JP2010017764A - 電極チップの抜き取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアや電気の駆動源を使用することなくロボットアームの作動によりシャンクから電極チップを抜き取ることができる電極チップの抜き取り装置を提供すること。
【解決手段】抜き取り装置10は、電極チップ5に押圧されて回転駆動するチップ受けレバー30と、チップ受けレバー30とコイルばね19を介して連動するチップ抜き取りアーム20とを備えている。チップ抜き取りアーム20は、先端に、シャンク1と電極チップ5との間の隙間部7に挿入可能な爪部22を備えて形成するとともに、シャンク1に爪部22を押圧されて、回転可能とする。チップ受けレバー30は、支持ピン31に回動可能に支持されるとともに、電極チップ5に押圧されるチップ受け面341を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】抜き取り装置10は、電極チップ5に押圧されて回転駆動するチップ受けレバー30と、チップ受けレバー30とコイルばね19を介して連動するチップ抜き取りアーム20とを備えている。チップ抜き取りアーム20は、先端に、シャンク1と電極チップ5との間の隙間部7に挿入可能な爪部22を備えて形成するとともに、シャンク1に爪部22を押圧されて、回転可能とする。チップ受けレバー30は、支持ピン31に回動可能に支持されるとともに、電極チップ5に押圧されるチップ受け面341を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、抵抗溶接機等の溶接ガンのシャンクに形成された取付け軸に装着される電極チップを抜き取るための電極チップの抜き取り装置に関する。
電極チップは、抵抗溶接機の溶接ガンのシャンクに装着されている。つまり、溶接ガンのシャンクにはテーパ状の取付け軸が設けてあり、この取付け軸に電極チップが圧入されている。電極チップを交換する場合、当然のことであるが電極チップは溶接が行われた後であるから、シャンクから抜き取る場合でも簡単には行うことができない。そのため、従来においては、特許文献に示すように、各種の提案が行われていた。例えば、特許文献1では、電極チップを手動で抜き取る工具を使用していた。この工具は、棒状部材の両端に、電極チップをシャンクから抜き取る板状体と、電極チップをシャンクに装着する押し込みホルダを備えている。棒状部材の中間部には棒状部材を摺動するリング状のウエイトが配置されている。この棒状材を電極チップの軸方向に往復移動させることによってウエイトの往復移動による慣性力で電極チップをシャンクから抜き取るようにしていた。
しかし、溶接作業の自動化により電極チップの交換も自動化されると手動で使用する工具は不適として扱われるようになってきた。
そのために、特許文献2では、エアハンマを利用して電極チップを抜き取ることができる装置が提案されている。これによると、この装置は、電極チップをシャンクから抜き取る作業と電極チップをシャンクに装着する作業を行うことのできる電極チップ用エアハンマを使用して構成されている。この電極チップ用エアハンマは、エアで駆動されるエアハンマと、エアハンマの先端に装着される治具とを備えている。電極チップをシャンクから抜き取る際には、二股状の差込部を電極チップとシャンクとの間に差し込み、エアハンマを作動し振動させることによって、抜き取るようにしていた。
しかし、自動化ラインが進んでいる工場では、省電力化を目指していることが多く、エアや電気の駆動をできるだけ省力化しようとしている。例えば、電極チップの抜き取り装置においても、できるだけエア駆動やモータを利用した電気駆動を回避することによって、装置の簡略化や省エネルギー化を達成しようとする努力が行われている。特許文献1の場合は、手動で行うことから、自動化ラインに不適であり使用することはできない。また、特許文献2の場合ではエア駆動のため、省エネルギー化には不適であるとともに、装置を複雑にしてコストを高くすることになる。また、エアの使用により周りのゴミや塵を吹き飛ばす虞があり、ゴミや塵によって他に悪影響を及ぼす虞が生じていた。そのため、エアや電気等の駆動源を装着しないで構成できる電極チップの抜き取り装置が求められていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エアや電気等の駆動源を使用することなく、簡略化して構成される電極チップの抜き取り装置を提供することを目的とする。そのため、本発明に係る電極チップの抜き取り装置は以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、抵抗溶接機の溶接ガンに配設されたシャンクの取付け軸には電極チップが装着され、前記シャンクは、前記抵抗溶接機でティーチングされた移動により、前記電極チップを抜き取るためのチップ抜き取り線上に到達した後、前記チップ抜き取り線上を、前記シャンクの軸方向に沿って前記シャンクから前記電極チップ先端面側に向かうチップ抜き取り方向へ移動され、前記シャンクの先端面と前記電極チップの基端面との間に形成される隙間部を広げることによって、前記シャンクから前記電極チップを抜き取るための電極チップの抜き取り装置であって、フレームと、前記フレームに支持されて、前記チップ抜き取り線と直交する前後方向に沿って前後移動及び前記シャンクの前記チップ抜き取り線上の移動に伴って回転駆動可能に構成され、前端側に、前記シャンクの先端面と前記電極チップの基端面との間の前記隙間部に挿入可能な二股状の爪部を有するとともに、前記爪部を前記チップ抜き取り線上に出入可能なチップ抜き取りアームと、前記チップ抜き取りアームを、前記チップ抜き取り線に向かって移動させる方向に付勢するとともに、前記チップ抜き取りアームの回転駆動の際に前記チップ抜き取りアームを前方に付勢する第1の付勢手段と、前記チップ抜き取りアームの回動により移動した前記爪部を、復帰方向に付勢する第2の付勢手段と、を備えて構成され、前記チップ抜き取りアームが、前記爪部と前記隙間部との前後方向で相互に対向する位置において、前記第1の付勢手段によって、前記チップ抜き取り線上に前進しつつ前記爪部を前記隙間部に挿入させて、前記電極チップを前記シャンクから抜き取り始めるためのチップ抜き取り開始位置に前記爪部を到達させ、前記シャンクの前記チップ抜き取り方向への移動に伴って、前記チップ抜き取り開始位置に配設された前記爪部が前記シャンクの先端面に押圧されることにより、前記チップ抜き取りアームが、前記第2の付勢手段に抗して回転して、前記爪部を前記チップ抜き取り開始位置から傾斜させつつ、前記シャンクの先端面後部に押圧された前記爪部の先端部によって、前記電極チップの基端面前部を前記チップ抜き取り方向に押圧して、前記隙間部を押し広げ、前記電極チップを前記シャンクから抜き取るように構成されていることを特徴とするものである。
請求項1記載の発明では、抵抗溶接機の溶接ガンに配設されたシャンクの取付け軸には電極チップが装着され、前記シャンクは、前記抵抗溶接機でティーチングされた移動により、前記電極チップを抜き取るためのチップ抜き取り線上に到達した後、前記チップ抜き取り線上を、前記シャンクの軸方向に沿って前記シャンクから前記電極チップ先端面側に向かうチップ抜き取り方向へ移動され、前記シャンクの先端面と前記電極チップの基端面との間に形成される隙間部を広げることによって、前記シャンクから前記電極チップを抜き取るための電極チップの抜き取り装置であって、フレームと、前記フレームに支持されて、前記チップ抜き取り線と直交する前後方向に沿って前後移動及び前記シャンクの前記チップ抜き取り線上の移動に伴って回転駆動可能に構成され、前端側に、前記シャンクの先端面と前記電極チップの基端面との間の前記隙間部に挿入可能な二股状の爪部を有するとともに、前記爪部を前記チップ抜き取り線上に出入可能なチップ抜き取りアームと、前記チップ抜き取りアームを、前記チップ抜き取り線に向かって移動させる方向に付勢するとともに、前記チップ抜き取りアームの回転駆動の際に前記チップ抜き取りアームを前方に付勢する第1の付勢手段と、前記チップ抜き取りアームの回動により移動した前記爪部を、復帰方向に付勢する第2の付勢手段と、を備えて構成され、前記チップ抜き取りアームが、前記爪部と前記隙間部との前後方向で相互に対向する位置において、前記第1の付勢手段によって、前記チップ抜き取り線上に前進しつつ前記爪部を前記隙間部に挿入させて、前記電極チップを前記シャンクから抜き取り始めるためのチップ抜き取り開始位置に前記爪部を到達させ、前記シャンクの前記チップ抜き取り方向への移動に伴って、前記チップ抜き取り開始位置に配設された前記爪部が前記シャンクの先端面に押圧されることにより、前記チップ抜き取りアームが、前記第2の付勢手段に抗して回転して、前記爪部を前記チップ抜き取り開始位置から傾斜させつつ、前記シャンクの先端面後部に押圧された前記爪部の先端部によって、前記電極チップの基端面前部を前記チップ抜き取り方向に押圧して、前記隙間部を押し広げ、前記電極チップを前記シャンクから抜き取るように構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、電極チップは抵抗溶接機(ロボットとも言う)のアーム先端に装着された溶接ガンにおけるシャンクの取付け軸に圧入して装着されている。シャンクはロボットの制御装置によって3軸方向に移動するように制御されている。シャンクは、ロボットの制御装置の指令により、チップ抜き取り線上において、シャンクの電極チップの抜き取り方向に沿って移動する。
