JP2010020504A - 通信制御方法及びセンサネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 センサノードは、センサにより測定した環境情報を観測値イベントとしてサーバに送信し、センサノードが異常検知センサにより環境の異常発生を検知すると、サンプリング周波数を増大させて環境情報を測定し、予め設定された最大送信量を超えないように送信量を増大させて、測定した環境情報を観測値イベントとしてサーバに送信する。
【選択図】 図5
Description
センサノード側のみの自律制御による方式として、通信失敗時に乱数時間待機して再送することにより、確率的に輻輳を防止する方式が広く知られている(従来例1)。
以下、本発明の第一の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<センサネットワークシステムの構成>
図1は、本発明を適用するセンサネットワークシステム(以下、センサネットシステム)の機能の要部を示すブロック図である。
図2に本実施形態のセンサネットシステムを原子力発電プラントの配管系統の監視に適用した場合の建屋の概略図を示す。配管系統は、ポンプ201や弁202、これらを繋ぐ配管203、配管の分岐204、配管の屈曲店であるエルボ205、配管継目206及び配管203を支える配管サポート207から構成される。
<センサネットサーバの構成>
図3は、本実施形態のセンサネットサーバ101の構成のブロック図である。
図4は、本実施形態のセンサノード104の構成のブロック図である。
<機能概要>
図5を用いて本実施形態の機能概要について説明する。
<センサノードの機能概要>
図6は、センサノード104の機能を示す。センサノード104の機能構成は、観測値流入制御機能601と、観測機能602と、重要度判定機能603と、精度低減機能604と、観測値破棄機能605と、観測値テーブル606と、統計値テーブル607と、観測値送信機能608と、送信量決定機能609と、観測値取得機能610と、統計値送信機能611と、コマンド処理機能612から構成される。観測値テーブル606には観測値構造体613が0個以上格納される。また、統計値テーブル607には、重要度に対する観測値数が重要度数分格納される。
<データ構造>
図7を用いて、図6における観測値構造体613の構造について説明する。観測値構造体613は、観測値の時系列集合を1個以上格納する。たとえば観測値構造体613には、400 Hzで観測した1秒分の3軸加速度(x、y、z)の集合400個が格納される。観測値構造体613には、観測値を一意に識別する観測値シーケンス番号701、観測を行った時刻を識別する観測時刻702、観測値の重要性を示す重要度703、観測波形のサイズをバイト単位で指定する観測波形サイズ704、可変長のサイズを持つ観測波形705から構成される。観測波形705は、たとえばX軸加速度、Y軸加速度、Z軸加速度をそれぞれ2バイトずつが400 Hzで1秒分の400組格納される。
<センサネットサーバの機能構成>
図16は、センサネットサーバ101の機能を示す。センサネットサーバ101の機能構成は、観測値収集機能1601と、観測値データベース116と、流入量解析機能1602と、通信スロット決定機能1603と、統計値判断機能1604とから構成される。
<第2の方法>
図13のタイムチャートを用いて、第2の方法におけるセンサノード104とセンサネットサーバ101の間の通信方式について説明する。 センサノード104とセンサネットサーバ101の通信は、データ通信期間T1301と制御時間D1302が交互に繰り返される構造となる。ここで、データ通信期間Tとは、センサノードが観測値イベントを送信し、センサネットサーバが当該観測値イベントを受信する期間である。また、制御時間Dとは、センサノードが統計値イベントを送信し、センサネットサーバが、観測値イベント又は統計値イベントから算出した送信タイミング及び送信量をスロット変更コマンド901としてセンサノードに伝達する期間である。
[STEP 1] 管理対象の全てのセンサノードより、送信許可量を算出する。ここで、送信許可量とは、上述の送信タイミング及び送信期間を決定するための指標であり、具体的には、センサノードより到来する図9の統計値イベント903から送信許可量を算出する。第一の実装では、統計値イベント903のメモリ蓄積量909を対象センサノードの送信許可量とする。第二の実装では、統計値イベント903の重要イベント数910を対象センサノードの送信許可量とする。第三の実装では、統計値イベント903のメモリ残量908の逆数を対象センサノードの送信許可量とする。
