JP2010022175A - インバータ制御システム,インバータ装置の周辺機器 - Google Patents

インバータ制御システム,インバータ装置の周辺機器 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータ装置側の制御プログラムを、必要に応じて簡単に更新できるインバータ制御システムを提供する。
【解決手段】リモートパネル4側のフラッシュメモリ36に、インバータ制御プログラム39も当該プログラム39のバージョン情報(V121)と共に記憶させ、周辺制御CPU35は、起動時においてインバータ装置1が保持しているインバータ制御プログラム20のバージョン情報を取得し、フラッシュメモリ36に記憶されている制御プログラム39のバージョンが新しい場合には、制御プログラム39をインバータ装置1側に送信し、インバータ制御CPUは17、リモートパネル4より受信した制御プログラム39をフラッシュメモリ18に書き込んで更新する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ装置とその周辺機器とからなるインバータ制御システム,インバータ装置の周辺機器に関する。
一般に、インバータ制御システムにおいて、インバータ装置にはインバータ回路(主回路)を直接制御するCPUが存在し、ユーザが操作入力等を行う操作パネル等の周辺機器には、その操作入力機能を実現するCPUが存在する。そして、それぞれのCPUは、それぞれの装置に記憶されている制御プログラムに従って動作し、両者間で所定のインターフェイスに基づき通信を行うようになっている。
このような制御システムでは、インバータ装置と周辺機器との間で制御プログラムが互いに対応している(バージョンが等しい)ことが前提であり、機能の追加などにより一方の制御プログラムがバージョンアップされると、それに応じて他方のプログラムもバージョンアップさせる必要がある。
また、昨今は、数々のオープンネットワークが広まり、各種のネットワークを用いてインバータ装置を制御することも行われており、インバータ装置にもそれらへの対応が要求されている。そして、周辺機器側の通信オプションが後からリリースされた場合、インバータ装置側の制御プログラムもそのオプションに対応したバージョンでなければ通信を行うことができなくなる。
例えば、特許文献1,2には、メモリタイプのUSB機器からモータ制御装置の拡張プログラムをダウンロードしたり、外部から通信手段を介してインバータ制御用のプログラムを転送する技術が開示されている。また、特許文献3には、上位コントローラが複数のコンベア装置のインバータのプログラムを管理し、必要に応じて書き換えを行う構成が開示されている。
特開2006−197677号公報 特許第3754092号公報 特開2004−185247号公報
しかしながら、これらの技術は、何れも作業者がインバータ装置のバージョンを確認した後、制御プログラムの書き換えが必要と判断した場合に書き換えを行うことを想定しており、作業者の負担が大きいという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インバータ装置側の制御プログラムを、必要に応じて簡単に更新できるインバータ制御システム,インバータ装置の周辺機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載のインバータ制御システムは、インバータ回路と、このインバータ回路を制御するインバータ制御CPUと、このインバータ制御CPUにより実行されるインバータ制御プログラムが、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶される第1記憶手段と、外部と通信を行う通信手段とを備えるインバータ装置と、
このインバータ装置との間で通信手段を介して通信を行うと共に周辺制御機能を実行する周辺制御CPUと、この周辺制御CPUにより実行される周辺制御プログラムが、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶される第2記憶手段とを備える1つ以上の周辺機器とからなるものにおいて、
前記第2記憶手段には、インバータ制御プログラムも、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶されており、
前記周辺制御CPUは、起動時において前記インバータ装置が保持している前記インバータ制御プログラムのバージョン情報を取得し、そのバージョンよりも前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムのバージョンが新しい場合には、前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムを前記インバータ装置側に送信し、
