JP2009013095A - オレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低級オレフィンからこのオレフィンより炭素数が増加したオレフィンを高選択率で製造するオレフィンの製造方法を提供する。
【解決手段】低級オレフィンを原料として、平衡吸着法により周期表第6族ないし第13族に属する金属を少なくとも1種以上規則性メゾポーラス多孔体に担持した触媒に、150℃以上600℃以下で接触させる。規則性メゾポーラス多孔体として、骨格の主成分がシリカで、開口径が1.4nm以上10nm以下のものを用いる。オレフィンより炭素数が増加したオレフィンを、連続的にかつ高い選択率で製造できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、低級オレフィンを原料として、この低級オレフィンより炭素数が増加したオレフィンを製造するオレフィンの製造方法に関する。
従来、二酸化炭素放出量を抑制するために、バイオマス由来のエチルアルコールを燃料として用いることが注目されている。一方、エチルアルコールは、脱水素反応により容易にエチレンとすることができる。そして、エチレンは、石油化学工業の基礎原料として有用である。従って、バイオマス由来のエチルアルコールを燃料として利用するのみならず、石油代替原料として用いることにより、例えば石油化学コンビナートからバイオマスコンビナートへの転換も可能となり、バイオマス由来のエチルアルコールは燃料のみならず石油化学工業の基礎原料としてさらなる有効利用が考えられる。
さらに、石油化学工業の基礎原料としては、エチレンより炭素数が1だけ多いプロピレンの増産が要望されている。従って、エチレンからプロピレンを直接効率的に製造する製造方法が開発されれば、地球規模での環境問題に大いに貢献することとなる。
そして、エチルアルコールを低級オレフィンあるいは他の炭化水素へ転換するプロセスや触媒が知られている。例えば、H−ZSM−5を代表とするプロトン型ゼオライトを触媒として、エチルアルコールをオレフィンやパラフィン、芳香族化合物に転化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、プロピレンを選択的に製造する方法として、メタセシス反応が知られている。シリカ等の担体にモリブデン、タングステン、レニウム等を担持した不均一系触媒やルテニウム、オスミニウム錯体等の均一系触媒が、エチレンとブテンを原料としてプロピレンを生成するメタセシス反応に活性を示すことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、エチレンの選択的二量化に、安価なニッケルを規則性メゾポーラス多孔体に担持した触媒を用いて、エチレンがブテンおよびヘキセンとともにプロピレンに変換されることが知られている(非特許文献1)。
一方、テンプレートイオン交換法によりニッケルを規則性メゾポーラス多孔体に担持した触媒が、エチレンからプロピレン、ブテン、ヘキセンなどを製造できることが開示されている(例えば、特許文献3および非特許文献2ないし6)。
特開平11−217343号公報 特開昭62−197147号公報 WO2005/023420号公報 第90回触媒討論会 討論会A 予稿集 138頁,4D12 「Ni−MCM−41上でのエチレンの選択的二量化」 M. Iwamoto, Y. Tanaka, Catalysis Surveys from Japan,Vol.5,No.1,p25-36(2001) M. Yonemitsu, Y. Tanaka, M. Iwamoto, Chemistry of Materials, Vol.9, No.12, p2679-2681(1997) 小杉佳嗣,岩本正和,日本化学会第81春季年会2002年 講演予稿集I 163頁,3C5-16 「MCM−41上でのエチレンのオリゴメリゼーション」 小杉佳嗣,岩本正和,日本化学会第83春季年会2003年 講演予稿集I 183頁,1E2-53 「Ni−MCM−41上でのエチレン反応(I) プロピレンの生成機構の解明」 小杉佳嗣,山本孝,岩本正和,石油学会創立45周年記念第46回年会特別講演 受賞講演,第52回研究発表会 講演要旨 154〜155頁,D23 「Ni−MCM−41によるエチレンからのプロピレンの直接合成」
しかしながら、上記特許文献2の触媒に用いられるモリブデン、タングステン、レニウムおよびルテニウム、オスミニウムは、生産量が少なく、価格が高価であるという問題がある。
また、上記特許文献1ないし3および非特許文献1ないし6に記載のような従来の方法では、プロピレンの選択率が低いという問題がある。
本発明の目的は、このような点に鑑みて、低級オレフィンを原料として、この低級オレフィンより炭素数が増加したオレフィンを高選択率で製造する方法を提供することである。
