JP4525414B2 - 異常判定装置及び異常判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、センサを備える各種システムの状態が正常であるか否かを判定するための異常判定装置に関し、特に異常判定基準の選定技術に関する。
従来、ビルの空調システム、上下水道処理システム等の各種システムにおいて、システムの各部に設置されている多数のセンサにより計測された各事象についての各計測値を監視し、各計測値が所定の異常判定条件を満たした場合に異常状態であると判定する異常判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
なお、センサにより計測される事象には、例えば、温度、圧力、電力、ガス濃度等がある。
特開2002−62928号公報
ところで、異常判定装置の判定対象となるシステムが、例えば多数のセンサを配したビルにおける空調システムやその他の制御システムである場合等には、ビルに備えられたセンサの種類や数がビル毎に異なることも多いため、各ビルに備えられた従来の異常判定装置への異常判定条件の設定は、ビル毎のセンサの設置状況に基づいて行わなければならなくなる。
また、近年、ビル建築にもIT(Information Technology)化が進み、多数のセンサを有するビルも増えており、これらのビルのセンサを有効に利用して高い正確性で異常判定を行うべく適切な異常判定基準を設定するためには、各センサの計測対象となる各事象に関する制御モデルや統計等の多数かつ高度の専門知識が必要となる。
このため、例えば各ビルの各管理者が、個々にビルの従来の異常判定装置へ異常判定条件を設定することは容易ではない。
この問題は、ビルに係るシステムの異常判定を行うための異常判定基準の設定のみならず、多数のセンサを有する工場、倉庫等の各種建築物に係るシステムについて、センサの計測値を利用して異常の判定等の評価を行う場合の評価基準の設定についても当てはまる。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、備えるセンサの種類や数が異なる複数のシステムのうちの任意のシステムについて異常の判定等の評価を行う場合に、そのシステムの管理者が評価対象のシステムに適合した評価基準を従来よりも容易に定めることができるようにする技術を提供し、また、その技術を利用して各システムの異常を判定する異常判定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る異常判定装置は、事象を計測するセンサを1つ以上備えるシステムを判定対象として、当該システムの状態が異常か否かの判定を行う異常判定装置であって、1つ以上の事象についての各計測値を基礎として異常か否かの判定を行うための各々互いに異なる複数の判定基準を定義する判定基準群情報を記憶している記憶手段と、判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測される各事象を識別する計測事象識別情報を取得する事象識別情報取得手段と、前記判定基準群情報を参照して、前記計測事象識別情報により識別される各事象についての各計測値を基礎として判定を行うための判定基準を選定する判定基準選定手段と、判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測された各計測値を取得し、当該各計測値に基づいて、前記判定基準選定手段により選定された判定基準により、判定を行う判定手段と、前記判定手段による判定の結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
なお、判定基準選定手段による判定基準の選定は、参照する判定基準群情報で定義された複数の判定基準のうちから特定のものを選出することにより行われる場合と、参照する判定基準群情報で定義された複数の判定基準のうちから選出したものと、外部から入力値を取得してその入力値とを、組み合わせて新たに判定基準を生成してこの判定基準を選定することにより行われる場合とがある。
上記構成により、本発明に係る異常判定装置は、例えば、システムの管理者等がシステムに備えられているセンサが計測する事象を示す計測事象識別情報をこの異常判定装置に与えるだけの比較的容易な作業を行うことにより、或いは、計測事象の識別情報を出力するような各センサから自動的に収集した情報に基づいて計測事象識別情報を得ること等により、判定対象となるシステムがどのような事象を計測するセンサを備えているかに応じて、その備えているセンサにより計測される計測値に基づいて判定を行うための判定基準を選定するので、任意のシステムに適合した判定を可能にするという効果を生じる。
また、前記判定基準群情報は、1つ以上の各事象に対応する変数を含み判定基準となる基本数式と、当該基本数式に含まれるいずれか1以上の変数それぞれについての、当該変数と略等価なものである置換用数式であって当該変数とは別の1つ以上の各事象に対応する変数を含む置換用数式とを、各数式に含まれる変数に対応する事象を識別可能に表した情報であり、前記判定基準選定手段は、前記基本数式に含まれる変数のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数がある限り、当該基本数式における当該変数を略等価な前記置換用数式のいずれかに置換することにより、当該基本数式に係る判定基準を選定し、前記判定手段は、前記取得した各計測値を前記選定された判定基準に係る基本数式における該当の変数に代入して当該基本数式の演算を行うことにより前記判定を行うこととしてもよい。
これにより、1つの判定基準そのものに該当する基本数式と、その1以上の変数それぞれを置換するための置換用数式との組み合わせにより複数の判定基準が表されているため、同じことを、判定基準そのものに該当する複数の数式で表す場合よりは、適切に判定基準群情報を具体化するならばそのデータ量を軽減し易いものとなり、数式が不正確であることが判明したような場合においては一部の置換用数式のみの修正等を行うようなことも容易にできるようになる。
また、前記記憶手段は更に、各置換用数式に対応付けて、当該置換用数式と、略等価な該当の変数との差の程度を示す置換誤差情報をも記憶しており、前記判定基準選定手段は、変数に略等価ないずれかの置換用数式へ変数の前記置換を、当該置換を含んで当該置換までに施した全ての置換に係る各置換用数式に対応する置換誤差情報に基づいて当該置換後における基本数式の誤差を算定した場合に当該誤差が所定の閾値より小さくなるような置換用数式のみについて施すこととしてもよい。
これにより、判定に用いられることになる判定基準はある程度精度の高いものとなり、判定対象システムが異常であるか否かの判定を、ある程度正確に行うことができるようになる。
また、前記判定基準選定手段は、前記判定基準群情報により定義される複数の判定基準のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値を基礎としないで判定を行うための判定基準がある場合には当該判定基準を選定することとしてもよい。
これにより、システム管理者等のユーザにより入力されるような、ある事象についての予測値や標準値ではなく、判定対象のシステムが備えているセンサにより実際に計測される計測値に基づいて、その判定を行うことができるため、より正確な判定が行えるようになる。なお、本発明においては、異常判定装置の記憶手段に予め記憶されている判定基準群情報は、予め専門家が科学的理論や統計的知識に基づいて設定していることを前提にしているので、適切に利用されれば、予め定義されている判定基準と、システム管理者等の現場におけるユーザにより入力される値とを組み合わせて新たな判定基準を定めて判定を行う場合に比べて、予め定義されている判定基準をそのまま適用することができる限りにおいてその判定基準を用いて判定を行う場合には、判定の精度はある程度高くなると予想できる。
また、前記異常判定装置は更に、ユーザによる入力値を受け付ける入力受付手段を備え、前記出力手段は更に、入力要求に係る入力要求情報を出力し得るものであり、前記判定基準選定手段は、前記判定基準群情報により定義される複数の判定基準のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値を基礎としないで判定を行うための判定基準がない場合には、前記判定基準群情報により定義される複数の判定基準のうち、当該判定基準が基礎とする、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値の数が、最も少ないところの判定基準を選出し、選出した判定基準における前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象を示す入力要求情報を前記出力手段に出力させ、前記入力受付手段により受け付けられた入力値を、選出した判定基準における前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値の代わりに用いたものである新たな判定基準を生成して当該判定基準を選定することとしてもよい。