前記インバータ制御CPUは、前記周辺機器より受信したインバータ制御プログラムを前記第1記憶手段に書き込んで更新することを特徴とする。
斯様に構成すれば、インバータ装置と周辺機器とを接続するだけで、両者が記憶しているインバータ制御プログラムのバージョン情報が比較され、周辺機器側が保持しているプログラムのバージョンが新しい場合にはインバータ装置側に送信されて、第1記憶手段に記憶されているプログラムが自動的に更新されるようになる。
請求項9記載のインバータ装置の周辺機器は、インバータ回路と、このインバータ回路を制御するインバータ制御CPUと、このインバータ制御CPUにより実行されるインバータ制御プログラムが、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶される第1記憶手段とを備えるインバータ装置に通信手段を介して接続され、周辺制御機能を実行するものにおいて、
前記インバータ装置との間で通信を行うと共に前記周辺制御機能を実行する周辺制御CPUと、
この周辺制御CPUにより実行される周辺制御プログラムが記憶されると共に、インバータ制御プログラムが、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶される第2記憶手段とを備え、
前記周辺制御CPUは、起動時において前記インバータ装置が保持している前記インバータ制御プログラムのバージョン情報を取得し、そのバージョンよりも前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムのバージョンが新しい場合には、前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムを前記インバータ装置側に送信して、前記第1記憶手段に記憶されている制御プログラムを更新させることを特徴とする。
斯様に構成すれば、インバータ装置と周辺機器とを接続するだけで、両者が記憶しているインバータ制御プログラムのバージョン情報が比較され、周辺機器側が保持しているプログラムのバージョンが新しい場合にはインバータ装置側に送信されて、インバータ装置側でプログラムが自動的に更新されるようになる。
請求項1記載のインバータ制御システム,または請求項9記載のインバータ装置の周辺機器によれば、インバータ装置と周辺機器とを接続するだけでインバータ制御プログラムが新しいバージョンに自動的に更新されるので、ユーザが両者のバージョンをそれぞれ幾つであるのかを確認した上で、新バージョンのプログラムを送信させて更新させるという作業が不要となり、利便性を向上させることができる。
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図9を参照して説明する。図2は、インバータ制御システムの全体構成を示すものである。インバータ装置1は、交流電源装置2から電源が与えられ、その電源に基づいて電動機(インダクションモータ)3を駆動するようになっている。リモートパネル4(周辺機器)は、ユーザがインバータ装置1を制御するための操作入力を行ったり、制御情報を表示させるもので、インバータ装置1と通信部25及びシリアル通信ライン5により接続されている。
インバータ装置1の通信部6(通信手段)は、通信オプション装置7と通信部9によりシリアル通信ライン8を介して通信を行うようになっている。通信オプション装置7は、通信部9を介してインバータ装置1側と通信し、その他に、制御部11、インタフェース回路部(I/F)12ならびにネットワークインタフェース部13を備えて構成されている。そして、この通信オプション装置7は、ネットワークインタフェース部13を介して、オープンネットワーク14が接続されるようになっている。
このように、インバータ装置1が複数の通信部を備える場合もあるが、インバータ装置の1つの通信部をリモートパネル4や通信オプション装置が共通で使用する場合もある。
そして、通信オプション装置7は、制御部11内部のメモリに格納されているインバータ指令値をインバータ装置1に出力するようになっている。これを受けて、インバータ装置1は、通信オプション装置7から送信されたインバータ指令値にしたがって動作することが可能となる。また、通信オプション装置7は、インバータ装置1から状態データを読出し、これを受けて、インバータ装置1から送信された状態データを制御部11内部のメモリに格納することが可能となる。
このように通信オプション装置7とインバータ装置1とを構成することで、オープンネットワーク14からインバータ装置1を制御することができ、また、オープンネットワーク14にインバータ装置1の情報を出力することが可能となる。
図1は、インバータ装置1とリモートパネル4との内部構成を示すものである。インバータ装置1は、例えばMOSFETやIGBTなどのスイッチング素子を3相ブリッジ接続して構成されるインバータ回路15と、インバータ回路15を制御する制御部16とを備えている。尚、図1のインバータ装置1では、図2に示す通信部6の図示を省略している。
