JP2010025201A - 静圧形の非接触メカニカルシール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】処理容器12の底部13に設けられる静止密封環30と、静止密封環30の上側に軸方向に対向するように回転軸15に固定される回転密封環40とを備えた静圧形の非接触型メカニカルシール10である。静止密封環30と回転密封環40の対向端面30a,40aは、下方開放状の内部空間Rを有するリテーナ41によって上方および径方向外側から覆われ、リテーナ41の内部空間Rに配置されている。
【選択図】 図2
Description
処理容器と回転軸との間に設けられるシール装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、処理容器の回転軸貫通部に設けられた静止密封環と、回転軸に設けられた回転密封環とを軸方向に接触させることによってシールを行う端面接触型のメカニカルシールが従来から知られている。
また、静止密封環および回転密封環の一方は、シールケースに対してOリングを介して軸方向移動可能に設けられるが、このOリングに、例えばスラリー状の被処理物が付着すると、その粘性や固化によって当該一方の密封環の円滑な軸方向移動が阻害され、対向端面から被処理物が漏れる可能性が高くなる。また、Oリングに付着した被処理物が腐食して不衛生な状態になるという問題も生じる。
また、被覆部材は、下方開放状の内部空間を有しているので、容器内に液体の被処理物を入れた状態でも内部空間に気体相を形成することができ、しかも一対の密封環の対向端面から内部空間に流入するシールガスによって気体相を良好に維持することができる。そのため、被覆部材によって覆われてその内部空間に配置された一対の密封環の対向端面に被処理物が到達することはほとんど無く、当該対向端面からの被処理物の漏れを防止することができる。
この非接触メカニカルシール10は、例えば、回転機器としての攪拌機11において、処理容器12と回転軸15との間をシールするために用いられている。攪拌機11の処理容器12は、内部に液体や粉体等の被処理物T(点線のクロスハッチングで示す)を収容可能とされており、処理容器12の底部13には、回転軸15を上下方向に貫通させるための貫通口14が形成されている。回転軸15は、モータ等の駆動源から動力を受けて回転し、処理容器12内の被処理物Tを図示しない攪拌羽根によって攪拌するように構成されている。
シールケース21は、ケース本体22と、保持部23とから構成されている。ケース本体22は、筒体22aと、この筒体22aの上部から径方向に延びるフランジ部22bとを備え、筒体22aは貫通口14に挿入され、フランジ部22bは底部13上に載置されている。筒体22aの内周面には軸受29が取り付けられ、この軸受29によって回転軸15が回転自在に支持されている。ケース本体22のフランジ部22bは、連結ボルト25によって底部13に固定されている。フランジ部22bと底部13との間にはOリングS1が設けられ、このOリングS1によって両者間への被処理物Tの浸入が防止されている。また、ケース本体22の上面には、環状の突出部22cが上方突出状に形成されている。
図2に示すように、保持部23の中央には、静止密封環30を保持するための保持孔23aが形成されている。また、保持孔23aの上端部には、上方および径方向内方へ向けて突出する断面L字状の突部23bが形成されている。
図1に示すように、静止密封環30は、ケース本体22に取り付けられた規制ピンによって回転が規制され、付勢手段を構成するバネ35によって上方へ付勢されている。また、静止密封環30の内側には隙間をあけてスリーブ28が配置され、このスリーブ28は回転軸15の外周面に嵌合されている。
なお、静止密封環30は、例えばカーボン等の自己潤滑性を有する材料により形成され、回転密封環40の下端面40aは、静止密封環30よりも硬質な材料(セラミック等)から形成されている。
また、以上の構成を言い換えると、リテーナ41の内部空間Rには、シールケース21の上部(突部23b)や静止密封環30の上部が挿入され、これらによって内部空間Rの大部分が埋め尽くされた形態となっている。そして、内部空間Rは、シールケース21の上面(突部23bの上面)とリテーナ41の上壁部41aの下面との間に環状の空所として残存している。
シールガス供給源37は、処理容器12の内圧よりも高圧のシールガス(パージガス)、例えば、窒素ガスやドライガス(乾燥空気)をシールガス供給管36、シールガス通路24、空間52、および内部通路31を介して静止密封環30と回転密封環40との対向端面30a,40aに供給する。静止密封環30は、対向端面30a,40aに供給されたシールガスによってバネ35(図1参照)に抗して僅かに下方へ移動し、シールガスによる静圧とバネ35の付勢力とのバランスが保たれる位置に保持される。これによって、静止密封環30と回転密封環40との間には微少な隙間が形成され、両者は非接触状態となる。