本発明に記載のオレフィンの製造方法は、低級オレフィンを原料として、前記低級オレフィンより炭素数が増加したオレフィンを製造するオレフィンの製造方法であって、周期表第6族ないし第13族に属する金属のうちの少なくともいずれか1種を平衡吸着法により規則性メゾポーラス多孔体に担持した触媒に、前記低級オレフィンを接触させることを特徴とする。
この発明では、周期表第6族ないし第13族に属する金属のうちの少なくともいずれか1種を規則性メゾポーラス多孔体に平衡吸着法により担持した触媒に、低級オレフィン原料を接触させる。
このことにより、例えば低級オレフィン原料の流通経路中に低級オレフィン原料が流通可能に触媒を充填した層を設ける簡単な構成で、連続的でかつ高い選択率で所望するオレフィンを製造できる。特に、低級オレフィンとしてエチレンを原料に用いることで、エチレンより炭素数が増加したオレフィンであるプロピレンを直接的に高選択率で製造できる。
そして、本発明では、請求項1に記載の製造方法であって、前記規則性メゾポーラス多孔体を構成する骨格は、主成分がシリカである構成とすることが好ましい。
この発明では、規則性メゾポーラス多孔体を構成する骨格の主成分がシリカである。
このことにより、周期表第6族ないし第13族に属する金属の少なくとも1種を良好に担持し、良好な物性の規則性メゾポーラス多孔体が容易に得られる。
また、本発明では、請求項1または請求項2に記載のオレフィンの製造方法であって、前記規則性メゾポーラス多孔体は、開口径が1.4nm以上10nm以下である構成とすることが好ましい。
この発明では、規則性メゾポーラス多孔体として、開口径が1.4nm以上10nm以下に調製したものを用いる。
このことにより、所望するオレフィンをより高い選択率で製造することが容易に得られる。
ここで、規則性メゾポーラス多孔体の開口径が1.4nmより小さくなると、反応分子や生成分子の拡散性が低下して反応効率が低下するおそれがある。一方、規則性メゾポーラス多孔体の開口径が10nmより大きくなると、細孔の効果が得られ難くなり、高い選択率が得られなくなるおそれがある。このため、規則性メゾポーラス多孔体の開口径を1.4nm以上10nm以下に設定することが好ましい。
さらに、本発明では、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のオレフィンの製造方法であって、前記触媒は、前記規則性メゾポーラス多孔体に、ニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上が担持されたものである構成とすることが好ましい。
この発明では、規則性メゾポーラス多孔体に、ニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上を担持した触媒を用いる。
このことにより、ニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上を良好に担持し、良好な物性の規則性メゾポーラス多孔体が容易に得られ、所望のオレフィンのより高い選択率が得られる。
また、本発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のオレフィンの製造方法であって、前記低級オレフィンはエチレンであり、前記炭素数が増加したオレフィンがプロピレンである構成とすることが好ましい。
この発明では、エチレンを含む原料を触媒と接触させてプロピレンを生成させる。
このことにより、エチレンから炭素数が1だけ多いプロピレンを高い選択率で製造できる。
以下、本発明のオレフィンの製造方法に係る一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、エチレンを原料としてプロピレンを製造する構成について説明するが、低級オレフィンとして炭素数3のプロピレン、炭素数4のブテンなどを原料として用いてもよいし、これらの組み合わせなどを用いてもよい。
(触媒の構成)
本実施形態におけるオレフィンの製造に用いる触媒は、周期表第6族ないし第13族に属する金属のうちの少なくともいずれか1種を、規則性メゾポーラス多孔体に平衡吸着法により担持した触媒である。
この規則性メゾポーラス多孔体は、規則性ナノ細孔を有する無機または無機有機複合固体物質である。
そして、規則性メゾポーラス多孔体を構成する骨格の主成分としては、シリカが好ましい。
ここで、規則性メゾポーラス多孔体の合成方法としては、特に制限はないが、例えば炭素数が8以上の高級アルキル基を有する四級アンモニウム塩をテンプレートとして、シリカの前駆体を原料として合成する方法などが例示できる。