制御部16は、マイクロコンピュータで構成されており、CPU17,フラッシュメモリ18(第1記憶手段),RAM19などを備えている。不揮発性の記憶手段であるフラッシュメモリ18には、CPU17によって実行され、インバータ回路15を制御するための制御プログラム20(i−S/W)が当該プログラムのバージョン情報(V120)と共に記憶されている。また、フラッシュメモリ18には、リモートパネル4側の制御プログラム21(T−S/W)も、当該プログラムのバージョン情報(V311)と共に記憶されている。RAM18は、CPU17が処理を実行する場合のワークエリアとして使用される。
制御部16に外付けされているEEPROM22には、インバータ装置1の機種識別パラメータ23や、制御パラメータデータ24等が記憶されている。機種識別パラメータ23としては、インバータ装置1のシリーズ形式や、容量形式(例えば200V,3.7kWなど)を示すコードなどがある。そして、制御部16は、通信部25を介して、例えばModbus(登録商標)や各メーカオリジナルの通信プロトコルによりリモートパネル4側と通信を行うようになっている。また、インバータ装置1には、24Vの電源が供給されると、制御部16等に対しては、その24V電源を電圧変更部26により5Vに降圧した制御電源が供給されている。尚、電圧変更部26に対しては、24V電源がダイオード27を介して供給されており、また、後述するように、リモートパネル4側からも24V電源が、ダイオード27とカソードが共通に接続されたダイオード28を介して供給されるようになっている(電源供給手段)。
一方、リモートパネル4は、操作・表示部31,制御部32,EEPROM33,通信部34等を備えている。制御部32は、制御部16と同様にマイクロコンピュータで構成されており、CPU35,フラッシュメモリ36(第2記憶手段),RAM37などを備えている。フラッシュメモリ36には、CPU35によって実行され、操作・表示部31による操作入力や表示制御をおこなう制御プログラム38(周辺制御プログラム)が当該プログラムのバージョン情報(V311)と共に記憶されている。また、フラッシュメモリ36には、インバータ装置側の制御プログラム39も、当該プログラムのバージョン情報(V121)と共に記憶されている。RAM37は、CPU35が処理を実行する場合のワークエリアとして使用される。
制御部32に外付けされているEEPROM33には、リモートパネル4の機種識別パラメータや、制御パラメータデータ等が記憶されている。そして、制御部32は、通信部34を介してインバータ装置1側と通信を行うようになっている。また、リモートパネル4には24Vの電源が供給されており、具体的には図示しないが、インバータ装置1側と同様に5Vの制御電源を生成して各部に供給するが、その24V電源を、シリアル通信ケーブル5を介してインバータ装置1側にも供給するよう構成されている。
次に、本実施例の作用について図3乃至図9も参照して説明する。図4及び図5は、インバータ装置1及びリモートパネル4に電源が投入されて起動する場合に、両者間並びにユーザにより行われる処理の内容を示すシーケンス図であり、図6乃至図9は、インバータ装置1,リモートパネル4でそれぞれ実行される処理を示すフローチャートである。尚、図6等で使用されている用語「リフラッシュ」は、フラッシュメモリ18,36に記憶されているプログラムやデータを上書きして更新することを意味する。
図4において、先ず、リモートパネル4がインバータ装置1に対して、インバータ制御プログラム20のバージョン情報の送信要求を出し、インバータ装置1は、その送信要求を受信することでリモートパネル4が接続されていることを認識する(図6,ステップA1:YES)。すると、インバータ装置1は、フラッシュメモリ18よりインバータ制御プログラム20のバージョン情報(V120)を読み出して、リモートパネル4に送信する(図6,ステップA2)。
リモートパネル4は、送信要求に応じてバージョン情報が返信されると、インバータ装置1が接続されていることを認識し(図7,B1:YES)、そのバージョン情報を読み込む(図7,B2)。そして、上記バージョンが、自身のフラッシュメモリ36に記憶されているインバータ制御プログラム39のバージョン(V121)と一致するか否かを判断する(図7,B3)。両者が一致すれば(YES)特段の処理を行うことなく、リモートパネル4は、周辺制御プログラム38に従って通常動作を行う(図7,B8)。
ここで、図3は、フラッシュメモリ36のマップイメージの一例を示す。最初にリモートパネル4の周辺制御プログラム38の格納エリアがあり、それに続いてインバータ制御プログラム39のバージョン情報(V121),スタートアドレス(C0100)及びプログラムサイズ(100kB)が格納されている。その後のアドレスC0100より、制御プログラム39が100kB配置されている。