シャンクの移動で、シャンクと電極チップとの間に形成された隙間部が、チップ抜き取りアームの爪部と対向した位置に移動すると、チップ抜き取りアームが第1の付勢手段により、爪部を隙間部に進入させてチップ抜き取り開始位置に到達させる。
シャンクがさらに抜き取り方向に沿って移動することによって、シャンクの先端面で爪部を押圧すると、チップ抜き取りアームが回転されて爪部をチップ抜き取り開始位置において傾斜させることになり、爪部の先端部が電極チップの基端面前部を押圧する。そのため隙間部が押し広げられて電極チップをシャンクから抜き取ることになる。
電極チップが抜き取られた後、シャンクの復帰移動に伴って、チップ抜き取りアームの爪部が第1の付勢手段や第2の付勢手段によって初期位置に復帰する。
したがって、本発明の電極チップの抜き取り装置では、ロボットのティーチングによるシャンクの移動と、電極チップのチップ受けレバーへの押圧と、付勢手段による爪部のチップ抜き取り開始位置への移動及び元の位置への復帰移動によって、電極チップをシャンクから抜き取ってチップ抜き取りアームを元位置に復帰することができることから、エアや電気等の駆動源を使用することなく連続的にチップの抜き取り作用を行うことができる。そのため、自動化ラインに適した装置として使用できるとともに省エネルギー化を達成することができる。しかも装置を簡略化して構成できることから、コストも廉価にすることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記爪部を前記チップ抜き取り線から後方に離隔させた位置にあって、かつ前記爪部を前記チップ抜き取り開始位置に到達する位置に移動させる前の位置を、前記爪部の初期位置とし、前記フレームには、前記フレームに支持されて、前記シャンクの前記チップ抜き取り方向への移動時に、前記電極チップの先端面に当接して押圧されるチップ受け面を有するとともに、前記電極チップの前記チップ受け面への押圧により回転駆動されるチップ受けレバーが配設され、前記第1の付勢手段が、前記チップ抜き取りアームと前記チップ受けレバーとを連結する弾性部材を備え、前記シャンクが、前記チップ抜き取り線上を前記チップ抜き取り方向に沿って、移動する構成であって、前記チップ受けレバーが、前記シャンクの前記チップ抜き取り方向への移動に伴う前記電極チップによる前記チップ受け面への押圧により回転されるとともに、前記第1の付勢手段を介して、前記チップ抜き取りアームを前方移動させ、前記爪部が、前記初期位置から前記チップ抜き取り線側に移動して、前記チップ抜き取り開始位置に到達することを特徴としている。
本発明によれば、フレームには、チップ抜き取り線上に沿ってチップ受けレバーが配設されている。チップ抜き取りアームはチップ受けレバーに第1の付勢手段を介して連動されている。シャンクのチップ抜き取り線上の移動に伴い、電極チップがチップ受けレバーのチップ受け面を押圧することにより、チップ受けレバーは回転駆動される。
チップ受けレバーが回転駆動されると、第1の付勢手段の付勢力によって、チップ抜き取りアームが前方移動し、爪部が初期位置からチップ抜き取り線側に向けて移動してチップ抜き取り開始位置に到達することとなる。その後、請求項1の発明と同様、シャンクの抜き取り方向の移動により、チップ抜き取りアームが回転して電極チップを抜き取ることとなる。
したがって、本発明の電極チップの抜き取り装置では、ロボットのティーチングによるシャンクの移動と、電極チップのチップ受けレバーへの押圧と、第1の付勢手段による爪部のチップ抜き取り開始位置への移動によって、電極チップをシャンクから抜き取る作用を開始することができる。このため、エアや電気等の駆動源を使用せずに電極チップをシャンクから抜き取ることができる。
請求項3記載の発明は、請求項2の発明に係るものであって、前記チップ抜き取り線を間にして前記チップ抜き取りアームと反対側には、前記シャンクの背面を支持するための支持面を有する支持部材が配設されていることを特徴としている。
本発明によれば、シャンクを間にしてチップ抜き取りアームと対向した位置に、シャンクの背面を支持する支持部材を設けることによって、チップ抜き取りアームの爪部で電極チップをシャンクから抜き取る際、シャンクの曲がりを防止することができる。つまり、隙間部に挿入されたチップ抜き取りアームの爪部が回転されて傾斜する際、爪部でシャンクを押圧することになって、ロボットのアームに装着されているシャンクを水平方向に沿って撓ませようとする。このときにシャンクと反対方向に配置されている支持部材の支持面がシャンクの背面に当接することによって、シャンクを垂直方向に保持するように支持することができ、シャンクの曲がりを防止することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3のいずれかの発明に係るものであって、前記チップ受けレバーが、前記チップ抜き取り線を間にして前記チップ抜き取りアームと対向する位置に配設されていることを特徴としている。
本発明によれば、チップ抜き取りアームとチップ受けレバーとをチップ抜き取り線を間にして対向させることによって、チップ受けレバーの回転駆動が、チップ抜き取りアームから離れる方向に作用することから、弾性部材は引張力でチップ抜き取りアームを前進移動させることができ、チップ抜き取りアームの爪部を容易にしかも確実に隙間部に挿入させることができる。
請求項5記載の発明は、請求項2,3又は4のいずれかの発明にかかわるものであって、前記チップ受けレバーの前記チップ受け面が湾曲凸状に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、チップ受け取りレバーのチップ受け面を湾曲凸状に形成することによって、例えば、チップの先端面の形状が湾曲凸状に形成されていたり、平面状に形成されていたりしても、また、それ以外の形状に形成されていたりしても、電極チップの先端面の一部にチップ受け面を確実に接触させることができ、チップ受けレバーの回転駆動の作動を安定して行うことができる。
請求項6記載の発明は、請求項2又は3のいずれかの発明に係るものであって前記チップ受けレバーが、前記チップ抜き取り線に対して前記チップ抜き取りアーム側に配設されていることを特徴としている。
したがって、本発明の電極チップの抜き取り装置では、チップ抜き取り線より前方部分にスペースが形成されることとなって、電極チップの回りのスペースを広くすることができる。そのため、請求項4の機能に比べて電極チップの大きさに制限されなくなり、大径の電極チップや多角形の電極チップでも、形状に係ることなく使用することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記爪部が前記チップ抜き取り線上を通る位置であって、かつ前記シャンクの前記電極チップによる前記爪部への押圧前に配置された位置を、前記爪部の初期位置とし、前記第1の付勢手段が、前記フレームと前記チップ抜き取りアームとを連結して、前記チップ抜き取りアームを前記チップ抜き取り線側に付勢する弾性部材を備え、前記シャンクが、前記チップ抜き取り線上と直交する方向で、かつ、前記電極チップにより前記爪部を押圧して前記爪を後方移動させつつ、前記チップ抜き取り線上に到達する抜き取り前移動と、その後の前記チップ抜き取り線上をチップ抜き取り方向に沿って移動する抜き取り移動と、の作動を行う構成とし、前記爪部が、前記シャンクの前記抜き取り前移動により、前記電極チップに押圧されて、前記初期位置から前記チップ抜き取り線と直交する後方に移動し、前記爪部が、前記シャンクの前記抜き取り移動時、第1の付勢手段の付勢力により、前記チップ抜き取り開始位置に到達することを特徴としている。
本発明によれば、チップ抜き取りアームはフレームに第1の付勢手段で連結されている。チップ抜き取りアームの爪部は、チップ抜き取り線と直交する方向に沿うシャンクの抜き取り前移動により、電極チップで押圧されて初期位置から後退する。
