JP2010020912A - リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 リチウム二次電池の負極における低温でのリチウムイオンの受入れ性を向上させて、負極にリチウムが析出するのを防止すると共に、低温でのリチウム二次電池の充放電特性を向上させ、低温環境下においても十分な電池容量が得られるようにする。
【解決手段】 リチウム二次電池の負極において、負極集電体1の上にリチウムとの反応開始電圧が異なる負極活物質を用いた負極活物質層を形成するにあたり、リチウムとの反応開始電圧が最も貴な第1負極活物質を含む第1負極活物質層2を負極集電体の上に部分的に設け、リチウムとの反応開始電圧が上記の第1負極活物質よりも卑な第2負極活物質を含む第2負極活物質層を、上記の第1負極活物質層の上に積層させると共に第1負極活物質層が設けられていない負極集電体の上に設けた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、負極集電体の上に負極活物質を含む負極活物質層が形成されたリチウム二次電池用負極及びこのようなリチウム二次電池用負極を用いたリチウム二次電池に係り、特に、低温状態での負極におけるリチウムイオンの受入れ性を十分に向上させ、負極にリチウムが析出するのを防止すると共に、低温環境下でのリチウム二次電池の充放電特性を向上させて、低温環境下においても十分な電池容量が得られるようにした点に特徴を有するものである。
近年、携帯電子機器や電力貯蔵用等の電源として、非水電解液を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて、充放電を行うようにしたリチウム二次電池が利用されている。
そして、このようなリチウム二次電池においては、その負極における負極活物質として黒鉛材料が広く利用されている。
ここで、このように負極活物質に黒鉛材料を用いた場合、放電電位が平坦であると共に、リチウムイオンがこの黒鉛結晶層間に挿入・脱離されて充放電されるため、針状の金属リチウムの発生が抑制され、充放電による体積変化も少ないという利点がある。
しかし、このように負極における負極活物質に黒鉛材料を用いたリチウム二次電池においても、低温環境下においては、この負極におけるリチウムイオンの受入れ性が悪くなって、この負極にリチウムが析出したり、また低温環境下におけるリチウム二次電池の充電特性が低下し、十分な電池容量が得られなくなったりするという問題があった。
このため、近年においては、特許文献1に示されるように、負極集電体の上に形成する負極活物質層に、負極活物質以外にLiを挿入及び/又は放出しない物質であるAlの酸化物等を含有させ、通電時に生じるジュール熱をこの物質に吸熱させ、この物質からの熱によって負極の温度が低下するのを抑制して、リチウム二次電池の低温特性及び保存特性を向上させるようにしたものが提案されている。
しかし、このように負極活物質層にLiを挿入及び/又は放出しない物質を含有させると、この負極活物質層における負極活物質の割合が低下して、リチウム二次電池の電池容量が低下するという問題があった。
また、上記のリチウム二次電池が低温環境下に放置されて、リチウム二次電池全体が低温になった状態において、このリチウム二次電池を充電させる場合には、負極が低温状態のままで充電されるようになり、依然として、負極におけるリチウムイオンの受入れ性が悪く、前記のように負極にリチウムが析出したり、低温環境下におけるリチウム二次電池の充電特性が低下したりするという問題が存在した。
また、特許文献2に示されるように、負極集電体の上に鱗片状の黒鉛材料からなる負極活物質を用いた負極活物質層を形成するにあたり、上記の負極集電体と負極活物質層との間に、上記の黒鉛材料よりも貴な電位でLiイオンを吸蔵・放出する材料からなる中間層を設け、充電時に先に上記の中間層においてLiイオンの吸蔵反応を生じさせて、負極中における非水電解質にLiイオンの濃度勾配を生じさせ、負極表面近傍から負極集電体近傍へのLiイオンの拡散速度を加速させて、リチウム二次電池における低温時の充放電特性を向上させることが提案されている。
しかし、この特許文献2に示されるものにおいては、負極集電体全体に中間層を設け、この中間層の上に負極活物質層を積層させるようになっており、上記のようにリチウム二次電池が低温環境下に放置されて、リチウム二次電池全体が低温になった状態で、このリチウム二次電池を充電させるようにした場合、依然として、負極におけるリチウムイオンの受入れ性が十分に向上されず、この負極にリチウムが析出したりする等の問題があった。
特開2000−277157号公報 特開2007−200862号公報