一方、両者のバージョンが一致しない場合は(図7,B3:NO)、インバータ制御プログラム39のバージョンの方が新しいか否かを判断する(図7,B4)。制御プログラム39のバージョンの方が新しい場合(YES)、リモートパネル4におけるユーザの設定により(更新許否設定手段)インバータ装置1側の制御プログラム書き換えを行うか否かを判断し(図7,B6)、ユーザ設定が書き換えを禁止している場合は(NO)通常動作を行う(図7,B8)。ただしこの場合、インバータ制御プログラム20のバージョンでは使用されない制御パラメータがあれば、その設定処理はスキップするように動作する(例えば、V121はV120よりも新しい)。
ユーザ設定が書き換えを禁止していない場合(図7,B6:YES)、リモートパネル4は、フラッシュメモリ36よりインバータ制御プログラム39を読み出し、通信部34を介してインバータ装置1側に送信する(図7,B7)。インバータ装置1は、制御プログラム39が送信されると(図6,A3:YES)、その制御プログラム39をフラッシュメモリ18に書き込む(図6,A4)。
また、インバータ制御プログラム20のバージョンの方が新しい場合は(図7,B4:NO)、インバータ装置1に対して制御プログラム20の転送要求を与え、インバータ装置1は、その転送供給を受信すると(図6,A5:YES)リモートパネル4側に制御プログラム20を送信する(図6,A6)。リモートパネル4は、送信された制御プログラム20をフラッシュメモリ36に書き込んで更新する(図7,B5)。
尚、図7のステップB6において、インバータ装置1側の制御プログラム書き換えを行う場合、リモートパネル4におけるユーザ設定により「手動書換え」を選択することもできるようになっている。「手動書換え」を選択すると、リモートパネル4が直ちに書き換えを行うはことなく、ユーザがリモートパネル4を介して「書き換え」を指示した時点で、インバータ装置1に制御プログラム36の送信が実行される。
また、図6のステップA5において、リモートパネル4に対する制御プログラム20の転送が禁止に設定されている場合は(NO)ステップA6を実行することなく、リモートパネル4が通常動作において送信するキー情報(操作入力情報)を受信して、インバータ装置1としての通常動作を行う(ステップA7)。
図5は、図4のシーケンスを、リモートパネル4の周辺制御プログラム38,21を対象として同様に実施する場合を示したものである。すなわち、リモートパネル4が、インバータ装置1のフラッシュメモリ18に記憶されている周辺制御プログラム21のバージョン情報を取得して、自身が保持している制御プログラム38のバージョンと比較する。そして、両者が一致する場合は通常動作し、制御プログラム38のバージョンが新しければ当該制御プログラム38をインバータ装置1側に送信して更新させる。また、インバータ装置1が保持している制御プログラム21のバージョンが新しい場合は、当該制御プログラム21を送信させて、フラッシュメモリ36に書き込んで更新する。
図8は、インバータ装置1が、リモートパネル4より送信されたインバータ制御プログラム39をフラッシュメモリ19に書き込んで更新する場合の処理(図6,A4)を、より詳細に示すフローチャートである。リモートパネル4は、インバータ装置1側にフラッシュメモリ18の書き換え指令と、それに先立ちインバータ回路15の動作を停止させるためのゲートブロック指令とを送信する(ステップB11)。インバータ装置1は、それらの指令を受けてゲートブロックを完了すると(ステップA11:YES)、リモートパネル4側にその旨を通知する。
すると、リモートパネル4のCPU35は、フラッシュメモリ36から制御プログラム39を読み出し、通信部34を介してインバータ装置1側に転送する(ステップB12)。インバータ装置1側では、転送された制御プログラム39のデータが通信部25を介して一旦RAM19に書き込まれる。転送が終了すると、インバータ装置1のCPU17は、RAM19に書き込まれた制御プログラム39のデータを読み出してフラッシュメモリ18に書き込むことで書き換えを実行する(ステップA12)。書き換えを終了すると、新バージョンの制御プログラム39において、機種別パラメータ及び新たに追加された制御パラメータが格納される記憶領域:EEPROM22の領域を初期化する(ステップA13)。
また、図9は、リモートパネル4が、インバータ装置1より送信された周辺制御プログラム21(バージョンが新しい場合)をフラッシュメモリ19に書き込んで更新する場合の処理(図7,B5)を、より詳細に示すフローチャートである。リモートパネル4は、フラッシュメモリ36の書き換え指令が発行(ON)されると(ステップB21:YES)、インバータ装置1側に周辺制御プログラム21の転送指令を送信する(ステップB22)。すると、インバータ装置1のCPU17は、その指令を受けてフラッシュメモリ18から制御プログラム21を読み出し、通信部25を介してリモートパネル4側に転送する(ステップA21)。
