以下、本発明を適用した監視システムの実施形態について説明する。
本発明を適用した監視システムは、情報収集システムによって収集された情報の監視を行うものである。具体的には、この情報収集システムの一部に機能を追加して、本監視システムを構築している。
まず、情報収集システムについて説明する。
図1は、本発明の監視システムに利用する情報収集システムの全体構成を示す概念図であり、図2は、ネットワーク管理装置、データ管理サーバ及び情報端末の構成を示すブロック図である。この情報収集システムは、取得側ネットワーク(通信ネットワーク)1と、TCP/IPによって通信を行うインターネット等のグローバルネットワークである送信側ネットワーク2と、予め定めた所定の物理量の計測を行うように取得側ネットワーク1に複数配置された計測ユニット3と、取得側ネットワーク1を介して計測ユニット3との無線通信を行うネットワーク管理装置4と、送信側ネットワーク2を介してネットワーク管理装置4との通信を行う複数のデータ管理サーバ6とを備えている。
取得側ネットワーク1は、無線ネットワークの一種であって、さらに具体的には、計測ユニット3の中継機能によって実現されるアドホック無線ネットワークであり、一又は複数の計測ユニット3を中継として用いることにより、電波の届かない距離にある計測ユニット3同士の通信、及び電波の届かない距離にあるネットワーク管理装置4と計測ユニット3の間の通信を可能とする。このアドホック無線ネットワーク1によれば、特定の基地局を必要とせず、計測ユニット3同士を有線接続する配線や、計測ユニット3とネットワーク管理装置4とを有線接続する配線も必要なくなる。
このため、計測ユニット3を、取得側ネットワーク1に配置された計測ユニット3の少なくとも1つと通信が可能な場所、或いはネットワーク管理装置4と通信可能な場所の何れかに配置すれば、取得側ネットワーク1内に新たな計測ユニット3を追加可能であるとともに、取得側ネットワーク1も拡充される。
そして、取得側ネットワーク1内の各地に設置された計測ユニット3は、例えば、対象地点の変位量や、放射線量や、風向き及び風速や、降雨量等の予め定められた物理量を計測する。計測ユニット3は、この計測データを、取得側ネットワーク1を介してネットワーク管理装置4に送信する。ネットワーク管理装置4は、計測ユニット3が設置された各地から集められた計測データを順次受信するとともに、該受信した計測データを順次データ管理サーバ6に送信する。データ管理サーバ6は、受信した計測データを検索可能に蓄積する。
このようにして、収集された計測データは、送信側ネットワーク1を介して、データ管理サーバ6にアクセス可能な情報端末7によって抽出可能であり、これによって各地の状態を容易に把握できる。
上記計測ユニット3は、無線ネットワーク分散型セルコンピュータ(Networked Intelligent CEll)と呼ばれ、マイクロコントローラ(MCU)8と、上記物理量を計測するセンサ10が接続されるセンサ接続手段9と、上記アドホック無線通信を可能とする無線通信モジュール(計測データ送信手段)11とを備えている。
MCU8は、CPU、RAM、ROM、IOポート、ADコンバータ及びDAコンバータ等がユニット化されたマイコン(制御部)である。
センサ接続手段9は、Signal Conditioning Unit(SCU)と呼ばれ、このSCU9は、上記したMCU8のIOポートに接続されて各種センサ10からの値を、カウンタでカウントされる信号のパルス数の情報、一又は複数の0及び1によって表現されるデジタルの情報又は所定範囲の電圧値の情報として、MCU8に認識させるものである。この情報は、所定の物理単位で表現される物理量に変換する必要があるが、この作業は、負荷を考慮して、計測ユニット3側では行わず、後述するようにネットワーク管理装置4側で行う。ちなみに、測定する物理量は、上述した対象地点の変位量、放射線量、風向き及び風速、降雨量等の他、温度等であってもよく、これらの物理量が測定可能な複数の各種センサ10をセンサ接続手段9を介してMCU8に接続している。
無線通信モジュール11は、ZigBee(登録商標)と呼ばれ、アドホック無線通信をサポートしている。この無線通信モジュール11は、自身が測定した測定データを、他の計測ユニット3を経由してネットワーク管理装置4に送信するか、或いは直接ネットワーク管理装置4に送信することが可能であるとともに、他の計測ユニット3から送信されてくる計測データを、さらに他の計測ユニット3を経由してネットワーク管理装置4に送信するか、或いは直接ネットワーク管理装置4に送信することが可能である。
無線通信モジュール11は、MACアドレスと、ネットワークアドレスと、0〜9999の論理アドレスとを有している。ネットワーク管理装置4は、自己の論理アドレスを9999に設定し、該ネットワーク管理装置4が管理している取得側ネットワーク1に配置された複数の計測ユニット3には、互いが重複しないように0〜9998の論理アドレスがそれぞれ割当てられる。
また、ネットワーク管理装置4は、自己が管理している取得側ネットワーク1の各計測ユニット3の論理アドレス、MACアドレス及びネットワークアドレスの情報を、計測ユニット3の設置位置情報とともに、上記ROM等からなる記憶装置に記憶させている。ちなみに、計測ユニット3がGPS等の位置情報取得センサを備えている場合には、設置位置情報をネットワーク管理装置4が保持している必要はない。