そして、シリカ前駆体の種類としては、例えば、コロイダルシリカ、シリカゲル、フュームドシリカなどの非晶質シリカ、珪酸ナトリウムや珪酸カリウムなどの珪酸アルカリ、テトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケートなどのアルコキサイドを、単独または混合して用いることができる。また、テンプレートの種類としては、特に制限はないが、一般式CH3(CH2)nN(CH3)3・X(nは7〜21の整数、Xはハロゲンイオンあるいは水酸化イオン)で表記されるハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム系陽イオン界面活性剤が好ましい。具体的には、n−オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、n−デシルトリメチルアンモニウムブロミド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、n−テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、n−オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミドなどが例示できる。
なお、規則性ナノ細孔を有する構造が容易に得られ、強度などの物性も良好であるとともに、周期表第6族ないし第13族に属する金属の安定した担持が容易に得られる点で、規則性メゾポーラス多孔体を合成する原料としてはコロイダルシリカを用いることが好ましい。
さらに、規則性メゾポーラス多孔体としては、開口径が、例えば1.4nm以上10nm以下で調製したものを用いることが好ましい。
ここで、規則性メゾポーラス多孔体の開口径が1.4nmより小さくなると、例えば反応分子や生成分子の拡散性が低下して反応効率が低下するおそれがある。一方、規則性メゾポーラス多孔体の開口径が10nmより大きくなると、例えば細孔の効果すなわち活性成分であるニッケル、アルミニウム、マンガン、鉄あるいは銅の良好な担持が得られ難くなり、高い収率が得られなくなるおそれがある。このことにより、プロピレンの高い収率で製造させる点で、規則性メゾポーラス多孔体の開口径を1.4nm以上10nm以下に設定することが好ましい。
なお、触媒として、規則性メゾポーラス多孔体に、周期表第6族ないし第13族に属するニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上の金属を担持したものを用いてもよい。
ここで、規則性メゾポーラス多孔体に金属を担持する方法としては、特に制限はなく、例えば含浸法、気相蒸着法、担持錯体分解法などを用いることができる。特に、水溶媒中で金属イオンを規則性メゾポーラス孔体に平衡吸着させる平衡吸着法が製造性の点で好ましい。
そして、規則性メゾポーラス多孔体に担持される金属(Me)の量は、規則性メゾポーラス多孔体の骨格を構成するシリカを基準として、例えば原子比Si/Meが5以上500以下、特に15以上100以下であることが好ましい。ここで、原子比Si/Meが5より小さくなると、Meの割合が多くなって触媒活性の低い金属酸化物粒子の生成を抑制しにくくなり、触媒活性が低下するおそれがある。一方、原子比Si/Meが500より大きくなると、Meの割合が少なくなって高分散化した金属の十分な担持が得られなくなり、触媒活性が低下するおそれがある。このことにより、金属の担持量は、原子比Si/Meが5以上500以下、特に15以上100以下に設定することが好ましい。
また、規則性メゾポーラス多孔体は、残存するテンプレートを焼成によって除去するために、酸素が存在する雰囲気下で加熱処理を施すことが好ましい。ここで、加熱処理の温度は、例えば、200℃以上800℃以下、好ましくは300℃以上600℃以下である。そして、加熱処理の温度が200℃より低くなると、テンプレートの焼成に時間を要するおそれがある。一方、加熱処理の温度が800℃より高くなると、細孔壁を構成しているシリカの崩壊が生じるおそれがある。このことにより、金属を担持した規則性メゾポーラス多孔体の加熱処理の温度を200℃以上800℃以下、好ましくは300℃以上600℃以下に設定することが好ましい。
(オレフィンの製造方法)
本発明のオレフィンの製造方法は、上述した触媒に低級オレフィン原料を接触させて、このオレフィンより炭素数が増加したオレフィンを製造させるものである。
ここで、オレフィンの製造装置としては、特に限定されないが、例えば、上述した触媒を充填して内部に触媒層を有し、低級オレフィン原料が流通可能な反応器である固定床式気相流通反応装置を用いることができる。
原料の低級オレフィンとしては、特にプロピレンを高選択的に製造する目的ではエチレンを原料とすることができる。また、低級オレフィン原料としては、上述したように、他のオレフィンが混在されていてもよい。さらに、低級オレフィン原料としては、固定床流通反応装置に直接供給、あるいは窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガスにより適宜希釈して供給、すなわち不活性ガスが混合されたものとしてもよい。