これにより、予め定義されているいずれかの判定基準をそのまま適用できないシステムを判定する場合においても、ユーザ入力が必要とされる事象に係る情報の数を、最小限にするので、ユーザによる情報の入力には専門知識は必要となるものの、その入力は量的に抑制され、入力の困難度が、ある程度緩和されることになる。
また、前記異常判定装置において、前記各センサは、各々所定の計測点において所定の物理量を計測するものであり、前記計測事象識別情報は、各センサにより計測される各事象を、計測点の名称と物理量の名称とを組み合わせた識別名称で定義した情報であり、前記判定基準群情報は、一事象に対応する変数又は複数事象に包括的に対応する変数を1以上含んでおり判定基準となる基本数式及びその基本数式の変数の置換用に用いられる置換用数式を、一事象に対応する変数については計測点の名称を含む変数名で表し、複数事象に包括的に対応する変数については複数の計測点の包括的名称を含む変数名で表した情報であり、前記判定基準選定手段は、基本数式に含まれる変数のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数がある限り、当該基本数式における当該変数を前記置換用数式に置換することにより、当該基本数式に係る判定基準を選定し、当該選定において、変数が一事象に対応するものである場合には、その変数名に一致する識別名称が定義されていなければ、当該変数は計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数があるとして前記置換を行い、変数が複数事象に包括的に対応するものである場合には、その変数名に対応する複数の計測点の名称それぞれについて一致する識別名称が定義されていなければ、当該変数は計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数があるとして前記置換を行い、前記判定手段は、前記取得した各計測値を前記選定された判定基準に係る基本数式における該当の変数に代入して当該基本数式の演算を行うことにより前記判定を行い、当該代入に際して、選定された判定基準に係る基本数式における変数が複数事象に包括的に対応する変数である場合には、当該複数事象の各々について該当する各計測値を逐次代入することとしてもよい。
これにより、基本数式又は置換用数式を、複数事象に包括的に対応する変数を用いて表現することができるようになり、例えば、ビルにおける各階の同種のセンサについてを、一括して表現できることとなる。従って、数式は簡明となり修正等の作業負担が容易になる可能性があり、数式を定義するデータ量を減少させることができる可能性が生じる。
また、本発明に係る評価基準選出装置は、事象を計測するセンサを1つ以上備えるシステムを評価対象として当該システムの状態を評価するための評価基準を選出する評価基準選出装置であって、1つ以上の事象についての各計測値を基礎として評価を行うための各々互いに異なる複数の評価基準を、定義する情報を記憶している記憶手段と、評価対象のシステムに備えられた各センサにより計測される各事象を識別する計測事象識別情報を取得する事象識別情報取得手段と、前記複数の評価基準のうち、当該評価基準が評価の基礎とする全ての計測値の中に、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値を含まない評価基準を選出する評価基準選出手段とを備えることを特徴とする。
上記構成により、本発明に係る評価基準選出装置は、例えば、システムの管理者等がシステムに備えられているセンサが計測する事象を示す計測事象識別情報をこの異常判定装置に与えるだけの比較的容易な作業を行うことにより、或いは、計測事象の識別情報を出力するような各センサから自動的に収集した情報に基づいて計測事象識別情報を得ること等により、判定対象となるシステムがどのような事象を計測するセンサを備えているかに応じて、その備えているセンサにより計測される計測値に基づいてシステムの評価を行うための評価基準を選出するので、任意のシステムに適合した評価を可能にするという効果を生じる。
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係る異常判定装置について説明する。
<異常判定装置の構成>
図1は、本発明の実施形態1に係る異常判定装置100の構成図である。なお、同図には異常判定装置100の判定対象となる判定対象システム50をも付記している。
異常判定装置100は、判定対象システム50の状況が異常であるか否かを判定する装置であり、判定対象システム50と接続されたコンピュータにより実現され、機能的構成要素としては、同図に示すように、操作部110、表示部120、計測値取得部130、計測事象識別情報取得部140、入力受付部150、判定基準群情報記憶部160、判定基準選定部170及び判定部180を備える。
なお、判定対象システム50は、各種事象を計測する各種センサ群51を備えるシステムである。この実施形態1では、判定対象システム50が、空調機や熱源等を備えたビルにおける空調管理システムであり、センサ群51は、そのビルにおける空調機に関連するセンサや空調機と熱源とを接続する流水用の配管に関連するセンサ等である場合を例にして説明する。但し、異常判定装置100は、任意の判定対象システム50、即ち、備えるセンサ群の個数や種類の異なる多数の判定対象システムのうちのいずれの判定対象システムについても、適切に判定を行えるように判定基準をカスタマイズする機能を備えている。
操作部110は、キーボード、マウス等のユーザ操作を受け付ける装置であり、表示部120は、ユーザが視認できるように情報を表示するディスプレイ装置である。なお、異常判定装置のユーザは、例えば、判定対象システムの管理者等である。
計測値取得部130は、センサ群51と接続されており、センサ群51から伝送される各種事象の各計測値を取得するためのインタフェース装置である。
計測事象識別情報取得部140は、センサ群51により計測される事象を識別するための計測事象識別情報を、操作部110を介して取得して、その計測事象識別情報をメモリ等に保持する機能を有する。なお、計測事象識別情報の内容については後述する。
入力受付部150は、ユーザに入力された入力値を、操作部110を介して取得して、判定基準選定部170に伝達する機能を有する。
判定基準群情報記憶部160は、ハードディスクその他の記録媒体、或いは不揮発性メモリ等の記憶媒体の一部の領域として実現され、判定対象システム50の状況が異常であるか否かを判定するための判定基準を複数定義した判定基準群情報を予め記憶している。なお、判定基準群情報については後に詳しく説明する。
判定基準選定部170は、選出部171及び生成部172を有し、判定対象システム50の状況が異常であるか否かを判断するための判定基準を選定して、選定した判定基準を示す情報を判定部180に伝達するための判定基準選定処理を行う機能を担う。この判定基準選定処理の詳細は後に説明する。
ここで、選出部171は、計測事象識別情報取得部140により保持されている計測事象識別情報を参照することにより、判定基準群情報記憶部160に記憶されている判定基準群情報で定義される複数の判定基準のうちのいずれかを選出する機能を有する。この選出部171は、センサ群51から取得可能な計測値のみにより判定可能となる判定基準がある場合にはその判定基準を選出し、その他の場合には、センサ群51から取得可能な計測値の他に何らかの情報が加われば判定可能となる判定基準を選出して、その判定基準を、表示部120を介して表示する。
生成部172は、選出部171により選出された判定基準がセンサ群51から取得可能な計測値のみからは判定できない判定基準であるときに、入力受付部150から伝達されるユーザによる入力値を用いることにより、センサ群51から取得可能な計測値のみから判定可能となる判定基準を新たに生成する機能を有する。
また、判定部180は、判定基準選定部170により選定された判定基準を示す情報を格納するためのメモリ領域である基準格納部181を含み、計測値取得部130を介してセンサ群51から各事象に対する各計測値を取得して、その各計測値と、選定された判定基準とに基づいて、判定対象システム50が異常状態であるか否かを判定して、その判定結果を示す情報を、表示部120を介して表示する機能を有する。
なお、計測事象識別情報取得部140、入力受付部150、判定基準選定部170及び判定部180の機能は、メモリ自体により、及び、メモリに格納されたプログラムがCPU(Central Processing Unit)により実行されることにより、実現される。
<異常判定装置の扱うデータ>
以下、上述した構成を備える異常判定装置100の取り扱うデータについて説明する。
図2は、判定基準群情報のデータ構成及び内容例を示す図である。
判定基準群情報記憶部160に記憶されている判定基準群情報200は、基本数式情報210と置換情報220とから構成され、各情報内容は専門家により科学的理論や統計的知識に基づいて設定されている。