なお、1Wire、RS232C又はCAN等の通信手段を計測ユニット3に設け、これらの通信手段によって他の計測ユニット3やネットワーク管理装置4との通信を行えるようにしてもよく、この場合には、これらの通信手段によって取得側ネットワーク1が構築される。
上記ネットワーク管理装置4は、図示しないCPU、RAM、ROM等の記憶装置及びTCP/IPによる通信をサポートしたネットワークインターフェイスを備えたネットワークコンピュータ(NC)である。
このネットワーク管理装置4は、計測ユニット3と同一構成の無線通信モジュール12と、無線通信モジュール12によって受信した計測ユニット3からの計測データを一時的に保持するようにRAM上に確保された領域であるデータ一時保持部13と、RAM上に確保されるプログラム実行領域であるスレッド部14と、生成テンプレートデータベース16に記憶されたXML形式のテンプレート毎に、該テンプレートの情報に基づいてスレッドを生成するスレッド生成手段17とを備えている。
データ一時保持部13には、取得側ネットワーク1に設置された計測ユニット3毎に専用の通信バッファ18が確保されている。無線通信モジュール12は、取得側ネットワーク1を介して計測ユニット3から送信されてくるパケット19を受信すると、送信元の計測ユニット3専用の通信バッファ18に、受信した計測データを順次書込む。
ちなみにパケット19に含まれる情報には、計測ユニット3のセンサ10でセンシングされた値がそのままのデータ構造を維持している(物理単位によって表現される物理量に変換されていない)データ本体19aと、該計測ユニット3から後述する所定条件下で送信されてくるデータ処理指示19bとの2種類の情報が含まれ、情報量が多い場合には、複数のパケット19に分割されてデータが送信される。
スレッド部14にスレッドとして実行されるプログラムは、データ処理手段21を構成し、具体的には、Java(登録商標)によって記述される。このデータ処理手段21は、上記XML形式のテンプレートによって、どの通信バッファ18から、どの種類の計測データを取得し、この取得した情報をどのデータ管理サーバ6のどこに送信するかが設定されている。
図2に示す例では、同図の左から1番目のデータ処理手段21は、「通信バッファA」で示される通信バッファ(図1で示す「計測ユニットA」で示される計測ユニット3)から、全て種類の計測データ(例えば、放射線、風向き及び風速の計測データ)を2計測分取得して、同図の左側に示されたデータ管理サーバ6の後述するデータ受信・格納手段22に送信するように設定されている。
また、同図の左から2番目のデータ処理手段21は、「通信バッファA」で示される通信バッファ(図1で示す「計測ユニットA」で示される計測ユニット3)から、全て種類の計測データ(例えば、放射線、風向き及び風速の計測データ)を2計測分取得して、同図の右側に示されたデータ管理サーバ6のデータ受信・格納手段22に送信するように設定されている。
また、同図の左から3番目のデータ処理手段21は、「通信バッファB」で示される通信バッファ(図1で「計測ユニットB」で示される計測ユニット3)から、全て種類の計測データ(例えば、放射線、風向き及び風速の計測データ)を2計測分取得して、同図の左側に示されたデータ管理サーバ6のデータ受信・格納手段22に送信するように設定されている。
さらに、同図の左から4番目のデータ処理手段21は、「通信バッファA」、「通信バッファB」及び「通信バッファC」で示される3つの通信バッファ(図1で「計測ユニットA」、「計測ユニットB」及び「計測ユニットC」で示される3つの計測ユニット3,3,3)から、放射線等の一種類の計測データを2計測分それぞれ取得して、同図の左側に示されたデータ管理サーバ6の後述するモニタリング手段23に送信するように設定されている。
なお、同図の左から5番目のデータ処理手段21は、「通信バッファD」、「通信バッファE」及び「通信バッファF」で示される3つの通信バッファ(図1で「計測ユニットD」、「計測ユニットE」及び「計測ユニットF」で示される3つの計測ユニット3,3,3)から、放射線等の一種類の計測データを2計測分それぞれ取得して、同図の左側に示されたデータ管理サーバ6のモニタリング手段23に送信するように設定されている。
すなわち、図示する例では、複数のデータ処理手段21が、互いに、同一の通信バッファ18(計測ユニット4)から同一種類の計測データを、取得する場合と、単一のデータ処理手段21が、複数の通信バッファ18(計測ユニット4)から計測データ(さらに具体的には、同一種類の計測データ)をまとめて取得する場合との2パターンがある。
この内、前者の複数のデータ処理手段21は、それぞれ通信バッファ18及びデータ種類(例えば、変位量、放射線、風向き又は風速)が同一の計測データに対して、重複して取得及び送信を行う重複取得データ処理手段21Aとなる一方で、後者の単一のデータ処理手段21は、異なる複数の通信バッファ18の同一種類(例えば、変位量、放射線、風向き又は風速)の計測データを、一括して取得及び送信する一括取得データ処理手段21Bとなる。
