JP2010015944A - アルカリ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素ガス発生に伴う容量保存性の低下、内圧の上昇による耐漏液特性の悪化や電池膨れなどを改善することができるアルカリ電池を提供する。
【解決手段】正極缶2の内部には、ディスク状の正極合剤1が収容配置される。正極合剤1は、A x Co y Ni z 2(x+y+z=2、x≦1.10、y>0である。)で表される銀とコバルトとニッケルとの複合酸化物と、酸化銀(Ag2O)および二酸化マンガン(MnO2)のうちの少なくとも何れかとを含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、アルカリ電池に関する。さらに詳しくは、負極活物質として亜鉛または亜鉛合金を用いるボタン形アルカリ電池に関する。
電子腕時計、携帯用電子計算機等の小型電子機器には、ボタン形アルカリ電池が使用されている。ボタン形アルカリ電池では、負極活物質として粒状亜鉛または粒状亜鉛合金が使用されている。粒状亜鉛または粒状亜鉛合金が、アルカリ電解液に溶解すると水素ガスが発生する。粒状亜鉛または粒状亜鉛合金が、集電体の銅とアルカリ電解液を介して接触することによって、集電体からも水素ガスが発生する。
ボタン形アルカリ電池では、水素ガスの発生によって、水素ガスの発生に伴う容量保存性の低下、内圧の上昇による耐漏液特性の悪化や電池膨れの問題が生じるため、従来では、粒状亜鉛または粒状亜鉛合金に水銀をアマルガム化した汞化亜鉛を使用するなどして、水素ガス(H2)の発生を抑制するようにしている。
ところで、近年さまざまな分野で環境問題についての研究が盛んになり、ボタン形アルカリ電池においても、環境に直接影響を与える水銀の使用を回避するために、多くの研究がなされている。例えば、特許文献1では、正極合剤に、水素吸収性および導電性に優れた銀ニッケライト(AgNiO2)を添加した構成とし、粒状亜鉛または粒状亜鉛合金などから発生する水素ガスを抑制するようにしている。
特開2002−93427号公報
しかしながら、銀ニッケライト(AgNiO2)を正極合剤に添加したアルカリ電池では、放電深度が深くなると導電性の低い物質であるNi(OH)2の生成により導電性の低下が生じ電圧特性が悪化する問題がある。また、導電性低下に起因する正極活物質の利用率が、低下する問題がある。
したがって、この発明の目的は、水素ガス発生に伴う容量保存性の低下、内圧の上昇による耐漏液特性の悪化や電池膨れを改善することができ、放電末期まで高い安全性を得ることができ、且つ放電末期まで安定した電圧特性を得ることができるアルカリ電池を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明は、
式(1)で表される銀とコバルトとニッケルとの複合酸化物を含む正極合剤を用いたアルカリ電池。
式(1):AgxCoyNiz2
(式中、x+y+z=2、x≦1.10、y>0である。)
この発明では、式(1)で表される銀とコバルトとニッケルとの複合酸化物を含むことによって、電池特性を改善できる。
この発明によれば、水素ガス発生に伴う容量保存性の低下、内圧の上昇による耐漏液特性の悪化や電池膨れを改善することができ、放電末期まで高い安全性を得ることができ、且つ放電末期まで安定した電圧特性を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施の形態によるボタン形アルカリ電池の構成を示す断面図である。図1に示すように、このボタン形アルカリ電池では、正極缶2の開口端がリング状のガスケット6を介して負極カップ4に封止される。
正極缶2は、ステンレス若しくはスチール板にニッケルメッキを施したものであり、正極端子および正極集電体を兼ねるものである。正極缶2の内には、ディスク状の正極合剤1が収容配置される。
正極合剤1は、下記式(1)で表される銀とコバルトとニッケルとの複合酸化物(以下、銀コバルトニッケル複合酸化物と適宜称する)と、酸化銀(Ag2O)および二酸化マンガン(MnO2)のうちの少なくとも何れかとを含む。正極合剤1は、結着剤として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を含む。式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物の含有量は、正極合剤に対して、1.5重量%〜60重量%の範囲内であることが好ましい。また、式(1)において、y≧0.01が好ましい。
式(1):AgCoxNiy2
(式(1)中、x+y+z=2、x≦1.10、y>0である。)
式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、高い水素ガス還元性を有する材料である。例えば特開2002−93427号公報で提案されている銀ニッケライト(AgNiO2)より高い水素ガス還元性を有する。また、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、銀ニッケライト(AgNiO2)より放電電位が低いので、銀ニッケライト(AgNiO2)に比べ、Ag2OやMnO2と混成電位を形成した際、より高い放電深度まで存在させることができる。さらに、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、グラファイトに近い導電性を有し、且つ電気容量を有する。また、放電末期においても高い導電特性を有する。
この発明の一実施の形態によるボタン形アルカリ電池では、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物を、正極合剤1に添加することで、以下に説明する従来のボタン形アルカリ電池の問題点1〜7に対して効果がある。
問題点1:二酸化マンガン(MnO2)を主成分として含む正極合剤を用いたボタン形アルカリ電池では、耐漏液特性の悪化および電池破裂の問題があった。すなわち、二酸化マンガン(MnO2)を主成分として含む正極合剤を用いたボタン形アルカリ電池では、水素ガスを急速に還元する物質を電池内部に有さない。したがって、保存時にセル内部の内圧が上昇してセルの膨れが発生し、ガスが外部に漏れ出した際に、かしめ部分のゆるみが発生し、液漏れを引き起こしてしまう。(耐漏液特性の悪化の問題)また、セルの膨らみ発生時にかしめ部からガス外部に漏出しない場合には、セルの内圧上昇が原因となり、セルが破裂してしまう。(電池破裂の問題)
問題点2:二酸化マンガン(MnO2)を主成分として含む正極合剤を用いたボタン形アルカリ電池、並びに酸化銀(Ag2O)にコストダウンのため、二酸化マンガン(MnO2)を添加した正極合剤を用いたボタン形アルカリ電池では、使いかけ電池や放電済みの電池を放置した場合に、耐漏液特性の悪化および電池破裂の問題があった。酸化銀(Ag2O)に二酸化マンガンを添加した正極合剤を用いたボタン形アルカリ電池でも、使いかけ電池や放電済み電池を放置し、負極合剤および負極集電体から急激に水素ガスが発生した場合に、水素ガス還元作用のある酸化銀(Ag2O)の放電が終了しているものでは、水素ガス還元作用が十分ではなく、セルの内圧上昇による耐漏液特性の悪化および電池破裂の問題が生じる。
問題点3:ボタン形アルカリ電池では、二酸化マンガン(MnO2)を主成分として含む正極合剤は、電気伝導性が低いため、グラファイトなどのカーボン系の導電助剤を添加する必要性がある。導電助剤を添加すると、導電助剤の体積分は容量を持たない状態となるので、セルの最大容量を上げることが困難である。
問題点4:ボタン形アルカリ電池では、酸化銀(Ag2O)または二酸化マンガンを主成分とする正極合剤において、高い体積エネルギー密度を維持しながら、高い導電性を得るためには、銀ニッケライト(AgNiO2)を添加する。しかしがら、銀ニッケライト(AgNiO2)は、放電深度が深くなると導電性の低い物質であるNi(OH)2生成により導電性の低下が生じ電圧特性が悪化する問題がある。また、その導電性低下に起因する正極活物質の利用率が低下する問題がある。
問題点5:二酸化マンガンを含む正極合剤を用いたボタン形アルカリ電池では、放電により正極が体積膨張を起こし、セパレータのガスケットへの押し付けを助長する。また、水素ガスの発生によってセル内部の内圧が上昇すると、この押し付けの作用は強くなりセパレータの開裂を引き起こし、内部短絡を引き起こす問題がある。また、セルの膨れによりセルの高さの増大による使用機器の破損という問題がある。
問題点6:ボタン形アルカリ電池において、誤使用により、3直列1逆接続、4直列1逆接続などした場合に、逆に接続された1個の電池では、活物質の充電反応によりガス発生が生じる。このガス発生によって、セル内部の内圧が上昇し、耐漏液特性および電池破裂の問題が生じる。
問題点7:無水銀化により水素ガスの発生が増加するので、水銀を使用しないボタン形アルカリ電池では、問題点1〜問題点6が顕著となる。
正極合剤1上には、セパレータ5が配置されている。セパレータ5は、例えば、不織布、セロファン、ポリエチレンをグラフト重合した膜の3層構造とされる。セパレータ5には、アルカリ電解液が含浸される。アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
正極缶2の開口端縁の内周面には、例えばリング状の断面L字状のナイロン製ガスケット6が配置される。なお、リング状の断面L字状のガスケット6の代わりにリング状の断面J字状のガスケットを配置して、ガスケットの負極カップ4内の先端を、負極カップ4の段部の内面に接触するようにし、負極カップの内面の被覆層のない部分にアルカリ電解液が接することがないように構成してもよい。
負極合剤3は、セパレータ5上に配置される。負極合剤3は、ジェル状であり、例えば水銀を含まない粒状亜鉛または粒状亜鉛合金と、アルカリ電解液と、増粘剤とからなる。粒状亜鉛合金としては、例えば、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)と亜鉛(Zn)との合金を用いることが望ましい。具体的には、例えば、ビスマス(Bi)と亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)とインジウム(In)と亜鉛(Zn)、またはビスマス(Bi)とインジウム(In)とアルミニウム(Al)と亜鉛(Zn)とからなる亜鉛合金粉末を用いることができる。