ここで、基本数式情報210は、判定対象システム50が異常状態であるか否かを判定するための判定基準となる数式(以下、「基本数式」という。)を定義した情報である。なお、数式における変数はセンサで計測し得る事象に対応しており、センサにより計測された計測値を変数に代入することにより数式を具体的に判定に用いることができるようになる。
また、置換情報220は、基本数式の変数を置換し得る数式を示し、置換対象変数221と置換用数式222との複数組で構成される情報である。置換対象変数221と置換用数式222とには、互いに等価とみなせるような内容が予め定められている。従って、置換情報220による置換結果に鑑みれば、基本数式情報210と置換情報220との組み合わせは、結果的に複数の判定基準を特定する情報であると言える。
以下、図2に例示した基本数式及び置換用数式中の変数、関数、置換対象変数等について説明する。
各変数は各事象に対応しており、その事象には、ある具体的な判定対象システム50に備えられたセンサ群51によっては計測できない事象も含まれる。
変数の名称としては、事象を所定の命名規則に基づいて表した名称を定めている。
AHU_QAは、空調機の空気についての熱量である。
AHU_QWは、空調機の水についての熱量である。
AHU_VAV_GAは、空調機の風量である。
AHU_HAraは、空調機の環気側エンタルピーである。
AHU_HAsaは、空調機の給気側エンタルピーである。
AHU_GWは、空調機の流入水量である。
AHU_TWoutは、空調機の出口水温である。
AHU_TWinは、空調機の入口水温である。
HDret_TWは、熱源の還流経路の水温である。
HDsup_TWは、熱源の供給経路の水温である。
AHU_DBraは、空調機の環気乾球温度である。
AHU_RHraは、空調機の環気相対湿度である。
AHU_DBsaは、空調機の給気乾球温度である。
AHU_RHsaは、空調機の給気相対湿度である。
AHU_ATFは、空調機の空気搬送効率である。
AHU_FAN_PPは、空調機のファンの消費電力量である。
Enthalpyは、乾球温度と相対湿度とからエンタルピーを計算するための関数であり、判定部180にはこのEnthalpy関数やその他の関数を計算する機能が備えられている。
なお、この所定の命名規則によれば、計測ポイントの名称に相当する文字列記号と物理量の名称に相当する文字列記号とを「_」で連結してなる文字列でもって、事象を表しており、計測ポイントの名称としては「AHU」が空調機を表すものであり、「HD」は熱源を表すものであり、物理量の名称としては、例えば「QA」は空気の熱量を表すものであり、「QW」は水の熱量を表すものである。
不等式|AHU_QA−AHU_QW|≦50の定める条件、即ち、空気を媒体として室内に供給された熱量と水媒体として熱源から空調機の供給された熱量との差は小さく、所定値50以下であるという条件が満たされていれば異常ではなく、この条件が満たされていなければ異常であると判定されるように基本数式は予め定められている。つまり、基本数式は、あるビル固有のものではなく、各種ビルにおける空調管理システムに共通して適用できるような数式である。
図3は、計測事象識別情報のデータ構成及び内容例を示す図である。
この計測事象識別情報は、判定対象システム50に備えられたセンサ群51の各センサにより計測される各事象を示す情報であり、各センサからの計測値を識別可能なように表したものである。
各事象は、図2で示したのと同じ所定の命名規則に基づいた名称で表されている。ユーザは、この計測事象識別情報を操作部110に入力しておくことになる。
ここで、上述していない名称について説明すると、HDsup_PWは、熱源の供給経路の水圧であり、HDret_PWは、熱源の還流経路の水圧である。
<異常判定装置の動作>
以下、上述の構成を備え、上述のデータを扱う異常判定装置100の動作について説明する。
異常判定装置100は、実際に判定を行う前に判定対象システム50に適合するようにカスタマイズされるものであり、実際の判定に用いるための判定基準を選定するための判定基準選定処理を、装置運用の初期段階や判定対象システム内のセンサ数に変動があったとき等に行う。
図4及び図5は、異常判定装置100における判定基準選定処理を示すフローチャートである。
以下、図4及び図5のフローチャートに即して、判定基準選定部170により行われる判定基準選定処理について説明する。
まず選出部171は、判定基準群情報記憶部160に記憶されている基本数式に着目し(ステップS11)、着目中の数式に非計測事象に対応する変数が含まれているか否かを判別する(ステップS12)。
ここで、非計測事象とは、センサ群51により計測されない事象をいう。即ち、選出部171は、計測事象識別情報取得部140により保持されている計測事象識別情報を参照して、その計測事象識別情報で示されている事象以外のものに該当する変数が、着目中の数式に含まれているか否かを判別する。例えば、図2に例示した基本数式中の変数AHU_QAは、図3に例示した計測事象識別情報中には含まれていないので、ステップS12では、基本数式に着目していれば、非計測事象に対応する変数が含まれていると判別されることになる。
ステップS12において、非計測事象に対応する変数が含まれていないと判別した場合には、選出部171は、着目中の数式を示す情報を基準格納部181に格納し(ステップS23)、判定基準選定処理を終える。
一方、ステップS12において、非計測事象に対応する変数が含まれていると判別した場合には、選出部171は、着目中の数式における非計測事象に対応する変数であって、まだ直接的に着目していない変数に着目し(ステップS13)、その着目した変数が置換可能であるか否かを判別する(ステップS14)。なお、選出部171は、着目した変数が、判定基準群情報記憶部160に置換情報220の置換対象変数221として定められているか否かにより、置換可能であるか否かの判別を行う。例えば、図2に例示した置換情報中に置換対象変数AHU_QAが含まれているため、ステップS13で基本数式中の変数AHU_QAに着目している場合にはステップS14では肯定的に判別がなされる、即ち置換可能と判別されることになる。
ステップS14において、置換可能であると判別した場合には、選出部171は、その着目中の変数つまり置換対象変数221と組をなす置換用数式222に、着目中の数式における着目中の変数を置き換えてなる数式をメモリ領域に保存し(ステップS15)、着目中の数式に、非計測事象に対応する変数であって未だ着目していない変数が含まれているか否かを判別し(ステップS16)、未だ着目していない変数が含まれている場合には再度ステップS13の処理に戻る。なお、ステップS14において、置換可能でないと判別した場合には、選出部171はステップS15の処理を行わずにステップS16の処理に移る。
また、選出部171は、ステップS15では、着目中の変数に対応する置換用数式222が複数ある場合には、置換後の数式も複数保存することになる。
上述の図2の例によれば、ステップS15において変数AHU_QAを置換して保存される数式は、次の数1になる。
[数1] |AHU_VAV_GA * ( AHU_HAra − AHU_HAsa ) − AHU_QW| ≦ 50
また、ステップS16において、着目中の数式に、非計測事象に対応する変数であって未だ着目していない変数が含まれていないと判別した場合には、選出部171は、メモリ領域に保存している置換後の数式のうち、未だ着目していない数式があるか否かを判別して(ステップS17)、肯定的に判別した場合には、選出部171は、未だ着目していないその置換後の数式に着目をした状態で(ステップS18)、ステップS12の判別処理に戻る。なお、ステップS17において否定的に判別した場合には、選出部171は、着目済みの数式のうち、非計測事象に対応する変数の数が最も少なく含まれている数式を選出し(ステップS19)、その数式を示す情報とともにユーザにその数式における非計測事象を表す情報の入力を促すメッセージを、表示部120を介して表示する(ステップS20)。
なお上述の図2及び図3の例によれば、ステップS19により選出される数式は次の数2となる。
[数2] |AHU_VAV_GA * (Enthalpy(AHU_DBra, AHU_RHra)
− Enthalpy(AHU_DBsa, AHU_RHsa) )
− AHU_GW * (HDret_TW − HDsup_TW)| ≦ 50
選出部171により、非計測事象に対応する変数を含む数式が選出され、その非計測事象の計測値を表す情報の入力が促された後に、生成部172は、その数式を取得するとともに、入力受付部150を介してユーザにより入力された入力値を取得し(ステップS21)、その数式における非計測事象に入力値を代入してなる新たな数式を生成し(ステップS22)、その新たな数式を示す情報を基準格納部181に格納し(ステップS23)、これで判定基準選定処理を終了する。なお、ステップS21で生成部は、その数式において非計測事象に対応する変数が複数含まれている場合には、ユーザにより入力される各事象に対応する複数の入力値を取得する。
