用するのが好ましい。着色粒子の平均粒径は、0.02〜5μm程度であることが好ましい。
前記標識の標識物質への結合は、物理的吸着であってもよく、化学的な結合であってもよい。
前記標識の標識物質への結合は、物理的吸着であってもよく、化学的な結合であってもよい。
本発明におけるイムノクロマト法は、例えば図1に示す測定装置を用いて行うことができる。図1において、aはサンプルパッド、a1はサンプルホール、bはコンジュゲートパッド、cはメンブレン、dは判定部(テストライン)、eは吸収パッド、fはハウジング、gはストリップである。具体的な方法の一態様を示すと、サンプルパッド上のサンプルホールに被検物質を含む試料を滴下すると毛細管現象により展開し、サンプルパッドに密着したコンジュゲートパッドに塗布された着色粒子と複合体を形成する。該複合体はメンブレン上を水平方向に展開し、捕捉物質が固定化された判定部に達すると被検物質/着色粒子/捕捉物質の複合体を形成して凝集し、判定部の着色により被検物質の有無を測定できる。なお、被検物質と複合体を形成する標識物質は、予め被検物質を含有する試料と混合し、複合体を形成させてからサンプルホールに滴下してもよい。
メンブレン上の判定部の着色の有無により、試料中の被検物質の存在を確認できるが、その濃度は視認できない。そこで、本発明においては、被検物質の存在により判定部に現れる着色の長さ(着色長)に基づいて試料中の被検物質の濃度を測定する。なお、本発明において、被検物質の測定は半定量及び定量のいずれをも含む。
本発明方法を利用して測定する被検物質の濃度は、検出系の感度、視認のし易さの点から、着色長が7mm以下、好ましくは0.1mm〜6.5mm、特に好ましくは0.5mm〜6.0mmとなる範囲が好ましい。
本発明方法を利用して測定する被検物質の濃度は、検出系の感度、視認のし易さの点から、着色長が7mm以下、好ましくは0.1mm〜6.5mm、特に好ましくは0.5mm〜6.0mmとなる範囲が好ましい。
被検物質の濃度は、具体的には、予め被検物質の標準試薬を用いて求めた着色長と被検物質の濃度との関係から算出する。この被検物質の着色長と被検物質の濃度の関係は、以下の方法により求めることができる。
先ず、被検物質の一定濃度の標準試薬を前述したイムノクロマト法により検出し、判定部に着色を生じさせる。次に判定部の着色長を測定する。着色長の測定は、特に制限されず、例えばスケール、巻き尺、コンベックスなどで測定できる。また、判定部に予め目盛りを付しておいてもよい。
先ず、被検物質の一定濃度の標準試薬を前述したイムノクロマト法により検出し、判定部に着色を生じさせる。次に判定部の着色長を測定する。着色長の測定は、特に制限されず、例えばスケール、巻き尺、コンベックスなどで測定できる。また、判定部に予め目盛りを付しておいてもよい。
この着色長の測定値と標準試薬の濃度をプロットし、着色長と標準試薬の濃度の関係を示すグラフを作成し、検量線とする。メンブレン上の一定幅・一定面積に捕捉物質が一定量固定化されていれば被検物質の濃度に応じて着色面積は増大し、着色長は長くなる。すなわち、着色長と被検物質の濃度とは相関関係にある。
従って、前記検量線や、この検量線に基づいて着色長と被検物質の濃度との関係を示す着色見本を予め作製しておけば、同様な方法で被検物質の着色長を測定し、その測定値を検量線や着色見本と照らし合わせることで視覚的に被検物質の濃度を測定することができる。また、予め判定部の被検物質の特定濃度に相当する箇所に目盛りや印などを付しておけば、着色がその箇所を超えるか超えないかにより、被検物質の量を半定量的に評価することもできる。
従って、前記検量線や、この検量線に基づいて着色長と被検物質の濃度との関係を示す着色見本を予め作製しておけば、同様な方法で被検物質の着色長を測定し、その測定値を検量線や着色見本と照らし合わせることで視覚的に被検物質の濃度を測定することができる。また、予め判定部の被検物質の特定濃度に相当する箇所に目盛りや印などを付しておけば、着色がその箇所を超えるか超えないかにより、被検物質の量を半定量的に評価することもできる。
本発明において、着色見本としては、被検物質の濃度とその濃度における着色長を示すものであればよく、例えば着色長と濃度との関係表、濃度毎の着色状態を示す着色写真、着色図などが挙げられる。
