JP2010021068A - 酸化物超電導線材の前駆体線とその製造方法、および前記前駆体線を用いた酸化物超電導線材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】全体を断面正六角形の中心部を取り囲む複数の断面正六角形の外周セグメントを用いてハニカム状に構成し、外周セグメントを複数のリボン状のフィラメントの集合体とし、各フィラメントの幅広面が中心部を囲むように配置させた酸化物超電導線材の前駆体線。全体を正六角形の中心部を取り囲む複数の外周セグメントを用いてハニカム状に構成し、外周セグメントを、前記外周セグメントを構成する複数のリボン状の各フィラメントの幅広面が前記中心部を囲むように配置する酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法。前記前駆体線を用いて作製された酸化物超電導線材。
【選択図】図3
Description
まず、結晶の配向性を向上するための方法としてはフィラメントを薄くする方法が考えられる。具体的には、所定の太さの酸化物超電導線材において、図11に示すように、例えばフィラメント2の断面が長方形の単芯線(以下単芯矩形線ともいう)16を成形して、この単芯矩形線16を複数本積層する方法が考えられる。また、さらに効果を高める方法としては、図12に示すように、単芯矩形線16の本数を多くして、1本毎の太さを細くし、積層して配置する方法が考えられる。
銀または銀合金製の第1シースの内側に、断面正六角形の中心部を取り囲む複数本の断面正六角形の外周セグメントがハニカム状に密接して配置されている酸化物超電導線材の前駆体線であって、
前記外周セグメントは、酸化物超電導体の前駆体のリボン状のフィラメントの周囲に銀または銀合金製の第2シースが被覆され断面外周が直線部から構成された単芯線を、最長の直線部同士が相互に接するように配置された単芯線の集合体であって、単芯線同士の境界線が前記外周セグメントの断面のいずれか1辺に平行であるセグメントa、およびいずれか1辺に直角であるセグメントbにより構成され、
前記中心部の断面中心から前記中心部の断面の各辺の中心を通る延長線上に、1本または複数本の前記セグメントaが、前記単芯線同士の境界線が前記延長線に直角に位置するように配置され、
その他の空間には、複数本のセグメントbが、前記単芯線同士の境界線が前記中心部を取り囲むように配置されていることを特徴とする酸化物超電導線材の前駆体線である。
前記セグメントbは、断面形状が三角形または五角形のフィラメントを有することを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材の前駆体線である。
前記外周セグメントが2〜4本の単芯線の集合体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化物超電導線材の前駆体線である。
前記単芯線の総本数が200本を超えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の前駆体線である。
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法であって、
酸化物超電導体の前駆体のフィラメントの周囲に銀または銀合金製の第2シースが被覆された断面が円形の単芯丸線を圧延および/またはダイス引き抜き加工して、断面外周が直線部から構成された断面多角形の単芯線を作製する単芯線作製工程、
前記単芯線を2本以上、断面が正六角形であって単芯線同士の境界線が前記正六角形のいずれか1辺に平行となるように組み合わせてセグメントaを作製するセグメントa作製工程、
前記単芯線を2本以上、断面が正六角形であって単芯線同士の境界線が前記正六角形のいずれか1辺に垂直となるように組み合わせてセグメントbを作製するセグメントb作製工程、
銀または銀合金製の第1シース内において、断面正六角形の中心部の周囲に、複数本の前記セグメントaおよびセグメントbを、単芯線同士の境界線が前記中心部を取り囲むように配置するセグメント配置工程、
さらに、前記第1シースを伸線して複数本のセグメントをハニカム状に密接に嵌合させるセグメント嵌合工程とを有することを特徴とする酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法である。