負極カップ4は、上記負極合剤3を収容するように、正極缶2の開口端縁内に挿入される。負極カップ4は、その開口端縁に、断面U字状に外周面に沿って折り返されたU字状折り返し部14を形成しており、このU字状折り返し部14において、ガスケット6を介して正極缶2の開口端縁の内周面によって締め付けられて密封保持される。負極カップ4は、負極端子と負極集電体とを兼ねたものである。
図2に示すように、負極カップ4は、3層クラッド材の表面に被覆層7が形成された板材をプレス加工し、段部を有するカップ状に成形することによって、作製される。この際被覆層7が内側になるようになされる。
3層クラッド材は、ニッケル層11と、ステンレス層12と、銅よりなる集電体層13とからなる。負極カップ4の内面側に配置された集電体層13上に、銅より水素過電圧の高い金属を、例えばメッキすることによって、被覆層7が設けられる。銅よりも水素過電圧の高い金属としては、例えば、スズ、インジウム、ビスマスなどが挙げられる。被覆層7は、メッキ以外に、例えば蒸着、スパッタリングによって形成することもできる。
また、被覆層7は、3層クラッド材を、集電体層13を内側にしてカップ状にプレス加工した後に、カップ内に被覆金属の無電解メッキ液を滴下して流延被着することによって形成してもよい。被覆層7は、3層クラッド材をカップ状にプレス加工した後に、例えば蒸着、スパッタリングなどによって形成するようにしてもよい。
被覆層7は、負極カップ4のU字状折り返し部14の折り返し底部14bと、外周折り返し部14aとが除かれた負極カップ4の内面の限定された領域に設けられる。例えば、集電体層13の全領域に被覆層7を形成した後、不要部分をエッチング等によって排除または剥離することによって、負極カップ4の内面の限定された領域に、被覆層7を設けることが可能である。また、例えば、スパッタリング、蒸着法などで被覆層7を形成する際に、マスキングを行い、負極カップ4の内面の限定された領域に被覆層7を形成することも可能である。
以上説明したこの発明の一実施の形態によるボタン形アルカリ電池によれば、正極合剤に式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物を添加することによって、耐漏液特性を向上することができる。また、寸法変化を抑制することができる。正極合剤の導電助剤であるグラファイトや銀ニッケライト(AgNiO2)などを低減することができる。放電末期の電流特性を向上することができる。正極合剤の体積エネルギー密度を向上することができる。電池の膨れによる内部短絡を防止できる。無水銀化時の水素ガス発生量増加の際安全性を向上することができる。誤使用試験として3直列1逆接続、4直列1逆列などの逆装填時に破裂の発生を抑制することができる。
次に、この発明の他の実施の形態によるボタン形アルカリ電池について説明する。他の実施の形態では、水銀を含まない粒状亜鉛または粒状亜鉛合金を用いる代わりに、水銀をアマルガム化した汞化亜鉛または粒亜鉛合金を用いたものである。他の実施の形態では、一実施の形態によるボタン形アルカリ電池で説明した負極カップ4の被覆層7を設ける必要がなく、被覆層7を省略した構成とすることができる。その他は、一実施の形態によるボタン形アルカリ電池とほぼ同様の構成を有するので詳しい説明は省略する。この発明の他の実施の形態によるボタン形アルカリ電池では、一実施の形態によるボタン形アルカリ電池と同様の効果を有する。
この発明の具体的な実施例について詳細に説明する。ただし、この発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(試験例)
特開2002−93427号公報で開示されているように、ボタン形アルカリ電池の正極活物質として使用することが提案されている銀ニッケライト(AgNiO2)は、優れた特性を有する。しかしながら、従来技術の問題点(例えば、上述した問題点1〜7)に対しては、その効果が十分なものとはいえない。問題点1〜7を検討すると、銀ニッケライト(AgNiO2)と比較して、ボタン形アルカリ電池の正極活物質として求められる特性は、以下の項目1〜項目5である。
項目1:銀ニッケライト(AgNiO2)よりも高い水素ガス還元性を持つ物質の存在
項目2:銀ニッケライト(AgNiO2)よりも水素ガス還元性を持ち放電末期まで存在する物質の存在
項目3:銀ニッケライト(AgNiO2)よりもグラファイトに近い導電性を持ち、且つ電気容量を持つ物質の存在
項目4:銀ニッケライト(AgNiO2)よりも放電末期における高い導電特性を持つ正極活物質の存在
項目5:銀ニッケライト(AgNiO2)よりも水素ガス還元性を持ち放電末期まで存在し、且つ体積膨張の小さい物質の存在
上記の項目を鑑みると、ボタン形アルカリ電池の正極活物質として、求められる特性を十分に満足するためには、銀ニッケライト(AgNiO2)と比べて、(1)水素ガス反応性(2)導電性(3)質量エネルギー密度(4)放電時の体積変化に優れている必要がある。そこで、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物について、(1)水素ガス反応性(2)導電性(3)質量エネルギー密度(4)放電時の体積変化を調べるために以下に説明する試験を行った。なお、以下の試験例において使用した式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、以下に説明するようにして製造したものである。
(銀コバルトニッケル複合酸化物の合成)
まず、2mol/lの濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液200ccに10mol/lの濃度の水酸化カリウム水溶液500cc、さらに、2mol/lの濃度の硫酸ニッケル水溶液を添加して良く攪拌した。
また、2mol/lの濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液200ccに10mol/lの濃度の水酸化カリウム水溶液500cc、さらに、2mol/lの濃度の硫酸コバルト水溶液を添加して良く攪拌した。
次に、各々の生成沈殿物であるオキシ水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化コバルトを純水にてよく洗浄し、ろ過を行った後に60℃の恒温槽にて20時間乾燥を行い、粉砕メッシュパスを行い、オキシ水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化コバルト粉末を得た。
続いて、上記のオキシ水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化コバルトを得たいCo/Ni比率となるように秤量し、水酸化カリウム水溶液中に加え、よく攪拌しながら1mol/l濃度の硝酸銀水溶液を加え、60℃で16時間攪拌した。攪拌後、沈殿物のろ過を行い、純水による洗浄を行った後、乾燥を行い式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物を得た。
(1)水素ガスの反応性
<試験例1−1>
式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物の水素ガスの反応性を調べるために、以下に説明する水素ガス吸収試験を行った。図3を参照しながら、水素ガス吸収試験について説明する。図3Aは、試験初期状態を示すものである。図3Bは、試験後の状態を示すものである。
図3Aに示すようにアルミニウム箔をラミネートしたアルミラミネート袋22に0.1gの試料(MnO2)を100mlの水素ガス23と共に封入した。次に、アルミラミネート袋22を容器24に入れ流動パラフィン25を満たした上で、蓋26で密閉した。この際、蓋26から計測管27を差込み、計測管27内にも流動パラフィン25が充填されるようにした。以上の状態を試験初期状態とし、この状態で60℃下で放置した。そして、図3Bに示すように、試料21の水素ガス吸収によるアルミラミネート袋22の体積変化の量を、計測管27内の流動パラフィン25の減少量(ガス吸収量31)として測定した。なお、ガス吸収量31の測定は、1時間毎に目盛りの変化が無くなるまで行った。
<試験例1−2>
試料をAg2Oとして試験例1−1と同様の方法で、Ag2Oの水素ガス吸収量を測定した。
<試験例1−3>
試料をAgNiO2として試験例1−1と同様の方法で、AgNiO2の水素ガス吸収量を測定した。
<試験例1−4>
試料をAgCo0.10Ni0.902として試験例1−1と同様の方法で、AgCo0.10Ni0.902の水素ガス吸収量を測定した。
<試験例1−5>
試料をAgCo0.25Ni0.752として試験例1−1と同様の方法で、AgCo0.25Ni0.752の水素ガス吸収量を測定した。
<試験例1−6>
試料をAgCo0.50Ni0.502として試験例1−1と同様の方法で、AgCo0.50Ni0.502の水素ガス吸収量を測定した。
<試験例1−7>
試料をAgCuO2として試験例1−1と同様の方法で、AgCuO2の水素ガス吸収量を測定した。
試験例1−1〜試験例1−7の測定結果を表1に示す。なお、表1に示す数値は、AgNiO2の測定結果を100として換算した場合の数値である。
Figure 2010015944
表1に示すように、試験例1−4〜試験例1−6と試験例1−1〜試験例1−3および試験例1−7とを比べると、試験例1−4〜試験例1−6の方が水素ガスの吸収速度および総吸収量が大きかった。すなわち、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、優れた水素ガス吸収能力を有し、且つ水素ガス吸収速度が速いことがわかった。
また、試験結果より、以下のことがわかった。通常、特開2002−93427号公報に開示されているように、酸化銀(Ag2O)および銀ニッケライト(AgNiO2)は水素ガスとの反応性があり、酸化銀(Ag2O)に比べ銀ニッケライト(AgNiO2)が短時間で多くの水素ガスと反応することが可能であることが知られている。しかしながら、試験例1−2と試験例1−3とを比べると、材料その物が吸収できる水素ガスの総量としては、銀ニッケライト(AgNiO2)は酸化銀(Ag2O)に比べ10%程度向上するにすぎないことがわかった。
一方、試験例1−4〜試験例1−6から、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物の水素ガスの吸収試験を行った結果、Coの比率が増加するほど、その吸収速度および吸収総量が著しく増加することがわかった。
(2)導電性の検討
<試験例2−1>
図1および図2に示すボタン形アルカリ電池を以下に説明するようにして作製した。