なお、イムノクロマト法の検出系、被検物質、標識や捕捉物質などの種類により、着色長は異なるので、一つの方法に対して一つの検量線が必要である。
なお、イムノクロマト法の検出系、被検物質、標識や捕捉物質などの種類により、着色長は異なるので、一つの方法に対して一つの検量線が必要である。
また、本発明はイムノクロマト法により被検物質の濃度を測定するための簡易測定用キットを提供することができる。本発明の簡易測定用キットは、メンブレン上の判定部に現れる着色長と被検物質の濃度との関係を示す着色見本を含むことができる。また、公知のイムノクロマト測定に用いられる(1)被検物質に特異的に結合する捕捉物質が固相化されている判定部を有するメンブレン、(2)被検物質に特異的に結合する視覚的に検知しうる着色が得られるマーカーで標識された標識物質、などを含むことができる。より簡易に測定できる点から、メンブレン上の判定部には予め着色長を測定するための目盛りや、被検物質の特定濃度を示す印などを付しておくのが好ましい。なお、それぞれの成分の具体的内容については前述のとおりである。
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
実施例1
1.測定装置の作製
[抗体固定化メンブレンの作製]
メンブレンへの固相化抗体として、IgG純度95%以上の(i):抗CRPポリクローナル抗体A(>5.0mg/mL:Becker Titer)、(ii):抗CRPポリクローナル抗体B(3.0mg/mL以上、5.0mg/mL未満:Becker Titer)(何れもウサギ:Good Biotech Corp製)、(iii):(ii)の重合抗体の3種類を用いた。(iii):重合抗体は、抗CRPポリクローナル抗体BをpH8.0/10mM sodium-phosphate buffer(以後Na-PBと記す)でタンパク質濃度5.0mg/mLに調製し、その1/10量の0.2%に精製水で希釈したグルタールアルデヒド溶液を加え室温で30分間重合反応を行うことで得た。なお、(i)、(ii)、(iii)の装置N0.は表1のNo-1、No-2、No-3に相当する。
各抗体を5%sucrose含有pH7.5 25mM Na-PBで十分透析を行い、続いて0.2μmろ過装置で濾過した。メンブレン固定化に際し、各抗体を1.25mg/mLの濃度に5%sucrose含有pH7.5 25mM Na-PBで希釈調製した。
市販のニトロセルロースメンブレン(横20cm、縦25mm;ミリポア製Hi-FlowPlus180、ワットマン製IMMUNOPORE FP)の縦下端10mmの位置から上方向へ約10mm幅で、上記抗体液を200μl均一に塗布した。塗布後、直ちに37℃に維持したインキュベーター内に移動させ60分加熱乾燥させた。乾燥後、ブロキング用緩衝液(1%カゼイン、0.1%NaN3含有ホウ酸緩衝液50mM、pH8.5)に室温で浸し、ブロキング操作を行った。次いで、洗浄用緩衝液(0.5%スクロース、0.05%コール酸ナトリウム、0.05%NaN3含有pH7.5 トリス塩酸緩衝液50mM)で洗浄し、デシケータ内で完全に乾燥させた。これを抗体固定化メンブレンとした。
1.測定装置の作製
[抗体固定化メンブレンの作製]
メンブレンへの固相化抗体として、IgG純度95%以上の(i):抗CRPポリクローナル抗体A(>5.0mg/mL:Becker Titer)、(ii):抗CRPポリクローナル抗体B(3.0mg/mL以上、5.0mg/mL未満:Becker Titer)(何れもウサギ:Good Biotech Corp製)、(iii):(ii)の重合抗体の3種類を用いた。(iii):重合抗体は、抗CRPポリクローナル抗体BをpH8.0/10mM sodium-phosphate buffer(以後Na-PBと記す)でタンパク質濃度5.0mg/mLに調製し、その1/10量の0.2%に精製水で希釈したグルタールアルデヒド溶液を加え室温で30分間重合反応を行うことで得た。なお、(i)、(ii)、(iii)の装置N0.は表1のNo-1、No-2、No-3に相当する。