その後のシャンクのチップ抜き取り線上に沿うチップ抜き取り移動時に、隙間部との前後方向で対向する位置において、爪部は、第1の付勢手段の付勢力によってチップ抜き取り線上に進入しチップ抜き取り開始位置に到達する。その後、請求項1の発明と同様、シャンクの抜き取り方向の移動により、チップ抜き取りアームが回転して電極チップを抜き取ることとなる。
したがって、本発明の電極チップの抜き取り装置では、電極チップの押圧で、初期位置から後退したチップ抜き取りアームを、ロボットのティーチングによるシャンクの移動と、第1の付勢手段による爪部のチップ抜き取り開始位置への移動によって、電極チップをシャンクから抜き取る作用を開始することができる。そのため、装置自体にエアや電気等の駆動源を必要としない。したがって、請求項1の発明と同様、自動化ラインに適した装置として使用できるとともに省エネルギー化を達成することができる。しかも装置を簡略化して構成できることから、コストも廉価にすることができる。
次に、本発明の電極チップの抜き取り装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態の電極チップの抜き取り装置(以下、抜き取り装置という)10の全体斜視図を示すものであり、シャンク1に装着された電極チップ5を併せて示すものである。なお、シャンク1は、抵抗溶接機(ロボットという)のアームに装着された溶接ガンの上下一対に取付けられているものであり、先端には、それぞれ先端に向かって小径となるテーパ軸(取付け軸)3が形成されている。シャンク1の先端面1aと電極チップ5の基端面5aとの間には隙間部7が形成されている。ロボットのアームは、ロボットの制御装置によって操作されて3軸方向に移動可能に配置されている。
抜き取り装置10は、四方側面を備えて枠状に形成されたフレーム11と、フレーム11内に配置されて、フレーム11の長手方向に沿って延びるチップ抜き取りアーム20と、シャンク1が電極チップ5を抜き取るために移動するチップ抜き取り線P上を電極チップ5の抜き取り方向Aに向かって配置されるとともに、チップ抜き取り線Pを間にしてチップ抜き取りアーム20と対向して配置されるチップ受けレバー30とを備えている。なお、以下の説明にあたっては、抜き取り装置10において、チップ抜き取りアーム20が電極チップ抜き取り線Pに向かう側を前部又は前方といい、その反対側を後部又は後方という。
図2〜4に示すように、フレーム11は、長手方向に沿ったメインプレート12、12と、チップ受けレバー30の前方に配置されるフロントプレート13と、チップ受けレバー30の後方に配置されるリアプレート14と、を備えている。メインプレート12、12の一方には、支持台Bに装着するための少なくとも2本の支持部材121、121を装着している。また、メインプレート12、12のリアプレート14側には、上方に突出する突状部122、122が形成され、メインプレート12、12における後述のチップ抜き取り線P上に対向する位置に、上面側及び下面側に内方に向かう凹状部123、123が形成されている。
一対の突状部122、122には、両突状部122、122に支持されるスプリングシャフト15が装着されている。スプリングシャフト15の長さ方向の中央部には掛止溝151が形成され、チップ抜き取りアーム20に一端が掛止される第2の付勢手段としてのコイルばね16の他端が掛止されている。コイルばね16は、チップ抜き取りアーム20をスプリングシャフト15側に付勢するように配置されている。
さらに、一対のメインプレート12には、チップ抜き取りアーム20の前進・後退移動及び回転移動を案内するためのガイド手段が形成されている。実施形態においては、後方下部に水平方向に沿ってガイド溝124が形成されるとともに、その前方上部に水平方向と垂直方向に延設するL字状のカム溝125が形成されている。さらに、メインプレート12の前方には、チップ受けレバー30を支持する支持ピン孔126が形成されている。一対の支持ピン孔126、126には、支持ピン31が挿通されている。
ガイド溝124には、チップ抜き取りアーム20を貫通して一対のメインプレート12、12に支持されるメインシャフト17が挿入されている。チップ抜き取りアーム20がメインシャフト17を中心に回動するとともに、ガイド溝124が、チップ抜き取りアーム20とともに前進・後退移動するメインシャフト17の移動ガイドとして形成されている。
カム溝125には、チップ抜き取りアーム20を貫通して一対のメインプレート12、12に支持されるカム軸(以下、レギュレターシャフトという)18が挿入されている。カム溝125は、前後方向に長孔状に形成される横溝部125aと横溝部125aの先端から連接されて下方に延びる縦溝部125bとからなっている。そのためチップ抜き取りアーム20の前進・後退移動及び上方・下方への移動をガイドするように形成されている。
チップ抜き取りアーム20は、図3に示すように、一対のメインプレート12、12内で前進・後退移動可能に挿入されたアーム本体部21を備えている。アーム本体部21には、メインシャフト17を挿通するメインシャフト挿通孔211とレギュレターシャフト18を挿通するレギュレターシャフト挿通孔212とが形成されている。
アーム本体部21は、後方下部にメインシャフト17で回動可能に支承され、メインシャフト17の位置より前方上部にレギュレターシャフト18で支持されている。そのため、第1の実施形態のアーム本体部21は、フレーム11の長手方向に沿って長尺状に形成されるとともに、後方から前方に向かって湾曲状に立ち上がり、そのまま略水平方向に沿って前方に向かって延設して形成されている。
アーム本体部21の先端には、電極チップ5を挟むように二股状に形成された爪部22がアーム本体部21に連接して配置されている。爪部22は、シャンク1と電極チップ5の間の隙間部7に挿入されるために、アーム本体部21の厚み部分が切り欠かれてアーム本体部21より薄板状に形成されている。なお、二股状に形成される爪部22の基部におけるシャンク1の先端面1a側の対向面を第1の押圧面22aとし、爪部22の先端部の電極チップ5の基端面5a側の対向面を第2の押圧面22bとする。
アーム本体部21の上面中央部には、アーム本体部21から突出されてコイルばね16の一端が掛止される掛止片23が形成されている。
チップ抜き取りアーム20を揺動可能に支承するメインシャフト17は、アーム本体部21のメインシャフト挿通孔211を貫通して一対のメインプレート12、12のガイド溝124、124を挿通して配置されている。さらにメインシャフト17は、ガイド溝124、124から外方に向かって延設されるとともにその両端部には掛止溝171が形成されている。掛止溝171にはチップ受けレバー30と連結する第1の付勢手段としてのコイルばね19の一端が掛止されている。したがって、チップ抜き取りアーム20は、コイルばね19が引っ張られることによって、メインシャフト17を介して前進移動されることになる。
チップ抜き取りアーム20の前進・後退及び回転移動をガイドするレギュレターシャフト18は、アーム本体部21のレギュレターシャフト挿通孔212を貫通してカム溝125に挿入されている。したがって、チップ抜き取りアーム20の前進・後退移動及び回転移動は、レギュレターシャフト18がカム溝125(横溝部125aと縦溝部125b)に案内されることにより行われることになる。
なお、メインシャフト17に形成する掛止溝171を削除し、レギュレターシャフト18に掛止溝を設けてコイルばね19の一端を掛止するようにしてもよい。この場合、レギュレターシャフト19の両端を一対のメインプレート12、12から突出して形成することになる。
また、チップ抜き取りアーム20の前進・後退移動又は回転移動を案内するガイド手段としては、ガイド溝124と、カム溝125をアーム本体部に設けてもよい。この場合、メインプレート12にメインシャフト及びレギュレターシャフト18を支持する支持孔を設けるとともに、カム溝125の縦溝部125bが横溝部125aから上方に向かって形成されることとなる。
チップ受けレバー30は、図1〜4に示すように、支持ピン31に枢着される回動ローラ(以下カウンタローラという)32とカウンタローラ32の両側に配置されるとともにカウンタローラ32と一体的に回動可能なテンションアーム35、35とを備えている。
カウンタローラ32には、回動中心となる略円板状のカウンタローラ本体部33及びカウンタローラ本体部33から突出するチップ受け部34が形成されている。チップ受け部34には電極チップ5に対向して電極チップ5に当接可能なチップ受け面341が形成されている。チップ受け部34は、電極チップ5に押圧される前の位置は、チップ抜き取りアーム20側に突出するように配置されている。チップ受け面341は、下降する電極チップ5に向かって湾曲凸状に形成されている。チップ受け面341を湾曲凸状に形成することにより、電極チップ5のチップ受け面341との当接面の形状が円弧状であったり、平面状であったりしても、確実に接触して、カウンタローラ32を安定して回転駆動させることができる。もちろんチップ受け面341を平面状に形成してもよい。
