JP2010017979A - 樹脂被覆アルミニウム合金板およびその樹脂被覆アルミニウム合金板を用いたhddケース,hdd及び樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
樹脂被覆アルミニウム合金板およびその樹脂被覆アルミニウム合金板を用いたhddケース,hdd及び樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010017979A JP2010017979A JP2008182069A JP2008182069A JP2010017979A JP 2010017979 A JP2010017979 A JP 2010017979A JP 2008182069 A JP2008182069 A JP 2008182069A JP 2008182069 A JP2008182069 A JP 2008182069A JP 2010017979 A JP2010017979 A JP 2010017979A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- aluminum alloy
- resin layer
- compound
- coated aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【解決手段】MEKによる超音波洗浄によって粒状潤滑剤1a、1b、1cが脱落して樹脂層表面3aに形成される,直径Hが樹脂層厚さtの2倍以上である穴の個数を100個/平方mm以下にすれば,樹脂層表面3aにおける直径の大きな粒状潤滑剤が過剰に存在するのを防止して,表面の粒状潤滑剤1a、1b、1cがプレス後の洗浄時に脱落して生じる汚染物質を十分少なくでき,同時に成形性の観点,特に高さが高い形状に深絞り成形する場合の成形性を確保することができる。
【選択図】図1
Description
汚染性とはプレス成形後,洗浄時に成形したケースから発生する汚染物質の量の多少である。汚染物質の量が多いとケース内面に再付着した汚染物質によってHDDの機構に悪影響を及ぼす場合がある。
特許文献1に開示される技術ではケースに成形後プレス油を洗浄した際,樹脂層中のワックスや樹脂ビーズが洗浄液中に脱落し,ケース内面に再付着してHDDの内部機構に影響を与える場合があった。特許文献1に開示される技術は片面のみに樹脂層を形成する技術であるが,成形性が不足する場合,この皮膜を両面に形成することは有効である。しかし,両面に形成すると,樹脂層の硬化状態や含有する添加物によってはケース内面の樹脂層からアウトガスが発生し,HDDの内部機構に影響を与える場合があった。
(1) アルミニウム合金板の少なくとも片面に厚さが0.1μm以上22μm以下の樹脂層を形成してなり,MEK(メチルエチルケトン,以下同じ。)による超音波洗浄によって粒状潤滑剤が脱落して樹脂層表面に形成される,直径が樹脂層厚さの2倍以上である穴の個数が100個/平方mm以下であり,硬化後の樹脂層のMEK抽出率が5%以上40%以下であることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム合金板。
T1:粒状潤滑剤の融点を基準として6度高い温度に焼き付け温度が到達する時間
T2:最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間
T2:最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間
T2:最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間
T2:最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間
(1)表面潤滑剤の規定
HDDはデータアクセスのために非常に精密な機械部品を有することから,ケース内面への汚染物質付着には非常に厳しい要求がある。
一方,樹脂被覆アルミニウム合金板にあっては,その成形性を向上させるために樹脂層に潤滑剤を添加することが行われ,この表面の粒状潤滑剤が樹脂層表面の潤滑性を向上させることによって成形性を向上させる。また,添加する粒状潤滑剤は粒径が大きい方が,さらに添加量が多い方が成形性向上効果が高い傾向がある。
つまり,樹脂層厚さ(t)の2倍を越える直径の粒状潤滑剤1cはいかなる深さにおいても脱落し易いこととなり,2倍を越える粒状潤滑剤1cを制御すれば汚染性に優れた樹脂層3を得ることが可能となる。
したがって,上記方法で観察される穴の数を測定することにより,その穴の直径以上の直径を有する粒状潤滑剤の数を見積もることができる。
一方,直径が樹脂層厚さの2倍未満の穴の個数は比較的小さい粒状潤滑剤の個数に関連しており,この穴の個数が著しく少ないと成形性が不足する場合がある。具体的には直径が樹脂層厚さの2倍未満の穴の個数は10個以上が好ましい。
粒状潤滑剤の粒径が大きくなってしまうのは,粒状潤滑剤が溶融した状態である時間が長すぎると潤滑剤と樹脂層の主たる樹脂の界面エネルギーが小さくなるように,個々の潤滑剤が結合して粒径が成長してしまう。同一体積であれば,粒径が大きいほど表面積が小さくなり,界面エネルギーが小さくなるからである。