各抗体を5%sucrose含有pH7.5 25mM Na-PBで十分透析を行い、続いて0.2μmろ過装置で濾過した。メンブレン固定化に際し、各抗体を1.25mg/mLの濃度に5%sucrose含有pH7.5 25mM Na-PBで希釈調製した。
市販のニトロセルロースメンブレン(横20cm、縦25mm;ミリポア製Hi-FlowPlus180、ワットマン製IMMUNOPORE FP)の縦下端10mmの位置から上方向へ約10mm幅で、上記抗体液を200μl均一に塗布した。塗布後、直ちに37℃に維持したインキュベーター内に移動させ60分加熱乾燥させた。乾燥後、ブロキング用緩衝液(1%カゼイン、0.1%NaN3含有ホウ酸緩衝液50mM、pH8.5)に室温で浸し、ブロキング操作を行った。次いで、洗浄用緩衝液(0.5%スクロース、0.05%コール酸ナトリウム、0.05%NaN3含有pH7.5 トリス塩酸緩衝液50mM)で洗浄し、デシケータ内で完全に乾燥させた。これを抗体固定化メンブレンとした。
一方、抗体とメンブレンを繋ぐタンパク質として(a)リコンビナントプロテインA(Staplylococcus aureus Cowan cell walls:sigma社製)、(b)抗ウサギIgG,Fcγ特異抗体(JIR製)を用い、前者を1.5mg/mLの濃度に、後者を1.0mg/mLの濃度に5%sucrose,pH7.5 25mM Na-PBでそれぞれ希釈した。(a)、(b)液を上記と同様に塗布、乾燥した後、上記と同様にブロッキング、洗浄、乾燥を行った。続いて、上記抗CRPポリクローナル抗体Bを5%sucrose,0.1M 塩化ナトリウム含有pH7.5 25mM Na-PBで(a)の場合1.5mg/mLに、(b)は1.0mg/mLの濃度に希釈調整した。当該希釈溶液を10cmの長さのメンブレンに対して1mL準備しリザーバーに入れ、そこに一次タンパク質及び一次抗体が固定化されたメンブレンを長い辺の側を下に、同時に下端とした側を下にしてリザーバーに漬けた。抗体液は毛細管現象でゆっくり上向し、上端に達する。液が上端に届いた時点から(a)固定化メンブレンの場合は30分間、(b)固定化メンブレンの場合は120分間メンブレンをそのまま放置した。その後、上記同様の洗浄液で室温で30分間、2回洗浄を行って、乾燥し、抗体固定化メンブレンとした。なお、(a)、(b)で調製された抗体固定化メンブレンは表1の装置No-4、No-5に相当する。
[抗体感作金コロイド塗布コンジュゲートパッドの作製]
金コロイド(BBI社製金コロイド:粒径40nm)の感作用抗体として、PBSで10mg/mLに調製した抗CRPモノクローナル抗体(マウス:(株)日本バイオテスト研究所)を用いた。
金コロイドへの抗CRPモノクローナル抗体の感作は、金コロイドと抗体を混合し、室温で10分間インキュベートした後、BSA液を加え一定時間反応させた後遠心分離(8,000×G、15min、10℃)した。次いで、遠心管底に沈んだ金コロイド粒子を1%BSA、150mM 塩化ナトリウム含有20mMトリス塩酸緩衝液で分散した。当分散液のOD520を6.0に緩衝液で調製した。
金コロイド(BBI社製金コロイド:粒径40nm)の感作用抗体として、PBSで10mg/mLに調製した抗CRPモノクローナル抗体(マウス:(株)日本バイオテスト研究所)を用いた。
金コロイドへの抗CRPモノクローナル抗体の感作は、金コロイドと抗体を混合し、室温で10分間インキュベートした後、BSA液を加え一定時間反応させた後遠心分離(8,000×G、15min、10℃)した。次いで、遠心管底に沈んだ金コロイド粒子を1%BSA、150mM 塩化ナトリウム含有20mMトリス塩酸緩衝液で分散した。当分散液のOD520を6.0に緩衝液で調製した。
各抗体感作金コロイド懸濁液を蒸留水、塗布用緩衝液(5%スクロース、0.05%PEG含有pH8.0 トリス塩酸緩衝液 20mM)とそれぞれ1:1:2の割合で混合し、OD520値を1.5とした。8mm x 15cmに裁断したコンジュゲートパッド(ワットマン社製)に金コロイド懸濁液800μlを均一に塗布した。塗布後、直ちに減圧乾燥機に入れ乾燥させた。これを抗体感作金コロイド塗布コンジュゲートパッドとした。