リモートパネル4側では、転送された制御プログラム21のデータが通信部34を介して一旦RAM37に書き込まれる。転送が終了すると、リモートパネル4のCPU35は、RAM37に書き込まれた制御プログラム21のデータを読み出してフラッシュメモリ36に書き込むことで書き換えを実行する(ステップB23)。この場合、図8のステップA13と同様に、新バージョンの制御プログラム21において、新たに追加された制御パラメータが格納されるEEPROM33の領域を初期化しても良い。
以上のように本実施例によれば、リモートパネル4側のフラッシュメモリ36に、インバータ制御プログラム39も当該プログラム39のバージョン情報と共に記憶させ、周辺制御CPU35は、起動時においてインバータ装置1が保持しているインバータ制御プログラム20のバージョン情報を取得し、そのバージョンよりもフラッシュメモリ36に記憶されている制御プログラム39のバージョンが新しい場合には、制御プログラム39をインバータ装置1側に送信し、インバータ制御CPU17は、リモートパネル4より受信した制御プログラム39をフラッシュメモリ18に書き込んで更新する。
したがって、インバータ装置1とリモートパネル4とを接続するだけで、両者が記憶しているインバータ制御プログラム20,39のバージョンが比較され、リモートパネル4側が保持している制御プログラム39のバージョンが新しければインバータ装置1側に送信されて、フラッシュメモリ18上のプログラムが自動的に更新されるので、ユーザが両者のバージョンをそれぞれ幾つであるのかを確認した上で、新バージョンのプログラムを送信させて更新させるという作業が不要となり(バージョンフリー)、利便性を向上させることができる。
また、周辺制御CPU35は、インバータ装置1が保持している制御プログラム20のバージョンが、フラッシュメモリ36に記憶されている制御プログラム36のバージョンよりも新しい場合には、インバータ装置1に対してプログラム転送命令を送信し、インバータ制御CPU17は、フラッシュメモリ18に記憶されている制御プログラム20をリモートパネル4側に送信し、周辺制御CPU35は、受信した制御プログラム20をフラッシュメモリ36に書き込んで更新する。したがって、リモートパネル4側のインバータ制御プログラムをバージョンアップすることができる。
更に、インバータ装置1のフラッシュメモリ18に、周辺制御プログラム21も記憶して、インバータ制御CPU17は、起動時においてリモートパネル4が保持している周辺制御プログラム38のバージョン情報を取得し、制御プログラム21のバージョンが新しい場合には、周辺制御プログラム21をリモートパネル4側に送信し、周辺制御CPU35は、受信した周辺制御プログラム21をフラッシュメモリ36に書き込んで更新する。したがって、リモートパネル4が保持している制御プログラム38のバージョンが古い場合に、バージョンアップすることができる。
また、リモートパネル4は、インバータ装置1側に通信ケーブル5を介して24V電源を供給することで、インバータ装置1が起動時の処理を行う場合、対応する機能を実行させるための動作電源を制御部16に供給可能とする。すなわち、インバータ装置1に交流電源装置2からの電源が投入されていない状態であっても、通信ケーブル5を介してリモートパネル4を接続すれば、ダイオード28を介して電圧変更部26に電源が供給されるので、制御プログラムの更新処理を行うことができる。
また、CPU17は、フラッシュメモリ18に書き込んで更新した新バージョンの制御プログラム39において、新たに追加された制御パラメータが格納されるEEPROM22の領域を初期化するので、上記パラメータが更新設定されない場合に、不適切な値が用いられることを回避できる。
また、リモートパネル4は、自身が保持している制御プログラム39のバージョンが、インバータ装置1側よりも新しい場合に、その新バージョンの制御プログラム39を相手側に送信して更新させるか否かをユーザにより選択可能とするので、インバータ装置1の管理上、ユーザが認知し得ない状況でインバータ制御プログラムが更新されると問題がある場合に、プログラムの更新にユーザの意思を反映させることができる。
また、周辺制御CPU35は、ユーザによる設定が更新拒否であった場合に、インバータ装置1側の制御プログラムにおいて使用されていない制御パラメータの設定を、スキップするので、インバータ装置1側で対応していない制御パラメータが設定されることを回避できる。
(第2実施例)
