JP2010017625A - 放熱媒体塗布装置 - Google Patents

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孝信 梶原
Futoshi Okawa
太 大川
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Abstract

【課題】放熱媒体を放熱ユニットの所定の塗布領域に均一に塗布することのできる放熱媒体塗布装置を提供する。
【解決手段】放熱媒体塗布装置50では、ベース1に、シャフト3を介して昇降フレーム2が取り付けられている。シャフト3には昇降フレーム用圧縮ばね25が装着されている。昇降フレーム2の内側にマスク4が把持されている。マスク4には所定形状の開口部6が形成されている。昇降フレーム2にはリニアガイド7と、リニアガイド7にガイドされるスキージフレーム8が配設されている。スキージフレーム8にはスキージ13が上下方向に移動可能に装着されて、スキージ13の先端部がマスク4の上面に接触する。スキージフレーム8の上端部には、スキージ13をマスクの側に押圧する加圧機構が設けられている。昇降フレーム2の下方には、放熱ユニットを搬送する放熱ユニット搬送路11が配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、放熱媒体塗布装置に関し、特に、放熱ユニットに対する放熱媒体の塗布を、マスクによるスクリーン印刷によって行う放熱媒体塗布装置に関するものである。
放熱ユニットに対して、グリースやコンパウンドなどの放熱媒体を塗布する手法として、メッシュ型マスクによるスクリーン印刷、ディスペンサ塗布、あるいは、刷毛塗りなど、クリームはんだ印刷またはコーティング剤の塗布において使用される方法を流用した手法が主流とされる。塗布された放熱媒体の塗り具合(品質)に関しては、たとえば、特許文献1にあるように、塗布作用を行う作業者の経験に依存するところが大きいとされる。
特開昭64−12561号公報 (第1−3頁、第1図、第3図)
しかしながら、従来の手法では、次のような問題点があった。メッシュ型マスクによるスクリーン印刷、ディスペンサ塗布、あるいは、刷毛塗りといった手法では、放熱ユニットに対して塗布される放熱媒体の厚さを定量的に管理することが難しく、また、放熱媒体の厚さは作業者の経験や感覚に頼るところが大きいため、所定の品質を安定に確保することは難しいとされた。特に、塗布された放熱媒体の厚さが均一でないと、電子部品等を実装した際に、不十分な放熱媒体の塗布によってすき間が生じ、これが、電子部品等の破損につながるといった問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、放熱媒体を放熱ユニットの所定の塗布領域に均一に塗布することのできる放熱媒体塗布装置を提供することである。
本発明に係る放熱媒体塗布装置は、昇降フレームとシャフトと圧縮ばねとマスクとスキージと加圧機構とを備えている。昇降フレームは放熱ユニットの上方に配置され、上下方向に昇降可能とされる。シャフトは昇降フレームを支えている。圧縮ばねはシャフトに装着されている。マスクは、放熱ユニットと対向するように昇降フレームに把持され、所定形状の開口部が形成されている。スキージは、マスクに接触させながら移動させることにより、放熱媒体を開口部から放熱ユニットへ塗布する。加圧機構はスキージをマスクの側へ押圧する。
本発明に係る放熱媒体塗布装置によれば、一定の圧力をもってスキージをスライドさせることによって放熱媒体がマスクの開口部に充填される。これにより、放熱ユニットにおける所定の塗布領域の表面に、その表面に倣うように所定の厚さをもって放熱媒体を塗布することができる。また、マスクにより、放熱ユニットの所定の塗布領域に隙間なく一様に放熱媒体を塗布することができる。
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る放熱媒体塗布装置について説明する。図1に示すように、放熱媒体塗布装置50では、作業台に設置されたベース1に、シャフト3を介して昇降フレーム2が取り付けられている。そのシャフト3には、昇降フレーム用圧縮ばね25が装着されている。昇降フレーム2は枠体とされ、その枠体の内側にマスク4が把持されている。マスク4には、所定の塗布領域に対応した所定形状の開口部6が形成されている。また、マスク4は、その上面と下面が開放されている。昇降フレーム2における、互いに対向する枠体の部分にはリニアガイド7が配設されている。また、昇降フレーム2には、リニアガイド7にガイドされるスキージフレーム8が配設されている。そのスキージフレーム8には、スキージ13が上下方向に移動可能に装着されている。