[測定装置の作製]
上記で作製した抗体固定化メンブレン、抗体感作金コロイド塗布コンジュゲートパッドと、市販の吸収パッド(長さ20mmのglass fiberとcelluloseの混合もしくはcotton製sheet:ミリポア社製およびワットマン社製)及びサンプルパッド(長さ18mmのglass fiberもしくはpolymer混合glass fiber製sheet:ミリポア社製あるいはワットマン社製)を用いてそれぞれイムノクロマト・ラテラルフロー法ストリップを形成し、これを市販のハウジング(ニップンテクノクラスタ社製)に収納して測定装置とした。
すなわち、表面に粘着剤が塗られたバッキングシートに、吸収パッドは下端部をメンブレン上端部と、コンジュゲートパッドは上端部をメンブレン下端部と、サンプルパッドは上端部をコンジュゲートパッド下端部と数ミリ重ね合わせるように貼り付けた。乾燥後、カッテング機器もしくは裁断機でそれぞれの部材が全て一片に入る向きで5mm幅で正確に裁断し、この裁断した一片をストリップと称し、プラスチックの型(ハウジング)にセットし測定装置とした。測定装置は測定時まで乾燥剤の入ったアルミ袋に密封し、冷蔵保管した。その態様は図1に示すとおりである。
上記で作製した抗体固定化メンブレン、抗体感作金コロイド塗布コンジュゲートパッドと、市販の吸収パッド(長さ20mmのglass fiberとcelluloseの混合もしくはcotton製sheet:ミリポア社製およびワットマン社製)及びサンプルパッド(長さ18mmのglass fiberもしくはpolymer混合glass fiber製sheet:ミリポア社製あるいはワットマン社製)を用いてそれぞれイムノクロマト・ラテラルフロー法ストリップを形成し、これを市販のハウジング(ニップンテクノクラスタ社製)に収納して測定装置とした。
すなわち、表面に粘着剤が塗られたバッキングシートに、吸収パッドは下端部をメンブレン上端部と、コンジュゲートパッドは上端部をメンブレン下端部と、サンプルパッドは上端部をコンジュゲートパッド下端部と数ミリ重ね合わせるように貼り付けた。乾燥後、カッテング機器もしくは裁断機でそれぞれの部材が全て一片に入る向きで5mm幅で正確に裁断し、この裁断した一片をストリップと称し、プラスチックの型(ハウジング)にセットし測定装置とした。測定装置は測定時まで乾燥剤の入ったアルミ袋に密封し、冷蔵保管した。その態様は図1に示すとおりである。
2.イムノクロマト法による測定
下記表1に示す組み合わせで抗体固定化メンブレン及び抗体感作金コロイド塗布コンジュゲートパッドを装備した測定装置を用いて被検物質の検出を行った。
試料として、CRP標準試薬を用いた。CRP標準試薬は、既知濃度のヒト血清を10mMエチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物、0.1%〜0.2%n-オクチル−β−D-チオグルコシドを含む正常馬血清で希釈し、0、0.1、0.25、0.5、1.0、2.5、5.0μg/mLまでの濃度とした。なお、測定に際して、CRP標準試薬には染色patternを均一化する試薬(n-オクチル−β−D-チオグルコシド)及び反応調製試薬(エチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物)を添加した。測定系によっては高分子ポリマー(ポリエチレングリコール:ナカライテスク製、リピジュア:日本油脂製)を反応増強剤として0.1%〜0.4%の範囲で添加し着色度合いを高めた。
先ず、室温に戻したハウジング化ストリップを水平な台の上に置き、表1に示すように、ハウジングのサンプル滴下ホールに試料150μL(装置No-1,2,3の場合)あるいは100μL(装置No-4,5の場合)を一気にピペット等で添加した。添加した時点から正確にストップウオッチ等で10〜15分間放置し、サンプルを展開させた。そして10〜15分間反応させた後メンブレン窓に約100μLのメタノールを添加し、反応を停止させた。
下記表1に示す組み合わせで抗体固定化メンブレン及び抗体感作金コロイド塗布コンジュゲートパッドを装備した測定装置を用いて被検物質の検出を行った。