そして、反応温度としては、150℃以上600℃以下であることが好ましい。ここで、反応温度が150℃より低くなると、触媒活性が十分に得られなくなって反応速度が低下しオレフィンの製造効率が低下するおそれがある。一方、反応速度が600℃より高くなると、例えばコークが生成するなどして触媒活性の劣化を生じるおそれがある。このことにより、反応温度は好ましくは150℃以上600℃以下、より好ましくは250℃以上500℃以下に設定すればよい。
特に、プロピレンを製造する場合には、原料にエチレンを用いた反応温度は、150℃以上600℃以下、好ましくは250℃以上500℃以下である。
なお、原料ガスの反応圧力は、常圧から高圧までの広い範囲で適宜設定できる。オレフィンの製造性や装置構成などの観点から、常圧から1.0MPa程度に設定することが好ましい。
そして、原料オレフィンと触媒との接触時間は、原料オレフィンを気相で反応させる場合、例えば0.001(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)以上10(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)以下、特に0.01(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)以上10(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)以下であることが好ましい。
ここで、触媒との接触時間が0.001(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)より短くなると、原料オレフィンの該オレフィンより炭素数が増加したオレフィンへの転化率の向上が望めず、所望とするオレフィンを高い選択率で製造できなくなるおそれがある。一方、触媒との接触時間が10(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)より長くなると、重合などの副反応が生じて、高い選択率で所望とするオレフィンが得られなくなるおそれがある。このことにより、原料オレフィンと触媒との接触時間は、気相反応では0.001(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)以上10(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)以下、特に0.01(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)以上10(g−触媒・秒)/(mL−原料オレフィン)以下に設定することが好ましい。
そして、上記各種条件による原料オレフィンと触媒との接触により、骨格の主成分がシリカの規則性メゾポーラス多孔体であるシリカメゾ多孔体の特異な固体酸触媒能により、原料のオレフィンからこのオレフィンの二量体を生成する。例えば、エチレンからブテンを生成し、さらに原料エチレンとブテンとの間でのメタセシス反応によりプロピレンを生成させる反応が連続して進行する。
このことにより、所望とする炭素数が増加したオレフィンすなわちプロピレンが高い選択率で製造される。
(実施形態の作用効果)
上述したように、上記実施形態では、周期表第6族ないし第13族に属するニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上が担持された規則性メゾポーラス多孔体触媒に、低級オレフィン原料を、150℃以上600℃以下、好ましくは250℃以上500℃で接触させている。
このため、例えば低級オレフィン原料の流通経路中に、低級オレフィン原料が流通可能に触媒を充填した層を設ける簡単な構成で、原料の低級オレフィンを選定することで連続的でかつ高い選択率で、原料オレフィンより炭素数が増加した所望とするオレフィンを製造できる。
そして、上記実施形態では、触媒を構成する規則性メゾポーラス多孔体として、骨格の主成分がシリカのものを用いている。
このため、周期表第6族ないし第13族に属する金属のうちの少なくともいずれか1種を良好に担持し、良好な物性の規則性メゾポーラス多孔体が容易に得られる。そして、周期表第6族ないし第13族に属する金属としては、ニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅が良好に規則性メゾポーラス多孔体に担持でき、良好な物性の規則性メゾポーラス多孔体が容易に得られる。
また、上記実施形態では、規則性メゾポーラス多孔体として、開口径が1.4nm以上10nm以下に調製したものを用いている。
このため、所望のオレフィンをより高い選択率で連続的に製造することが容易に得られる。
さらに、上記実施形態では、規則性メゾポーラス多孔体に、ニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上を担持した触媒を用いる。