[STEP 2] STEP 1でセンサノード毎に算出した送信許可量のいずれか一つが、予め設定された送信許可量に対する閾値を超過しない場合、終了する。ここで、閾値とは、メモリ蓄積量、重要イベント数、メモリ残量に基づいて、センサネットサーバが制御するか否かを決める基準である。例えば、あるセンサノードのメモリ蓄積量が所定値を超える場合には、当該センサノードの送信タイミング及び送信量を制御する必要があると判定する。
[STEP 3] 図18の通信スロット決定を実行する。
[STEP 1]最大送信量を算出する。センサネットサーバ101から、通信スロット指定コマンド901により指定されたデータ送信期間Q×データ通信期間Tを、送信間隔で割ることにより最大送信量を計算する。
[STEP 2]送信要求量を算出する。ここで送信要求量とは、メモリ蓄積量に基づいて算出されるものであり、センサノードが送信量を決定する際の1つの指標となるものである。第一の実装では、要求送信量として、メモリ蓄積量を選択する。第二の実装では、送信要求量として、メモリ蓄積量に比例する送信量を選択する。これにより、急激な観測値増加に対し、送信量のピークを遅延させることにより、他ノードとの調整時間を確保することを可能とする。第三の実装では、要求送信量として、メモリ蓄積量に、(流入量−前回の流出量)に比例する値を加えたものを選択する。
[STEP 3] 最大送信量と要求送信量のどちらか小さい方を返戻する。つまり、送信要求量が最大送信量より小さい場合には、送信要求量を選択する。このように送信要求量を用いることにより、常に最大送信量で観測値イベントを送信することを避け、輻輳が生じる可能性を低減することができる。なお、すべてのノードが常に最大送信量で送信するように実装してもよい。この場合、より短い時間で観測値イベントを送信することができる。
[STEP 1] 送信量決定機能609から送信量を取得する。
[STEP 2] 観測値取得機能610から観測値を取得する。
[STEP 3] 通信機415に対し、図9の観測値イベント902を発行する。
[STEP 4] 送信に失敗したときは、送信間隔を増加(たとえば2倍)とする。なお、送信間隔の増加は送信失敗を回避するために行うものであり、必須とはしない。
[STEP 5] 送信間隔の間、待機する。
[STEP 6] タイムアウト判断を行う。すなわち、送信開始後、データ送信期間Q×データ通信期間T時間が経由していれば、終了する。
[STEP 7] STEP 1で取得した送信量を全て送信するまで、STEP 1〜STEP 6を繰り返す。
[STEP 1] 管理対象の全てのセンサノードより、平均流入量を算出する。具体的には、センサノードより到来する図9の観測値イベント903の到来数を一定時間においてセンサノード毎に集計する。
[STEP 2] STEP 1でセンサノード毎に算出した流入量のいずれか一つが、送信許可量に対する閾値を上回らない場合、終了する。
[STEP 3] 図18の通信スロット決定を実行する。
[STEP 1] K番目のセンサノード104に対し、データ送信タイミングPKを、式(1)を用いて計算する。
[STEP 2] K番目のセンサノード104に対し、データ送信期間QKを、式(2)を用いて計算する。
[STEP 3] K番目のセンサノード104に対し、STEP 1およびSTEP 2で算出した値を用いて通信スロット指定コマンド901を発行する。
[STEP 4] センサネットサーバ101に接続されている全てのセンサノードに対し、STEP 1〜STEP 3を繰り返し実行する。
このように、メモリ蓄積量、重要イベント数、メモリ残量の何れか、あるいは、平均流入量を指標として、送信タイミング及び送信量を制御する。具体的には、あるセンサノードの指標が所定値を上回った場合には、当該センサノードの送信タイミング及び送信期間を制御することにより、サンプリング周波数の増加が長期間継続する場合であっても通信輻輳を回避する。さらに、当該指標の大きさに基づいて、送信タイミング及び送信期間を割り当てることにより、それぞれの指標を反映したデータをセンサネットサーバに伝達することができる。例えば、重要イベント数が多いセンサノードの送信量を相対的に多くしたり、メモリ残量が少ないセンサノードの送信量を相対的に多くしたりすることができる。