本発明は、リチウム二次電池における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、低温状態での負極におけるリチウムイオンの受入れ性を十分に向上させ、負極にリチウムが析出するのを防止すると共に、低温環境下でのリチウム二次電池の充放電特性を向上させて、低温環境下においても十分な電池容量が得られるようにすることを課題とするものである。
本発明のリチウム二次電池用負極においては、上記のような課題を解決するため、負極集電体の上に負極活物質を含む負極活物質層が形成されたリチウム二次電池用負極において、リチウムとの反応開始電圧が異なる負極活物質を用いた少なくとも2層の負極活物質層を形成するにあたり、上記の負極活物質の中でリチウムとの反応開始電圧が最も貴な第1負極活物質を含む第1負極活物質層を上記の負極集電体の上に部分的に設け、リチウムとの反応開始電圧が上記の第1負極活物質よりも卑な第2負極活物質を含む第2負極活物質層を、上記の第1負極活物質層の上に積層させると共に第1負極活物質層が設けられていない負極集電体の上に設けた。
また、本発明のリチウム二次電池においては、その負極に上記のようなリチウム二次電池用負極を用いた。
本発明のリチウム二次電池においては、上記のように負極活物質の中でリチウムとの反応開始電圧が最も貴な第1負極活物質を含む第1負極活物質層を負極集電体の上に部分的に設け、リチウムとの反応開始電圧が上記の第1負極活物質よりも卑な第2負極活物質を含む第2負極活物質層を、上記の第1負極活物質層の上に積層させると共に第1負極活物質層が設けられていない負極集電体の上に設けたリチウム二次電池用負極を用いたため、このリチウム二次電池の負極にリチウムイオンを吸蔵させて、リチウム二次電池を充電させる初期においては、負極集電体の上に部分的に設けられた第1負極活物質層におけるリチウムとの反応開始電圧が最も貴な第1負極活物質が反応し、その後、上記の第2負極活物質層におけるリチウムとの反応開始電圧が上記の第1負極活物質よりも卑な第2負極活物質が反応するようになる。
そして、上記のようにリチウム二次電池を充電させる初期において、負極集電体の上に部分的に設けられた第1負極活物質層における第1負極活物質と集中して反応する結果、この第1負極活物質との反応によってジュール熱が発生し、この熱により負極が加熱されるようになり、低温環境下においても、リチウムとの反応開始電圧が第1負極活物質よりも卑な上記の第2負極活物質が適切に反応されるようになる。
この結果、本発明のリチウム二次電池においては、低温状態での負極におけるリチウムイオンの受入れ性が十分に向上され、この負極にリチウムが析出するのが防止されると共に、低温環境下におけるリチウム二次電池の充放電特性が改善されて十分な電池容量が得られるようになる。
次に、本発明に係るリチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池の実施形態について具体的に説明する。なお、本発明におけるリチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池は、下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
ここで、本発明におけるリチウム二次電池用負極において、上記の負極集電体の上に部分的に設ける第1負極活物質層に用いる第1負極活物質は、上記のように負極活物質層に用いる負極活物質の中でリチウムとの反応開始電圧が貴なものであれば特に限定されないが、例えば、リチウムとの反応開始電圧が貴な化合物である、遷移金属酸化物やLi2.6Co0.4N等の窒化物を用いることができる。なお、充電開始時においては、上記のように第1負極活物質層における第1負極活物質に一時的に電流が集中するため、充放電に伴う体積変化の小さくて負極構造を維持できるものを用いることが好ましく、反応電位や充放電に伴う体積変化や容量の観点からは、チタンを含む酸化物を用いることが好ましく、特にLi4Ti512を用いることが好ましい。
一方、上記の第2負極活物質層に用いる第2負極活物質は、上記のようにリチウムとの反応開始電圧が上記の第1負極活物質よりも卑なものであればよく、例えば、黒鉛等の炭素材料、スズやシリコン等のリチウムと合金化する材料等を使用することができ、負極構造を維持するためには、充放電に伴う体積変化が小さいものを用いることが好ましく、特に、反応電位や充放電に伴う体積変化や容量の観点からは、黒鉛材料を用いることが好ましい。
なお、上記の第1負極活物質と第2負極活物質とにおけるリチウムとの反応開始電圧の差が少ないと、第1負極活物質と第2負極活物質とがほぼ同時に反応して、前記のような効果が得られなくなるおそれがあるため、第1負極活物質と第2負極活物質とにおけるリチウムとの反応開始電圧の差が0.1V以上であることが望ましい。