このため、所望のオレフィンのより高い選択率が得られる。
そして、上記実施形態では、エチレン原料を150℃以上600℃以下、好ましくは250℃以上500℃以下で触媒と接触させてプロピレンを生成させている。
このため、エチレンからプロピレンを極めて高い選択率で直接製造できる。
〔実施形態の変形例〕
なお、以上に説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造および形状などは、本発明の目的および効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状などとしても問題はない。
すなわち、本発明のオレフィンの製造方法を実施する製造装置としては、上述した固定床式気相流通反応装置に限られるものではない。例えば、流動床として原料オレフィンを触媒と接触させるなど、原料オレフィンを触媒と接触させるいずれの構成も適用できる。さらには、触媒としては、粉粒体や塊状物、いわゆるハニカム構造物など、各種形態で利用できる。
また、触媒として、シリカメゾポーラス多孔体に限らず、例えば骨格の主成分にアルミナなど、他の無機材料などが含まれるものなど、規則性メゾポーラス多孔体であればいずれの組成物を適用することができる。
そして、触媒としては、上述したように、周期表第6族ないし第13族に属するニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上を規則性メゾポーラス多孔体に担持したものを単体で用いることに限らず、他のメタセシス触媒と混合して用いてもよい。
なお、これらニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上の担持としては、平衡吸着法であれば、規則性メゾポーラス多孔体の表面に存在する状態に限らず、例えば規則性メゾポーラス多孔体の骨格の主成分と共存する状態など、担持形態としては、いずれの状態をも含むものである。
また、規則性メゾポーラス多孔体の物性、規則性メゾポーラス多孔体に担持させるニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上の担持量などの触媒の物性は、上述した条件に限られるものではなく、処理効率や装置構成などにより、適宜設定できる。
さらには、低級オレフィン原料としては、生成物であるオレフィンに対応したものであれば、エチレンなどに限られず、さらには水やその他のオレフィンなどを含んでいてもよい。
また、原料である低級オレフィンの触媒との接触条件についても、上述した条件に限られるものではなく、反応温度が150℃以上600℃以下であれば、処理効率や装置構成などにより、適宜設定できる。
その他、本発明の実施における具体的な構造および形状などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などとしてもよい。
次に、本発明のオレフィンの製造方法について、実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
{実施例1}
(触媒の調製)
シリカ源に日産化学工業製スノーテックス20(コロイダルシリカ)、界面活性剤としてドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成製)を用いた。実験用具は全てテフロン(登録商標)製のものを用いた。
まず、界面活性剤225.0gにイオン交換水641.4gを混ぜ強く攪拌した。これにスノーテックス20(306.7g)と水酸化ナトリウム水溶液(NaOH11.7g+H2O125.6g)を交互に少量ずつ滴下した。全量滴下後混合溶液を313Kで2時間攪拌した。混合溶液の最終pHは11.6であった。この混合溶液を静置条件下、オートクレーブ中413Kで48時間水熱処理した。得られた白色生成物を濾過し2Lのイオン交換水で洗浄した後、乾燥機中353Kで一晩乾燥させた。得られた生成物(MCM−41as−syn)を塩酸によりわずかに酸性にしたイオン交換水中に混ぜ、攪拌した(このときのH2O:MCM−41as−syn重量比は30:1)。この溶液に塩酸をゆっくりと加えpHを6−7に調整した。pHが安定した後353Kで20時間静置した。この処理後濾過し、500mLのイオン交換水で洗浄し乾燥機中で一晩乾燥させた。
さらに、得られた白色粉末を乳鉢で粉砕し、磁性皿に薄く広げ空気中873Kで6時間焼成した。
これをMCM−41とし、次の平衡吸着法によるNi−MCM−41の調整に用いた。なお、MCM−41の開口径は、メソ細孔分布測定装置を用いて窒素吸脱着によるBJH(Barrett, Joyner, and Halenda)法により、2.24nmであった。
(平衡吸着法によるNi−NH3/MCM−41の調製)