具体的には粒状潤滑剤の融点を基準として6度高い温度に焼き付け温度が到達する時間をT1とし,最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間をT2とした場合に,潤滑剤の焼き付け工程を(T2−T1)が2秒以上20秒以下になるように焼き付けることが好ましい。2秒未満では塗料が沸騰して樹脂層に欠陥が発生し,成形性が低下する場合があり,20秒を超えると直径が樹脂層厚さの2倍以上のMEK洗浄後の樹脂層表面の穴の個数(個/平方mm)が100個/平方mmを超える場合がある。
HDDの内部機構に悪影響を及ぼすアウトガスとは,HDDそれ自体やコンピュータの基盤などが発生する熱によって樹脂層が加熱されたときに発生するガスである。
HDDケースに樹脂被覆アルミニウム合金板材を用いる場合,ガス源となるのは,
(i)樹脂層中に架橋せずに低分子量で存在しているモノマー,残留溶剤である。
この(i)がガス源となるのは,HDDの実使用時に,集積回路の発熱等によって加熱されると前記モノマーや添加物が昇華したり,溶剤が蒸発してアウトガスになることによるものと推定される。
(ii)S(硫黄)化合物(スルホン酸系触媒など)あるいはSn(錫)化合物(有機Sn系触媒など)やSi(シリコン)化合物(シリコーン系消泡剤,シリコーン系潤滑剤,シリコーン系防汚性添加剤(親水化剤),シランカップリング剤など)がある。
この(ii)に示すガス源は微量でもHDDの内部機構に悪影響を及ぼすことが知られている。
(ii)に示すS化合物あるいはSn化合物は塗料を硬化させるために市販塗料に広く用いられている。この様な市販塗料を用いればHDDケース用樹脂被覆アルミニウム合金板材に用いる開発コストを抑えることができる。しかしその場合には,S化合物あるいはSn化合物からアウトガスを発生させないように塗装する必要がある。
(i)のモノマーと残留溶剤については,硬化を十分促進することによって,アウトガスを低減することができる。しかし,一方で硬化が進みすぎると樹脂層の伸びが小さくなり,十分な成形性が得られない。樹脂層中のモノマーや残留溶剤の量を直接測定することは困難であるが,MEK抽出率を測定することによって,硬化の促進の程度を計測し,間接的な測定を行うことができる。
S化合物,Sn化合物,Si化合物は特に微量でも悪影響が大きいので,2.5インチ以下のケース内容量の小さいHDDに使用する場合は,前記のように抽出率の規定だけでは不十分な場合がある。したがって,これらの化合物を添加した樹脂層を有する樹脂被覆材を使用する場合には,以下のようにしてS化合物,Sn化合物,Si化合物を規定することが好ましい。
したがって,200℃で30分加熱したときに樹脂層から発生するS化合物ガスやSn化合物ガスはアウトガスをGC/MSにて分析したときに,nヘキサデカン換算で5ppm(ガス量5μg/樹脂被覆アルミニウム合金板1g,以下同様)以下が好ましい。そのためには塗料固形分中のS化合物量やSn化合物を0.1重量%以上10重量%以下にすることが好ましい。
0.1重量%未満では触媒として十分な効果が得られず,10重量%を超えると以下に示す方法にて焼き付けてもS化合物ガスやSn化合物ガスを5ppm以下にすることが困難だからである。
また,Sn化合物としては,オクチル酸錫,ジオクチル錫オキサイド,モノブチル錫トリオクテートなどが使用可能である。
例えばロールコーターを有する塗装ラインで塗装するような場合,コーターと焼付炉の距離を変えることは困難なので,ライン速度を遅くする。しかし,これでは生産性が低下するので,焼付時における塗料が流動している時間を長くすることが好ましい。具体的には,図2に示す様に最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間をT2とした場合に,T2は10秒以上40秒以下が好ましい。10秒未満ではS化合物の表面濃度が十分低下しない場合があり,40秒を超えると表面近傍のS化合物が不足して硬化が十分進まず,成形性が低下する場合があるからである。
また,HDDケースの形状によっては十分な成形性を得るために両面に樹脂層を形成する。この場合,ケース内面の樹脂層からSi化合物がアウトガスとなって発生する場合があり,ケース内部の精密部品に悪影響を及ぼす場合がある。
したがって,200℃で30分加熱したときに樹脂層から発生するSi化合物ガスはアウトガスをGC−MSにて分析したときに,nヘキサデカン換算で5ppm以下が好ましい。
そこでこれを防止するために,具体的には,塗料をアルミニウム合金板に塗布後,焼付炉に入るまでの時間を5秒以下にする。
この様にすると,樹脂層最表面のSi化合物濃度が減少し,アウトガス量が低下するものと推測される。
樹脂層を構成する主たる樹脂としては,エポキシ系樹脂あるいはポリエステル系樹脂が望ましい。
他の樹脂に比較して,成形性に優れるからである。エポキシ系樹脂としては,ビスフェノールA型,ビスフェノールF型といったグリシジルエーテル型やグリシジルエステル型などが使用できる。
硬化剤としてはメラミンホルムアルデヒド樹脂,ベンゾグアナミン樹脂,ユリア樹脂といったアミノ樹脂,ノボラック型及びレゾール型のフェノール樹脂,メタクリル酸メチル,アクリル酸イソプロピル,アクリル酸n−ブチルといったアクリル樹脂などが使用できる。