テンションアーム35は、図4に示すように、円筒状の回動中心部36と回動中心部36から外方に延設する先細り状のアーム部37とを備えている。アーム部37の先端には、掛止孔371が形成されている。掛止孔371には、一端をメインシャフト17の掛止溝171に掛止したコイルばね19の他端が掛止される。これによって、チップ抜き取りアーム20がテンションアーム35の回動に連動して作用されることとなる。
なお、一対のコイルばね19、19の付勢力は、コイルばね16の付勢力より大きくなるように設定されている。
次に、上述のように構成された抜き取り装置10の作用について図3及び図5〜8に基づいて説明する。なお、以下の作用説明では、上下一対の電極チップ5のうち上方の電極チップ5を、チップ抜き取り線P上に沿って電極チップ5の抜き取り方向(実施形態では下降させる方向)に移動させてシャンク1から電極チップ5を抜き取る形態について説明するものである。
電極チップ5は、図3に示すように、ロボットの制御装置(以下、単にロボットともいう)でティーチングされたロボットアームの移動により、チップ受けレバー30のチップ受け面341を通る線(チップ抜き取り線P)の上方に達している。そして、ロボットのアームは、次のティーチングされた作用により、シャンク1をチップ抜き取り線P上に沿ってシャンク1の軸心方向に、図3中、下方に向かって移動する抜き取り方向Aに沿って下降させる。
一方、この状態においては、チップ抜き取りアーム20は、コイルばね16によりアーム本体部21を最上昇位置、つまり爪部22を略水平位置に維持するとともに、爪部22をチップ抜き取り線Pより後方に配置させている。この位置を爪部22の初期位置とする。また、この位置においては、図3中、メインシャフト17及びレギュレターシャフト18は、コイルばね16の付勢力によってそれぞれガイド溝124及びカム溝125に対して前後方向の後端位置に配置されている。また、チップ受けレバー30のチップ受け部34は、コイルばね16及びコイルばね19の付勢力によって、チップ抜き取りアーム20側に向かって略水平方向となるように配置され、チップ受け面341を電極チップ5と対向させている。
図5に示すように、ロボットのティーチングに基づいて、電極チップ5がシャンク1の移動に伴って軸方向に沿って下降し、電極チップ5の先端面がチップ受けレバー30のチップ受け面341に当接してさらに押圧すると、テンションアーム35が支持ピン31を中心に、図5中、反時計方向に回転を始める。この際、チップ受け面341が湾曲凸状に形成されていることから、電極チップ5の先端面が例えば円弧状に形成されていても、また平面状に形成されていても、電極チップ5の先端面がチップ受け部34における他の部位に干渉することなくチップ受け面341に接触してテンションアーム35を回転させることになる。
テンションアーム35の回転によりコイルばね19が伸びて、コイルばね19の引張力によって、コイルばね19の付勢力に抗して、チップ抜き取りアーム20を前進させる。チップ抜き取りアーム20の前進は、メインシャフト17をガイド溝124に案内しながら前方に移動させるとともにレギュレターシャフト18をカム溝125の横溝部125aに案内しながら前方に移動させる。また、爪部22をシャンク1に接近させる。
図6に示すように、ロボットのティーチングに基づいて、シャンク1がさらに移動すると、電極チップ5がさらに下降してテンションアーム35をさらに反時計方向に回転させる。チップ抜き取りアーム20はさらに前進し、メインシャフト17を、図6中、ガイド溝124の前後方向の先端位置に移動させ、レギュレターシャフト18をカム溝125の横溝部125aの前後方向の先端位置に移動させる。また、二股状に形成された爪部22はシャンク1のテーパ軸3を挟むように、シャンク1と電極チップ5との間の隙間部7に挿入する。この位置においては、爪部22の上面がシャンク1の先端面1aと対向し、爪部22の下面が電極チップ5の基端面5aと対向する。そして、この爪部22の位置が、電極チップ5を抜き取るためのチップ抜き取り開始位置P1となる。
図7に示すように、ロボットのティーチングに基づいて、シャンク1の移動により電極チップ5がさらに下降すると、シャンク1の先端面1aが爪部22の上面(シャンク先端面と対向する面)を押圧する。これによって、チップ抜き取りアーム20がメインシャフト17を中心に、図7中、時計方向に回転する。チップ抜き取りアーム20の時計方向の回転は、レギュレターシャフト18をカム溝125の縦溝部125bに沿って下方に移動させ、チップ抜き取り開始位置P1(図6参照)において、爪部22を傾斜させることになる。つまり、爪部22の第1の押圧面22aがシャンク1の先端面1aの後部1bを押圧して、爪部22の第2の押圧面22bが電極チップ5の基端面5aの前部5bを押圧する。すなわち、隙間部7に挿入された爪部22の第1の押圧面22aが支点となり爪部22の第2の押圧面22bが作用点となって、梃子の原理により、爪部22の第2の押圧面22bで電極チップ5を押圧する。そのため、隙間部7が押し広げられて電極チップ5がシャンク1から脱着することになる。電極チップ5はシャンク1のテーパ軸3に摩擦力で嵌合しているから、爪部22に押圧されて摩擦力が解除されシャンク1から容易に脱着することになる。
なお、この作用において、第1の実施形態の抜き取り装置10では、チップ受けレバー30のカウンタローラ本体部33が、シャンク1の背面に当接してシャンク1を支持する支持面を有する支持部材として形成されている。つまり、コイルばね19がアーム本体部21を牽引する際、レギュレターシャフト18におけるカム溝125の縦溝部125bの上端位置において、アーム本体部21を回動するために二股状に形成された爪部22の基部をシャンク1に水平方向で押圧する場合、シャンク1を、チップ抜き取り線Pに対して傾くように撓ませることになる。しかし、カウンタローラ本体部33に形成された外周面の一部が支持面となり、シャンク1と当接することによって、シャンク1が支持されてシャンク1の曲がりを防止することになる。
電極チップ5がシャンク1から脱着すると、図8に示すように、シャンク1はロボットのティーチングによりチップ抜き取り線P上を上方に復帰移動する。電極チップ5で押圧されていたチップ受け部34は、シャンク1が上方に移動すると、コイルばね16の付勢力によって、テンションアーム35が時計方向に回転して元の位置に復帰する。同時にチップ抜き取りアーム20のアーム本体部21がコイルばね19の付勢力により左方に移動して元の位置に復帰して爪部22を初期位置に復帰させる。アーム本体部21の元の位置への復帰は、レギュレターシャフト18が、カム溝125の縦溝部125bに沿って上昇した後、横溝部125aに沿って後退するとともに、メインシャフト17がガイド溝124内で後方に移動することにより、反時計方向に回転してから水平方向に後退移動することになる。そして、コイルばね19の最大量の伸びにより蓄えられていた強い付勢力によって、即座に元の位置に復帰することになる。
電極チップ5が抜き取られたシャンク1は、ロボットのティーチングに基づいて、上昇して、チップ抜き取り線Pの上方位置に復帰する。
なお、上述した作用は、ロボットアームに装着された上方のシャンク1から電極チップ5を抜き取るものであり、下方のシャンク1に装着された電極チップ5を抜き取る場合は、上述の抜き取り装置10を上下方向に逆となるように支持台Bに装着して、シャンク1を下方から上方に移動させて行うか、あらかじめ上下逆方向に別に取付けた一対の抜き取り装置10を使用して、一方の抜き取り装置10で、上述の形態のようにシャンク1を下降させて上方の電極チップ5を抜き取った後、他方の抜き取り装置10で、シャンク1を上昇させることによって電極チップ5を抜き取ることになる。
上述のように第1の実施形態の抜き取り装置10では、ロボットのティーチングに基づいたシャンク1(電極チップ5)を、チップ抜き取り線P上において軸方向に沿った移動を行うことによって、チップ受けレバー30を回転駆動させ、また、チップ受けレバー30にコイルばね19で連結されたチップ抜き取りアーム20を前進移動させて、爪部22をシャンク1と電極チップ5との間の隙間部7に挿入させるように構成したことから、シャンク1の爪部22への押圧により、爪部22を傾斜させて、梃子の原理により電極チップ5をシャンク1のテーパ軸3から抜き取ることができる。そのため、従来から行われていたエア駆動や電気的な駆動を必要とすることなく抜き取り装置10を提供することができる。そのため、自動化ラインに適した装置として使用できるとともに省エネルギー化を達成することができる。しかも、フレーム11内に、チップ抜き取りアーム20とチップ受けレバー30とを配置した構成であり、チップ抜き取りアーム20やチップ受けレバー30を駆動する駆動部を削除していることから、抜き取り装置10を簡略化して構成することができ、コストも廉価にすることができる。