具体的には、図2の左から1番目のデータ処理手段21と、2番目のデータ処理手段21とは、取得・送信する計測データが全て重複する重複取得データ処理手段21Aになり、1番目のデータ処理手段21と4番目のデータ処理手段21の組と、2番目のデータ処理手段21と4番目のデータ処理手段21の組と、3番目のデータ処理手段21と4番目のデータ処理手段21の組とは、取得・送信する計測データが一部で重複する重複取得データ処理手段21Aになる。
一方、図2の左から4番目のデータ処理手段21と、5番目のデータ処理手段21とは、それぞれ異なる複数の通信バッファ18から、同一種類の計測データを、一括して取得及び送信する一括取得データ処理手段21Bになる。
すなわち、一のデータ処理手段21が、重複取得データ処理手段21Aと、一括取得データ処理手段21Bとを兼用する場合もある。さらに、図示しない3つ目のパターンとして、データ処理手段21と通信バッファ18(計測ユニット3)とが一対一の関係になっている場合もあり、設計の自由度は高い。
なお、図2に仮想線で示す通り、1つのデータ処理手段21から、異なる複数のデータ管理サーバ6に計測データを送信するようにしてもよい。
上記データ管理サーバ7は、図示しないCPU、RAM、HDDやSSD等の記憶装置及びTCP/IP通信可能な図示しないネットワークインターフェイスを有し、上述の送信側ネットワーク2に接続されている。
このデータ管理サーバ7は、XML形式のデータベース24と、データ処理手段21から送信されてくる計測データを受信してデータベース24に検索可能にXML形式で格納するデータ受信・格納手段22とを備える他、該データ管理サーバ7には、データ処理手段21から送信されてくる計測データを受信して該計測データから計測ユニット3が設置されている各地を監視するモニタリング手段23を必要に応じて設けている。
データ受信・格納手段22は、常駐のサービスプログラムであって、このデータ受信・格納手段22は、データ処理手段21から送信側ネットワーク2を介して送信される計測データ3を、受信して、データベース24に検索可能に記憶する。
詳しく説明すると、この計測データは、上述したデータ処理手段21において、物理単位で表される物理量に変換され且つXML形式に変換された後に、GZIP形式ファイルに圧縮されて、HTTPプロトコルで、80番ポートではない所定ポート(図示する例では、8080ポート)をディスティネーションポートとして、送信される。データ受信・格納手段22は、受信したGZIPファイル形式の計測データを、記憶装置に記憶するとともに、このGZIPファイルを解凍して生成されたXML形式の計測データを、データベース24に検索可能に格納する。
モニタリング手段23は、常駐のサービスプログラムであって、このモニタリング手段23には、上述のようにしてGZIP形式ファイルに圧縮された計測データが、HTTPプロトコルで、80番ポートではない所定ポート(図示する例では、8888ポート)をディスティネーションポートとして、送信されてくる。ちなみに、データ受信・格納手段22と、モニタリング手段23とは、同一の通信プロトコルで通信を行うとともに、通信ポートは異なる番号に設定すればよく、上述のポート番号には限定されない。
該モニタリング手段23は、受信したGZIPファイル形式の計測データを解凍して生成されるXML形式の計測データに基づいて、計測ユニット3が設置された各地の計測データを監視する。例えば、図示する例では、2つのデータ処理手段21によって、送信されてくる計測データ内に、各計測ユニット3の変位量の計測値が含まれており、モニタリング手段23は、計測ユニット3が設置された各地の変位量によって地滑りの危険性を監視している。この監視中に、計測ユニット3を設置した場所で異常が検出された場合には、所定の手段により報知等を行ってもよい。
上記情報端末7は、図示しないCPU、RAM、HDDやSSD等の記憶装置及びTCP/IP通信可能な図示しないネットワークインターフェイスを有し、上述の送信側ネットワーク1に接続されている。
この情報端末7は、操作者によって起動、終了及び操作されるソフトウェアであるデータ抽出手段26と、データ管理サーバ6のデータベース24からの抽出手順の情報(具体的には、xQuery)が記憶された抽出データベース27とを備えている。
情報端末7では、抽出データベース27から取得した抽出手順の情報に対して、必要な変更を加えて抽出手順の情報(xQuery)を送信する。この抽出手順の情報の送信では、送信側ネットワーク1を介し、TCP/IPプロトコルを用い、ディスティネーションポートを、上述のデータ受信・格納手段22及びモニタリング手段23以外の所定の番号(図示する例は50000番)に設定する。
抽出手順の情報を受信したデータ管理サーバ6は、この抽出手順の情報に基づいて、データベース24から必要情報を抽出し、XML形式又はCSV形式の抽出データを上記データ抽出手段26に送信する。この送信された抽出データを、受信したデータ抽出手段26は、そのまま或いはPDF形式のデータ等に変換をして、情報端末7の表示画面等に、結果を表示する。
このような手順によって、情報端末7では、計測ユニット3が設置された所定箇所の放射線、風向き又は風速の情報を、経時変化と共に取得することが可能である他、計測ユニット3が設置された複数箇所の放射線等をまとめて取得することも可能である。また、これらの情報を用いて、放射線の拡散情報を予想するような処理を行うこともできる。