硬化剤としては,メラミンホルムアルデヒド樹脂,ベンゾグアナミン樹脂,ユリア樹脂といったアミノ樹脂,トレンジイソシアネート,ジフェニルメタンイソシアネート,キシリレンジイソシアネートなどのイソシアネートが使用できる。
使用するアルミニウム合金板材の表面はその中心線平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.5μm以下とするのが好ましい。
0.1μm未満では成形が厳しい形状のケースに成形する場合,樹脂層の密着性が不足して,成形中に剥離する場合がある。また,0.5μmを超えると成形が厳しい形状のケースに成形する場合,成形時に樹脂層が破断し,潤滑が不足して成形できない場合がある。
樹脂層厚さは0.1μm以上22μm以下でなければならない。0.1μm未満では成形時樹脂層が伸ばされたとき破断しやすいからである。22μmを超えると,成形時にかかる樹脂層の内部応力が大きくなりすぎ,成形後に樹脂層が剥離する場合があるからである。好ましくは4μm以上12μm以下とする。
以下に本発明の実施例につき説明する。
JIS A5052−H34,厚さ0.75mmのアルミニウム板材に塗装下地処理として,市販のアルカリ性脱脂液にて脱脂し,市販のリン酸クロメート処理液にて化成処理した。このアルミニウム板材の片面に表1〜表9に示す各種塗料を焼付け,サンプルとした。ポリエステル樹脂には,非結晶性ポリエステル樹脂を使用し,硬化剤にはポリオール変性ブロック化トリレンジイソシアネートを塗料固形分中に5wt%添加したもの(ポリエステル/イソシアネート系),ブチルフェノールを5wt%添加したもの(ポリエステル/フェノール系),ベンゾグアナミンを5wt%添加したもの(ポリエステル/メラミン系)をそれぞれ用いた。
アクリル系樹脂としてはメチルメタクリレートとメタクリル酸の混合物を使用し,硬化剤にはメラミン樹脂を固形分中に5%添加した。塩化ビニル系はオルガノゾルのタイプを使用した。これらの塗料に表1〜表9に示す潤滑剤,各種化合物を添加して使用した。
(膜厚)
樹脂層厚さは渦電流式膜厚計にて5箇所測定し,平均値を樹脂層厚さとした。
(MEK抽出率)
MEK抽出率は100mm角に切断したサンプルを用い,初期重量を測定後,沸騰MEKに1時間浸漬,乾燥し,MEK浸漬後重量を測定した。その後濃硫酸に5分浸漬して脱膜し,水洗,乾燥後,脱膜後重量を測定した。MEK抽出率は下記の式から算出した。(n5の平均値)
また,下層のMEK抽出率は下層形成後,上層形成前に測定し,全体のMEK抽出率は下層及び上層形成後に測定した。
MEK抽出率(%)={(初期重量−MEK浸漬後重量)/(初期重量−脱膜後重量)}×100
塗装材を常温MEKにて10分間超音波洗浄した後,表面をSEMにて二次電子像を観察し,粒状潤滑剤が脱落した穴の分布状況を調査した。
揮発性プレス油(動粘度1.6平方mm/s)を両面に塗布して,樹脂層が外面になるように,ポンチ径33mmφ,しわ押さえ力300kgfにて円筒深絞りを実施し,限界絞り比を測定した。評価基準を以下に示す。○以上であればHDDケース材として使用可能である。
◎◎:限界絞り比≧2.5
◎:2.5>限界絞り比≧2.1
○:2.1>限界絞り比≧1.9
△:1.9>限界絞り比
質量分析装置を有するガスクロマトグラフを用いて,100mm角の樹脂被覆アルミニウム合金板材を200℃×30時間加熱したときに発生した有機系ガスの量をnヘキサデカン換算にて定量した。評価基準を以下に示す(単位はサンプル1gあたりから発生したガスの重量ppmである。ガス1μg/サンプル1g=1ppm)。
○以上であればHDDケース材として使用可能である。
◎:10ppm>アウトガス量
○:100ppm>アウトガス量≧10ppm
△:アウトガス量≧100ppm
○以上であればHDDケース材として使用可能であり,◎であればケース容積の小さい2.5インチ以下のHDDケースにも使用可能である。
◎:5ppm>アウトガス量
○:10ppm≧アウトガス量≧5ppm
△:アウトガス量>10ppm
揮発性プレス油(動粘度1.6平方mm/s)を両面に塗布して,樹脂層が外面になるように,幅100mm×長さ150mm×深さ15mmの角筒深絞り成形を実施し,1リットルの水系洗浄液(非イオン系界面活性剤を5%添加したもの)にて超音波洗浄(10分)を実施し,さらに新しい1リットルの水系洗浄液(非イオン系界面活性剤を5%添加したもの)にて超音波洗浄(10分)を実施した。
2回目の洗浄後洗浄液に含まれる粒径0.5μm以上の粒子の個数をパーティクルカウンターにて測定した。評価基準を以下に示す(単位はMEK1リットルあたりの粒子個数)。 ○以上であればHDDケース材として使用可能である。
◎:500個/リットル>粒子数
○:1000個/リットル>粒子数≧500個/リットル
△:粒子数≧1000個/リットル
そのため比較例1及び比較例7はいずれも成形性について△という評価であった。
さらに得られた樹脂層も樹脂層厚さ(μm)が7.6〜8.0,MEK洗浄後の樹脂層表面の穴の個数(個/平方mm)は,直径:樹脂層厚さ×2以上であるものが26〜32,直径:樹脂層厚さ×2未満であるものが55〜68であり,厚さが0.1μm以上22μm以下の樹脂層を形成してなり,MEKによる超音波洗浄によって粒状潤滑剤が脱落して樹脂層表面に形成される,直径が樹脂層厚さの2倍以上である穴の個数が100個/平方mm以下であるとする本発明の樹脂被覆アルミニウム合金板の条件を何れも充足した。