また、電極チップ5をシャンク1から抜き取る際、爪部22の第1の押圧面22aが、シャンク1をシャンク1の取付け側に押し込む方向に作用することから、シャンク1を引き抜く虞がない。
また、チップ抜き取り線Pを間にしてチップ受けレバー30をチップ抜き取りアーム20と相互に対向して配置しているから、コイルばね19の引張力でチップ抜き取りアーム20の前進移動及び回動駆動を行うことができて、チップ抜き取りアーム20の爪部22を確実に隙間部7に挿入して前傾させることができる。
さらに、チップ受けレバー30を、チップ抜き取り線Pを間にしてチップ抜き取りアーム20と対向した位置に配置することによって、チップ抜き取りアーム20の爪部22が電極チップ5をシャンク1から抜き取る際、カウンタローラ本体部33を支持部材とし、カウンタローラ33に、シャンク1の背面を支持する支持面を形成することによって、シャンク1の曲がりを防止することができる。
また、チップ受けレバー30のチップ受け面341を湾曲凸状に形成することによって、例えば、電極チップ5の下面形状が湾曲凸状に形成されていたり、平面状に形成されていたりしても、また、それ以外の形状に形成されていたりしても、電極チップ5がチップ受け面341に接触する際、チップ受け部34の他の部位に干渉することなくチップ受け面341を押圧することができて、設定されたティーチング範囲内でチップ受けレバー30を確実に回動駆動することができる。
次に、第2の実施形態の抜き取り装置50について図9〜11に基づいて説明する。
第2の実施形態の抜き取り装置50は、チップ受けレバーをチップ抜き取り線Pに対して、チップ抜き取りアーム側に設けてチップ抜き取り線Pの前方にスペースを形成するものである。
図9に示すように、抜き取り装置50は、一対のメインプレート52、52、フロントプレート53、リアプレート54で枠状に構成されるフレーム51と、フレーム51内に配置されたチップ抜き取りアーム60と、一対のメインプレート52、52に支持ピン73で支持されるチップ受けレバー70とを備えている。チップ受けレバー70は、チップ抜き取り線Pよりチップ抜き取りアーム60側にありチップ抜き取りアーム60の下方に配置されている。チップ受けレバー70とチップ抜き取りアーム60とは圧縮コイルばね59で連結されている。
チップ抜き取りアーム60は、第1の実施形態のチップ抜き取りアーム20と同様、一対のメインプレート52、52に挿通されるメインシャフト57に回動可能に支持され、レギュレターシャフト58によって前進・後退移動及び上方・下方移動可能に案内されている。チップ抜き取りアーム60は、元部が略への字状に形成されるとともに延設された先端部を有するアーム本体部61と、アーム本体部61の先端に配置される二股状の爪部62と、アーム本体部61の略中央部上面に突出して配置される掛止片63とを備えている。爪部62は、第1の実施形態の爪部22と同様、シャンク1の先端面1aと電極チップ5の基端面5aとの間の隙間部7に挿入可能に形成されている。
掛止片63には、第2の付勢手段としての引張りコイルばね56の一端が掛止されている。引張りコイルばね56の他端は、一対のメインプレート52、52を挿通するスプリングシャフト55に掛止されている。
なお、二股状に形成される爪部62において、爪部62の基部におけるシャンク1の先端面1a側の対向面を第1の押圧面62aとし、爪部62の先端部における電極チップ5側の対向面を第2の押圧面62bとする。
チップ受けレバー70は、第1のアーム部71と第2のアーム部72とを有して略V字状に形成され、第1のアーム部71と第2のアーム部72との連接部において、一対のメインプレート52、52に挿通された支持ピン73に揺動可能に支持されている。
第1のアーム部71の先端は、アーム本体部61を跨ぐように図示しない二股状に形成され、二股状に形成された第1のアーム部71のそれぞれの先端には、ばね取付け片711がそれぞれ装着されている。ばね取付け片711には、第1の付勢手段としてのコイルばね59の一端が装着されている。コイルばね59の他端は、チップ抜き取りアーム60のアーム本体部61の両側面に配置されたそれぞれのばね取付け片64に装着されている。
第2のアーム部72は、先端部が電極チップ5に対向できるように屈曲して形成されている。屈曲した部位の先端部はチップ抜き取りアーム60の爪部62の下方にあってチップ抜き取り線Pを越える位置まで延設され、その上面がチップ受け面721として形成されている。
なお、第1の実施形態と同様、メインシャフト57は、アーム本体部61を挿通するとともにメインプレート52、52のそれぞれに形成されたガイド溝521、521内を水平移動可能に配置されている。また、レギュレターシャフト58は、アーム本体部61を挿通するとともに、メインプレート52、52のそれぞれに形成されたL字状のカム溝522、522内を前進・後退移動及び上方・下方移動可能に配置されている。カム溝522には、第1の実施形態と同様、横溝部522aと縦溝部522bとが形成されている。
次に第2の実施形態の抜き取り装置50の作用について説明する。
図9は、電極チップ5が、ロボットのティーチングに基づいて、チップ抜き取り線Pの上方位置から下降して、その先端部がチップ受けレバー70のチップ受け面721に当接直前の状態を示すものである。この状態においては、チップ抜き取りアーム60の爪部62は初期位置に配置されている。つまり、アーム本体部61が引張りコイルばね56で牽引されて、爪部62が上昇位置(爪部62が水平状態にある位置)に配置された位置であり、また、メインシャフト57がガイド溝521に対して、図9中、前後方向の後端位置にあって、レギュレターシャフト58がカム溝522の横溝部522aに対して前後方向の後端位置に配置させた位置にあり、爪部62がチップ抜き取り線Pより後方に配置された位置を示している。
また、チップ受けレバー70は、チップ受け面721をチップ抜き取りアーム60の爪部62の下方で上昇位置(水平方向となる位置)に配置させている。チップ受けレバー70とチップ抜き取りアーム60とは、圧縮コイルばね59が自然状態で最大長さに伸びている状態で連結されている。
電極チップ5が、ロボットのティーチングに基づいて、シャンク1の移動とともにチップ抜き取り線P上をチップ抜き取り方向Aに向かって下降し、チップ受けレバー70のチップ受け面721を押圧すると、チップ受けレバー70は、支持ピン73を中心にして、図10中、時計方向に回転する。チップ受けレバー70の時計方向の回転により、第2のアーム部72が圧縮コイルばね59を圧縮させて、チップ抜き取りアーム60のアーム本体部61を、チップ抜き取り線Pに向かって前進させる方向に押圧する。チップ抜き取りアーム60はメインシャフト57をガイド溝521内に沿って前進させ、図10中、前端に移動させる。またレギュレターシャフト58をカム溝522の横溝部522a内に沿って前進させ、図10中、前端に移動させる。これによって、爪部62がチップ抜き取り線Pに向かって前進移動することになる。
シャンクがチップ抜き取り線P上の移動時、シャンク1と電極チップ5との間の隙間部7が、爪部62と相互に対向する位置に向かうと、圧縮コイルばね59の付勢力により前進移動されている爪部62が隙間部7に挿入することになる。この位置が、チップ抜き取り開始位置P1となる。
図11に示すように、ロボットのティーチングに基づいて、電極チップ5がチップ抜き取り線P上に沿ってさらにチップ抜き取り方向Aに向かって下降すると、シャンク1の先端面1aが爪部62の上面(シャンク1の先端面1aと対向する面)を押圧する。これによって、チップ抜き取りアーム60がメインシャフト57を中心に、図11中、時計方向に回転する。チップ抜き取りアーム60の時計方向の回転は、レギュレターシャフト58をカム溝522の縦溝部522bに沿って下方に移動させ、チップ抜き取り開始位置P1において、爪部62を傾斜させることになる。つまり、爪部62の第1の押圧面62aがシャンク1の先端面1aの後部1bを押圧して、爪部62の第2の押圧面62bが電極チップ5の基端面5aの前部5bを押圧する。つまり、隙間部7に挿入された爪部62の第1の押圧面62aが支点となり、爪部62の第2の押圧面62bが作用点となって、梃子の原理により、爪部62の第2の押圧面62bで電極チップ5を押圧する。そのため、隙間部7が押し広げられて電極チップ5がシャンク1から脱着することになる。電極チップ5はシャンク1のテーパ軸3に摩擦力で嵌合しているから、爪部62の押圧で摩擦力が解除されてシャンク1から容易に脱着することになる。