<第3の方法>
次に、図10〜12を用いて、センサノードのメモリ容量を超過することなく、センサネットサーバに送信すべき重要な観測値を送信することを可能にする第3の方法について、説明する。
[STEP 1] センサ417から観測値を取得する。
[STEP 2] 指標を更新する。指標は、たとえば最大振幅、振幅のピークツーピーク値、平均、分散、標準偏差などの基本統計量となる。標準偏差を指標とした場合、指標に観測値の自乗を加えていく。なお指標は、平均と分散のように、複数であってもかまわない。
[STEP 3] 観測値を一時メモリに蓄積する。
[STEP 4] 観測が予定回数実行されていない場合、STEP 1に戻る。たとえば、サンプリング周波数400 Hzで1秒間の加速度を観測する場合、STEP 1-STEP 3を400回繰り返す。
[STEP 5] 指標を計算する。標準偏差を指標とした場合、指標を(観測値数−1)で除したものの平方根を指標とする。
[STEP 6] 指標があらかじめ設定された閾値を超過している場合、重要度に1を加算する。
[STEP 7] STEP 6をあらかじめ設定された全ての閾値に対し実行する。たとえば指標が最大振幅であり、値が5であった時、あらかじめ設定された閾値が「最大振幅>1」「最大振幅>3」の場合、重要度は2となる。また、指標が最大振幅と平均値であり、値がそれぞれ5と3であった時、あらかじめ設定された閾値が「最大振幅>3」「平均>2」の場合、重要度は2となる。
[STEP 1] 観測値テーブルに対し、残メモリ判定を行う。あらかじめ定めた閾値より観測値テーブルとして確保できるメモリ容量の残余サイズが大きい場合、終了する。
[STEP 2] 観測機能602を用いて、波形観測を行う。具体的には、あらかじめ定めたサンプリング周波数において、あらかじめ定めた観測期間の間、繰り返しセンサ417を用いて観測を行い、その結果である観測波形を得る。
[STEP 3] STEP 2で求めた観測波形に対し、重要度決定機能603を用いて、重要度決定を行う。
[STEP 4] 重要度判定(その1)を行う。メモリ容量の残余サイズが、STEP 3で求めた重要度毎にあらかじめ定められたSTEP 4判定用の閾値より大きい場合、終了する。
[STEP 5] 重要度判定(その2)を行う。メモリ容量の残余サイズが、STEP 3で求めた重要度毎にあらかじめ定められたSTEP 5判定用の閾値より小さい場合、STEP 6を実行する。
[STEP 6] STEP 2で求めた観測波形の精度低減を行うことにより、観測波形のサイズを低減する。精度低減の第一の例は、観測波形の値の精度を低減する。たとえば、16 bit精度で加速度波形を観測した場合、該加速度を8 bit精度に低減する。精度低減の第二の例は、観測波形をダウンサンプリングする。たとえば、サンプリング周期400 Hzで加速度波形を観測した場合、加速度の間引きを行うことにより、サンプリング周期を200 Hzにする。
[STEP 7] 観測波形の蓄積を行う。具体的には、観測波形から図7の観測値構造体613を作成し、図6の観測値テーブル606に格納する。ここで、観測値シーケンス番号701は、他の観測値と識別できる一意の値を登録する。たとえば、前回格納した観測波形の観測値シーケンス番号の次の値を登録する。観測時刻702は、タイマ424から取得した現在時刻を登録する。重要度703は、STEP 3で求めた重要度を登録する。観測値サイズ704は、観測波形のサイズを格納する。観測波形705には、観測波形自身を格納する。
[STEP 8] 統計処理を行う。ここでは、観測波形の重要度703に応じ、図6における統計値テーブル607の対応する重要度の観測値数に1を加える。
[STEP 1] 削減するべき観測値の重要度の上限を残メモリ量より判定する。たとえば、残メモリ量が20%の場合、重要度上限は1、残メモリ量が10%の場合、重要度上限は2とあらかじめ定めておき、現在の残メモリ量から重要度上限を求める。
[STEP 2] 観測値テーブル606内の観測値構造体613に記載の重要度703が、STEP 1で求めた上限より小さい場合、本観測値構造体613を観測値テーブル606から削除する。
[STEP 3] STEP 2を観測値テーブル606の全ての観測値構造体613に対して実行する。