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法であって、
酸化物超電導体の前駆体のフィラメントの周囲に銀または銀合金製の第2シースが被覆された断面が円形の単芯丸線を圧延および/またはダイス引き抜き加工して、断面外周が直線部から構成された単芯矩形線を作製する単芯矩形線作製工程、
前記単芯矩形線を2本以上、断面外周の最長の直線部同士を接合して単芯矩形線の集合体を作製する集合体作製工程、
前記集合体を伸線して断面が円形の円形セグメントを作製する円形セグメント作製工程
、
前記円形セグメントを、断面が正六角形であって、前記単芯矩形線同士の境界線が前記正六角形のいずれか1辺に平行となるように伸線してセグメントaを作製するセグメントa作製工程、
前記円形セグメントを、断面が正六角形であって、前記単芯矩形線同士の境界線が前記正六角形のいずれか1辺に直角となるように伸線してセグメントbを作製するセグメントb作製工程、
銀または銀合金製の第1シース内において、断面正六角形の中心部の周囲に、1本または複数本の前記セグメントaを、前記中心部の断面中心から中心部の断面の各辺の中心を通る延長線上に、前記単芯矩形線同士の境界線が前記延長線に直角に位置するように配置し、複数本の前記セグメントbを、その他の空間に、前記単芯矩形線同士の境界線が前記中心部を取り囲むように配置するセグメント配置工程、
さらに、前記第1シースを伸線して複数本のセグメントをハニカム状に密接に嵌合させるセグメント嵌合工程とを有することを特徴とする酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法である。
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の前駆体線が、伸線された後、熱処理されていることを特徴とする酸化物超電導線材である。
前記酸化物超電導線材の前駆体線が、伸線により断面が等方的な形状に形成された後、熱処理されていることを特徴とする請求項7に記載の酸化物超電導線材である。
前記酸化物超電導線材の前駆体線が、伸線され、その後テープ状に圧延された後、熱処理されていることを特徴とする請求項7に記載の酸化物超電導線材である。
フィラメントの厚さが4〜20μm、幅が200〜1000μmであることを特徴とする請求項9に記載の酸化物超電導線材である。
Bi系酸化物超電導線材であることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材である。
(1)3本の単芯線からなる外周セグメントの構成
イ.セグメントa
図1は本発明の一実施の形態に係る酸化物超電導線材の前駆体線のセグメントであって、3本の単芯線からなるセグメントの断面を示す図である。図1(a)はセグメントa(1a)の断面を示す図であって、上側の図は単芯線同士の境界線の状態を示し、下側の図はフィラメントの形状と配置を示す図である。図1(a)に示すようにセグメントaは断面が正六角形であり、酸化物超電導体の前駆体を主成分としリボン状に形成された3本のフィラメント2、銀または銀合金製の第2シース3から構成されており、各フィラメント2の幅広面13および単芯線同士の境界線4はセグメントaのいずれか1辺、即ち図1(a)の場合は上辺または下辺と略平行である。そして、上下両端のフィラメントは断面形状が台形に形成されている。
図1(b)はセグメントb(1b)の断面を示す図であって、上側の図は単芯線同士の境界線の状態を示し、下側の図はフィラメントの形状と配置を示す図である。図1(b)に示すようにセグメントbの場合は、フィラメント2の幅広面13および境界線4はセグメントbのいずれか1辺、即ち図1(b)の場合は上辺または下辺に対して略直角である。そして、左右両端のフィラメントは断面形状が三角形に形成されている。
3本以外の単芯線からなるセグメントの好ましい構成例として図2に2本および4本の単芯線からなるセグメントaおよびセグメントbの断面を示す。図2(a)、図2(b)はそれぞれ単芯線が4本、2本からなるセグメントa(各フィラメント2の幅広面13および単芯線同士の境界線4がセグメントのいずれか1辺と略平行)である1a、およびセグメントb(フィラメント2の幅広面13および境界線4がセグメントのいずれか1辺に対して略直角)である1bの断面を示す図である。図2(a)に示すようにセグメントaにおいては上下両端のフィラメントの断面は台形に形成され、一方図2(b)に示すようにセグメントbにおいては左右両端のフィラメントの断面は三角形または五角形に形成されている。