その結果,本発明例9〜本発明例14については汚染性,アウトガス性総量,アウトガス性S化合物,アウトガス性Sn化合物,アウトガス性Si化合物,成形性何れについても,特に不良(△)はなかった。
しかし,比較例8は過度に硬化されて成形性が不良(△)であり,一方比較例15は硬化が不十分で抽出率(%)が高い結果,アウトガス性が総量において不良(△)であった。
その結果,比較例23では汚染性が不良(△)であった。
その結果,汚染性,アウトガス性総量,アウトガス性S化合物,アウトガス性Sn化合物,アウトガス性Si化合物,成形性何れについても,特に不良(△)はなかった。
その結果,汚染性,アウトガス性総量,アウトガス性S化合物,アウトガス性Sn化合物,アウトガス性Si化合物,成形性何れについても,特に不良(△)はなかった。
この比較例32は,粒状潤滑剤の塗料中平均粒径(μm)が14.0でMEK洗浄後の樹脂層表面の穴の個数(個/平方mm)は,直径:樹脂層厚さ×2以上であるものが163に達し,洗浄液1リットルあたりの粒子個数1000個以上であり,汚染性が不良(△)であった。
その結果,本発明例33〜本発明例36は,いずれも片面に厚さが0.1μm以上22μm以下の樹脂層を形成してなり,MEKによる超音波洗浄によって粒状潤滑剤が脱落して樹脂層表面に形成される,直径が樹脂層厚さの2倍以上である穴の個数が100個/平方mm以下であり,硬化後の樹脂層のMEK抽出率が5%以上40%以下であるとする本発明の条件を充足する。
その結果,汚染性,アウトガス性総量,アウトガス性S化合物,アウトガス性Sn化合物,アウトガス性Si化合物,成形性何れについても,特に不良(△)はなかった。
したがって本発明例38は塗料の固形分に0.1重量%以上10重量%以下のS化合物を含有させるという条件に達せず,その結果,成形性についてはHDDケース材として使用可能ではあるもの限界絞り比が1.9以上2.1未満であった(○)。
また本発明例41は本発明の条件を超えてS化合物を含有して,アウトガス総量が10ppm以上であり(○),S化合物に関して5ppm以上のアウトガス量が有り(○),2.5インチ以下のHDDケースには不適である。
したがって本発明例42は塗料の固形分に0.1重量%以上10重量%以下のSn化合物を含有させるという条件に達せず,その結果,成形性についてはHDDケース材として使用可能ではあるもの限界絞り比が1.9以上2.1未満であった(○)。
また本発明例45は本発明の条件を超えてSn化合物を含有して,アウトガス総量が10ppm以上であり(○),Sn化合物に関して5ppm以上のアウトガス量が有り(○),2.5インチ以下のHDDケースには不適である。
したがって本発明例46は樹脂層中にSi化合物を0.1重量%以上10重量%以下であるとする条件を充足せず,その結果,成形性についてはHDDケース材として使用可能ではあるもの限界絞り比が1.9以上2.1未満であった(○)。
また本発明例49は本発明の条件を超えてSi化合物を含有して,アウトガス総量が10ppm以上であり(○),Si化合物に関して,200℃で30分加熱したときに発生するアウトガスをGC−MSにて分析したときに,Si化合物の検出値がnヘキサデカン換算で5ppm以下とする条件を充足せず,5ppm以上のアウトガス量が有り(○),2.5インチ以下のHDDケースには不適である。
したがって本発明例50及び本発明例53はアルミニウム合金板の表面粗度がRa(中心線平均粗さ)で0.1μm以上0.5μmとする条件を充足せず,その結果,成形性についてはHDDケース材として使用可能ではあるもの限界絞り比が1.9以上2.1未満であった(○)。
Claims (12)
- アルミニウム合金板の少なくとも片面に厚さが0.1μm以上22μm以下の樹脂層を形成してなり,MEK(メチルエチルケトン,以下同じ。)による超音波洗浄によって粒状潤滑剤が脱落して樹脂層表面に形成される,直径が樹脂層厚さの2倍以上である穴の個数が100個/平方mm以下であり,樹脂層のMEK抽出率が5%以上40%以下であることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム合金板。
- 樹脂被覆アルミニウム合金板において,樹脂層が主にエポキシ系樹脂あるいはポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆アルミニウム合金板材。
- 樹脂被覆アルミニウム合金板において,樹脂層中にS化合物を0.1重量%以上10重量%以下含み,200℃で30分加熱したときに発生するアウトガスをGC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析装置)にて分析したときに,S化合物がnヘキサデカン換算で5ppm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂被覆アルミニウム合金板材。
- 樹脂被覆アルミニウム合金板において,樹脂層中にSn化合物を0.1重量%以上10重量%以下含み,200℃で30分加熱したときに発生するアウトガスをGC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析装置)にて分析したときに,Sn化合物がnヘキサデカン換算で5ppm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の樹脂被覆アルミニウム合金板材。