電極チップ5がシャンク1のテーパ軸3から脱着して、シャンク1がロボットのティーチングに基づいて上昇すると、爪部62はシャンク1から開放されることから、圧縮コイルばね59の作用により、チップ受けレバー70が、支持ピン73を中心にして、図11中、反時計方向に回転して元の位置に復帰する。同時に、チップ抜き取りアーム60は、引張りコイルばね56の付勢力によってメインシャフト57を中心にして、図11中、反時計方向に回転する。レギュレターシャフト58は、カム溝522内の縦溝部522b内を上昇して、爪部62が持ち上がり、さらに、メインシャフト57のガイド溝521内での後退移動及びレギュレターシャフト58のカム溝522の横溝部522a内の後退移動により元の位置に復帰し、爪部62を初期位置に復帰させる。
なお、上述した作用は、ロボットアームに装着された上方のシャンク1から電極チップ5を抜き取るものであり、下方のシャンク1に装着された電極チップ5を抜き取る場合は、第1の実施形態と同様、上述の抜き取り装置50を上下方向に逆となるように支持台に装着して、シャンク1を下方から上方に移動させて行うか、あらかじめ上下逆方向に別に取付けた一対の抜き取り装置50を使用して、一方の抜き取り装置50で、上述の形態のようにシャンク1を下降させて上方の電極チップ5を抜き取った後、他方の抜き取り装置50で、シャンク1を上昇させることによって電極チップ5を抜き取ることになる。
上述のように第2の実施形態の抜き取り装置50では、チップ受けレバー70が、チップ抜き取り線Pに対して、チップ抜き取りアーム60に重なる方向に配置されているから、チップ抜き取り線Pより前方部分にスペースが形成されることとなって電極チップの回りのスペースを広くすることができる。そのため、電極チップ5の大きさに制限されないことから、大径の電極チップや多角形の電極チップでも、形状に係ることなく使用することができる。
なお、第2の実施形態の場合、チップ受けレバー70が、チップ抜き取り線Pに対してチップ抜き取りアーム60側に配置されて、チップ抜き取りアーム60がチップ受けレバー70の回転と同一方向に回転するように連動されていれば、チップ受けレバーの形状は、上述に限定されるものではない。
また、チップ抜き取り線Pの前方に、シャンク1の背面を支持する支持部材を設けてシャンク1の曲がりを防止するようにしてもよい。
次に第3の実施形態による抜き取り装置80について、図12〜18に基づいて説明する。第3の実施形態における抜き取り装置80は、電極チップ5がチップ抜き取りアーム90の爪部942に向かって、水平方向に移動してチップ抜き取り線P上に進入するものであり、第1の実施形態における抜き取り装置10のチップ受けレバー30を削除して構成している。なお、電極チップ5は、第1の実施形態と同様、シャンク1のテーパ軸3に圧入して装着しているものであり、シャンク1の先端面1aと電極チップ5の基端面5aとの間には隙間部7が形成されている。
図12〜14に示すように、抜き取り装置80は、平行する一対のメインプレート82、82と各メインプレート82、82の後端部において各メインプレート82、82を連結するリアプレート83とを備えて前方が開口されたフレーム81と、フレーム11内に配置されて、フレーム11の長手方向に沿って延びるチップ抜き取りアーム90と、を備えている。なお、以下の説明にあたっては、抜き取り装置80において、チップ抜き取りアーム90がチップ抜き取り線Pに移動する側を前部又は前方といい、その反対側を後部又は後方という。
各メインプレート82は、それぞれ略矩形板状に形成されるとともに上部中央部に第1の小径挿通孔821と大径挿通孔822とが、並設して形成されている。また、高さ方向の中部には、水平方向に長孔に形成されたガイド溝823が形成され、その前方には略L字状に屈曲したカム溝824が形成されている。カム溝824は、水平方向に形成された横溝部824aと略垂直方向に形成された縦溝部824bとを有し、縦溝部824bは、後方に僅かに突出する湾曲状に形成されている。さらに、カム溝824の下方には、第2の小径挿通孔825が形成されている。
図12〜13に示すように、第1の小径挿通孔821には、第2の付勢手段としての一対のコイルばね84、84の一端が掛止される掛止溝851を有する第1のスプリングシャフト85が挿通されている。それぞれのコイルばね84、84の他端は、チップ抜き取りアーム90に装着された後述の第2のスプリングシャフト96に形成された一対の掛止溝961、961(図3参照)にそれぞれ掛止されている。
大径挿通孔822には、チップ抜き取りアーム90の背部934(図15参照)が当接可能なストッパシャフト86が挿通されている。また、第2の小径挿通孔825には、第1の付勢手段としてのコイルばね87の一端が掛止される掛止溝881を有する第2のスプリングシャフト88が挿通されている。コイルばね87の他端は、チップ抜き取りアーム90に装着された後述の第3のスプリングシャフト97に形成された一対の掛止溝971(図3参照)に掛止されている。
ガイド溝823には、チップ抜き取りアーム90を挿通して、チップ抜き取りアーム90とともに前進・後退移動するメインシャフト91が挿通されている。また、メインシャフト91は、チップ抜き取りアーム90が回動する際の回転中心軸として形成されている。カム溝824には、チップ抜き取りアーム90を前進・後退移動及び上方・下方移動させるレギュレターシャフト92が挿通されている。
チップ抜き取りアーム90は、一対のメインプレート82、82内に配置されて、メインシャフト91を中心に回動可能なアーム本体93と、アーム本体93の先端に配置されるとともに電極チップ5及びシャンク1の端面で押圧されるチップ受け部94と、を備えている。
実施形態においては、図12、図14に示すように、アーム本体93は、前後方向に延びる一対の板部材93A、93Bを平行に配置するとともに、一対の板部材93A、93Bをメインシャフト91及びレギュレターシャフト92で連結することによって構成されている。さらに板部材93A(又は板部材93B)は、図13に示すように、胴体部931がくの字に形成され、胴体元部932が下方に広がって形成され、胴体先端部933の上面がチップ受け部94を載置するために平面状に形成されている。胴体元部932には、前方下部に、コイルばね84の他端を掛止する第2のスプリングシャフト96が挿通され、後方下部にコイルばね87の他端を形成する第3のスプリングシャフト97が挿通されている。
チップ受け部94は、下部に各板部材93A、93Bの胴体先端部933上に載置する一対の脚部941、941と、一対の脚部941、941に跨るように配置された爪部942と、を備えている。図14に示すように、爪部942は、チップ受け部94の長手方向に沿って長溝942aを間にして二股状に形成されている。爪部942は、シャンク1と電極チップ5の間の隙間部7に挿入されるために薄板状に形成されている。長溝942aの先端面は、電極チップ5の側面部が当接するために先端側に広がる傾斜面942b、942bに形成され、長溝942aの幅寸法は、シャンク1と電極チップ5の間の隙間部7に挿入できる幅寸法に形成されている。なお、図13に示すように二股状に形成される爪部942の基部におけるシャンク1の先端面1a側の対向面を第1の押圧面942cとし、爪部942の先端部の電極チップ5の基端面5a側の対向面を第2の押圧面942dとする。
次に、上述のように構成された抜き取り装置80の作用について、図13〜18に基づいて説明する。なお、抜き取り装置80は、2台配置され、それぞれ上下方向に逆向きに、図示しない支持台に装着されている。つまり、シャンク1は、ロボットのアームに装着された溶接ガンの上下一対に取付けられているため、上方のシャンク1から電極チップ5を抜き取る抜き取り装置80は、図12〜18に示すように、シャンク1を下方に向けて移動することにより電極チップ5を抜き取るようにするものであり、下方のシャンク1から電極チップ5を抜き取る抜き取り装置80は、抜き取り装置80を、図示しない支持台に上下逆に配置し、シャンク1を上方に向けて移動することにより電極チップ5を抜き取るものである。
以下の作用説明では、上下一対の電極チップ5のうち上方の電極チップ5を、チップ抜き取り線P上に沿って電極チップ5の抜き取り方向(実施形態では下降させる方向)Aに移動させてシャンク1から電極チップ5を抜き取る形態について説明するものである。