まず、図2に示すように、ニッケル層11とステンレス層12と銅からなる集電体層13との3層による厚さ0.2mmの3層クラッド材を用意した。このクラッド材に無電解メッキ法を用いて、所定の位置に厚さ0.15μmの円形状のスズよりなる被覆層7を限定的に形成した。
次に、このクラッド材を打ち抜きプレス加工することによって、周縁にU字状折り返し部14が形成され、折り返し底部14aと、外周折り返し部14bとを除いた内面にスズよりなる被覆層7が形成された負極カップ4を作製した。
グラファイト97重量%と、フッ素系樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤1を得た。この正極合剤1を、ディスク状のペレットに成形し、これを水酸化ナトリウム水溶液が注入された正極缶2内に挿入して、正極合剤1に水酸化ナトリウム水溶液を吸収させた。
次に、正極合剤1の上に、不織布、セロファン、ポリエチレンをグラフト重合した膜の3層構造の円形状に打ち抜いたセパレータ5を装填し、このセパレータ5上に、粒状亜鉛合金(アルミニウムとインジウムとビスマスとの亜鉛合金粉)と、増粘剤と、水酸化ナトリウム水溶液とからなるジェル状の負極合剤3を載置した。
次に、この負極合剤3を覆って負極カップ4を、正極缶2の開口端縁内に、リング状の断面L字状のナイロン製ガスケット6を介して挿入しかしめて密封した。以上により図1に示すボタン形アルカリ電池を得た。
作製したボタン形アルカリ電池の未放電状態を初期状態とし、初期状態の電流電圧特性を静特性測定機にて測定し、初期の導電性を測定した。
また、作製したボタン形アルカリ電池を、電池容量の80%を放電するまで、負荷抵抗30kΩで放電容量測定装置にて放電し、この放電末期状態の電池の電流電圧特性を静特性測定機にて測定し、放電末期の導電性を測定した。なお、試験例2−1では、グラファイトの容量をAgNiO2と同容量と仮定し、AgNiO2の放電条件と同時間放電容量測定装置に設置したものを、電池容量の80%を放電した状態とした。
<試験例2−2>
AgNiO297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例2−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、初期の導電性および放電末期の導電性を測定した。
<試験例2−3>
AgCo0.10Ni0.90297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例2−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、初期の導電性および放電末期の導電性を測定した。
<試験例2−4>
AgCo0.25Ni0.75297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例2−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、初期の導電性および放電末期の導電性を測定した。
<試験例2−5>
AgCo0.50Ni0.50297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例2−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、初期の導電性および放電末期の導電性を測定した。
<試験例2−6>
AgCuO297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例2−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、初期の導電性および放電末期の導電性を測定した。
試験例2−1〜試験例2−6の測定結果を表2に示す。なお、表2における導電性の数値は、グラファイトの導電性を100として換算した場合の数値である。
Figure 2010015944
表2に示すように、試験例2−3〜試験例2−5と、試験例2−2および試験例2−6とを比べると、試験例2−3〜試験例2−5の方が、初期導電性および放電末期での導電性の数値が大きかった。すなわち、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、銀ニッケライト(AgNiO2)よりも高い導電性を有することがわかった。また、銀ニッケライト(AgNiO2)やAgCuO2は、放電末期での導電性が低下するが、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、放電末期でも導電性が低下せず、高い導電性を有することがわかった。
なお、試験例2−2の銀ニッケライト(AgNiO2)の導電性は、グラファイトの導電性を基準とし100とした場合70である。また、銀ニッケライト(AgNiO2)は、酸化銀(Ag2O)と同等の電気容量を有する。特許第3505823号公報、特許第3505824号公報には、このような特性を有する銀ニッケライト(AgNiO2)を添加することによって、導電助剤として用いるグラファイト量を低減して、電池容量を向上させることが可能であることが開示されている。
一方、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、銀ニッケライト(AgNiO2)よりも高い導電性を有するため、導電助剤として使用するグラファイトの使用量をより減少させることができる。また。グラファイトの添加を行わなくても十分な導電性を確保可能である。したがって、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物を添加することによって、より電池容量を向上させることが可能である。
また、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、銀ニッケライト(AgNiO2)に比べて、放電末期での導電性が向上した。式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物の放電末期での導電性が高い理由は、以下の理由と推察される。
通常、AgNiO2は、放電反応によって、下記の反応式(1)で示される反応が進行する。反応式(1)の反応によって生成するNi(OH)2は、それ自体の導電性が低く、放電末期での導電性を低下させる。
反応式(1):AgNiO2+2H2O+2e-→Ag+Ni(OH)2+2OH-
一方、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、放電反応によって、下記の反応式(2)で示される反応が進行する。
反応式(2):AgxCoyNiz2+2H2O+2xe-⇒xAg+yCo(OH)2+zNi(OH)2+2xOH-
反応式(2)の反応によって生成するCo(OH)2は、それ自体の導電性がNi(OH)2に比べ非常に高いため、放電末期での導電性の低下を防止できると考えられる。したがって、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、銀ニッケライト(AgNiO2)のように、放電末期の導電性の低下が起こらないものであると推察できる。
(3)質量エネルギー密度の検討
<試験例3−1>
AgNiO297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例2−1と同様にして、図1および図2に示すボタン形アルカリ電池を作製した。
作製したボタン形アルカリ電池を放電負荷30kΩで、終止電圧1.4V、1.2V、0.9Vまで放電して、各終止電圧までの放電容量を測定した。
<試験例3−2>
AgCo0.10Ni0.90297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例3−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、放電容量を測定した。
<試験例3−3>
AgCo0.25Ni0.75297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例3−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、放電容量を測定した。
<試験例3−4>
AgCo0.50Ni0.50297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例3−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、放電容量を測定した。
<試験例3−5>
AgCuO297重量%と、フッ素樹脂であるPTFE3重量%とを混合して正極合剤を得た。以上の点以外は、試験例3−1と同様にして、ボタン形アルカリ電池を作製して、放電容量を測定した。
試験例3−1〜試験例3−5の測定結果を表3に示す。なお、表3に示す放電容量の数値は、試験例3−1のAgNiO2を用いて作製したボタン形アルカリ電池の終止電圧0.9V時の放電容量を100として換算した数値である。
Figure 2010015944
表3に示すように、試験例3−2〜試験例3−4と、試験例3−1とを比べると、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、従来の銀ニッケライト(AgNiO2)よりも高い質量エネルギー密度を得られることがわかった。また、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物において、Co添加量が増加した場合、放電曲線としては、AgNiO2よりも低電位なものとなることがわかった。
このことから、二酸化マンガン(MnO2)を主成分とした正極合剤もしくは、酸化銀(Ag2O)にコストダウンのために二酸化マンガン(MnO2)を添加した正極合剤への添加を検討した場合、放電曲線は放電電位の高い物から混成電位を作りつつ消費されて行くので、従来の銀ニッケライト(AgNiO2)では、放電末期にはわずかに存在するだけであり、ほぼ二酸化マンガン(MnO2)のみが存在することとなる。一方、銀ニッケライト(AgNiO2)に比べ低電位化された正極活物質である式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物では、より放電深度の高い所まで多量の活物質を存在させることが可能となることがわかった。