上述の数2に示す数式においてAHU_VAV_GAが非計測事象に対応する変数であり、判定対象システム50が定風量システムであるとすれば、ユーザはその標準的風量となる値、例えば固定値120を入力する。
ユーザは、例えば統計的情報等に基づいて、事象の標準的な計測値に相当するであろう値を入力する必要があるが、ステップS19等により、このような専門知識を必要とする情報の入力は必要最小限に抑制されているため、ユーザの負担はある程度軽いものとなる。
上述した判定基準選定処理により基準格納部181に格納された情報に係る数式は、非計測事象に対応する変数を含まないものとなっており、判定部180による判定に実際に用いられる判定基準となる。
判定基準選定処理が終了した後に、異常判定装置100の運用段階においては、適時、センサ群51の各センサから各事象に対応する各計測値が計測値取得部130を介して判定部180に伝達され、判定部180は、各計測値を計測事象識別情報取得部140に保持されている計測事象識別情報に基づいて、どの事象についての計測値かを特定し、各計測値を基準格納部181に格納されている情報に係る数式における相当する変数に代入することにより、数式が成立するか否かにより判定対象システム50が正常であるか否かを判定する。例えば、図3に例示するようにセンサにより計測された1番目の計測値は、判定基準となる数式における、空調機の給気乾球温度に対応する変数AHU_DBsaに代入され、2番目の計測値は、空調機の給気相対湿度に対応する変数AHU_RHsaに代入される。
判定部180は判定後には、判定結果を示す画面を、表示部120を介して表示する。
これにより、ユーザは表示部120を通じて判定対象システム50が正常に動作しているか、異常が発生したかを、確認することができるようになる。
<実施形態2>
以下、本発明の実施形態2に係る異常判定装置について説明する。実施形態2に係る異常判定装置は、上述した実施形態1に係る異常判定装置を若干変形したものであり、基本数式の一部の変数を他の数式に置換する場合に、置換前後の数式の等価度合いに基づく誤差がある程度以下であるときに限って置換を行うようにしたものである。
ここでは、実施形態2に係る異常判定装置について、実施形態1で示した異常判定装置100と同じ部分や同じ処理については実施形態1と同一の符号を用いて説明し、実施形態1と相違する点のみを詳しく説明する。
<判定基準群情報>
図6は、実施形態2に係る判定基準群情報のデータ構成及び内容例を示す図である。
この判定基準群情報は、判定基準群情報記憶部160に記憶されており、基本数式情報210と置換情報240とから構成される。
置換情報240は、基本数式情報210により示される基本数式の変数を置換し得る数式とその置換を行った場合に生じる置換誤差を示し、置換対象変数241と置換用数式242と置換誤差243との複数組で構成される情報である。置換対象変数241と置換用数式242とには互いに等価とみなせるような内容が予め定められており、その互いが等価である程度を示す置換誤差も予め定められている。
図6は、例えば、置換対象変数AHU_QAを、置換用数式AHU_VAV_GA*(AHU_HAra−AHU_HAsa)に置換した場合に生じる誤差が5%であることを示している。
<判定基準選定処理>
図7は、判定基準選定処理の一部を示すフローチャートであり、実施形態1の判定基準選定処理の一部を示す図4を変形してなるフローチャートである。
実施形態2に係る異常判定装置が行う判定基準選定処理は、実施形態1で示した判定基準選定処理におけるステップS14で選出部171が肯定的に判別を行った場合の直後に、新たに、置換後の誤差が所定の閾値以下であるか否かを判別するステップS141を追加したものとなる。
即ち、選出部171が、基本数式等に着目して、着目中の数式における非計測事象に対応する変数であってまだ直接的に着目していない変数に着目し(ステップS13)、その着目した変数が置換可能であるか否かを判別し(ステップS14)、置換可能であると判別した場合には、選出部171は、置換情報240中の置換誤差243を参照することにより、その置換の結果となる数式における総合的な誤差が所定の閾値以下であるか否かを判別し(ステップS141)、誤差が所定の閾値以下であれば、その変数を置換した数式を保存し(ステップS15)、誤差が所定の閾値より大きければ、その変数を置換した数式の保存を行わない。
なお、ステップS15において置換後の数式を保存する場合には、誤差をも保存する。具体的には、置換後の数式を保存する際に、既に保存してある置換前の数式に関する誤差が存在すればその誤差と、置換に係る置換誤差とから、置換後の数式に関する誤差を所定の計算式により計算して、その計算結果である誤差を保存することになる。
このような実施形態2に係る異常判定装置によれば、判定に実際に用いられる判定基準として選定される数式は、誤差がある程度小さいものとなる。
<実施形態3>
以下、本発明の実施形態3に係る異常判定装置について説明する。実施形態3に係る異常判定装置は、上述した実施形態1に係る異常判定装置を若干変形したものであり、基本数式の変数を置換するのではなく、判定基準を直接的に示す数式を複数記憶しておき、その複数の判定基準を参照することにより実際に判定に用いる判定基準を選定しようとするものである。
ここでは、実施形態3に係る異常判定装置について、実施形態1で示した異常判定装置100と同じ部分や同じ処理については実施形態1と同一の符号を用いて説明し、実施形態1と相違する点のみを詳しく説明する。
<異常判定装置の構成>
図8は、本発明の実施形態3に係る異常判定装置400の構成図である。なお、同図には異常判定装置400の判定対象となる判定対象システム50をも付記している。
異常判定装置100は、判定対象システム50の状況が異常であるか否かを判定する装置であり、判定対象システム50と接続されたコンピュータにより実現され、機能的構成要素としては、同図に示すように、操作部110、表示部120、計測値取得部130、計測事象識別情報取得部140、入力受付部150、選択受付部455、判定基準群情報記憶部460、判定基準選定部470及び判定部180を備える。
ここで、選択受付部455は、ユーザによる判定基準の選択指示を、操作部110を介して受け付けて、判定基準選定部470に伝達する機能を有する。
判定基準群情報記憶部460は、ハードディスクその他の記録媒体、或いは不揮発性メモリ等の記憶媒体の一部の領域として実現され、判定対象システム50の状況が異常であるか否かを判定するための判定基準を複数定義した判定基準群情報を予め記憶している。この判定基準群情報は実施形態1における判定基準群情報とは具体的内容において相違するので後に詳しく説明する。
判定基準選定部470は、選出部471及び生成部172を有し、判定対象システム50の状況が異常であるか否かを判断するための判定基準を選定して、選定した判定基準を示す情報を判定部180に伝達するための判定基準選定処理を行う機能を担う。この判定基準選定処理は、実施形態1における判定基準選定処理とは相違するので、後に詳しく説明する。
ここで、選出部471は、計測事象識別情報取得部140により保持されている計測事象識別情報を参照することにより、判定基準群情報記憶部460に記憶されている判定基準群情報で定義される複数の判定基準のうちのいずれかを選出する機能を有する。
この選出部471は、センサ群51から取得可能な計測値のみにより判定可能となる判定基準がある場合にはその判定基準を選出し、その他の場合には、センサ群51から取得可能な計測値の他に何らかの情報が加われば判定可能となる判定基準を、存在する限り選んでその各判定基準を、表示部120を介して表示し、選択受付部455を介してその表示した判定基準のいずれかの選択指示を受け付けて受け付けた判定基準を選出する。
また、生成部172は、選出部471により選出された判定基準がセンサ群51から取得可能な計測値のみからは判定できない判定基準であるときに、入力受付部150から伝達されるユーザによる入力値を用いることにより、センサ群51から取得可能な計測値のみから判定可能となる判定基準を新たに生成する機能を有する。
<異常判定装置の扱うデータ>
以下、上述した構成を備える異常判定装置400の取り扱う判定基準群情報について説明する。
図9は、判定基準群情報のデータ構成及び内容例を示す図である。
判定基準群情報記憶部460に記憶されている判定基準群情報は、判定基準251と誤差252との複数組で構成される情報である。なお、同図の内容例で示した判定基準の数式における変数は、実施形態1において説明したものと同じ命名規則に基づいて命名されている。
各判定基準の数式は、その数式が成立すれば正常であり、満たされなければ異常であると判定されるように予め定められている。また、誤差252は、それと組をなす判定基準251の精度に係る誤差であり、予め判定基準毎に適切に定められている。
<異常判定装置の動作>
異常判定装置400は、実際に判定を行う前に判定対象システム50に適合するようにカスタマイズされるものであり、実際の判定に用いるための判定基準を選定するための判定基準選定処理を、装置運用の初期段階や判定対象システム内のセンサ数に変動があったとき等に行う。
