JP2006043510A - 着霜抑制被膜付き成型品の製造方法 - Google Patents

着霜抑制被膜付き成型品の製造方法 Download PDF

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真一郎 小林
Teruo Kido
照雄 木戸
Haruo Nakada
春男 中田
Toshimitsu Kamata
俊光 鎌田
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俊 吉岡
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Abstract

【課題】 最終製品として得られる着霜抑制被膜付き成型品の表面の撥水性能又は滑水性能を良好に確保可能な着霜抑制被膜付き成型品の製造方法を提供する。
【解決手段】 着霜抑制被膜付き成型品としての熱交換器用のフィン11は、その表面に撥水性能又は滑水性能を有する着霜抑制被膜14が設けられている。この着霜抑制被膜14は、着霜抑制被膜形成工程で薄板状をなす基材13の表面に撥水剤又は滑水剤を塗布して形成される。当該着霜抑制被膜14の表面上には、保護膜形成工程において、該着霜抑制被膜14を保護する保護膜15が形成される。そして、前記保護膜形成工程を経た後の前記基材13に対してプレス加工を施すプレス加工工程と、前記プレス加工工程を経た後の前記基材13から前記保護膜15を除去する保護膜除去工程とを経て、着霜抑制被膜付き成型品が製造される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば熱交換器用のフィン、冷凍庫の内壁材、製氷皿等のように着霜雰囲気下で使用される成型品であって、着霜を抑制するための着霜抑制被膜が表面に設けられた着霜抑制被膜付き成型品の製造方法に関するものである。
一般に、熱交換器用のフィン等の成型品は、薄板状をなす基材にプレス加工を施すことによって成型される。このような成型品は、大気の露点以下となる着霜雰囲気下で使用されると、その表面への水滴の付着、霜による凍り付き等に起因した様々な問題が生じやすい。そこで、近時、このような成型品は、その表面への水滴の付着、霜による凍り付き等を抑制すべく、例えば特許文献1〜特許文献3に記載されるような撥水性能又は滑水性能を有する着霜抑制被膜が表面に形成された着霜抑制被膜付き成型品が主流となっている。
上記特許文献1には、撥水性能を有する着霜抑制被膜として、微粒子とバインダーとを含有する塗料からなる着霜抑制被膜が記載されている。この特許文献1の着霜抑制被膜は、その表面が前記塗料に含有される微粒子に起因した微細な凹凸を有するように形成されており、その表面上で結露した水滴をはじいて転がり落とすことにより、撥水性能を発揮するようになっている。また、上記特許文献2及び特許文献3には、滑水性能を有する着霜抑制被膜として、ポリシロキサン系の組成物からなる着霜抑制被膜が記載されている。この特許文献2,3の着霜抑制被膜は、その表面が前述のような微細な凹凸を有していない平滑面となるように形成されており、その表面上で結露した水滴を滑り落とすことにより、極めて優れた撥水性能、換言すれば滑水性能を発揮するようになっている。
特開平5−117637号公報 特開2000−119642号公報 特開2002−323298号公報
ところで、上記の着霜抑制被膜付き成型品を製造する場合、その製造方法には大きく分けて2種の製造方法が存在する。即ち、プレス加工後の基材の表面に着霜抑制被膜を設ける製造方法と、基材に着霜抑制被膜を設けた後にプレス加工を行う製造方法である。これら2種の製造方法のうち、最終製品として得られる着霜抑制被膜付き成型品の製品品質の安定化を図るという観点、製造コストの高騰を抑えるという観点等から製造方法を選択する場合、前者の製造方法に比べて後者の製造方法が有利である。後者の製造方法が有利であることの理由は、前者の製造方法ではバッチ処理によるディップ工程で基材を塗料等に浸漬させる必要があり、着霜抑制被膜の厚みが不均一となったり、バッチ処理を行うための設備に係るコストが嵩んだり等の問題が生じるためである。
しかし、その一方で、後者の製造方法においても、現状では最終製品として得られる着霜抑制被膜付き成型品の撥水性能又は滑水性能を低下させてしまう虞がある。即ち、後者の製造方法では、プレス加工によって微細な凹凸を潰してしまったり、プレス加工時に使用するプレス油の影響で着霜抑制被膜の表面組成を変化させてしまったりすることがあり、着霜抑制被膜の撥水性能又は滑水性能を低下させてしまうことがあった。