図10は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例は、インバータ装置1の内部に、制御部16A(CPUユニット)とは別に、もう1つの制御部41(CPUユニット)を備えている場合を示す。制御部41は、CPU42,RAM43,フラッシュメモリ44(第1記憶手段)で構成されており、通信部45(通信手段)を介して制御部16Aの通信部46(通信手段)とシリアル通信を行うようになっている。制御部41は、図中に破線で分けて示すように、制御部16Aが構成されている回路基板とは異なる回路基板上に構成されており、電圧変更部26を介して5V電源が供給されている。
フラッシュメモリ44には、CPU42によって実行されるインバータ制御プログラム47(i2−S/W,V108)と、制御部16AのCPU17により実行されるインバータ制御プログラム48(i1−S/W,V120)とが記憶されている。また、制御部16Aのフラッシュメモリ18Aにも、CPU42によって実行されるインバータ制御プログラム49(i2−S/W,V108)が記憶されている。制御部16AのCPU17は、通信部46を介して制御部41のCPU42と通信を行う。
斯様に構成される場合、制御部41は、後からインバータ装置1に組み込まれて制御部16Aと接続されることで、制御部16Aと制御部41とが協働するようになっている。例えば前者がマスタ、後者がスレーブとなることで、マスタ側がインバータ回路15を制御するための複数のタスクの処理を分散させるように切り分けを行い、それぞれに実行させるなどする。
すると、制御部16Aが保持している制御プログラム20,49と、制御部41が保持している制御プログラム47,48との間で、互いにバージョンが異なることも想定される。そこで、第1実施例と同様に、制御部16A,制御部41の間においても、それぞれの制御プログラムi1−S/W,i2−S/Wのバージョン情報を取得して、自身が保持している制御プログラムi1−S/W,i2−S/Wのバージョンと比較し、新しいバージョンの制御プログラムを保持している方が、当該プログラムを相手側に送信して書き込みを行わせ、更新させてバージョンアップを図るようにする。
以上のように第2実施例によれば、インバータ装置1に、2つのインバータ制御CPU17,42を搭載し、それぞれが協働してインバータ回路3を制御すると共に、各CPU17,42により実行される制御プログラムi1−S/W,i2−S/Wがバージョン情報と共にフラッシュメモリ18A,44に記憶され、各CPU毎に制御部16A,41を構成している場合、メモリフラッシュメモリ18A,44には、他方の制御部41,16Aに対応する制御プログラムi2−S/W,i1−S/Wもそれぞれのバージョン情報と併せて記憶される。
そして、CPU17,42は、他方の制御部41,16Aが保持している制御プログラム48,49のバージョン情報を取得し、そのバージョンよりも制御部16A,41が保持している制御プログラム20,47のバージョンが新しい場合には、その制御プログラムを対応する制御部に送信し、新バージョンの制御プログラムを受信した制御部のCPUは、受信した制御プログラムを自身のフラッシュメモリ18A,44に書き込んで更新する。したがって、インバータ装置1が2台の制御部16A,41を内蔵して動作する場合でも、本発明を適用することができる。
本発明は上記しかつ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
図2に示す通信オプション装置7は、必要に応じて設ければ良い。
また、電源供給手段や更新拒否設定手段も、個別の設計に応じて設ければ良い。
インバータ装置1のフラッシュメモリ18には、リモートパネル4側の制御プログラム21を持たせずに、インバータ制御プログラムのバージョンチェックと更新だけを行うように構成しても良い。また、リモートパネル4側のインバータ制御プログラムよりも、インバータ装置1が保持している制御プログラムのバージョンが新しい場合に、リモートパネル4側の制御プログラムを更新する処理も、必要に応じて行えば良い。
更に、新バージョンの制御プログラムで新たに追加された制御パラメータの格納領域を初期化する処理も、必要に応じて行えば良い。
フラッシュメモリとEEPROMとを一体化させた1つの不揮発性メモリを使用しても良い。その場合、制御部のオンチップメモリでも、外付けメモリの何れであっても良い。
第2実施例において、インバータ装置1に制御部が3つ以上内蔵されていても良い。
周辺機器は、リモートパネル4に限ることはない。
図2に示すように、インバータ装置1に対してリモートパネル4や通信オプション装置7等の複数のオプション装置が接続される場合、各装置がそれぞれの装置の制御プログラムを保持することで、第2実施例と同様に相互にバージョン情報の取得や更新処理を行うようにしても良い。
インバータ装置1の駆動対象は誘導モータに限らず、ブラシレスDCモータやIPM(Interior Permanent Magnet)モータ等の永久磁石型モータであっても良い。