次いで、本発明の一実施の形態に係る酸化物超電導線材の前駆体線の構成について説明する。なお、以下においては説明の便宜上、前記の単芯線を単芯セグメントと称し、単芯線の集合体をセグメント集合ユニットと称する。
次にセグメント集合ユニットの作製について説明する。
セグメント集合ユニットの第1の作製方法は、単芯丸線を圧延および/またはダイス引き抜き加工して、断面外周が直線部から構成された断面多角形の単芯セグメントを作製し、作製した単芯セグメントを複数本組み合わせてセグメント集合ユニットを作製する方法である。
イ.単芯丸線の作製
図4aはセグメント集合ユニットの第1の作製方法によるセグメント集合ユニットaの作製の流れを示すフロー図である。
図4aに示すように、まず単芯丸線8を作製する。具体的には、所定の外形および内径を有する銀または銀合金製の円筒状の第2シース3の中に酸化物超電導体の前駆体を主成分とする粉末を充填してフィラメント2を形成した後、所定の太さになるように伸線して単芯丸線8を作製する。
次いで、作製した単芯丸線8を所定の厚さに圧延および/またはダイス引き抜き加工して断面外周部が直線部で構成された断面矩形の単芯セグメント9aおよび9a’を作製する。この圧延および/またはダイス引き抜き加工の工程でフィラメント2は幅広面13、13’を有する薄いリボン状に圧延等がなされ、前駆体粉末の結晶の配向性が高められる。また、フィラメント2の幅広面13、13’は最長の直線部10、10’と略平行となっている。
作製した断面矩形の単芯セグメント9aおよび9a’を再度圧延および/またはダイス引き抜き加工をして断面が六角形の単芯セグメント17a、断面が台形の単芯セグメント17a’を作製する。
作製した単芯セグメント17aを中央に配置し、その両側に単芯セグメント17a’を配置して単芯セグメント17aの最長の直線部10と単芯セグメント17a’の最長の直線部10’を接合させて断面が正六角形のセグメント集合ユニットa(1a)を作製する。このようにして作製されたセグメント集合ユニットa(1a)においては、単芯セグメント同士の境界線4が正六角形の1辺と平行になっている。
イ.単芯丸線および断面矩形の単芯セグメントの作製
図4bはセグメント集合ユニットの第1の作製方法によるセグメント集合ユニットbの作製の流れを示すフロー図である。
図4bに示すように、前記セグメント集合ユニットaの作製の場合と同様にまず単芯丸線8を作製する。次いで、作製した単芯丸線8を所定の厚さに圧延および/またはダイス引き抜き加工をして断面外周部が直線部で構成された断面矩形の単芯セグメント9bおよび9b’を作製する。この圧延および/またはダイス引き抜き加工の工程でフィラメント2は幅広面13、13’を有する薄いリボン状に圧延され、前駆体粉末の結晶の配向性が高められる。また、フィラメント2の幅広面13、13’は最長の直線部10、10’と略平行となっている。
作製した断面矩形の単芯セグメント9b’を再度圧延および/またはダイス引き抜き加工をして断面が三角形の単芯セグメント17b’を作製する。
作製した断面矩形の単芯セグメント9bを中央に配置し、その両側に単芯セグメント17b’を配置して断面矩形の単芯セグメント9bの最長の直線部10と単芯セグメント17b’の最長の直線部10’を接合させて断面が正六角形のセグメント集合ユニットb(1b)を作製をする。このようにして作製されたセグメント集合ユニットb(1b)においては、単芯セグメント同士の境界線4が正六角形の1辺に直角になっている。
セグメント集合ユニットの第2の作製方法は、単芯丸線を圧延および/またはダイス引き抜き加工をして、断面矩形の単芯セグメントを作製し、作製した断面矩形の単芯セグメントを2本以上、断面外周の最長の直線部同士を接合して断面矩形の単芯セグメントの集合体とした後、前記集合体を伸線して断面が円形の円形セグメントを作製し、円形セグメントをさらに加工して断面が正六角形のセグメント集合ユニットを作製する方法である。