なお、着霜抑制被膜に影響を与えないプレス油を使用する製造方法も考えられたが、このようなプレス油は潤滑性に劣ることから、着霜抑制被膜の剥離という新たな問題を発生させてしまうことがあった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、最終製品として得られる着霜抑制被膜付き成型品の表面の撥水性能又は滑水性能を良好に確保可能な着霜抑制被膜付き成型品の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、着霜抑制被膜付き成型品の製造方法に係る請求項1に記載の発明は、撥水性能又は滑水性能を有する着霜抑制被膜が表面に設けられた着霜抑制被膜付き成型品の製造方法であって、薄板状をなす基材の表面に撥水剤又は滑水剤を塗布して前記着霜抑制被膜を形成する着霜抑制被膜形成工程と、前記着霜抑制被膜の表面上に該着霜抑制被膜を保護するための保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記保護膜形成工程を経た後の前記基材に対してプレス加工を施すプレス加工工程と、前記プレス加工工程を経た後の前記基材から前記保護膜を除去する保護膜除去工程とを備えることを要旨とする。
上記請求項1に記載の発明によれば、着霜抑制被膜形成工程で基材の表面に着霜抑制被膜を形成した後、保護膜形成工程で該着霜抑制被膜の表面上に保護膜を形成している。そのため、プレス加工工程で基材にプレス加工を施す際には、前記保護膜によって前記着霜抑制被膜を、プレス圧による着霜抑制皮膜の表面の傷付き、プレス油の付着による着霜抑制皮膜の組成変化等から保護することができる。従って、最終製品として得られる着霜抑制被膜付き成型品の表面の撥水性能又は滑水性能を良好に確保することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法において、前記保護膜は、その成分に可溶性樹脂を含んでいることを要旨とする。そのため、上記請求項2に記載の発明によれば、保護膜はその成分に可溶性樹脂を含むことから、保護膜除去工程では、保護膜を溶解させることにより容易に除去することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法において、前記保護膜は、その成分に水溶性樹脂を含んでいることを要旨とする。そのため、上記請求項3に記載の発明によれば、保護膜はその成分に水溶性樹脂を含むことから、保護膜除去工程では、同保護膜を水の存在下で容易に溶解除去することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法において、前記プレス加工工程では、前記基材から空気調和機における熱交換器用のフィンが形成されることを要旨とする。そのため、上記請求項4に記載の発明によれば、製造時におけるプレス加工を必須とする熱交換器用のフィンを、同フィンの表面の撥水性能又は滑水性能の低下を抑制しつつ、製造することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法において、前記保護膜除去工程は、前記フィンが熱交換器に組み付けられる組付け工程を経た後に施されることを要旨とする。そのため、上記請求項5に記載の発明によれば、プレス加工のみならず、熱交換器の組み付け時における傷つき等からも着霜抑制被膜を保護することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項5のうち何れか一項に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法において、前記保護膜除去工程では、前記保護膜の表面に結露を生じさせた後に、該結露に基づく結露水によって前記保護膜を溶解させることを要旨とする。そのため、上記請求項6に記載の発明によれば、水の存在下で容易に分解する保護膜を、例えば熱交換器の試験運転等のような、結露の発生を条件とする工程を利用することにより、簡易に除去することが可能となる。
本発明によれば、最終製品として得られる着霜抑制被膜付き成型品の表面の撥水性能又は滑水性能を良好に確保することができる。
以下、本発明を着霜抑制被膜付き成型品の一種である空気調和機における熱交換器用のフィンを製造する場合に具体化した一実施形態を説明する。
まず、本実施形態の熱交換器について、その概略構成を説明する。
図1に示すように、熱交換器10は、図示しない空気調和機に装着され、空気と冷媒との間で熱交換を行うことを目的として構成されたものであり、複数枚のフィン11と伝熱管12とを有している。前記複数枚のフィン11は、それぞれが薄板状に形成されており、板厚方向で互いに向かい合うように所定間隔おきで平行に配設されている。前記伝熱管12は、複数枚のフィン11を一体的に繋ぐように、各フィン11をそれぞれ板厚方向へ貫いて装着されている。また、フィン11と伝熱管12とは互いに熱伝導可能に接触している。そして、当該熱交換器10は、前記フィン11同士の間で空気を流動させ、前記伝熱管12の内部で前記冷媒を流動させることにより、当該フィン11及び当該伝熱管12を介して前記空気と前記冷媒との間で熱交換を行う。