電極チップ5は、図13〜14に示すように、ロボットでティーチングされたロボットアームの水平方向の移動により、抜き取り装置80のチップ抜き取りアーム90のチップ受け部94に向かう。この際、チップ抜き取りアーム90は、コイルばね87の付勢力によって、前方位置に達している。つまり、メインシャフト91をガイド溝823の先端位置に移動させ、レギュレターシャフト92をカム溝824の前端位置に移動させている。また、コイルばね84の付勢力によって、チップ抜き取りアーム90を、メインシャフト91を中心にして、図13中、反時計方向に回転させてチップ受け部94を上端位置に移動させている。この位置がチップ抜き取りアーム90の爪部942の初期位置となる。
図15に示すように、シャンク1が、チップ受け部94側に向かって移動してチップ抜き取り線P上に到達する前に、電極チップ5の側面が爪部942の傾斜面942b(図14参照)に当接して、さらに爪部942を押圧する(シャンク1の抜き取り前移動という)ことにより、チップ抜き取りアーム90を後方に移動する。つまり、爪部942は、初期位置から後方に移動し、メインシャフト91はチップ抜き取りアーム90の後方移動に伴ってガイド溝823内の後端位置に移動する。また、レギュレターシャフト92は横溝部824a内の後端位置に移動する。なお、この位置においては、アーム本体93におけるチップ受け部94の後方に形成された背部934がストッパシャフト86に当接している。
シャンク1が、チップ抜き取り線P上に達すると、ロボットのアームは、次のティーチングされた作用により、シャンク1をチップ抜き取り線P上に沿って、図15中、チップ抜き取り線Pに沿って下降させる。一方、この状態においては、チップ抜き取りアーム90の爪部942は、チップ抜き取り線Pより後端位置にあり、コイルばね87の付勢力によって電極チップ6を押圧した状態にある。
図16に示すように、ロボットのティーチングに基づいて、シャンク1がチップ抜き取り線P上を、チップ抜き取り方向に向かって移動する(シャンク1の抜き取り移動という)と、シャンク1の抜き取り移動に伴い電極チップ5が軸方向に下降する。シャンク1と電極チップ5の間の隙間部7が、爪部942と相互に対向する位置に達すると、爪部942が、コイルばね87の付勢力により隙間部7に向かって進入し、爪部942が、隙間部7に挿入する。この状態において、シャンク1の先端面1aの後部1bは、爪部942の第1の押圧面942cに対向し、爪部942の第2の押圧面942dが電極チップ5の基端面5aの前部5bに対向することになる。この位置が、チップ抜き取り開始位置P1となる。また、この位置においては、メインシャフト91は、図16中、ガイド溝823の前端位置に到達し、レギュレターシャフト92は、カム溝824の横溝部824aの前端位置に到達している。
図17に示すように、シャンク1の抜き取り移動により、電極チップ5の抜き取り作用が開始される。つまり、シャンク1の先端面1aの後部1bが爪部942の第1の押圧面942cに当接してさらに押圧し、爪部942の第2の押圧面942dが電極チップ5の基端面5aの前部5bに当接してさらに押圧する。これによって、爪部942には、第1の押圧面942cでシャンク1の先端面1aの後部1bを押圧する反力が発生して、シャンク1を溶接ガン側に押圧する。チップ抜き取りアーム90は、メインシャフト91を中心に、図17中、時計方向に回転する。つまり、レギュレターシャフト92がカム溝824の縦溝部824b内を下方に向かって移動する。この際、メインシャフト91は、チップ抜き取りアーム90の回転により、ガイド溝823内を後方に向かって僅かに移動する。
図18に示すように、シャンク1の抜き取り移動時、シャンク1をさらに下方へ移動することにより、爪部942の第1の押圧面942cがシャンク1の先端面1aの後部1bをさらに押圧し、爪部942の第2の押圧面942dが電極チップ5の基端面5aの前部5bをさらに押圧する。そのため、爪部942の第1の押圧面942cが支点となり爪部942の第2の押圧面942dが作用点となって、梃子の原理により、爪部942の第2の押圧面942dで電極チップ5を押圧する。そのため、隙間部7が押し広げられて電極チップ5がシャンク1から脱着することになる。電極チップ5はシャンク1のテーパ軸3に摩擦力で嵌合しているから、爪部942の押圧でシャンク1から容易に脱着することになる。
電極チップ5がシャンク1から脱着すると、シャンク1は、ロボットのティーチングにより上方に復帰移動する。シャンク1の上方移動により、電極チップ5で押圧されていたチップ抜き取りアーム90は、電極チップ5から解放されることになり、コイルばね84及びコイルばね87の付勢力により、チップ抜き取りアーム90が元の位置に復帰し、爪部942を初期位置に復帰させる。
電極チップ5が抜き取られたシャンク1は、ロボットのティーチングに基づいて、チップ受け部94から離隔する方向に水平方向に移動して元の位置に戻ることになる。
なお、上述した作用は、ロボットアームに装着された上方のシャンク1から電極チップ5を抜き取るものであり、下方のシャンク1に装着された電極チップ5を抜き取る場合は、上下逆方向に配置されて図示しない支持台に装着された別の抜き取り装置80で、シャンク1を下方から上方に移動させて行う。この作用はシャンク1の移動が前述の作用と反対側に向かって行われるものであり、電極チップ5を抜き取る作用に関しては、前述と同様に行われることとなる。
上述のように、第3の実施形態の抜き取り装置80では、ロボットのティーチングによるシャンク1の抜き取り前移動と抜き取り移動によって、コイルばね87の付勢力で爪部942をチップ抜き取り開始位置Pに移動させ、その後、シャンク1の抜き取り移動により、電極チップ5で爪部942を押圧させて。電極チップ5をシャンク1から抜き取ることから、装置自体にエアや電気等の駆動源を必要としない。したがって、請求項1の発明と同様、自動化ラインに適した装置として使用できるとともに省エネルギー化を達成することができる。しかも装置を簡略化して構成できることから、コストも廉価にすることができる。
また、第3の実施形態の抜き取り装置80では、第1の実施形態の抜き取り装置10と異なり、チップ抜き取り線Pに対して、チップ抜き取りアームと対向するチップ受けレバー30を削除しているから、装置をさらにコンパクトに構成することができ、コストも廉価にすることができる。
1、シャンク
1a、先端面
1b、先端面の後部
3、テーパ軸(取付け軸)
5、電極チップ
5a、基端面
5b、基端面の前部
10、電極チップ抜き取り装置
11、フレーム
16、コイルばね(第2の付勢手段)
19、コイルばね(第1の付勢手段)
20、チップ抜き取りアーム
22、爪部
22a、第1の押圧面
22b、第2の押圧面(爪部の先端部)
30、チップ受けレバー
32、カウンタローラ(支持部材)
34、チップ受け部
341、チップ受け面
50、チップ抜き取り装置
51、フレーム
56、引張りコイルばね(第2の付勢手段)
59、圧縮コイルばね(第1の付勢手段)
60、チップ抜き取りアーム
62、爪部
62a、第1の押圧面
62b、第2の押圧面(爪部の先端部)
70、チップ受けレバー
80、チップ抜き取り装置
81、フレーム
84、コイルばね(第2の付勢手段)
87、コイルばね(第1の付勢手段)
90、チップ抜き取りアーム
942、爪部
942c、第1の押圧面
942b、第2の押圧面(爪部の先端部)
P、チップ抜き取り線
P1、チップ抜き取り開始位置
A、チップ抜き取り方向
1a、先端面
1b、先端面の後部
3、テーパ軸(取付け軸)
5、電極チップ
5a、基端面
5b、基端面の前部
10、電極チップ抜き取り装置
11、フレーム
16、コイルばね(第2の付勢手段)
19、コイルばね(第1の付勢手段)
20、チップ抜き取りアーム
22、爪部
22a、第1の押圧面
22b、第2の押圧面(爪部の先端部)
30、チップ受けレバー
32、カウンタローラ(支持部材)
34、チップ受け部
341、チップ受け面
50、チップ抜き取り装置
51、フレーム
56、引張りコイルばね(第2の付勢手段)
59、圧縮コイルばね(第1の付勢手段)
60、チップ抜き取りアーム
62、爪部
62a、第1の押圧面
62b、第2の押圧面(爪部の先端部)
70、チップ受けレバー
80、チップ抜き取り装置
81、フレーム
84、コイルばね(第2の付勢手段)
87、コイルばね(第1の付勢手段)
90、チップ抜き取りアーム
942、爪部
942c、第1の押圧面
942b、第2の押圧面(爪部の先端部)
P、チップ抜き取り線
P1、チップ抜き取り開始位置
A、チップ抜き取り方向
Claims (7)
- 抵抗溶接機の溶接ガンに配設されたシャンクの取付け軸には電極チップが装着され、
前記シャンクは、前記抵抗溶接機でティーチングされた移動により、前記電極チップを抜き取るためのチップ抜き取り線上に到達した後、前記チップ抜き取り線上を、前記シャンクの軸方向に沿って前記シャンクから前記電極チップ先端面側に向かうチップ抜き取り方向へ移動され、