また、上記の第1負極活物質層においては、上記の第1負極活物質の他に、この第1負極活物質よりもリチウムとの反応開始電圧が卑な上記の第2負極活物質や、第1負極活物質層における導電性を高める導電剤を含有させることも可能であり、特に、リチウムの吸蔵・放出が可能で導電性にも優れた黒鉛材料を含有させることが好ましい。
また、上記のリチウム二次電池用負極において、上記の第1負極活物質を含む第1負極活物質層を負極集電体の上に部分的に設けるにあたっては、例えば、負極集電体の上に所定パターンのマスキングを行い、その上から塗布、スパッタ蒸着、電着等の物理的、化学的方法により第1負極活物質層を形成し、その後、マスキングを除去するようにしたり、スクリーン印刷やインクジェット等の各種印刷方法により、負極集電体の上に直接所定パターンの第1負極活物質層を形成するようにしたりすることができる。
また、上記の負極集電体の上に第1負極活物質層を部分的に設けるパターンは特に限定されず、例えば、図1の(A)に示すように、負極集電体1の上に所要間隔を介して帯状になった第1負極活物質層2を設けるようにしたり、図1の(B)に示すように、負極集電体1の上に第1負極活物質層2を散点状に設けるようにしたり、図1の(C)に示すように、負極集電体1の上に第1負極活物質層2を市松模様状に設けるようにしたり、図1の(D)に示すように、負極集電体1の上に第1負極活物質層2を格子模様状に設けるようにする等、第1負極活物質層を様々なパターンにして設けることができる。
また、上記のように負極集電体の上に第1負極活物質層を部分的に設けるにあたり、負極活物質層が設けられる負極集電体の全面積に対して、上記の第1負極活物質層の面積比率が高くなりすぎると、充電開始時に、第1負極活物質層に集中して流れる電流が減少して、第1負極活物質層において発生する単位面積あたりのジュール熱が少なくなる一方、第1負極活物質層の面積比率が低くなりすぎると、この第1負極活物質層において発生したジュール熱が負極全体に伝達されにくくなり、何れの場合にも負極が適切に加熱されなくなる。このため、負極活物質層が設けられる負極集電体の全面積に対する第1負極活物質層の面積比率を25〜75%の範囲にすることが好ましい。
また、上記のリチウム二次電池用負極を使用するにあたっては、一般に負極集電体に集電用の集電タブを取り付けることが行われており、この場合、集電タブから離れるに従って負極における電流密度が低下する。
このため、このように集電タブを設けた負極集電体の上に第1負極活物質層を部分的に設けるにあたっては、例えば、図2に示すように、集電タブ3から離れた位置の負極集電体1に設ける帯状になった第1負極活物質層2の間隔を狭くする等により、負極全体が第1負極活物質層において発生したジュール熱によって均一に加熱されるようにすることが好ましい。
また、上記の第1負極活物質層の上に第2負極活物質層を積層させるにあたり、これらの負極活物質層全体の厚みに対する第1負極活物質層の厚みの割合が少ないと、第1負極活物質層において発生したジュール熱によって第2負極活物質層が十分に加熱されなくなるため、負極活物質層全体の厚みに対する第1負極活物質層の厚みの割合を0.1以上にすることが好ましい。なお、第1負極活物質層の上に設ける上記の第2負極活物質層は複数の層で構成されていてもよい。
ここで、本発明におけるリチウム二次電池は、上記のようなリチウム二次電池用負極を用いることを特徴とするものであり、このリチウム二次電池に用いる正極や非水電解液等については、リチウム二次電池において一般に使用されているものを用いることができる。
ここで、このリチウム二次電池の正極に用いる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出することができ、その電位が貴な材料であれば特に限定されず、一般に使用されている公知の正極活物質を用いることができる。例えば、LiCoO2等のリチウム・コバルト複合酸化物、LiNiO2等のリチウム・ニッケル複合酸化物、LiMn24,LiMnO2等のリチウム・マンガン複合酸化物、LiNi1-xCox2(0<x<1)等のリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物、LiMn1-xCox2(0<x<1)等のリチウム・マンガン・コバルト複合酸化物、LiNixCoyMnz2(x+y+z=1)等のリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン複合酸化物、LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)等のリチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物等のリチウム含有遷移金属酸化物や、MnO2等のマンガン酸化物、V25等のバナジウム酸化物等の金属酸化物や、その他の酸化物や硫化物を用いることができる。