図5はセグメント集合ユニットの第2の作製方法によるセグメント集合ユニットa、セグメント集合ユニットbの作製の流れを示すフロー図である。まず前記セグメント集合ユニットの第1の作製方法と同様の方法で単芯丸線8を作製する。次いで作製した単芯丸線8に圧延および/またはダイス引き抜き加工をして断面外周部が直線部で構成された断面矩形の単芯セグメント9を作製する。この圧延の工程でフィラメント2は幅広面13を有する薄いリボン状に圧延され、前駆体粉末の結晶の配向性が高められる。また、フィラメント2の幅広面13は最長の直線部10と略平行となっている。
次いで、作製した単芯矩形線9の複数本(図5には3本の例を示している。)を最長の直線部10同士が接するように積層して加熱し、最長の直線部10同士を接合する。なお、接合された最長の直線部10が単芯線同士の境界線4となる。
次いで、作製した集合体11を、所定の径を有する断面が円形の線になるように伸線して円形セグメント12を作製する。このように、集合体11から直接六角形のセグメント集合ユニットを作製するのではなく一旦円形セグメントを経由することにより伸線時に過度に不均一な応力が加わったり、不均一な変形が発生することを抑制できる。
次いで、作製した円形セグメント12を断面が所定の長さの辺を有する正六角形に形成されると共に、境界線4が正六角形のいずれか1辺に平行に形成されるように伸線し、セグメント集合ユニットa(1a)を作製する。
一方、円形セグメント12を、断面の辺の長さがセグメント集合ユニットaと同じであって、境界線4が正六角形のいずれか1辺に直角に形成されるように伸線し、セグメント集合ユニットb(1b)を作製する。
なお、図5の円形セグメント12からセグメント集合ユニットa(1a)およびセグメント集合ユニットb(1b)に至る中間の図に破線で示した正六角形は、セグメント集合ユニットの断面形状を正六角形にすることを示すための架空の線である。
次に前駆体線および酸化物超電導線材の作製について説明する。
イ.前駆体線の作製
1本の中心セグメントおよび所定本数のセグメント集合ユニットaおよびセグメント集合ユニットbを前記図3に示す構成となるように所定の外径および内径を有する銀または銀合金製の円筒状の第1シース6の中に挿入し、その後伸線して挿入した複数本のセグメント集合ユニットをハニカム状に密接させて嵌合し、前駆体線を作製する。なお、図6および図7はこのようにして作製された前駆体線の断面構造の1例を示す断面図であって、図6はセグメントの配置を示す図であり、図7はフィラメントの配置を示す図である。図7に示すように、いずれのフィラメント2についても幅広面13が前駆体線5の中心(中心セグメント)を囲むようにフィラメント2が配置されている。なお、図6、図7に示した例は、最外周に一部断面が五角形のセグメント集合ユニットを配置した例である。
前記により作製された酸化物超電導線材の前駆体線をさらに伸線し、所定の条件で熱処理を行って酸化物超電導線材を作製する。このようにして作製された酸化物超電導線材は、前記のように酸化物超電導線材の前駆体線のいずれのフィラメントについても幅広面が前駆体線の中心部(中心セグメント)を囲むようにフィラメントが配置されているため、伸線による縮径に際して幅広面13に応力が均一に加わり、その結果フィラメントを構成する酸化物超電導体の前駆体の結晶の配向性が高められ、さらに第2シース3の破れ発生が抑制された酸化物超電導線材として形成されている。
。また、伸線後、さらに圧延してテープ状や断面形状がテープ状と円形の中間的な矩形線材を作製することもできる。これらテープ状の線材や矩形線材は丸線と比べると臨界電流密度、交流損失の外部磁場に対する異方性は大きくなるが、丸線から圧延加工で矩形断面に加工することによって、粉末の密度を高めることができるので、臨界電流密度が高くなる。
(1)実施例1〜実施例5
実施例1〜実施例5は、中心部に断面正六角形の銀製の中心セグメントを配置し、前記セグメント集合ユニットの第1の作製方法により作製したセグメント集合ユニットを用いて酸化物超電導線材の前駆体線を作製した例である。
イ.単芯セグメントおよびセグメント集合ユニットの作製
Br2O3、PbO、SrCO3、CaCO3 およびCuOを、Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.7:0.3:1.9:2:3の組成比になるように、混合した。混合物に対し、熱処理および粉砕を繰返して行ない、酸化物超電導体の前駆体である粉末を得た。得られた粉末を、外径50mm、内径46mmの銀製の第2シース中に充填し、これを3mmφまで伸線して単芯丸線とし、さらに、断面が幅3mmから4mm、厚さ0.5mmから1mmとなるように圧延して、断面矩形の単芯セグメントとし、さらに異形ダイスを用いて伸線して図4aに示した断面が台形、六角形、および図4bに示した三角形の複数の単芯セグメントを作製した。これらの断面が台形と六角形の単芯セグメントを組み合わせてセグメント集合ユニットaを作製し、断面矩形の単芯セグメントと三角形の単芯セグメントを組み合わせてセグメント集合ユニットbを作製した。