102 ゲートウェイ
103 ルータノード
104 センサノード
105 管理計算機
106 クライアント計算機
107 有線センサ
108 RFIDリーダ
109 LAN
Claims (10)
- 複数のセンサノードとサーバとからなるセンサネットワークシステムにおける通信制御方法であって、
上記センサノードは、
センサにより所定のサンプリング周期で環境情報を測定し、
所定の送信量で上記環境情報を観測値イベントとして上記サーバに送信し、
上記センサノードの異常検知センサにより環境の異常発生を検知すると、上記サンプリング周波数を増大させて上記環境情報を測定し、予め設定された最大送信量を超えないように上記送信量を増大させて、上記観測値イベントを上記サーバに送信する通信制御方法。 - 請求項1に記載の通信制御方法であって、
上記センサノードは、上記異常検知センサにより上記環境の異常の終了を検知すると、上記サンプリング周波数を減少させる一方、上記増大した送信量は維持する通信制御方法。 - 請求項1に記載の通信制御方法であって、
上記サーバは、上記複数のセンサノードそれぞれから受信する観測値イベントの平均流入量を算出し、上記平均流入量が所定の値より大きいセンサノードに対して、送信タイミング及び送信量を制御するためのコマンドを送信し、
上記センサノードは、受信する上記コマンドに基づいて、自己の送信タイミング及び上記送信量を設定する通信制御方法。 - 請求項1に記載の通信制御方法であって、
上記サーバは、上記複数のセンサノードそれぞれから受信する統計値イベントに基づいて送信許可量を算出し、当該送信許可量が所定の値より大きいセンサノードに対して、送信タイミング及び送信量を制御するためのコマンドを送信し、
上記センサノードは、上記コマンドに基づいて、自己の送信タイミング及び送信量を設定し、
上記送信許可量は、上記センサノードのメモリ容量、重要イベント数、メモリ残量の少なくとも何れか1つから算出される通信制御方法。 - 請求項4に記載の通信制御方法であって、
上記センサノードは、上記統計値イベントを上記観測値イベントとは異なるタイミングで上記サーバに送信する通信制御方法。 - 請求項1に記載の通信制御方法であって、
上記センサノードは、上記環境情報の重要度を算出し、
上記センサノードのメモリ残量が、上記重要度ごとに定められた所定の値より小さい場合に、上記環境情報の精度を低減してメモリに記録する通信制御方法。 - 請求項1に記載の通信制御方法であって、
上記センサノードは、上記測定した環境情報の重要度を算出し、
上記センサノードのメモリ残量に基づいて、重要度の閾値を設定し、
上記閾値より小さい重要度の環境情報をメモリから削除する通信制御方法。 - 複数のセンサノードとサーバからなるセンサネットワークシステムであって、
上記センサノードは、
所定のサンプリング周期で環境情報を測定するセンサと、
上記環境情報を観測値イベントとして上記サーバに送信する送信部と、
環境の異常発生を検知する異常検知センサと、
上記環境の異常発生が検知された場合に、上記サンプリング周波数を増大させて上記環境情報を測定し、予め設定された最大送信量を超えないように上記送信量を増大させて、上記観測値イベントを上記サーバに送信するように制御する制御部と、を有するセンサネットワークシステム。 - 請求項8に記載のセンサネットワークシステムであって、
上記制御部は、上記異常検知センサにより上記環境の異常の終了を検知すると、上記サンプリング周波数を減少させる一方、上記増大した送信量を維持するように制御するセンサネットワークシステム。 - 請求項8に記載のセンサネットワークシステムであって、
上記サーバは、上記複数のセンサノードそれぞれから受信する統計値イベントに基づいて送信許可量を算出する統計値判断部と、
当該送信許可量が所定の値より大きいセンサノードの送信タイミング及び送信量を決定する通信スロット決定部と、
上記送信タイミング及び上記送信量をスロット変更コマンドとして上記センサノードに送信する通信部と、を有し、
上記センサノードの制御部は、上記スロット変更コマンドに基づいて、自己の送信タイミング及び送信量を設定し、
上記送信許可量は、上記センサノードのメモリ容量、重要イベント数、メモリ残量の少なくとも何れか1つから算出されるセンサネットワークシステム。
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