また、このリチウム二次電池における非水電解液としても、一般に使用されている非水系溶媒に溶質を溶解させたものを用いることができる。
ここで、上記の非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネートと、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネートとの混合溶媒や、環状カーボネートと1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒との混合溶媒を使用することができる。
また、上記の溶質としては、例えば、LiPF6,LiBF4,LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3SO2)(C49SO2),LiC(CF3SO23,LiC(C25SO23,LiAsF6,LiClO4,Li210Cl10,Li212Cl12や、これらの混合物等を用いることができる。
次に、本発明に係るリチウム二次電池用負極について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例に係るリチウム二次電池用負極を用いた場合に、低温環境下におけるリチウム二次電池の充放電特性が向上することを、比較例を挙げて明らかにする。
(実施例1)
負極活物質としては、リチウムとの反応開始電圧が貴な第1負極活物質にチタン酸リチウム(Li4Ti512)を用いる一方、この第1負極活物質よりもリチウムとの反応開始電圧が卑な第2負極活物質に黒鉛を用いるようにした。
そして、上記のチタン酸リチウムと黒鉛とを1:1の質量比で混合させた負極活物質と、バインダーのスチレン−ブタジエンゴムとを、増粘剤のカルボキシメチルセルロースを水に溶かした水溶液中に、上記の負極活物質とバインダーと増粘剤との質量比が98:1:1になるように加え、これらを混練して第1負極合剤スラリーを作製した。
また、上記の黒鉛からなる負極活物質と、バインダーのスチレン−ブタジエンゴムとを、増粘剤のカルボキシメチルセルロースを水に溶かした水溶液中に、上記の負極活物質とバインダーと増粘剤との重量比が98:1:1になるように加え、これらを混練して第2負極合剤スラリーを作製した。
そして、銅箔からなる負極集電体の上にマスキングテープを用いてマスキングを行い、マスキングされた負極集電体の上からドクターブレード法により、上記の第1負極合剤スラリーを塗布し、これを乾燥させた後、上記のマスキングテープを除去し、上記の負極集電体の上に、厚みが50μmで幅が5mmの帯状になった第1負極活物質層を5mm間隔で形成した。
次いで、このように第1負極活物質層が形成された負極集電体の上に、ドクターブレード法により上記の第2負極合剤スラリーを塗布し、これを乾燥させて、上記の第1負極活物質層の上及び第1負極活物質層が形成されていない負極集電体の上に第2負極活物質層を形成し、その後、これを20×20mmの大きさに切断し、負極活物質層全体の厚みが100μmになった負極を作製した。
ここで、この負極においては、負極集電体の上に接触して形成された負極活物質層全体の面積に対する第1負極活物質層の面積の割合が0.5になっている。
(実施例2)
実施例2においては、銅箔からなる負極集電体の上にマスキングテープを用いて第1負極活物質層を形成するにあたり、マスキングテープの幅及びマスキングテープ間の間隔を変更し、上記の負極集電体の上に、厚みが50μmで幅が2.5mmの帯状になった第1負極活物質層を2.5mm間隔で形成し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして負極を作製した。なお、この負極においても、負極集電体の上に接触して形成された負極活物質層全体の面積に対する第1負極活物質層の面積の割合が0.5になっている。
(比較例1)
比較例1においては、上記の銅箔からなる負極集電体の上にマスキングを行わずに、この負極集電体の上に、上記の第1負極合剤スラリーをドクターブレード法により塗布し、これを乾燥させて、厚みが50μmになった第1負極活物質層を上記の負極集電体の上に形成した後、この第1負極活物質層の上に、ドクターブレード法により上記の第2負極合剤スラリーを塗布し、これを乾燥させて、第1負極活物質層の上にだけ第2負極活物質層を形成し、その後、これを20×20mmの大きさに切断し、負極活物質層全体の厚みが100μmになった負極を作製した。なお、この負極においては、負極集電体の上に接触して形成された負極活物質層全体の面積に対する第1負極活物質層の面積の割合は1になっている。