試料として、CRP標準試薬を用いた。CRP標準試薬は、既知濃度のヒト血清を10mMエチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物、0.1%〜0.2%n-オクチル−β−D-チオグルコシドを含む正常馬血清で希釈し、0、0.1、0.25、0.5、1.0、2.5、5.0μg/mLまでの濃度とした。なお、測定に際して、CRP標準試薬には染色patternを均一化する試薬(n-オクチル−β−D-チオグルコシド)及び反応調製試薬(エチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物)を添加した。測定系によっては高分子ポリマー(ポリエチレングリコール:ナカライテスク製、リピジュア:日本油脂製)を反応増強剤として0.1%〜0.4%の範囲で添加し着色度合いを高めた。
先ず、室温に戻したハウジング化ストリップを水平な台の上に置き、表1に示すように、ハウジングのサンプル滴下ホールに試料150μL(装置No-1,2,3の場合)あるいは100μL(装置No-4,5の場合)を一気にピペット等で添加した。添加した時点から正確にストップウオッチ等で10〜15分間放置し、サンプルを展開させた。そして10〜15分間反応させた後メンブレン窓に約100μLのメタノールを添加し、反応を停止させた。
3.検量線及び着色見本の作製
CRP標準試薬の検出により得られた判定部の着色長をスケールで測定し、その着色長とCRP濃度をプロットし、検量線を作成した。着色長とCRP濃度との関係は用量依存的に変化し、滑らかな標準曲線を描いた。図2にストリップ装置No-1を用いた測定系の検量線を示す。また、表2に各ストリップの着色長と濃度との関係表を示す。図3A〜Eに各ストリップの着色状態を示す。
表2及び図3A〜Eから明らかなように、メンブレン上の一定幅・一定面積に捕捉物質が一定量固定化されているため被検物質の濃度に比例して着色面積は増大し、着色長は長くなる。
CRP標準試薬の検出により得られた判定部の着色長をスケールで測定し、その着色長とCRP濃度をプロットし、検量線を作成した。着色長とCRP濃度との関係は用量依存的に変化し、滑らかな標準曲線を描いた。図2にストリップ装置No-1を用いた測定系の検量線を示す。また、表2に各ストリップの着色長と濃度との関係表を示す。図3A〜Eに各ストリップの着色状態を示す。
表2及び図3A〜Eから明らかなように、メンブレン上の一定幅・一定面積に捕捉物質が一定量固定化されているため被検物質の濃度に比例して着色面積は増大し、着色長は長くなる。
4.検量線及び着色見本を利用したCRPの定量
上記2のCRP標準試薬に代えて、健常人及びリウマチ患者から採血をした血清(正常血清1点、患者血清4点)を用いて上記2と同様にCRP濃度を測定した。検出系としてストリップ装置No-1を用いた。なお、試料は反応に影響のない容量でCRP標準試薬と同様に染色patternを均一化する試薬(n-オクチル−β−D-チオグルコシド)及び反応調製試薬(エチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物)を添加して、測定後値を補正した。
判定部に現れた着色長をスケールで測定し、その着色長を予め作製したストリップ装置No-1の検量線及び着色見本と照合し、CRP濃度を測定した。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように正常血清は<0.25μg/mLで、リウマチ患者血清は0.66〜4.5μg/mLであり、リウマチ患者は正常者に比べ有意にCRPが高く炎症を起こしていることが示唆された。
上記2のCRP標準試薬に代えて、健常人及びリウマチ患者から採血をした血清(正常血清1点、患者血清4点)を用いて上記2と同様にCRP濃度を測定した。検出系としてストリップ装置No-1を用いた。なお、試料は反応に影響のない容量でCRP標準試薬と同様に染色patternを均一化する試薬(n-オクチル−β−D-チオグルコシド)及び反応調製試薬(エチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物)を添加して、測定後値を補正した。