図2に示すように、スキージフレーム8に対して上方からスキージ13が嵌め込まれ、スキージ13の先端部がマスク4(図1参照)の上面に接触する。また、図3に示すように、スキージフレーム8の上端部には、スキージ13をマスクの側に押圧する加圧機構16が設けられている。加圧機構16として上部に固定蓋14が取り付けられている。また、加圧機構16として固定蓋14の下部に、スキージ用圧縮ばね15が取り付けられている。
一方、図1に示すように、昇降フレーム2の下方には、放熱ユニットを搬送する放熱ユニット搬送路11が配設されている。放熱ユニット搬送路11には、放熱ユニットをスライドさせるレール9と、放熱ユニットのスライド動作を止めるエンドストッパ10が設けられている。
次に、上述した放熱媒体塗布装置の動作について説明する。まず、図4に示すように、放熱ユニット18をエンドストッパ10に当接することにより放熱ユニット18のスライド動作が阻止される。そして、その放熱ユニット18に放熱ユニット19を接触させることにより放熱ユニット19がマスク4に対して所定の位置に止められて、放熱ユニット19の塗布領域について、マスク4との位置合わせが自動的に行われる。
次に、昇降可能とされた昇降フレーム2を下降させて、マスク4の下面を放熱ユニット19に接触させる。このとき、シャフト3に装着された昇降フレーム用圧縮ばね25の作用により、上下方向に移動可能なスキージ13を除き、マスク4、昇降フレーム2、スキージフレーム8、加圧機構16、リニアガイド7の自重が支えられているため、放熱ユニット12には加重はほぼ掛からない。そして、スキージ13は、スキージ用圧縮ばね15が配設された固定蓋14を備えた加圧機構16よって、上方からマスク4の側に一定の圧力をもって押圧され、その状態が維持される。こうして、マスク4に対して位置合わせを行った放熱ユニット19の表面に沿って、スキージ13をマスク4の上面から押し当てることが可能となる。
次に、マスク4に対してスキージ13に常に一定の荷重を与えながらスクリーン印刷を行う。スキージ13をスライドさせて、マスク4上にある放熱媒体17a(図1参照)を放熱ユニット12の表面を露出したマスク4の開口部6に放熱媒体17aを充填することにより、放熱ユニット19の所定の塗布領域の表面に放熱媒体17aが塗布される。その後、昇降フレーム2を上昇させる(図5参照)。なお、図4に示すように、放熱ユニット18の表面には、上記のようにして、すでに放熱媒体17bが塗布されている。
次に、図5に示すように、放熱媒体17bが塗布された放熱ユニット18が取り出される。次に、図6に示すように、新しい放熱ユニット21をレール9に載置して、放熱ユニット19がエンドストッパ10に当接するまで、放熱ユニット21,20,19をスライドさせる。その後、放熱ユニット19に対して放熱媒体17bを塗布したのと同じ要領で放熱ユニット20に放熱媒体が塗布される。以下、同様の作業を繰り返すことによって、順次搬送される放熱ユニットの所定の塗布領域の表面に放熱媒体が塗布される。
上述した放熱媒体塗布装置50では、マスクの下面を放熱ユニットに接触させた状態で、図7に示すように、一定の圧力をもってスキージ13をスライドさせることによって放熱媒体がマスクの開口部6に充填される。また、昇降用圧縮ばね25により、放熱ユニットに接触しているマスク4に圧力(プレッシャー)が掛からず、マスク4の変形を抑制することができる。これにより、図8に示すように、放熱ユニット12における所定の塗布領域5の表面に、その表面に倣うように所定の厚さをもって放熱媒体17bを塗布することができる。さらに、放熱媒体塗布装置の長寿命化を図ることができる。また、マスク4により、放熱ユニットの所定の塗布領域5に隙間なく一様に放熱媒体を塗布することができる。これにより、電子部品を実装する際に空気層が混入するのを防ぐことができ、また、製品の安全性を向上させることができる。
さらに、放熱ユニット搬送路11に所定の位置から調整可能なエンドストッパ10を設けたことにより、各放熱ユニット12に放熱媒体を塗布する度にマスク4との位置合わせを行う必要がなくなり、また、放熱媒体の塗布作業を連続的に行うことができる。また、幅が異なる品種に対しても位置合わせを行うことができて、汎用性が高くなる。これにより、生産性を上げることができ、また、エネルギーの削減も図ることができる。
実施の形態2
本発明の実施の形態2に係る放熱媒体塗布装置について説明する。この放熱媒体塗布装置では、図9に示すように、スキージとして、箱型スキージ24が適用される。この箱型スキージ24は、前述した放熱媒体塗布装置と同様に、スキージフレーム8に嵌め込まれることになる(図2参照)。
