JP2010024185A - 1,2−ジクロロエタンの製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エタノールおよび/またはクロロエタンと塩化水素と分子状酸素を触媒の存在下に反応させて1,2−ジクロロエタンを製造する方法であって、エタノールおよび/またはクロロエタンと塩化水素と分子状酸素を固体酸触媒および塩化銅が担持されたオキシ塩素化触媒を混合した触媒に接触させることを特徴とする1,2−ジクロロエタンの製造法。
【選択図】 なし
Description
エタノールおよび/またはクロロエタンから1,2−ジクロロエタンの反応評価は、石英製反応管(内径20mm、長さ600mm)を用いた固定床気相流通式反応装置を用いた。石英製反応管に固体酸触媒および塩化銅が担持されたオキシ塩素化触媒を混合した触媒を充填した。エタノールおよび/またはクロロエタン、塩化水素、分子状酸素および希釈用窒素を反応管に充填された触媒層に供給した。反応温度は、電気炉を用いて制御した。生成物の液成分は、氷冷した2−ブタノールを用いてトラップした。生成物の定量分析は、ガスクロマトグラフを用い、ガス成分および液成分を個別に分析した。ガス成分は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製商品名GC−14B、熱伝導度検出器、2台)を用いて分析した。充填剤は、Waters社製商品名PorapakQ(カラム:3m×2.3mm)およびGLサイエンス社製商品名MS−5A(カラム:3m×2.3mm)を用いた。液成分は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製商品名GC−14A、水素炎イオン化検出器、2台)を用いて分析した。分離カラムは、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、商品名TC−1、60m×0.25mm、膜厚0.25μmおよびGLサイエンス社製、商品名TC−FFAP、60m×0.25mm、膜厚0.25μm)を用いた。
表面積および平均細孔径の確認は、窒素吸着法比表面積・細孔分布測定装置(マイクロメリティクス社製、商品名ASAP2400)を用い、液体窒素温度および0.001〜0.995の窒素相対圧の条件で行った。
固体酸の確認は、アンモニア昇温脱離スペクトル装置(アンモニアTPD、日本ベル社製、商品名TPD−1−AT)を用い、前処理温度500℃、アンモニア吸着温度100℃、昇温速度10℃/分、脱離温度100〜700℃の条件で、ヘリウム気流中でアンモニアの脱離を行った。
得られた成型体の結晶状態は、粉末X線回折測定装置(XRD、マックサイエンス社製、商品名M18XHF)を用い、電圧40kV、電流200mAで測定した。
ナトリウムおよびカリウムの定量は原子吸光分光光度計(AA)(ジャーレルアッシュ製、商品名AA800MarkII)を用い、フレームはアセチレン−エアー、測定波長はナトリウムが589.0nm、カリウムが766.5nmの測定条件で行った。
銅およびアルミニウムの定量は誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES、京都光研製、商品名UOP−1MKII)を用い、プラズマ電力1.2kW、測定波長は銅が324.754nm、アルミニウムが396.152nmの測定条件で行った。
塩化第二銅2水和物35.9g、塩化カリウム14.6gを純水100mlに溶解させ、活性アルミナ成形体100ml(球形6〜7mm、比表面積155m2/g)を添加し、室温で1時間浸漬した。溶液をろ別した後、200℃で4時間乾燥し、塩化銅および塩化カリウムを含むオキシ塩素化触媒を調製した。比表面積は104m2/g、平均細孔径は13.4nmであった。
モルデナイト:HSZ640NAA(東ソー株式会社製、Si/Al比=9.3)50.0gを1N−塩化アンモニウム水溶液1.5リットルに懸濁させ、攪拌しながら80℃で1時間加熱した後、水溶液をろ別し、白色ケーキ状モルデナイトを得た。この操作を4回繰り返した。次にこのケーキ状モルデナイトを純水1.5リットルに懸濁させ、攪拌しながら80℃で1時間加熱した後、洗浄液をろ別した。この操作を5回繰り返した。
特公昭46−10064号公報に準拠してナトリウム型のZSM−5を調製した。すなわち、30重量%シリカゾル(日産化学製、商品名コロイダルシリカN)76gを2.2mol/lのテトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液108gと混合した。次いで、3.2gのアルミン酸ナトリウムを水54mlに溶かし、この水溶液と前記溶液をSUS製オートクレーブに入れた。この混合物を自圧で150℃、6日間攪拌しながら加熱された。冷却後、生成したスラリーをろ別し、蒸留水100mlを用い洗浄し、この洗浄操作を5回繰り返した。次に、110℃で一晩乾燥後、空気中540℃で焼成し、白色のナトリウム型のZSM−5を得た。粉末X線回折測定の結果、MFI型すなわちZSM−5形構造を有することがわかった。得られたZSM−5のケイ素/アルミニウム比(原子比)=20であった。