図10は、異常判定装置400における判定基準選定処理を示すフローチャートである。
以下、図10のフローチャートに即して、判定基準選定部470により行われる判定基準選定処理について説明する。
まず選出部471は、判定基準群情報記憶部460に記憶されている複数の判定基準を示す複数の数式のうち、非計測事象に対応する変数を含まない数式をサーチする(ステップS31)。
このサーチに成功した場合(ステップS32)、つまり非計測事象に対応する変数を含まない、判定基準に係る数式が判定基準群情報記憶部460に記憶されている場合には、選出部471は、その数式を判定部180の基準格納部181にその数式を示す情報を格納し(ステップS37)、判定基準選択処理を終了する。
また、ステップS31におけるサーチに失敗した場合には(ステップS32)、選出部471は、表示部120を介して、判定基準群情報記憶部460に記憶されている各判定基準251の数式をその判定基準に対応する誤差252と対応付けて列挙表示する(ステップS33)。この列挙表示においては、表示した判定基準のうちのいずれかのユーザによる選択を要求するメッセージも示される。
ステップS33に続いて、ユーザがいずれかの判定基準の数式を示す選択指示を行った場合に、選出部471は、選択受付部455を介してその選択指示を受け付けて、その選択指示に係る数式を選出する(ステップS34)。なお、ユーザは、列挙表示される数式と誤差とを見て適切と思われる判定基準を選択する必要がある。
続いて生成部172は、選出部471により選出された判定基準の数式における非計測事象についてのユーザによる入力値を、入力受付部150を介して取得し(ステップS35)、選出された数式における非計測事象に対応する変数にユーザ入力値を代入してなる新たな数式を生成し(ステップS36)、生成した数式を基準格納部181に格納し(ステップS37)、これにより判定基準選定処理は終了する。
なお、判定部180は、判定基準選定処理により基準格納部181に格納された数式を判定基準として用いて、センサ群51から取得した各計測値に基づいて判定を行う。
<実施形態4>
以下、本発明の実施形態4に係る異常判定装置について説明する。実施形態4に係る異常判定装置は、上述した実施形態1に係る異常判定装置における判定基準群情報記憶部160、判定基準選定部170及び判定部180との内容を若干変形したものであり、判定基準となる数式における変数として、単一のセンサで計測し得る事象に対応した変数に加えて、複数の同種のセンサで計測し得る事象に包括的に対応した変数を用いることもできるように、機能拡張したものである。
ここでは、実施形態4に係る異常判定装置について、実施形態1で示した異常判定装置100との相違点のみを詳しく説明する。相違点は、判定基準群情報記憶部160に記憶されている判定基準群情報と、判定基準選定部170における選出部171の行う判定基準選定処理の内容と、生成部172の行う判定基準の生成処理の内容とである。なお、計測事象識別情報取得部140に格納される計測事象識別情報の取り得る値も拡張されるので、計測事象識別情報についても説明する。
<計測事象識別情報>
図11は、実施形態4における計測事象識別情報の内容例を示す図である。
この計測事象識別情報は、判定対象システム50に備えられたセンサ群51の各センサにより計測される各事象を示す情報であり、各事象は、計測ポイントの名称に相当する文字列記号と物理量の名称に相当する文字列記号とを「_」で連結してなる文字列でもって表されている。なお、計測ポイントの名称については、この実施形態4においては特に、ビルの空調管理システムにおけるビルの各階に備えられた同種の機器等におけるセンサに関しては、その計測ポイント名称を、同種の機器等を一括して呼称する名称部分つまり各階を通じて共通に呼称する名称部分と、階を識別する名称部分とを組み合わせた形式で表すものとする。例えば、空調機を示す「AHU」と、1階を示す[1F]や2階を示す[2F]とを組み合わせて計測ポイント名称を形成している。
以下、図11における各事象の名称について説明する。
AHU[1F]_DBsaは、1階の空調機の給気乾球温度であり、1階の一センサにより計測される。
AHU[1F]_RHsaは、1階の空調機の給気相対湿度である。
AHU[1F]_DBraは、1階の空調機の環気乾球温度である。
AHU[1F]_RHraは、1階の空調機の環気相対湿度である。
AHU[1F]_FAN_PPは、1階の空調機のファンの消費電力量である。
AHU[1F]_GWは、1階の空調機の流入水量である。
AHU[2F]_DBsaは、2階の空調機の給気乾球温度であり、2階の一センサにより計測される。
AHU[2F]_RHsaは、2階の空調機の給気相対湿度である。
AHU[2F]_DBraは、2階の空調機の環気乾球温度である。
AHU[2F]_RHraは、2階の空調機の環気相対湿度である。
AHU[2F]_FAN_PPは、2階の空調機のファンの消費電力量である。
AHU[2F]_GWは、2階の空調機の流入水量である。
HDsup_TWは、熱源の供給経路の水温である。
HDsup_PWは、熱源の供給経路の水圧である。
HDret_TWは、熱源の還流経路の水温である。
HDret_PWは、熱源の還流経路の水圧である。
<判定基準群情報>
図12は、実施形態4における判定基準群情報の内容例を示す図である。
判定基準群情報記憶部160に記憶されている判定基準群情報1200は、判定対象システム50が異常状態であるか否かを判定するための判定基準となる基本数式を定義した基本数式情報1210と、基本数式の変数を置換し得る数式を示す置換情報1220とから構成される。この置換情報1220は、互いに等価とみなせる置換対象変数1221と置換用数式1222との複数組で構成される。
この判定基準群情報で定義される各数式における変数は、センサで計測し得る事象に対応しており、センサにより計測された計測値を変数に代入することにより数式を具体的に判定に用いることができるようになる。この変数名も計測ポイントの名称に相当する文字列記号と物理量の名称に相当する文字列記号とを「_」で連結してなる文字列でもって表されている。
但し、計測ポイントの名称中に「#」を用いれば、同種の機器等におけるセンサを包括的に表すこととしており、例えば、計測ポイントの名称としては「AHU[#]」は1以上の各々の空調機を表すものである。つまり「#」を名称中に含む計測ポイント名称は、その「#」に相当する部分が任意の文字列である全ての計測ポイント名称を包括的に示している。従って、図12に示す「#」を含む各変数の意味を、図11で示した計測事象識別情報に鑑みて説明すると次のようになる。
AHU[#]_QAは、各階における空調機の空気についての熱量である。
AHU[#]_QWは、各階における空調機の水についての熱量である。
AHU[#]_VAV_GAは、各階における空調機の風量である。
AHU[#]_HAraは、各階における空調機の環気側エンタルピーである。
AHU[#]_HAsaは、各階における空調機の給気側エンタルピーである。
AHU[#]_GWは、各階における空調機の流入水量である。
AHU[#]_TWoutは、各階における空調機の出口水温である。
AHU[#]_TWinは、各階における空調機の入口水温である。
AHU[#]_DBraは、各階における空調機の環気乾球温度である。
AHU[#]_RHraは、各階における空調機の環気相対湿度である。
AHU[#]_DBsaは、各階における空調機の給気乾球温度である。
AHU[#]_RHsaは、各階における空調機の給気相対湿度である。
AHU[#]_ATFは、各階における空調機の空気搬送効率である。
AHU[#]_FAN_PPは、各階における空調機のファンの消費電力量である。
また、基本数式である不等式|AHU[#]_QA−AHU[#]_QW|≦50の定める条件の意味は、各階において、空気を媒体として室内に供給された熱量と水媒体として熱源から階毎の空調機の供給された熱量との差は小さく、所定値50以下であるという意味である。
なお、基本数式情報における全ての「#」は、同一の任意の文字列に展開でき、また、置換対象変数と置換用数式との組の各々について別個に、その組の中での全ての「#」は、同一の任意の文字列に展開できる。
<判定基準選定処理>
以下、図11に示した計測事象識別情報及び図12に示した判定基準群情報に基づいて選出部171の行う判定基準選定処理について、実施形態1の説明に用いた図4及び図5のフローチャートに即して、実施形態1との相違部分に重点を置いて説明する。
選出部171は、判定基準群情報中の基本数式に着目し(ステップS11)、着目中の数式に非計測事象に対応する変数が含まれているか否かを判別する(ステップS12)。このステップS12において、選出部171は計測事象識別情報で示されている事象以外のものに該当する変数が、着目中の数式に含まれているか否かを判別する。