外径38mm、内径32mmの銀製の第1シースの断面の中心に銀製の中心セグメントcを配置し、前記した前駆体線の作製方法に従い酸化物超電導線材の前駆体線を作製した。配列したセグメント集合ユニットa、bの単芯線の数は200本を超える本数にした。実施例1〜実施例5におけるセグメント集合ユニットa、セグメント集合ユニットbの1本のセグメント集合ユニットに含まれる単芯セグメントの本数、1本の酸化物超電導線材の前駆体線に含まれるセグメント集合ユニットの本数(セグメント集合ユニットaの本数+セグメント集合ユニットbの本数)および単芯セグメントの本数を表1に示す。
前記実施例1〜実施例5において作製した酸化物超電導線材の前駆体線について、直径1.6mmφまで伸線した後切断し、断面観察によりの第2シースの破れ箇所を観察した。そして、1断面当たりに、破れ箇所の数が10以上あれば×、10未満は○と判定した。結果を表1に示す。
次に、比較例1〜比較例3として、前記実施例と同じ第1シースに前記実施例において作製した正六角形断面の単芯線をそれぞれ217本、271本、331本挿入した後、実施例同様1.6mmφまで伸線し、第2シースの破れ箇所を観察し、実施例と同様に判定した。結果を表2に示す。
イ.酸化物超電導線材(丸線)
前記実施例2で用いた酸化物超電導線材の前駆体線と比較例2で用いた単芯丸線の前駆体線を、830℃で20時間、酸素分圧が8kPaで大気圧下の条件で熱処理した後、1.5mmφに伸線して、830℃で50時間、酸素分圧が8kPa、全圧30MPaの条件で熱処理し、酸化物超電導線材(丸線)とした。液体窒素温度、外部磁場0において作製した酸化物超電導線材(丸線)の臨界電流を測定した。結果は比較例2の前駆体線を用いた場合の臨界電流値が70Aであったのに対して、実施例2の前駆体線を用いた場合においては臨界電流値が110Aであった。
前記実施例2で用いた酸化物超電導線材の前駆体線を直径1.6mmφに伸線した線材と比較例2で用いた単芯丸線の前駆体線を直径1.6mmφに伸線した線材を、厚み0.26mmになるよう圧延した後、830℃で20時間、酸素分圧が8kPaで大気圧下の条件で熱処理した。その後厚みが0.24mmとなるよう再度圧延を施した。次いで、830℃で50時間、酸素分圧が8kPaで全圧30MPaの条件で熱処理を行ない酸化物超電導線材(テープ線)を作製した。これら両者のテープ線について前記丸線の場合と同じ条件で臨界電流を測定した。結果は比較例2の前駆体線を用いた場合の臨界電流値が160Aであったのに対して、実施例2の前駆体線を用いた場合においては臨界電流値が230Aであった。
1b セグメント集合ユニットb
1c 中心セグメント
2、2’ フィラメント
3 第2シース
4 境界線
5 前駆体線
6 第1シース
7 延長線
8、14 単芯丸線
9、9a、9a’、9b、9b’ 断面矩形の単芯セグメント
10、10’ 最長の直線部
11 集合体
12 円形セグメント
13、13’ 幅広面
15 単芯六角線
16 単芯矩形線
17a、17a’、17b 単芯セグメント
Claims (11)
- 銀または銀合金製の第1シースの内側に、断面正六角形の中心部を取り囲む複数本の断面正六角形の外周セグメントがハニカム状に密接して配置されている酸化物超電導線材の前駆体線であって、
前記外周セグメントは、酸化物超電導体の前駆体のリボン状のフィラメントの周囲に銀または銀合金製の第2シースが被覆され断面外周が直線部から構成された単芯線を、最長の直線部同士が相互に接するように配置された単芯線の集合体であって、単芯線同士の境界線が前記外周セグメントの断面のいずれか1辺に平行であるセグメントa、およびいずれか1辺に直角であるセグメントbにより構成され、
前記中心部の断面中心から前記中心部の断面の各辺の中心を通る延長線上に、1本または複数本の前記セグメントaが、前記単芯線同士の境界線が前記延長線に直角に位置するように配置され、