すなわち、銀ニッケライト(AgNiO2)を使用した場合には、放電末期において、水素ガス反応性の低い二酸化マンガン(MnO2)が大半を占めるため水素ガス吸収による膨れの抑制効果は低いが、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物を使用した場合には、銀ニッケライト(AgNiO2)以上の膨れの抑制効果が期待できることがわかった。
なお、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物を使用した場合の効果は、電池の実使用上において、使い掛け電池の突発的な水素ガス発生や、無水銀化による水素ガス発生量の増加に対する安全性を高めるものとして期待できると考えられる。
(4)放電時の体積変化の検討
<試験例4−1>
試験例3−1で作製したボタン形アルカリ電池と同様のボタン形アルカリ電池を使用して、放電容量の10%、30%、50%、70%、90%、110%、130%、150%の放電深度にあたる放電時間まで放電した電池において、放電後の総高の、放電前の総高に対する総高の変化量を測定した。
<試験例4−2>
試験例3−2で作製したボタン形アルカリ電池と同様のボタン形アルカリ電池を使用して、放電容量の10%、30%、50%、70%、90%、110%、130%、150%の放電深度にあたる放電時間まで放電した電池において、放電後の総高の、放電前の総高に対する総高の変化量を測定した。
<試験例4−3>
試験例3−3で作製したボタン形アルカリ電池と同様のボタン形アルカリ電池を使用して、放電容量の10%、30%、50%、70%、90%、110%、130%、150%の放電深度にあたる放電時間まで放電した電池において、放電後の総高の、放電前の総高に対する総高の変化量を測定した。
<試験例4−4>
試験例3−4で作製したボタン形アルカリ電池と同様のボタン形アルカリ電池を使用して、放電容量の10%、30%、50%、70%、90%、110%、130%、150%の放電深度にあたる放電時間まで放電した電池において、放電後の総高の、放電前の総高に対する総高の変化量を測定した。
<試験例4−5>
試験例3−5で作製したボタン形アルカリ電池と同様のボタン形アルカリ電池を使用して、放電容量の10%、30%、50%、70%、90%、110%、130%、150%の放電深度にあたる放電時間まで放電した電池において、放電後の総高の、放電前の総高に対する総高の変化量を測定した。
表4に、試験例4−1〜試験例4−5の測定結果を示す。なお、表4の総高変化の数値は、試験例4−1の総高変化を100として換算した数値である。
Figure 2010015944
表4に示すように、試験例4−2〜試験例4−4と試験例4−1との比較によると、各放電深度において、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物を用いたボタン形アルカリ電池では、銀ニッケライト(AgNiO2)を用いた場合よりも各放電深度に於ける体積膨張は小さいことがわかった。また、その効果は放電深度30%および110%以降の放電深度において、顕著に確認されることがわかった。
(評価)
以上説明した(1)〜(4)の試験から、式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物は、銀ニッケライト(AgNiO2)より優れた特性を有することがわかった。
なお、AgCuO2は、銀ニッケライト(AgNiO2)と比較し初期の導電性、エネルギー密度の向上および低電位化は可能であったが、水素ガスとの反応性および放電時の体積膨張は改善することはできなかった。さらに、AgCuO2は、その反応が酸化銀同様の非常に強い不均一固相反応であるため、放電曲線が平3段階の平坦線であり、現行のボタン形アルカリ電池の放電曲線との相違が大きくなる。そのため、使用する機器においては電圧制御の為のIC(Integrated Circuit)修正の必要性が発生するなど、一般使用には適さないことが考えられる。
なお、詳細な説明は省略するが、AgMnO2とした場合は、その組成が不安定である為、合成ができなかった。しかしながら、Agxyz2とし、MおよびNを、Ni、Coの他、Fe、Ti、Pdを配する状態にしてもAgxCoyNiz2同様の効果を奏する傾向にある。但し、使用する電池の要求する電圧特性によりその選択は制限される。よって、ボタン形アルカリ電池に使用する場合はAgxCoyNiz2(x+y+z=2、x≦1.10、y>0)が最も適切と考えられる。
また、補足であるが、AgxCoyNiz2において、x≦1.10と規定したのは、以下の理由である。Agをx>1.10配合した場合には、質量エネルギー密度を向上させることが可能となる。しかしながら、放電カーブとして酸化銀(Ag2O)の電位が初期に出現するようになる。よって、酸化銀(Ag2O)を含まない正極合剤への添加は、放電曲線が大きく変化する形になり使用機器に於いてIC(Integrated Circuit)の改良が必要になる問題が生じる傾向にあるからである。さらに、水素ガス吸収効果を期待する場合には、Agをx>1.10配合すると、高電位域が多くなるため、放電初期に多量に消費される形になり放電末期での能力が期待できなくなるだけでなく、水素ガスとの反応速度も低下するため、安全性が低くなる傾向にあるからである。
(実施例)
式(1)で表される銀コバルトニッケル複合酸化物の効果を確認するため、以下に説明するような実施例および比較例のボタン形アルカリ電池を作製して、問題解決の状況を確認した。
<実施例1−1>
実施例1−1として、図1および図2に示すボタン形アルカリ電池を以下に説明するようにして作製した。
まず、図2に示すように、ニッケル層11とステンレス層12と銅からなる集電体層13との3層による厚さ0.2mmの3層クラッド材を用意した。このクラッド材に無電解メッキ法を用いて、所定の位置に厚さ0.15μmの円形状のスズよりなる被覆層7を限定的に形成した。
次に、このクラッド材を打ち抜きプレス加工することによって、周縁にU字状折り返し部14が形成され、折り返し底部14aと、外周折り返し部14bとを除いて内側にスズよりなる被覆層7が形成された負極カップ4を作製した。
AgCo0.10Ni0.902を以下に説明するようにして作製した。まず、2mol/lの濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液200ccに10mol/lの濃度の水酸化カリウム水溶液500cc、さらに、2mol/lの濃度の硫酸ニッケル水溶液を添加して良く攪拌した。
また、2mol/lの濃度の次亜塩素酸ソーダ水溶液200ccに10mol/lの濃度の水酸化カリウム水溶液500cc、さらに、2mol/lの濃度の硫酸コバルト水溶液を添加して良く攪拌した。
次に、各々の生成沈殿物であるオキシ水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化コバルトを純水にてよく洗浄し、ろ過を行った後に60℃の恒温槽にて20時間乾燥を行い、粉砕メッシュパスを行い、オキシ水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化コバルト粉末を得た。
続いて、オキシ水酸化ニッケル9gおよびオキシ水酸化コバルト1gを5mol/lの濃度の水酸化カリウム水溶液300cc中に加え、よく攪拌しながら1mol/l濃度の硝酸銀水溶液100ccを加え、60℃で16時間攪拌した。攪拌後、沈殿物のろ過を行い、純水による洗浄を行った後、乾燥を行いAgCo0.10Ni0.902を得た。
AgCo0.10Ni0.9021.5重量%と、Ag2O98.0重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た。この正極合剤1を、ディスク状のペレットに成形し、これを水酸化ナトリウム水溶液が注入された正極缶2内に挿入して、正極合剤1に水酸化ナトリウム水溶液を吸収させた。
次に、正極合剤1の上に、不織布、セロファン、ポリエチレンをグラフト重合した膜の3層構造の円形状に打ち抜いたセパレータ5を装填し、このセパレータ5上に、水銀を含まない粒状亜鉛合金(アルミニウムとインジウムとビスマスとの亜鉛合金粉)と、増粘剤と、水酸化ナトリウム水溶液とからなるジェル状の負極合剤3を載置した
次に、この負極合剤3を覆って負極カップ4を、正極缶2の開口端縁内に、リング状の断面L字状のナイロン製ガスケット6を介して挿入しかしめて密封した。以上により実施例1−1のボタン形アルカリ電池(外形6.8mm、高さ2.6mm)を得た。
<実施例1−2>
AgCo0.10Ni0.9023重量%と、Ag2O96.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例1−3>
AgCo0.10Ni0.9025重量%と、Ag2O94.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−3のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例1−4>
AgCo0.10Ni0.90210重量%と、Ag2O89.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−4のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例1−5>
AgCo0.10Ni0.90220重量%と、Ag2O79.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−5のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例1−6>
AgCo0.10Ni0.90240重量%と、Ag2O59.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−6のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例1−7>
AgCo0.10Ni0.90260重量%と、Ag2O39.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−7のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例1−8>
AgCo0.10Ni0.9021重量%と、Ag2O98.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−8のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−1>