この判別に際しては基本数式中の変数の名称に「#」が含まれている場合は、「#」部分を任意の文字列に読み替えたとすればその変数の名称と一致する名称が計測事象識別情報中に含まれているかを調べることになる。図11及び図12に示した各情報に関して言えば、図12に例示した基本数式中の変数AHU[#]_QAについて、「#」の部分以外において一致する名称が計測事象識別情報中に含まれているかを調べて、一致する名称がないため、基本数式に着目したときのステップS12では、非計測事象に対応する変数が含まれていると判別されることになる。
ステップS12において、非計測事象に対応する変数が含まれていると判別した場合には、選出部171は、着目中の数式における非計測事象に対応する変数であって、まだ直接的に着目していない変数に着目し(ステップS13)、その着目した変数が置換可能であるか否かを判別する(ステップS14)。なお、選出部171は、着目した変数が、判定基準群情報記憶部160に置換情報220の置換対象変数221として定められているか否かにより、置換可能であるか否かの判別を行う。
例えば、図12に例示した置換情報中に置換対象変数AHU[#]_QAが含まれているため、ステップS13で基本数式中の変数AHU[#]_QAに着目している場合にはステップS14では肯定的に判別がなされる即ち置換可能と判別されることになる。
ステップS14において、置換可能であると判別した場合には、選出部171は、その着目中の変数つまり置換対象変数221と組をなす置換用数式222に、着目中の数式における着目中の変数を置き換えてなる数式をメモリ領域に保存し(ステップS15)、着目中の数式に、非計測事象に対応する変数であって未だ着目していない変数が含まれているか否かを判別し(ステップS16)、未だ着目していない変数が含まれている場合には再度ステップS13の処理に戻る。ステップS14において、置換可能でないと判別した場合には、選出部171はステップS15の処理を行わずにステップS16の処理に移る。
上述の図12の例によれば、ステップS15において変数AHU[#]_QAを置換して保存される数式は、次の数3になる。
[数3] |AHU[#]_VAV_GA * ( AHU[#]_HAra − AHU[#]_HAsa ) − AHU[#]_QW| ≦ 50
また、ステップS16において、着目中の数式に、非計測事象に対応する変数であって未だ着目していない変数が含まれていないと判別した場合には、選出部171は、メモリ領域に保存している置換後の数式のうち、未だ着目していない数式があるか否かを判別して(ステップS17)、肯定的に判別した場合には、選出部171は、未だ着目していないその置換後の数式に着目をした状態で(ステップS18)、ステップS12の判別処理に戻る。なお、ステップS17において否定的に判別した場合には、選出部171は、着目済みの数式のうち、非計測事象に対応する変数の数が最も少なく含まれている数式を選出し(ステップS19)、その数式を示す情報とともにユーザにその数式における非計測事象を表す情報の入力を促すメッセージを、表示部120を介して表示する(ステップS20)。
図11及び図12の例によれば、ステップS19により選出される数式は次の数4となる。
[数4] |AHU[#]_VAV_GA * (Enthalpy(AHU[#]_DBra, AHU[#]_RHra)
− Enthalpy(AHU[#]_DBsa, AHU[#]_RHsa) )
− AHU[#]_GW * (HDret_TW − HDsup_TW)| ≦ 50
選出部171により、非計測事象に対応する変数を含む数式が選出され、その非計測事象の計測値を表す情報の入力が促された後に、生成部172は、その数式を取得するとともに、入力受付部150を介してユーザにより入力された入力値を取得する(ステップS21)。上述の数4に示す数式においてAHU[#]_VAV_GAが、ビルの各階について包括的に示したものとなる非計測事象に対応する変数であり、判定対象システム50が定風量システムであるとすれば、ユーザはその標準的風量となる値、例えば固定値120を入力する。
生成部172は、その数式における非計測事象に入力値を代入してなる新たな数式、例えば、数4のAHU[#]_VAV_GAを120に置き換えて成る数式を、生成し(ステップS22)、その新たな数式を示す情報を基準格納部181に格納し(ステップS23)、これで判定基準選定処理を終了する。
なお、実施形態4におけるステップS23では、基準格納部181に格納すべき数式が特定された後に、もしその特定された数式が変数名中に「#」を含むものである場合には、その数式中の変数名を構成する計測ポイント名称中の「#」を除く部分に一致する計測ポイント名称を計測事象識別情報中から全て探し出して、その探し出した計測事象識別情報中の各計測ポイント名称中の「#」の部分に相当する文字列、例えば「1F」、「2F」でもって、その数式中の変数名の「#」の部分を置き換えてなる各数式を生成してから、その生成した数式を、基準格納部181に格納する。従って、基準格納部181には、次の数5で示される数式と数6で示される数式が格納されることになる。
[数5] |120 * (Enthalpy(AHU[1F]_DBra, AHU[1F]_RHra)
− Enthalpy(AHU[1F]_DBsa, AHU[1F]_RHsa) )
− AHU[1F]_GW * (HDret_TW − HDsup_TW)| ≦ 50
[数6] |120 * (Enthalpy(AHU[2F]_DBra, AHU[2F]_RHra)
− Enthalpy(AHU[2F]_DBsa, AHU[2F]_RHsa) )
− AHU[2F]_GW * (HDret_TW − HDsup_TW)| ≦ 50
上述した判定基準選定処理により基準格納部181に格納された情報に係る数式は、非計測事象に対応する変数を含まないものとなっており、判定部180による判定に実際に用いられる判定基準となる。なお、判定部180は、基準格納部181に、例えば数5及び数6で示すような、複数の数式が格納された場合には、全ての数式が成立するか否かにより判定対象システム50が正常であるか否かを判定する。
このような実施形態4に係る異常判定装置においては、同等の性質の複数の事象を包括的に表す変数を含む数式により、異常判定の判定基準を表すことができるため、その数式を定義する判定基準群情報のデータ量を小さくできる可能性が高まり、また、数式の変更が必要となった場合における作業負担が軽減され得る。また、判定基準に非計測事象が含まれてしまう場合においても、同等の性質の複数の非計測事象、例えばAHU[1F]_VAV_GAやAHU[2F]_VAV_GAの標準値を、ユーザはひとつの値として入力できるので、作業負担が軽減される。
<補足>
以上、本発明に係る異常判定装置について実施形態1〜3に基づいて説明したが、以下のように変形することもでき、本発明は上述の実施形態で示した異常判定装置に限られないことは勿論である。
(1)各実施形態では、空調システムの異常を判定する異常判定装置を例示して説明したが、異常判定装置の判定対象は、空調システムに限られず、判定対象のシステム種別に応じた判定基準を定義する情報を判定基準群情報記憶部に格納しておくことで、各種システムに対応でき、該当のシステムにより管理されるセンサ群の種類や数に限定されずに、システムが正常であるか異常であるかを判定することができるようになる。
(2)各実施形態では、判定基準として数式を示したが、判定基準は判定の条件を定めるものであれば、必ずしも数式である必要はなく、センサで計測され得る事象毎についての条件の論理的な組み合わせであってもよい。
また、実施形態において判定基準として示した数式が、異常か否かの判定基準ではなく、何らかの評価に用いられる評価基準であることとしてもよく、この場合、判定基準選定部は、評価対象のシステムに備えられるセンサの数や種類が様々な個々のシステムについて適切な評価基準を選定する評価基準選定部という意義を有することとなり、この評価基準選定部を備える装置は、任意のシステムについて汎用的に評価を行うことができる効果を奏する。
(3)各実施形態では、計測事象識別情報をユーザから取得することにしたが、計測事象識別情報の取得方法はこれに限定されることはなく、例えばセンサ群51の各センサが自己の計測し得る事象を識別し得る信号を発するものであることを前提にして、異常判定装置がその信号群を受信して、その信号群に基づいて計測事象識別情報を自動的に生成することとしてもよい。また、計測事象識別情報は、ユーザインタフェースとなる画像等を表示部で表示する等により、対話的にユーザ操作に応じて生成するものであってもよい。
(4)実施形態4における判定基準選定処理の非計測事象についてのユーザ入力(ステップS21)は、非計測事象がその名称において「#」を用いて包括的に表現されるものである場合には、ユーザが一つの値を入力すれば足りることとしたが、更に、ユーザは、包括的に表現されるものであっても計測ポイント毎に別個の値を入力することとしてもよく、例えば、AHU「1F]_VAV_GAを指定して117という固定値を入力し、AHU[2F]_VAV_GAを指定して122という固定値を入力することとしてもよい。この場合には、数5における定数120が117となり、数6における定数120が122になる。