エタノール0.067g/分の代わりにエタノール0.034g/分およびクロロエタン(和光純薬製、純度99%)0.047g/分を供給した以外は実施例1と同様に反応を行った。得られた結果を表1に示す。エタノールとクロロエタンがモル比で約50:50の原料を用いても1,2−ジクロロエタンおよび1,2−ジクロロエタンに転化可能なクロロエタンおよびエチレンが高収率で生成した。
フェリエライト:HSZ720KOA(東ソー株式会社製、Si/Al比=8.9)56.1gを1N−塩化アンモニウム水溶液1.5リットルに懸濁させ、攪拌しながら80℃で2時間加熱した後、水溶液をろ別し、白色のケーキ状フェリエライトを得た。この操作を4回繰り返した。次に、このケーキ状フェリエライトを純水1.5リットルに懸濁させ、攪拌しながら80℃で2時間加熱した後、洗浄液をろ別した。この操作を5回繰り返した。
エタノール0.067g/分の代わりにクロロエタン(和光純薬製、純度99%)0.093g/分を供給した以外は、実施例1と同様に反応を行った。得られた結果を表1に示す。クロロエタンから1,2−ジクロロエタンおよびエチレンが高選択率で得られた。
シリカ−アルミナ(日揮化学製N632HN、比表面積453m2/g、平均細孔径6.5nm、アンモニアTPD測定による酸量0.33mmol/g)8.3gを石英製反応管に充填した。
シリカ−アルミナの代わりに希釈剤(セラミックボール6〜7mm、比表面積0.6m2/g、平均細孔径2.2nm、アンモニアTPD測定による酸量0.00mmol/gであった。)24.0gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。表1に示した結果から明らかなように、オキシ塩素化触媒のみではエタノールから1,2−ジクロロエタンが生成しないことがわかった。
反応温度を350℃にした以外は、比較例1と同様に反応を行った。得られた結果を表1に示す。燃焼反応による副生物である一酸化炭素および二酸化炭素生成量が増加し、1,2−ジクロロエタンは生成しなかった。
エタノールの代わりにクロロエタン0.093g/分を供給した以外は、比較例1と同様に反応を行った。表1に示した結果から明らかなように、オキシ塩素化触媒のみではクロロエタンから1,2−ジクロロエタンへの反応活性が極めて低いことがわかった。
Claims (7)
- エタノールおよび/またはクロロエタンと塩化水素と分子状酸素を触媒の存在下に反応させて1,2−ジクロロエタンを製造する方法であって、エタノールおよび/またはクロロエタンと塩化水素と分子状酸素を固体酸触媒および塩化銅が担持されたオキシ塩素化触媒を混合した触媒に接触させることを特徴とする1,2−ジクロロエタンの製造法。
- エタノールおよび/またはクロロエタンと塩化水素と分子状酸素を固体酸触媒および塩化銅が担持されたオキシ塩素化触媒を混合した触媒に接触させることにより、固体酸触媒でエタノールと塩化水素からクロロエタンおよびエチレンを生成させると共にクロロエタンをエチレンと塩化水素に変換し、生成したエチレンと塩化水素および分子状酸素を当該オキシ塩素化触媒で反応させて1,2−ジクロロエタンを生成させることを特徴とする請求項1に記載の1,2−ジクロロエタンの製造法。
- 固体酸触媒が、シリカ−アルミナおよび/またはゼオライトであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の1,2−ジクロロエタンの製造法。
- ゼオライトが、フェリエライト、モルデナイト又はZSM−5であることを特徴とする請求項3に記載の1,2−ジクロロエタンの製造法。
- 塩化銅が担持されたオキシ塩素化触媒が、アルミナに塩化銅が担持されたオキシ塩素化触媒であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の1,2−ジクロロエタンの製造法。
- 塩化銅が担持されたオキシ塩素化触媒が、アルミナに塩化銅および塩化カリウムが担持されたオキシ塩素化触媒であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の1,2−ジクロロエタンの製造法。
- 反応温度が150〜350℃であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの項に記載の1,2−ジクロロエタンの製造法。
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