Ag2O99.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−1のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−2>
AgNiO21重量%と、Ag2O98.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−2のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−3>
AgNiO21.5重量%と、Ag2O98重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−3のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−4>
AgNiO23重量%と、Ag2O96.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−4のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−5>
AgNiO25重量%と、Ag2O94.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−5のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−6>
AgNiO210重量%と、Ag2O89.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−6のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−7>
AgNiO220重量%と、Ag2O79.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−7のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−8>
AgNiO240重量%と、Ag2O59.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−8のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−9>
AgNiO260重量%と、Ag2O39.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−9のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−10>
AgCuO21重量%と、Ag2O98.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−10のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−11>
AgCuO21.5重量%と、Ag2O98重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−11のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−12>
AgCuO23重量%と、Ag2O96.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−12のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−13>
AgCuO25重量%と、Ag2O94.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−13のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−14>
AgCuO210重量%と、Ag2O89.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−14のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−15>
AgCuO220重量%と、Ag2O79.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−15のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−16>
AgCuO240重量%と、Ag2O59.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−16のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例1−17>
AgCuO260重量%と、Ag2O39.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−17のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例2−1>
AgCo0.10Ni0.9021.5重量%と、Ag2O68重量%と、MnO230重量%とPTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例2−1のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例2−2>
AgCo0.10Ni0.9023重量%と、Ag2O66.5重量%と、MnO230重量%とPTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−2のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例2−3>
AgCo0.10Ni0.9025重量%と、Ag2O64.5重量%と、MnO230重量%とPTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−3のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例2−4>
AgCo0.10Ni0.90210重量%と、Ag2O59.5重量%と、MnO230重量%とPTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−4のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例2−5>
AgCo0.10Ni0.90220重量%と、Ag2O49.5重量%と、MnO230重量%とPTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−5のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例2−6>
AgCo0.10Ni0.90240重量%と、Ag2O29.5重量%と、MnO230重量%とPTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−6のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例2−7>
AgCo0.10Ni0.90260重量%と、Ag2O9.5重量%と、MnO230重量%とPTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−7のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例2−8>
AgCo0.10Ni0.9021重量%と、Ag2O68.5重量%と、MnO230重量%とPTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−8のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−1>
Ag2O69.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−1のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−2>
AgNiO21重量%と、Ag2O68.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−2のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−3>
AgNiO21.5重量%と、Ag2O68重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−3のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−4>
AgNiO23重量%と、Ag2O66.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−4のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−5>
AgNiO25重量%と、Ag2O64.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−5のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−6>
AgNiO210重量%と、Ag2O59.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−6のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−7>
AgNiO220重量%と、Ag2O49.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−7のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−8>
AgNiO240重量%と、Ag2O29.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−8のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−9>