以上のような情報収集システムであるが、以下、計測ユニット3の処理内容と、ネットワーク管理装置4におけるスレッド生成手段17、無線通信モジュール12及びデータ処理手段21のそれぞれの処理内容とについて、フロー図を用いて、説明する。
図3は、計測ユニットの処理フロー図である。各計測ユニット3は、処理が開始されると、ステップS1から処理を始める。ステップS1では、タイマーを送信間隔T1にセットして、カウンドダウンを開始し、処理をステップS2に進める。ステップS2では、他の計測ユニット3から計測データが中継データとして自身に送信されていているか否かを検出し、中継データを受信していない場合にはステップS3に進む。
ステップS3では、タイマーの送信間隔T1から0までのカウンドダウンが完了しているか否かを確認し、カウントダウンが完了していれば、ステップS4に進む一方で、カウンドダウン中の場合には、ステップS2に処理を戻す。ステップS4では、自己のセンサ接続手段9に接続されているセンサ10が故障しているか否かを検出し、故障が検出されなかった場合には、ステップS5に進む。ステップS5では、自己のセンサ接続手段9に接続されているセンサ10からセンサ値を取得してステップS6に進む。
ステップS6では、ステップS5で取得したセンサ値から異常の有無を判断し、正常の場合には、ステップS7に進む一方で、異常の場合には、ステップS8に進む。ちなみに、センサ値が明確に異常を示してい場合や、正常値を示してはいるが前回取得したセンサ値と今回取得したセンサ値とのを比較して変化量が多い場合に、異常と判断して、ステップS6→ステップS8と処理を進める。
ステップS7では、センサ値を送信データとしてセットしてステップS9に進む一方で、ステップS8では、センチ値と共に、一又は複数のデータ処理手段21を指定したデータ処理指示19bを、送信データとしてセットして、ステップS9に進む。ステップS9では、セットした送信データを、ネットワーク管理装置4に向かって、直接又は他の計測ユニット3を中継させて、送信し、ステップS1に処理を戻す。
ステップS2において、中継データを受信している場合には、ステップS10に進む。ステップS10では、送信データとして、受信した中継データをセットし、ステップS9に進む。このステップS2→ステップS10の処理手順によって、自己のセンシングしたセンサ値に優先して、他の計測ユニット3から送信された計測データである中継データが、ネットワーク管理装置4に向かって送信される。
ステップS4において、自己のセンサ接続手段9に接続されているセンサ10の故障が検出された場合には、ステップS11に進む。ステップS11では、センサの故障情報と共に、処理すべき一又は複数のデータ処理手段23を指定したデータ処理指示19bを、送信データとしてセットして、ステップS9に進む。
以上の処理によれば、送信間隔T1の経過毎にステップS7、ステップS8又はステップS11からの送信処理が実行され、センシング値、データ処理指示19b付きのセンシング値又はデータ処理指示19b付きのセンサ10の故障情報が、ネットワーク管理装置4に送信される。また、中継データが受信された場合には、送信間隔T1の経過に有無に関係無く、ステップS10により、中継データの送信が実行される。
ちなみに、センサ10に基づくセンシング値から異常が検出された場合や、センサ10の故障が検出された場合には、データ処理指示19bの情報がパケット19に付加されて、送信される。このデータ処理指示19bの利用手段は、後述する。
図4は、スレッド生成手段の処理フロー図である。スレッド生成手段17は、ネットワーク管理装置4の電源がONされると、ステップS21から処理を開始する。ステップS21では、生成テンプレートデータベース16と、スレッド部14で実行されているスレッドとを比較して、未生成のスレッドがあるか否かを検出し、未生成のスレッドが無い場合には、ステップS21を再度実行し、未生成のスレッドがある場合には、ステップS22に進む。
ステップS22では、生成テンプレートデータベース16から、未生成のスレッド用のXML形式テンプレートを取得し、ステップS23に進む。ステップS23では、取得したXML形式テンプレートから、データ処理手段21を構成するスレッドを起動生成してステップS21に処理を戻す。
このステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS21→・・・と続く処理によって、生成テンプレートデータベース16に記載されたXML形式のテンプレート毎に、データ処理手段21が生成される。
図5は、ネットワーク管理装置の無線通信モジュールの処理フロー図である。無線通信モジュール12は、各通信バッファ18について、予め設定された所定時間(受信待ち時間)の経過毎に同図に示す処理を実行する。ちなみに、この受信待ち時間は、通常、ネットワーク管理装置4側で設定されるが、計測ユニット3側で設定してもよく、この場合には、計測ユニット3側の内部時計とネットワーク管理装置4側の内部時計を正確に同期させておく必要がある。