- 樹脂被覆アルミニウム合金板において,樹脂層中にSi化合物を0.1重量%以上10重量%以下含み,200℃で30分加熱したときに発生するアウトガスをGC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析装置)にて分析したときに,Si化合物がnヘキサデカン換算で5ppm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の樹脂被覆アルミニウム合金板材。
- 樹脂被覆アルミニウム合金板において,用いるアルミニウム合金板材の表面粗度がRa(中心線平均粗さ)で0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一に記載の樹脂被覆アルミニウム合金板材。
- 樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法において,平均粒径が塗装にて形成される樹脂層厚さの2倍以下である粒状潤滑剤を固形分に対して0.1重量%以上5重量%以下添加した塗料を,(T2−T1)が20秒以下となるように焼き付けることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法。
T1:粒状潤滑剤の融点を基準として6度高い温度に焼き付け温度が到達する時間
T2:最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間
- 樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法において,固形分に対して0.1重量%以上10重量%以下のS化合物を含む塗料を,T2が10秒以上になるように焼き付けることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム合金板材の製造方法。
T2:最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間
- 樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法において,固形分に対して0.1重量%以上10重量%以下のSn化合物を含む塗料を,T2が10秒以上になるように焼き付けることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム合金板材の製造方法。
T2:最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間
- 樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法において,固形分に対して0.1重量%以上10重量%以下のSi化合物を含む塗料を,T2が30秒以下になるように焼き付けることを特徴とする樹脂被覆アルミニウム合金板材の製造方法。
T2:最終硬化温度を基準として100度低い温度に焼き付け温度が到達する時間
- 請求項1〜請求項6のいずれか一に記載の樹脂被覆アルミニウム合金板を用いたハードディスクドライブケース。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一に記載の樹脂被覆アルミニウム合金板をケースに用いたハードディスクドライブケースを用いたハードディスクドライブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008182069A JP4451911B2 (ja) | 2008-07-11 | 2008-07-11 | 樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008182069A JP4451911B2 (ja) | 2008-07-11 | 2008-07-11 | 樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010017979A true JP2010017979A (ja) | 2010-01-28 |
JP4451911B2 JP4451911B2 (ja) | 2010-04-14 |
Family
ID=41703338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008182069A Active JP4451911B2 (ja) | 2008-07-11 | 2008-07-11 | 樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4451911B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010056107A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | アルミニウム電解コンデンサケース用アルミニウム樹脂被覆材、それを用いたアルミニウム電解コンデンサケース、ならびに、アルミニウム電解コンデンサ |