硝酸ニッケル6水和物(和光純薬特級)1.455gにアンモニア水溶液(関東化学一級)23.32gおよびイオン交換水を加えて100mLにした(溶液(I))。この時、溶液のpHは12.7で、群青色を呈した。
MCM−41の3gに対し前記溶液(I)を所定量加え、室温で1時間攪拌した後、3時間静置した。この時のpHは11.7であった。得られた青白色の固体を吸引濾過で濾別した後、100mLのイオン交換水に分散し、洗浄を行い、濾別した。この操作をさらにもう1回繰り返し、得られた固体を353Kで一晩乾燥させ、未焼成のNi−NH3/MCM−41を得た。この未焼成のNi−NH3/MCM−41を磁性皿に薄く広げ、773Kまで昇温後、6時間空気中で焼成しNi−NH3/MCM−41を得た。このNi−NH3/MCM−41のNi担持量は、酸化物基準でシリカに対し5.3質量%であった。なお、Ni担持量は、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析により測定した。
(エチレンの反応)
上記Ni−NH3/MCM−41を触媒としてエチレンの反応を行った。
反応は、内径10mmの耐熱ガラス製反応器の底部に石英ウールを詰め、その上に触媒を0.3g充填する。反応に先立ち、触媒の前処理として、11mL/minの窒素ガスを573Kで1時間流通させた。ついで、窒素ガスを原料ガス(エチレン10容量%、水1.4容量%、残部を窒素でバランス)11mL/minに切り替え、30分間流通させた。その後触媒の温度を673Kに昇温し、反応を行った。
得られた結果を、表1に示す。
{比較例1}
上述の実施例1で調製したMCM−41を非晶質シリカに替えた以外は、実施例1と同様にして、Ni−NH3/SiO2を調製し、エチレンの反応を行った。
得られた結果を、表1に示す。なお、Niの担持量は、4.5質量%であった。
{参考例}
(テンプレートイオン交換法によるNi−MCM−41の調製)
未焼成MCM−41を、未焼成MCM−41の1gに対し10mLのイオン交換水に加え、攪拌し、懸濁させた。また、所定量の硝酸ニッケル6水和物(和光純薬特級)も同様に、未焼成MCM−41の1gに対し10mLのイオン交換水で溶解させた。未焼成MCM−41の懸濁液を激しく攪拌しながら、ゆっくりとパスツールを用いて硝酸ニッケル6水和物の水溶液に加え、添加終了後室温で1時間攪拌した。攪拌後、混合液を353K水浴中で20時間静置した。その後濾過し、未焼成MCM−41の1gに対し100mLのイオン交換水に分散させて、5分間攪拌後濾過し、353Kで一晩乾燥させ未焼成のテンプレートイオン交換法によるNi−MCM−41を得た。この未焼成Ni−MCM−41を磁性皿に薄く広げ、所定温度まで昇温後、所定時間空気中で焼成し、Ni−MCM−41を得た。
(エチレンの反応)
上述した実施例1と同様にエチレンの反応を行った。
得られた結果を、表1に示す。
Figure 2009013095
表1に示すように、実施例1は、比較例1に比べてエチレンの転化率が高く、かつプロピレンの選択率が高いことが認められた。
本発明は、低級オレフィンを原料として、このオレフィンより炭素数が増加したオレフィンを製造する方法に利用できる。

Claims (5)

  1. 低級オレフィンを原料として、前記低級オレフィンより炭素数が増加したオレフィンを製造するオレフィンの製造方法であって、
    周期表第6族ないし第13族に属する金属のうちの少なくともいずれか1種を平衡吸着法により規則性メゾポーラス多孔体に担持した触媒に、前記低級オレフィンを接触させる
    ことを特徴とするオレフィンの製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法であって、
    前記規則性メゾポーラス多孔体を構成する骨格は、主成分がシリカである
    ことを特徴とするオレフィンの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のオレフィンの製造方法であって、
    前記規則性メゾポーラス多孔体は、開口径が1.4nm以上10nm以下である
    ことを特徴とするオレフィンの製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のオレフィンの製造方法であって、
    前記触媒は、前記規則性メゾポーラス多孔体に、ニッケル、コバルト、鉄、マンガンおよび銅の群から選ばれる1種または2種以上が担持されたものである
    ことを特徴とするオレフィンの製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のオレフィンの製造方法であって、
    前記低級オレフィンはエチレンであり、前記炭素数が増加したオレフィンがプロピレンである
    ことを特徴とするオレフィンの製造方法。
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