各通信バッファ18について上記受信待ち時間の経過毎に実行される図5の処理では、まずステップS31に進む。ステップS31では、計測データが受信されたか否かを確認し、受信されていれば、ステップS32に進む。ステップS32では、タイマーを受信最大待ち時間T2にセットして、カウンドダウンを開始し、処理をステップS33に進める。ちなみに、受信最大待ち時間T2は、上記受信待ち時間よりも長く(具体的には、1.5〜3倍程度長く)設定されている。
ステップS33では、受信した計測データを受信データとしてセットして、ステップS34に進む。ステップS34では、セットされた受信データを、該当する通信バッファ18(該計測データを送信した計測ユニット4専用の通信バッファ18)に書込んで、処理を終了させる。
ステップS31において、計測データの受信が確認されなかった場合には、ステップS35に進む。ステップS35では、タイマーの受信最大待ち時間T2から0までのカウントダウンが完了しているか否かを確認し、未完了であれば処理を終了させる一方で、完了していれば、ステップS36に進む。
ステップS36では、受信最大待ち時間T2以上、パケット19が受信されていない状態であるため、何らかの不具合が生じている可能性もあり、該当する通信バッファ18にエラーコード(具体的には9999)を受信データとしてセットし、ステップS34に処理を進める。
このように、各通信バッファ18に対して、受信待ち時間毎に図5に示す処理が実行され、各通信バッファ18に対して、パケット19を受信しない状態が受信最大待ち時間T2以上継続していると、エラーコードが通信バッファ18に書込まれる。しかも、受信待ち時間は、上述した送信間隔T1と必ずしも同一である必要はなく、異なる値に設定してもよい。
図6は、各データ処理手段の処理フロー図である。各データ処理手段21は、ステップS41から処理を開始する。ステップS41では、タイマーをデータ処理間隔T3にセットしてカウントダウンを開始し、ステップS42に処理を進める。
ステップS42では、自身のデータ処理手段21宛のデータ処理指示19b情報が通信バッファ18に書込まれているか否かを検出し、自身宛のデータ処理指示19bの情報が受信されていない場合には、ステップS43に進み、受信されている場合にはステップS44に進む。ステップS43では、タイマーがデータ処理間隔T3から0までのカウントダウンが完了しているか否かを確認し、完了していればステップS44に進む一方で、未完了であればステップS42に処理を戻す。
ステップS44では、XMLテンプレートに基づいて、所定の一又は複数の通信バッファ18から、所定の測定データを取得し、ステップS45に進む。ステップS45では、センシング値を、物理単位で表される物理量に変換するとともに、該変換された計測データを、XML形式のデータ構造に変換し、この後、XML形式の計測データを、GZIP形式に圧縮して、ステップS46に進む。ステップS46では、圧縮したGZIPの計測データを、予め定めたデータ管理サーバ6のデータ受信・格納手段22又はモニタリング手段23の送信し、ステップS41に処理を戻す。
このように、通常は、ネットワーク管理装置4側で予め設定されたデータ処理間隔T3の経過毎に、ステップS44→ステップS45→ステップS46と続くデータ処理が実行されるが、自己宛のデータ処理指示19bが受信された場合には、データ処理間隔T3の経過の有無に関係なく、直ちに、ステップS44→ステップS45→ステップS46と続くデータ処理が実行される。言換えると、計測ユニット4側で、データ処理手段21の処理タイミングを制御した場合には、該計測ユニット4は、データ処理指示19b情報を所定のデータ処理手段21宛に送信する。
なお、このデータ処理指示19bは、モニタリング手段23にデータを送信するデータ処理手段21を特定した場合、特に有効であるが、上記送信間隔T1や、上記受信待ち時間や、データ処理間隔T3を、十分に短い時間に設定すれば、データ処理指示19bに関する処理を、システム全体で省略することも可能である。
また、データ処理指示19bは、図3のステップS8又はステップS11の場合に送信されてくるため、このような緊急時にのみ、データの送信間隔や処理間隔を短くしたい場合に有効である。
また、以上のような構成によれば、計測ユニット3と、ネットワーク管理装置4と、データ管理サーバ6とを、互いが非同期な状態で、計測データのやり取りを行うことも可能なため、システムの追加、変更を柔軟に行うことが可能になる。
図7は、計測ユニットの他の実施形態を示す処理フロー図である。同図に示す処理では、図3に示す処理と比較して、ステップS1の処理が省略されるとともに、ステップS3の処理に変えて、ステップS12が実行される。ステップS12では、外部イベント入力があるか否かの検出を行い、外部イベント入力がない場合には、ステップS2に処理を戻し、外部イベント入力がある場合には、ステップS4に処理を進める。外部イベントの入力は、取得側ネットワーク1の他の計測ユニット3、ネットワーク管理装置4またはその他のコンピュータから送信されてくる指示信号等である。
次に、図8乃至図14に基づき本発明を適用した監視システムについて説明する。
本発明を適用した管理システムは、図2に示す情報収集システムにおけるネットワーク管理装置4を、センサ10のセンシング値(物理量)に基づいて監視を行う監視サーバ4Aとして利用することにより構成される。