当該熱交換器10は、空気と冷媒との間で熱交換を行うことから、大気の露点以下となる着霜雰囲気下での使用が多く、前記フィン11の表面で結露或いは着霜を生じやすい。フィン11の表面に結露或いは霜が生じたまま熱交換器10を放置した場合、結露に基づく結露水の付着によるフィン11の腐食、着霜に基づく霜の付着による通風抵抗の増大、熱交換効率の低下等といった種々の問題を生じる虞がある。そこで、当該熱交換器10は、前記フィン11を着霜抑制被膜付き成型品として構成することにより、フィン11の表面における結露或いは着霜の発生を抑制している。
図2に示すように、着霜抑制被膜付き成型品である前記フィン11は、薄板状をなす基材13と、同基材13の表面(図2中で上面及び下面の両面)に設けられた着霜抑制被膜14とから構成されている。前記基材13は、鉄、アルミニウム、銅等の熱伝導率が良好な金属材料から形成されている。前記着霜抑制被膜14は、前記基材13の表面に液状の撥水剤又は液状の滑水剤を塗布し、乾燥硬化させることによって形成されている。
前記撥水剤は、バインダー成分と、微粒子とを含んでいる。前記バインダー成分は、撥水性を有する合成樹脂を材料とした液体であり、当該合成樹脂としてフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。前記微粒子は、一次粒子径が10nm〜10μmの無機粉体又は有機粉体であり、その材料として二酸化ケイ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。当該撥水剤は、乾燥硬化して前記着霜抑制被膜14を形成した際、前記微粒子に起因した微細な凹凸を当該着霜抑制被膜14の表面に形成する。当該撥水剤から形成される着霜抑制被膜14においては、バインダー成分による撥水性に加え、その表面に形成された微細な凹凸によって同表面と水滴との接触面積が低減されることにより、同表面上での水滴の付着力が低下している。そして、当該着霜抑制被膜14は、その表面へ付着した水滴を転がり落とすことにより、撥水性能を発揮する。
前記滑水剤は、主成分としてシリコーン樹脂であるオルガノポリシロキサンを含み、副成分として、ポリジアルキルシロキサン、ポリアルキル水素シロキサン、シラノール基を有するオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)等を含んでいる。当該滑水剤は、乾燥硬化して前記着霜抑制被膜14を形成した際、同着霜抑制被膜14の表面を平滑面とする。当該滑水剤から形成される着霜抑制被膜14においては、前記シリコーン樹脂による撥水性に加え、その表面を平滑面とすることで同表面と水滴との摩擦抵抗が軽減されることにより、同表面上での水滴の保持力が低下している。そして、当該着霜抑制被膜14は、その表面へ付着した水滴を滑り落とすことにより、極めて優れた撥水性能である滑水性能を発揮する。
次に、前記熱交換器10の製造工程について以下に記載する。
図3に示すように、熱交換器10は最終製品として得られるまでに、フィン11を形成するフィン形成工程S1と、同フィン形成工程S1で得られたフィン11に伝熱管12を組み付ける等して該熱交換器10を得る組付け工程S2と、同組付け工程S2を経た後の熱交換器10を試験運転する試験運転工程S3とを経る。また、前記フィン形成工程S1は、基材13の表面に着霜抑制被膜14を形成する着霜抑制被膜形成工程S11と、該着霜抑制被膜14の表面上に図2に二点鎖線で示す保護膜15を形成する保護膜形成工程S12と、前記基材13に対してプレス加工を施して前記フィン11を得るプレス加工工程S13とを備える。さらに、前記試験運転工程S3は、前記保護膜形成工程S12で形成された前記保護膜15を除去する保護膜除去工程S14を含む。
前記着霜抑制被膜形成工程S11では、前記基材13の表面に撥水剤又は滑水剤が塗布された後、撥水剤又は滑水剤が乾燥硬化される。撥水剤又は滑水剤の塗布方法としては、ロールコーティング法、フローコーティング法、浸漬塗布法、含浸法、刷毛塗り法、スプレー法等が挙げられる。また、当該着霜抑制被膜形成工程S11で形成される着霜抑制被膜14の膜厚は、熱伝導率の低下を抑制しつつ、撥水性能又は滑水性能を確保するという観点から、好ましくは0.1〜50μmである。
前記保護膜形成工程S12では、まず前記着霜抑制被膜形成工程S11で形成された着霜抑制被膜14の表面上に液状の保護剤が塗布される。そして、保護剤を塗布した後、同保護剤を乾燥硬化させることにより、前記着霜抑制被膜14を保護する保護膜15が形成される。このとき、保護剤の塗布方法としては、前記着霜抑制被膜形成工程S11で挙げた塗布方法と同じ方法が挙げられる。