判定部に現れた着色長をスケールで測定し、その着色長を予め作製したストリップ装置No-1の検量線及び着色見本と照合し、CRP濃度を測定した。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように正常血清は<0.25μg/mLで、リウマチ患者血清は0.66〜4.5μg/mLであり、リウマチ患者は正常者に比べ有意にCRPが高く炎症を起こしていることが示唆された。
5.Latex凝集自動分析法との相関試験
CRP測定用の試料として健常人及びリウマチ患者から採取した血清28体を用いた。試料をエルピアエースCRP-H-II(三菱化学ヤトロン製)キットを用いて東京貿易TMS-1024自動
分析装置でCRP濃度を測定した。一方、上記表1に示すストリップ装置No-1を用いて上記2と同様にイムノクロマト法により同試料を検出し、検量線(図2)と表2及び図3Aに示す着色見本に基づいてCRPを定量した。その結果をLatex凝集自動分析法との結果と比較した。結果を表3に示す。なお、試料は反応に影響のない容量でCRP標準試薬と同様に染色patternを均一化する試薬(n-オクチル−β−D-チオグルコシド)及び反応調製試薬(エチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物)を添加して、測定後値を補正した。
CRP測定用の試料として健常人及びリウマチ患者から採取した血清28体を用いた。試料をエルピアエースCRP-H-II(三菱化学ヤトロン製)キットを用いて東京貿易TMS-1024自動
分析装置でCRP濃度を測定した。一方、上記表1に示すストリップ装置No-1を用いて上記2と同様にイムノクロマト法により同試料を検出し、検量線(図2)と表2及び図3Aに示す着色見本に基づいてCRPを定量した。その結果をLatex凝集自動分析法との結果と比較した。結果を表3に示す。なお、試料は反応に影響のない容量でCRP標準試薬と同様に染色patternを均一化する試薬(n-オクチル−β−D-チオグルコシド)及び反応調製試薬(エチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物)を添加して、測定後値を補正した。
また、試料の最小二乗法による回帰分析を行い、相関係数と回帰式を求めた。その結果、本発明方法による測定値はLatex凝集自動分析法による測定値と強い正の相関が認められた(N=28)。
回帰式y=0.9928x+0.0042
相関係数r=0.9531
回帰式y=0.9928x+0.0042
相関係数r=0.9531
実施例2
1.測定装置の作製
[抗体固定化メンブレンの作製]
抗体として、高力価の抗CRPポリクローナル抗体A(ウサギ:Good Biotech Corp社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして抗体固定化メンブレンを作製した。なお、ここで得られた抗体固定化メンブレンを用いた装置N0.は表4のNo-6に相当する。
一方、抗体とメンブレンを繋ぐタンパク質として、リコンビナントプロテインA(Staplylococcus aureus Cowan cell walls:sigma社製)を用い、1.5mg/mLの濃度に5%sucrose,pH7.5 25mM Na-PBでそれぞれ希釈した。実施例1と同様にメンブレンに塗布、乾燥した後、ブロッキング、洗浄、乾燥を行い、続いて、実施例1と同様の抗CRPポリクローナル抗体Bを5%sucrose,0.1M 塩化ナトリウム含有pH7.5 25mM Na-PBで1.5mg/mLに希釈調整し、実施例1と同様に抗体固定化メンブレンを作製した。ここで得られた抗体固定化メンブレンを用いた装置N0.は表4のNo-7、No-8に相当する。
1.測定装置の作製
[抗体固定化メンブレンの作製]
抗体として、高力価の抗CRPポリクローナル抗体A(ウサギ:Good Biotech Corp社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして抗体固定化メンブレンを作製した。なお、ここで得られた抗体固定化メンブレンを用いた装置N0.は表4のNo-6に相当する。