なお、判定部180は、判定基準選定処理により基準格納部181に格納される情報に係る各数式(例えば、数5及び数6で示されるような「#」が展開された数式)における各変数に、対応する各センサで計測された計測値を代入して、全数式が成立するか否かにより判定対象システム50が正常であるか否かを判定することとしたが、「#」を展開せずに、基準格納部181には、次の数7で示される数式を格納することとし、判定部180が、1階のセンサで計測された計測値を数7の各変数に代入してその数式が成立するか否かを判定し、更に、2階のセンサで計測された計測値を数7の各変数に代入してその数式が成立するか否かを判定し、というように判定時において「#」を展開して適用することとしてもよい。
[数7] |120 * (Enthalpy(AHU[#]_DBra, AHU[#]_RHra)
− Enthalpy(AHU[#]_DBsa, AHU[#]_RHsa) )
− AHU[#]_GW * (HDret_TW − HDsup_TW)| ≦ 50
(5)実施形態4で示した異常判定装置を更に若干変形し、基本数式中の変数の名称に「#」が含まれている場合には、ユーザに「#」の示す範囲を指定させるようにしてもよく、例えば、「#」がビルの各階を表していることとなるときにおいて、1F〜5Fの旨の指定がユーザによりなされたら、1階から5階までについての異常を判定することができるようになる。この例について言えば、実施形態4におけるS12の判別において、数式中の変数の名称に「#」が含まれている場合は、「#」部分を「1F」、「2F」、「3F」、「4F」、「5F」のいずれと読み替えた場合においてもその変数の名称と一致する名称が計測事象識別情報中に含まれているとき以外は、非計測事象に対応する変数が含まれていると判別する。そして、非計測事象に対応する変数の数が最も少なく含まれている数式を選出するステップS19においては、その非計測事象に対応する変数の数として、その「1F」、「2F」等と各々読み替えた場合をそれぞれカウントした数を用いるようにする。そして、ステップS20においては、1階から5階までのうち特定の階のセンサに係る事象のみが計測事象識別情報中に含まれていなければ、その特定の階に係る事象に対応する変数についての標準値等をユーザに入力させるようにするとよい。
(6)実施形態4では、「#」を名称中に含む計測ポイント名称は、その「#」に相当する部分が任意の文字列である全ての計測ポイント名称を包括的に示しており、判定基準として一旦特定された数式が変数名中に「#」を含むものである場合には、その数式中の変数名を構成する計測ポイント名称中の「#」を除く部分に一致する計測ポイント名称を計測事象識別情報中から全て探し出して、その探し出した計測事象識別情報中の各計測ポイント名称中の「#」の部分に相当する文字列でもって、その数式中の変数名の「#」の部分を置き換えてなる各数式を生成して実際に判定に用いる判定基準とすることとしたが、この「#」の代わりに他の特定の文字列や記号等を用いることとしてもよい。また、数式中の複数の変数それぞれが、各々特定種別の全ての計測ポイント名称を包括的に示すものである場合に対処すべく、判定基準となり得る数式を、例えば、以下の数8や数9のように表現することとしてもよい。
[数8] AHU[#1]_aa+AHU[#2]_bb<AHU[#1]_cc+AHU[#2]_dd
[数9] AHU[#]_aa+AHU[#]_bb<AHU[\1]_cc+AHU[\2]_dd
この数8において、数式左辺の#1と右辺の#1は同じ値であり、数式左辺の#2と右辺の#2は同じ値であり、#1及び#2は任意の文字列を表す。また、数9における「\1」は数式中で左から1番目に現れた「#」と同じ値を意味し、「\2」は数式中で左から2番目に現れた「#」と同じ値を意味する。なお、結果的に、数9と数8とは等価なものを異なる表現形式で表しているにすぎない。
(7)異常判定装置における各処理(図4、図5、図7、図10等参照)をプロセッサに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒布されたプログラムはプロセッサに読み出され得るメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがそのプログラムを実行することにより各実施形態で示した異常判定装置の各処理が実現されるようになる。
本発明の実施形態1に係る異常判定装置100の構成図である。 判定基準群情報のデータ構成及び内容例を示す図である。 計測事象識別情報のデータ構成及び内容例を示す図である。 実施形態1に係る判定基準選定処理の前半部分を示すフローチャートである。 実施形態1に係る判定基準選定処理の後半部分を示すフローチャートである。 実施形態2に係る判定基準群情報のデータ構成及び内容例を示す図である。 実施形態2に係る判定基準選定処理の一部を示すフローチャートである。 実施形態3に係る異常判定装置400の構成図である。 実施形態3に係る判定基準群情報のデータ構成及び内容例を示す図である。 実施形態3に係る判定基準選定処理を示すフローチャートである。 実施形態4における計測事象識別情報の内容例を示す図である。 実施形態4における判定基準群情報の内容例を示す図である。
符号の説明
50 判定対象システム
51 センサ群
100、400 異常判定装置
110 操作部
120 表示部
130 計測値取得部
140 計測事象識別情報取得部
150 入力受付部
160、460 判定基準群情報記憶部
170、470 判定基準選定部
171、471 選出部
172 生成部
180 判定部
181 基準格納部
455 選択受付部

Claims (8)

  1. 事象を計測するセンサを1つ以上備えるシステムを判定対象として、当該システムの状態が異常か否かの判定を行う異常判定装置であって、
    1つ以上の事象についての各計測値を基礎として異常か否かの判定を行うための各々互いに異なる複数の判定基準を定義する判定基準群情報を記憶している記憶手段と、
    判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測される各事象を識別する計測事象識別情報を取得する事象識別情報取得手段と、
    前記判定基準群情報を参照して、前記計測事象識別情報により識別される各事象についての各計測値を基礎として判定を行うための判定基準を選定する判定基準選定手段と、
    判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測された各計測値を取得し、当該各計測値に基づいて、前記判定基準選定手段により選定された判定基準により、判定を行う判定手段と、
    前記判定手段による判定の結果を出力する出力手段とを備え
    前記判定基準群情報は、1つ以上の各事象に対応する変数を含み判定基準となる基本数式と、当該基本数式に含まれるいずれか1以上の変数それぞれについての、当該変数と略等価なものである置換用数式であって当該変数とは別の1つ以上の各事象に対応する変数を含む置換用数式とを、各数式に含まれる変数に対応する事象を識別可能に表した情報であり、
    前記判定基準選定手段は、前記基本数式に含まれる変数のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数がある限り、当該基本数式における当該変数を略等価な前記置換用数式のいずれかに置換することにより、当該基本数式に係る判定基準を選定し、
    前記判定手段は、前記取得した各計測値を前記選定された判定基準に係る基本数式における該当の変数に代入して当該基本数式の演算を行うことにより前記判定を行う
    ことを特徴とする異常判定装置。
  2. 前記記憶手段は更に、各置換用数式に対応付けて、当該置換用数式と、略等価な該当の変数との差の程度を示す置換誤差情報をも記憶しており、
    前記判定基準選定手段は、変数に略等価ないずれかの置換用数式へ変数の前記置換を、当該置換を含んで当該置換までに施した全ての置換に係る各置換用数式に対応する置換誤差情報に基づいて当該置換後における基本数式の誤差を算定した場合に当該誤差が所定の閾値より小さくなるような置換用数式のみについて施す
    ことを特徴とする請求項記載の異常判定装置。
  3. 事象を計測するセンサを1つ以上備えるシステムを判定対象として、当該システムの状態が異常か否かの判定を行う異常判定装置であって、
    1つ以上の事象についての各計測値を基礎として異常か否かの判定を行うための各々互いに異なる複数の判定基準を定義する判定基準群情報を記憶している記憶手段と、
    判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測される各事象を識別する計測事象識別情報を取得する事象識別情報取得手段と、
    前記判定基準群情報を参照して、前記計測事象識別情報により識別される各事象についての各計測値を基礎として判定を行うための判定基準を選定する判定基準選定手段と、