JP2010056103A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | アルミニウム電解コンデンサケース用アルミニウム樹脂被覆材、それを用いたアルミニウム電解コンデンサケース、ならびに、アルミニウム電解コンデンサ |
JP2017189945A (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 大日本印刷株式会社 | 積層体 |
JPWO2018174144A1 (ja) * | 2017-03-22 | 2020-01-23 | 東洋製罐株式会社 | 金属製ボトル缶およびその製造方法 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06166138A (ja) * | 1992-11-30 | 1994-06-14 | Kawasaki Steel Corp | 無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料 |
JPH07314602A (ja) * | 1994-05-26 | 1995-12-05 | Furukawa Electric Co Ltd:The | プレス成形性に優れた電気、電子機器成形部品用樹脂被覆アルミニウム板 |
JPH1052881A (ja) * | 1996-08-09 | 1998-02-24 | Kobe Steel Ltd | 耐型かじり性および耐食性に優れた樹脂被覆金属板およびその製造方法 |
JP2000290585A (ja) * | 1999-04-07 | 2000-10-17 | Tsutsumi Yotaro | 缶用塗料、塗装缶及び塗装缶蓋 |
JP2002338881A (ja) * | 2001-05-16 | 2002-11-27 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 金属包装体用塗料及びその塗料を用いた金属包装体 |
JP2004306322A (ja) * | 2003-04-03 | 2004-11-04 | Kobe Steel Ltd | 樹脂被覆アルミニウム材およびこれを用いた成形品 |
JP2005126635A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-05-19 | Dainippon Ink & Chem Inc | 缶用塗料組成物 |
JP2006137846A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物及び外面被覆有底円筒状金属 |
JP2008056846A (ja) * | 2006-09-01 | 2008-03-13 | Dainippon Toryo Co Ltd | 塗料組成物 |
-
2008
- 2008-07-11 JP JP2008182069A patent/JP4451911B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06166138A (ja) * | 1992-11-30 | 1994-06-14 | Kawasaki Steel Corp | 無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料 |
JPH07314602A (ja) * | 1994-05-26 | 1995-12-05 | Furukawa Electric Co Ltd:The | プレス成形性に優れた電気、電子機器成形部品用樹脂被覆アルミニウム板 |
JPH1052881A (ja) * | 1996-08-09 | 1998-02-24 | Kobe Steel Ltd | 耐型かじり性および耐食性に優れた樹脂被覆金属板およびその製造方法 |
JP2000290585A (ja) * | 1999-04-07 | 2000-10-17 | Tsutsumi Yotaro | 缶用塗料、塗装缶及び塗装缶蓋 |
JP2002338881A (ja) * | 2001-05-16 | 2002-11-27 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 金属包装体用塗料及びその塗料を用いた金属包装体 |
JP2004306322A (ja) * | 2003-04-03 | 2004-11-04 | Kobe Steel Ltd | 樹脂被覆アルミニウム材およびこれを用いた成形品 |
JP2005126635A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-05-19 | Dainippon Ink & Chem Inc | 缶用塗料組成物 |
JP2006137846A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物及び外面被覆有底円筒状金属 |