AgNiO260重量%と、Ag2O9.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−9のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−10>
AgCuO21重量%と、Ag2O68.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−10のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−11>
AgCuO21.5重量%と、Ag2O68重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−11のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−12>
AgCuO23重量%と、Ag2O66.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−12のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−13>
AgCuO25重量%と、Ag2O64.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−13のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−14>
AgCuO210重量%と、Ag2O59.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−14のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−15>
AgCuO220重量%と、Ag2O49.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−15のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−16>
AgCuO240重量%と、Ag2O29.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−16のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例2−17>
AgCuO260重量%と、Ag2O9.5重量%と、MnO230重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−17のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例3−1>
AgCo0.10Ni0.9021.5重量%と、MnO298重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例3−1のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例3−2>
AgCo0.10Ni0.9023重量%と、MnO296.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−2のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例3−3>
AgCo0.10Ni0.9025重量%と、MnO294.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−3のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例3−4>
AgCo0.10Ni0.90210重量%と、MnO289.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−4のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例3−5>
AgCo0.10Ni0.90220重量%と、MnO279.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−5のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例3−6>
AgCo0.10Ni0.90240重量%と、MnO259.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−6のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例3−7>
AgCo0.10Ni0.90260重量%と、MnO239.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−7のボタン形アルカリ電池を作製した。
<実施例3−8>
AgCo0.10Ni0.9021重量%と、MnO298.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−8のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−1>
MnO299.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−1のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−2>
AgNiO21重量%と、MnO298.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−2のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−3>
AgNiO21.5重量%と、MnO298重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−3のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−4>
AgNiO23重量%と、MnO296.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−4のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−5>
AgNiO25重量%と、MnO294.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−5のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−6>
AgNiO210重量%と、MnO289.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−6のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−7>
AgNiO220重量%と、MnO279.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−7のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−8>
AgNiO240重量%と、MnO259.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−8のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−9>
AgNiO260重量%と、MnO239.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−9のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−10>
AgCuO21重量%と、MnO298.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−10のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−11>
AgCuO21.5重量%と、MnO298重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−11のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−12>
AgCuO23重量%と、MnO296.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−12のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−13>
AgCuO25重量%と、MnO294.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−13のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−14>
AgCuO210重量%と、MnO289.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−14のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−15>
AgCuO220重量%と、MnO279.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−15のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−16>
AgCuO240重量%と、MnO259.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−16のボタン形アルカリ電池を作製した。
<比較例3−17>
AgCuO260重量%と、MnO239.5重量%と、PTFE0.5重量%とを混合して正極合剤1を得た点以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−17のボタン形アルカリ電池を作製した。
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17のボタン形アルカリ電池について、以下の評価を行った。
(耐漏液特性)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17のボタン形アルカリ電池を各20個用意した。そして、これらのボタン形アルカリ電池を、45℃相対湿度93%にて保存し100日経過後、120日経過後、140日経過後、160日経過後の漏液発生率を確認した。なお、漏液の発生の判定は、目視にて確認した。
(保存時の膨らみ量変化)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17のボタン形アルカリ電池を各5個用意した。そして、これらのボタン形アルカリ電池を、60℃DRYにて100日保存した後、保存前と保存後の総高の変化量ΔHtを確認した。
(電圧特性(CCV特性))
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17のボタン形アルカリ電池を各5個用意した。そして、これらのボタン形アルカリ電池を、各放電深度別(0、%、40%、80%)に、−10℃下2kΩの負荷抵抗で5秒間放電を行った後の最低電圧を測定した。
(放電時の膨らみ量変化と使い掛け電池の総高変化)
電圧特性(CCV特性)試験の際、放電深度30%、放電深度90%、放電深度110%の電池の総高を測定し、放電深度0%からの総高の変化量ΔHtを確認した。また、放電後の電池を45℃DRYにて30日間保存し、保存前後の総高の変化量ΔHtを確認した。
(容量保存特性)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17のボタン形アルカリ電池を各5個用意した。そして、これらのボタン形アルカリ電池について、保存前容量および60℃DRYにて100日保存した後の容量を確認した。
(誤使用試験)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17のボタン形アルカリ電池を各3個用意した。典型的な誤使用条件を想定し、これらのボタン形アルカリ電池を直列に接続し、その中の1個を逆接続した3直列1逆接続の閉開路の状況にし、24時間接続させ充電による破裂の有無を確認した。
また、実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17のボタン形アルカリ電池を各4個用意した。典型的な誤使用条件を想定し、これらのボタン形アルカリ電池を直列に接続し、その中の1個を逆接続した4直1逆の閉開路の状況にし、24時間接続させ充電による破裂の有無を確認した。なお、この際の回路抵抗は、0.1Ωを超えないものとした。
(耐漏液特性の測定結果について)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17の耐漏液特性の測定結果を表5に示す。
Figure 2010015944
Figure 2010015944
Figure 2010015944
表5に示すように、実施例1−1〜実施例1−8では100日経過後の漏液発生率、120日経過後の漏液発生率および140日経過後の漏液発生率が0%であり、さらに実施例1−1〜実施例1−7では160日経過後の漏液発生率が5%であった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902を用いた実施例1−1〜実施例1−8は、優れた耐漏液特性を有することが確認できた。
実施例1−1〜実施例1−7と実施例1−8との比較によれば、実施例1−1〜実施例1−7では160日経過後の漏液発生率が、5%であったが、実施例1−8では160日経過後の漏液発生率が10%であった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902の含有量が、正極合剤に対して1.50重量%以上含まれると、より優れた耐漏液特性効果が現れることがわかった。
実施例2−1〜実施例2−8では100日経過後の漏液発生率、120日経過後の漏液発生率および140日経過後の漏液発生率が0%であり、さらに実施例2−1〜実施例2−7では160日経過後の漏液発生率が5%であった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902を用いた実施例2−1〜実施例2−8は優れた耐漏液特性を有することが確認できた。
実施例2−1〜実施例2−7と実施例2−8との比較によれば、実施例2−1〜実施例2−7では160日経過後の漏液発生率が5%であったが、実施例2−8では160日経過後の漏液発生率が10%であった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902の含有量が、正極合剤に対して1.50重量%以上含まれると、より優れた耐漏液特性効果が現れることがわかった。
実施例3−1〜実施例3−8では100日経過後の漏液発生率、120日経過後の漏液発生率および140日経過後の漏液発生率が0%であり、さらに実施例2−1〜実施例2−7では160日経過後の漏液発生率が5%であった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902を用いた実施例3−1〜実施例3−8は優れた耐漏液特性を有することが確認できた。
実施例3−1〜実施例3−7と実施例3−8との比較によれば、実施例3−1〜実施例3−7では、160日経過後の漏液発生率が、5%であったが、実施例3−8では、160日経過後の漏液発生率が10%であった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902の含有量が、正極合剤に対して1.50重量%以上含まれると、より優れた耐漏液特性効果が現れることがわかった。
(保存時の膨らみ量変化の測定結果について)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17の保存時の膨らみ量変化の測定結果を表6に示す。
Figure 2010015944
Figure 2010015944
Figure 2010015944
表6に示すように、実施例1−1〜実施例1−8と比較例1−1との比較によれば、実施例1−1〜実施例1−8では、保存時の総高変化が比較例1−1より小さかった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902を正極合剤に添加することによって、電池膨れを抑制する効果を有することがわかった。
また、実施例1−1〜実施例1−8および比較1−2〜比較例1−9において、同一添加率のものをそれぞれ比べると、AgCo0.10Ni0.902を添加したものは、銀ニッケライト(AgNiO2)を添加したものに比べて約30%程度膨らみ量を低減できることがわかった。なお、30%は、銀ニッケライト(AgNiO2)を添加したものの総高変化の数値を100%として換算した場合の数値である(以下同様)。
実施例2−1〜実施例2−8と比較例2−1との比較によれば、実施例2−1〜実施例2−8では、保存時の総高変化が比較例2−1より小さかった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902を正極合剤に添加することによって、電池膨れを抑制する効果を有することがわかった。
また、実施例2−1〜実施例2−8および比較2−2〜比較例2−9との比較において、同一添加率のものをそれぞれ比べると、AgCo0.10Ni0.902を添加したものは、銀ニッケライト(AgNiO2)を添加したものに比べて約30%程度膨らみ量を低減できることがわかった。
実施例3−1〜実施例3−8と比較例3−1との比較によれば、実施例3−1〜実施例3−8では、保存時の総高変化が比較例3−1より小さかった。すなわち、AgCo0.10Ni0.902を正極合剤に添加することによって、電池膨れを抑制する効果を有することがわかった。
また、実施例3−1〜実施例3−8および比較3−2〜比較例3−9との比較において、同一添加率のものをそれぞれ比べると、AgCo0.10Ni0.902を添加したものは、銀ニッケライト(AgNiO2)を添加したものに比べて約30%程度膨らみ量を低減できることがわかった。
耐漏液特性の測定結果および保存時の膨らみ量変化の測定結果において、AgCo0.10Ni0.902を添加した場合に、銀ニッケライト(AgNiO2)を添加した場合よりも特性が向上した理由を以下のように考察する。
AgCo0.10Ni0.902は、電池内で亜鉛または亜鉛合金粉末から発生する水素ガス、および亜鉛または亜鉛合金粉末が集電体層とアルカリ電解液を介して接触することにより集電体層から発生する水素ガスを、吸収するスピードが銀ニッケライト(AgNiO2)に比べて速い。したがって、アルカリ電池の内圧が上昇しにくくなり、膨らみが抑制され、且つその効果により封口性を保つことが可能となるため、漏液が抑制されたと考えられる。なお、比較例にあるAgCuO2は、水素ガス吸収能力に劣るため、AgCo0.10Ni0.902および銀ニッケライト(AgNiO2)よりも耐漏液特性が劣る結果となった。
また、この水素ガス吸収効果は、集電体層に不純物が付着した場合等によって、水素ガスが発生することがあっても、AgCo0.10Ni0.902が、水素ガスを吸収する能力を持つことによって内圧が上昇するのを避けることが可能である。したがって、膨れや漏液の発生を回避でき、信頼性の高いボタン形アルカリ電池を構成することができる。
(電圧特性(CCV特性)測定結果について)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17の電圧特性の測定結果を表7に示す。
Figure 2010015944
Figure 2010015944
Figure 2010015944
表7に示すように、実施例1−1〜実施例1−8では、比較例1−1と比べて、電圧特性が良好であることがわかった。
実施例1−1〜実施例1−8および比較例1−2〜比較例1−9によれば、AgCo0.10Ni0.902を1.5重量%以上添加した場合に、銀ニッケライト(AgNiO2)を5重量%以上添加した場合と同程度の電圧特性を有することがわかった。
また、銀ニッケライト(AgNiO2)を60重量%添加した比較例1−9では、放電深度80%でNi(OH)2の生成過多による抵抗成分の増加により電圧低下を起こすが、AgCo0.10Ni0.902の場合、Co(OH)2の生成により導電性の低下を抑制するため、電圧低下は確認されなかった。なお、比較例1−10〜比較例1−17によれば、AgCuO2は、初期のフラット電位以降、導電性を持たない電位に移行するため、放電深度40%以上では電位が低下した。