本発明の第1実施例であり、インバータ装置とリモートパネルとの内部構成を示す インバータ制御システムの全体構成を示す図 リモートパネル側フラッシュメモリのマップイメージを示す図 電源が投入されて起動する場合に、インバータ装置,リモートパネル,ユーザにより行われる処理の内容を示すシーケンス図 リモートパネルの周辺制御プログラムを対象とした図4相当図 インバータ装置側で実行される処理を示すフローチャート リモートパネル側で実行される処理を示すフローチャート インバータ装置における制御プログラムの更新処理を詳細に示すフローチャート リモートパネル側の図8相当図 本発明の第2実施例を示す図1相当図
符号の説明
図面中、1はインバータ装置、4はリモートパネル(周辺機器)、15はインバータ回路、16は制御部、16Aは制御部(CPUユニット)、17はインバータ制御CPU、18はフラッシュメモリ(第1記憶手段)、20はインバータ制御プログラム、21は周辺制御プログラム、25,34は通信部(通信手段)、35は周辺制御CPU、36はフラッシュメモリ(第2記憶手段)、38は周辺制御プログラム、39はインバータ制御プログラム、41は制御部(CPUユニット)、42はインバータ制御CPU、44はフラッシュメモリ(第1記憶手段)、45,46は通信部(通信手段)、47〜49はインバータ制御プログラムを示す。

Claims (13)

  1. インバータ回路と、このインバータ回路を制御するインバータ制御CPUと、このインバータ制御CPUにより実行されるインバータ制御プログラムが、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶される第1記憶手段と、外部と通信を行う通信手段とを備えるインバータ装置と、
    このインバータ装置との間で通信手段を介して通信を行うと共に周辺制御機能を実行する周辺制御CPUと、この周辺制御CPUにより実行される周辺制御プログラムが、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶される第2記憶手段とを備える1つ以上の周辺機器とからなるインバータ制御システムにおいて、
    前記第2記憶手段には、インバータ制御プログラムも、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶されており、
    前記周辺制御CPUは、起動時において前記インバータ装置が保持している前記インバータ制御プログラムのバージョン情報を取得し、そのバージョンよりも前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムのバージョンが新しい場合には、前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムを前記インバータ装置側に送信し、
    前記インバータ制御CPUは、前記周辺機器より受信したインバータ制御プログラムを前記第1記憶手段に書き込んで更新することを特徴とするインバータ制御システム。
  2. 前記周辺制御CPUは、前記インバータ装置が保持している前記インバータ制御プログラムのバージョンが、前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムのバージョンよりも新しい場合には、前記インバータ装置に対してプログラム転送命令を送信し、
    前記インバータ制御CPUは、前記第1記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムを前記周辺機器側に送信し、
    前記周辺制御CPUは、前記インバータ装置より受信したインバータ制御プログラムを前記第2記憶手段に書き込んで更新することを特徴とする請求項1記載のインバータ制御システム。
  3. 前記第1記憶手段には、周辺制御プログラムも記憶されており、
    前記インバータ制御CPUは、起動時において前記周辺機器が保持している前記周辺制御プログラムのバージョン情報を取得し、そのバージョンよりも前記第1記憶手段に記憶されている周辺制御プログラムのバージョンが新しい場合には、前記第1記憶手段に記憶されている周辺制御プログラムを前記周辺機器側に送信し、
    前記周辺制御CPUは、前記インバータ装置より受信した周辺制御プログラムを前記第2記憶手段に書き込んで更新することを特徴とする請求項1又は2記載のインバータ制御システム。
  4. 前記周辺機器は、前記起動時の処理を行う場合、前記インバータ装置側に対応する機能を実行させるための動作電源を供給可能とする電源供給手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインバータ制御システム。
  5. 前記CPUは、前記記憶手段に書き込んで更新した新しいバージョンの制御プログラムにおいて、制御パラメータが格納される領域を初期化することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインバータ制御システム。