    判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測された各計測値を取得し、当該各計測値に基づいて、前記判定基準選定手段により選定された判定基準により、判定を行う判定手段と、
    前記判定手段による判定の結果を出力する出力手段とを備え、
    前記判定基準選定手段は、前記判定基準群情報により定義される複数の判定基準のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値を基礎としないで判定を行うための判定基準がある場合には当該判定基準を選定する
    ことを特徴とす異常判定装置。
  4. 前記異常判定装置は更に、ユーザによる入力値を受け付ける入力受付手段を備え、
    前記出力手段は更に、入力要求に係る入力要求情報を出力し得るものであり、
    前記判定基準選定手段は、前記判定基準群情報により定義される複数の判定基準のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値を基礎としないで判定を行うための判定基準がない場合には、前記判定基準群情報により定義される複数の判定基準のうち、当該判定基準が基礎とする、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値の数が、最も少ないところの判定基準を選出し、選出した判定基準における前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象を示す入力要求情報を前記出力手段に出力させ、前記入力受付手段により受け付けられた入力値を、選出した判定基準における前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値の代わりに用いたものである新たな判定基準を生成して当該判定基準を選定する
    ことを特徴とする請求項記載の異常判定装置。
  5. 事象を計測するセンサを1つ以上備えるシステムを判定対象として、当該システムの状態が異常か否かの判定を行う異常判定装置であって、
    1つ以上の事象についての各計測値を基礎として異常か否かの判定を行うための各々互いに異なる複数の判定基準を定義する判定基準群情報を記憶している記憶手段と、
    判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測される各事象を識別する計測事象識別情報を取得する事象識別情報取得手段と、
    前記判定基準群情報を参照して、前記計測事象識別情報により識別される各事象についての各計測値を基礎として判定を行うための判定基準を選定する判定基準選定手段と、
    判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測された各計測値を取得し、当該各計測値に基づいて、前記判定基準選定手段により選定された判定基準により、判定を行う判定手段と、
    前記判定手段による判定の結果を出力する出力手段とを備え、
    前記各センサは、各々所定の計測点において所定の物理量を計測するものであり、
    前記計測事象識別情報は、各センサにより計測される各事象を、計測点の名称と物理量の名称とを組み合わせた識別名称で定義した情報であり、
    前記判定基準群情報は、一事象に対応する変数又は複数事象に包括的に対応する変数を1以上含んでおり判定基準となる基本数式及びその基本数式の変数の置換用に用いられる置換用数式を、一事象に対応する変数については計測点の名称を含む変数名で表し、複数事象に包括的に対応する変数については複数の計測点の包括的名称を含む変数名で表した情報であり、
    前記判定基準選定手段は、
    基本数式に含まれる変数のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数がある限り、当該基本数式における当該変数を前記置換用数式に置換することにより、当該基本数式に係る判定基準を選定し、
    当該選定において、変数が一事象に対応するものである場合には、その変数名に一致する識別名称が定義されていなければ、当該変数は計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数があるとして前記置換を行い、変数が複数事象に包括的に対応するものである場合には、その変数名に対応する複数の計測点の名称それぞれについて一致する識別名称が定義されていなければ、当該変数は計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数があるとして前記置換を行い、
    前記判定手段は、
    前記取得した各計測値を前記選定された判定基準に係る基本数式における該当の変数に代入して当該基本数式の演算を行うことにより前記判定を行い、
    当該代入に際して、選定された判定基準に係る基本数式における変数が複数事象に包括的に対応する変数である場合には、当該複数事象の各々について該当する各計測値を逐次代入する
    ことを特徴とす異常判定装置。
  6. 事象を計測するセンサを1つ以上備えるシステムを判定対象として、当該システムの状態が異常か否かの判定を行う異常判定方法であって、
    1つ以上の事象についての各計測値を基礎として異常か否かの判定を行うための各々互いに異なる複数の判定基準を、定義する判定基準群情報を予め記録している記録媒体から判定基準群情報を読み出す読出ステップと、
    判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測される各事象を識別する計測事象識別情報を取得する事象識別情報取得ステップと、
    前記判定基準群情報を参照して、前記計測事象識別情報により識別される各事象についての各計測値を基礎として判定を行うための判定基準を選定する判定基準選定ステップと、
    判定対象のシステムに備えられた各センサにより計測された各計測値を取得し、当該各計測値に基づいて、前記判定基準選定ステップにより選定された判定基準により、判定を行う判定ステップと、
    前記判定ステップによる判定の結果を出力する出力ステップとを含み、
    前記判定基準群情報は、1つ以上の各事象に対応する変数を含み判定基準となる基本数式と、当該基本数式に含まれるいずれか1以上の変数それぞれについての、当該変数と略等価なものである置換用数式であって当該変数とは別の1つ以上の各事象に対応する変数を含む置換用数式とを、各数式に含まれる変数に対応する事象を識別可能に表した情報であり、
    前記判定基準選定ステップは、前記基本数式に含まれる変数のうち、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象に対応する変数がある限り、当該基本数式における当該変数を略等価な前記置換用数式のいずれかに置換することにより、当該基本数式に係る判定基準を選定するものであり、
    前記判定ステップは、前記取得した各計測値を前記選定された判定基準に係る基本数式における該当の変数に代入して当該基本数式の演算を行うことにより前記判定を行うものである
    ことを特徴とする異常判定方法。
  7. 事象を計測するセンサを1つ以上備えるシステムを評価対象として当該システムの状態を評価するための評価基準を選出する評価基準選出装置であって、
    1つ以上の事象についての各計測値を基礎として評価を行うための各々互いに異なる複数の評価基準を、定義する情報を記憶している記憶手段と、
    評価対象のシステムに備えられた各センサにより計測される各事象を識別する計測事象識別情報を取得する事象識別情報取得手段と、
    前記複数の評価基準のうち、当該評価基準が評価の基礎とする全ての計測値の中に、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値を含まない評価基準を選出する評価基準選出手段とを備える
    ことを特徴とする評価基準選出装置。
  8. コンピュータに、事象を計測するセンサを1つ以上備えるシステムを評価対象として当該システムの状態を評価するための評価基準を選出する評価基準選出処理を行わせるためのプログラムであって、
    前記評価基準選出処理は、
    1つ以上の事象についての各計測値を基礎として評価を行うための各々互いに異なる複数の評価基準を、定義する情報を予め記録している記録媒体から当該情報を読み出す読出ステップと、
    評価対象のシステムに備えられた各センサにより計測される各事象を識別する計測事象識別情報を取得する事象識別情報取得ステップと、
    前記複数の評価基準のうち、当該評価基準が評価の基礎とする全ての計測値の中に、前記計測事象識別情報により識別される各事象以外の事象についての計測値を含まない評価基準を選出する評価基準選出ステップとを含む
    ことを特徴とするプログラム。
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