前記保護剤には、前記保護膜除去工程S14における前記保護膜15の除去を簡易化するという観点から、その成分に水溶性樹脂を含むものが使用される。この水溶性樹脂には、天然系のものと、合成系のものとが存在する。天然系の水溶性樹脂としては、アミロペクチン、アミロース等からなる澱粉、変性コラーゲンからなるゼラチン、細胞間粘性多糖類からなる寒天、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)等のセルロース誘導体等が挙げられる。合成系の水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリル酸樹脂等が挙げられる。
保護膜15の膜厚は、前記着霜抑制被膜14の膜厚によって適宜設定されており、同着霜抑制被膜14を保護できる程度の厚みを有しているならば特に限定されるものではない。また、乾燥硬化後の保護膜は、その硬度が前記着霜抑制被膜14の硬度よりも軟らかいものであることが好ましい。これは、前記プレス加工工程S13でプレス圧が加わったとき、保護膜15が潰れることで該プレス圧を緩和することにより、前記着霜抑制被膜14に対するプレス圧の影響を低減するためである。なお、当該保護膜15の硬度が前記着霜抑制被膜14の硬度よりも硬い場合、プレス加工工程S13でプレス圧が加わったとき、保護膜15に比べて着霜抑制被膜14が潰れやすくなってしまう。
前記プレス加工工程S13では、図示しないプレス加工機を使用し、前記保護膜形成工程S12を経た後の基材13にプレス加工が施される。該プレス加工機は、該基材13を所定形状に成形するための金型(図示略)を有している。そして、プレス加工時には該金型に基材13を圧接させることにより、同基材13が所定形状とされ、空気調和機における熱交換器用のフィン11が成型品として形成される。この圧接時において、前記着霜抑制被膜14は、前記金型に接触せず、前記保護膜15が金型に接触する。従って、圧接時に形成される傷つき、潰れ等のプレス痕は前記保護膜15に形成されるとともに、プレス加工時に使用されるプレス油は前記保護膜15に付着される。
前記保護膜除去工程S14は、前記試験運転工程S3において、前記組付け工程S2を経た後の熱交換器10を最終製品として出荷する前に行う試験運転中に施される。即ち、当該熱交換器10は、その試験運転として、湿り運転を強制的に行うことで動作確認される。この湿り運転とは、当該熱交換器10のフィン11の表面上で結露を故意に生じさせる運転である。当該湿り運転中において、フィン11の表面に設けられた前記保護膜15の表面には、結露が生じる。当該保護膜15は、前述のように水溶性高分子で形成されていることから、該結露に基づく結露水に溶解される。そして、前記保護膜15は、該結露水に溶解された状態で廃棄され、除去される。なお、前記着霜抑制被膜14は、撥水性又は滑水性を有することからその表面が疎水性であり、これに対して保護膜15は、水溶性を有することからその表面が親水性である。このため、着霜抑制被膜14に対して保護膜15は、静電気的付着力によって付着しており、剥離性が良好であるとともに、着霜抑制被膜14が撥水性又は滑水性を有することから、結露水に溶解された保護膜15は、着霜抑制被膜14上に残留することなく除去される。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)前記フィン11は、基材13の表面に着霜抑制被膜14を形成し、同着霜抑制被膜14の表面上に保護膜15を形成した後、当該基材13にプレス加工を施して得られる。このプレス加工時において、プレス痕は保護膜15に形成され、またプレス油は保護膜15に付着されることとなる。従って、プレス痕やプレス油による影響から着霜抑制被膜14を保護することができ、最終製品として得られる熱交換器10において、着霜抑制被膜付き成型品としてのフィン11の表面の撥水性能又は滑水性能を良好に確保することができる。
(2)また、熱交換器用のフィン11は製造時におけるプレス加工を必須とすることから、プレス痕やプレス油による影響により、表面の撥水性能又は滑水性能が低下しやすく、従来は熱交換器を製造した後にバッチ処理によるディップ工程で着霜抑制被膜を形成せざるを得なかった。これに対し、本実施形態の製造方法によれば、着霜抑制被膜14の形成後にプレス加工を施しても、フィン11の表面の撥水性能又は滑水性能を良好に確保することができる。このため、着霜抑制被膜14を均一な厚みで形成することができ、製品品質の安定化を図ることが可能であるとともに、製造コストの高騰を抑えることが可能である。
(3)また前記保護膜15は、保護膜除去工程S14で着霜抑制被膜14の表面上から除去されており、保護膜15によるフィン11の表面の撥水性能又は滑水性能の低下を抑制することができる。
(4)また前記保護膜15は、その成分に水溶性樹脂を含んでおり、水の存在下で容易に溶解除去することができる。
(5)また、フィン11の表面に形成された着霜抑制被膜14の撥水性能又は滑水性能により、水によって溶解除去された保護膜15がフィン11(着霜抑制被膜14)の表面に残留することを抑制することができる。
(6)また保護膜15は、熱交換器10の試験運転である湿り運転時に生じた結露水によって溶解除去されるため、保護膜15の除去の為に工程数を増やしたり、保護膜除去用の水を用意したり等することなく、同保護膜15を簡易に除去することができる。