  6. 前記自身が保持している制御プログラムのバージョンが、相手側の制御プログラムのバージョンよりも新しい場合に、その新バージョンの制御プログラムを相手側に送信して更新させるか否かを、ユーザにより選択可能とする更新許否設定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のインバータ制御システム。
  7. 前記周辺制御CPUは、前記更新許否設定手段による設定が更新拒否であった場合に、インバータ装置側の制御プログラムにおいて使用されていない制御パラメータの設定を、スキップすることを特徴とする請求項6記載のインバータ制御システム。
  8. 前記インバータ装置は、前記インバータ制御CPUが複数搭載され、前記複数のCPUが協働して前記インバータ回路を制御すると共に、前記複数のCPUのそれぞれにより実行される制御プログラムが、各プログラムのバージョン情報と共に個別の記憶手段に記憶され、各CPU毎にCPUユニットを構成している場合、
    前記各CPUユニットの記憶手段には、その他のCPUユニットに対応する制御プログラムもそれぞれのバージョン情報と併せて記憶され、
    前記複数のCPUは、自身以外のCPUユニットが保持している制御プログラムのバージョン情報を取得し、そのバージョンよりも自身が属するユニットが保持している制御プログラムのバージョンが新しい場合には、その制御プログラムを対応するCPUユニットに送信し、
    前記新バージョンの制御プログラムを受信したCPUユニットのCPUは、受信した制御プログラムを自身の記憶手段に書き込んで更新することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のインバータ制御システム。
  9. インバータ回路と、このインバータ回路を制御するインバータ制御CPUと、このインバータ制御CPUにより実行されるインバータ制御プログラムが、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶される第1記憶手段とを備えるインバータ装置に通信手段を介して接続され、周辺制御機能を実行する周辺機器において、
    前記インバータ装置との間で通信を行うと共に前記周辺制御機能を実行する周辺制御CPUと、
    この周辺制御CPUにより実行される周辺制御プログラムが記憶されると共に、インバータ制御プログラムが、当該プログラムのバージョン情報と共に記憶される第2記憶手段とを備え、
    前記周辺制御CPUは、起動時において前記インバータ装置が保持している前記インバータ制御プログラムのバージョン情報を取得し、そのバージョンよりも前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムのバージョンが新しい場合には、前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムを前記インバータ装置側に送信して、前記第1記憶手段に記憶されている制御プログラムを更新させることを特徴とするインバータ装置の周辺機器。
  10. 前記周辺制御CPUは、前記インバータ装置が保持している前記インバータ制御プログラムのバージョンが、前記第2記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムのバージョンよりも新しい場合には、前記インバータ装置に前記第1記憶手段に記憶されているインバータ制御プログラムを送信させて、当該制御プログラムを前記第2記憶手段に書き込んで更新することを特徴とする請求項9記載のインバータ装置の周辺機器。
  11. 前記周辺機器は、前記起動時の処理を行う場合、前記インバータ装置側に対応する機能を実行させるための動作電源を供給可能とする電源供給手段を備えていることを特徴とする請求項9又は10記載のインバータ装置の周辺機器。
  12. 前記インバータ装置より取得した制御プログラムのバージョンよりも、前記第2記憶手段に記憶されている制御プログラムのバージョンが新しい場合に、その新バージョンの制御プログラムを送信して更新させるか否かを、ユーザにより選択可能とする更新許否設定手段を備えることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載のインバータ装置の周辺機器。
  13. 前記周辺制御CPUは、前記更新許否設定手段による設定が更新拒否であった場合に、インバータ装置側の制御プログラムにおいて使用されていない制御パラメータの設定を、スキップすることを特徴とする請求項12記載のインバータ装置の周辺機器。
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