箱型スキージ24は、容器22とブレード23からなる。容器22は上部と下部が開口した箱状(筒状)とされる。ブレード23は、容器22の下部(開口端)に沿って設けられている。容器22の内部には放熱媒体17aが充填されて、ブレード23によって囲まれた領域(開口部分23a)から流出可能とされる。
スキージフレーム8に嵌め込まれた箱型スキージ24では、加圧機構16によってブレード23が上方からマスクの側に押圧されていることで、マスク4の開口部6が位置していない領域にブレード23の開口部分が接触している状態では、ブレード23から放熱媒体17aから漏れ出るようなことはない。
一方、容器22の上部が開口しているので、ブレード23の開口部分がマスク4の開口部6に平面的に重なるような状態(位置)では、容器22に充填された放熱媒体17aは、重力によってブレード23の開口部分からマスク4の開口部6へ流れ出ることが可能となる(図7参照)。
上述した放熱媒体塗布装置では、図7に示す要領と同様にして、マスク4の開口部6に向かって放熱媒体塗布装置の手前、または、奥方向に向かって箱型スキージを移動させことによって、容器22に充填された放熱媒体17aはマスク4の開口部6以外の部分では流出することなく、マスク4の開口部6において流出することで、開口部6に位置する放熱ユニットの表面に放熱媒体17aを塗布することができる。
この放熱媒体塗布装置では、箱型スキージ24の容器22が放熱媒体17aを収容する容器を兼ねていることになる。これにより、放熱媒体を供給するためのディスペンサ等の付加的な放熱媒体の供給機構が不要となる。また、箱型スキージ24とリニアガイド7により放熱媒体を塗布する際に、箱型スキージ24の移動方向性は不問となるので、放熱媒体を塗布する工程の作業性を向上させて生産性を上げることができる。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1に係る放熱媒体塗布装置の斜視図である。 同実施の形態において、スキージフレームとスキージを示す部分拡大斜視図である。 同実施の形態において、加圧機構、スキージフレームおよびスキージを示す部分拡大斜視図である。 同実施の形態において、放熱媒体塗布装置の動作を説明するための第1の状態を示す部分斜視図である。 同実施の形態において、図4に示す状態の後の第2の状態を示す部分斜視図である。 同実施の形態において、図5に示す状態の後の第3の状態を示す部分斜視図である。 同実施の形態において、放熱媒体塗布装置の作用効果を説明するための第1の部分斜視図である。 同実施の形態において、放熱媒体塗布装置の作用効果を説明するための第2の部分斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る放熱媒体塗布装置に適用される小型スキージの拡大斜視図である。
符号の説明
1 ベース、2 昇降フレーム、3 シャフト、4 マスク、5 塗布領域、6 開口部、7 リニアガイド、8 スキージフレーム、9 レール、10 エンドストッパ、11 放熱ユニット搬送路、12 放熱ユニット、13 スキージ、14 固定蓋、15 スキージ用圧縮ばね、16 加圧機構、17a 放熱媒体、17b 放熱媒体、22 容器、23 ブレード、24 箱型スキージ、25 昇降フレーム用圧縮ばね、50 放熱媒体塗布装置。

Claims (3)

  1. 放熱ユニットの上方に配置され、上下方向に昇降可能とされた昇降フレームと、
    前記昇降フレームを支えるシャフトと、
    前記シャフトに装着されている圧縮ばねと、
    前記放熱ユニットと対向するように前記昇降フレームに把持され、所定形状の開口部が形成されたマスクと、
    前記マスクに接触させながら移動させることにより、放熱媒体を前記開口部から前記放熱ユニットへ塗布するスキージと、
    前記スキージを前記マスクの側へ押圧する加圧機構と
    を備えた、放熱媒体塗布装置。
  2. 前記スキージは、
    前記マスクが位置する側が開放端とされて、放熱媒体が充填される箱状体と、
    前記箱状体における前記開放端に設けられ、前記マスクに接触するブレードと
    を含む、請求項1記載の放熱媒体塗布装置。
  3. 前記昇降フレームの下方に配設され、前記放熱ユニットをスライド可能に載置するレールと、
    前記レールの所定の位置に配設され、前記放熱ユニットのスライド動作を前記マスクに対して所定の位置において止めるストッパと
    を備えた、請求項1または2に記載の放熱媒体塗布装置。
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