(比較例2)
比較例2においては、上記の銅箔からなる負極集電体の上に、上記の第1負極合剤スラリーをドクターブレード法により塗布し、これを乾燥させ、負極活物質としてチタン酸リチウムと黒鉛とを含む厚みが50μmになった負極活物質層だけを形成するようにした。
(比較例3)
比較例3においては、上記の銅箔からなる負極集電体の上に、上記の第2負極合剤スラリーをドクターブレード法により塗布し、これを乾燥させて、負極活物質として黒鉛だけを含む厚みが50μmになった負極活物質層だけを形成するようにした。
次に、上記のようにして作製した実施例1,2及び比較例1〜3の各負極を用いて、図3に示す三電極式試験セルを作製した。
ここで、上記の三電極式試験セルにおいては、上記の各負極を作用極11に用い、正極となる対極12及び参照極13にそれぞれ金属リチウムを使用し、また非水電解液14としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:7の体積比で混合させた混合溶媒に、6フッ化リン酸リチウムLiPF6を1mol/lの割合で溶解したものを用い、この非水電解液14中に上記の作用極11と対極12と参照極13とを浸漬させた。
そして、上記の実施例1,2及び比較例1〜3の各負極を作用極11に用いた各三電極式試験セル10を、それぞれ−10℃と25℃の温度にセットし、0.125mA/cm2の電流密度で参照極13に対する作用極11の電位が0Vになるまで充電した後、それぞれ25℃の温度にセットし、0.125mA/cm2の電流密度で参照極13に対する作用極11の電位が2Vになるまで放電させる実験を行った。
ここで、上記の比較例1,3の各負極を用いたものにおいては、−10℃にセットして充電させた場合に、それぞれ負極にリチウムが析出したため、その後の実験は行わなかった。
そして、上記の実施例1,2及び比較例2の各負極を使用したものについて、25℃にセットして充電させた後、25℃で1Vまで放電させた時の放電容量QdHと、−10℃にセットして充電させた後、25℃で1Vまで放電させた時の放電容量QdLとを測定し、下記の式により低温充放電特性(%)を算出し、また上記のように−10℃にセットして充電させた場合における低温充放電効率(%)を求め、これらの結果を下記の表1に示した。
低温充放電特性(%)=(QdL/QdH)×100
また、上記の実施例1の負極を使用したものにおいて、25℃にセットして充電させた場合と、−10℃にセットして充電させた場合とにおける各充電曲線を図4に示すと共に、上記のように25℃にセットして充電させた後と、−10℃にセットして充電させた後とにおいて、それぞれ25℃にセットして放電させた場合における各放電曲線を図5に示した。
また、上記の比較例2の負極を使用したものにおいて、25℃にセットして充電させた場合と、−10℃にセットして充電させた場合とにおける各充電曲線を図6に示すと共に、上記のように25℃にセットして充電させた後と、−10℃にセットして充電させた後とにおいて、それぞれ25℃にセットして放電させた場合における各放電曲線を図7に示した。
Figure 2010020912
ここで、上記のように負極活物質としてチタン酸リチウムと黒鉛とを含む第1負極活物質層の上に、負極活物質として黒鉛だけを含む第2負極活物質層を積層させただけで、この第2負極活物質層が負極集電体に接触していない比較例1の負極や、負極集電体の上に負極活物質として黒鉛だけを含む負極活物質層だけを設けた比較例3の負極を使用した場合、上記のように−10℃の低温にセットして充電させた際における負極のリチウムイオンの受入れ性が悪くなって、これらの負極にリチウムが析出したと考えられる。
また、上記の実施例1,2及び比較例2の各負極を使用したものを比較した場合、負極集電体の上に負極活物質としてチタン酸リチウムと黒鉛とを含む負極活物質層だけを設けた比較例2の負極を使用したものに比べて、上記の実施例1,2の負極を使用したものにおいては、低温充放電特性(%)が向上しており、特に、実施例1の負極を使用したものにおいては、低温充放電特性(%)が大きく向上していた。
また、実施例1の負極を使用したものにおいては、図4に示すように、25℃にセットして充電させた場合に対する−10℃にセットして充電させた場合の充電容量が約80%になっていたのに対して、比較例2の負極を使用したものにおいては、図6に示すように、25℃にセットして充電させた場合に対する−10℃にセットして充電させた場合の充電容量が60%未満になっており、実施例1の負極を使用した場合、−10℃の低温環境下における充電特性が大きく向上していることが分かる。