図8は、図1及び図2のネットワーク管理装置を監視サーバとして用いた場合の概念図である。ちなみに図8では、図2と説明が重複する部分については表示を省略している。管理サーバ4Aは、取得側ネットワーク1に配置された各センサ10によって検出された物理量に基づいて監視を行う監視手段28と、取得側ネットワーク1に配置された計測ユニット3の設置地点等の情報や、監視のため各種設定条件や、センタ10からのセンシング値等が記憶される記憶装置29と、メール送信手段(報知手段)31と、ウェブサーバ32とを備えている。
上記監視手段28は、スレッド部14からセンサ10のセンシング値を取得するとともに、無線通信モジュール12に各種データを送信する。なお、監視手段28と無線通信モジュールで、データの受け渡しを行えるようにしもよい。
上記ウェブサーバ32は、記憶装置29に記憶されたデータをHTTPプロトコルを介して公開するように構成されている。具体的には、監視手段28による監視結果や報知情報等が監視サーバ4Aのホームページに公開される。
上記メール送信手段31は、SMTPサーバ等から構成されて、監視手段28からの指示により、予め定めたメールアドレスに所定の内容の電子メールを送信する。送信される電子メールの内容は、監視手段28による監視結果や報知情報等である。
図9は、図1の計測ユニットを本監視システムに適用した場合の概念図である。図示する計測ユニット3は、上述したものの他に、各種報知を行う報知手段33を備えている。ちなみに、センサ10によって検出する物理量は、例えば、計測ユニット3を設置した地点若しくはその付近における地盤の変位量と、放射線量と、風速及び風向きと、降雨量と、温度等とのなかから選択した何れか一又は複数であり、本例では、上記変位量を例に説明する。この変位量は、計測ユニット3を設置した地点またはその付近の地滑りの可能性を示唆する物理量である。
上記記憶装置29には、センサ10が設置された地点のGPS座標や住所等の位置情報及びセンサ10が設置された計測ユニット3がセンサ10毎に記憶されるセンサ設置情報34用の記憶領域と、センサ10によって検出されたセンシング値が、検出したセンサ10の情報及び検出日時情報とともに記憶されるセンシング値情報36の記憶領域とが確保されている。
図10は、センサ設置情報の概念図である。センサ設置情報34は、各センサ10について、設置されている計測ユニット3と、該計測ユニット3の設置地点とを有し、このセンサ設置情報34は、予め記憶装置29に記憶させておくことも可能である他、無線通信モジュール12を介して計測ユニット3等から送られてくる自身若しくは他の計測ユニット3の新たなセンサ設置情報34に基づいて、記憶装置29の情報を更新することが可能である。なお、これらの情報を取得側ネットワーク1やインターネット2から取得可能な場合は、このセンサ設置情報34を、記憶装置29に予め記憶させておく必要はない。
図11は、センシング値情報の概念図である。一又は複数のセンシング値一覧表36aから構成されている。センシング値一覧表36aには、記憶対象となる一又は複数のセンサ10のセンシング値情報を、そのセンサ10自体の識別情報及び検出された日時情報とともに、複数(図示する例では32個)記憶させることが可能である。
なお、センシング値一覧表は、センサ10毎または計測ユニット3毎に設けてもよい他、各センシング値一覧表36aには、後述する積算量を記憶する領域が確保されている。
そして、監視手段28は、データ一時保持部13またはスレッド部14(図示する例ではスレッド部14)に保持されたセンン10の識別情報と、該センサ10によってセンシングした計測データと、センシングした検出日時を取得して、対応するセンシング値一覧表36aに記憶する。センシング値一覧表36aに記憶されたセンシング値及び検出日時の数が最大数に達した状態では、一番古い情報を消去して、最新の情報を記憶する更新処理を行う。
監視手段28は、取得側ネットワーク1内に設置されたセンサ10で検出された物理量に基づき、警戒する必要があるか否かの評価を行い、この評価が所定条件に達した場合には必要地域に対して警告等の報知を行う。
また、この物理量に基づく評価を行う際に利用する評価式が複数(具体的には7つ)用意され、前記記憶装置29に記憶されている。
1つ目の評価式は、所定時点(例えば、最新)の物理量自体をダイレクトに評価に用いる物理量評価式である。
2つ目の評価式は、所定時間内(例えば、所定時間前から最新まで)の平均の物理量である平均物理量を算出して評価する平均評価式である。
3つ目の評価式は、所定時点(例えば、最新)の物理量の変化率(すなわち微分値)である物理量変化率を算出して評価する変化率評価式である。
4つ目の評価式は、前の平均物理量(例えば一回前又は複数回前に計算された平均物理量)と後の平均物理量(評価時点で新たに計算される平均物理量)との差である平均差分値を算出して評価する平均差分評価式である。
5つ目の評価式は、前の変化率(例えば、最新時点から所定時間前の変化率)と後の変化率(例えば最新の変化率)との差である変化率差分値を算出して評価する変化率差分評価式である。
6つ目の評価式は、物理量の評価時点までの総和(すなわち積分値)である総積算量を算出して評価する総積算量評価式である。