JP2008056846A (ja) * | 2006-09-01 | 2008-03-13 | Dainippon Toryo Co Ltd | 塗料組成物 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010056107A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | アルミニウム電解コンデンサケース用アルミニウム樹脂被覆材、それを用いたアルミニウム電解コンデンサケース、ならびに、アルミニウム電解コンデンサ |
JP2010056103A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | アルミニウム電解コンデンサケース用アルミニウム樹脂被覆材、それを用いたアルミニウム電解コンデンサケース、ならびに、アルミニウム電解コンデンサ |
JP2017189945A (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 大日本印刷株式会社 | 積層体 |
JPWO2018174144A1 (ja) * | 2017-03-22 | 2020-01-23 | 東洋製罐株式会社 | 金属製ボトル缶およびその製造方法 |
JP7176509B2 (ja) | 2017-03-22 | 2022-11-22 | 東洋製罐株式会社 | 金属製ボトル缶およびその製造方法 |
US11827416B2 (en) | 2017-03-22 | 2023-11-28 | Toyo Seikan Co., Ltd. | Metallic bottle can and method for producing the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4451911B2 (ja) | 2010-04-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4451911B2 (ja) | 樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法 | |
JP2007167836A (ja) | スロットインドライブケース用プレコート金属板 | |
JP2011513674A (ja) | 金属製被加工物の摩擦係数を調節する方法 | |
JP6887366B2 (ja) | プレコートフィン材 | |
JP4769112B2 (ja) | アルミニウム塗装材及びこれを用いた熱交換器用アルミニウムフィン材 | |
JP2008161735A (ja) | プレコート金属板およびプレコート金属板の製造方法 | |
JP2010096416A (ja) | 熱交換器用プレコートアルミニウムフィン材 | |
JP5426824B2 (ja) | プレコート金属板およびその製造方法 | |
JP2011245477A (ja) | アルミニウム塗装材及びその製造方法 | |
JP5135167B2 (ja) | アルミニウム塗装板 | |
JP2010005545A (ja) | 電子電気機器用プレコート金属板 | |
JP3875985B2 (ja) | 耐傷付け性プレコート金属板 | |
JP5237080B2 (ja) | 電子電気機器用プレコート金属板 | |
JP2019505608A (ja) | 樹脂組成物およびこれを用いた黒色樹脂鋼板、およびその製造方法 | |
JP2008036847A (ja) | 耐傷付け性と導電性に優れたプレコート金属板 | |
JP2005262841A (ja) | 加工性と放熱性に優れた樹脂被覆アルミニウム材 | |
JPH0768466B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウムフィン用材 | |
KR101657818B1 (ko) | 흑색수지 코팅 조성물 및 흑색수지 강판 | |
JP2006043510A (ja) | 着霜抑制被膜付き成型品の製造方法 | |
JP2004082516A (ja) | シリカ含有アクリル系樹脂プレコート金属塗装板 | |
JPH10272724A (ja) | 樹脂被覆アルミニウム合金板材 | |
JP2009051117A (ja) | プレコート金属板 | |
JP4818003B2 (ja) | 熱交換器用プレコートアルミニウムフィン材 | |
JP2008094085A (ja) | 耐傷付け性と導電性に優れたプレコート金属板 | |
WO2023090184A1 (ja) | 樹脂被覆アルミニウム合金板及び樹脂被覆アルミニウム合金板用樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091022 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100121 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100128 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4451911 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160205 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |