JP2010017578A - 人形玩具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 模擬飲料の排泄箇所及びその近傍に、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層33を、おむつ基体31の外面に設けたおむつ3を着脱自在に装着させた人形玩具1。
【選択図】 図1
Description
更には、液体の注入口から排出口を連結する流通路の途中に、液体を着色する着色剤を配し、着色した小水を排泄させる人形玩具が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、排泄により変色し、水分が乾燥すると再び元の様相に復し、周辺を汚染させる危険のない、おむつを着脱自在に装着させた、幼児等が簡易に繰り返して変色遊びが楽しめる人形玩具を提供しようとするものである。
本発明は、口部より飲んだ模擬飲料を体部下方より排泄可能に構成した人形玩具において、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層33を、おむつ基体31の外面に設けたおむつ3を着脱自在に装着させてなる人形玩具1を要件とする。
更には、おむつ基体31は布帛からなり、布帛の表面と多孔質層33との間には、着色層32が設けられてなること、おむつ基体31は、有色の布帛であること、多孔質層33の一部に内在し、共存状態に撥水性樹脂層34が配設されてなること、撥水性樹脂層34上に着色層321が設けられてなること、低屈折率顔料は微粒子状珪酸であり、バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂から選ばれること、低屈折率顔料は、湿式法で製造される微粒子状珪酸であり、多孔質層中に1〜30g/m2の割合で配合されていること、等を要件とする。
前記における、おむつ3は、織布、不織布、編物等の布帛、或いは合成紙等を基体31としており、前記水或いは模擬飲料の排泄箇所及びその近傍に位置する、おむつ3の外面に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する多孔質層33を設けてなる。
尚、前記おむつ3は、直接的に人形体部に装着させたものに限らず、綿状その他の水吸収材を介在させて、排泄量を調整し、前記多孔質層33へ浸透させる水分を調整した構成のものであってもよい。
微粒子状珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法微粒子状珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるもの(以下、湿式法微粒子状珪酸と称する)とに大別され、いずれを用いることも可能であるが、湿式法微粒子状珪酸を用いた場合、乾式法微粒子状珪酸の系に較べて常態での隠蔽性が大きいため、微粒子状珪酸に対するバインダー樹脂の配合比率を高めることが可能となり、多孔質層33自体の皮膜強度を向上させることができるので、より好適に用いられる。
湿式法微粒子状珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有しており、三次元構造の乾式法微粒子状珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法微粒子状珪酸を適用した系は、乾式法微粒子状珪酸の系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れており、常態での隠蔽性が大であり、更には、湿式法微粒子状珪酸は乾式法微粒子状珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、従って、適度の親水性を有するため吸水効果も大であり、最も好ましい。
前記低屈折率顔料は、バインダー樹脂を含むビヒクル中に分散させて分散インキとなし、おむつ基体31の所望箇所に印刷、塗布、吹き付け、等の手段により多孔質層33を形成する。
中でも、ウレタン系樹脂を用いるか、或いはウレタン系樹脂を少なくとも含有させたものが効果的である。
前記バインダー樹脂中にウレタン系樹脂を含有することにより、多孔質層33の皮膜強度を向上させることができ、しかも、乾燥状態での隠蔽性と吸液状態での透明性を損なうことがない。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、なかでも、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることが好ましいが、要求される皮膜強度に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層33のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分比率で30重量%以上含有させることが好ましい。
前記の如くして形成される多孔質層33中には、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を添加したり、一般染料や顔料、蛍光染料や顔料を添加して色変化を多様にすることもできる。更に、温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色性材料をブレンドすることができる。
前記撥水性樹脂のうち、フッ素系撥水剤が、撥水効果及び加工適性の面で効果的であり、固形分として、0.01g/100cm2〜0.50g/100cm2、好適には、0.02g/100cm2〜0.30g/100cm2の範囲の付着量が有効である。
尚、前記撥水性樹脂層34上に、更に着色層を設けて変化を多様化させることができる。
白色のポリエステルトロピカル生地からなる基体31上に、黄色、青色、ピンク色、及び紫色の各水性スクリーン用インキを用いて、多色の花柄模様(着色層32)を印刷形成した。
次いで、湿式法微粉末シリカ15部、ウレタンエマルジョン(固形分30重量%)50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、架橋剤2部を均一に混合攪拌して得た白色のスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて、前記着色層32上に印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層33を形成して水変色性布帛を得た。
次いで、前記水変色性布帛を人形用のおむつに縫製して、水変色性おむつ3とし、ポリ塩化ビニル製のミルク飲み人形〔口部より飲ませた模擬ミルク(水)がパイプ中を流れて末端の排泄部23から流出するよう構成されてなる〕に、前記した着色層32及び多孔質層33が印刷された面が外側になるように装着した。
前記水変色性おむつ3は、非吸水状態では多孔質層33が白色不透明状態を呈し、全面が白色のおむつとして視覚され、前記した黄色、青色、ピンク色、紫色の花柄は隠蔽状態にあり、不可視であるが、人形の口部より模擬ミルクを飲ませて、臀部より水を放出させると、水が浸透して外側の多孔質層33を吸水状態となし、該多孔質層33が透明状態となり、下層の前記花柄(着色層32)が現出し、視覚される。
前記様相は、多孔質層33が吸水状態では保持されているが、水分が乾燥して非吸水状態になると、前記多孔質層33は白色不透明状態となり、花柄(着色層32)は隠蔽状態となり、外部からは不可視状態となった。
前記様相変化は、同様の操作により繰り返し再現させることができた。
黄色のポリエステルトリコット生地上の全面に、湿式法微粉末シリカ15部、ウレタンエマルジョン(固形分30重量%)45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、架橋剤3部を均一に混合撹拌してなる白色のスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層33を形成して水変色性布帛を得た。
前記水変色性布帛を人形用のおむつに縫製して、水変色性おむつ3とし、前記ミルク飲み人形に、多孔質層33が印刷された面が外側になるように装着した。
前記水変色性おむつ3は、常態(非吸水状態)では、全面が白色のおむつとして視覚され、生地の黄色は隠蔽されて不可視状態であったが、実施例1と同様にして水を放出させたところ、水が浸透して外側の多孔質層33を吸水状態となし、該多孔質層33が透明状態となり、前記黄色生地を透視させた。
前記様相は、多孔質層33が吸水状態では保持されているが、水分が乾燥して非吸水状態になると、前記多孔質層33は白色不透明状態となり、黄色生地は再び隠蔽状態となり、外部からは不可視状態となった。
前記様相変化は、同様の操作により繰り返し再現させることができた。
白色のポリエステルと綿の混紡(混合比率65:35)のブロード生地上の全面に、黄色のスクリーン印刷用インキを用いて、150メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させて黄色の着色層32を形成した。
次いで、前記着色層32上の全面に、湿式法微粉末シリカ15部、ウレタンエマルジョン(固形分33重量%)45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、架橋剤3部を均一に混合撹拌してなる白色のスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層33を形成して、水変色性布帛を得た。
前記水変色性布帛を人形用のおむつに縫製して、水変色性おむつ3とし、前記ミルク飲み人形に、着色層32及び多孔質層33が印刷された面が外側になるように装着した。
前記水変色性おむつ3は、常態(非吸水状態)では、全面が白色のおむつとして視覚され、生地の黄色は隠蔽されて不可視状態であったが、実施例1と同様にして水を放出させたところ、水が浸透して外側の多孔質層33を吸水状態となし、該多孔質層33が透明状態となり、前記黄色生地を透視させた。
前記様相は、多孔質層33が吸水状態では保持されているが、水分が乾燥して非吸水状態になると、前記多孔質層33は白色不透明状態となり、黄色の着色層32は、再び隠蔽状態となり、外部からは不可視状態となった。
前記様相変化は、同様の操作により繰り返し再現させることができた。
白色のポリエステルと綿の混紡(混合比率65:35)のブロード生地からなる基体31上の全面に、ピンク色のスクリーン印刷用インキを用いて、150メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、100℃で5分間乾燥硬化させてピンク色の着色層32を形成した。
次いで、前記着色層32上の全面に、湿式法微粉末シリカ15部、ウレタンエマルジョン(固形分30重量%)45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、架橋剤3部を均一に混合撹拌してなる白色のスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて多孔質層33を形成した。
次いで、前記多孔質層33上にフッ素系樹脂撥水剤[商品名:NKガード NDN−7E、日華化学(株)製、固形分22重量%]50部、アルギン酸ナトリウム1.5部、水48.5部、シリコーン系消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に混合撹拌してなる無色透明なスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて星の抜き柄を印刷し、170℃で2分間乾燥硬化させて、多孔質層33中に撥水性樹脂層34(星の抜き柄)を内在状態に形成して水変色性布帛を得た。
前記水変色性布帛は、常態(非吸水状態)では多孔質層33は白色であり、撥水性樹脂層34自体が無色透明であるため、全面が白色状態であり、星柄は潜像状態にある。
前記水変色性布帛を人形用のおむつに縫製して、水変色性おむつ3とし、前記したミルク飲み人形に、着色層32及び多孔質層33が印刷された面が外側になるように装着した。
前記水変色性おむつ3は、常態(非吸水状態)では、全面が白色のおむつとして視覚され、ピンク色の着色層32は隠蔽されて不可視状態であったが、実施例1と同様にして水を放出させたところ、水が浸透して外側の多孔質層33を吸水状態となし、該多孔質層33が透明状態となり、ピンク色を視覚させるが、多孔質層33中に撥水性樹脂層34が内在状態に形成している部分は、撥水性樹脂層34により水の吸収が妨げられ、吸水状態にある多孔質層33(星柄)の透明化により、ピンク色の星柄と白色のバックが視覚された。
前記様相は、水が付着した状態ではピンク色の星柄と白色のバックを呈しているが、水が蒸発すると全面が白色になり、星柄は潜像状態に復した。 前記様相変化は、同様の操作により繰り返し再現させることができた。
2 人形ボディー
21 口部
22 パイプ
23 排泄部
3 おむつ
31 基体
32 着色層
33 多孔質層
34 撥水性樹脂層
Claims (7)
- 口部より飲んだ模擬飲料を体部下方より排泄可能に構成した人形玩具において、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を、おむつ基体の外面に設けたおむつを着脱自在に装着させてなる人形玩具。
- おむつは布帛からなり、布帛の表面と多孔質層との間には、着色層が設けられてなる請求項1記載の人形玩具。
- おむつ基体は、有色の布帛である請求項1記載の人形玩具。
- 多孔質層の一部に内在し、共存状態に撥水性樹脂層が配設されてなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の人形玩具。
- 撥水性樹脂層上に着色層が設けられてなる請求項4記載の人形玩具。
- 低屈折率顔料は微粒子状珪酸であり、バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂から選ばれる請求項1記載の人形玩具。
- 低屈折率顔料は、湿式法で製造される微粒子状珪酸であり、多孔質層中に1〜30g/m2の割合で配合されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の人形玩具。
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