ちなみに、この総積算量は、監視手段28によって随時算出して、上述した対応するセンシング値一覧表36aの積算量の欄に記憶してもよい。ただし、この総積算量は、検出される物理量が所定時間、予め定めた所定値以下を保持した場合には、0にリセットされる他、そのセンサ10に対して後述する判定グラフがONになった場合にも、0にリセットされる。
7つ目の評価式は所定期間(例えば、最新時点から所定時間前まで)の物理量の総和である積算量(すなわち積分値)を算出して評価する積算量評価式である。
各評価式では、評価式によって算出された算出値(物理量自体、平均物理量、物理量変化率、平均差分値、変化率差分値、総積算量、積算量)が評価式毎に予め定めた基準値を越えるか否かによって、警戒をする必要があるか否かの判断(評価)を行う。
図12は、監視サーバが行う監視処理の処理フロー図である。監視サーバ4Aは、監視処理を開始すると、ステップS51に進む。ステップS51では、評価のために判定のサブルーチン処理を取得側ネットワーク1内に配された対象のセンサ10毎に行い、各対象のセンサ10に対して判定のサブルーチン処理が終了すると、ステップS52に進む。ちなみに、対象とするセンサ10は、取得側ネットワーク1内の全てのセンサ10でもよいし、その中の一部でもよい。ステップS52では、報知のサブルーチン処理を行い、このサブルーチン処理が終了すると、処理を再びステップS51に戻す。
なお、本例では、センサ10単位で、判定サブルーチン処理を行うが、これを計測ユニット3単位で行ってもよいし、或いは付近の所定範囲内に配置された一又は複数の計測ユニット3を一グループ単位で行ってもよい。
図13は、判定のサブルーチンの処理フロー図である。上記対象とした各センサ10対しては、判定のサブルーチン処理が開始されると、ステップS61に進む。ステップS61では、該サブルーチン処理で判断対象となっている一又は複数(本例では1つ)のセンサ10のセンシング値による判定結果が警戒の必要有りになっているか否かを示す判定フラグを確認し、判定フラグが警戒の必要有りとなっていれば(ONにセットされていれば)、ステップS62に進む一方で、判定フラグが警戒の必要無しとなっていれば(OFFにセットされていれば)、ステップS63に進む。
ステップS63では、上記7つの評価式から一部(具体的には1〜6個であり本例では1つ)の評価式をランダムに選択し、ステップS64に進む。ステップS64では、任意に選択された評価式に必要な情報を、対応するセンシング値一覧表36aから抽出し、ステップS65に進む。ちなみに、選択される評価式は、このサブルーチンの処理の実行毎に行われる。
ちなみに、ステップS64において、評価式に必要な情報を、センシング値一覧表36aから取得する場合に、日時の限定や、曜日の限定や、午前中のみ或いは午後のみの限定や、午前7時から午前11時等の時刻の限定等、時間的限定を行って、必要データを取得してもよく、この時間的な限定は監視手段28に予め設定してもよいし、記憶装置29に記憶させ、監視手段28が記憶装置29から設定を読み込むようにしてもよい。
ステップS65では、該選択された評価式により、物理量自体、平均物理量、物理量変化率、平均差分値、変化率差分、総積算量または積算量を算出し、ステップS66に進む。ステップS66では、用いた評価式毎に、ステップS65で算出された算出値が、予め定めた基準値を越えているか否かを確認し、総合判断して、警戒必要水域を越えていなければステップS67に進む一方で、越えていればステップS68に進む。
ちなみに、本例では、ランダムに選択された評価式を1つ用いるので、この選択された評価式により算出された算出値が基準値を越えている否かというシンプルな判断によって、ステップS66での処理が行われるが、複数の評価式が選択される場合には、複数の評価式の算出値中で幾つか(例えば半数以上)が基準値を越えた場合に、ステップS68に進むかを予め決めておく。
ステップS67では、警戒の必要なしとして、現在判定を行っているセンサ10の判定フラグをOFFにセットし、このサブルーチン処理を終了させ、次のセンサ10に対して、図13の処理を実行するか、或いは、全てのセンサ10について図13の処理が終了していれば、図12に示すメインルーチンに処理を戻す。
ステップS68では、現在判定を行っている対象のセンサ10の判定フラグをONにセットし、ステップS69に進む。ステップS69では、タイマーを判定保持時間T4にセットして、カウントダウンを開始し、このサブルーチン処理を終了させ、次のセンサ10に対して、図13の処理を実行するか、或いは、全てのセンサ10について図13の処理が終了していれば、図12に示すメインルーチンに処理を戻す。
ステップS62では、タイマーにおける判定保持時間からのカウントダウンが終了しているか否かを判断し、カウントダウンが終了していればステップS63に進む一方で、カウントガウン中であれば、次のセンサ10に対して、図13の処理を実行するか、或いは、全てのセンサ10について図13の処理が終了していれば、図12に示すメインルーチンに処理を戻す。
このステップS61→ステップS62の処理手順によれば、ステップS68においてセンサ10に対して警戒の必要がありとして判定フラグが一度ONにセットされると、判定保持時間T2の間は、該センサ10の判定フラグのON状態が保持される。これによって、複数のセンサ10を同時評価する場合に、一旦判定フラグがONになったセンサ10が直ぐにOFFになり、複数のセンサ10の同時評価を行うことが困難になる事態が防止される。