(7)また前記保護膜15は、熱交換器10の組付け工程後に除去されることから、プレス加工のみならず、熱交換器10の組み付け時における傷つき等からも前記着霜抑制被膜14を保護することができ、フィン11の表面の撥水性能又は滑水性能を好適に確保することができる。
なお、本実施形態は、次のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・ 前記フィン形成工程S1で前記プレス加工工程S13を施した後に保護膜除去工程S14を設け、この保護膜除去工程S14で保護膜15を除去してもよい。この場合の保護膜除去工程S14は、例えば貯水槽中にフィン11を浸漬する、温度差によりフィン11の表面を結露させる等の方法で施される。
・ 前記フィン11に限らず、着霜抑制被膜付き成型品として、例えば冷凍庫の内壁材、製氷皿等を形成してもよい。なお、冷凍庫の内壁材、製氷皿等もまた、本実施形態のような着霜抑制被膜形成工程S11、保護膜形成工程S12、プレス加工工程S13及び保護膜除去工程S14を経て成型される。
・ 前記保護膜15は、その成分に水溶性樹脂を含むものに限らず、その成分に可溶性樹脂を含むものとしてもよい。この可溶性樹脂としては、着霜抑制被膜14に対して影響を与えず、耐薬品性の低いものを使用することが好ましい。具体例としては、パラフィン系樹脂、ナイロン(ポリアミド樹脂)、スチロール系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。また、可溶性樹脂からなる保護膜の除去には、例えばアルコール、ベンゼン等の有機溶媒が適宜選択され、使用される。
・ 本実施形態で示したように、着霜抑制被膜14の表面に保護剤を塗布し、当該保護剤の乾燥硬化により保護膜15を形成することに限らず、例えば着霜抑制被膜14の表面にフィルム、シート材等の薄膜材を貼着し、当該薄膜材から保護膜15を形成してもよい。薄膜材によって保護膜15を形成した場合、前記着霜抑制被膜14に対して同保護膜15を静電気的付着力によって付着させてもよく、さらには薄膜材からなる保護膜15の表面上に粘着剤等を塗布することによって粘着面を設け、その粘着面による粘着力によって付着させてもよい。なお、薄膜材から保護膜15を形成する場合、その材料は、前述の水溶性樹脂、可溶性樹脂の何れを使用してもよい。特に、水溶性樹脂を使用した場合、保護膜15の除去が簡易であり、フィン11の表面における保護膜15の残留も抑制される。
実施形態の熱交換器を示す概略図。 実施形態のフィンを示す断面図。 実施形態の熱交換器の製造工程を示すフロー図。
符号の説明
10…熱交換器、11…着霜抑制被膜付き成型品としてのフィン、13…基材、14…着霜抑制被膜、15…保護膜、S11…着霜抑制被膜形成工程、S12…保護膜形成工程、S13…プレス加工工程、S14…保護膜除去工程。

Claims (6)

  1. 撥水性能又は滑水性能を有する着霜抑制被膜が表面に設けられた着霜抑制被膜付き成型品の製造方法であって、
    薄板状をなす基材の表面に撥水剤又は滑水剤を塗布して前記着霜抑制被膜を形成する着霜抑制被膜形成工程と、
    前記着霜抑制被膜の表面上に該着霜抑制被膜を保護するための保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記保護膜形成工程を経た後の前記基材に対してプレス加工を施すプレス加工工程と、
    前記プレス加工工程を経た後の前記基材から前記保護膜を除去する保護膜除去工程と
    を備えることを特徴とする着霜抑制被膜付き成型品の製造方法。
  2. 前記保護膜は、その成分に可溶性樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法。
  3. 前記保護膜は、その成分に水溶性樹脂を含んでいる請求項1に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法。
  4. 前記プレス加工工程では、前記基材から空気調和機における熱交換器用のフィンが成型品として形成される請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法。
  5. 前記保護膜除去工程は、前記フィンが熱交換器に組み付けられる組付け工程を経た後に施される請求項4に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法。
  6. 前記保護膜除去工程では、前記保護膜の表面に結露を生じさせた後に、該結露に基づく結露水によって前記保護膜を溶解させる請求項3〜請求項5のうち何れか一項に記載の着霜抑制被膜付き成型品の製造方法。
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