一方、抗体とメンブレンを繋ぐタンパク質として、リコンビナントプロテインA(Staplylococcus aureus Cowan cell walls:sigma社製)を用い、1.5mg/mLの濃度に5%sucrose,pH7.5 25mM Na-PBでそれぞれ希釈した。実施例1と同様にメンブレンに塗布、乾燥した後、ブロッキング、洗浄、乾燥を行い、続いて、実施例1と同様の抗CRPポリクローナル抗体Bを5%sucrose,0.1M 塩化ナトリウム含有pH7.5 25mM Na-PBで1.5mg/mLに希釈調整し、実施例1と同様に抗体固定化メンブレンを作製した。ここで得られた抗体固定化メンブレンを用いた装置N0.は表4のNo-7、No-8に相当する。
[抗体感作Blue-Latex塗布コンジュゲートパッドの作製]
抗CRPモノクローナル抗体(マウス:(株)日本バイオテスト研究所)を0.5mg/mLの濃度にpH8.0 50mM Na-PBで希釈調製した。市販のカラーラテックス(粒子径0.21μm及び0.132μm:いずれもBangs Laboratories製)を精製水でそれぞれ希釈して1%懸濁液とし、冷却した抗体液に等量一気に加えた。攪拌後、冷蔵で4時間放置し、抗体のラテックス固定化反応を行った。反応終了後、BSAを含むリン酸緩衝液を10容加え、冷蔵で晩放置しブロッキングを行った。次いで、高速遠心(15000rpm、10℃、30min)し、抗体固定化Blue-Latexを沈査に回収した。遠心終了後、上清を廃棄し、BSAを含むトリス緩衝液を20容加え懸濁した。同様の操作をくり返し洗浄した。遠心後、沈殿物に上記同様のトリス緩衝液を4容加えピペッテングし、抗体固定化Blue-Latexを解きほぐし、最後に超音波処理を行い抗体感作Blue-Latexを調製した。
各抗体感作Blue-Latexを、実施例1と同様にしてコンジュゲートパッドに塗布して抗体感作Blue-Latex塗布コンジュゲートパッドをそれぞれ作製した。
抗CRPモノクローナル抗体(マウス:(株)日本バイオテスト研究所)を0.5mg/mLの濃度にpH8.0 50mM Na-PBで希釈調製した。市販のカラーラテックス(粒子径0.21μm及び0.132μm:いずれもBangs Laboratories製)を精製水でそれぞれ希釈して1%懸濁液とし、冷却した抗体液に等量一気に加えた。攪拌後、冷蔵で4時間放置し、抗体のラテックス固定化反応を行った。反応終了後、BSAを含むリン酸緩衝液を10容加え、冷蔵で晩放置しブロッキングを行った。次いで、高速遠心(15000rpm、10℃、30min)し、抗体固定化Blue-Latexを沈査に回収した。遠心終了後、上清を廃棄し、BSAを含むトリス緩衝液を20容加え懸濁した。同様の操作をくり返し洗浄した。遠心後、沈殿物に上記同様のトリス緩衝液を4容加えピペッテングし、抗体固定化Blue-Latexを解きほぐし、最後に超音波処理を行い抗体感作Blue-Latexを調製した。
各抗体感作Blue-Latexを、実施例1と同様にしてコンジュゲートパッドに塗布して抗体感作Blue-Latex塗布コンジュゲートパッドをそれぞれ作製した。
[測定装置の作製]
上記で作製した抗体固定化メンブレン、抗体感作Blue-Latex塗布コンジュゲートパッドをそれぞれ用いて実施例1と同様にハウジング化ストリップとした。なお、その他の部材は実施例1と同様のものを用いた。
上記で作製した抗体固定化メンブレン、抗体感作Blue-Latex塗布コンジュゲートパッドをそれぞれ用いて実施例1と同様にハウジング化ストリップとした。なお、その他の部材は実施例1と同様のものを用いた。
2.イムノクロマト法による測定
下記表4に示す組み合わせで装備した測定装置を用いて被検物質の測定を行った。試料として実施例1と同様のCRP標準試薬を用い、CRP標準試薬には、染色patternを均一化する試薬(n-オクチル−β−D-チオグルコシド)及び反応調製試薬(エチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物)を添加した。