前記シャンクの先端面と前記電極チップの基端面との間に形成される隙間部を広げることによって、前記シャンクから前記電極チップを抜き取るための電極チップの抜き取り装置であって、
フレームと、
前記フレームに支持されて、前記チップ抜き取り線と直交する前後方向に沿って前後移動及び前記シャンクの前記チップ抜き取り線上の移動に伴って回転駆動可能に構成され、前端側に、前記シャンクの先端面と前記電極チップの基端面との間の前記隙間部に挿入可能な二股状の爪部を有するとともに、前記爪部を前記チップ抜き取り線上に出入可能なチップ抜き取りアームと、
前記チップ抜き取りアームを、前記チップ抜き取り線に向かって移動させる方向に付勢するとともに、前記チップ抜き取りアームの回転駆動の際に前記チップ抜き取りアームを前方に付勢する第1の付勢手段と、
前記チップ抜き取りアームの回動により移動した前記爪部を、復帰方向に付勢する第2の付勢手段と、
を備えて構成され、
前記チップ抜き取りアームが、前記爪部と前記隙間部との前後方向で相互に対向する位置において、前記第1の付勢手段によって、前記チップ抜き取り線上に前進しつつ前記爪部を前記隙間部に挿入させて、前記電極チップを前記シャンクから抜き取り始めるためのチップ抜き取り開始位置に前記爪部を到達させ、
前記シャンクの前記チップ抜き取り方向への移動に伴って、前記チップ抜き取り開始位置に配設された前記爪部が前記シャンクの先端面に押圧されることにより、前記チップ抜き取りアームが、前記第2の付勢手段に抗して回転して、前記爪部を前記チップ抜き取り開始位置から傾斜させつつ、前記シャンクの先端面後部に押圧された前記爪部の先端部によって、前記電極チップの基端面前部を前記チップ抜き取り方向に押圧して、前記隙間部を押し広げ、前記電極チップを前記シャンクから抜き取るように構成されていることを特徴とする電極チップの抜き取り装置。 - 前記爪部を前記チップ抜き取り線から後方に離隔させた位置にあって、かつ前記爪部を前記チップ抜き取り開始位置に到達する位置に移動させる前の位置を、前記爪部の初期位置とし、
前記フレームには、前記フレームに支持されて、前記シャンクの前記チップ抜き取り方向への移動時に、前記電極チップの先端面に当接して押圧されるチップ受け面を有するとともに、前記電極チップの前記チップ受け面への押圧により回転駆動されるチップ受けレバーが配設され、
前記第1の付勢手段が、前記チップ抜き取りアームと前記チップ受けレバーとを連結する弾性部材を備え、
前記シャンクが、前記チップ抜き取り線上を前記チップ抜き取り方向に沿って、移動する構成であって、
前記チップ受けレバーが、前記シャンクの前記チップ抜き取り方向への移動に伴う前記電極チップによる前記チップ受け面への押圧により回転されるとともに、前記第1の付勢手段を介して、前記チップ抜き取りアームを前方移動させ、
前記爪部が、前記初期位置から前記チップ抜き取り線側に移動して、前記チップ抜き取り開始位置に到達することを特徴とする請求項1記載の電極チップの抜き取り装置。 - 前記チップ抜き取り線を間にした前記チップ抜き取りアームの反対側には、前記シャンクの背面を支持するための支持面を有する支持部材が配設されていることを特徴とする請求項2記載の電極チップの抜き取り装置。
- 前記チップ受けレバーが、前記チップ抜き取り線を間にして前記チップ抜き取りアームと対向する位置に配設されていることを特徴とする請求項2又は3記載の電極チップの抜き取り装置。
- 前記チップ受けレバーの前記チップ受け面が湾曲凸状に形成されていることを特徴とする請求項2,3又は4記載の電極チップの抜き取り装置。
- 前記チップ受けレバーが、前記チップ抜き取り線の前記チップ抜き取りアーム側に配設されていることを特徴とする請求項2又は3記載の電極チップの抜き取り装置。
- 前記爪部が前記チップ抜き取り線上を通る位置であって、かつ前記シャンクの前記電極チップによる前記爪部への押圧前に配置された位置を、前記爪部の初期位置とし、
前記第1の付勢手段が、前記フレームと前記チップ抜き取りアームとを連結して、前記チップ抜き取りアームを前記チップ抜き取り線側に付勢する弾性部材を備え、
前記シャンクが、前記チップ抜き取り線上と直交する方向で、かつ、前記電極チップにより前記爪部を押圧して前記爪を後方移動させつつ、前記チップ抜き取り線上に到達する抜き取り前移動と、その後の前記チップ抜き取り線上をチップ抜き取り方向に沿って移動する抜き取り移動と、の二つの動作を行う構成とし、
前記爪部が、前記シャンクの前記抜き取り前移動により、前記電極チップに押圧されて、前記初期位置から前記チップ抜き取り線と直交する後方に移動し、
前記爪部が、前記シャンクの前記抜き取り移動時、第1の付勢手段の付勢力により、前記チップ抜き取り開始位置に到達することを特徴とする請求項1記載の電極チップの抜き取り装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009000943A JP2010017764A (ja) | 2008-06-13 | 2009-01-06 | 電極チップの抜き取り装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008155830 | 2008-06-13 | ||
JP2009000943A JP2010017764A (ja) | 2008-06-13 | 2009-01-06 | 電極チップの抜き取り装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=41703149
Family Applications (1)
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JP2009000943A Withdrawn JP2010017764A (ja) | 2008-06-13 | 2009-01-06 | 電極チップの抜き取り装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010017764A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20170106467A1 (en) * | 2014-05-19 | 2017-04-20 | Kwang-Sul CHOI | Apparatus for replacing welding tip of welder and apparatus for supplying same |
CN107073637A (zh) * | 2014-10-27 | 2017-08-18 | 新光机器株式会社 | 端帽拆卸装置 |
WO2017168468A1 (ja) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 株式会社キョクトー | 電極チップ取外装置 |
-
2009
- 2009-01-06 JP JP2009000943A patent/JP2010017764A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20170106467A1 (en) * | 2014-05-19 | 2017-04-20 | Kwang-Sul CHOI | Apparatus for replacing welding tip of welder and apparatus for supplying same |
US10464162B2 (en) * | 2014-05-19 | 2019-11-05 | Kwang-Sul CHOI | Apparatus for replacing welding tip of welder and apparatus for supplying same |
CN107073637A (zh) * | 2014-10-27 | 2017-08-18 | 新光机器株式会社 | 端帽拆卸装置 |
CN107073637B (zh) * | 2014-10-27 | 2019-04-26 | 新光机器株式会社 | 端帽拆卸装置 |
WO2017168468A1 (ja) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 株式会社キョクトー | 電極チップ取外装置 |
CN107438492A (zh) * | 2016-03-31 | 2017-12-05 | 极动焊接机械有限公司 | 电极头拆卸装置 |
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