攪拌機11を使用するにあたり、まず、シールガス供給源37からシールガスを供給することによって静止密封環30と回転密封環40とを非接触状態にし、その後、処理容器12内に液体等の被処理物Tを流入させる。そして、回転軸15を回転させることによって被処理物Tを攪拌する。
この際、静止密封環30と回転密封環40とは非接触状態とされるため摩耗粉はほとんど発生せず、当該摩耗粉が被処理物Tに混入することによるコンタミネーションの発生を防止することができる。
また、OリングS3の上端も内部空間R内に配置されているので、このOリングS3に被処理物Tが付着することもほとんど無い。そのため、OリングS3に付着した被処理物Tの粘性や固化によって静止密封環30の軸方向移動が阻害されたり、OリングS3に付着した被処理物Tが腐食して不衛生な状態になったりすることもない。
また、リテーナ41の上面には径方向外方に向けて下方へ傾斜するテーパー面41dが形成されているので、攪拌処理後、処理容器12から被処理物Tを排出したときにリテーナ41の上面に被処理物Tが残存してしまうのを防止することができる。
本発明において、静止密封環30を処理容器12の底部13に対して軸方向の移動を規制した状態で設け、回転密封環40を回転軸15に対して軸方向に移動可能に設けてもよい。この場合、バネ35は回転密封環40に対して設ければよい。
本発明の静圧形の非接触メカニカルシールは、攪拌機に限らず容器と回転軸とを有する各種の回転機器に適用することができる。
12 処理容器
13 底部
15 回転軸
21 シールケース
30 静止密封環
30a 上端面(対向端面)
35 バネ(付勢手段)
37 シールガス供給源
40 回転密封環
40a 下端面(対向端面)
41 リテーナ(被覆部材)
R 内部空間
S3 Oリング(シール部材)
S4 Oリング(シール部材)
T 被処理物
Claims (2)
- 被処理物を収容する容器と、この容器の底部を上下方向に貫通する回転軸との間をシールする、静圧形の非接触メカニカルシールであって、
互いに軸方向に対向するように前記容器の底部と前記回転軸とにそれぞれ設けられ、いずれか一方が軸方向に移動可能とされている一対の密封環と、
軸方向に移動可能な一方の密封環を他方の密封環へ向けて軸方向に付勢する付勢手段と、
前記一対の密封環の対向端面にシールガスを供給し、前記付勢手段の付勢力に抗して前記対向端面に隙間を形成するシールガス供給手段と、
下方開放状の内部空間を有し、前記一対の密封環の対向端面を上方および径方向外側から覆う被覆部材と、を備えていることを特徴とする静圧形の非接触メカニカルシール。 - 前記容器の底部の回転軸貫通部に環状のシールケースが固定され、このシールケースの内周部に下側の密封環がシール部材を介して軸方向移動可能に保持され、このシール部材の少なくとも上端部が、前記被覆部材の内部空間に配置されている請求項1に記載の静圧形の非接触メカニカルシール。
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JP2008186200A JP4806430B2 (ja) | 2008-07-17 | 2008-07-17 | 静圧形の非接触メカニカルシール |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015161379A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | 日本ピラー工業株式会社 | 静圧形の非接触形メカニカルシール |
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2008
- 2008-07-17 JP JP2008186200A patent/JP4806430B2/ja active Active
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JP7045273B2 (ja) | 2018-07-04 | 2022-03-31 | 日本ピラー工業株式会社 | 静圧形の非接触形メカニカルシール |
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JP4806430B2 (ja) | 2011-11-02 |
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