先ず、室温に戻したハウジング化ストリップを水平な台の上に置き、表4に示すように、ハウジングのサンプル滴下ホールに試料100μLを一気にピペット等で添加した。添加した時点から正確にストップウオッチ等で10分間放置し、サンプルを展開させた。そして15分間反応させた後メンブレン窓に約100μLのメタノールを添加し、反応を停止させた。
下記表4に示す組み合わせで装備した測定装置を用いて被検物質の測定を行った。試料として実施例1と同様のCRP標準試薬を用い、CRP標準試薬には、染色patternを均一化する試薬(n-オクチル−β−D-チオグルコシド)及び反応調製試薬(エチレンジアミン−N,N,N',N'-四酢酸ナトリウム・2水和物)を添加した。
先ず、室温に戻したハウジング化ストリップを水平な台の上に置き、表4に示すように、ハウジングのサンプル滴下ホールに試料100μLを一気にピペット等で添加した。添加した時点から正確にストップウオッチ等で10分間放置し、サンプルを展開させた。そして15分間反応させた後メンブレン窓に約100μLのメタノールを添加し、反応を停止させた。
3.検量線及び着色見本の作製
CRP標準試薬の検出により得られた判定部の着色長をスケールで測定し、その着色長とCRP濃度をプロットし、検量線を作成した。着色長とCRP濃度との関係は用量依存的に変化し、滑らかな標準曲線を描いた。表5に各ストリップの着色長と濃度との関係表を示す。また、図5に装置No-7の着色状態を示す。
表5及び図5から明らかなように、被検物質の濃度に比例して着色面積は増大し、着色長が長くなるため、CRP定量化に十分利用可能であることが確認された。
CRP標準試薬の検出により得られた判定部の着色長をスケールで測定し、その着色長とCRP濃度をプロットし、検量線を作成した。着色長とCRP濃度との関係は用量依存的に変化し、滑らかな標準曲線を描いた。表5に各ストリップの着色長と濃度との関係表を示す。また、図5に装置No-7の着色状態を示す。
表5及び図5から明らかなように、被検物質の濃度に比例して着色面積は増大し、着色長が長くなるため、CRP定量化に十分利用可能であることが確認された。
a:サンプルパッド
a1:サンプルホール
b:コンジュゲートパッド
c:メンブレン
d:判定部(テストライン)
e:吸収パッド
f:ハウジング
g:ストリップ
a1:サンプルホール
b:コンジュゲートパッド
c:メンブレン
d:判定部(テストライン)
e:吸収パッド
f:ハウジング
g:ストリップ
Claims (6)
- イムノクロマト法を用いて試料中の被検物質の濃度を測定する方法であって、被検物質の検出によりメンブレン上の判定部に現れる着色の長さに基づいて被検物質の濃度を算出することを特徴とする簡易測定方法。
- イムノクロマト法がラテラルフロー式イムノクロマト法である請求項1記載の簡易測定方法。
- イムノクロマト法が着色粒子を用いるものである請求項1又は2記載の簡易測定方法。
- 被検物質が抗原又は抗体である請求項1〜3のいずれか1項記載の簡易測定方法。
- 被検物質の濃度を、予め被検物質の標準試薬を用いて求めた前記着色の長さと被検物質の濃度との関係から算出する請求項1〜4のいずれか1項記載の簡易測定方法。
- イムノクロマト法を用いて被検物質の濃度を測定するためのキットであって、被検物質の検出によりメンブレン上の判定部に現れる着色の長さと被検物質の濃度との関係を示す着色見本を含む簡易測定用キット。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014189143A1 (ja) * | 2013-05-24 | 2014-11-27 | 株式会社住化分析センター | 対象物質の濃度測定方法、イムノクロマトグラフィーキットおよびイムノクロマトグラフィー装置 |
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-
2008
- 2008-07-24 JP JP2008190777A patent/JP2010025887A/ja active Pending
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