その他の空間には、複数本のセグメントbが、前記単芯線同士の境界線が前記中心部を取り囲むように配置されていることを特徴とする酸化物超電導線材の前駆体線。 - 前記セグメントbは、断面形状が三角形または五角形のフィラメントを有することを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材の前駆体線。
- 前記外周セグメントが2〜4本の単芯線の集合体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化物超電導線材の前駆体線。
- 前記単芯線の総本数が200本を超えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の前駆体線。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法であって、
酸化物超電導体の前駆体のフィラメントの周囲に銀または銀合金製の第2シースが被覆された断面が円形の単芯丸線を圧延および/またはダイス引き抜き加工して、断面外周が直線部から構成された断面多角形の単芯線を作製する単芯線作製工程、
前記単芯線を2本以上、断面が正六角形であって単芯線同士の境界線が前記正六角形のいずれか1辺に平行となるように組み合わせてセグメントaを作製するセグメントa作製工程、
前記単芯線を2本以上、断面が正六角形であって単芯線同士の境界線が前記正六角形のいずれか1辺に垂直となるように組み合わせてセグメントbを作製するセグメントb作製工程、
銀または銀合金製の第1シース内において、断面正六角形の中心部の周囲に、複数本の前記セグメントaおよびセグメントbを、単芯線同士の境界線が前記中心部を取り囲むように配置するセグメント配置工程、
さらに、前記第1シースを伸線して複数本のセグメントをハニカム状に密接に嵌合させるセグメント嵌合工程とを有することを特徴とする酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法であって、
酸化物超電導体の前駆体のフィラメントの周囲に銀または銀合金製の第2シースが被覆された断面が円形の単芯丸線を圧延および/またはダイス引き抜き加工して、断面外周が直線部から構成された単芯矩形線を作製する単芯矩形線作製工程、
前記単芯矩形線を2本以上、断面外周の最長の直線部同士を接合して単芯矩形線の集合体を作製する集合体作製工程、
前記集合体を伸線して断面が円形の円形セグメントを作製する円形セグメント作製工程
、
前記円形セグメントを、断面が正六角形であって、前記単芯矩形線同士の境界線が前記正六角形のいずれか1辺に平行となるように伸線してセグメントaを作製するセグメントa作製工程、
前記円形セグメントを、断面が正六角形であって、前記単芯矩形線同士の境界線が前記正六角形のいずれか1辺に直角となるように伸線してセグメントbを作製するセグメントb作製工程、
銀または銀合金製の第1シース内において、断面正六角形の中心部の周囲に、1本または複数本の前記セグメントaを、前記中心部の断面中心から中心部の断面の各辺の中心を通る延長線上に、前記単芯矩形線同士の境界線が前記延長線に直角に位置するように配置し、複数本の前記セグメントbを、その他の空間に、前記単芯矩形線同士の境界線が前記中心部を取り囲むように配置するセグメント配置工程、
さらに、前記第1シースを伸線して複数本のセグメントをハニカム状に密接に嵌合させるセグメント嵌合工程とを有することを特徴とする酸化物超電導線材の前駆体線の製造方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の前駆体線が、伸線された後、熱処理されていることを特徴とする酸化物超電導線材。
- 前記酸化物超電導線材の前駆体線が、伸線により断面が等方的な形状に形成された後、熱処理されていることを特徴とする請求項7に記載の酸化物超電導線材。
- 前記酸化物超電導線材の前駆体線が、伸線され、その後テープ状に圧延された後、熱処理されていることを特徴とする請求項7に記載の酸化物超電導線材。
- フィラメントの厚さが4〜20μm、幅が200〜1000μmであることを特徴とする請求項9に記載の酸化物超電導線材。
- Bi系酸化物超電導線材であることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材。
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