実施例2−1〜実施例2−8では、比較例2−1と比べて、電圧特性が良好であることがわかった。
実施例2−1〜実施例2−8および比較例2−2〜比較例2−9によれば、AgCo0.10Ni0.902を1.5重量%以上添加した場合に、銀ニッケライト(AgNiO2)を5重量%以上添加した場合と同程度の電圧特性を有することがわかった。
また、AgNiO2を60重量%添加した比較例2−9では、放電深度80%でNi(OH)2の生成過多による抵抗成分の増加により電圧低下を起こすが、AgCo0.10Ni0.902の場合、Co(OH)2の生成により導電性の低下を抑制するため、電圧低下は確認されなかった。なお、比較例2−10〜比較例2−17によれば、AgCuO2は、初期のフラット電位以降、導電性を持たない電位に移行するため、放電深度40%以上では電位が低下した。
実施例3−1〜実施例3−8では、比較例3−1と比べて、電圧特性が良好であることがわかった。
実施例3−1〜実施例3−8および比較例3−2〜比較例3−9によれば、AgCo0.10Ni0.902を1.5重量%以上添加した場合に、銀ニッケライト(AgNiO2)を5重量%以上添加した場合と同程度の電圧特性を有することがわかった。
また、銀ニッケライト(AgNiO2)を60重量%添加した比較例3−9では、放電深度80%でNi(OH)2の生成過多による抵抗成分の増加により電圧低下を起こすが、AgCo0.10Ni0.902の場合、Co(OH)2の生成により導電性の低下を抑制するため、電圧低下は確認されなかった。なお、比較例3−10〜比較例3−17によれば、AgCuO2は、初期のフラット電位以降、導電性を持たない電位に移行するため、放電深度40%以上では電位が低下した。
(放電時の膨らみ量変化および使い掛け電池の総高変化の測定結果について)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17の放電時の膨らみ量変化および使い掛け電池の総高変化の測定結果を表8に示す。
Figure 2010015944
Figure 2010015944
Figure 2010015944
表8において、実施例1−1〜実施例1−8と比較例1−2〜比較例1−9とで同一添加率のものをそれぞれ比較した。実施例2−1〜実施例2−8と比較例2−2〜比較例2−9とで同一添加率のものをそれぞれ比較した。実施例3−1〜実施例3−8と比較例3−2〜比較例3−9とで同一添加率のものをそれぞれ比較した。比較の結果、AgCo0.10Ni0.902を添加したものでは、AgNiO2を添加したものに比べて、放電深度30%で最大12%、放電深度90%で最大6%、放電深度110%で8.4%膨らみ量を減少できることがわかった。
また、実施例1−1〜実施例1−8、実施例2−1〜実施例2−8および実施例3−1〜実施例3−8によると、AgCo0.10Ni0.902を添加したものでは、深度放電前後の総高変化量から、放電深度30%で最大113%程度、放電深度90%で最大106%程度、放電深度110%で120%程度膨らみ量を減少できることがわかった。なお、膨らみ量の減少度合いは、以下の計算式で算出したものである。100−{([「放電時総高変化」+「使い掛け電池の総高変化」]/「放電時の総高変化」)×100}(%)
なお、これらの効果は、JIS8515に記載される「最大寸法から0.25mmを超える変形があってはならない」という内容を満たすためには有利な効果である。また、これらの効果によって、電池内部の内容量を上げることができるため、電池容量の向上も可能になると考えられる。
(容量保存特性測定結果について)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17の容量保存特性の測定結果を表9に示す。
Figure 2010015944
Figure 2010015944
Figure 2010015944
表9において、実施例1−1〜実施例1−8と比較例1−2〜比較例1−9とで同一添加率のものをそれぞれ比較した。実施例2−1〜実施例2−8と比較例2−2〜比較例2−9とで同一添加率のものをそれぞれ比較した。実施例3−1〜実施例3−8と比較例3−2〜比較例3−9とで同一添加率のものをそれぞれ比較した。比較の結果、AgCo0.10Ni0.902を添加したものでは、AgNiO2を添加したものに比べて、約2〜9%容量を増大できることがわかった。
また、AgNiO2を添加したものでは、AgNiO2の添加量が1〜40重量%においては添加量の増加に伴い容量が増加するが、添加量が60重量%になると容量が増加せず逆に減少することが確認された。一方、AgCo0.10Ni0.902を添加したものでは、60重量%添加時でも添加量の増加に伴い容量が増加した。
保存後の容量においても、AgNiO2を添加したものでは、AgNiO2の添加量が1〜40重量%においては添加量の増加に伴い容量が増加するが、添加量が60重量%になると容量が増加せず逆に減少することが確認された。一方、AgCo0.10Ni0.902を添加したものでは、60重量%添加時でも添加量の増加に伴い容量が増加した。
上記の理由としては、AgNiO2では、AgNiO2の放電反応により生成されるNi(OH)2が抵抗成分として存在するため、放電末期の活物質の利用率が低下したが、AgCo0.10Ni0.902では、その作用が小さいため、容量低下が起こりにくいからと考えられる。
なお、AgCuO2は、初期容量は非常に大きいが、水素ガスの吸収力が低いためセルの内圧が上昇し、また、放電によりMnO2が体積膨張するので、ガスケットへのセパレータの押し付けが強くなる。この結果、セパレータの開裂を引き起こし、微小な内部短絡を引き起こしたため、保存時の容量が急激に低下した。
(誤使用試験の結果について)
実施例1−1〜実施例3−8および比較例1−1〜比較例3−17の誤使用試験の結果を表10に示す。
Figure 2010015944
Figure 2010015944
Figure 2010015944
3個以上の電池が直列に接続された場合、その中の1個が逆接続されると、その電池は充電されてしまう。筒型電池は内圧が過剰になった際にそれを開放できるように設計されているが、ボタン形アルカリ電池は充電される設計にはなっていないため、破裂が避けられない場合もあることが知られている
表10に示すように、AgCo0.10Ni0.902を用いたボタン形アルカリ電池では、誤使用試験において、破裂が生じなかった。この結果は、AgCo0.10Ni0.902の水素ガス吸収能力が非常に高いため、発生した水素ガスによる内圧の上昇が低減されることが理由と考えられる。これにより、誤使用時に発生していた機器の損傷を未然防止可能になることが想定できる。
(評価)
以上の測定結果より、酸化銀(Ag2O)および二酸化マンガン(MnO2)の少なくともとも何れかを含む正極合剤にAgCo0.10Ni0.902を添加したボタン形アルカリ電池では、電池寸法の変化を抑制することができ、内部短絡および使用機器の破損を未然防止可能な結果となった。また、その効果は、正極合剤に対して、AgCo0.10Ni0.902を1.5〜60重量%含むようにした場合により優れていることがわかった。
また、AgCo0.10Ni0.902を添加したものは、期待された電池の内圧の上昇を抑制し、耐漏液特性においても現流品を想定した比較例を上回る結果が得られ、電池特性としても大電流化、高電気容量化、高寿命化において、現流品を想定した比較例を上回る結果を得られることが確認された。
また、試験例の物性評価結果より、式(1)表される銀コバルトニッケル複合酸化物において、AgxCoyNiz2(x+y+z=2、x≦1.10、y≧0.01)とし、Co添加量を増加させた場合には、更なる特性の向上が見込まれる。
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、一実施の形態では、ボタン形アルカリ電池について説明したが、電池の形状はこれに限定されるものではない。例えば、筒型のアルカリ電池にも同様の効果が期待できる。ただし、実用の際には、特開2002−117859号公報に記載された構成の他に、式(1)で表される銀コバルトニッケル酸化物の反応性生物であるAgの負極への析出による電池内部ショートによる容量低下を防止するため、セパレータとして、セロファン膜もしくは、セロファン膜及び、ポリエチレンをグラフト重合した膜のラミネート品を使用する事が望ましい。
この発明の一実施の形態によるボタン形アルカリ電池の構成を示す断面図である。 この発明の一実施の形態によるボタン形アルカリ電池の負極カップの断面図である。 水素ガス吸収試験方法の説明図である。
符号の説明
1・・・正極合剤
2・・・正極缶
3・・・負極合剤
4・・・負極カップ
5・・・セパレータ
6・・・ガスケット
7・・・被覆層
11・・・ニッケル層
12・・・ステンレス層
13・・・集電体層

Claims (9)

  1. 式(1)で表される銀とコバルトとニッケルとの複合酸化物を含む正極合剤を用いたアルカリ電池。
    式(1):AgxCoyNiz2
    (式中、x+y+z=2、x≦1.10、y>0である。)
  2. 上記正極合剤が内部に配される正極缶と、
    該正極缶の開口端を封止する負極カップと
    を備えた請求項1記載のボタン形アルカリ電池。
  3. 上記式(1)で表される銀とコバルトとニッケルとの複合酸化物において、y≧0.01である請求項2記載のボタン形アルカリ電池。
  4. 上記正極合剤は、さらに酸化銀および二酸化マンガンのうちの少なくとも何れかを含む請求項2記載のボタン形アルカリ電池。
  5. 上記正極合剤は、さらに二酸化マンガンを含む請求項2記載のボタン形アルカリ電池。
  6. 上記正極合剤は、上記銀とコバルトとニッケルとの複合酸化物を1.5重量%〜60重量%含む請求項2記載のボタン形アルカリ電池。
  7. 上記負極カップ内には、水銀を含まない亜鉛または亜鉛合金粉末を含む負極合剤が配された請求項2記載のボタン形アルカリ電池。
  8. 上記負極カップは、開口端縁が断面U字状に折り返されて折り返し部を形成し、
    上記負極カップの内面の上記折り返し部の折り返し底部および外周折り返し部を除いた領域に、銅より水素過電圧の高い金属からなる被覆層が設けられた
    請求項7記載のボタン形アルカリ電池。
  9. 上記被覆層は、スズからなる請求項8記載のボタン形アルカリ電池。
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