図14は、報知のサブルーチンの処理フロー図である。報知のサブルーチンが開始されると、ステップS71から処理が開始される。ステップS71では、判定サブルーチンによって判定された対象の判定フラグのON・OFFを確認して、警報が必要であるか否かを判断して、警報の必要がありと判断されればステップS72に進み、警報の必要がないと判断された場合には、このサブルーチン処理を終了させ、図12のメインルーチンに処理が戻される。
ステップS71における警報の必要があるか否かの判断では、判定フラグがONになったセンサ10の周辺に配置されたセンサ10の判定フラグの一部または全ての判定フラグがONになっていることを、警報の必要が有りとする条件としたり、各計測ユニット3内について自身に設置されたセンサ10の全ての判定フラグがONになってることを、警報の必要が有りとする条件としてもよい。
ステップS71において、警報の必要が有りと判断された場合には、ステップS72に進む。ステップS72では、警報を発する警報対象を選定し、ステップS73に進む。警報対象の選定では、例えば、判定フラグがONになっている計測ユニット3や、判定フラグがONになっているセンサ10が設置された計測ユニット3及び該計測ユニット3の周囲に配置され計測ユニット3を、対象警報として選定する。
ステップS73では、ステップS72において選定された警報対象となる計測ユニット3に対して、無線通信モジュール12を介して、警報信号を発信すると共に、メール送信手段31を介して予め定めたメールアドレスに警報対象や警報内容が記載された電子メールを送信する他、この警報対象や警報内容をウェブサーバ32により公開し、このサブルーチン処理を終了させて図12に示すメインルーチンに処理を戻す。ちなみに、警報信号を受信した計測ユニット3は、報知手段33を介して、周囲に、音や視覚的なシグナルによる報知を行う。
以上のように構成される監視システムによれば、適切なタイミングで、適切な地域や対象に適切な内容の警報を報知できる。
なお、この警戒の有無を判断する物理量は、地滑りの可能性を示唆する物理量に限定されることは無く、上述した通り、放射線量や、風速及び風向きや、降雨量や、温度等の監視の必要性がある様々な物理量が想定される。
また、上述の例では、監視サーバ4Aを、ネットワーク管理装置4に構築する例につき説明したが、この監視サーバ4Aをデータ管理サーバ6に構築してもよい。
さらに、上述の例では、フローの実行毎に、複数の評価式の一部をランダムに選択して、この選択された評価式を用いて、フローの実行毎に評価を行うが、用意した複数の評価式を、AND条件式であるDUTYブロックと、OR条件式であるVOTEブロックとに分類させることも可能である。
DUTYブロックでは、そこにカテゴライズされた評価式(第1評価式)の全てが警戒の必要有りとなった場合に条件が成立し、それ以外の場合には条件不成立になる。VOTEブロックでは、そこにカテゴライズされた評価式(第2評価式)のうちで予め定めた指定数以上(例えば半数以上)の評価式が警戒の必要有りと評価した場合に条件が成立し、警戒の必要有りとした評価式の数が指定数を下回った場合には、条件不成立とする。
つまり、3つ以上の第1評価式が用意され、監視サーバ4Aは、該3つ以上(例えば3つ)の第1評価式のなかから複数(例えば2つ)の第1評価式を選択し、該選択した第1評価式の全てが予め定めた所定条件を満たしている場合に警戒の必要があると判断する。
一方、3つ以上の第2評価式が用意され、監視サーバ4Aは、該3つ以上(例えば3つ)の第2評価式のなかから複数(例えば2つ)の第2評価式をランダムに選択し、該選択した第2評価式中で、予め定めた所定条件を満たしている第2評価式の数が予め定めた所定数(例えば1つ)以上の場合には、警戒の必要があると判断する。
具体的には、S66において、このDUTYブロック及びVOTEブロックによる条件の成否判断を行い、DUTYブロックとVOTEブロックの両方が条件成立となった場合には、ステップS68に進み、それ以外の場合にはステップS67に進む。
なお、ステップS64において、用意した複数の評価式に対して、フローの実行毎に、その一部又は全部に対してDUTYブロックとVOTEブロックの分類分けを行ってもよく、その際には、実行毎にその一部の評価式をランダムに選択し、その後に該任意選択された評価式に対して、DUTYブロックとVOTEブロックのカテゴライズを行ってもよい。
ちなみに、DUTYブロックとVOTEブロックのカテゴライズを行う評価式を予め定めた場合には、ステップS63及びステップS64の処理が不要になり、ステップS62→ステップS63の処理は、ステップS62→ステップS65に進むことになり、ステップS61→ステップS63の処理は、ステップS61→ステップS65に進むことになる。
また、ステップS72の警報対象の選択において、各種報知を行う時間に制限を加えてもよく、この場合の警報タイミングの時間的制限は、例えば、その日の0時0分0秒〜23時59分59秒の間で警報の時刻を限定する時刻限定や、その日の属する週の日曜日から土曜日の間で警報の曜日を限定する曜日限定、西暦を含む警報の日時を限定する日時限定等が可能である。