なお、実施例1の負極を使用したものに比べて、実施例2の負極を使用したものにおける低温充放電特性(%)が低下していたが、これは実施例2に示すように、マスキングテープを除去して、負極集電体の上に幅が2.5mmと狭い帯状になった第1負極活物質層を2.5mm間隔で形成する操作が困難で、マスキングテープを除去する際などに、負極集電体の上に形成された第1負極活物質層の一部が剥離したりしたためであると考えられる。
本発明の実施形態に係るリチウム二次電池用負極において、負極集電体の上に形成する第1負極活物質層のパターンの例を示した平面説明図である。 上記の実施形態に係るリチウム二次電池用負極において、集電タブが設けられた負極集電体の上に第1負極活物質層を部分的に設ける例を示した平面説明図である。 本発明の実施例1,2及び比較例1〜3の各負極を作用極に用いた三電極式試験セルの概略説明図である。 上記の実施例1の負極を使用した三電極式試験セルにおいて、25℃にセットして充電させた場合と、−10℃にセットして充電させた場合とにおける各充電曲線を示した図である。 上記の実施例1の負極を使用した三電極式試験セルにおいて、25℃にセットして充電させた後と、−10℃にセットして充電させた後とにおいて、それぞれ25℃にセットして放電させた場合における各放電曲線を示した図である。 上記の比較例2の負極を使用した三電極式試験セルにおいて、25℃にセットして充電させた場合と、−10℃にセットして充電させた場合とにおける各充電曲線を示した図である。 上記の比較例2の負極を使用した三電極式試験セルにおいて、25℃にセットして充電させた後と、−10℃にセットして充電させた後とにおいて、それぞれ25℃にセットして放電させた場合における各放電曲線を示した図である。
符号の説明
1 負極集電体
2 第1負極活物質層
3 集電タブ
11 作用極(負極)
12 対極(正極)
13 参照極
14 非水電解液

Claims (8)

  1. 負極集電体の上に負極活物質を含む負極活物質層が形成されたリチウム二次電池用負極において、リチウムとの反応開始電圧が異なる負極活物質を用いた少なくとも2層の負極活物質層が形成され、上記の負極活物質の中でリチウムとの反応開始電圧が最も貴な第1負極活物質を含む第1負極活物質層が上記の負極集電体の上に部分的に設けられ、リチウムとの反応開始電圧が上記の第1負極活物質よりも卑な第2負極活物質を含む第2負極活物質層が、上記の第1負極活物質層の上に積層されると共に第1負極活物質層が設けられていない負極集電体の上に設けられてなることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  2. 請求項1に記載のリチウム二次電池用負極において、上記の第1負極活物質層における第1負極活物質がチタンを含む酸化物であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のリチウム二次電池用負極において、上記の第1負極活物質層における第1負極活物質がLi4Ti512であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のリチウム二次電池用負極において、上記の第2負極活物質層における第2負極活物質が黒鉛材料であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のリチウム二次電池用負極において、上記の第1負極活物層に、上記の第1負極活物質の他に導電剤が含まれていることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のリチウム二次電池用負極において、上記の第1負極活物層に、上記の第1負極活物質の他に黒鉛材料が含まれていることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のリチウム二次電池用負極において、上記の第1負極活物質層が負極集電体の上に規則的に配置されていることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  8. 正極と負極と非水電解液とを備えたリチウム二次電池において、その負極に請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のリチウム二次電池用負極を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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